JP6685100B2 - ロータリ圧縮機 - Google Patents
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本実施形態のロータリ圧縮機は、後記するように圧縮機構部における定常運転時の中仕切室の圧力が作動流体(冷媒)の吐出圧と吸込圧の間の範囲内(後記の中間圧)に設定されるように構成されている。以下では、ロータリ圧縮機の全体構成について説明した後に圧縮機構部について詳細に説明する。なお、以下の説明において、上下の方向は、通常使用時におけるロータリ圧縮機の鉛直方向に一致させた図1に示す矢印の上下方向を基準とする。
図1は、本実施形態のロータリ圧縮機100Aの縦断面図である。なお、図1中のシャフト8は、作図の便宜上、断面ではなく外周面を側面視で描いている。
ロータリ圧縮機100Aは、ピストンブレード分離型の圧縮機であって、シャフト8が鉛直方向に向く縦型の圧縮機である。このロータリ圧縮機100Aは、冷凍空調装置(例えば、空気調和機、冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵・冷凍ショーケースなど)やヒートポンプ式給湯装置などの冷凍サイクルの構成機器として用いられる。
密閉容器1は、圧縮機構部2とモータ7とを収納している。上蓋部1bには、モータ7に電気的に接続されるハーメチック端子15と、密閉容器1の内外に連通する吐出パイプ10が設けられている。密閉容器1の底部にはエーテル系化合物、エステル系化合物などの潤滑油(以下、単に油ということがある)を貯留する貯油部9が形成されている。
また、図1には図示しないが、密閉容器1には、後記の圧縮機構部2に作動流体を供給する吸込パイプが設けられている。
ロータ7aは、鉄芯(図示省略)と、鉄芯に内蔵された永久磁石(図示省略)とを主要構成要素として備えている。ロータ7aは、ステータ7bからの回転磁界を回転運動に変換し、シャフト8を中心に回転する。ロータ7aは、ステータ7bの中央穴内に所定のエアギャップを開けて回転可能に配置されている。
なお、偏心軸部8a,8bについては、圧縮機構部2の説明とともに後にさらに詳しく説明する。
次に、圧縮機構部2について説明する。
圧縮機構部2には、前記のように給油縦穴81及び給油横穴82a,82bを介して潤滑油が供給される。潤滑油は、圧縮機構部2の所定の構成部材同士の隙間を潤滑し、シールする。潤滑油の供給経路(潤滑油供給路)については後に詳しく説明する。
圧縮機構部2は、図2に示すように、シリンダ3a(第1シリンダ)、シリンダ3b(第2シリンダ)と、ピストン4a(第1ピストン)、ピストン4b(第2ピストン)と、中仕切板5と、軸受プレート6a,6bと、を備えている。
シリンダ3a,3bは、軸受プレート6aと、軸受プレート6bとによって挟持され、軸受プレート6aの外縁部を介して密閉容器1の内周面に固定されている。
図3Aに示すように、シリンダ3aは、ピストン4aが旋回する円柱状空間を有する円筒部31aと、この円筒部31aから径方向外側に突出して吸込パイプ11aと分離ブレード機構20aとが配置される突出部32aとを有している。
本実施形態での偏心軸部8aと、偏心軸部8bとは、中心軸部8cの軸中心Xに偏心軸部8a,8b同士の偏心方向が180度ずれる位置に配置されている。つまり、軸中心Xaと軸中心Xbとは、軸中心Xを挟んで互いに反対側に位置している。
ベーン21a,21bは、突出部32a,32bに形成されるベーン溝23a,23bとベーン横穴24a,24bとに跨って配置されている。
なお、図3A及び図3B中、符号16は、軸受プレート6a,6b(図2参照)の間にシリンダ3a,3bを挟持するためのボルトであり、符号17は、後記する上下のカバー部材12a,12b(図2参照)の内側空間同士を連通させる連通孔である。
本実施形態での中仕切板5は、シリンダ3a,3bの円筒部31a,31bの外径よりもわずかに小さい外径を有する円盤状部材である。
このシャフト挿通孔51の内径は、シャフト8の偏心軸部8a,8bの外径以上となっている。また、シャフト挿通孔51内には、前記したようにシャフト8の中心軸部8cが配置される。
この偏心室85aは、給油横穴82a、この給油横穴82aの周囲を座刳って形成されるスラスト溝83a、及びクリアランス89aを介してシャフト8の給油縦穴81と連通している。
この偏心室85bは、給油横穴82b、この給油横穴82bの周囲を座刳って形成されるスラスト溝83b、及びクリアランス89bを介してシャフト8の給油縦穴81と連通している。
符号12aは、軸受プレート6aの端板部62aの上面を覆うカバー部材であり、符号12bは、軸受プレート6bの端板部62bの下面を覆うカバー部材である。符号14a,14bは、吐出部13a,13bに配置される吐出弁である。
作動流体は、モータ7が回転駆動するシャフト8、ピストン4a,4bによって、シリンダ3a,3b内に吸込パイプ11a,11bを介して吸い込まれる。また、作動流体は、ピストン4a,4bによって圧縮された後、吐出口35a,35bを介して吐出部13a,13b及び吐出弁14a,14bを介してカバー部材12a,12b内にそれぞれ吐き出される。
次に、潤滑油の流路(潤滑油供給路)について説明する。
本実施形態のロータリ圧縮機100Aにおける潤滑油の流路は、主に貯油部9から軸受プレート6a,6bの軸受部61a,61bに向かう軸受部給油路と、貯油部9から中仕切室52に向かう中仕切給油路とを有している。
軸受部61aに向かう軸受部給油路は、貯油部9からシャフト8の給油縦穴81と給油横穴82aを通り、首部86aの空間88aに吸い上げられる。潤滑油は、空間88aから軸受部61aに流れて潤滑し、軸受部61aの上端から流れ出る。その後、潤滑油は、重力によって貯油部9に戻る。
ちなみに、軸受部給油路における潤滑油の推進力は、従来のロータリ圧縮機(例えば、特許文献1参照)のトロコイドポンプ(容積型ポンプ)と異なって、主にシャフト8の回転による遠心力と、シャフト8に形成される螺旋溝84a,84bのねじポンプ作用によって得られる。
中仕切給油路40は、シャフト8の給油縦穴81から給油横穴82a,82b及びスラスト溝83a,83bを介して偏心室85a,85bに至る第1中仕切給油路41a,41b(偏心室85a,85bを含む)と、ピストン4a,4bの内周面と偏心軸部8a,8bの外周面との間の隙間である第2中仕切給油路42a,42bと、で構成される。
前記したように、給油横穴82a,82bの出口の空間88a,88bに至る潤滑油の推進力は、主にシャフト8の回転による遠心力と軸受部61a,61bの螺旋溝84a,84bのねじポンプ作用による。また、貯油部9から空間88a,88bまでの流路の内径は、流路抵抗が実質的に0とみなせるほど充分に大きい。また、この流路には、従来のロータリ圧縮機(例えば、特許文献1参照)のトロコイドポンプのような容積型ポンプも存在しない。つまり、このロータリ圧縮機100Aにおけるこの流路では、逆方向の流路抵抗を極めて大きくする要素もない。また、空間88a,88bに強制的に潤滑油が送り込まれることもない。
この中仕切油流出路43a,43bは、中仕切板5とピストン4a,4bとの摺り合わせ部分で形成されるため、流路抵抗が第1中仕切給油路41a,41bよりも大きい。
一方、下流部は吸込圧か吐出圧よりも低い圧力領域となっていることから、中仕切室52の圧力である中仕切圧は、常に吐出圧と吸込圧の中間である中間圧となる。
本実施形態のロータリ圧縮機100Bは、図2に示す中仕切油流出路43a,43bとしての、前記第1実施形態のロータリ圧縮機100Aにおける中仕切板5とピストン4a,4bとの隙間に加えて、後記のバイパス油路19a,19b(図5参照)を有している。本実施形態でのロータリ圧縮機100Bは、このバイパス油路19a,19bを有する以外は前記第1実施形態のロータリ圧縮機100Aと同様に構成されている。本実施形態において、前記第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図4は、図2のIV−IV断面に対応する第2実施形態のロータリ圧縮機100Bの断面図であり、中仕切板5におけるバイパス油路19aの形成位置を示す図である。なお、図4には、中仕切板5の上方に位置するシリンダ3a(図2参照)の内周面、ピストン4a(図2参照)の外周面、及び偏心軸部8a(図2参照)の外周面を仮想線(二点鎖線)で示している。
以上の関係を満たすことによって、バイパス油路19aは、ピストン4aがシリンダ3a内で一旋回するごとに、中仕切室52とシリンダ3a内とを間欠的に連通させる。
図4中、符号21aは、ベーンであり、符号35aは、吐出口である。
図5に示すように、中仕切板5には、ピストン4b、偏心軸部8bと向き合う側にもバイパス油路19bが配置されている。
図6Aに示すように、ピストン4aが軸中心X周りに左周りに旋回して、シリンダ3aの内周面とピストン4aの外周面との近接点Pが左周りに回転する。これにより圧縮室33aの作動流体は、圧縮されていく。図6Aは、中仕切室52と圧縮室33aとがバイパス油路19aを介して連通し始める様子を示している。図6Aに示す近接点Pの位置よりもベーン21a側に戻った位置では、バイパス油路19aはピストン4aによって塞がれて中仕切室52と圧縮室33aとは連通していない。
図6Cは、ピストン4aがさらに左周りに旋回して再びバイパス油路19aを閉じる状態を示している。これにより中仕切室52と圧縮室33aとは連通しなくなる。
なお、図6Aから図6Cには、バイパス油路19bは図示されていないが、バイパス油路19bについてもバイパス油路19aと同様に、間欠的に中仕切室52と圧縮室33aとを連通させる。
図7は、本実施形態のロータリ圧縮機100Cにおける中仕切板5近傍の部分拡大図であり、前記第2実施形態で参照した図5に対応する部分拡大図である。本実施形態において、前記第1実施形態及び前記第2実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
なお、図7中、符号3a,3bは、シリンダであり、符号4a,4bは、ピストンであり、符号8a,8bは、偏心軸部であり、符号18a,18bは、平面カット部であり、符号33aは、圧縮室である。
図8は、本実施形態のロータリ圧縮機100Dにおける中仕切板5近傍の部分拡大図であり、前記第3実施形態で参照した図7に対応する部分拡大図である。本実施形態において、前記第1実施形態から前記第3実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
バイパス油路26cは、中仕切板5の厚さ方向の中央部で、中仕切室52側からバイパス油路26aとバイパス油路26bとの間に延びてこれらに連通する横穴で形成されている。つまり、バイパス油路26a及びバイパス油路26bとこれらを繋ぐバイパス油路26cとによって、中仕切板5を上下方向に貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔の開口部の位置は、例えばバイパス油路26aを例にとると、図4に示すバイパス油路19aの先端の位置に対応する。
中仕切室52では、潤滑油がミスト状又は泡状になっているため、重力の影響を受けて、上方よりも下方の方が潤滑油の存在密度が高い。
図9は、本実施形態のロータリ圧縮機100Eにおける中仕切板5近傍の部分拡大図であり、前記第4実施形態で参照した図8に対応する部分拡大図である。本実施形態において、前記第1実施形態から前記第4実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
なお、図9中、符号3a,3bは、シリンダであり、符号4a,4bは、ピストンであり、符号8a,8bは、偏心軸部であり、符号18a,18bは、平面カット部であり、符号33aは、圧縮室である。
弁体27aをバイパス油路28a側に向けて押圧するばね27bの荷重は、圧縮室33aの圧力よりも一定値だけ高い圧力とすることができる。
つまり、弁機構27は、開弁する際の中仕切室52と圧縮室33aとの差圧を略一定化することができる。また、ロータリ圧縮機100Eによれば、差圧値をばね27bの圧縮量の変更などにより調節可能となる。
前記第5実施形態では、バイパス油路28b(図9参照)の開口を、前記第2実施形態でのバイパス油路19a(図6Aから図6C参照)の先端に対応する位置に設定することを想定している。つまり、図4に示すように、中仕切室52の圧力比α(1<α)となる圧縮室33aが形成される偏心軸部8aの位置において、偏心軸部8aの軸中心Xaの中心軸部8cの軸中心Xを挟んだ反対側に、図9に示すバイパス油路28bの開口が設けられることを想定している。
なお、図10Aから図10Cには、バイパス油路28c(図9参照)は図示されていないが、バイパス油路28cについてもバイパス油路28bと同様に、間欠的に中仕切室52と圧縮室33aとを連通させる。
例えば、中仕切室52の圧力を吸込圧の定数倍αに設定する場合を想定する。この場合に、吸込圧が高く吐出圧との差が小さい低圧力比運転を行おうとすると、中仕切室52の圧力を前記の中間圧に設定するためには圧力比αを極めて小さい値に設定せざるをえない。そうすると、吸込圧が低く吐出圧が高い高圧力比運転時には、中仕切室52の圧力は吸込圧に極めて近い低圧となる。そのため吸込圧に近い低圧の圧縮室33aからも中仕切室52に作動流体が漏れ出して圧縮効率は低くなる。
図11は、第7実施形態のロータリ圧縮機100Gの断面図であり、前記第2実施形態で参照した図4に対応する図、図12は、図11のXII−XII断面図である。なお、図11には、中仕切板5の上方に位置するシリンダ3aの内周面、ピストン4aの外周面、及び偏心軸部8aの外周面を仮想線(二点鎖線)で示している。本実施形態において、前記第1実施形態から前記第6実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
符号27は、弁機構であり、符号27aは、弁体であり、符号27bは、ばねであり、符号27cは、ばね座であり、符号28dは、弁室28dである。
ロータリ圧縮機100Gは、図11に示すように、バイパス油路28bが吸込パイプ11a(図11参照)の吸込口に近接配置されたことで、図12に示すように、バイパス油路28cは、吸込室34bに開口する。図示しないがバイパス油路28bは、ピストン4aが旋回することによって、シリンダ3aの吸込室(図示省略)にも開口する。つまり、本実施形態での中仕切室52は、中仕切室52が圧縮室33a,33bと連通する前記第1実施形態から前記第6実施形態とは異なって、常にシリンダ3aの吸込室(図示省略)及びシリンダ3bの吸込室34bのいずれか一方と連通する。
次に、第8実施形態のロータリ圧縮機100Hについて説明する。
図13A及び図13Bは、ロータリ圧縮機100Hにおけるブレード機構38a,38b付近の部分拡大横断面図である。
図13A及び図13B中、符号Xa,Xbは、偏心軸部8a,8bの軸中心であり、符号35a,35bは、吐出口である。
中仕切室52(図2参照)の圧力を前記の中間圧とすると、運転条件によってはピストン4a(図2参照)が軸受プレート6a(図2参照)側に押圧され、ピストン4b(図2参照)が軸受プレート6b(図2参照)側に押圧されることも考えられる。
前記実施形態では、シャフト8が鉛直方向に向く縦型の圧縮機について説明したが、本発明はシャフト8が水平方向に向く横型の圧縮機に適用することもできる。
2 圧縮機構部
3a シリンダ(第1シリンダ)
3b シリンダ(第2シリンダ)
4a ピストン(第1ピストン)
4b ピストン(第2ピストン)
5 中仕切板
6a 軸受プレート
6b 軸受プレート
7 モータ(電動機部)
7a ロータ
7b ステータ
8 シャフト
8a 偏心軸部(第1偏心軸部)
8b 偏心軸部(第2偏心軸部)
8c 中心軸部
9 貯油部
10 吐出パイプ
11a 吸込パイプ
11b 吸込パイプ
12a カバー部材
12b カバー部材
13a 吐出部
13b 吐出部
14a 吐出弁
15 ハーメチック端子
18a 平面カット部
19a バイパス油路
19b バイパス油路
20a 分離ブレード機構
20b 分離ブレード機構
21a ベーン(第1ベーン)
21b ベーン(第2ベーン)
23a ベーン溝
24a ベーン横穴
25 バイパス油路
26a バイパス油路(穴)
26b バイパス油路(穴)
26c バイパス油路(横穴)
27 弁機構
27a 弁体
28a バイパス油路(横穴)
28b バイパス油路(穴)
28c バイパス油路(穴)
28d 弁室
29a ベーン溝
33a 圧縮室
34a 吸込室
34b 吸込室
35a 吐出口
36a セミシリンダ
37a 背面穴
38a ブレード機構
39a ヒンジ穴
40 中仕切給油路
41a 第1中仕切給油路
42a 第2中仕切給油路
43,43a,43b 中仕切油流出路
44a 貫通孔
51 シャフト挿通孔
52 中仕切室
61a 軸受部
61b 軸受部
62a 端板部
62b 端板部
63a 環状溝
81 給油縦穴
82a 給油横穴
82b 給油横穴
83a スラスト溝
83b スラスト溝
85a 偏心室
85b 偏心室
86a 首部
86b 首部
87a 台座部
87b 台座部
88a 空間
88b 空間
89a クリアランス
89b クリアランス
100A ロータリ圧縮機
100B ロータリ圧縮機
100C ロータリ圧縮機
100D ロータリ圧縮機
100E ロータリ圧縮機
100F ロータリ圧縮機
100G ロータリ圧縮機
100H ロータリ圧縮機
Claims (2)
- 冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
前記圧縮機構部を、シャフトを介して駆動する電動機部と、
前記圧縮機構部及び前記電動機部を収納する密閉容器と、
前記密閉容器の底部に形成される貯油部と、
前記貯油部の潤滑油を前記圧縮機構部に供給する潤滑油供給路と、
を備え、
前記圧縮機構部は、
第1シリンダと、
前記第1シリンダに中仕切板を介して配置される第2シリンダと、
前記第1シリンダ内に配置される第1ピストンと、
前記第2シリンダ内に配置される第2ピストンと、
前記第1ピストンを前記第1シリンダ内で旋回駆動する前記シャフトの第1偏心軸部と、
前記第2ピストンを前記第2シリンダ内で旋回駆動する前記シャフトの第2偏心軸部と、
を有し、
前記潤滑油供給路は、前記貯油部に一端が浸漬される前記シャフトの中空部と、前記中空部に連通する前記シャフトの穴部から、前記第1偏心軸部と前記第1ピストンとの隙間及び前記第2偏心軸部と前記第2ピストンとの隙間を介して前記中仕切板に形成される中仕切室に至る中仕切給油路と、
前記中仕切室から前記第1シリンダ内及び前記第2シリンダ内のそれぞれに至る、前記中仕切板と前記第1ピストンとの隙間及び前記中仕切板と前記第2ピストンとの隙間で構成される中仕切油流出路と、
を有し、
前記中仕切給油路は、前記第1偏心軸部と前記第1ピストンとの隙間及び前記第2偏心軸部と前記第2ピストンとの隙間に至る前の第1中仕切給油路と、
前記第1偏心軸部と前記第1ピストンとの隙間及び前記第2偏心軸部と前記第2ピストンとの隙間で構成される第2中仕切給油路と、
からなり、
前記第2中仕切給油路の潤滑油の流路抵抗が前記第1中仕切給油路の流路抵抗よりも大きく設定されるとともに、前記中仕切油流出路の潤滑油の流路抵抗が前記第1中仕切給油路の流路抵抗よりも大きく設定されており、
前記中仕切油流出路は、前記中仕切室と、少なくとも第1シリンダ内及び第2シリンダ内のいずれか一方とを連通させるように、前記中仕切板に形成された貫通孔で形成されるバイパス油路を含み、
前記中仕切板は、内側に前記中仕切室が形成される環状部材で形成され、
前記中仕切油流出路は、前記中仕切室側で前記中仕切板の厚さ方向に沿って形成される穴と、
前記中仕切板の厚さ方向の中央部で、前記中仕切室側から前記穴に延びて当該穴と連通する横穴と、を有するバイパス油路を含み、
前記バイパス油路の前記横穴には、前記中仕切室と前記第1シリンダ内又は前記第2シリンダ内との間の所定の差圧で前記バイパス油路を開く弁体が配置されていることを特徴とするロータリ圧縮機。 - 請求項1に記載のロータリ圧縮機において、
前記第1シリンダ内に開口する前記バイパス油路の当該開口の位置は、前記シャフトの軸中心から当該開口の位置までの距離が、前記第1ピストンの外周半径と前記第1偏心軸部の偏心量の和よりも小さくなるように設定されるとともに、
前記シャフトの軸中心から当該開口の位置までの前記距離が、前記第1ピストンの外周半径から前記第1偏心軸部の偏心量を差し引いた値よりも大きくなるように設定され、
前記第2シリンダ内に開口する前記バイパス油路の当該開口の位置は、前記シャフトの軸中心から当該開口の位置までの距離が、前記第2ピストンの外周半径と前記第2偏心軸部の偏心量の和よりも小さくなるように設定されるとともに、
前記シャフトの軸中心から当該開口の位置までの前記距離が、前記第2ピストンの外周半径から前記第2偏心軸部の偏心量を差し引いた値よりも大きくなるように設定されていることを特徴とするロータリ圧縮機。
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