JPH10193361A - 成形用金型 - Google Patents

成形用金型

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JPH10193361A
JPH10193361A JP1738997A JP1738997A JPH10193361A JP H10193361 A JPH10193361 A JP H10193361A JP 1738997 A JP1738997 A JP 1738997A JP 1738997 A JP1738997 A JP 1738997A JP H10193361 A JPH10193361 A JP H10193361A
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JP
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molding
mold
resin
space
temperature
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JP1738997A
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Fumio Kurihara
文夫 栗原
Mitsuyoshi Kumamoto
光芳 熊本
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JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鏡面や絞面等を有する外観の良好な樹脂成形
品を、高圧に耐える大型の装置を用いることなく、比較
的低圧で成形できるようにする。 【解決手段】 成形面に樹脂を押圧して成形する成形用
金型であって、前記成形面が面するキャビティ空間30に
温調ガスを導入するための導入管51、各孔の径が10μ
m〜300μmの範囲にある通気孔を多数形成されて成
り成形面として機能する表面を備えた伝熱性の良好な表
層部60、及び、前記多数の通気孔を通して前記温調ガス
を排出する排出管52を有する成形用金型。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形,真空/
圧空成形,圧縮成形,ブロー成形,スタンピング成形等
の樹脂成形に用いられる金型に関する。
【0002】
【従来の技術】上述の成形方法の一般的な方法は何れも
公知である。即ち、射出成形は、キャビティ内に溶融樹
脂を高圧で射出することにより成形面に押圧して成形す
るものである。真空/圧空成形は、軟化状態の樹脂シー
トを、気体の圧力差を利用して成形面に押圧して成形す
るものである。圧縮成形は、適温に加熱した金型内に入
れた成形材料が適度な流動性をおびたときに加圧して成
形するものである。ブロー成形は、成形面間に垂下させ
た溶融状態のパリソン内にエアを圧入することにより膨
張させて成形面に押圧して成形するものである。スタン
ピング成形は、軟化状態の樹脂シートを成形面の前面側
に固定した後、該成形面と対を成す押圧部材との間に挟
み込むことにより押圧して成形するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】種々の樹脂成形品に関
して、その外観を良好にしたいという要請がある。この
要請に応えるために、例えば、樹脂成形品の成形時や成
形後に、その表面にフィルム層を一体に形成したり、或
いは、樹脂成形品の成形後に、その表面に塗装を施した
りすることが行われる。しかし、表面にフィルム層を形
成した成形品では2種類の樹脂が用いられているため、
リサイクル時には該2種類の樹脂を分離する必要があ
り、リサイクル工程が複雑化・高コスト化するという問
題がある。同様に、塗装を施した成形品の場合も、リサ
イクル時に樹脂と塗料を分離する必要があり、リサイク
ル工程が複雑化・高コスト化するという問題がある。こ
の問題を解決するために、例えば、一般的な射出成形法
のように、成形面の転写性が良好な成形法を用いること
も考えられる。しかし、一般的な射出成形法は、成形圧
力が大きいため、比較的小型の樹脂成形品であれば、金
型や射出成形機を極端に大型化しなくともよいが、例え
ばバンパーやドア等のような大型の樹脂成形品を射出成
形で得ようとすると、その射出圧力に耐え得る強度の金
型や射出成形機としては、非常に大きな構造のものが必
要となる。本発明は、鏡面や絞面等を有する外観の良好
な樹脂成形品を、表面にフィルム層を形成したり塗装を
施したりすることなく、また、高圧に耐える大型の装置
を用いることなく成形できるようにすることを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、成形
面に樹脂を押圧して成形する成形用金型であって、
(a)前記成形面が面する閉空間に温調ガスを導入する
導入手段、(b)前記成形面に設けられた径が10μm
〜300μmの多数の通気孔を通して前記温調ガスを排
出する排出手段、を有する成形用金型である。請求項2
の発明は、請求項1に於いて、前記成形面が、型体内表
面との間に空間を介して設けられた表層部(c)の表面
であり、該表層部(c)に前記閉空間と前記空間を連通
するように前記排出手段(b)の通気孔が形成されて成
る、成形用金型である。
【0005】(a)導入手段. 射出成形用金型の場合は、キャビティ空間が前記閉空間
となる。このキャビティ空間に温調ガスを送り込むため
の機構(閉じられたときのキャビティ空間に連通し、温
調ガスの送出機構に接続される管を備えた機構)が導入
手段となる。この管は、図1(b)のように金型に設け
られていてもよいが、同図(a)のように射出成形機40
側に設けられていてもよい。真空/圧空成形用金型の場
合は、成形面との間に空間を確保した状態で成形面を覆
い得るカバー手段を設け、樹脂の成形に先立って該カバ
ーを用いることにより、前記閉空間を構成することがで
きる。この閉空間に連通する管は、成形用金型側に設け
られてもよく、また、カバー手段側に設けられてもよ
い。圧縮成形用金型や、スタンピング成形用金型の場合
も、同様のカバー手段が必要となる。ブロー成形用金型
の場合は、パリソンを膨らませるのに先立って型を閉じ
ることにより、前記閉空間を構成することができる。ま
た、前記管としては、ブローピンを用いることもでき
る。温調ガスとしては、成形面を加熱する場合であれ
ば、例えば、加熱空気や、加熱窒素ガス等を用いること
ができる。これらは、前記送出機構から前記管を通して
前記閉空間内へ送り込まれる。
【0006】(b)排出手段. 前記閉空間へ導入された温調ガスを、前記通気孔を通し
て外部へ排出するための機構であり、前記通気孔と、該
通気孔に連通する比較的少数の管を有する。即ち、或る
数の通気孔と、該或る数の通気孔を通過した温調ガスを
纏めて排出するための比較的少数の管を有する。前記通
気孔の径のサイズは、10μm〜300μmの範囲、好
ましくは10μm〜100μmの範囲、更に好ましくは
30μm〜50μmの範囲である。径が10μmより小
さいと、溶融もしくは軟化状態の樹脂の揮発ガスが通気
孔内で凝縮して通気孔が詰まる恐れが高くなる。また、
径が300μmより大きいと、溶融もしくは軟化状態の
樹脂が通気孔内へ入り込む結果、樹脂成形品の表面に好
ましくない凹凸が形成される。また、前記通気孔の密度
は、面積1cm2 当り好ましくは1個〜100個の範
囲、更に好ましくは1個〜80個の範囲、特に好ましく
は1個〜50個の範囲である。密度が1cm2当り1個
より小さいと、導入手段により送り込まれる温調ガスを
速やかに排出手段へ排出することができない。また、密
度が1cm2 当り100個より大きいと、温調ガスが過
度に速く排出されてしまう結果、表層部を所望の温度に
設定することが困難となり、本発明の効果を達成できな
い。請求項2の発明のように、前記通気孔が後述する表
層部(c)に形成され、該表層部(c)の背後に空間が
ある場合には、該空間に上述の管を連通させるように構
成することができる。この管の排出端側は外気に開放さ
れていてもよいが、温調ガスの排出速度を高めるため
に、管の排出端側に吸引機構を設けてもよい。また、こ
のように、表層部(c)の背後に空間がある場合には、
前記通気孔の密度が1cm2 当り100個より大きい
と、強度的に弱くなって、成形時に変形するため、前述
の密度範囲が必要となる。
【0007】(c)表層部. 表層部の表面は成形面(転写面)として機能する。この
表層部は、型体内表面の全面に設けられていてもよい
が、転写を良好に行いたい部分にのみ設けられていても
よい。なお、表層部が型体内表面の一部に設けられた場
合は、表層部が設けられていない部分では、型体内表面
が成形面として機能する。この表層部が前記温調ガスに
よって所望の温度に設定されることにより、良好な転写
特性を得ることができる。例えば、樹脂が表層部の表面
に押圧される以前にその樹脂のビカット軟化温度(T)
℃以上の温度に設定された場合には、樹脂と転写面であ
る表層部の表面とが良好に密着するため、樹脂の押圧力
が従来より十分に小さい場合でも、鏡面や絞面等を良好
に転写することができる。表層部の素材は、樹脂側から
の押圧力に対抗でき、且つ、高温樹脂に繰り返して曝さ
れる環境での劣化を防止できることが望まれるため、ニ
ッケル、ニッケル合金、ニッケルクロム合金、クロム合
金、アルミ合金、オーステナイト系ステンレンス鋼、等
の金属が好ましい。また、熱伝導率が、0.05〔Ca
l/cmS℃〕〜0.5〔Cal/cmS℃〕の範囲、
好ましくは0.07〔Cal/cmS℃〕〜0.4〔C
al/cmS℃〕の範囲、更に好ましくは0.08〔C
al/cmS℃〕〜0.1〔Cal/cmS℃〕の範囲
である。熱伝導率が0.5〔Cal/cmS℃〕より大
きいと、転写面を備えた表層部を所望の温度にするまで
の所要時間が長くなりすぎて、実用的でなくなる。ま
た、転写面を備えた表層部の表面を速やかに所望の温度
に設定するためには、表層部の熱容量が小さいことが望
ましい。このため、表層部の厚さとしては、10μm〜
2000μmの範囲、好ましくは50μm〜1000μ
mの範囲、更に好ましくは80μm〜500μmの範囲
がよい。
【0008】本発明の成形用金型で成形される樹脂材料
としては、例えば、AS樹脂、ポリスチレン、ハイイン
パクトポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン系
ゴム−スチレンから成るグラフト共重合体(ABS樹
脂)、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム−スチレン
−αメチルスチレンから成るグラフト共重合体(耐熱A
BS樹脂)、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン
系ゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸メチルから成
るグラフト共重合体(AES樹脂)、アクリロニトリル
−水添ジエン系ゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸
メチルから成るグラフト共重合体、アクリロニトリル−
シリコーンゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸メチ
ルから成るグラフト共重合体、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリフェニレンエ−テル、
ポリオキシメチレン、ナイロン、メタクリル酸メチル系
重合体、ポリエ−テルスルホン、ポリアリレ−ト、塩化
ビニル、マレイミド化合物−スチレン及び/又はアクリ
ロニトリル及び/又はα−メチルスチレンからなる共重
合体、ゴム状重合体−マレイミド化合物−スチレン及び
/又はアクリロニトリル及び/又はメタクリル酸メチル
及び/又はα−メチルスチレンからなるグラフト共重合
体等、及びこれらの複合物と、これらに充填剤を添加し
た樹脂が挙げられる。
【0009】本発明の成形用金型で好適に成形される成
形品としては、例えば、各種のハウジング、スポーツ用
製品、遊具、車両用製品、家具用製品、サニタリー製
品、建材用製品、厨房用製品等がある。ハウジングとし
ては、例えば、クーラーボックス、TV、オーディオ機
器、プリンタ、FAX、複写機、ゲーム機、洗濯機、エ
アコン、冷蔵庫、掃除機、アタッシュケース、楽器ケー
ス、工具箱、コンテナ、カメラケース等がある。スポー
ツ用製品としては、例えば、スイミングボード、サーフ
ボード、ウインドサーフィン、スキー、スノーボード、
スケートボード、アイスホッケースティック、カーリン
グボール、ゲートボールラケット、テニスラケット、カ
ヌー、ボート等がある。遊具としては、例えば、バッ
ト、ブロック、積木、釣り具ケース、パチンコ台枠等が
ある。車両用製品としては、例えば、エアースポイラ
ー、ドアー、バンパー、フェンダー、ボンネット、サン
ルーフ、リアゲート、ホイールキャップ、インパネ、グ
ローブボックス、コンソールボックス、アームレスト、
ヘッドレスト、燃料タンク、運転席カバー、トランク工
具ボックス等がある。家具用製品としては、例えば、引
き出し、机天板、ベッド天板・底板、鏡台枠板、げた箱
板・前扉、椅子背板・底板、盆・トレー、傘立て、花
瓶、薬箱、ハンガー、化粧箱、収納箱板、本立て、事務
机天板、OA机天板、OAラック等がある。サニタリー
製品としては、例えば、シャワーヘッド、便座、便板、
排水パン、貯水槽蓋、洗面化粧台扉、浴室ドア等があ
る。建材用製品としては、例えば、天井板、床板、壁
板、窓枠、ドア、ベンチ等がある。厨房用製品として
は、例えば、まな板、キッチン扉等がある。なお、これ
らは例示であり、これら以外の成形品も好適に成形され
得る。
【0010】
【発明の実施の形態】図1に示す射出成形用金型に即し
て本発明を説明する。なお、図1の射出成形用金型は例
示であり、本発明は、真空/圧空成形用金型、圧縮成形
用金型、ブロー成形用金型、スタンピング成形用金型に
も同様に適用可能である。図1(a)は射出成形機側に
導入手段が設けられている例、図1(b)は金型側に導
入手段が設けられている例である。図1(a)の装置
は、下型20と上型10で構成される金型と、溶融樹脂射出
用ノズル41を備えた射出成形機40とで構成され、溶融樹
脂射出用ノズル41と同一部位には、噴射方向が同一とな
るようにガスノズル51が設けられている。このガスノズ
ル51は本発明の導入手段として用いられる管であり、ガ
スアシスト成形用のガスノズルとしても使用できる。図
2に示すように、下型20の型体内表面21(及び図2では
不図示の上型10の型体内表面)上には、空間63を介して
表層板(表層部)60が設けられており、この表層板60の
表面61(金型内のキャビティ空間30に面する側の表面)
が成形面として機能する。なお、図1では、空間63の図
示は省略されている。この空間63には、下型20(及び図
2では不図示の上型10)内に設けられた排気管52が連通
されており、この排気管52の他端は外部へ連通されてい
る。なお、上述のガスアシスト成形は、溶融状態の射出
樹脂内に加圧ガスを送り込むことで樹脂の応力を緩和し
て、成形品のヒケやソリ等の不具合を防止する技術であ
る。この成形法は公知であるため、説明は省略する。表
層部60は、図2に示すように、型体内表面21の上方に設
けられた厚さ500μmのニッケル製の板であり、この
表層部(表層板)60と型体内表面21との間には、200
μm程度の間隙(空間)63が設定されている。この間隙
63は、表層板60の背面(=非成形面)又は型体内表面21
に散らばるように設けられた複数の突起部65によって確
保されている。また、表層板60には、キャビティ空間30
に面する成形面側の径(入口側の径)が100μmで、
型体内表面21に面する背面側の径(出口側の径)が80
0μmである多数の通気孔62が形成されている。この通
気孔62は、上記間隙63を介して排気孔52に連通され、さ
らに該排気孔52を介して外部空間に連通されている。な
お、排気管52の設置位置は、図示の位置に限定されな
い。つまり、ノズル51から送り込まれた加熱エアが、表
層板60の表面である成形面61をムラ無く加熱して排出さ
れる位置であればよい。
【0011】図1(a)の装置の作用を説明する。ま
ず、溶融樹脂の射出に先立って、ノズル51からキャビテ
ィ30内へ加熱エアが送り込まれる。この加熱エアは、多
数の通気孔62の各々から間隙(空間)63を通り、更に排
気管52を通って、外部空間へ排出される。これにより、
熱容量の小さな表層板60は速やかに加熱されて、対象樹
脂のビカット軟化温度(T)℃以上まで昇温される。こ
のとき、表層板60の背後の間隙(空間)63が、境膜係数
の大きな断熱層として作用するため、昇温は更に良好と
なる。この状態で、ノズル41から溶融樹脂がキャビティ
30内へ射出されるため、溶融樹脂は、その射出圧力が比
較的低圧であっても、上記温度に設定された転写面であ
る表層板60の表面61に良好に密着して、その形状(鏡面
や絞面等)を良好に転写される。また、成形面61を有す
る表層板60が上記温度に設定されているため、溶融樹脂
は冷め難くなって良好な流動性を保持するため、射出圧
力が比較的低圧であっても、キャビティ内の隅々にまで
速やかに行き渡る。したがって、樹脂内の無理な応力も
緩和されて成形品のヒケやソリも防止され、高品質の成
形品を得ることができる。また、比較的低圧の射出圧力
で足りるため、射出成形機としても比較的小型の成形機
を使用できるとともに、金型の型締力も小さくて足り、
さらに、金型の構造もそれほど強固でなくとも足りる。
したがって、装置全体を低コストで構成できるばかりで
なく、設置スペースも狭くできる。このことは、自動車
のバンパーやドア等のような大型の樹脂成形品を得よう
とする場合に、従来は非常に大型の装置構成を必要とし
ていたという事情に鑑みると、特に有利な効果である。
なお、溶融樹脂がキャビティ30内に行き渡った後は、表
層板60の熱容量が小さく、また、下型20及び上型10は断
熱されていて昇温されていないため、表層板60の熱が十
分な熱容量を有する下型20及び上型10に逃げる。このた
め、表層板60及びその表面である成形面61は速やかに冷
却され、成形サイクルが長時間化することも無い。
【0012】図1(b)の装置は、ノズル51に代えて、
金型のキャビティ空間30に直接連通する導入管(ノズ
ル)56を設けた点が、図1(a)の装置と異なる。この
ように図1(b)の装置では金型にノズル56を設けてい
るため、射出成形機40に対しては変更を加える必要は無
く、金型のみを本発明のように構成すれば足りる。つま
り、比較的低コストで本発明を実施できる効果がある。
なお、導入管56の設置位置は、図示の位置に限定されな
い。つまり、導入管56から送り込まれた加熱エアが、表
層部60をムラ無く加熱した後に排出管52を通って排出さ
れるように設定された位置であればよい。
【0013】
【実施例】図1(a)の装置を用い、且つ、熱可塑性樹
脂材料として硝子繊維の含量が30wt%のABS樹脂
を用いて、下記の条件で射出成形を行った。なお、射出
成形機としては、IS170FA(東芝機械(株)社
製)を用いた。 条件. (1)金型表面(表層板61)予熱温度:160℃. (2)予熱時間 : 20秒. (3)金型設定温度 : 80℃. (4)シリンダ設定温度:220℃. (5)成形面61(表層板60)の予熱: ノズル51から噴射する加熱エアの圧力:2kg/c
2 . 成形面61(表層板60)の最終到達温度:130〜140
℃. このようにして成形した成形品(実施例品)と、上記の
予熱を行わないで成形した成形品(比較例品)を比較す
ると、実施例品の表面光沢度は成形品表面の全面に渡っ
て一様に93%であり、ウエルドは認められなかったの
に対して、比較例品の表面光沢度は流動末端が20%以
下でウエルドラインの発生が認められた。即ち、実施例
品の方が比較例品よりも成形面の転写が良好で、成形品
を精度良く成形でき、寸法精度も優れていた。 なお、金型外形寸法:300(H)×350(W)×3
50(L). 成形品寸法 : 2(H)×200(W)×200
(W). である。上記実施例は、表層板60の通気孔62を通し、さ
らに、空間63を通して表層板60とそのキャビティ空間30
側に面する表面である成形面61を加熱した場合である
が、成形面61の最終到達温度を上記実施例と同じにした
場合、上記実施例と同様の効果を得ることができた。
【0014】
【発明の効果】本発明によると、鏡面や絞面等を良好に
転写することができる。また、比較的低圧で上記効果を
達成できる。また、大型の樹脂成形品を高品質に成形す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の射出成形用金型の例を2つ示す模
式的断面図。
【図2】図1の金型の表層部60の構成を模式的に示す拡
大断面図。
【符号の説明】
10 上型 20 下型 30 キャビティ空間 51 導入管(ノズル) 52 排出管 56 導入管(ノズル) 60 表層板(表層部) 61 成形面(表層板60のキャビティ空間30側に面する
表面) 62 通気孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形面に樹脂を押圧して成形する成形用
    金型であって、(a)前記成形面が面する閉空間に温調
    ガスを導入する導入手段、(b)前記成形面に設けられ
    た径が10μm〜300μmの多数の通気孔を通して前
    記温調ガスを排出する排出手段、 を有する成形用金型。
  2. 【請求項2】 請求項1に於いて、 前記成形面の少なくとも一部は、型体内表面との間に空
    間を介して設けられた表層部(c)の表面であり、該表
    層部(c)に前記閉空間と前記空間を連通するように前
    記排出手段(b)の通気孔が形成されて成る、 成形用金型。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014188992A (ja) * 2013-03-28 2014-10-06 Sekisui Plastics Co Ltd 発泡樹脂成形金型

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014188992A (ja) * 2013-03-28 2014-10-06 Sekisui Plastics Co Ltd 発泡樹脂成形金型

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