JP4120091B2 - 成形用金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融状態の熱可塑性樹脂を成形面に押圧して成形するための成形用金型に関する。例えば、ブロー成形、真空成形、圧空成形等のガス抜き用/真空吸引用の孔に起因するヒゲを防止した成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブロー成形は、パリソン(溶融状態の筒状の熱可塑性樹脂)をブロー圧力で成形面に押圧して成形するものであり、公知である。ブロー成形用金型の成形面には、溶融樹脂のガス抜き用もしくは真空吸引用の複数の孔が設けられている。真空成形/圧空成形は、溶融状態の熱可塑性樹脂シートを、気体の圧力差を利用して成形面に押圧して成形するものであり、公知である。真空/圧空成形用金型の成形面には、真空吸引用及びガス抜き用の複数の孔が設けられている。スタンピング成形は、溶融状態の熱可塑性樹脂シートを、スタンパ(雌型である成形面に略対応する形状の雄型)の圧力で成形面に押圧して成形するものであり、公知である。スタンピング成形用金型の成形面には、ガス抜き用もしくは真空吸引用の複数の孔が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ブロー成形等では、熱可塑性樹脂の溶融表面が成形面に押圧されることで成形面を転写されるのであるが、その際、ガス抜き用もしくは真空吸引用の孔に溶融樹脂が入り込み、ヒゲと呼ばれる外観不良が発生し、この除去のための後工程が必要となる。また、後工程によりヒゲを除去した場合でも、ヒゲの痕跡が残るため、外観不良を完全に防ぐことはできないという不具合がある。
本発明は、ブロー成形用金型等のように成形面に孔を有する金型を用いる樹脂成形に於いて、ヒゲの発生を防止することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の成形用金型は、熱可塑性樹脂の溶融表面をガス抜き用及び/又は真空吸引用の孔が開口された成形面に押圧して成形するための成形用金型であって、
可塑性樹脂の溶融表面が成形面の孔に接触する直前当該の孔から対向する溶融表面の微小部分へ気体を吹き付けて当該微小部分の粘度を増加させることにより溶融樹脂が当該の孔内へ入り込まないようにする動作を各孔毎に行なうヒゲ防止手段、
を有し、熱可塑性樹脂の増粘された微小部分が成形面の孔に接触する時に当該の孔を利用する残留ガス除去を完了することを特徴とする。
即ち、溶融樹脂表面が成形面に接触する直前のタイミングで、ガス抜き用もしくは真空吸引用の各孔から気体を吹き付けて、気体を吹き付けた微小部分のみを冷却して粘度を増加させることにより、溶融樹脂が各孔に入り込まないようにして、ヒゲの発生を未然に防止するものである。気体は冷却・増粘のために吹き付けるものであるため、溶融樹脂表面の温度よりも相対的に低温である。吹き付ける気体の温度及び/又は強さ及び/又は量を調整することにより、溶融樹脂表面が成形面に接触した後に上記微小部分の粘度を溶融樹脂等の熱により再び低下させて転写性が損なわれないようにすることができる。つまり、上記の増粘を、溶融樹脂が孔に入り込むことを防止し、且つ、転写性が損なわれない程度に止めるように調整することができる。
請求項2の成形用金型は、請求項1に於いて、前記ヒゲ防止手段は、熱可塑性樹脂の溶融表面と成形面の孔との距離が、当該の孔から気体を吹き付けた場合に溶融表面の対向する微小部分のみの粘度を増加させ得ると推定される距離になるタイミングで、当該の孔から気体を吹き付ける、ことを特徴とする。
ブロー成形では、パリソンの表面が成形面に接触するタイミングは、パリソンの部位によって各々異なる。これは、パリソンが筒状であるのに対して、成形面が複雑な形状(転写用の形状)であること等に起因するものである。一方、前記の微小部分のみを冷却して該微小部分のみを適度に増粘させるためには、溶融樹脂表面が孔に接触する直前のタイミングで、適度な強さで、適度な量の気体を吹き付ける必要がある。タイミングが早すぎて孔と溶融樹脂表面との距離が大きすぎると、上記の微小部分を十分に冷却できず、ヒゲの発生を十分に防止することができない。また、この不具合を無くすために気体を強く吹き付けたり、吹き付ける気体の量を多くしすぎると、溶融樹脂を広範囲に冷却したり、過度に冷却したりして、その結果、成形面を良好に転写できなくなる。タイミングが遅すぎる場合も略同様な不具合が生ずる。なお、真空成形や圧空成形でも上記の事情は同じである。このため、請求項2では、熱可塑性樹脂の溶融表面と成形面の孔との距離が、当該の孔から気体を吹き付けた場合に溶融表面の対向する微小部分のみの粘度を増加させ得ると推定される距離になるタイミングで、当該の孔から気体を吹き付けるようにしている。なお、前記請求項1の成形用金型に於いて、『各孔毎に行なう』とは、『各複数の孔毎に行なう』場合を当然に含む。例えば、孔の総数が8個の場合に、第1のタイミングで3個の孔から同時に気体を吹き付け、第2のタイミングで残り5個の中の2個の孔から同時に気体を吹き付け、第3のタイミングで残りの3個の孔から同時に気体を吹き付けるような制御をも含む。
【0005】
請求項3の成形用金型は、請求項1又は請求項2に於いて、さらに、熱可塑性樹脂が接触する成形面を加熱する加熱手段、を有することを特徴とする。
加熱手段は、好ましくは、成形面を成形材料である熱可塑性樹脂の(ビカット軟化温度(T))℃以上まで加熱するものである。更に好ましくは、ビカット軟化温度T℃より5℃以上高い温度、特に好ましくは、ビカット軟化温度T℃より10℃〜50℃高い温度まで加熱するものである。また、加熱手段は、好ましくは、熱可塑性樹脂が成形面に接触する以前に成形面を加熱するものである。このように成形面を加熱すると、樹脂と成形面との密着性が向上するため、成形面に鏡面やシボ面がある場合でも、それらの鏡面やシボ面を良好に転写することができる。
成形面が設けられている成形型を薄く構成し、成形型の背後に空間を設け、成形型を断熱的に支持するように構成すると、成形型の熱容量を小さくすることができる。このため、上記空間に加熱蒸気等の加熱媒体を供給する機構を設けて上記加熱手段としたり、さらに、上記空間に冷却水や冷却オイル等の冷却媒体を供給する機構を併設して成形面の冷却速度を速めて成形サイクルを短縮することもできる。加熱効率や冷却効率を良好にする見地からは、加熱/冷却媒体の導入/導出部以外は上記空間が閉じられていることが望ましい。また、加熱媒体や冷却媒体として水や蒸気等を用いる場合には、加熱/冷却媒体に曝される部分に防錆対策を施すことが望ましい。例えば、構成材料として、錆難いステンレス鋼、銅合金、セラミックス、アルミ合金等、好ましくはステンレス鋼を用いたり、金属表面に不導態化処理(例:窒化処理)を施したり、防錆塗料、例えば、シリコーン系ゾルゲルタイプ塗料を塗布する等の対策が挙げられる。
加熱手段は、また、成形面の裏面に対向するようにハロゲンヒータ等の輻射加熱器を配することで構成することもできる。その場合、成形面裏面の吸熱性を良好にすることが望ましい。また、成形面に対向してハロゲンヒータ等の輻射加熱器を進入/退避可能に設けることにより加熱手段を構成することもできる。また、成形面を金属で構成して、通電加熱或いは誘導加熱する機構によって加熱手段を構成することもできる。
また、成形面表層部を断熱層として構成して溶融状態の熱可塑性樹脂の熱で成形面を加熱するように構成することもできる。
【0006】
請求項4の成形用金型は、請求項1〜請求項3の何れかに於いて、金型がブロー成形用金型であることを特徴とする。
請求項5の成形用金型は、請求項1〜請求項3の何れかに於いて、金型が真空/圧空成形用金型であることを特徴とする。
【0007】
本発明の成形用金型で成形される樹脂材料としては、例えば、AS樹脂、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム−スチレンから成るグラフト共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム−スチレン−αメチルスチレンから成るグラフト共重合体(耐熱ABS樹脂)、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン系ゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸メチルから成るグラフト共重合体(AES樹脂)、アクリロニトリル−水添ジエン系ゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸メチルから成るグラフト共重合体、アクリロニトリル−シリコーンゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸メチルから成るグラフト共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリフェニレンエ−テル、ポリオキシメチレン、ナイロン、メタクリル酸メチル系重合体、ポリエ−テルスルホン、ポリアリレ−ト、塩化ビニル、マレイミド化合物−スチレン及び/又はアクリロニトリル及び/又はα−メチルスチレンからなる共重合体、ゴム状重合体−マレイミド化合物−スチレン及び/又はアクリロニトリル及び/又はメタクリル酸メチル及び/又はα−メチルスチレンからなるグラフト共重合体等、及びこれらの複合物と、これらに充填剤を添加した樹脂が挙げられる。
【0008】
本発明の成形用金型を用いて好適に成形される成形品としては、例えば、各種のハウジング、スポーツ用製品、遊具、車両用製品、家具用製品、サニタリー製品、建材用製品、厨房用製品等がある。
ハウジングとしては、例えば、クーラーボックス、TV、オーディオ機器、プリンタ、FAX、複写機、ゲーム機、洗濯機、エアコン、冷蔵庫、掃除機、アタッシュケース、楽器ケース、工具箱、コンテナ、カメラケース等がある。
スポーツ用製品としては、例えば、スイミングボード、サーフボード、ウインドサーフィン、スキー、スノーボード、スケートボード、アイスホッケースティック、カーリングボール、ゲートボールラケット、テニスラケット、カヌー、ボート等がある。
遊具としては、例えば、バット、ブロック、積木、釣り具ケース、パチンコ台枠等がある。
車両用製品としては、例えば、エアースポイラー、ドアー、バンパー、フェンダー、ボンネット、サンルーフ、リアゲート、ホイールキャップ、インパネ、グローブボックス、コンソールボックス、アームレスト、ヘッドレスト、燃料タンク、運転席カバー、トランク工具ボックス等がある。
家具用製品としては、例えば、引き出し、机天板、ベッド天板・底板、鏡台枠板、げた箱板・前扉、椅子背板・底板、盆・トレー、傘立て、花瓶、薬箱、ハンガー、化粧箱、収納箱板、本立て、事務机天板、OA机天板、OAラック等がある。
サニタリー製品としては、例えば、シャワーヘッド、便座、便板、排水パン、貯水槽蓋、洗面化粧台扉、浴室ドア等がある。
建材用製品としては、例えば、天井板、床板、壁板、窓枠、ドア、ベンチ等がある。
厨房用製品としては、例えば、まな板、キッチン扉等がある。
なお、これらは例示であり、これら以外の成形品も好適に成形され得る。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、(1)ブロー成形用金型と、(2)真空/圧空成形用金型と、に適用した具体例に即して本発明を説明する。
【0010】
(1)ブロー成形用金型.
図1は実施の形態のブロー成形用金型を模式的に示す断面図であり、図2は図1のブロー成形用金型を備えたブロー成形装置の構成図である。また、図3は図1のブロー成形用金型の成形型31を金型支持体35に取り付ける部分の構造を示し、(a)は図1内の左方から見た図、(b)は(a)内矢視bの断面図である。なお、図1では左右一対の成形用金型の中の一方のみが示されている。
図1に示すブロー成形用金型は、箱を横置きした形状の金型支持体35の開口部(図内左端部)で成形型31の周辺部を支持する構成を成す。成形型31の背後(パリソンPに面する成形面の反対面側)には、成形型31の背面と金型支持体35の内壁面とで囲まれる空間30が有る。この空間30に開口するように金型支持体35の後壁面(図内右端側壁面)にノズル71Nが設けられており、このノズル71Nから、成形型31の背面へ、加熱媒体(加熱蒸気,加熱オイル等)/冷却媒体(冷却水,冷却空気等)を噴射することで、成形面を背後から加熱/冷却することができる。空間30内へ噴射された加熱媒体/冷却媒体は、それぞれのプロセスが終了すると、空間30の底部の排出管75から外部へ排出される。パリソンPが成形面に押圧される成形時には、排出管75のバルブ75Vは閉じられており、空間30が密閉されているため、成形型31が比較的薄いにもかかわらず、成形圧力に抗してその形状を保持することができる。
金型支持体35の内壁面には断熱材層351が設けられており、空間30内に供給される加熱媒体の熱が金型支持体35へ逃げたり、金型支持体35の熱が冷却媒体に伝わって昇温させてしまうことを防止している。断熱材層351は、図3(b)内に示すように、厚さ10[mm]のフェノール樹脂層3512と、厚さ2[mm]のアスベスト層3511から成る。この断熱材層351の材料としては、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、アセタール樹脂、四フッ化エチレン系樹脂、セラミックス、PC、フェノール樹脂、ユリア、メラミン、ガラス、不飽和ポリエステル等、アスベスト、硬質ウレタンフォーム、ロックウール、グラスウール、けい酸カルシウム、ポリスチレンフォーム、はっ水性パーライト、コルク、木材(杉)、ゴム、石英ガラス、発泡ビーズ等、及びこれらの2種以上の組み合わせを用いることができる。好ましくは、フェノール樹脂、ユリア、メラミン、不飽和ポリエステル、アスベスト、硬質ウレタンフォーム、発泡ビーズを用いることができる。
なお、加熱手段としては、前記の加熱媒体の供給に代えて、又は、前記の加熱媒体の供給とともに、例えば、図4に示すように、成形面の裏面と対向する部位にハロゲンヒータ等の輻射加熱手段41を設け、この輻射加熱手段から成形面の裏面側を加熱するように構成してもよい。
【0011】
成形型31は薄いステンレス鋼製であり、周辺部を断熱支持部材352を介して遊びの有る状態で金型支持体35に支持されている。成形型31は、加熱/冷却過程を繰り返されて、熱膨張/収縮サイクルを短時間で繰り返す。一方、成形型31を支持している金型支持体35は、成形型31と断熱されている。このため、もし、成形型31と金型支持体35とが強固に結合されていると、両者間に熱膨張の差異による歪みが発生して、放置すると損壊に到る恐れがある。このため、成形型31は、図3のように、上記熱膨張の差異を吸収して歪みの発生を防止できるように、遊びの有る状態で金型支持体35に支持されている。
即ち、成形型31の周辺部には被支持板31Cが張り出すように設けられており、この被支持板31Cが、金型支持体35の開口部分に設けられている溝35M内に、遊びの在る状態で緩やかに嵌め入れられることで、成形型31が金型支持体35に支持されている。溝35Mは、張出部350Mを有する支持体付設部350を金型支持体35の開口端にボルト15で取付けることにより構成されている。また、成形型31の上面視(成形面を正面から見る方向)で方形に配設された4枚の各支持体付設部350の隅部には、図3(a)に示すように、隣接する支持体付設部350との間に、略0.1[mm]の隙間cが設けられている。さらに、溝35M内の対向する表面には厚さ10[mm]のフェノール樹脂製の断熱支持部材352が各々設けられており、成形型31の周辺部である被支持板31Cの上下面と各断熱支持部材352との間隙にはOリング17が嵌められている。このため、樹脂成形時の熱で成形型31が熱膨張して被支持板31Cと溝35Mとの間に相対的なズレが生じた場合でも、このズレは被支持板31Cと溝35Mとの間の遊びによって吸収され、悪影響(成形型31の撓み、歪、寿命が短くなること等)は防止される。また、成形型31の撓み等を防止できるため、成形面を良好な状態に保つことができる。また、その結果として、精密な成形品を得ることが可能となる。また、成形型31は断熱支持部材352を介して金型支持体35に支持されているのであるが、この断熱支持部材352としては、縦弾性係数が0.1×104 〜100×104[kg/cm2] のフェノール樹脂材料が用いられているため、ガタツキ等の不具合も防止できる。
【0012】
成形型31には、溶融状態のパリソンPから発生するガスを外部へ排出するガス抜き用、及び、パリソンPを吸引して成形面に密着させる吸引用として、複数の孔が設けられている。孔51N,51N,,は、共通の管51を介して給排気源S1(図2参照)に接続されており、管51にはバルブ51Vが介挿されている。また、孔55N,55N,,は、共通の管55を介して給排気源S2(図2参照)に接続されており、管55にはバルブ55Vが介挿されている。なお、図1や図2では、管51,55は成形型31の裏面側に成形型31の裏面から離して設けられているが、成形型31の裏面に接触して設けられてもよく、また、成形型31内に埋め込むように設けられてもよい。
孔51N、及び、孔55Nの径は、本例では、0.3〜0.5[mm φ] であるが、これは、ガス抜き用・吸引用としての機能を奏することができる径であればよい。この径は、例えば、単位面積当りの孔の個数によっても異なる。
孔51N,55N、バルブ51V,55V、及び、給排気源S1,S2は、ブロー成形装置の動作を制御する制御装置により、ブロー成形装置の動作に同期する所定のタイミングで動作される。即ち、押出機12から押し出され、アキュムレータダイ13から下方へ垂下されるパリソンPの表面が、成形面から所定距離になると推定されるタイミングで、給排気源S1/S2から冷気が供給され、管51/55を介して孔51N,55Nから吹き出される。これにより、冷気がパリソンPの溶融表面に吹き付けられ、冷気が吹き付けられた微小部分の粘度が若干増加し、成形面に接触する際に溶融樹脂が孔内に入り込んでヒゲとなるという不具合が防止される。また、パリソンPの表面が成形面に接触した後は、溶融状態のパリソンPの上記微小部分の周囲の熱によって上記微小部分が若干軟化されるため、成形面の転写性が損なわれることもない。
パリソンPの表面が成形面から所定距離になるタイミングは、図1に示すように、孔の部位によって異なる。例えば、図1では、パリソンPの上下方向の中央部付近が最も早く成形面に近づき、パリソンPの上下端部が成形面に近づくタイミングは若干遅れる。このため、図1の場合には、上下方向の中央付近の孔55N,55N,,,から最も早く冷気が吹き出され、上下端部寄りの孔51N,51N,,,からは若干遅れるタイミングで冷気が吹き出される。これらのタイミングは、成形品の種類や樹脂の種類等に応じて、且つ、ブロー成形装置の制御タイミングとの関係に於いて、予め定めておくことができる。
パリソンPが成形面に接触する際に、パリソンPの表面と成形面との間に空気や溶融状態のパリソンPから発生するガスが残留していると、その空気やガスが成形品の外観不良の原因となる。このため、パリソンPが成形面に接触する直前のタイミングで給排気源S1/S2から真空吸引を行なって上記残留空気や残留ガスを除去している。なお、パリソンPの表面を成形面に密着させるための真空吸引が不要でガス抜きのみで足りる場合は、例えば、外気に連通する箇所にバルブを設けておき、そのバルブを開いてガスを逃がすように制御してもよい。このように残留空気や残留ガスを排気するタイミングもまた部位によって各々異なるため、成形品の種類や樹脂の種類等に応じて、且つ、必要に応じてブロー成形装置の制御タイミングとの関係に於いて、制御装置で制御することとする。
【0013】
(2)真空/圧空成形用金型.
図5は実施の形態の真空/圧空成形用金型を模式的に示す断面図である。図示の真空/圧空成形用金型は、箱を縦置きした形状の金型支持体36の開口部(図内上端部)で成形型32の周辺部を支持する構成を成す。成形型32の背後(成形型32の外面の側)には、成形型32の外面と金型支持体36の内壁面とで囲まれる空間300が有る。この空間300に開口するように金型支持体36の四方の壁面にはそれぞれノズル72Nが設けられており、各ノズル72Nから、成形型32の四方の側面へ、加熱媒体(加熱蒸気,加熱オイル等)/冷却媒体(冷却水,冷却空気等)をそれぞれ噴射することで、成形面(成形型32の内面)を外面側から加熱/冷却することができる。空間300内へ噴射された加熱媒体/冷却媒体は、それぞれのプロセスが終了すると、空間300の底部の排出管76から外部へ排出される。樹脂シートP0は、成形面に押圧される前に上下のヒータH1,H2により加熱されて軟化状態とされた後、下面側から予備ブローされて上方へ膨らまされ、その後に成形面へ吸引される。吸引の詳細については後述する。上記の予備ブローは、樹脂シートP0を膨らませて延ばすことで、更に容易に成形面に吸引するために行なわれる。なお、圧空成形の場合には、真空排気による吸引と併せて、上方から空気による加圧が行なわれる。
溶融樹脂シートP0が成形面に押圧される成形時には、排出管76のバルブ76Vは閉じられており、空間300が密閉されているため、成形型32が比較的薄いにもかかわらず、成形圧力に抗してその形状を保持することができる。
金型支持体36の内壁面には断熱材層361が設けられており、空間300内に供給される加熱媒体の熱が金型支持体36へ逃げたり、金型支持体36の熱が冷却媒体に伝わって昇温させてしまうことを防止している。断熱材層361はブロー成形用金型の断熱材層351と同様に厚さ10[mm]のフェノール樹脂層と厚さ2[mm]のアスベスト層から成る。この断熱材層361の材料としては、ブロー成形用金型の断熱材層351と同じ材料を用いることができる。
なお、加熱手段としては、前記の加熱媒体の供給に代えて、又は、前記の加熱媒体の供給とともに、例えば、図6に示すように、成形面の裏面と対向する部位にハロゲンヒータ等の輻射加熱手段42を設け、この輻射加熱手段から成形面の裏面側を加熱するように構成してもよい。
また、空間300は、図7に示すように1又は2以上の隔壁を用いて、複数の空間に分割してもよい。図7には1個の隔壁Wを用いて2つの空間300A,300B分割した例が示されているが、分割数は任意である。このように空間を分割することで、成形面を各空間に裏面が対面する部分毎に加熱/冷却できるようになり、成形品の各部分毎に所望の転写性を与えることができる。なお、このように成形面の背後の空間を分割する構成は、前述のブロー成形用金型に於いても当然に可能である。
【0014】
成形型32は薄いステンレス鋼製であり、周辺部を断熱支持部材362を介して遊びの有る状態で金型支持体36に支持されている。成形型32は、加熱/冷却過程を繰り返されて、熱膨張/収縮サイクルを短時間で繰り返す。一方、成形型32を支持している金型支持体36は、成形型32と断熱されている。このため、もし、成形型32と金型支持体36とが強固に結合されていると、両者間に熱膨張の差異による歪みが発生して、放置すると損壊に到る恐れがある。このため、成形型32は、上記の熱膨張の差異を吸収して歪みの発生を防止できるように、前述のブロー成形用金型の場合の図3と略同様にして、遊びの有る状態で金型支持体36に支持されている。
【0015】
成形型32には、溶融状態の樹脂シートP0から発生するガスを外部へ排出するガス抜き用、及び、樹脂シートP0を吸引して成形面に密着させる吸引用として、複数の孔が設けられている。孔52N,52N,,は、共通の管52を介して給排気源S3に接続されてる。管52には適宜の位置にバルブ(不図示)が介挿されている。孔56N,56N,,は、共通の管56を介して給排気源S4に接続されている。管56には適宜の位置にバルブが介挿されている。なお、図5〜図7では、管52は成形型32の裏面に密着して設けられており、管56は成形型32の裏面から離して設けられているが、管52を成形型32の裏面から離して設けたり、管56を成形型32の裏面に密着して設けてもよい。また、管52及び/又は管56を成形型32内に埋め込むように設けてもよい。
孔52N,56Nの径は、本例では、0.3〜0.5[mm φ] であるが、これは、ガス抜き用・吸引用としての機能を奏することができる径であればよい。この径は、例えば、単位面積当りの孔の個数によっても異なる。
孔52N,56N、管52や管56に介挿されているバルブ、及び、給排気源S3,S4は、真空/圧空成形装置の動作を制御する制御装置により、真空/圧空成形装置の動作に同期する所定のタイミングで動作される。即ち、上方へ予備ブローされた後に下方及び側方へ吸引される溶融樹脂シートP0の表面が、成形面から所定距離になると推定されるタイミングで、給排気源S3/S4から冷気が供給され、管52/56を介して孔52N,56Nから吹き出される。これにより、冷気が溶融樹脂シートP0の溶融表面に吹き付けられ、冷気が吹き付けられた微小部分の粘度が若干増加し、成形面に接触する際に溶融樹脂が孔内に入り込んでヒゲとなるという不具合が防止される。また、溶融樹脂シートP0の表面が成形面に接触した後は、溶融状態の樹脂シートP0の上記微小部分の周囲の熱によって上記微小部分が若干軟化されるため、成形面の転写性が損なわれることもない。
溶融樹脂シートP0の表面が成形面から所定距離になるタイミングは前述のブロー成形の場合と同様に孔の部位によって異なるため、冷気を吹き出すタイミングも孔の部位によってそれぞれ変えて制御される。各孔から冷気を吹き出すタイミングは、成形品の種類や樹脂の種類等に応じて、且つ、真空/圧空成形装置の制御タイミングとの関係に於いて、予め定めておくことができる。
樹脂シートP0が成形面に接触する際に、樹脂シートP0の表面と成形面との間に空気や溶融状態の樹脂シートP0から発生するガスが残留していると、その空気やガスが成形品の外観不良の原因となる。このため、樹脂シートP0が成形面に接触する直前のタイミングで給排気源S3/S4から真空吸引を行なって上記残留空気や残留ガスを除去している。なお、樹脂シートP0の表面を成形面に密着させるための真空吸引が不要でガス抜きのみで足りる場合は、例えば、外気に連通する箇所にバルブを設けておき、そのバルブを開いてガスを逃がすように制御してもよい。このように残留空気や残留ガスを排気するタイミングもまた部位によって各々異なるため、成形品の種類や樹脂の種類等に応じて、且つ、必要に応じて真空/圧空成形装置の制御タイミングとの関係に於いて、制御装置により制御することとする。
【0016】
【発明の効果】
本発明では、ブロー成形用金型や真空/圧空成形用金型等のように成形面にガス抜き用もしくは真空吸引用の孔を有する成形用金型に於いて、樹脂の溶融表面が成形面の孔に接触する直前に当該の孔から対向する溶融表面の微小部分へ気体を吹き付けて当該微小部分の粘度を増加させることにより溶融樹脂が当該の孔内へ入り込まないようにする動作を各孔毎に行なうため、溶融樹脂が成形面の孔に入り込んでヒゲとなることを防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のブロー成形用金型を模式的に示す断面図。
【図2】図1のブロー成形用金型を備えたブロー成形装置の構成図。
【図3】図1のブロー成形用金型の成形型31を金型支持体35に取り付ける部分の構造を示し、(a)は図1内の左方から見た図、(b)は(a)内の矢視bの断面図。
【図4】図1とは別の実施の形態のブロー成形用金型を模式的に示す断面図。
【図5】実施の形態の真空/圧空成形用金型を模式的に示す断面図。
【図6】図5とは別の実施の形態の真空/圧空成形用金型を模式的に示す断面図。
【図7】図5及び図6とは別の実施の形態の真空/圧空成形用金型を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
31 成形型(ブロー成形)
32 成形型(真空/圧空成形)
35 金型支持体(ブロー成形)
36 金型支持体(真空/圧空成形)
30 空間(ブロー成形)
300 空間(真空/圧空成形)
51N,55N 孔(ブロー成形)
51,55 管(ブロー成形)
52N,56N 孔(真空/圧空成形)
52,56 管(真空/圧空成形)
S1,S2 給排気源
P パリソン
P0 溶融樹脂シート

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂の溶融表面をガス抜き用及び/又は真空吸引用の孔が開口された成形面に押圧して成形するための成形用金型であって、
    可塑性樹脂の溶融表面が成形面の孔に接触する直前当該の孔から対向する溶融表面の微小部分へ気体を吹き付けて当該微小部分の粘度を増加させることにより溶融樹脂が当該の孔内へ入り込まないようにする動作を各孔毎に行なうヒゲ防止手段、
    を有し、熱可塑性樹脂の増粘された微小部分が成形面の孔に接触する時に当該の孔を利用する残留ガス除去を完了することを特徴とする成形用金型。
  2. 請求項1に於いて、
    前記ヒゲ防止手段は、熱可塑性樹脂の溶融表面と成形面の孔との距離が、当該の孔から気体を吹き付けた場合に溶融表面の対向する微小部分のみの粘度を増加させ得ると推定される距離になるタイミングで、当該の孔から気体を吹き付ける、
    ことを特徴とする成形用金型。
  3. 請求項1、又は請求項2に於いて、さらに、
    可塑性樹脂が接触する成形面を加熱する加熱手段、
    を有することを特徴とする成形用金型。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに於いて、
    金型がブロー成形用金型である、
    ことを特徴とする成形用金型。
  5. 請求項1〜請求項3の何れかに於いて、
    金型が真空/圧空成形用金型である、
    ことを特徴とする成形用金型。
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