JP5178613B2 - スクリュー圧縮機 - Google Patents
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Description
スクリュー圧縮機は、ケーシング(図示せず)内に回転可能に配置され、外周面に複数条のスクリュー溝121が形成されたスクリューローター102と、スクリューローター102を回転させる電動機103とを備えている。スクリューローター102の外周部には、スクリューローター102を両側から挟むようにして噛み合い、スクリューローター102の回転に伴って回転する一対のゲートローター104を備えている。このように一対のゲートローター104を備えたスクリュー圧縮機(以下、ツインゲートローター構造と呼ぶ)では、スクリューローター102とケーシング101との間で、一対のゲートローター104を境界とした両側にそれぞれ圧縮室が形成されている。
図1は、本実施の形態1におけるモノゲートローター構造スクリュー圧縮機の要部の構造を示す断面図である。図2は、図1の軸受ハウジング10のA−A断面図である。図3は、図2のB−B断面図である。図4は、本実施の形態1におけるモノゲートローター構造スクリュー圧縮機の構造を示す断面図である。図5は、図4のC−C断面図である。図6は、スクリューローター2とモノゲートローター4との位置関係を説明するための斜視図である。なお、図1〜図6及び後述の各図において、同一の符号を付したものは同一又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。さらに、明細書全文に表れている構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
スクリューローター2が矢印a方向に回転すると、その回転に伴ってゲートローター4が図示矢印b方向に回転する。これにより、吸入雰囲気に位置していたスクリュー溝21aが吸入圧の冷媒ガスを内部に伴った状態でケーシング1で囲まれた領域内に入る(これによりスクリュー溝21aは圧縮室5となる)。そして、スクリューローター2が更に回転して図示矢印cに示すように圧縮室5の容積が徐々に縮小することにより、冷媒ガスが低圧、中間圧、更に高圧に徐々に圧縮される。そして、高圧となった冷媒ガスがケーシング1に開口された吐出ポート1aから吐出される。
Ft=π(Rout 2−Rin 2 )・(Pd −PS )/2 …(1)
モノゲートローター構造スクリュー圧縮機は、上述したように、いわばツインゲートローター構造において一方側だけを使用して圧縮動作を行っている構成に相当する。そして、他方側全体が全て吸入圧力雰囲気であることから、スクリューローター102の外周部分には圧力分布の不均衡が生じており、スクリューローター2には、圧縮側から反圧縮側に向かう方向にガス荷重(ラジアル荷重)が作用する(例えば図5の矢印で示す方向)。このようなラジアル荷重がスクリューローター2に加わると、スクリュー軸22が正位置(回転中心)から偏心してしまい、例えば、圧縮機構部分周辺の部材と接触する等して焼き付き等が生じる可能性が高くなる。実施の形態2は、これを解消しようとするものである。なお、実施の形態2は、軸受ハウジング10の構成のみが異なり、その他の構成は実施の形態1と同様である。このため、軸受ハウジング10以外の部分については適宜実施の形態1の図面を参照されたい。
上述したように、モノゲートローター構造の圧縮機では、ラジアル荷重によりスクリュー軸22がたわみ、スクリューローター2が偏心(回転中心の位置が移動)するため、反圧縮側のラジアル面13に接近又は接触する可能性がある。よって、実施の形態2では、図12(a)、図12(b)に示すように、軸受ハウジング10のスクリューローター側端部の反圧縮側(反圧縮側端部17)に、スクリューローター2の正位置からの偏心を許容する逃げ部を形成するようにした。以下、軸受ハウジング10の構造について詳細に説明する。
実施の形態3は、軸受ハウジング10の反圧縮側のラジアル面13に、ラジアル荷重に対向する動圧を発生させるための動圧溝を設け、高圧側軸受7及び低圧側軸受8への負荷を軽減するようにしたものである。
図15は、本発明の実施の形態4に係る動圧溝の別の形状例を表す図である。実施の形態3においてはヘリングボーン溝の動圧溝19を設けるようにした。しかし、動圧溝19はヘリングボーン溝のような形状に限るものでなく、例えばラジアル荷重に対向して動圧を発生させることができる形状であればよく、スパイラル溝であってもよい。
実施の形態5は、軸受ハウジング10においてラジアル荷重に対向する位置に油分離器60からの高圧の油が供給される油ポケットを設け、スクリューローター2を反圧縮側から加圧し、高圧側軸受7及び低圧側軸受8に作用するラジアル荷重を軽減するようにしたものである。
油ポケット20には、油分離器60から軸受ハウジング10内に設けた給油通路14aを経由して高圧の油が供給される。軸受ハウジング10の、ラジアル荷重に対向する位置に油ポケット20を設けるようにし、静圧ポケット軸受作用によりスクリューローター2を加圧する。ここで、油ポケット20は1箇所だけでなく複数箇所に設け、ラジアル荷重に対向してスクリューローター2を加圧する箇所をさらに広い範囲に分散させるようにしてもよい。
図18は、本発明の実施の形態6に係る二段スクリュー圧縮機の圧縮機構部の概念斜視図である。図18では、2枚のゲートローター4a、4bを用いて2箇所における圧縮動作が行われるスクリューローター2aを低段側に配置し、上述の実施の形態1〜5で説明したモノゲートローター構造におけるスクリューローター2を高段側に配置している。
Claims (17)
- ケーシングと、
該ケーシング内に回転可能に配置され、外周面に複数条のスクリュー溝が設けられたスクリューローターと、
該スクリューローターのスクリュー溝に嵌合する歯を有し、前記スクリューローターの回転に伴って回転する1枚のゲートローターと、
前記ケーシングと前記スクリュー溝と前記ゲートローターとにより前記スクリューローターの外周の一部に構成され、前記スクリューローターが回転することにより冷媒ガスを圧縮して吐出する圧縮室と、
前記スクリューローターの吐出側端部に近接して設けられ、前記スクリューローターの吐出側の軸受を内装する軸受ハウジングと、
該軸受ハウジング内において吸入側に連通する軸受ハウジング内室を前記スクリューローターの吐出高圧部と区画するためのシール部であって、前記軸受ハウジングと前記スクリューローターとの間に形成された周状の隙間である高圧シール部とを備え、
該高圧シール部は、周方向に、前記圧縮室が形成された高圧領域と、それ以外の低圧領域とを有し、前記高圧領域と前記低圧領域との境界付近に、前記軸受ハウジングに設けた給油通路と連通する給油口を開口させ、該給油口から油を噴射させるようにしたことを特徴とするスクリュー圧縮機。 - 前記給油口を、前記高圧領域と前記低圧領域との境界付近のうち、前記低圧領域側に開口させたことを特徴とする請求項1記載のスクリュー圧縮機。
- 前記高圧シール部は、前記スクリューローターと前記軸受ハウジングとの間に形成された隙間のうち、前記スクリューローターの軸方向に対向するスラスト面同士間の隙間をシールするスラストシール部を備え、前記給油口を、前記軸受ハウジングのスラスト面に開口したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスクリュー圧縮機。
- 前記高圧シール部は、前記スクリューローターと前記軸受ハウジングとの間に形成された隙間のうち、前記スクリューローターの軸方向と直交する方向に対向するラジアル面同士間の隙間をシールするラジアルシール部を備え、前記給油口を、前記軸受ハウジングのラジアル面に開口したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスクリュー圧縮機。
- 前記ラジアル面の前記給油口は、前記軸受ハウジングを外周面から前記スクリューローターの軸方向と直交する方向に貫通して形成されていることを特徴とする請求項4記載のスクリュー圧縮機。
- 前記高圧シール部は、前記スクリューローターと前記軸受ハウジングとの間に形成された隙間のうち、前記スクリューローターの軸方向に対向するスラスト面同士間の隙間をシールするスラストシール部と、前記スクリューローターの軸方向と直交する方向に対向するラジアル面同士間の隙間をシールするラジアルシール部とを備え、前記給油口を、前記軸受ハウジングのスラスト面と前記軸受ハウジングのラジアル面との両方に開口したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスクリュー圧縮機。
- 前記給油通路を、容量制御を行うスライドバルブ内を経由して設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載のスクリュー圧縮機。
- 前記軸受ハウジングは、前記スクリューローターと対向するローター側端部の形状が、前記圧縮室が形成される圧縮側とそれ以外の反圧縮側とで異なっており、前記反圧縮側は、前記スクリューローターの正位置からの偏心を許容する逃げ部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載のスクリュー圧縮機。
- 前記軸受ハウジングは、前記スクリューローターのスクリュー軸が挿通する貫通孔を有し、該貫通孔は、前記軸受を内装する小径貫通孔と、該小径貫通孔のスクリューローター側に形成され、前記スクリューローターの一部を収容する大径貫通孔とから構成され、前記貫通孔の中心軸と、前記大径貫通孔の内周面との間の距離が、圧縮側に比べて反圧縮側が長く形成されていることを特徴とする請求項8記載のスクリュー圧縮機。
- 前記軸受ハウジングは、前記スクリューローターのスクリュー軸が挿通する貫通孔を有し、該貫通孔は、前記軸受を内装する小径貫通孔と、該小径貫通孔のスクリューローター側に形成され、前記スクリューローターの一部を収容する大径貫通孔とから構成され、該大径貫通孔の軸方向の長さが、圧縮側に比べて反圧縮側が短く形成されていることを特徴とする請求項9記載のスクリュー圧縮機。
- 前記軸受ハウジングの圧縮側のスラスト面に、終端部分が設けられた円弧状のラビリンス溝を設けたことを特徴とする請求項8乃至請求項10の何れかに記載のスクリュー圧縮機。
- 前記軸受ハウジングの反圧縮側のラジアル面に動圧溝を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載のスクリュー圧縮機。
- 前記動圧溝は、ヘリングボーン溝であることを特徴とする請求項12記載のスクリュー圧縮機。
- 前記動圧溝は、スパイラル溝であることを特徴とする請求項12記載のスクリュー圧縮機。
- 前記動圧溝は、前記スクリューローターの回転方向に溝の断面積が徐々に減少する形状の溝であることを特徴とする請求項12乃至請求項14の何れかに記載のスクリュー圧縮機。
- 前記軸受ハウジングの反圧縮側のラジアル面に、給油通路に連通する油ポケットを設けたことを特徴とする請求項7乃至請求項15の何れかに記載のスクリュー圧縮機。
- 請求項1乃至請求項16の何れかに記載のスクリュー圧縮機の各構成要素を備え、前記スクリューローター及び前記1枚のゲートローターを、高段側の圧縮機構とする、複数段で構成した圧縮機構を有することを特徴とするスクリュー圧縮機。
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