JP3186590B2 - 成形用金型、及び成形方法 - Google Patents

成形用金型、及び成形方法

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JP3186590B2
JP3186590B2 JP19544696A JP19544696A JP3186590B2 JP 3186590 B2 JP3186590 B2 JP 3186590B2 JP 19544696 A JP19544696 A JP 19544696A JP 19544696 A JP19544696 A JP 19544696A JP 3186590 B2 JP3186590 B2 JP 3186590B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C49/00Blow-moulding, i.e. blowing a preform or parison to a desired shape within a mould; Apparatus therefor
    • B29C49/42Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C49/48Moulds
    • B29C49/4823Moulds with incorporated heating or cooling means

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂のブ
ロー成形用金型と、ブロー成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂成形品を得る方法として、射出成形
法やブロ−成形法がある。射出成形法は、溶融樹脂を密
閉された金型内に高圧(200〜1000kg/cm
2 )で射出して、金型の成形面を樹脂に転写する方式で
ある。高圧であるため、成形面の転写が正確に行われ
る。このため、鏡面やしぼ面を有する成形品を得るのに
は適している。しかし、高圧に耐える金型が必要なた
め、金型の構造が複雑化してコスト高となり、多品種少
量生産等には不適である。また、中空品の成形には特別
な工夫が必要なため、生産工程が複雑化する。ブロ−成
形法は、パリソン(溶融・軟化状態の中空円筒形状の樹
脂)を金型間に供給した後に型締し、その中空部に流体
を圧送することでパリソンの外面を金型の成形面に押し
つけて転写する方式である。流体の圧力で押しつけるた
め、比較的低圧(4〜10kg/cm2 )であり、この
ため、成形面が綺麗に転写されず、鏡面やしぼ面を有す
る成形品を得るのには不適である。しかし、中空品の大
量生産には適しているため、広く行われている。特開昭
58−102734号公報には、薄肉の成形用内型と、
該成形用内型に接触/隔離できる冷却用外型を備えた中
空成形用金型が開示されている。この金型では、中空成
形品の表面光沢を改善する目的でパリソンの供給前に成
形用内型を加熱しておくとともに、パリソンが成形用内
型の成形面に接触された後は、冷却用外型の内面を成形
用内型の外面に接触させることで該成形用内型を速やか
に冷却して、成形品を得ている。特開平4−77231
号公報には、パリソンを成形型の成形面に接触させて成
形する際に、該成形型の温度を、パリソンの結晶化速度
が最大となる温度近傍から融点までの間に保持すること
により、ダイラインやウエルドラインが成形品の表面に
残留することを防止するとともに、成形中のパリソンの
中空部に冷媒を循環させることにより、成形のサイクル
タイムの長時間化を防止するようにしたブロ−成形方法
が開示されている。特公平6−73903号公報には、
容器状の金型枠に、伝熱性が良好で多数の導通孔を有す
る蓋体を固着して該蓋体から成る金型表面部域と、その
背後の中間層とを形成し、該中間層内に伝熱性の低い樹
脂又は金属を充填するか、導通孔を備えた補強リブを設
けた成形用金型が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】比較的簡易な構造の金
型を用いて鏡面やしぼ面を有する樹脂成形品を得たいと
いう要請がある。また、鏡面やしぼ面を有する中空の樹
脂成形品(例:自動車のエアスポイラ−)を、簡易な工
程で生産したいという要請もある。前記特開昭58−1
02734号公報の中空成形用金型では、成形用内型を
加熱することで成形面を綺麗に転写しているが、成形用
内型を冷却用外型に対して相対変位させて接触させるこ
とで樹脂を冷却しているため、金型の構造が複雑となっ
て脆弱化する恐れがあり、また、冷却時間も長時間化す
る。また、樹脂成形品の表面を綺麗にし、且つ、成形の
全サイクルタイムを短くするのに最適な加熱温度や冷却
温度の範囲についての言及もない。前記特開平4−77
231号公報のブロ−成形方法では、成形型の温度を前
記の温度に加熱保持することで成形面を綺麗にしている
が、冷却時にも該温度に加熱保持しているため、冷却時
間の短縮効果は、あまり大きくない。また、冷媒を循環
させることでパリソンを内側から冷却しているため、成
形型の温度を前記の温度に加熱保持するための温度制御
が複雑となる。前記特公平6−73903号公報の装置
では、成形面の加熱・冷却を、該成形面が形成されてい
る蓋体(金型表面部域)の内部又は裏面に設けた多数の
導通孔に加熱・冷却媒体を通すことで行っており、さら
に、成形面の背後の中間層内に加熱・冷却媒体を送り込
むことでも行っているが、この装置の場合、中間層内で
の伝熱は緩やかであるため、サイクルタイムを短くする
ことは困難である。本発明は、良好な鏡面やしぼ面を有
する樹脂成形品を比較的短いサイクルタイムで生産する
ことを目的とする。また、良好な鏡面やしぼ面を有する
樹脂成形品を比較的簡単な工程で生産することを目的と
する。また、金型の構成部品に加わる力を小さくするこ
とで金型の耐久性を高めたり、或いは低コストで且つ耐
久性の良い金型で成形を可能とすることを目的とする。
また、加熱/冷却の熱効率を良くすることを目的とす
る。また、金型成形面を高温度まで加熱することが可能
であり、且つ、成形面の表裏の圧力を同調させることの
できる成形用金型を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、溶融
状態の熱可塑性樹脂を成形面に押圧して密着させて固化
させるための成形面を備えた型体を、該成形面の裏面と
の間に空間を確保した状態で金型本体により支持して成
り: (A)前記成形面を前記熱可塑性樹脂のビカット軟化温
度(T)℃以上の温度まで非流体方式で加熱する加熱手
段; (B)前記成形面を前記熱可塑性樹脂の(ビカット軟化
温度(T)−10)℃以下の温度まで冷却する冷却手
段; (C)前記空間に流体を供給して該流体の圧力により前
記成形面の裏面を加圧するとともに、前記成形面側に流
体を供給して該流体の圧力により前記熱可塑性樹脂を成
形面に押圧する流体供給機構; (D)前記空間に供給される流体と前記成形面側に供給
される流体の相互作用により、前記成形面の表裏に各々
加えられる圧力の一方を他方に追随させて両者を同調さ
せる圧力調整機構; を有するブロー成形用金型である。「aの圧力がbの圧
力に追随する」とは、本明細書では、「aの圧力がbの
圧力の作用でbの圧力に近づく」ことをいうものと定義
する。この定義は、「圧力変動を示すグラフ上に於いて
aの圧力変動がbの圧力変動を追いかけるように昇圧ま
たは降圧する」場合とは、必ずしも同等の意味ではな
い。また、「成形面の表裏の圧力が同調する」とは、本
明細書では、「成形面に変形を生じたり成形面の耐久性
を損なったりしない程度に成形面の表裏の圧力が略等し
くなる」ことをいうものと定義する。記加熱手段
(A)、前記成形面側と前記成形面の裏面側の少なく
とも一方を非流体方式の加熱方式によって加熱する手段
ある。非流体方式の加熱方式としては、例えば、前記
成形面を電気的に加熱する手段がある。ここで、前記成
形面を電気的に加熱する手段としては、例えば、前記成
形面を電気抵抗値の比較的高いヒータで構成しておき該
ヒータに通電することにより加熱する手段や、高周波誘
導加熱によって前記成形面を加熱する手段、或いは、誘
電加熱によって前記成形面を加熱する手段等がある。ま
た、非流体方式の加熱方式としては、例えば、前記成形
面側、前記成形面の裏面側、又は、前記成形面側と前記
成形面の裏面側を輻射加熱によって加熱する手段があ
る。前記成形面の裏面側を加熱する手段は、例えば、前
記成形面の裏面に対向するようにハロゲンヒータを設け
ることによって実現できる。請求項の発明は、請求項
1の明に於いて、前記圧力調整機構(D)が、前記成
形面側に流体を供給するための配管路と、前記空間に流
体を供給するための配管路とを連通する機構である、ブ
ロー成形用金型である。請求項の発明は、請求項1の
明に於いて、前記圧力調整機構(D)が、前記成形面
側に流体を供給するための配管路と、前記空間に流体を
供給するための配管路を、両配管路の流体の圧力により
バランスされるピストンを変位自在に設けたシリンダを
介して結合する機構である、ブロー成形用金型である。
【0005】上記発明の何れかに於いて、さらに: (J)前記型体の周辺の被支持部と該被支持部に対応す
る前記金型本体の支持部とを遊びを持たせて緩やかに嵌
め合わせ、熱膨張によって前記被支持部と支持部とに生
ずる相対変位を前記遊びによって吸収するように、前記
被支持部と前記支持部とに設けられた嵌合部材; (K)前記嵌合部材の前記遊びの部分に設けられたシー
ル部材; (L)前記型体の被支持部と前記金型本体の支持部との
間に設けられた、熱伝導率が0.001〜1[kcal/mh
℃] で、且つ、縦弾性係数が0.1×104 〜100×
104[kg/cm2] の断熱支持部材; を有するようにブロー成形用金型を構成してもよい。請
求項の発明は、請求項1〜請求項の何れかのブロー
成形用金型の前記成形面に、(ビカット軟化温度(T)
+100)℃に於ける縦弾性係数が0.01〜10[kg/
cm2]の熱可塑性樹脂を用いたパリソンを供給し、前記空
間又は分割空間内に100[kg/cm2]以下の圧力で流体を
導入するとともに、該流体と相互に作用して同調する流
体の圧力で前記パリソンの外表面を前記成形面に押圧し
て密着させるとともに、前記成形面をビカット軟化温度
(T)℃以上まで加熱し、前記成形面を(ビカット軟化
温度(T)−10)℃以下の温度まで冷却して成形品を
得るブロー成形方法である。このように、上述の発明で
は、加熱手段(A)によって成形面が加熱されるため、
加熱時間を短縮することができる。つまり、成形面裏面
側の空間内に加熱蒸気を連続的に供給して加熱する方式
と比較すると、成形面を速やかに昇温させることができ
る。また、成形面裏面側の空間内にブロー圧力と均衡す
るように供給される上述の加熱蒸気によっては達成でき
ない高温度まで、成形面を昇温させることもできる。ま
た、上述の加熱蒸気を用いて加熱する場合と比較する
と、加熱過程から冷却過程への切替時間を短縮できるた
め、成形サイクルを短縮することも可能となり、さら
に、加熱蒸気を排出する時間を不要となるため、冷却が
速やかとなり、冷却過程が短縮される。
【0006】前記成形用金型や成形方法により成形され
る熱可塑性樹脂材料としては、(ビカット軟化温度
(T)+100)℃での縦弾性係数が、好ましくは0.
01〜10[kg/cm2]、さらに好ましくは0.05〜2[k
g/cm2]、特に好ましくは0.1〜1[kg/cm2]である熱可
塑性樹脂材料を用いることができる。このような熱可塑
性樹脂としては、例えば、スチレン−アクリロニトリル
共重合体(AS樹脂)、ポリスチレン、ハイインパクト
ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム−
スチレンから成るグラフト共重合体(ABS樹脂)、ア
クリロニトリル−ブタジエン系ゴム−スチレン−αメチ
ルスチレンから成るグラフト共重合体(耐熱ABS樹
脂)、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン系ゴム
−スチレン及び/又はメタクリル酸メチルから成るグラ
フト共重合体(AES樹脂)、アクリロニトリル−水添
ジエン系ゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸メチル
から成るグラフト共重合体、アクリロニトリル−シリコ
ーンゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸メチルから
成るグラフト共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカ−ボネ−ト、ポリフェニレンエ−テル、ポリ
オキシメチレン、ナイロン、メタクリル酸メチル系重合
体、ポリエ−テルスルホン、ポリアリレ−ト、塩化ビニ
ル、マレイミド化合物−スチレン及び/又はアクリロニ
トリル及び/又はα−メチルスチレンからなる共重合
体、ゴム状重合体−マレイミド化合物−スチレン及び/
又はアクリロニトリル及び/又はメタクリル酸メチル及
び/又はα−メチルスチレンからなるグラフト共重合体
等、及びこれらの複合物と、これらに充填剤を添加した
樹脂が挙げられる。
【0007】前記成形用金型や成形方法により成形され
る成形品としては、例えば、ハウジング、スポーツ用製
品、遊具、車両用製品、家具用製品、サニタリー製品、
建材用製品、厨房用製品であり、さらに、前記成形品が
発泡層を中空部に有する成形品、前記成形品が多層ブロ
ー成形法により製作される成形品、前記成形品がメッ
キ、スパッタ、蒸着、塗装された成形品である。これら
の成形品の具体例としては、ハウジングとしては、例え
ば、クーラーボックス、TV、オーディオ機器、プリン
タ、FAX、複写機、ゲーム機、洗濯機、エアコン、冷
蔵庫、掃除機、アタッシュケース、楽器ケース、工具
箱、コンテナ、カメラケース等がある。スポーツ用製品
としては、例えば、スイミングボード、サーフボード、
ウインドサーフィン、スキー、スノーボード、スケート
ボード、アイスホッケースティック、カーリングボー
ル、ゲートボールラケット、テニスラケット、カヌー、
ボート等がある。遊具としては、例えば、バット、ブロ
ック、積木、釣り具ケース、パチンコ台枠等がある。車
両用製品としては、例えば、エアースポイラー、ドア
ー、バンパー、フェンダー、ボンネット、サンルーフ、
リアゲート、ホイールキャップ、インパネ、グローブボ
ックス、コンソールボックス、アームレスト、ヘッドレ
スト、燃料タンク、運転席カバー、トランク工具ボック
ス等がある。家具用製品としては、例えば、引き出し、
机天板、ベッド天板・底板、鏡台枠板、げた箱板・前
扉、椅子背板・底板、盆・トレー、傘立て、花瓶、薬
箱、ハンガー、化粧箱、収納箱板、本立て、事務机天
板、OA机天板、OAラック等がある。サニタリー製品
としては、例えば、シャワーヘッド、便座、便板、排水
パン、貯水槽蓋、洗面化粧台扉、浴室ドア等がある。建
材用製品としては、例えば、天井板、床板、壁板、窓
枠、ドア、ベンチ等がある。厨房用製品としては、例え
ば、まな板、キッチン扉等がある。発泡層を中空部に有
する成形品としては、例えば、冷蔵庫前面扉、クーラー
ボックス等がある。多層ブロー成形法により製作される
成形品としては、例えば、燃料タンク等がある。成形品
がメッキ、スパッタ、蒸着、塗装された成形品として
は、例えば、車両外装部品、電子機器ハンジング等があ
る。なお、これらは例示であり、これら以外の成形品も
好適に成形され得る。
【0008】
【発明の実施の形態】
(A)加熱手段 前記加熱手段は、例えば、前記成形面側と前記成形面の
裏面側の少なくとも一方を、非流体方式で加熱する手段
を用いて構成できる。また、前記加熱手段は、上記非流
体方式で加熱する手段のみを用いる場合ばかりでなく、
上記非流体方式の加熱手段に、流体方式の加熱手段を併
用することによっても構成できる。この併用の態様とし
ては、(1)非流体方式又は非流体方式と流体方式を併
用する方式の何れかの方式によって加熱を開始し、途中
から非流体方式のみによる加熱に切り換える場合、
(2)非流体方式と流体方式を全加熱過程に渡って併用
する場合、がある。なお、流体方式の加熱手段とは、成
形面の裏面側の空間内に、加熱蒸気、加熱エア、加熱オ
イル等の加熱流体を連続的に供給して加熱する方式をい
う。換言すれば、流体供給機構(c)の流体として加熱
流体を用いる方式をいう。前記非流体方式の加熱方式
は、例えば、成形面を導体で構成し、成形面裏面側を不
導体で構成するとともに、導体で構成した成形面を電気
的に加熱する手段を設けることで実現できる。導体で構
成した成形面を電気的に加熱する手法としては、(1)
成形面を電気抵抗値の比較的高い素材で構成し、この成
形面に通電して電熱加熱する方法、(2)成形面を高周
波誘導によって加熱する方法、等がある。また、成形面
の少なくとも裏面側を誘電体で構成し、該誘電体を誘電
加熱することによって前記非流体方式の加熱方式を実現
することもできる。また、前記非流体方式の加熱方式
は、成形面の裏面又は成形面の少なくとも一方を輻射加
熱する手段を用いて実現することもできる。成形面の裏
面を輻射加熱する手段は、成形面の裏面側の空間内に、
該裏面に対向させてハロゲンヒータ等の輻射加熱手段を
設けることで実現できる。輻射加熱される成形面裏面の
吸熱性を改善して成形面を効率良く昇温させるため、成
形面裏面に吸熱性の良い表面処理部を設けてもよい。こ
の表面処理部は、(イ)成形面裏面を表面処理する、
(ロ)成形面裏面に吸熱特性の良い塗料を塗布する、
(ハ)成形面裏面の表面積を増大させて吸熱力を増大さ
せる、等の手法により構成できる。上記(イ)として
は、浸炭法、シアン化法、窒化法、金属浸透法、電機メ
ッキ、溶融浸漬メッキ、金属容射法、真空蒸着法、フェ
ージングがある。上記(ロ)としては暗色塗装、黒染
め、光選択吸収性塗料の塗布、熱線吸収塗料の塗布があ
る。上記(ハ)としては、山切り加工、溝切り加工サン
ドブラストがある。これらは、併用することも可能であ
る。このように、成形面の裏面には吸熱性を改善するた
めの処理を施すことができるため、輻射加熱方式は、一
般には、成形面の裏面側を加熱する方式の方が、成形面
側を加熱する方式よりも好適である。溶融樹脂が押圧し
て密着される成形面が、加熱手段(A)によりビカット
軟化温度(T)℃以上まで昇温されるため、成形面を樹
脂の表面に綺麗に転写することができ、シボ面や鏡面の
転写性が良好となる。また、加熱手段(A)が、成形面
の裏面側を加圧する流体と兼用されず、別個の部材とし
て構成されるため、加熱過程に於いて加熱媒体を成形面
の裏面側の空間に連続的に供給・排出する必要がなく、
該空間を閉空間として構成することができる。このた
め、加熱過程に於ける成形面の裏面側の空間の昇圧が速
やかとなる。したがって、閉空間であるパリソン内の空
間の圧力と、成形面の裏面側の空間の圧力を同調させる
ことが容易となる。このため、成形面を十分に薄く構成
することができ、加熱/冷却の所要時間を更に短縮する
ことができる。
【0009】(B)冷却手段 前記冷却手段は、成形面の裏面側の空間内に、冷却空気
や冷却水を供給する機構によって構成できる。即ち、流
体供給機構(C)の流体(成形面裏面側の空間へ供給す
る流体)として冷却空気や冷却水を用いることで、冷却
手段(B)を構成できる。冷却手段によって成形面が
(ビカット軟化温度(T)−10)℃以下まで速やかに
冷却されるため、成形品を型から速やかに取り出すこと
ができ、成形サイクルを短縮できる。前記冷却手段を上
述の如く構成した場合には、金型本体や型体に、防錆対
策を施すことが望ましい。例えば、金型本体や型体の材
質として、錆難いステンレス鋼、銅合金、セラミック
ス、アルミ合金等を用いることが望ましい。特にステン
レス鋼が好適である。また、金属表面の不導態化処理
(例えば、窒化処理)、防錆塗料の塗布、シリコーン系
ゾルゲルタイプ塗料の塗布等によって、防錆機能を実現
するようにしてもよい。
【0010】(C)流体供給機構 前記流体供給機構は、成形面の表裏、即ち、成形面裏面
側の空間と成形面表面側のパリソン内に各々加圧流体を
供給する機構である。この流体供給機構は、加圧流体の
供給源と配管とにより構成できる。成形面裏面側の空間
に加圧流体を供給する供給源とパリソン内に加圧流体を
供給する供給源とは、共通でもよく、また、別体でもよ
い。本発明では、前述のように、成形面の裏面側の空間
を閉空間として構成できるため、成形面の表裏の圧力を
同調させることが比較的容易である。なお、冷却過程で
は、成形面の裏面側の空間へ供給する流体として、前記
冷却手段(B)用の冷却媒体を用いることができる。こ
の冷却媒体としては、冷却水、冷却空気、冷却オイル等
がある。
【0011】(D)圧力調整機構 前記圧力調整機構は、前記成形面の表裏に各々加えられ
る圧力の一方を他方に追随させ得るものであればよい。
つまり、成形面の表側のパリソン内に供給される流体の
圧力を成形面の裏面側の空間に供給される流体の圧力に
追随させ得るものでもよく、逆に、成形面の裏面側の空
間に供給される流体の圧力を成形面の表側のパリソン内
に供給される流体の圧力に追随させ得るものでもよい。
また、この関係が、昇圧過程であるか降圧過程である
か、或いは、成形面の形状等に応じて、前者と後者が、
適宜成形プロセス中で入れ代わるものでもよい。本発明
では、前述のように、成形面の裏面側の空間を閉空間と
して構成できるため、成形面の表裏の圧力を同調させる
ことが比較的容易であり、成形の全過程に渡って、両空
間の圧力を略同等に保持できる。このため、圧力を追随
させる際に何れが「主」で、何れが「従」であるかは、
あまり問題ではない。また、成形の全過程に渡って成形
面の表裏の圧力を略同等に保持できるため、成形面を十
分に薄く構成でき、したがって、成形面の転写性が良好
になるとともに、加熱/冷却の所要時間を十分に短縮で
きる。このような機能を奏する圧力調整機構は、例え
ば、前記成形面の表裏に流体を供給するための各配管を
連通することで構成できる。また、このような両配管の
連通に代えて、前記成形面側に流体を供給するための配
管路と前記空間に流体を供給するための配管路とを両配
管路の流体の圧力によりバランスされるピストンを変位
自在に設けたシリンダを介して結合することで、各配管
内の圧力を相互作用で同調させることも可能である。
【0012】(J)嵌合部材 前記嵌合部材は、図4では、型体3 の周辺の凸部36を金
型本体4 の対応する部分の凹部46内に遊びを持って緩や
かに嵌め入れる機構や、逆に、型体3 の周辺の凹部(不
図示)内に金型本体4 の対応する部分の凸部(不図示)
を遊びを持って緩やかに嵌め入れる機構である。このよ
うな機構は、型体3 の周辺の全域又は一部に設けられ
る。遊びを持って緩やかに嵌め入れているため、型体3
と金型本体4 とに熱膨張による相対的な変位が生じた場
合でも、その差を吸収して歪や損壊等の不具合を防止で
きる。
【0013】(K)シール部材 前記シール部材としては、Oリング、オイルシール、合
成ゴム、金属、フェルト、皮、コルク等を用いることが
できる。このシール部材により、図4に示すように、型
体3 と金型本体4 の連結部をシールできるため、成形面
の裏面側の空間B内に噴射される加圧エア、或いは冷却
空気・冷却水が、型体3 と金型本体4 の連結部から漏れ
出すことを防止できる。なお、このシール部材は、成形
面30がビカット軟化温度(T)℃以上まで加熱されるこ
とから、この温度での耐久性を有する材料であることが
要求される。
【0014】(L)断熱支持部材 前記断熱支持部材は、熱伝導率が、0.001〜1[kca
l/mh℃] 、好ましくは0.005〜0.8[kcal/mh℃]
、更に好ましくは0.01〜0.5[kcal/mh℃] で、
且つ、縦弾性係数が、0.1×104 〜100×10
4[kg/cm2] 、好ましくは0.2×104 〜40×10
4[kg/cm2] 、更に好ましくは1×104 〜20×10
4[kg/cm2] の材料を用いて構成することができる。ま
た、前記断熱支持部材は、熱伝導率が、0.001〜1
[kcal/mh℃] 、好ましくは0.005〜0.8[kcal/mh
℃] 、更に好ましくは0.01〜0.5[kcal/mh℃] の
材料と、縦弾性係数が、0.1×104 〜100×10
4[kg/cm2] 、好ましくは0.2×104 〜40×10
4[kg/cm2] 、更に好ましくは1×104〜20×104[k
g/cm2] の材料を用いた積層構造として構成することも
できる。つまり、型体と金型本体とを断熱状態で支持で
き、且つ、型体側から金型本体側へ加わる押圧力に抗し
て、型体を金型本体によってガタつき無く確実に支持で
きればよい。なお、断熱支持部材の熱伝導率として上述
の範囲が示されている理由は、熱伝導率が0.001[k
cal/mh℃] 未満では特殊な材料が必要となって実用的で
無くなり、1[kcal/mh℃] を越えると所望の断熱効果が
得られないためである。また、断熱支持部材の縦弾性係
数として上述の範囲が示されている理由は、縦弾性係数
が0.1×104[kg/cm2] 未満では剛性が不足してシー
ルが十分で無くなり、100×104[kg/cm2] を越える
と断熱支持部の加工が困難となるためである。断熱支持
部材に要求される、熱伝導率が0.001〜1[kcal/mh
℃] で、縦弾性係数が0.1×104 〜100×10
4[kg/cm2] の材料としては、ポリアリレート、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、変性
ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、アセタール樹
脂、四フッ化エチレン系樹脂、セラミックス、PC、フ
ェノール樹脂、ユリア、メラミン、ガラス、不飽和ポリ
エステル等がある。好ましくはフェノール樹脂、ユリア
樹脂、メラミン、不飽和ポリエステルであり、更に好ま
しくはフェノール樹脂である。
【0015】金型の機構:図1 図1は本発明の金型装置の一例を示す縦断面模式図であ
る。図示の金型は、成形面30を有する型体3 と、該型体
3 を支持する金型本体4 とを有する。型体3 と金型本体
4は、何れもステンレス鋼製である。図4は、図1の金
型装置の金型本体4 に、型体3 を取り付ける取付構造の
コーナー部を示す。図4に示すように、型体3 の周辺に
張り出されている被支持板36が、該被支持板36に対応す
るように金型本体4 に設けられている溝46内に、遊びA
を持たせて緩やかに嵌め入れられており、これにより、
型体3 が金型本体4 によって支持されている。なお、溝
46は、張出部400aを有する本体板400 を本体部401 にボ
ルト403 で取付けることで構成されている。また、図4
の(a)のように、成形面30の上面視で方形に配設され
た4枚の各本体板400 の隅部には、隣接する本体板400
との間に、略0.1[mm]の隙間S が設けられている。ま
た、溝46の対向する両壁部の表面には、厚さ10[mm]の
フェノール樹脂製の断熱層(断熱支持部材)1が設けられ
ており、さらに、被支持板36と溝46との間隙には、Oリ
ング9 が嵌められている。このため、溶融樹脂成形時の
熱で型体3 と金型本体4 とが熱膨張して前記被支持板36
と前記溝46とに相対的なズレが生じた場合でも、該ズレ
は上記遊びA により吸収されて、悪影響(型体3 の撓
み、歪、寿命が短くなること等)は防止される。また、
精密な成形品を得ることができる。また、型体3 は本発
明の条件(縦弾性係数が0.1×104 〜100×10
4[kg/cm2] の材料)を満たすフェノール樹脂の断熱層1
を介して金型本体に支持されているため、ガタツキ等の
不具合は防止される。
【0016】型体3 の背面側と金型本体4 との間には、
空間B が形成されている。この空間B は、前記Oリング
9 によって外界から密閉されるため、加熱過程に於いて
加圧エアー供給源S11 から配管62・開状態のバルブ65を
通して空間B に噴射される加圧エアーや、冷却過程に於
いて冷却水供給源S12 から空間空間B に噴射される冷却
水(及び冷却エア)が、型体3 と金型本体4 の連結部
(型体3 を金型4 によって支持している部分=被支持板
36と溝46の部分)から漏れ出ることや、その場合に発生
する空間B 内の圧力の低下や、該低下によってパリソン
P 側との圧力均衡が崩れることによって生ずる成形面30
の撓みが防止される。加熱過程では、給電源51から型体
3 に通電され、これにより、型体3 が電熱加熱(高周波
誘導加熱でもよい)されて、ビカット軟化温度(T)℃
以上まで昇温される。また、加熱過程では、加圧エア供
給源S11 から、加圧エアが配管61を通してパリソンP 内
に供給される。これにより、パリソンP 内が所定の圧力
に昇圧されて、パリソンP の外表面が成形面30に押圧さ
れる。また、加圧エア供給源S11 から供給される加圧エ
アは、配管61に連通されている配管62及び開状態のバル
ブ65を通して空間B 内にも供給され、これにより、空間
B 内が上記所定の圧力に昇圧される。このようにパリソ
ンP 内の圧力と空間B 内の圧力が同調され、その結果、
成形面30の表裏の圧力が均衡するため、成形面30を十分
に薄く構成することができ、加熱/冷却を速やかに行う
ことができる。なお、加熱過程の間、排水用のバルブ67
は閉じられている。冷却過程になると、加圧エア供給源
S11 からの加圧エアの供給が止められるととにも、バル
ブ65が閉状態に切り換えられ、その後、冷却水供給源S1
2 からの冷却水(及び冷却エア)の供給が開始されると
とともに、排水用のバルブ67が開かれる。これにより、
成形面30は裏面31側から冷却されて、(ビカット軟化温
度(T)−10)℃以下まで降温される。先述のよう
に、成形面30は十分に薄く構成されているため、この降
温は速やかに行われる。
【0017】なお、金型本体4 の内面には、図4の
(b)に示すように、厚さ10[mm]のフェノール樹脂層
22と厚さ2[mm]のアスベスト層21とから成る断熱層(断
熱部材)2が設けられているため、空間B 内の熱が金型本
体4 を通って逃げたり、外界の熱が金型本体4 を通って
空間B 内に伝えられるという不具合が防止される。この
ため、上記空間B 内に供給された冷却水(及び冷却エ
ア)による成形面裏面31の冷却効果が高まる。断熱部材
2 の材料としては、他に、ポリアリレート、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、変性ポ
リフェニレンオキサイド、ポリアミド、アセタール樹
脂、四フッ化エチレン系樹脂、セラミックス、PC、ユ
リア、メラミン、ガラス、不飽和ポリエステル等、硬質
ウレタンフォーム、ロックウール、グラスウール、けい
酸カルシウム、ポリスチレンフォーム、はっ水性パーラ
イト、コルク、木材(杉)、ゴム、石英ガラス、発泡ビ
ーズ等、及び、これらの2種以上の組み合わせを用いる
ことができる。好ましくは、フェノール樹脂、ユリア、
メラミン、不飽和ポリエステル、アスベスト、硬質ウレ
タンフォーム、発泡ビーズを用いることができる。
【0018】金型の機構:図2 図2は、図1とは異なる本発明の金型装置の例を示す縦
断面模式図である。図2の金型も、図1の金型と同様
に、成形面30を有する型体3 と、該型体3 を支持する金
型本体4 とを有し、これらは、何れもステンレス鋼製で
ある。なお、図2の金型装置の金型本体4 に、型体3 を
取り付ける取付構造は、図1の金型装置の場合と同じで
あるため、説明は省略する。また、図1の金型装置と同
じ構成部材については同じ符号を付して示すこととし、
その説明は省略する。図2の金型装置が、図1の金型装
置と異なる点は、(1)加熱手段(A)として、図1の
電熱(又は高周波誘導)加熱に代えて、空間B 内に成形
面裏面31に対向するようにハロゲンヒータ5 を設け、そ
の輻射熱によって成形面裏面31を加熱するようにした
点、(2)圧力調整機構(D)として、図1の配管61と
配管62の連通に代えて、配管61と配管62との間にピスト
ン69a を備えたシリンダ69を介挿して点、である。な
お、図2に於いて、冷却水供給源は図示されていない
が、これは、空間B 用の加圧エア供給源S22 のように設
けられているものとする。
【0019】加熱過程では、ハロゲンヒータ5 がオンさ
れて、その輻射熱により成形面裏面31が加熱され、これ
により、成形面30がビカット軟化温度(T)℃以上まで
昇温される。また、加熱過程では、パリソン用の加圧エ
ア供給源S21 から、加圧エアが配管61を通してパリソン
P 内に供給される。これにより、パリソンP 内が所定の
圧力に昇圧されて、パリソンP の外表面が成形面30に押
圧される。また、空間B 用の加圧エア供給源S21 から、
上記と同じ圧力の加圧エアが配管62を通して空間B に供
給されて、空間B 内が上記所定の圧力に昇圧される。こ
の時、配管61内の圧力と配管62内の圧力に微差があった
としても、その微差は、シリンダ69内のピストン69a の
変位により吸収されるため、両配管61,62 内の圧力は同
圧に維持される。なお、この時、排水用のバルブ67は閉
じられている。このようにパリソンP 内の圧力と空間B
内の圧力が同調されて、成形面30の表裏の圧力が均衡す
るため、図1の場合と同様に、成形面30を十分に薄く構
成することができ、加熱/冷却を速やかに行うことがで
きる。冷却過程になると、パリソン用の加圧エア供給源
S21 及び空間B 用の加圧エア供給源S22 からの加圧エア
の供給が止められる。次に、不図示の冷却水供給源S12
からの冷却水(及び冷却エア)の供給が開始されるとと
ともに、排水用のバルブ67が開かれる。これにより、成
形面30は裏面31側から冷却されて、(ビカット軟化温度
(T)−10)℃以下まで降温される。先述のように、
成形面30は十分に薄く構成されているため、この降温は
速やかに行われる。
【0020】
【実施例】図1及び図2に示した成形用金型を用いて、
熱可塑性樹脂材料としてABS45A(日本合成ゴム
(株)社製/ビカット軟化温度105℃/205℃での
縦弾性係数が0.3[kg/cm2])を用い、さらに、ブロー
成形機としてIPB−EP−55(石川島播磨重工業
(株)社製)を用いて、下記の条件で、ブロー成形を行
った。即ち、条件は、 (1)押出機温度 :220℃ (2)型締め力 :15ton (3)パリソン吹き込み圧力及び空間B の供給圧力:6kg/cm2 (4)成形面30の加熱 図1の場合:電熱(又は高周波誘導)加熱 図2の場合:ハロゲンヒータの輻射加熱 成形面30の最終到達温度 :140〜150℃ 成形面30の加熱保持時間 :10sec (5)成形面30の冷却 冷却水供給源S12 からの供給圧力 :6kg/cm2 成形面30の最終冷却温度 :70℃ 成形面30の冷却保持時間 :60sec (6)全工程時間:150sec である。その結果、パリソンP 内の圧力と空間B 内の圧
力は、図3の(a)(b)に示すようにように変化し
た。即ち、両圧力は同調して変化し、パリソンP 内と空
間B 内とは、成形の全工程に渡って略同圧力に保持され
ていた。このため、成形型体3 の厚みを十分に薄くした
場合でも、パリソンP 側から加わる圧力に十分に抗する
ことができた。また、成形型体3 の厚みを薄くできるた
め、軽量化や、成形面裏面側からの加熱・冷却を速やか
に行うことができるとともに、成形サイクルを短縮で
き、成形品の鏡面仕上げを良好にできた。また、このよ
うにして成形した成形品(実施例品)と、上記で (4)成
形面30の加熱を行わずに成形した成形品(比較例品)を
比較すると、実施例品の表面光沢度は成形品表面の全面
に渡って一様に95%で、コーナー部分のRは0.5以
下であったのに対して、比較例品の表面光沢度は20%
以下で、コーナー部分のRは0.5以上であった。即
ち、実施例品の方が比較例品よりも成形面の転写が良好
で、従来のブロー成形では得られないコーナー部分のR
が小さな成形品を精度良く成形でき、寸法安定性も優れ
ていた。 なお、金型外寸法 :460(L) ×560(W) ×720
(H)[mm] 成形品寸法 :120(L) ×40(W) ×480(H)[mm] 空間Bの寸法:70(L) ×70(W) ×500(H)[mm] である。
【0021】
【発明の効果】本発明によると、パリソンP 内の圧力と
空間B 内の圧力を同調させて均衡させることができるた
め、キャビティに加わる力を少なくし、金型寿命を延ば
すことができる。また、低コストの金型を用いることが
できる。さらに、加熱/冷却の熱効率に優れる。また、
成形型を薄くすることができるため、成形品の表面全面
に渡って一様で且つ良好な鏡面やしぼ面を有し、さら
に、寸法安定性に優れた樹脂成形品を、比較的短いサイ
クルタイムで生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した金型の一例を示す模式図。
【図2】本発明を具体化した金型の図1とは異なる例を
示す模式図。
【図3】図1及び図2の金型の空間B 内及びパリソン内
の圧力を示す説明図。
【図4】図1及び図2の金型のコーナー部分の取付け構
造を示し、(a)は成形面30側から見た図、(b)は
(a)のB−B線断面図。
【符号の説明】
3 型体(ヒータ) 4 金型本体 5 ハロゲンヒータ 30 成形面 B 空間 P パリソン 61,62 配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 49/00 - 49/80 B29C 45/26 - 45/37

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融状態の熱可塑性樹脂を成形面に押圧
    して密着させて固化させるための成形面を備えた型体
    を、該成形面の裏面との間に空間を確保した状態で金型
    本体により支持して成り、下記(A)(B)(C)
    (D)の各構成要件を有するブロー成形用金型: (A)前記成形面を前記熱可塑性樹脂のビカット軟化温
    度(T)℃以上の温度まで非流体方式で加熱する加熱手
    段; (B)前記成形面を前記熱可塑性樹脂の(ビカット軟化
    温度(T)−10)℃以下の温度まで冷却する冷却手
    段; (C)前記空間に流体を供給して該流体の圧力により前
    記成形面の裏面を加圧するとともに、前記成形面側に流
    体を供給して該流体の圧力により前記熱可塑性樹脂を成
    形面に押圧する流体供給機構; (D)前記空間に供給される流体と前記成形面側に供給
    される流体の相互作用により、前記成形面の表裏に各々
    加えられる圧力の一方を他方に追随させて両者を同調さ
    せる圧力調整機構。
  2. 【請求項2】 請求項1に於いて、 前記圧力調整機構(D)は、前記成形面側に流体を供給
    する配管路と、前記空間に流体を供給する配管路とを、
    連通する機構である、 ブロー成形用金型。
  3. 【請求項3】 請求項1に於いて、 前記圧力調整機構(D)は、前記成形面側に流体を供給
    する配管路と、前記空間に流体を供給する配管路とを、
    両配管路の流体の圧力によりバランスされるピストンを
    変位自在に設けたシリンダを介して結合する機構であ
    る、 ブロー成形用金型。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項の何れかのブロー成
    形用金型の前記成形面に、(ビカット軟化温度(T)+
    100)℃に於ける縦弾性係数が0.01〜10[kg/cm
    2]の熱可塑性樹脂を用いたパリソンを供給し、 前記空間又は分割空間内に100[kg/cm2]以下の圧力で
    流体を導入するとともに、該流体と相互に作用して同調
    する流体の圧力で前記パリソンの外表面を前記成形面に
    押圧して密着させるとともに、 前記成形面をビカット軟化温度(T)℃以上まで加熱
    し、 前記成形面を(ビカット軟化温度(T)−10)℃以下
    の温度まで冷却して成形品を得るブロー成形方法。
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