JP4119514B2 - 鋳型用レジンコーテッドサンド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シェルモールドに用いられる鋳型用レジンコーテッドサンドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シェルモールドは、珪砂など鋳型用の砂粒を粘結剤によって結合させて造型することによって作製される。このシェルモールドは鋳肌が滑らかで寸法精度が良いなどの優れた特性を有するために多用されている。そしてこのシェルモールド用の粘結剤としては一般に、ノボラック型あるいはレゾール型のフェノール樹脂が用いられるものでありこのフェノール樹脂粘結剤を砂粒の表面に被覆することによってレジンコーテッドサンドを作製し、このレジンコーテッドサンドを加熱された金型に振りかけたり充填したりして粘結剤を溶融・硬化させることによって、シェルモールドなどの鋳型へと造型することができる。
【0003】
そして鋳型に溶湯を鋳込んで鋳造を行なうと、溶湯の高温の作用で粘結剤が分解されることになり、粘結剤による砂粒の結合作用が消失して鋳型を崩壊させることができ、鋳物を脱型することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、鋳込み温度の高い金属を用いる場合には粘結剤を容易に分解させることができるが、アルミニウムやマグネシウムなどの鋳物の場合のように鋳込み温度の低い金属を用いて鋳造を行なう場合には、鋳込み温度が低いために粘結剤の分解が十分になされず、粘結剤による砂粒の結合作用が維持された状態で鋳型から鋳物を取り出す必要がある。
【0005】
このために、鋳型をハンマーで叩いたり、ショットブラストやバイブレーション等を繰り返して作用させたり、あるいは粘結剤の結合力を低下させるために鋳型を300〜500℃の炉の中に長時間入れたりして、鋳型を取り除く、いわゆる砂落としの作業に非常な労力や費用が必要になるという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、鋳込み温度の低い鋳造においても崩壊性良好な鋳型を得ることができる鋳型用レジンコーテッドサンドを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る鋳型用レジンコーテッドサンドは、フェノール樹脂に酸化剤及び置換ベンゼンカルボン酸を配合して調製される粘結剤で、砂粒の表面が被覆されて成ることを特徴とするものである。
また請求項2の発明は、酸化剤として、酸素酸のを用いることを特徴とするものである。
【0007】
また請求項3の発明は、酸素酸のとして、硝酸塩を用いることを特徴とするものである。
また請求項4の発明は、置換ベンゼンカルボン酸として、アミノ安息香酸を用いることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明においてフェノール樹脂としては、フェノール類とホルムアルデヒド類とを反応触媒の存在下で反応させ、反応生成物を脱水することによって得た固形フェノール樹脂を用いるのが好ましい。
【0009】
ここで、上記のフェノール類は、フェノール及びフェノールの誘導体を意味するものであり、例えばフェノールの他に、m−クレゾール、レゾルシノール、3,5−キシレノールなどの3官能性のもの、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニルメタンなどの4官能性のもの、o−クレゾール、p−クレゾール、p−ter−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、2,4又は2,6−キシレノールなどの2官能性のo−又はp−置換のフェノール類などを挙げることができ、さらに塩素又は臭素で置換されたハロゲン化フェノールなども使用することができる。勿論、これらから1種を選択して用いる他、複数種のものを混合して用いることもできる。
【0010】
また上記のホルムアルデヒド類としては、水溶液の形態であるホルマリンが最適であるが、パラホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、トリオキサン、テトラオキサンのような形態のものを用いることもでき、その他、ホルムアルデヒドの一部をフルフラールやフルフリルアルコールに置き換えて使用することも可能である。
【0011】
フェノール類とホルムアルデヒド類との配合比率は、フェノール類とホルムアルデヒド類のモル比が1:0.6〜1:3.5の範囲になるように設定するのが好ましい。
反応触媒は、ノボラック型フェノール樹脂を調製する場合は、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、あるいはシュウ酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸などの有機酸、さらに酢酸亜鉛などを用いることができる。またレゾール型フェノール樹脂を調製する場合は、アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物を用いることができ、さらにジメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ジエチレントリアミン、ジシアンジアミドなどの脂肪族の第一級、第二級、第三級アミン、N,N−ジメチルベンジルアミンなどの芳香環を有する脂肪族アミン、アニリン、1,5−ナフタレンジアミンなどの芳香族アミン、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミンなどや、その他二価金属のナフテン酸や二価金属の水酸化物等を用いることもできる。
【0012】
上記のノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂は、それぞれ単独で使用する他、必要に応じて両者を任意の割合で混合して使用することもできる。
そして本発明においては、このフェノール樹脂に酸化剤と置換ベンゼンカルボン酸とを配合して粘結剤として用いるものである。
【0013】
酸化剤は古くから、フェノール樹脂等の燃焼促進剤として知られており、その燃焼促進機構は解明されているわけではないが、酸化剤から酸素が遊離されてこの酸素でフェノール樹脂の炭化を促進する作用があるためであると考えられている。従って、フェノール樹脂に酸化剤を配合することによって、比較的低い温度でもフェノール樹脂を炭化させて鋳型の崩壊性を促進できることが予想される。
【0014】
このように、酸化剤の配合でフェノール樹脂の炭化を促進して粘結剤の分解を容易にし、鋳型の崩壊性を高めることが可能であるが、本発明は、この酸化剤と併用して置換ベンゼンスルホン酸類を配合することによって、鋳型の崩壊性をさらに高めることができるとの知見を得て、完成するに至ったものである。
ここで上記の酸化剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化アンモンなどの過酸化物、過酸化鉛、二酸化マンガン、二酸化セシウムなどの普通の原子価よりも高い原子価を持つ元素の酸化物、酸化銅、酸化鉄、あるいは重クロム酸カリ、クロム酸カリ、過マンガン酸カリ、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸セシウムなどの酸素酸の等を例示することができる。
【0015】
これらのなかでも、酸素酸のが好ましい。過酸化物は常温で液体状のものが多く、極めて不安定あるため、取り扱いに十分が注意が必要であると共に、また分解し易いため、レジンコーテッドサンドを長期間保存すると酸化剤としての効果が低下するおそれがあり、さらにレジンコーテッドサンドの融着点を下げるおそれもあるが、酸素酸のは安定であり、取り扱いも容易であるので、酸素酸のを用いるのが好ましいのである。
【0016】
また酸素酸ののなかでも、特に硝酸塩を用いるのが好ましい。酸素酸のは粘結剤の分解を容易にして炭化を促進させるが、硝酸塩は他のに比較してさらに炭化物のカーボンボンドを分解させる効果があるので、硝酸塩を用いるのが特に好ましいのである。
この酸化剤の配合量は、フェノール樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部程度の範囲に設定するのが好ましい。鋳型として要求される性能によってこの配合量は変動するが、一般に酸化剤の配合量が0.1重量部未満では、鋳型の崩壊性が不十分になる傾向があり、逆に15重量部を超えると粘結剤の強度が下がって鋳型の取り扱い性が悪くなる傾向がある。
【0017】
また上記の置換ベンゼンカルボン酸としては、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、安息香酸、o−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ブロモ安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−ブロモ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、o−メトキシ安息香酸、m−メトキシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸などを例示することができる。
【0018】
脂肪族のカルボン酸は総体的に鋳型の強度を低下させるために目的とする強度を得るには粘結剤を多く使用する必要があって、鋳型の崩壊性を高める効果が小さいが、置換ベンゼンカルボン酸は添加による強度の低下が殆どなく、粘結剤の添加量の低減を図ることができて、鋳型の崩壊性を高める効果を高く得ることができるものであり、置換ベンゼンカルボン酸のなかでも特にアミノ安息香酸を用いるのが好ましい。
【0019】
この置換ベンゼンカルボン酸の配合量は、フェノール樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部程度の範囲に設定するのが好ましい。鋳型として要求される性能によってこの配合量は変動するが、一般的に置換ベンゼンカルボン酸の配合量が0.1重量部未満では、鋳型の崩壊性が不十分になる傾向があり、逆に15重量部を超えると粘結剤の強度が下がって鋳型の取り扱い性が悪くなる傾向がある。
【0020】
上記の酸化剤と置換ベンゼンカルボン酸はフェノール樹脂を縮合反応させる合成初期の段階で添加するようにしてもよく、さらにフェノール樹脂の粘結剤を砂粒の表面に被覆する際に添加するようにしてもよい。また酸化剤や置換ベンゼンカルボン酸はフェノール樹脂に単に混合させるようにしても、フェノール樹脂に反応させて分子中に取り入れるようにしてもよい。
【0021】
上記のようにフェノール樹脂に酸化剤と置換ベンゼンカルボン酸を配合することによって粘結剤を調製することができるが、粘結剤にはさらに滑剤を配合するのが好ましい。滑剤としてはエチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、オキシステアリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛などの脂肪族系ワックスや、カルナバワックス、オレフィンワックス等を使用することができる。滑剤を配合することによって、粘結剤のタックネスを減少させることができると共に、融着点を上昇させることができるために、ブロッキングが生じることを防ぐことができるものである。
【0022】
そして、上記のように調製した粘結剤を珪砂などの鋳型用砂粒の表面に被覆することによって、本発明に係る鋳型用レジンコーテッドサンドを得ることができるものである。砂粒に粘結剤を被覆するにあたっては、ドライホットコート法、コールドコート法、セミホットコート法、粉末溶剤法などで行なうことができる。
【0023】
ドライホットコート法は、固形フェノール樹脂による固形の粘結剤を130〜180℃に加熱した砂に添加して混合し、砂による加熱によって固形粘結剤を溶融させて粘結剤で砂の表面をコートさせ、しかる後にこの混合を保持したまま冷却することによって、粒状でさらさらしたレジンコーテッドサンドを得る方法である。
【0024】
コールドコート法は、粘結剤をメタノールなどの溶剤に溶解して液状になし、これを砂粒に添加して混合し、溶剤を揮発させることによってレジンコーテッドサンドを得る方法である。セミホットコート法は、上記溶剤に溶解した液状の粘結剤を50〜90℃に加熱した砂に添加混合することによってレジンコーテッドサンドを得る方法である。
【0025】
粉末溶剤法は、固形の粘結剤を粉砕し、この粉砕粘結剤を砂粒に添加してさらにメタノールなどの溶剤を添加し、これを混合することによってレジンコーテッドサンドを得る方法である。以上のいずれの方法においても粒状でさらさらしたレジンコーテッドサンドを得ることができるが、作業性などの点においてドライホットコート法やセミホットコート法が好ましい。
【0026】
砂粒と粘結剤との混合割合は、鋳型として要求される性能によって変動があり、特に制限されるものではないが、砂粒100重量部に対して粘結剤を樹脂固形分換算で0.5〜4重量部程度が好ましい。またこの混合の際に必要に応じて硬化剤、その他、砂粒と粘結剤とを親和させるためのシランカップリング剤などの各種カップリング剤等を配合することができる。
【0027】
このようにして得られたレジンコーテッドサンドを常法に従って加熱された金型に振りかけたり充填したりして、粘結剤のフェノール樹脂を溶融・硬化させることによって、この粘結剤による砂粒の結合作用で鋳型を造型するものである。そしてこのように作製した鋳型に溶湯を鋳込むことによって鋳造を行なうことができる。ここで、粘結剤には酸化剤と置換ベンゼンカルボン酸とが配合されているために、フェノール樹脂は炭化分解され易くなっており、アルミニウム鋳造やマグネシウム鋳造など鋳込み温度が低い鋳造を行なうにあたっても、粘結剤は容易に分解して鋳型の崩壊性が良好であり、砂落としの作業を容易に行なうことができるものである。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
まず、次のようにしてフェノール樹脂を調製した。
(ノボラック型フェノール樹脂Iの調製)
反応容器にフェノールを940重量部、37%ホルマリンを649重量部、シュウ酸を4.7重量部仕込み、約60分を要して還流させ、そのまま120分間反応させた。このものを常圧で内温160℃まで脱水を行なった後、100トールで減圧脱水を行なうことによって、軟化点が95℃のノボラック型フェノール樹脂(フェノール樹脂I)を得た。
【0029】
(レゾール型フェノール樹脂IIの調製)
反応容器にフェノールを680重量部、37%ホルマリンを680重量部、ヘキサメチレンテトラミンを101重量部仕込み、約60分を要して70℃まで昇温させ、そのまま5時間反応させた。このものを100トールで90℃まで減圧脱水を行なった後、バットに払い出し、冷却することによって、軟化点が80℃のレゾール型フェノール樹脂(フェノール樹脂II)を得た。
【0030】
(ノボラック型フェノール樹脂IIIの調製)
上記のように調製したノボラック型フェノール樹脂Iにo−トルイル酸を5重量%添加混合して、軟化点90℃のノボラック型フェノール樹脂(フェノール樹脂III)を得た。(ノボラック型フェノール樹脂IVの調製)上記のように調製したノボラック型フェノール樹脂Iにm−アミノ安息香酸を5重量%添加混合して、軟化点88℃のノボラック型フェノール樹脂(フェノール樹脂IV)を得た。
【0031】
(レゾール型フェノール樹脂Vの調製)
上記フェノール樹脂IIを合成する操作で、樹脂を反応容器から払い出す直前にo−クロロ安息香酸を5重量%添加し、この後に払い出して冷却することによって、軟化点が76℃のレゾール型フェノール樹脂(フェノール樹脂V)を得た。
(レゾール型フェノール樹脂VIの調製)上記フェノール樹脂IIを合成する操作で、樹脂を反応容器から払い出す直前にo−アミノ安息香酸を5重量%添加し、この後に払い出して冷却することによって、軟化点が78℃のレゾール型フェノール樹脂(フェノール樹脂V)を得た。
【0032】
(実施例1)
145℃に加熱したフラッタリー珪砂30kgをワールミキサーに入れ、ノボラック型の「フェノール樹脂III」を600g加えて30秒間混練した後、ヘキサメチレンテトラミン90g及び硝酸カリウム30gを300gの水に溶解したものを添加し、砂粒が崩壊するまで混練した。次いで、さらにこれにステアリン酸カルシウム30gを添加し、30秒間混練した後にこれを払い出してエアーレーションを行ない、樹脂量が重量比率で2%のレジンコーテッドサンドを得た。
【0033】
(実施例2)
ノボラック型の「フェノール樹脂III」の代わりに、ノボラック型の「フェノール樹脂IV」を用いるようにした他は、実施例1と同様にして樹脂量が重量比率で2%のレジンコーテッドサンドを得た。
(実施例3)
140℃に加熱したフラッタリー珪砂30kgをワールミキサーに入れ、レゾール型の「フェノール樹脂V」を600g加えて30秒間混練した後、硝酸カリウム30gを300gの水に溶解したものを添加し、砂粒が崩壊するまで混練した。あとは実施例1と同様にして樹脂量が重量比率で2%のレジンコーテッドサンドを得た。
【0034】
(実施例4)
レゾール型の「フェノール樹脂V」の代わりに、レゾール型の「フェノール樹脂VI」を用いるようにした他は、実施例3と同様にして樹脂量が重量比率で2%のレジンコーテッドサンドを得た。
(比較例1)
実施例1と同様に加熱したフラッタリー珪砂30kgをワールミキサーに入れ、ノボラック型の「フェノール樹脂I」を600g加えて30秒間混練した後、ヘキサメチレンテトラミン90gを300gの水に溶解したものを添加し、砂粒が崩壊するまで混練した。あとは実施例1と同様にして樹脂量が重量比率で2%のレジンコーテッドサンドを得た。
【0035】
(比較例2)
ノボラック型の「フェノール樹脂I」の代わりに、ノボラック型の「フェノール樹脂III」を用いるようにした他は、比較例1と同様にして樹脂量が重量比率で2%のレジンコーテッドサンドを得た。
(比較例3)
140℃に加熱したフラッタリー珪砂30kgをワールミキサーに入れ、ノボラック型の「フェノール樹脂III」150gとレゾール型の「フェノール樹脂VI」450gを加えて30秒間混練した後、300gを添加し、砂粒が崩壊するまで混練した。あとは実施例1と同様にして樹脂量が重量比率で2%のレジンコーテッドサンドを得た。
【0036】
(比較例4)
140℃に加熱したフラッタリー珪砂30kgをワールミキサーに入れ、ノボラック型の「フェノール樹脂I」を600g加えて30秒間混練した後、ヘキサメチレンテトラミン90g及び硝酸カリウム30gを300gの水に溶解したものを添加し、砂粒が崩壊するまで混練した。あとは実施例1と同様にして樹脂量が重量比率で2%のレジンコーテッドサンドを得た。
【0037】
上記のようにして実施例1〜4及び比較例1〜4で得たレジンコーテッドサンドを用い、融着点、常温曲げ強さ、曝熱後曲げ強さを測定した。融着点はJACT試験法SM−1に、常温曲げ強さはJACT試験法C−1にそれぞれ準拠して測定を行なった。また曝熱後曲げ強さは、常温曲げ強さと同じ試験片を用いてアルミニウム箔で包み、ステンレスバットに載せて350℃、400℃、450℃に設定した送風乾燥機に入れて30分後に取り出し、常温になるまで待って抗折力試験機を用いて曝熱後の曲げ強さを測定することによって試験した。これらの結果を表1及び表2に示す。また表1及び表2に、次の式で算出される曝熱後強度保持率を示す。
【0038】
曝熱後強度保持率(%)=(曝熱後曲げ強さ/常温曲げ強さ)×100
【0039】
【表1】
Figure 0004119514
【0040】
【表2】
Figure 0004119514
【0041】
表1及び表2にみられるように、フェノール樹脂に酸化剤と置換ベンゼンカルボン酸を含有させて調製した粘結剤を被覆して調製した各実施例のレジンコーテッドサンドは、各比較例のものよりも曝熱後強度保持率が低く、鋳型の崩壊性が良好であることが確認される。
【0042】
【発明の効果】
上記のように本発明は、フェノール樹脂に酸化剤及び置換ベンゼンカルボン酸を配合して調製される粘結剤で、砂粒の表面が被覆されて成ることを特徴とするものであり、粘結剤に配合した酸化剤と置換ベンゼンカルボン酸の作用でフェノール樹脂は炭化分解され易くなっており、アルミニウム鋳造やマグネシウム鋳造など鋳込み温度が低い鋳造を行なうにあたっても、粘結剤は容易に分解して鋳型の崩壊性が良好になり、砂落としの作業を容易に行なうことができるものである。
【0043】
また請求項2の発明は、酸化剤として、酸素酸のを用いるようにしたので、酸素酸のは安定であって取り扱いが容易あり、レジンコーテッドサンドを調製するうえでの作業性が高まるものである。
また請求項3の発明は、酸素酸のとして、硝酸塩を用いるようにしたので、鋳型の崩壊性を一層良好にすることができるものである。
【0044】
また請求項4の発明は、置換ベンゼンカルボン酸として、アミノ安息香酸を用いるようにしたので、鋳型の崩壊性を一層良好にすることができるものである。

Claims (4)

  1. フェノール樹脂に酸化剤及び置換ベンゼンカルボン酸を配合して調製される粘結剤で、砂粒の表面が被覆されて成ることを特徴とする鋳型用レジンコーテッドサンド。
  2. 酸化剤として、酸素酸のを用いることを特徴とする請求項1に記載の鋳型用レジンコーテッドサンド。
  3. 酸素酸のとして、硝酸塩を用いることを特徴とする請求項2に記載の鋳型用レジンコーテッドサンド。
  4. 置換ベンゼンカルボン酸として、アミノ安息香酸を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鋳型用レジンコーテッドサンド。
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