JP3252819B2 - 圧力制御装置とブロー成形装置 - Google Patents

圧力制御装置とブロー成形装置

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JP3252819B2
JP3252819B2 JP1518499A JP1518499A JP3252819B2 JP 3252819 B2 JP3252819 B2 JP 3252819B2 JP 1518499 A JP1518499 A JP 1518499A JP 1518499 A JP1518499 A JP 1518499A JP 3252819 B2 JP3252819 B2 JP 3252819B2
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molding surface
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純 中村
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文夫 栗原
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C49/00Blow-moulding, i.e. blowing a preform or parison to a desired shape within a mould; Apparatus therefor
    • B29C49/42Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C49/48Moulds
    • B29C49/4823Moulds with incorporated heating or cooling means

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂の成
形に用いる成形面の表裏の圧力を制御する圧力制御装置
と、ブロー成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂成形品を得る方法として、射出成形
法やブロ−成形法がある。射出成形法は、溶融樹脂を密
閉された金型内に高圧(200〜1000kg/cm
2 )で射出して、金型の成形面を樹脂に転写する方式で
ある。高圧であるため、成形面の転写が正確に行われ
る。このため、鏡面やしぼ面を有する成形品を得るのに
は適している。しかし、高圧に耐える金型が必要なた
め、金型の構造が複雑化してコスト高となり、多品種少
量生産等には不適である。また、中空品の成形には特別
な工夫が必要なため、生産工程が複雑化する。ブロ−成
形法は、パリソン(溶融・軟化状態の中空円筒形状の樹
脂)を金型間に供給した後に型締し、その中空部に流体
を圧送することでパリソンの外面を金型の成形面に押し
つけて転写する方式である。流体の圧力で押しつけるた
め、比較的低圧(4〜10kg/cm2 )であり、この
ため、成形面が綺麗に転写されず、鏡面やしぼ面を有す
る成形品を得るのには不適である。しかし、中空品の大
量生産には適しているため、広く行われている。特開昭
58−102734号公報には、薄肉の成形用内型と、
該成形用内型に接触/隔離できる冷却用外型を備えた中
空成形用金型が開示されている。この金型では、中空成
形品の表面光沢を改善する目的でパリソンの供給前に成
形用内型を加熱しておくとともに、パリソンが成形用内
型の成形面に接触された後は、冷却用外型の内面を成形
用内型の外面に接触させることで該成形用内型を速やか
に冷却して、成形品を得ている。特開平4−77231
号公報には、パリソンを成形型の成形面に接触させて成
形する際に、該成形型の温度を、パリソンの結晶化速度
が最大となる温度近傍から融点までの間に保持すること
により、ダイラインやウエルドラインが成形品の表面に
残留することを防止するとともに、成形中のパリソンの
中空部に冷媒を循環させることにより、成形のサイクル
タイムの長時間化を防止するようにしたブロ−成形方法
が開示されている。特公平6−73903号公報には、
容器状の金型枠に、伝熱性が良好で多数の導通孔を有す
る蓋体を固着して該蓋体から成る金型表面部域と、その
背後の中間層とを形成し、該中間層内に伝熱性の低い樹
脂又は金属を充填するか、導通孔を備えた補強リブを設
けた成形用金型が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】比較的簡易な構造の金
型を用いて鏡面やしぼ面を有する樹脂成形品を得たいと
いう要請がある。また、鏡面やしぼ面を有する中空の樹
脂成形品(例:自動車のエアスポイラ−)を、簡易な工
程で生産したいという要請もある。前記特開昭58−1
02734号公報の中空成形用金型では、成形用内型を
加熱することで成形面を綺麗に転写しているが、成形用
内型を冷却用外型に対して相対変位させて接触させるこ
とで樹脂を冷却しているため、金型の構造が複雑となっ
て脆弱化する恐れがあり、また、冷却時間も長時間化す
る。また、樹脂成形品の表面を綺麗にし、且つ、成形の
全サイクルタイムを短くするのに最適な加熱温度や冷却
温度の範囲についての言及もない。前記特開平4−77
231号公報のブロ−成形方法では、成形型の温度を前
記の温度に加熱保持することで成形面を綺麗にしている
が、冷却時にも該温度に加熱保持しているため、冷却時
間の短縮効果は、あまり大きくない。また、冷媒を循環
させることでパリソンを内側から冷却しているため、成
形型の温度を前記の温度に加熱保持するための温度制御
が複雑となる。前記特公平6−73903号公報の装置
では、成形面の加熱・冷却を、該成形面が形成されてい
る蓋体(金型表面部域)の内部又は裏面に設けた多数の
導通孔に加熱・冷却媒体を通すことで行っており、さら
に、成形面の背後の中間層内に加熱・冷却媒体を送り込
むことでも行っているが、この装置の場合、中間層内で
の伝熱は緩やかであるため、サイクルタイムを短くする
ことは困難である。本発明は、良好な鏡面やしぼ面を有
する樹脂成形品を比較的短いサイクルタイムで生産でき
るようにすることを目的とする。また、良好な鏡面やし
ぼ面を有する樹脂成形品を比較的簡単な工程で生産でき
るようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、型体
の成形面の裏面側の空間に導入及び/又は導出される流
体の圧力を調整するための圧力調整機構と、前記空間に
導入及び/又は導出される流体の圧力が熱可塑性樹脂を
前記成形面に押圧する圧力に釣り合うように前記空間内
の圧力と前記熱可塑性樹脂に加わる圧力とを検出して
記圧力調整機構を制御する制御手段と、を備えた圧力制
御装置である。請求項2の発明は、請求項1に於いて、
さらに、型体の成形面を成形材料の熱可塑性樹脂のビカ
ット軟化温度(T)℃以上の温度まで加熱する加熱手
段、を備えた圧力制御装置である。請求項3の発明は、
請求項1、又は請求項2に於いて、さらに、型体の成形
面を成形材料の熱可塑性樹脂のビカット軟化温度
((T)−10)℃以下の温度まで冷却する冷却手段、
を備えた圧力制御装置である。請求項4の発明は、請求
項1〜3の何れかの圧力制御装置と、熱可塑性樹脂を中
空パリソンとして供給して吹き込み圧力により該中空パ
リソンの外表面を型体の成形面に押圧するブロー成形機
と、を備えたブロー成形装置である。請求項5の発明
は、請求項1〜3の何れかの圧力制御装置と、成形面を
備えた型体を該成形面の裏面側との間に空間を確保して
金型本体により支持して成る金型と、熱可塑性樹脂を中
空パリソンとして供給して吹き込み圧力により該中空パ
リソンの外表面を型体の成形面に押圧するブロー成形機
と、を備えたブロー成形装置である。上記の加熱手段
は、例えば図2に示すように、前記成形面30の裏面側の
空間B内へ加熱媒体(加熱オイルや加熱空気等)を供給
する機構70,71,72によって構成できる。なお、輻射加熱
手段や、その他の加熱手段でもよい。加熱手段によって
成形面30をビカット軟化温度(T)℃以上まで加熱する
ことで、上記成形面30が樹脂の表面に綺麗に転写され、
シボ面や鏡面の転写が良好となる。上記の冷却手段は、
例えば図2に示すように、型体3 の成形面30の裏面31に
冷却空気や冷却水を噴射する機構70,71,72によって構成
できる。冷却手段により成形面30が(ビカット軟化温度
(T)−10)℃以下まで速やかに冷却されるため、成
形品を型から速やかに取り出すことができ、成形サイク
ルを短縮できる。上記の圧力調整(流体調節)機構は空
間B 内へ導入/導出される流体の圧力を調節するための
機構であり、例えば図2では、供給側のバルブ72・配管
71・ノズル70と、排出側の配管76・バルブ77によって構
成できる。上記の制御手段は、上記空間B 内の圧力と成
形材料の熱可塑性樹脂から上記成形面30に加わる圧力に
基づいて、上記2つのバルブ72,77 の開閉機構の作動を
制御する電子回路又はその機能を実現するソフトウエア
によって構成できる。上記空間B 内の圧力を検出する手
段は、該空間B 内の圧力を直接検出する手段ばかりでな
く、該空間B 内に供給される流体の圧力を検出する手段
でもよい。上記熱可塑性樹脂から上記成形面30に加わる
圧力の検出手段に関しても同様である。成形用金型の成
形面30は、水を成分とする媒体で加熱・冷却される場合
があるため、金型本体4 や型体3 には、必要に応じて防
錆対策が施される。この対策としては、金型の材質とし
て錆難いステンレス鋼、銅合金、セラミックス、アルミ
合金等を用いることが挙げられる。好ましくはステンレ
ス鋼が用いられる。また、他の対策としては、金属表面
の不導態化処理(例えば、窒化処理)、防錆塗料の塗
布、シリコーン系ゾルゲルタイプ塗料の塗布等が挙げら
れる。
【0005】請求項5のブロー成形装置の金型に、さら
に、前記型体の周辺の被支持部と該被支持部に対応する
前記金型本体の支持部とを遊びを持たせて緩やかに嵌め
合わせ、熱膨張によって前記被支持部と支持部とに生ず
る相対変位を前記遊びによって吸収するように、前記被
支持部と前記支持部とに嵌合部材を設け、前記嵌合部材
の前記遊びの部分にシール部材を設けてもよい。上記の
嵌合部材は、例えば、型体3 の周辺の凸部36を金型本体
4 の対応する部分の凹部46内に遊びを持って緩やかに嵌
め入れる機構(図3)や、逆に、型体3 の周辺の凹部
(不図示)内に金型本体4 の対応する部分の凸部(不図
示)を遊びを持って緩やかに嵌め入れる機構である。こ
の機構は、型体3 の周辺の全域又は一部に設ける。遊び
を持って緩やかに嵌め入れているため、型体3 と金型本
体4 とに熱膨張による相対的な変位が生じた場合でも、
その差を吸収して歪や損壊等の不具合を防止できる。こ
のように、型体3 と金型本体4 の連結部分が遊びを有す
る状態で嵌め合わされている場合には、上記制御手段に
より上記圧力調整(流体調節)機構を制御して上記空間
B 内に供給する流体の圧力と上記熱可塑性樹脂により上
記成形面30に加わる押圧力とを釣り合わせるために、上
記嵌合部材の連結部分を確実にシールして該連結部分か
ら流体が漏れ出すことを防止する必要がある。このた
め、上記のシール部材を設ける。このシール部材として
は、Oリング9 、オイルシール、合成ゴム、金属、フェ
ルト、皮、コルク等を用いることができる。このシール
部材により型体3 と金型本体4 の連結部をシールできる
ため、前記空間B 内に満たされる加熱オイル、加熱蒸
気、冷却空気、冷却水等が、型体3 と金型本体4 の連結
部から漏れ出すことを防止できる。また、加熱オイル等
を前記空間内B に所望の圧力で密閉できるため、該空間
B 内を所望の圧力に設定することができる。なお、この
シール部材9 は、成形面30がビカット軟化温度(T)℃
以上まで加熱されることから、この温度での耐久性を有
する材料であることが要求される。
【0006】請求項5のブロー成形装置の金型に、さら
に、前記型体の被支持部と前記金型本体の支持部との間
に、熱伝導率が0.001〜1[kcal/mh℃] で、且つ、
縦弾性係数が0.1×104 〜100×104[kg/cm2]
の断熱支持部材を設けてもよい。上記の断熱支持部材
は、熱伝導率が0.001〜1[kcal/mh℃] 、好ましく
は0.005〜0.8[kcal/mh℃] 、更に好ましくは
0.01〜0.5[kcal/mh℃]で、且つ、縦弾性係数が
0.1×104 〜100×104[kg/cm2] 、好ましくは
0.2×104 〜40×104[kg/cm2] 、更に好ましく
は1×104 〜20×104[kg/cm2] の材料を用いて構
成してもよく、また、熱伝導率が0.001〜1[kcal/
mh℃] 、好ましくは0.005〜0.8[kcal/mh℃] 、
更に好ましくは0.01〜0.5[kcal/mh℃] の材料
と、縦弾性係数が0.1×104 〜100×104[kg/c
m2] 、好ましくは0.2×104 〜40×104[kg/c
m2] 、更に好ましくは1×104 〜20×104[kg/c
m2] の材料を用いた積層構造として構成してもよい。つ
まり、図1〜図3に示すように、断熱支持部材1 は、型
体3 と金型本体4 とを断熱でき、且つ、型体3 側から金
型本体4 側へ加わる押圧力に抗して型体3 を金型本体4
によってガタツキ無く確実に支持できればよい。なお、
上記断熱支持部材の熱伝導率として上記の如き範囲が示
されている理由は、熱伝導率が0.001[kcal/mh℃]
未満では特殊な材料が必要となって実用的で無くなり、
1[kcal/mh℃] を越えると所望の断熱効果が得られない
ためである。また、上記断熱支持部材の縦弾性係数とし
て上記の如き範囲が示されている理由は、縦弾性係数が
0.1×104[kg/cm2] 未満では剛性が不足してシール
が十分で無くなり、100×104[kg/cm2] を越えると
断熱支持部の加工が困難となるためである。熱伝導率が
0.001〜1[kcal/mh℃] で、縦弾性係数が0.1×
104 〜100×104[kg/cm2] の材料としては、ポリ
アリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニ
レンオキサイド、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリ
アミド、アセタール樹脂、四フッ化エチレン系樹脂、セ
ラミックス、PC、フェノール樹脂、ユリア、メラミ
ン、ガラス、不飽和ポリエステル等がある。好ましくは
フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン、不飽和ポリエ
ステルであり、更に好ましくはフェノール樹脂である。
【0007】前記の加熱手段及び圧力調整(流体調節)
機構に代えて、前記成形面を当該熱可塑性樹脂のビカッ
ト軟化温度(T)℃以上の温度まで加熱するべく前記空
間内へ加熱流体を導入及び/又は導出するとともに、該
空間内の圧力を調整する機能を備えた流体調節機構を設
けてもよい。この流体調節機構は、成形面30を加熱する
前述の加熱手段の機能と、空間(B) 内の圧力を調整する
前述の圧力調整(流体調節)機構機能を奏する。加熱流
体としては、加熱オイルや、加熱蒸気等を用いることが
できる。
【0008】また、前述の加熱手段に加えて、さらに、
前記成形面(30)を当該熱可塑性樹脂のビカット軟化温度
(T)℃以上の温度まで加熱するべく前記空間(B) 内で
あって前記成形面(30)の裏面(31)に対向する位置に、図
2(b)に示すように、前記裏面(31)を輻射加熱する輻
射加熱手段(5) を設けてもよい。上記の輻射加熱手段5
は、例えば、型体3 の成形面30の裏面31に対向するよう
に、ハロゲンヒーター5 を設けることで構成できる。溶
融樹脂が押圧して密着される成形面30が、空間B 内に封
入される加熱流体に加えて、ハロゲンヒーター5 から輻
射される熱によっても加熱されてビカット軟化温度
(T)℃以上まで昇温されるため、成形面30を樹脂の表
面に綺麗に転写でき、シボ面や鏡面の転写が良好とな
る。なお、空間B 内に封入される流体を、ハロゲンラン
プ5 によって加熱するようにしてもよい。
【0009】請求項5のブロー成形装置では、金型の前
記成形面間に(ビカット軟化温度(T)+100)℃に
於ける縦弾性係数が0.01〜10[kg/cm2]の範囲、好
ましくは0.05〜2[kg/cm2]の範囲、更に好ましくは
0.1〜1[kg/cm2]の範囲にある熱可塑性樹脂を用いた
中空パリソンを供給し、前記中空パリソンの外表面を前
記成形面に100[kg/cm2]以下の圧力で押圧して密着さ
せるとともに該押圧力に釣り合うように前記空間内の圧
力を調整し、その際、好ましくは、前記パリソン外表面
と前記成形面の密着を更に良好にして転写性を更に向上
させる目的で前記パリソンと前記成形面の間の空気を例
えば前記成形面に設けた微細な隙間を通して真空吸引等
によって外部へ排出し、前記成形面をビカット軟化温度
(T)℃以上、好ましくは(ビカット軟化温度(T)+
10)℃以上、更に好ましくは(ビカット軟化温度
(T)+20)℃以上まで加熱し、その後、前記成形面
を(ビカット軟化温度(T)−10)℃以下、好ましく
は(ビカット軟化温度(T)−20)℃以下、更に好ま
しくは(ビカット軟化温度(T)−40)℃以下の温度
まで冷却して成形品を得る、ブロー成形を行うことがで
きる。なお、上記熱可塑性樹脂の(ビカット軟化温度
(T)+100)℃に於ける縦弾性係数として上記の如
き範囲が示されている理由は、縦弾性係数が0.01[k
g/cm2]未満の場合はパリソンのドローダウンが生じてし
まって安定な成形を行えないためであり、一方、縦弾性
係数が10[kg/cm2]を越えるとパリソンの形成に大きな
成形圧力が必要になるとともにパリソンを膨らませて成
形面に押圧するのに非常に大きなブロー圧力が必要にな
るためである。この成形に適した成形材料、即ち、(ビ
カット軟化温度+100)℃での縦弾性係数が0.01
〜10[kg/cm2]の範囲にある熱可塑性樹脂としては、例
えば、AS樹脂、ポリスチレン、ハイインパクトポリス
チレン、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム−スチレ
ンから成るグラフト共重合体(ABS樹脂)、アクリロ
ニトリル−ブタジエン系ゴム−スチレン−αメチルスチ
レンから成るグラフト共重合体(耐熱ABS樹脂)、ア
クリロニトリル−エチレン−プロピレン系ゴム−スチレ
ン及び/又はメタクリル酸メチルから成るグラフト共重
合体(AES樹脂)、アクリロニトリル−水添ジエン系
ゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸メチルから成る
グラフト共重合体、アクリロニトリル−シリコーンゴム
−スチレン及び/又はメタクリル酸メチルから成るグラ
フト共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカ
−ボネ−ト、ポリフェニレンエ−テル、ポリオキシメチ
レン、ナイロン、メタクリル酸メチル系重合体、ポリエ
−テルスルホン、ポリアリレ−ト、塩化ビニル、マレイ
ミド化合物−スチレン及び/又はアクリロニトリル及び
/又はα−メチルスチレンからなる共重合体、ゴム状重
合体−マレイミド化合物−スチレン及び/又はアクリロ
ニトリル及び/又はメタクリル酸メチル及び/又はα−
メチルスチレンからなるグラフト共重合体等、及びこれ
らの複合物と、これらに充填剤を添加した樹脂が挙げら
れる。この成形により好適に成形される成形品として
は、例えば、ハウジング、スポーツ用製品、遊具、車両
用製品、家具用製品、サニタリー製品、建材用製品、厨
房用製品であり、さらに、前記成形品が発泡層を中空部
に有する成形品、前記成形品が多層ブロー成形法により
製作される成形品、前記成形品がメッキ、スパッタ、蒸
着、塗装された成形品である。これらの成形品の具体例
としては、ハウジングとしては、例えば、クーラーボッ
クス、TV、オーディオ機器、プリンタ、FAX、複写
機、ゲーム機、洗濯機、エアコン、冷蔵庫、掃除機、ア
タッシュケース、楽器ケース、工具箱、コンテナ、カメ
ラケース等がある。スポーツ用製品としては、例えば、
スイミングボード、サーフボード、ウインドサーフィ
ン、スキー、スノーボード、スケートボード、アイスホ
ッケースティック、カーリングボール、ゲートボールラ
ケット、テニスラケット、カヌー、ボート等がある。遊
具としては、例えば、バット、ブロック、積木、釣り具
ケース、パチンコ台枠等がある。車両用製品としては、
例えば、エアースポイラー、ドアー、バンパー、フェン
ダー、ボンネット、サンルーフ、リアゲート、ホイール
キャップ、インパネ、グローブボックス、コンソールボ
ックス、アームレスト、ヘッドレスト、燃料タンク、運
転席カバー、トランク工具ボックス等がある。家具用製
品としては、例えば、引き出し、机天板、ベッド天板・
底板、鏡台枠板、げた箱板・前扉、椅子背板・底板、盆
・トレー、傘立て、花瓶、薬箱、ハンガー、化粧箱、収
納箱板、本立て、事務机天板、OA机天板、OAラック
等がある。サニタリー製品としては、例えば、シャワー
ヘッド、便座、便板、排水パン、貯水槽蓋、洗面化粧台
扉、浴室ドア等がある。建材用製品としては、例えば、
天井板、床板、壁板、窓枠、ドア、ベンチ等がある。厨
房用製品としては、例えば、まな板、キッチン扉等があ
る。発泡層を中空部に有する成形品としては、例えば、
冷蔵庫前面扉、クーラーボックス等がある。多層ブロー
成形法により製作される成形品としては、例えば、燃料
タンク等がある。成形品がメッキ、スパッタ、蒸着、塗
装された成形品としては、例えば、車両外装部品、電子
機器ハンジング等がある。なお、これらは例示であり、
これら以外の成形品も好適に成形され得る。
【0010】請求項1〜請求項3の圧力制御装置を用い
て、成形用金型の前記成形面で囲まれる密閉型内に(ビ
カット軟化温度(T)+100)℃に於ける縦弾性係数
が0.01〜10[kg/cm2]の熱可塑性樹脂を溶融状態で
射出するとともに、前記空間内の圧力を前記押圧力に釣
り合うように調整し、前記成形面をビカット軟化温度
(T)℃以上、好ましくは(ビカット軟化温度(T)+
10)℃以上、更に好ましくは(ビカット軟化温度
(T)+20)℃以上まで加熱し、その後、前記成形面
をビカット軟化温度((T)−10)℃以下、好ましく
は(ビカット軟化温度(T)−20)℃以下、更に好ま
しくは(ビカット軟化温度(T)−40)℃以下の温度
まで冷却して成形品を得る、射出成形を行うこともでき
る。上記に於いて、(ビカット軟化温度+100)℃で
の縦弾性係数が0.01〜10[kg/cm2]の範囲にある熱
可塑性樹脂としては、例えば、AS樹脂、ポリスチレ
ン、ハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリル−
ブタジエン系ゴム−スチレンから成るグラフト共重合体
(ABS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム
−スチレン−αメチルスチレンから成るグラフト共重合
体(耐熱ABS樹脂)、アクリロニトリル−エチレン−
プロピレン系ゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸メ
チルから成るグラフト共重合体(AES樹脂)、アクリ
ロニトリル−水添ジエン系ゴム−スチレン及び/又はメ
タクリル酸メチルから成るグラフト共重合体、SX、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリ
フェニレンエ−テル、ポリオキシメチレン、ナイロン、
メタクリル酸メチル系重合体、ポリエ−テルスルホン、
ポリアリレ−ト、塩化ビニル、マレイミド化合物−スチ
レン及び/又はアクリロニトリル及び/又はα−メチル
スチレンからなる共重合体、ゴム状重合体−マレイミド
化合物−スチレン及び/又はアクリロニトリル及び/又
はメタクリル酸メチル及び/又はα−メチルスチレンか
らなるグラフト共重合体等、及びこれらの複合物と、こ
れらに充填剤を添加した樹脂等が挙げられる。
【0011】
【発明の実施の形態】(1)第1の実施の形態 図1は第1の実施の形態の全体構成を示し、図2の
(a)は第1の実施の形態で用いる金型を示す。また、
図3は各実施の形態で用いる金型に共通する成形用金型
のコーナー部分の取付構造を示す。図3のように、各成
形用金型は、成形面30を有する型体3 と該型体3 を支持
する金型本体4 とを有する。なお、型体3 と金型本体4
は、何れもステンレス鋼製である。図3に示すように、
型体3 の周辺に張り出されている被支持板36が、該被支
持板36に対応するように金型本体4 に設けられている溝
46内に、遊びA を持たせて緩やかに嵌め入れられてお
り、これにより、型体3 が金型本体4 によって支持され
ている。なお、溝46は、張出部400aを有する本体板400
を本体部401 にボルト403 で取付けることで構成されて
いる。また、図3の(a)のように、成形面30の上面視
で方形に配設された4枚の各本体板400 の隅部には、隣
接する本体板400との間に、略0.1[mm]の隙間S が設
けられている。また、溝46の対向する両壁部の表面に
は、厚さ10[mm]のフェノール樹脂製の断熱層(断熱支
持部材)1が設けられており、さらに、被支持板36と溝46
との間隙には、Oリング9 が嵌められている。このた
め、溶融樹脂成形時の熱で型体3 と金型本体4 とが熱膨
張して前記被支持板36と前記溝46とに相対的なズレが生
じた場合でも、該ズレは上記遊びA により吸収されて、
悪影響(型体3 の撓み、歪、寿命が短くなること等)は
防止される。また、精密な成形品を得ることができる。
また、型体3 は、縦弾性係数が0.1×104 〜100
×104[kg/cm2] の材料という条件を満たすフェノール
樹脂の断熱層1 を介して金型本体に支持されているた
め、ガタツキ等の不具合は防止される。また、型体3 の
背面側と金型本体4 との間に形成される空間Bが前記O
リング9 によって密閉されるため、バルブ72、配管71、
ノズル70を通って加熱時に空間B に供給されて封入され
る加熱蒸気や、冷却時に同様に空間B に封入される冷却
空気が、型体3 と金型本体4 の連結部(型体3 を金型4
によって支持している部分=被支持板36と溝46の部分)
から漏れ出ることや、その場合に発生する空間B 内の圧
力の低下や、該低下によって生ずる成形面30の撓みが防
止される。なお、空間B 内に噴射された加熱蒸気/冷却
空気は、配管76、バルブ77を通って排出される。また、
上記空間B に面する金型本体4 の内面には、図3の
(b)に示すように、厚さ10[mm]のフェノール樹脂層
22と厚さ2[mm]のアスベスト層21から成る断熱層(断熱
部材)2が設けられているため、空間B 内の加熱媒体の熱
が金型本体4 を通って逃げたり、外部の熱が金型本体4
を通って空間B 内の冷却水に伝えられるという不具合が
防止される。このため、上記空間B 内に供給された加熱
蒸気の温度低下が防止されて、成形面の転写性や寸法安
定性が向上する。本第1の実施の形態では、熱可塑性樹
脂材料としてABS45A(日本合成ゴム(株)社製・
ビカット軟化温度105℃)、205℃での縦弾性係数
が0.3[kg/cm2])を用い、ブロー成形機としてIPB
−EP−55(石川島播磨重工業(株)社製)を用い
て、下記の条件で、図4のタイミングでブロー成形を行
った。即ち、条件は、 (1)押出機温度 :220℃ (2)型締め力 :15ton (3)パリソンPの吹き込み圧力:6kg/cm2 (4)成形面30の加熱 空間B に供給する加熱蒸気の圧力:6kg/cm2 成形面30の最終到達温度 :140〜150℃ 成形面30の加熱保持時間 :10sec (5)成形面30の冷却 空間B に供給する冷却水&空気の圧力:6kg/cm2 成形面30の最終冷却温度 :70℃ 成形面30の冷却保持時間 :60sec 全工程時間:150sec である。なお、上記に於いて、加熱蒸気の圧力とパリソ
ンPの吹き込み圧力とは、圧力センサ61,62 の検出値に
基づいて弁72,77 の開度をコントローラにより制御する
ことで均衡させた。このようにして成形した成形品(実
施例品)と、上記で (4)空間B内に加熱蒸気を供給する
加熱を行わないで成形した成形品(比較例品)を比較す
ると、実施例品の表面光沢度は95%でコーナー部分の
Rは0.5以下で変形もなかったのに対して、比較例品
の表面光沢度は20%以下でコーナー部分のRは0.5
以上で変形があった。即ち、実施例品の方が、成形面の
転写が良好で、従来のブロー成形では得られないコーナ
ー部分のRが小さな成形品を精度良く成形でき、寸法安
定性も優れていた。 なお、金型外寸法:460(L) ×560(W) ×720
(H)[mm] 成形品寸法:120(L) ×40(W) ×480(H)[mm] で
ある。
【0012】次に、図5〜図7に即して、図8を参照し
て、第1の実施の形態の装置の制御を説明する。押出機
100 から、パリソンP の射出が完了した旨の信号が送ら
れて来ると(S11;YES) 、型開閉機構が駆動されて型締め
が開始される(S13) 。型締めが完了すると(S14;YES) 、
パリソン吹き込み機構が駆動されてパリソンP内への空
気の吹き込みが開始され、パリソン吸着機構が駆動され
てパリソン吸着が開始され、バルブ72が開かれて加熱蒸
気の導入が開始される(S15) 。吹き込み圧力検出センサ
61により、パリソンP 内の吹き込み圧力が所定の設定値
(この場合は6[kg/cm2])に達したことが検出されると
(S16;YES) 、パリソンP内の吹き込み圧力を該設定値に
維持するための制御が開始される(S19) 。この制御は、
吹き込み圧力検出センサ61の検出値を監視して、パリソ
ンP 内の吹き込み圧力が上記設定値に維持されるよう
に、パリソンP 内への吹き込み圧力を微調整等する制御
である。つまり、パリソンP 内の吹き込み圧力が上記設
定値から或る値を越えて外れると、それに応じてパリソ
ンP 内への吹き込み機構を駆動してパリソンP 内の圧力
を増減させる制御である。なお、パリソンP 内の吹き込
み圧力が上記設定値に到達するのに十分な時間が経過し
てもパリソンP 内の吹き込み圧力が上記設定値に到達し
ない場合は(S16;NO,and,S17;YES)、吹き込み側に何らか
の異常が発生したと見做されて、その旨の警告等が行わ
れる。次に、空間B 内の圧力検出センサ62により、空間
B 内の加熱蒸気の圧力が所定の設定値(この場合は6[k
g/cm2])に達したことが検出されると(S21;YES) 、空間
B 内の加熱蒸気圧力を該設定値に維持するための制御が
開始されるとともに(S25) 、加熱継続時間(10[sec])
を管理するためのタイマーがスタートされる(S27) 。ス
テップS25 の制御は、空間B 内の圧力検出センサ62の検
出値を監視して、空間B 内の加熱蒸気圧力が上記設定値
に維持されるようにバルブ72の開度を微調整等する制御
である。つまり、空間B 内の圧力が上記設定値から或る
値を越えて外れると、それに応じてバルブ72の開閉機構
等を駆動して空間B 内の圧力を増減させる制御である。
なお、空間B 内の加熱蒸気圧力が上記設定値に到達する
のに十分な時間が経過しても空間B 内の加熱蒸気圧力が
上記設定値に到達しない場合は(S21;NO,and,S23;YES)、
加熱蒸気の供給系に何らかの異常が発生したと見做され
て、その旨の警告等が行われる。ステップS27 でスター
トされた加熱タイマーで管理される時間が経過すると(S
29;YES) 、空間B 内の加熱蒸気の圧力を上記設定値に維
持するための制御が終了され、バルブ77が開かれて空間
B 内の蒸気が排出される(S31) 。また、蒸気/冷却水・
空気切換機構が駆動されるとともにバルブ72が開かれ
て、冷却水の成形面裏面31への噴射と冷却空気の空間B
への導入が開始される(S33) 。また、空間B 内の圧力検
出センサ62により、空間B 内の冷却空気の圧力が所定の
設定値(この場合は6[kg/cm2])に達したことが検出さ
れると(S35;YES) 、空間B 内の冷却空気圧力を該設定値
に維持するための制御が開始されるとともに(S39) 、冷
却継続時間(60[sec])を管理するためのタイマーがス
タートされる(S41) 。ステップS39 の制御は、空間B 内
の圧力検出センサ62の検出値を監視して、空間B 内の冷
却空気圧力が上記設定値に維持されるようにバルブ72の
開度を微調整等する制御である。つまり、空間B 内の圧
力が上記設定値から或る値を越えて外れると、それに応
じてバルブ72の開閉機構等を駆動して空間B 内の圧力を
増減させる制御である。なお、空間B 内の冷却空気圧力
が上記設定値に到達するのに十分な時間が経過しても空
間B 内の冷却空気圧力が上記設定値に到達しない場合は
(S35;NO,and,S37;YES)、冷却空気の供給系に何らかの異
常が発生したと見做されて、その旨の警告等が行われ
る。ステップS41 でスタートされた冷却タイマーで管理
される時間が経過すると(S43;YES) 、空間B 内の冷却空
気の圧力を上記設定値に維持するための制御が終了さ
れ、バルブ77が開かれて空間B 内の冷却空気が排出され
る(S45) 。その後、空間B 内の圧力が設定値まで低下し
たことが空間B 内の圧力検出センサ62により検出される
と(S47;YES) 、パリソンP への吹き込みが終了され(S4
9) 、さらに、パリソンP の吸着が終了される(S51) 。
以上のようにして、第1の実施の形態の装置の制御が行
われる。なお、上記では、パリソン内へのブロー吹き込
みを横吹きで行う制御方式を例に挙げて説明している。
即ち、型締め完了後に(S14;YES) 、パリソン内への吹き
込みを開始する(S15) タイプの制御を例に挙げて説明し
ている。しかし、本発明はこのようなタイプの制御に限
定されない。つまり、パリソンへのブロー吹き込みを、
上吹きや下吹きで行う制御方式についても当然に適用で
きる。その場合には、例えば、押出機からの射出完了後
にパリソンの下端部をプリピンチにより封止した後、パ
リソンへの吹き込み(上吹き)を開始するようにすれば
よい。
【0013】(2)第2の実施の形態 図2の(b)は、第2の実施の形態の装置の金型を示
す。全体構成は第1の実施の形態と同様である(図1参
照)。以下、第1の実施の形態と異なる構成を説明し、
第1の実施の形態と同じ構成に関する説明は省略する。
第2の実施の形態では、空間B 内に設けたハロゲンラン
プ5 によって加熱する構成を用いた。ハロゲンランプ5
の総出力は60[kW](片側30[kW]) であり、成形面30
の最終到達温度は前記第1の実施の形態と同じである。
本第2の実施の形態の場合も、表面光沢度とコーナー部
分のRに関して、第1の実施の形態の場合と同じ効果を
得られた。また、寸法精度に関しては、第2の実施の形
態により得た実施例品が5/1000であったのに対し
て、比較例品は10/1000以上であり、実施例品の
精度が優れていた。
【0014】(3)第3の実施の形態 図1の(a)と同等の模式図として表される成形用金型
を用いて射出成形を行った。即ち、熱可塑性樹脂材料と
してABS15(日本合成ゴム(株)社製・ビカット軟
化温度100℃)、200℃での縦弾性係数が0.2[k
g/cm2])を用い、射出成形機としてIS170FA3−
5A((株)東芝製)を用いて、下記の条件で射出成形
を行った。即ち、条件は、 (1)シリンダ温度 :210℃ (2)ゲート :サイドゲート2箇所 (3)成形面30の加熱オイルの封入による加熱 空間B に封入するオイルの圧力:6kg/cm2 成形面30の最終到達温度 :140〜150℃ (4)成形面30の冷却 空間B に供給する冷却水&空気の圧力:6kg/cm2 成形面30の最終冷却温度 :50℃ である。なお、上記に於いて、封入オイルの圧力と射出
圧力とは、圧力センサ61,62 の検出値に基づいて弁72,7
7 の開度をコントローラにより制御することで均衡させ
た。このようにして成形した成形品(実施例品)と、上
記で (3)成形面30の加熱オイルの封入による加熱を行わ
ずに成形した成形品(比較例品)を比較すると、実施例
品の表面光沢度は95%でウエルドは認められず変形も
なかったのに対して、比較例品の表面光沢度は85%で
ウエルドが見られ変形があった。即ち、実施例品の方が
成形面の転写が良好で、ウエルドの防止についても優
れ、寸法安定性も良好であった。 なお、金型外寸法:400(L) ×400(W) ×350
(H)[mm] 成形品寸法:50(L) ×3.2(W) ×80(H)[mm] であ
る。
【0015】(4)他の実施の形態 図9の(a)は前記図2の(a)の構造に於いて、型体
3 の背面側と金型本体4の内面(型体3 の背面31と対向
する面)との間に複数本の棒状の補強リブ6 を設け、こ
の補強リブ6 によって型体3 の背面側を支える構造であ
る。また、図9の(b)は前記図2の(b)の構造に於
いて、型体3 の背面側と金型本体4 の内面(型体3 の背
面31と対向する面)との間に複数本の棒状の補強リブ6
を設け、この補強リブ6 によって型体3 の背面側を支え
る構造である。このように、本他の実施の形態では補強
リブ6 を設けているため、バルブ72、配管71、ノズル70
を通り空間B に圧力制御されつつ供給される加熱蒸気や
冷却水の圧力が、型体3 の成形面30側から加えられる圧
力(パリソン吹き込み圧力/射出圧力)より小さくなっ
た場合でも、型体3 を支えることができ、成形面30の撓
みによる成形品の変形を防止することができる。
【0016】
【発明の効果】本発明によると、成形面を備えた型体の
表裏の圧力が釣り合うように制御されるため、成形面を
備えた型体を比較的薄く構成でき、このため、伝熱性が
良く所望の温度に速やかに加熱できる。このため、良好
な鏡面やしぼ面を有し、寸法精度に優れた樹脂成形品
を、比較的短いサイクルタイムで、且つ、比較的簡単な
工程で生産できる。また、成形面を備えた型体が比較的
薄くて機械的強度があまり大きくないにもかかわらず、
溶融樹脂側からの圧力に均衡するように成形面裏面側の
空間の圧力を調整できるため、成形面の変形を防止でき
るとともに、型体が耐久性に優れ、寿命も長い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の装置の全体構成を示す模式
図。
【図2】実施の形態で用いる金型を示す模式図であり、
(a)は第1の実施の形態、(b)は第2の実施の形態
を示す。
【図3】実施の形態で用いる各成形用金型のコーナー部
分の取付け構造を示し、(a)は成形面30側から見た
図、(b)は(a)のイ−イ線断面図。
【図4】実施の形態のブロー成形方法の工程を示すタイ
ミングチャート。
【図5】第1の実施の形態の制御の一部を示すフロ−チ
ャ−ト。
【図6】第1の実施の形態の制御の一部を示すフロ−チ
ャ−ト。
【図7】第1の実施の形態の制御の残部を示すフロ−チ
ャ−ト。
【図8】第1の実施の形態のコントローラに入出力する
信号を示すブロック図。
【図9】他の実施の形態の金型を示す模式図であり、
(a)は第1の実施の形態に対応する例、(b)は第2
の実施の形態に対応する例を示す。
【符号の説明】
1 断熱層(断熱支持部材) 2 断熱層(断熱部材) 3 型体 30 成形面 4 金型本体 5 ハロゲンランプ 6 棒状補強リブ 61 圧力センサ(パリソンP内) 62 圧力センサ(空間B 内)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗原 文夫 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェ イエスアール株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−285322(JP,A) 特開 平7−1459(JP,A) 特開 昭63−297004(JP,A) 特開 平2−88216(JP,A) 特開 平7−108534(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 33/02 B29C 33/38 B29C 49/48 B29C 49/64

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型体の成形面の裏面側の空間に導入及び
    /又は導出される流体の圧力を調整するための圧力調整
    機構と、 前記空間に導入及び/又は導出される流体の圧力が熱可
    塑性樹脂を前記成形面に押圧する圧力に釣り合うように
    前記空間内の圧力と前記熱可塑性樹脂に加わる圧力とを
    検出して前記圧力調整機構を制御する制御手段と、 を備えた圧力制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に於いて、 さらに、型体の成形面を成形材料の熱可塑性樹脂のビカ
    ット軟化温度(T)℃以上の温度まで加熱する加熱手
    段、 を備えた圧力制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1、又は請求項2に於いて、 さらに、型体の成形面を成形材料の熱可塑性樹脂のビカ
    ット軟化温度((T)−10)℃以下の温度まで冷却す
    る冷却手段、 を備えた圧力制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかの圧力制御装置
    と、 熱可塑性樹脂を中空パリソンとして供給して吹き込み圧
    力により該中空パリソンの外表面を型体の成形面に押圧
    するブロー成形機と、 を備えたブロー成形装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3の何れかの圧力制御装置
    と、 成形面を備えた型体を該成形面の裏面側との間に空間を
    確保して金型本体により支持して成る金型と、 熱可塑性樹脂を中空パリソンとして供給して吹き込み圧
    力により該中空パリソンの外表面を型体の成形面に押圧
    するブロー成形機と、 を備えたブロー成形装置。
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