JP4120115B2 - バス天井部のシール方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機材料を加熱硬化することによりバス天井外板接合部分の耐候シールをする方法に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
バスボディー乃至はバンなどの車両の外板や天井外板には、鋼板、A1展伸板、ステンレス鋼板およびFRP等の樹脂成形板が使用されている。図5に示すように、バスの車体構造は、ボディー構造体前後方向に設けられた縦貫材である天井骨材6上に長尺の2枚の天井外板パネル5がスポット溶接4等の方法で機械的に接合されている。この天井部外板パネル5相互の接合部における外板パネル合わせ目4aの水密性を得るため、シール材4bが貼付される。シール材4bの材質は、テープ状に成形された変性エポキシ系熱硬化型乃至は塩化ビニル系熱硬化型等のシール材や湿気硬化型ウレタン等のペースト状シール材であり、焼き付け塗装工程での熱を利用して硬化させるか或いは常温硬化させることによりシール効果を発現させている。外板パネル5の接合部の外観を重視するためシール材4bとしてテープ状シール材を使用する場合が多い。また車両構造寸法の都合により図6に示すように外板パネル5を相互に重ねあわせてスポット溶接する構造になっている場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように通常は、図5及び図6に示すようにバス天井部の外板パネル5の間に間隙は無い。しかしながら、部品の共通化乃至はデザイン修正などの設計面の理由から、図7に示すように外板パネル5の間に間隙または段差4aが発生する場合もある。この場合には図5または図6に示すような外板パネル間に間隙が生じない合わせ目に適用しているエポキシ系テープ状シール材では柔軟性に乏しく、テープの樹脂成分が加熱により溶融し図7に示すような間隙4aに流動充填される過程で、間隙4aの形状への追従充填性が極めて悪いため、外板パネル5の接合部の水密シールの確保は困難となる。更に塗装焼き付け工程においてテープ状シール材4bが溶融硬化する過程で、加熱炉内温度が焼き付け温度まで上昇すると急激に加熱された空気が天井骨材6と外板パネル5の間より吹き出し、上述の様に柔軟性の乏しいエポキシ系テープ状シール材の表面に膨れ乃至は破裂による欠陥を発生させて復元できなくなり、外板パネル5の接合部の外観品質を損ねる可能性がある。
【0004】
そこで本発明は、上記の問題を解決するため、複数のシール材の組み合わせを構成することにより、外板パネル間に間隙が生じた場合においても、接合部の水密シール性を確保し、商品としての外観品質基準を満足させるバス天井部のシール方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、バス車両のボディーの2枚の天井外板を天井骨材を介して突き合わせ接合済みの部分の室外側において、前記2枚の天井外板の端面間に間隙が生ずる場合に、該間隙に第1次シール材としてペースト状シール材あるいは加熱により軟化・溶融し前記間隙を充填しつつ硬化するテープ状シール材を配設し、該第1次シール材の上に前記間隙及び前記2枚の天井外板の突き合わせ部近傍を覆うべく第2次シール材として加熱により軟化・溶融し該第2次シール材下面の形状に従いつつ密着硬化するアクリル系テープ状シール材を配設し、該第2次シール材の上に該第2次シール材を覆うべく第3次シール材として加熱により硬化・溶融し該第3次シール材下面の形状に従いつつ密着硬化するエポキシ系テープ状シール材を配設し、前記第1次シール材と前記第2次シール材との間に前記第1次シール材から発生するガスの膨張を抑制するに必要な剛性を備える耐熱性PETフイルムを配設し、前記のすべての要素を同時に加熱後冷却することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図2に本発明の請求項1の実施の形態におけるバス天井外板の接合部の横方向断面図を示す。バスの車体構造は、ボディー構造体前後方向に設けられた縦貫材である天井骨材6上に長尺の2枚の天井外板パネル5がスポット溶接4等の方法で機械的に接合されている。この天井外板パネル5相互の接合部における外板パネル5の合わせ目に生じた間隙4aの水密性を得るため、該間隙4aに第1次シール材としてペースト状シール材あるいは加熱により軟化・溶融し前記間隙4aを充填しつつ硬化するテープ状シール材1を配設し、外板パネル5相互間のシール性を確保するとともに、この上部に第2次シール材として加熱により硬化・溶融し該第2次シール材の下面形状に従いつつ密着硬化する熱硬化型アクリル系テープ状シール材2を貼付し外板パネル5の接合部の外観品質と水密性を確保する。この場合、第1次シール材1として用いたペースト状シール材からは硬化時に発生するガスや硬化後加熱により発生するガスにより第1次シール材と第2次シール材との間に膨れを発生させることがある。このような膨れによる外観不良を抑止するために、第1次シール材1と第2次シール材2との間に耐熱性を有するPETフィルム2aを貼付する。このPETフィルム2aは外板パネル5への接着性を有してはいるが、水密性を維持できるほどの密着性ではない。しかしながら熱硬化型アクリル系テープ状シール材2により外板パネル5の接合部のシール性は確保され、良好な水密性と良好な外観を保持することができる。しかしながらこの第2次シール材2の形状追従性が良好なるが故に、外板パネル5の接合部にスポット溶接痕乃至は僅かな加工手段がある場合は、これらにも極めて良好に追従してしまい、硬化後のテープ表面にかえって凹凸を目立たせてしまうことがある。外板パネル5の接合表面部の加工仕上がりが良好であれば、硬化後のテープ表面に凹凸を目立たせることは無いが第2次シール材2表面に外観品質上問題となるような凹凸が生ずる恐れがある場合は、第2次シール材2の上に更に従来技術で用いられているエポキシ系テープ状シール材を第3次シール材3として貼付し外板パネル5の接続部の外観を整理保持することができる。
【0010】
【発明の効果】
1)天井部外板パネル相互の接合部における外板パネル合わせ目に生じた間隙に第1次シール材としてペースト状シール材あるいは加熱により硬化・溶融し前記間隙を充填しつつ硬化するテープ状シール材を配設し、外板パネル相互間のシール性を確保するとともに、この上部に第2次シール材として加熱により硬化・溶融し該第2次シール材の下面形状に従いつつ密着硬化する熱硬化型アクリル系テープ状シール材2を貼付することにより外板パネルの接合部の外観品質と水密性を確保することができる。この場合、第1次シール材1と第2次シール材2との間に耐熱性を有するPETフィルムを貼付することにより、第1次シール材から発生するガスを抑制することができる。しかしながら第2次シール材の表面に外観品質上問題となる凹凸が生ずる恐れがあるため第2次シールの上に更に従来技術で用いられているエポキシ系テープ状シール材を第3次シール材として貼付し外板パネルの接続部の外観を整理保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の請求項1の実施の形態におけるバス天井外板の接合部の横方向断面図。
【図2】 従来技術におけるバス天井外板の接合部の横方向断面図。
【図3】 従来技術におけるバス天井外板の接合部の横方向断面図。
【図4】 従来技術におけるバス天井外板の接合部の横方向断面図。

Claims (1)

  1. バス車両のボディーの2枚の天井外板を天井骨材を介して突き合わせ接合済みの部分の室外側において、前記2枚の天井外板の端面間に間隙が生ずる場合に、該間隙に第1次シール材としてペースト状シール材あるいは加熱により軟化・溶融し前記間隙を充填しつつ硬化するテープ状シール材を配設し、該第1次シール材の上に前記間隙及び前記2枚の天井外板の突き合わせ部近傍を覆うべく第2次シール材として加熱により軟化・溶融し該第2次シール材下面の形状に従いつつ密着硬化するアクリル系テープ状シール材を配設し、該第2次シール材の上に該第2次シール材を覆うべく第3次シール材として加熱により硬化・溶融し該第3次シール材下面の形状に従いつつ密着硬化するエポキシ系テープ状シール材を配設し、前記第1次シール材と前記第2次シール材との間に前記第1次シール材から発生するガスの膨張を抑制するに必要な剛性を備える耐熱性PETフイルムを配設し、前記のすべての要素を同時に加熱後冷却することを特徴とするバス天井部のシール方法。
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