JP6685100B2 - ロータリ圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、ロータリ圧縮機に関する。
従来、ロータリ圧縮機としては、中仕切板を介して一対のシリンダを配置した、いわゆる2シリンダロータリ圧縮機が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のロータリ圧縮機においてはシャフトのクランク部の外周面に、潤滑油を軸受に導く油溝が設けられている。また、このロータリ圧縮機のシャフトには、中仕切板の中仕切室への潤滑油の流れを抑制する抵抗部を備えている。この抵抗部は、中仕切室への潤滑油の流れを抑制することによって前記油溝に効率よく潤滑油が流れるようにする。
特開平7−83185号公報
ところで、従来のロータリ圧縮機(例えば、特許文献1参照)においては、潤滑油は、作動流体(冷媒)の吐出圧になっている密閉容器内の貯油部から給油ポンプ(トロコイドポンプ)によって強制的に油溝に送られる。また、ロータリ圧縮機の運転条件に応じて給油ポンプによる潤滑油の供給量が増加すると、中仕切室内の圧力が吐出圧を超えることもある。また、従来のロータリ圧縮機(例えば、特許文献1参照)のように、潤滑油の流路に抵抗部を有するものでは、流路抵抗が大きいほど給油ポンプによる昇圧量も増大する。これによって中仕切室内の圧力はさらに上昇する。このように中仕切室内の圧力が吐出圧を超えると、中仕切室内の潤滑油は、シリンダ内のピストンと中仕切板との間の隙間からシリンダ内の吸込室と圧縮室とに容易に流れ込む。
しかしながら、吐出圧の貯油部に貯留されている潤滑油は高温であるため、中仕切室を介して吸込室に流れ込む潤滑油は、作動流体を加熱してロータリ圧縮機の体積効率を低下させる。吸込室に流れ込んだ高温の潤滑油は、作動流体を発泡させることによっても体積効率を低下させる。また、高温の潤滑油が圧縮室に流れ込むと作動流体の圧力が上昇して圧縮効率を低下させる。
そこで、本発明の課題は、潤滑油を効率よく行き渡らせることができるとともに、体積効率及び圧縮効率に優れるロータリ圧縮機を提供することにある。
前記課題を解決した本発明のロータリ圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、前記圧縮機構部を、シャフトを介して駆動する電動機部と、前記圧縮機構部及び前記電動機部を収納する密閉容器と、前記密閉容器の底部に形成される貯油部と、前記貯油部の潤滑油を前記圧縮機構部に供給する潤滑油供給路と、を備え、前記圧縮機構部は、第1シリンダと、前記第1シリンダに中仕切板を介して配置される第2シリンダと、前記第1シリンダ内に配置される第1ピストンと、前記第2シリンダ内に配置される第2ピストンと、前記第1ピストンを前記第1シリンダ内で旋回駆動する前記シャフトの第1偏心軸部と、前記第2ピストンを前記第2シリンダ内で旋回駆動する前記シャフトの第2偏心軸部と、を有し、前記潤滑油供給路は、前記貯油部に一端が浸漬される前記シャフトの中空部と、前記中空部に連通する前記シャフトの穴部から、前記第1偏心軸部と前記第1ピストンとの隙間及び前記第2偏心軸部と前記第2ピストンとの隙間を介して前記中仕切板に形成される中仕切室に至る中仕切給油路と、前記中仕切室から第1シリンダ内及び第2シリンダ内のそれぞれに至る、前記中仕切板と前記第1ピストンとの隙間及び前記中仕切板と前記第2ピストンとの隙間で構成される中仕切油流出路と、を有し、前記中仕切給油路は、前記第1偏心軸部と前記第1ピストンとの隙間及び前記第2偏心軸部と前記第2ピストンとの隙間に至る前の第1中仕切給油路と、前記第1偏心軸部と前記第1ピストンとの隙間及び前記第2偏心軸部と前記第2ピストンとの隙間で構成される第2中仕切給油路と、からなり、前記第2中仕切給油路の潤滑油の流路抵抗が前記第1中仕切給油路の流路抵抗よりも大きく設定されるとともに、前記中仕切油流出路の潤滑油の流路抵抗が前記第1中仕切給油路の流路抵抗よりも大きく設定されており、前記中仕切油流出路は、前記中仕切室と、少なくとも前記第1シリンダ内及び前記第2シリンダ内のいずれか一方とを連通させるように、前記中仕切板に形成された貫通孔で形成されるバイパス油路を含み、前記中仕切板は、内側に前記中仕切室が形成される環状部材で形成され、前記中仕切油流出路は、前記中仕切室側で前記中仕切板の厚さ方向に沿って形成される穴と、前記中仕切板の厚さ方向の中央部で、前記中仕切室側から前記穴に延びて当該穴と連通する横穴と、を有するバイパス油路を含み、前記バイパス油路の前記横穴には、前記中仕切室と前記第1シリンダ内又は前記第2シリンダ内との間の所定の差圧で前記バイパス油路を開く弁体が配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、潤滑油を効率よく行き渡らせることができるとともに、体積効率及び圧縮効率に優れるロータリ圧縮機を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るロータリ圧縮機の縦断面図である。 図1に示される圧縮機構部の部分拡大図である。 図2のIIIA−IIIA断面図である。 図2のIIIB−IIIB断面図である 図2のIV−IV断面に対応する本発明の第2実施形態に係るロータリ圧縮機の断面図である。 図4のV−V断面図である。 本発明の第2実施形態に係るロータリ圧縮機の動作説明図である。 本発明の第2実施形態に係るロータリ圧縮機の動作説明図である。 本発明の第2実施形態に係るロータリ圧縮機の動作説明図である。 本発明の第3実施形態に係るロータリ圧縮機における中仕切板近傍の部分拡大図である。 本発明の第4実施形態に係るロータリ圧縮機における中仕切板近傍の部分拡大図である。 本発明の第5実施形態に係るロータリ圧縮機における中仕切板近傍の部分拡大図である。 本発明の第6実施形態に係るロータリ圧縮機の動作説明図である。 本発明の第6実施形態に係るロータリ圧縮機の動作説明図である。 本発明の第6実施形態に係るロータリ圧縮機の動作説明図である。 本発明の第7実施形態に係るロータリ圧縮機の部分拡大図である。 図11のXII−XII断面図である。 本発明の第8実施形態に係るロータリ圧縮機における上側のブレード機構付近の部分拡大横断面図である。 本発明の第8実施形態に係るロータリ圧縮機における下側のブレード機構付近の部分拡大横断面図である。
次に、本発明を実施するための形態(第1実施形態から第8実施形態)について図面を適宜参照しながら説明する。
(第1実施形態)
本実施形態のロータリ圧縮機は、後記するように圧縮機構部における定常運転時の中仕切室の圧力が作動流体(冷媒)の吐出圧と吸込圧の間の範囲内(後記の中間圧)に設定されるように構成されている。以下では、ロータリ圧縮機の全体構成について説明した後に圧縮機構部について詳細に説明する。なお、以下の説明において、上下の方向は、通常使用時におけるロータリ圧縮機の鉛直方向に一致させた図1に示す矢印の上下方向を基準とする。
≪ロータリ圧縮機≫
図1は、本実施形態のロータリ圧縮機100Aの縦断面図である。なお、図1中のシャフト8は、作図の便宜上、断面ではなく外周面を側面視で描いている。
ロータリ圧縮機100Aは、ピストンブレード分離型の圧縮機であって、シャフト8が鉛直方向に向く縦型の圧縮機である。このロータリ圧縮機100Aは、冷凍空調装置(例えば、空気調和機、冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵・冷凍ショーケースなど)やヒートポンプ式給湯装置などの冷凍サイクルの構成機器として用いられる。
図1に示すように、ロータリ圧縮機100Aは、密閉容器1と、圧縮機構部2と、モータ7とを主要構成要素として備えている。なお、圧縮機構部2については後に詳しく説明する。
密閉容器1は、円筒状の筒部1aと筒部1aの上下に溶着された上蓋部1b及び下蓋部1cとを有し、内部を密閉空間としている。
密閉容器1は、圧縮機構部2とモータ7とを収納している。上蓋部1bには、モータ7に電気的に接続されるハーメチック端子15と、密閉容器1の内外に連通する吐出パイプ10が設けられている。密閉容器1の底部にはエーテル系化合物、エステル系化合物などの潤滑油(以下、単に油ということがある)を貯留する貯油部9が形成されている。
また、図1には図示しないが、密閉容器1には、後記の圧縮機構部2に作動流体を供給する吸込パイプが設けられている。
モータ7は、ロータ7aと、ステータ7bと、シャフト8と、バランスウェイト(図示省略)とを主要構成要素として備えている。
ロータ7aは、鉄芯(図示省略)と、鉄芯に内蔵された永久磁石(図示省略)とを主要構成要素として備えている。ロータ7aは、ステータ7bからの回転磁界を回転運動に変換し、シャフト8を中心に回転する。ロータ7aは、ステータ7bの中央穴内に所定のエアギャップを開けて回転可能に配置されている。
ステータ7bは、電流を流して回転磁界を発生させる複数の導体を有するコイル(図示省略)と、回転磁界を効率よく伝達するための鉄芯(図示省略)とを主要構成要素として備えている。ステータ7bのコイルは、前記のハーメチック端子15を介して外部電源と電気的に接続されている。
シャフト8は、モータ7の軸中心に配置される中心軸部8cと、モータ7の軸中心に対して偏心した偏心軸部8a,8bと、を有している。偏心軸部8a,8bは、クランク部を構成する。なお、以下の説明において、「シャフト8の軸中心」は、中心軸部8cの軸中心(後記の軸中心X)を意味し、偏心軸部8a,8bの軸中心(後記の軸中心Xa,Xb)を意味しない。
中心軸部8cは、ロータ7aの中央穴に嵌合されてロータ7aと一体化されている。中心軸部8cの一側(図示例では下端)は、ロータ7aより突出して密閉容器1の底部に配置されている。また、偏心軸部8a,8bは、後記する圧縮機構部2のピストン4a,4bに対応するように配置されている。偏心軸部8aと偏心軸部との間に配置される中心軸部8cは、後記する中仕切板5のシャフト挿通孔51(図2参照)内に配置される。
なお、偏心軸部8a,8bについては、圧縮機構部2の説明とともに後にさらに詳しく説明する。
中心軸部8cの下端は、貯油部9で潤滑油に浸漬されている。圧縮機構部2の内側に配置されるシャフト8には、軸方向に給油縦穴81が形成されている。また、シャフト8の外周面には、給油縦穴81に連通する給油横穴82a,82bが形成されている。給油横穴82bは、軸中心を挟んで給油横穴82aとは反対側(図1の紙面裏側)に形成され、図1では隠れ線(破線)で示している。図1中、符号84a及び符号84bは、シャフト8の外周面に形成された螺旋溝である。
≪圧縮機構部≫
次に、圧縮機構部2について説明する。
圧縮機構部2には、前記のように給油縦穴81及び給油横穴82a,82bを介して潤滑油が供給される。潤滑油は、圧縮機構部2の所定の構成部材同士の隙間を潤滑し、シールする。潤滑油の供給経路(潤滑油供給路)については後に詳しく説明する。
図2は、図1に示される圧縮機構部2の部分拡大図である。
圧縮機構部2は、図2に示すように、シリンダ3a(第1シリンダ)、シリンダ3b(第2シリンダ)と、ピストン4a(第1ピストン)、ピストン4b(第2ピストン)と、中仕切板5と、軸受プレート6a,6bと、を備えている。
シリンダ3aとシリンダ3bとは、中仕切板5を介して軸方向に並べられて配置されている。シリンダ3aは中仕切板5の上方に配置され、シリンダ3bは中仕切板5の下方に配置されている。シリンダ3a,3bのそれぞれの内側には、シリンダ3aとシリンダ3bとが配置されている。
シリンダ3a,3bは、軸受プレート6aと、軸受プレート6bとによって挟持され、軸受プレート6aの外縁部を介して密閉容器1の内周面に固定されている。
図3Aは、図2のIIIA−IIIA断面図、図3Bは、図2のIIIB−IIIB断面図である。
図3Aに示すように、シリンダ3aは、ピストン4aが旋回する円柱状空間を有する円筒部31aと、この円筒部31aから径方向外側に突出して吸込パイプ11aと分離ブレード機構20aとが配置される突出部32aとを有している。
また、図3Bに示すように、シリンダ3bは、ピストン4bが旋回する円柱状空間を有する円筒部31bと、この円筒部31bから径方向外側に突出して吸込パイプ11bと分離ブレード機構20bとが配置される突出部32bとを有している。図3A中、符号8aは、シャフト8の偏心軸部(第1偏心軸部)であり、図3B中、符号8bは、シャフト8の偏心軸部(第2偏心軸部)である。
偏心軸部8a,8bは、円柱形状を呈している。図3A及び図3Bに示すように、偏心軸部8a,8bのそれぞれの軸中心Xa,Xbは、中心軸部8c(図2参照)の軸中心Xから中心軸部8cの半径方向外側にシフトしている。
本実施形態での偏心軸部8aと、偏心軸部8bとは、中心軸部8cの軸中心Xに偏心軸部8a,8b同士の偏心方向が180度ずれる位置に配置されている。つまり、軸中心Xaと軸中心Xbとは、軸中心Xを挟んで互いに反対側に位置している。
なお、図3A及び図3B中、符号18a,18bで示す平面カット部は、偏心軸部8a,8bの上下方向に外周面の一部を平坦面とした部分である。この平面カット部18a,18bは、次に説明するピストン4a,4bとの間に円弧状の空間を形成する。平面カット部18a,18bは、ピストン4a,4bと偏心軸部8a,8bとの隙間に対する給油量を調整する。本実施形態での平面カット部18a,18bは、後記する第2中仕切給油路42a,42b(図2参照)に含まれるが、本発明においては、平面カット部18a,18bを省略することもできる。
ピストン4a,4bは、円筒体である。図3A及び図3Bに示すように、ピストン4a,4bの内周側には、前記の偏心軸部8a,8bがそれぞれ嵌め込まれている。ピストン4a,4bの外径は、シリンダ3a,3bの内周面の半径から偏心軸部8a,8bの偏心距離を差し引いた長さに設定されている。これにより中心軸部8c(図2参照)の軸中心X周りに偏心軸部8a,8bのそれぞれが回転する際に、シリンダ3a,3bの内周面とピストン4a,4bの外周面とが微視的に最も近接する。シリンダ3a,3bの内周面とピストン4a,4bの外周面とが最も近接するこの点を以下に近接点P(例えば、図6Aから図6C参照)ということがある。
なお、中心軸部8c(図2参照)の軸中心X周りに偏心軸部8a,8bのそれぞれが回転する際に、ピストン4a,4bの内周面と偏心軸部8a,8bの外周面とは摺接する。シリンダ3a,3b内には、シリンダ3a,3bの内周面と、ピストン4a,4bの外周面との間に、後記する作動流体の吸込室34a,34bと圧縮室33a,33bとが形成される。
分離ブレード機構20a,20bは、図3A及び図3Bに示すように、ベーン21a,21bと、ベーンばね22a,22bとを有している。
ベーン21a,21bは、突出部32a,32bに形成されるベーン溝23a,23bとベーン横穴24a,24bとに跨って配置されている。
ベーン21a,21bは、ベーン横穴24a,24bに配置されたベーンばね22a,22bによって、シリンダ3a,3b内に突出するように付勢されている。これによりベーン21a,21bは、シリンダ3a,3b内で旋回するピストン4a,4bの外周面に当接する。つまり、シリンダ3a,3bの内周面とピストン4a,4bとによって区画される平面視で三日月状の空間は、ベーン21a,21bによって吸込室34a,34bと圧縮室33a,33bとに区画される。そして、吸込パイプ11a,11bは、ベーン21a,21b近傍で吸込室34a,34bに臨み、後記の吐出部13a,13b(図2参照)にそれぞれ連通する吐出口35a,35bは、ベーン21a,21b近傍で圧縮室33a,33bに臨む。
なお、図3A及び図3B中、符号16は、軸受プレート6a,6b(図2参照)の間にシリンダ3a,3bを挟持するためのボルトであり、符号17は、後記する上下のカバー部材12a,12b(図2参照)の内側空間同士を連通させる連通孔である。
次に、中仕切板5について説明する。
本実施形態での中仕切板5は、シリンダ3a,3bの円筒部31a,31bの外径よりもわずかに小さい外径を有する円盤状部材である。
図2に示すように、中仕切板5の中央には、シャフト挿通孔51が形成されている。
このシャフト挿通孔51の内径は、シャフト8の偏心軸部8a,8bの外径以上となっている。また、シャフト挿通孔51内には、前記したようにシャフト8の中心軸部8cが配置される。
また、中仕切板5内には、中仕切室52が形成されている。中仕切室52は、シャフト挿通孔51の内周面と中心軸部8cの外周面との間の円環状のスペースで形成されている。具体的には、中仕切室52は、このスペースの上下が偏心軸部8a及びピストン4a、並びに偏心軸部8b及びピストン4bによって覆われて構成される。
軸受プレート6aは、シリンダ3aの上方に配置されている。軸受プレート6aは、軸受部61aと、端板部62aとを有している。軸受部61aは、シャフト8の偏心軸部8aから上方に延びる中心軸部8cを回転可能に支持している。この中心軸部8cの偏心軸部8aに対する付根には、軸受部61aと接している中心軸部8c部分よりも縮径した首部86aを有している。この首部86aの周囲を包囲する軸受部61aの内周面と首部86aの外周面との間には、環状の空間88aが形成されている。
また、首部86aは、偏心軸部8aの台座部87aと接合されている。台座部87aの外周面と、ピストン4aの内周面との間にはクリアランス89aが設けられている。また、偏心軸部8aの偏心方向の外側上面と端板部62aの下面との間であって、台座部87aの外周面とピストン4aの内周面との間には、偏心室85aが形成されている。
この偏心室85aは、給油横穴82a、この給油横穴82aの周囲を座刳って形成されるスラスト溝83a、及びクリアランス89aを介してシャフト8の給油縦穴81と連通している。
軸受プレート6bは、シリンダ3bの下方に配置されている。軸受プレート6bは、軸受部61bと、端板部62bとを有している。軸受部61bは、シャフト8の偏心軸部8bから下方に延びる中心軸部8cを回転可能に支持している。この中心軸部8cの偏心軸部8bに対する付根には、軸受部61bと接している中心軸部8c部分よりも縮径した首部86bを有している。この首部86bの周囲を包囲する軸受部61bの内周面と首部86bの外周面との間には、環状の空間88bが形成されている。
また、首部86bは、偏心軸部8bの台座部87bと接合されている。台座部87bの外周面と、ピストン4bの内周面との間にはクリアランス89bが設けられている。また、偏心軸部8bの偏心方向の外側上面と端板部62bの下面との間であって、台座部87bの外周面とピストン4bの内周面との間には、偏心室85bが形成されている。
この偏心室85bは、給油横穴82b、この給油横穴82bの周囲を座刳って形成されるスラスト溝83b、及びクリアランス89bを介してシャフト8の給油縦穴81と連通している。
図2中、符号63a,63bは、端板部62a,62bにそれぞれ設けた環状溝である。この環状溝63a,63bは、軸受部61a,61bの軸中心周りに形成されている。この環状溝63a,63bは、軸受部61a,61bと偏心軸部8a,8bとの接触面積を低減することによって、当たりを緩和している。
符号12aは、軸受プレート6aの端板部62aの上面を覆うカバー部材であり、符号12bは、軸受プレート6bの端板部62bの下面を覆うカバー部材である。符号14a,14bは、吐出部13a,13bに配置される吐出弁である。
次に、ロータリ圧縮機100Aにおける作動流体の流通経路の概略を説明するとともに、本発明の主な特徴点を含む潤滑油の流路について主に図2を参照しながら詳細に説明する。
作動流体は、モータ7が回転駆動するシャフト8、ピストン4a,4bによって、シリンダ3a,3b内に吸込パイプ11a,11bを介して吸い込まれる。また、作動流体は、ピストン4a,4bによって圧縮された後、吐出口35a,35bを介して吐出部13a,13b及び吐出弁14a,14bを介してカバー部材12a,12b内にそれぞれ吐き出される。
下方のカバー部材12b内に吐き出された作動流体は、連通孔17を介して上方のカバー部材12a内に移動する。カバー部材12a内では、吐出部13aから吐き出された作動流体と吐出部13bから吐き出された作動流体とが合流する。合流した作動流体は、カバー部材12aに形成された図示しない排出口を介して密閉容器1の吐出圧空間内に送り出された後、吐出パイプ10を介して密閉容器1外に吐き出される。
≪潤滑油の流路≫
次に、潤滑油の流路(潤滑油供給路)について説明する。
本実施形態のロータリ圧縮機100Aにおける潤滑油の流路は、主に貯油部9から軸受プレート6a,6bの軸受部61a,61bに向かう軸受部給油路と、貯油部9から中仕切室52に向かう中仕切給油路とを有している。
<軸受部給油路>
軸受部61aに向かう軸受部給油路は、貯油部9からシャフト8の給油縦穴81と給油横穴82aを通り、首部86aの空間88aに吸い上げられる。潤滑油は、空間88aから軸受部61aに流れて潤滑し、軸受部61aの上端から流れ出る。その後、潤滑油は、重力によって貯油部9に戻る。
軸受部61bに向かう軸受部給油路は、貯油部9からシャフト8の給油縦穴81と給油横穴82bを通り、首部86bの空間88bに吸い上げられる。潤滑油は、空間88bから軸受部61bに流れて潤滑し、軸受部61bの下端から流れ出る。その後、潤滑油は、重力によって貯油部9に戻る。
ちなみに、軸受部給油路における潤滑油の推進力は、従来のロータリ圧縮機(例えば、特許文献1参照)のトロコイドポンプ(容積型ポンプ)と異なって、主にシャフト8の回転による遠心力と、シャフト8に形成される螺旋溝84a,84bのねじポンプ作用によって得られる。
<中仕切給油路>
中仕切給油路40は、シャフト8の給油縦穴81から給油横穴82a,82b及びスラスト溝83a,83bを介して偏心室85a,85bに至る第1中仕切給油路41a,41b(偏心室85a,85bを含む)と、ピストン4a,4bの内周面と偏心軸部8a,8bの外周面との間の隙間である第2中仕切給油路42a,42bと、で構成される。
また、中仕切室52内の潤滑油は、中仕切板5とピストン4a,4bとの隙間である中仕切油流出路43a,43bを介してシリンダ3a,3b内に入り込む。ちなみに、シリンダ3a,3b内に入り込んだ潤滑油は、作動流体とともに吐出部13a,13bから排出される。以下では、この中仕切油流出路43a,43bを合わせて中仕切油流出路43ということがある。
本実施形態のロータリ圧縮機100Aは、第2中仕切給油路42a,42bの流路抵抗を第1中仕切給油路41a,41bの流路抵抗よりも大きくするとともに、中仕切油流出路43a,43bの流路抵抗を第1中仕切給油路41a,41bの流路抵抗よりも大きくしたことを主な特徴とする。これにより中仕切室52の圧力は、次に説明するように作動流体の吐出圧と吸込圧の間の範囲内(中間圧)に設定されることとなる。
次に、本実施形態のロータリ圧縮機100Aの奏する作用効果について説明する。
前記したように、給油横穴82a,82bの出口の空間88a,88bに至る潤滑油の推進力は、主にシャフト8の回転による遠心力と軸受部61a,61bの螺旋溝84a,84bのねじポンプ作用による。また、貯油部9から空間88a,88bまでの流路の内径は、流路抵抗が実質的に0とみなせるほど充分に大きい。また、この流路には、従来のロータリ圧縮機(例えば、特許文献1参照)のトロコイドポンプのような容積型ポンプも存在しない。つまり、このロータリ圧縮機100Aにおけるこの流路では、逆方向の流路抵抗を極めて大きくする要素もない。また、空間88a,88bに強制的に潤滑油が送り込まれることもない。
したがって、空間88a,88b内の圧力は、定常運転時においては、貯油部9と同一の圧力、つまり作動流体の吐出圧となる。また、給油横穴82a,82b、スラスト溝83a,83b、及びクリアランス89a,89bを介して偏心室85a,85bに至る流路も流路抵抗が実質的に0とみなせるほど充分に大きい。この流路も作動流体の吐出圧となる。よって、前記の第1中仕切給油路41a,41bは、貯油部9と同じ吐出圧となる。
次に、偏心軸部8a,8bの外周面と、ピストン4a,4bの内周面との隙間に流入する潤滑油の流れについて説明する。この潤滑油の流路は、前記のように第2中仕切給油路42a,42bを構成する。この第2中仕切給油路42a,42bは、偏心軸部8a,8bとピストン4a,4bとの摺り合わせ部分で形成されるため、流路抵抗が第1中仕切給油路41a,41bよりも大きい。
また、中仕切室52に入り込んだ潤滑油は、前記のように中仕切板5とピストン4a,4bとの隙間である中仕切油流出路43a,43bを介してシリンダ3a,3b内に入り込んだ後、作動流体とともにシリンダ3a,3b外に排出される。
この中仕切油流出路43a,43bは、中仕切板5とピストン4a,4bとの摺り合わせ部分で形成されるため、流路抵抗が第1中仕切給油路41a,41bよりも大きい。
以上のことから、中仕切室52は、流路抵抗の大きい第2中仕切給油路42a,42bと中仕切油流出路43a,43bとに挟まれる。また、第1中仕切給油路41a,41bの最下流でもある第2中仕切給油路42a,42bの入口は、定常運転時においては常に吐出圧となる。
一方、下流部は吸込圧か吐出圧よりも低い圧力領域となっていることから、中仕切室52の圧力である中仕切圧は、常に吐出圧と吸込圧の中間である中間圧となる。
本実施形態のロータリ圧縮機100Aによれば、中仕切室の圧力が吐出圧を超える従来のロータリ圧縮機(例えば、特許文献1参照)と比較して、中仕切油流出路43a,43bの上流側と下流側の圧力差を小さくすることができる。これにより、ロータリ圧縮機100Aは、中仕切室52から吸込室34a,34bや圧縮室33a,33bに流入する潤滑油の量を低減することができる。つまり、ロータリ圧縮機100Aによれば、吸込室34a,34b内の作動流体の潤滑油による加熱を抑制することができるので、従来よりも体積効率を向上させることができる。また、ロータリ圧縮機100Aによれば、圧縮室33a,33bの作動流体の加熱による圧力上昇を抑制することができるので、従来よりも圧縮効率を向上させることができる。
(第2実施形態)
本実施形態のロータリ圧縮機100Bは、図2に示す中仕切油流出路43a,43bとしての、前記第1実施形態のロータリ圧縮機100Aにおける中仕切板5とピストン4a,4bとの隙間に加えて、後記のバイパス油路19a,19b(図5参照)を有している。本実施形態でのロータリ圧縮機100Bは、このバイパス油路19a,19bを有する以外は前記第1実施形態のロータリ圧縮機100Aと同様に構成されている。本実施形態において、前記第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図4を参照しながら、まずバイパス油路19aについて説明する。
図4は、図2のIV−IV断面に対応する第2実施形態のロータリ圧縮機100Bの断面図であり、中仕切板5におけるバイパス油路19aの形成位置を示す図である。なお、図4には、中仕切板5の上方に位置するシリンダ3a(図2参照)の内周面、ピストン4a(図2参照)の外周面、及び偏心軸部8a(図2参照)の外周面を仮想線(二点鎖線)で示している。
図4に示すように、本実施形態のロータリ圧縮機100Bは、中仕切板5に中仕切油流出路43としてのバイパス油路19aを有している。このバイパス油路19aは、シャフト挿通孔51側から半径方向の外側に向かって延びる溝で形成されている。この溝は、シャフト挿通孔51側に開き、半径方向外側に閉じている。
閉じた側であるバイパス油路19a(溝)の先端の位置は、シャフト8(図1参照)の中心軸部8cの軸中心Xから当該先端の位置までの距離Dが、ピストン4aの外周半径Rと偏心軸部8aの偏心量ΔRの和よりも小さくなるように設定される[D<(R+ΔR)]。
また、閉じた側であるバイパス油路19a(溝)の先端の位置は、シャフト8(図1参照)の中心軸部8cの軸中心Xから当該先端の位置までの距離Dが、ピストン4aの外周半径Rから偏心軸部8aの偏心量ΔRを差し引いた値よりも大きくなるように設定される[D>(R−ΔR)]。
以上の関係を満たすことによって、バイパス油路19aは、ピストン4aがシリンダ3a内で一旋回するごとに、中仕切室52とシリンダ3a内とを間欠的に連通させる。
また、中仕切板5の周方向におけるバイパス油路19aの位置は、シリンダ3a内に形成される空間のうち、圧縮室33aに対して連通し、吸込室34aには連通しないように設定される。
具体的には、バイパス油路19aで設定される中仕切室52の圧力比α(1<α)となる圧縮室が形成される偏心軸部8aの位置において、偏心軸部8aの軸中心Xaの中心軸部8cの軸中心Xを挟んだ反対側にバイパス油路19aが設けられることが望ましい。ここで、圧力比とは吸込圧に対する中仕切室52の圧力比である。
図4中、符号21aは、ベーンであり、符号35aは、吐出口である。
図5は、図4のV−V断面である。
図5に示すように、中仕切板5には、ピストン4b、偏心軸部8bと向き合う側にもバイパス油路19bが配置されている。
図5中、符号3aは、シリンダであり、符号4aは、ピストンであり、符号8aは、偏心軸部であり、符号18a,18bは、平面カット部であり、符号19aは、中仕切油流出路43としてのバイパス油路であり、符号33aは、圧縮室であり、符号52は、中仕切室である。
図6Aから図6Cは、ロータリ圧縮機100Bの動作説明図である。
図6Aに示すように、ピストン4aが軸中心X周りに左周りに旋回して、シリンダ3aの内周面とピストン4aの外周面との近接点Pが左周りに回転する。これにより圧縮室33aの作動流体は、圧縮されていく。図6Aは、中仕切室52と圧縮室33aとがバイパス油路19aを介して連通し始める様子を示している。図6Aに示す近接点Pの位置よりもベーン21a側に戻った位置では、バイパス油路19aはピストン4aによって塞がれて中仕切室52と圧縮室33aとは連通していない。
図6Bは、バイパス油路19aが圧縮室33aに対して最大に開口している状態を示している。この図6Bにおける圧縮室33aの圧力比は、前記のαになっている。
図6Cは、ピストン4aがさらに左周りに旋回して再びバイパス油路19aを閉じる状態を示している。これにより中仕切室52と圧縮室33aとは連通しなくなる。
なお、図6Aから図6Cには、バイパス油路19bは図示されていないが、バイパス油路19bについてもバイパス油路19aと同様に、間欠的に中仕切室52と圧縮室33aとを連通させる。
このようなロータリ圧縮機100Bによれば、ピストン4a,4bが軸中心X周りに旋回する回転位相に応じて決まった流路断面積のバイパス油路19a,19bが中仕切室52と圧縮室33a,33bとを連通させる。つまり、流路抵抗が安定したバイパス油路19a,19bが、前記第1実施形態における中仕切板5とピストン4a,4bとの隙間(中仕切油流出路43)と並列して配置される。
よって、ロータリ圧縮機100Bは、第1実施形態のロータリ圧縮機100Aと比べてさらに確実に中仕切室52の圧力を安定化することができる。これによりロータリ圧縮機100Bは、中仕切室52からシリンダ3a,3b内に入り込む潤滑油量を安定して低減することができる。したがって、このロータリ圧縮機100Bによれば、より安定して体積効率及び圧縮効率を向上させることができる。
また、ロータリ圧縮機100Bは、圧縮室33aにおける吐出口35aに近い場所で、中仕切室52と圧縮室33aとが連通する。そして、圧縮室33aに流入する潤滑油の速度が極めて高くなるため、潤滑油はバイパス油路19aの先端から霧状に噴き出す。また、潤滑油に作動流体が溶解している場合には、溶解度の低下により、潤滑油中の作動流体がガス化して発泡する。油滴はさらに微細化する。このような小さな油滴が高圧となる期間が長い吐出口35aの近くに吹き出ることで、周囲の構成要素の隙間に入りやすくなってシール性が向上する。また、図示しないがバイパス油路19bについても前記したバイパス油路19aと同様の作用効果を奏する。これによりロータリ圧縮機100Bは、圧縮効率をより一層向上させることができる。
(第3実施形態)
図7は、本実施形態のロータリ圧縮機100Cにおける中仕切板5近傍の部分拡大図であり、前記第2実施形態で参照した図5に対応する部分拡大図である。本実施形態において、前記第1実施形態及び前記第2実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態のロータリ圧縮機100Cは、前記第2実施形態でのバイパス油路19a,19b(図5参照)に代えて、中仕切板5の中仕切室52側の端部に、中仕切油流出路43としてのバイパス油路25を有している。ロータリ圧縮機100Cは、このバイパス油路25を有している以外は、第2実施形態のロータリ圧縮機100B(図5参照)と同様に構成されている。
本実施形態でのバイパス油路25は、第2実施形態でのバイパス油路19a,19b(図5参照)が形成される位置に、上下に延びる一本の溝部を形成したものである。
なお、図7中、符号3a,3bは、シリンダであり、符号4a,4bは、ピストンであり、符号8a,8bは、偏心軸部であり、符号18a,18bは、平面カット部であり、符号33aは、圧縮室である。
このロータリ圧縮機100Cによれば、一箇所の溝加工でバイパス油路25を形成することができるので、例えば第2実施形態のロータリ圧縮機100Bと比べて製造工程が簡素化され、製造コストを低減することができる。
(第4実施形態)
図8は、本実施形態のロータリ圧縮機100Dにおける中仕切板5近傍の部分拡大図であり、前記第3実施形態で参照した図7に対応する部分拡大図である。本実施形態において、前記第1実施形態から前記第3実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図8に示すように、本実施形態のロータリ圧縮機100Dは、前記第3実施形態でのバイパス油路25(図7参照)に代えて、中仕切板5の内部に形成される3つのバイパス油路26a(穴)、バイパス油26b(穴)、及びバイパス油26c(横穴)からなる中仕切油流出路43を有している。ロータリ圧縮機100Dは、これらのバイパス油路26a,26b,26cを有している以外は、第3実施形態のロータリ圧縮機100C(図7参照)と同様に構成されている。
バイパス油路26a及びバイパス油路26bは、中仕切室52に近接した位置で中仕切板5に形成される一対の穴であり、中仕切板5の厚さ方向に同軸上に形成されている。
バイパス油路26cは、中仕切板5の厚さ方向の中央部で、中仕切室52側からバイパス油路26aとバイパス油路26bとの間に延びてこれらに連通する横穴で形成されている。つまり、バイパス油路26a及びバイパス油路26bとこれらを繋ぐバイパス油路26cとによって、中仕切板5を上下方向に貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔の開口部の位置は、例えばバイパス油路26aを例にとると、図4に示すバイパス油路19aの先端の位置に対応する。
なお、図8中、符号3a,3bは、シリンダであり、符号4a,4bは、ピストンであり、符号8a,8bは、偏心軸部であり、符号18a,18bは、平面カット部であり、符号33aは、圧縮室である。
次に、ロータリ圧縮機100Dの作用効果について説明する。
中仕切室52では、潤滑油がミスト状又は泡状になっているため、重力の影響を受けて、上方よりも下方の方が潤滑油の存在密度が高い。
これに対してロータリ圧縮機100Dでは、中仕切板5の厚さ方向の中央部で中仕切室52内の潤滑油を取り入れ、取り入れた潤滑油をバイパス油路26aとバイパス油路26bとに振り分けるようになっている。これにより上下のシリンダ3a,3b内に供給する潤滑油量の平準化が行われる。
このロータリ圧縮機100Dでは、潤滑油が上下のシリンダ3a,3bに偏って供給することが避けられるので、潤滑油の不足によるシール性の低下や、潤滑油の供給過多による作動流体の加熱を避けることができる。このようなロータリ圧縮機100Dは、体積効率及び圧縮効率に、より一層優れる。
(第5実施形態)
図9は、本実施形態のロータリ圧縮機100Eにおける中仕切板5近傍の部分拡大図であり、前記第4実施形態で参照した図8に対応する部分拡大図である。本実施形態において、前記第1実施形態から前記第4実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図9に示すように、本実施形態のロータリ圧縮機100Eは、前記第4実施形態でのバイパス油路26c(図8参照)に対応するバイパス油路28a(横穴)に、中仕切室52側から所定圧が掛った場合にバイパス油路28aを開く弁機構27を備える。
弁機構27は、中仕切板5内を横方向に長く形成され、バイパス油路28cに臨む弁室28dと、弁室28d内からバイパス油路28cを塞ぐ弁体27aと、弁室28a内に配置され、弁体27aをバイパス油路28a側に向けて所定荷重で押圧するばね27bと、ばね27bを挟んで弁体27aの反対側で弁室28d内に配置されるばね座27cと、を有している。
なお、前記第4実施形態でのバイパス油路26a(図8参照)に対応するバイパス油路28b(穴)、及びバイパス油路26b(図8参照)に対応するバイパス油路28c(穴)は、弁室28dに連通している。つまり、弁体27aの開弁時には、バイパス油路28b,28cは、バイパス油路28a(横穴)と連通する。
このような弁機構27を備えるバイパス油路28a,28b,28cを前記のバイパス油路26a,26b,26c(図8参照)に代えて有している以外は、本実施形態のロータリ圧縮機100Eは、第4実施形態のロータリ圧縮機100D(図8参照)と同様に構成されている。
なお、図9中、符号3a,3bは、シリンダであり、符号4a,4bは、ピストンであり、符号8a,8bは、偏心軸部であり、符号18a,18bは、平面カット部であり、符号33aは、圧縮室である。
次に、ロータリ圧縮機100Eの作用効果について説明する。
弁体27aをバイパス油路28a側に向けて押圧するばね27bの荷重は、圧縮室33aの圧力よりも一定値だけ高い圧力とすることができる。
つまり、弁機構27は、開弁する際の中仕切室52と圧縮室33aとの差圧を略一定化することができる。また、ロータリ圧縮機100Eによれば、差圧値をばね27bの圧縮量の変更などにより調節可能となる。
また、このロータリ圧縮機100Eによれば、中仕切室52の圧力設定の自由度が増加するため、広い運転条件下で適正な中仕切室52の圧力設定を行うことができる。つまり、広い運転条件下で圧縮効率を向上させることができる。特に、吸込圧が高く吐出圧との差が小さい低圧力比運転と、吸込圧が低く吐出圧が高い高圧力比運転との両方が要求されるエアコンなどの熱サイクルに対しても、ロータリ圧縮機100Eは、中仕切室52の圧力を前記の中間圧に確実に設定することができる。
(第6実施形態)
前記第5実施形態では、バイパス油路28b(図9参照)の開口を、前記第2実施形態でのバイパス油路19a(図6Aから図6C参照)の先端に対応する位置に設定することを想定している。つまり、図4に示すように、中仕切室52の圧力比α(1<α)となる圧縮室33aが形成される偏心軸部8aの位置において、偏心軸部8aの軸中心Xaの中心軸部8cの軸中心Xを挟んだ反対側に、図9に示すバイパス油路28bの開口が設けられることを想定している。
これに対して、本実施形態のロータリ圧縮機100Fは、第5実施形態でのバイパス油路28b(図9参照)と圧縮室33aとの連通位置を低圧側に移動した構成となっている。このロータリ圧縮機100Fは、連通位置を低圧側に移動したこと以外は、第5実施形態のロータリ圧縮機100E(図9参照)と同様に構成されている。
図10Aから図10Cは、ロータリ圧縮機100Fの動作説明図である。本実施形態において、前記第1実施形態から前記第5実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図10Aに示すように、ピストン4aが軸中心X周りに左周りに旋回して、シリンダ3aの内周面とピストン4aの外周面との近接点Pが左周りに回転する。これにより圧縮室33aの作動流体は、圧縮されていく。図10Aは、中仕切室52と圧縮室33aとがバイパス油路28bを介して連通し始める様子を示している。図10Aに示す近接点Pの位置よりもベーン21a側に戻った位置では、バイパス油路28bはピストン4aによって塞がれて中仕切室52と圧縮室33aとは連通していない。
図10Bは、バイパス油路28aが圧縮室33aに対して最大に開口している状態を示している。この図10Bにおける吸込圧との比である中仕切室52の圧力比αは、後記するように第5実施形態での中仕切室52の圧力比αよりも小さい値となる。
図10Cは、ピストン4aがさらに左周りに旋回して再びバイパス油路28bを閉じる状態を示している。これにより中仕切室52と圧縮室33aとは連通しなくなる。
なお、図10Aから図10Cには、バイパス油路28c(図9参照)は図示されていないが、バイパス油路28cについてもバイパス油路28bと同様に、間欠的に中仕切室52と圧縮室33aとを連通させる。
次に、ロータリ圧縮機100Fの作用効果について説明する。
例えば、中仕切室52の圧力を吸込圧の定数倍αに設定する場合を想定する。この場合に、吸込圧が高く吐出圧との差が小さい低圧力比運転を行おうとすると、中仕切室52の圧力を前記の中間圧に設定するためには圧力比αを極めて小さい値に設定せざるをえない。そうすると、吸込圧が低く吐出圧が高い高圧力比運転時には、中仕切室52の圧力は吸込圧に極めて近い低圧となる。そのため吸込圧に近い低圧の圧縮室33aからも中仕切室52に作動流体が漏れ出して圧縮効率は低くなる。
本実施形態のロータリ圧縮機100Fにおいては、まず中仕切室52の圧力比αを第5実施形態よりも小さく設定する。そして、弁機構27(図9参照)による中仕切室52と圧縮室33aとの前記の差圧の設定により、吸込圧が高く吐出圧との差が小さい低圧力比運転での中仕切室52の圧力レベルを、第5実施形態の場合と合わせる。このようにすると、吸込圧が低く吐出圧が高い高圧力比運転時の中仕切室52の圧力は、第5実施形態の場合よりも高く設定できる。なぜならば、差圧は、吸込圧が低くても小さくならず、一定値を保つためである。
したがって、ロータリ圧縮機100Fによれば、吸込圧が高く吐出圧との差が小さい低圧力比運転と、吸込圧が低く吐出圧が高い高圧力比運転との両方が要求されるエアコンなどの熱サイクルに対しても、より確実に中仕切室52の圧力を前記の中間圧に設定することができる。
(第7実施形態)
図11は、第7実施形態のロータリ圧縮機100Gの断面図であり、前記第2実施形態で参照した図4に対応する図、図12は、図11のXII−XII断面図である。なお、図11には、中仕切板5の上方に位置するシリンダ3aの内周面、ピストン4aの外周面、及び偏心軸部8aの外周面を仮想線(二点鎖線)で示している。本実施形態において、前記第1実施形態から前記第6実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図11に示すように、本実施形態のロータリ圧縮機100Gは、第5実施形態のロータリ圧縮機100Eのバイパス油路28b(図9参照)が吸込パイプ11aの吸込口に近接配置されている。また、ロータリ圧縮機100Gでは、バイパス油路28bが吸込パイプ11a(図11参照)の吸込口に近接配置されたことで、弁機構27が第5実施形態よりも中仕切室52から離反して配置されている。また、ロータリ圧縮機100Gのバイパス油路28aは、弁機構27が中仕切室52から離反して距離に対応して第5実施形態よりも長くなっている。
なお、図11及び図12中、符号3a,3bは、シリンダであり、符号4a,4bは、ピストンであり、符号5は、中仕切板であり、符号8a,8bは、偏心軸部であり、符号11bは、吸込パイプであり、符号18a,18bは、平面カット部であり、
符号27は、弁機構であり、符号27aは、弁体であり、符号27bは、ばねであり、符号27cは、ばね座であり、符号28dは、弁室28dである。
次に、ロータリ圧縮機100Gの作用効果について説明する。
ロータリ圧縮機100Gは、図11に示すように、バイパス油路28bが吸込パイプ11a(図11参照)の吸込口に近接配置されたことで、図12に示すように、バイパス油路28cは、吸込室34bに開口する。図示しないがバイパス油路28bは、ピストン4aが旋回することによって、シリンダ3aの吸込室(図示省略)にも開口する。つまり、本実施形態での中仕切室52は、中仕切室52が圧縮室33a,33bと連通する前記第1実施形態から前記第6実施形態とは異なって、常にシリンダ3aの吸込室(図示省略)及びシリンダ3bの吸込室34bのいずれか一方と連通する。
これによりロータリ圧縮機100Gの中仕切室52の圧力は、吸込圧よりも一定値だけ高い圧力に設定される。そのため、中仕切室52の圧力は安定する。つまり、中仕切板5とピストン4a,4bとの隙間の大きさや、軸受プレート6a,6bとピストン4a,4bとの隙間の大きさが安定することによって、これらの隙間の潤滑油によるシール性能が向上する。これによりロータリ圧縮機100Gは、圧縮効率に優れる。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態のロータリ圧縮機100Hについて説明する。
図13A及び図13Bは、ロータリ圧縮機100Hにおけるブレード機構38a,38b付近の部分拡大横断面図である。
前記第1実施形態は、前記のようにピストンブレード分離型の圧縮機を想定しているが、本実施形態のロータリ圧縮機100Hは、ピストン4aとベーン21a(第1ベーン)とが一体化し、ピストン4bとベーン21b(第2ベーン)とが一体化した一体型のブレード機構38a,38bを有している。ロータリ圧縮機100Hは、このブレード機構38a,38bを有している以外は、第1実施形態のロータリ圧縮機100A(図1参照)と同様に構成されている。本実施形態において、前記第1実施形態から前記第7実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
ロータリ圧縮機100Hは、図13Aに示すように、シリンダ3aにブレード機構38aを備えている。また、ロータリ圧縮機100Hは、図13Bに示すように、シリンダ3bにブレード機構38bを備えている。
図13A及び図13Bに示すように、これらブレード機構38a,38bにおいては、円筒形状のピストン4a,4bにベーン21a,21bの先端が接合されて一体化している。相互に一体化したピストン4a,4bとベーン21a,21bとは、バルーンピストンを構成している。
ブレード機構38a,38bは、このようなピストン4a,4bとベーン21a,21bとに加えて、ベーン溝29a,29b内に配置されたセミシリンダ36a,36bを有している。
セミシリンダ36a,36bは、略円柱形状を呈している。また、セミシリンダ36a,36bは、ベーン21a,21bが挿通される貫通孔44a,44bを有している。この貫通孔44a,44bに挿通されたベーン21a,21bは、貫通孔44a,44bの延びる方向に移動可能になっている。
ベーン溝29a,29bには、セミシリンダ36a,36bの軸周りにこのセミシリンダ36a,36bを回動可能に支持するヒンジ穴39a,39bが形成されている。このヒンジ穴39a,39bは、セミシリンダ36a,36bが収まる円柱状空間で形成される。また、ベーン溝29a,29bは、貫通孔44a,44bから突出したベーン21a,21bの後端が配置される背面穴37a,37bを有している。背面穴37a,37bは、円柱形状の空間で形成されている。この背面穴37a,37bは、ピストン4a,4bの旋回に同期してベーン21a,21bの後端が移動するスペースを確保することによって、ベーン21a,21bの後端とシリンダ3a,3bとの干渉を回避している。
図13A及び図13B中、符号Xa,Xbは、偏心軸部8a,8bの軸中心であり、符号35a,35bは、吐出口である。
次に、ロータリ圧縮機100Hの作用効果について説明する。
中仕切室52(図2参照)の圧力を前記の中間圧とすると、運転条件によってはピストン4a(図2参照)が軸受プレート6a(図2参照)側に押圧され、ピストン4b(図2参照)が軸受プレート6b(図2参照)側に押圧されることも考えられる。
ロータリ圧縮機100Hは、ピストン4a,4bとベーン21a,21bとが一体化されているので、ピストン4a,4bとベーン21a,21bとの相対位置が変わることはない。したがって、ロータリ圧縮機100Hは、より確実に安定した性能を発揮して信頼性に優れる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態では、シャフト8が鉛直方向に向く縦型の圧縮機について説明したが、本発明はシャフト8が水平方向に向く横型の圧縮機に適用することもできる。
1 密閉容器
2 圧縮機構部
3a シリンダ(第1シリンダ)
3b シリンダ(第2シリンダ)
4a ピストン(第1ピストン)
4b ピストン(第2ピストン)
5 中仕切板
6a 軸受プレート
6b 軸受プレート
7 モータ(電動機部)
7a ロータ
7b ステータ
8 シャフト
8a 偏心軸部(第1偏心軸部)
8b 偏心軸部(第2偏心軸部)
8c 中心軸部
9 貯油部
10 吐出パイプ
11a 吸込パイプ
11b 吸込パイプ
12a カバー部材
12b カバー部材
13a 吐出部
13b 吐出部
14a 吐出弁
15 ハーメチック端子
18a 平面カット部
19a バイパス油路
19b バイパス油路
20a 分離ブレード機構
20b 分離ブレード機構
21a ベーン(第1ベーン)
21b ベーン(第2ベーン)
23a ベーン溝
24a ベーン横穴
25 バイパス油路
26a バイパス油路(穴)
26b バイパス油路(穴)
26c バイパス油路(横穴)
27 弁機構
27a 弁体
28a バイパス油路(横穴)
28b バイパス油路(穴)
28c バイパス油路(穴)
28d 弁室
29a ベーン溝
33a 圧縮室
34a 吸込室
34b 吸込室
35a 吐出口
36a セミシリンダ
37a 背面穴
38a ブレード機構
39a ヒンジ穴
40 中仕切給油路
41a 第1中仕切給油路
42a 第2中仕切給油路
43,43a,43b 中仕切油流出路
44a 貫通孔
51 シャフト挿通孔
52 中仕切室
61a 軸受部
61b 軸受部
62a 端板部
62b 端板部
63a 環状溝
81 給油縦穴
82a 給油横穴
82b 給油横穴
83a スラスト溝
83b スラスト溝
85a 偏心室
85b 偏心室
86a 首部
86b 首部
87a 台座部
87b 台座部
88a 空間
88b 空間
89a クリアランス
89b クリアランス
100A ロータリ圧縮機
100B ロータリ圧縮機
100C ロータリ圧縮機
100D ロータリ圧縮機
100E ロータリ圧縮機
100F ロータリ圧縮機
100G ロータリ圧縮機
100H ロータリ圧縮機

Claims (2)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
    前記圧縮機構部を、シャフトを介して駆動する電動機部と、
    前記圧縮機構部及び前記電動機部を収納する密閉容器と、
    前記密閉容器の底部に形成される貯油部と、
    前記貯油部の潤滑油を前記圧縮機構部に供給する潤滑油供給路と、
    を備え、
    前記圧縮機構部は、
    第1シリンダと、
    前記第1シリンダに中仕切板を介して配置される第2シリンダと、
    前記第1シリンダ内に配置される第1ピストンと、
    前記第2シリンダ内に配置される第2ピストンと、
    前記第1ピストンを前記第1シリンダ内で旋回駆動する前記シャフトの第1偏心軸部と、
    前記第2ピストンを前記第2シリンダ内で旋回駆動する前記シャフトの第2偏心軸部と、
    を有し、
    前記潤滑油供給路は、前記貯油部に一端が浸漬される前記シャフトの中空部と、前記中空部に連通する前記シャフトの穴部から、前記第1偏心軸部と前記第1ピストンとの隙間及び前記第2偏心軸部と前記第2ピストンとの隙間を介して前記中仕切板に形成される中仕切室に至る中仕切給油路と、
    前記中仕切室から前記第1シリンダ内及び前記第2シリンダ内のそれぞれに至る、前記中仕切板と前記第1ピストンとの隙間及び前記中仕切板と前記第2ピストンとの隙間で構成される中仕切油流出路と、
    を有し、
    前記中仕切給油路は、前記第1偏心軸部と前記第1ピストンとの隙間及び前記第2偏心軸部と前記第2ピストンとの隙間に至る前の第1中仕切給油路と、
    前記第1偏心軸部と前記第1ピストンとの隙間及び前記第2偏心軸部と前記第2ピストンとの隙間で構成される第2中仕切給油路と、
    からなり、
    前記第2中仕切給油路の潤滑油の流路抵抗が前記第1中仕切給油路の流路抵抗よりも大きく設定されるとともに、前記中仕切油流出路の潤滑油の流路抵抗が前記第1中仕切給油路の流路抵抗よりも大きく設定されており、
    前記中仕切油流出路は、前記中仕切室と、少なくとも第1シリンダ内及び第2シリンダ内のいずれか一方とを連通させるように、前記中仕切板に形成された貫通孔で形成されるバイパス油路を含み、
    前記中仕切板は、内側に前記中仕切室が形成される環状部材で形成され、
    前記中仕切油流出路は、前記中仕切室側で前記中仕切板の厚さ方向に沿って形成される穴と、
    前記中仕切板の厚さ方向の中央部で、前記中仕切室側から前記穴に延びて当該穴と連通する横穴と、を有するバイパス油路を含み、
    前記バイパス油路の前記横穴には、前記中仕切室と前記第1シリンダ内又は前記第2シリンダ内との間の所定の差圧で前記バイパス油路を開く弁体が配置されていることを特徴とするロータリ圧縮機。
  2. 請求項1に記載のロータリ圧縮機において、
    前記第1シリンダ内に開口する前記バイパス油路の当該開口の位置は、前記シャフトの軸中心から当該開口の位置までの距離が、前記第1ピストンの外周半径と前記第1偏心軸部の偏心量の和よりも小さくなるように設定されるとともに、
    前記シャフトの軸中心から当該開口の位置までの前記距離が、前記第1ピストンの外周半径から前記第1偏心軸部の偏心量を差し引いた値よりも大きくなるように設定され、
    前記第2シリンダ内に開口する前記バイパス油路の当該開口の位置は、前記シャフトの軸中心から当該開口の位置までの距離が、前記第2ピストンの外周半径と前記第2偏心軸部の偏心量の和よりも小さくなるように設定されるとともに、
    前記シャフトの軸中心から当該開口の位置までの前記距離が、前記第2ピストンの外周半径から前記第2偏心軸部の偏心量を差し引いた値よりも大きくなるように設定されていることを特徴とするロータリ圧縮機。
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