JP4119273B2 - 紙葉の収納ケースおよび収納製品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば脂取り紙等の非常に薄い紙葉を多数枚収納することができる収納ケース、および該収納ケースを用いた収納製品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば、脂取り紙や眼鏡拭き紙のように、非常に薄い紙葉の製品形態としては、多数枚が一括的に収納されており、かつ使用時には一枚ずつ取り出すことができる形態が好ましい。
【0003】
そこで、例えば箱入りティッシュペーパーのように各紙葉を一定形状に折り畳んで端部どうしが噛み合うように順次積み重ねて積層束を形成し、該積層束を袋状のケースに収納するとともに、該ケースには、最上の紙葉の一端が露出する取出口を設けた形態の製品が市販されている。
しかしながら、脂取り紙や眼鏡拭き紙等は非常に薄いうえに表面の滑性が高いので取り扱い難く、折り畳んだり、互い違いに挟み込みながら積層したりする作業が容易でないという問題があった。
【0004】
また、従来の札入れ状のケースは、紙葉の積層束を開口部から挿入して収容させ、使用時には該開口部から取り出すので、紙葉を複雑に取り扱わずに済み、しわ等の発生は少ないが、ケースから一枚ずつ取り出そうしたときに複数枚が同時に引き出され易いという問題があった。
【0005】
これに対して、下記特許文献1では、四角形の薄い箱形で、角または辺の部分に取出口を設けるとともに、該取出口には最上の一枚のみを滑らせて引き出すための指乗せ開口部を形成し、該指乗せ開口部の両側に、二枚目以下の紙片が引き出されるのを押さえるためのストッパ部を設けた紙片ケースが提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−355381
【0007】
しかしながら、このように取出口にストッパ部を設けてしまうと、従来の札入れ状ケースのように、紙葉の積層束を取出口からケース内に収納することができない。
例えば脂取り紙や眼鏡拭き紙等のように、取り扱い性が悪くて、しわが生じ易い紙葉は、その積層束をどのようにしてケース内に収納するかが製造上の重要な技術的課題であるにもかかわらず、上記特許文献1には、紙片の積層束をケース内に収納するための構成や方法についての記載は全く無い。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、薄い紙葉の積層束を容易に収納することができ、かつ使用時には一枚ずつ取り出すことができるようにした収納ケース、および該収納ケースを用いた収納製品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の収納ケースは、多数枚の紙葉を積層してなる積層束を収納する収納ケースであって、該収納ケースは、第1のシート状部材と第2のシート状部材とを貼り合わせてなる略方形袋状の収納部を備えており、該収納部の周囲4辺のうちの1辺において、前記第1のシート状部材の縁部に凹状の切欠き部からなる取出口が設けられるとともに、該1辺の前記取出口を除く両端部には前記第1のシート状部材と第2のシート状部材とが接合されたストッパ部が設けられており、かつ前記第1のシート状部材および第2のシート状部材のいずれか一方に前記積層束を挿入可能なスリットが設けられていることを特徴とする。
【0010】
前記スリットが前記第1のシート状部材に形成されており、前記第2のシート状部材は前記取出口の外側に向かう方向に、前記第1のシート状部材よりも延在して蓋部を形成するとともに、前記蓋部を前記取出口を覆うように折り返したときに、前記蓋部の先端部が前記スリットに差し込み可能に形成されていることが好ましい。
前記第1のシート状部材および第2のシート状部材がヒートシール可能な材料からなっており、前記収納部は前記第1のシート状部材と第2のシート状部材とをヒートシールにより貼り合わせて形成されており、かつ前記ストッパ部は前記第1のシート状部材と第2のシート状部材とをヒートシールにより接合して形成されていることが好ましい。
【0011】
また本発明は、本発明の収納ケースの、前記収納部内に、多数枚の紙葉を積層してなる積層束を収納してなる収納製品を提供する。
前記積層束が、略方形のガイド体に収容された状態で前記収納部に収納されており、前記ガイド体は、前記積層束を挟む第1のガイド片と第2のガイド片を備えており、該ガイド体の周囲4辺のうちの1辺において、前記第1のガイド片の縁部に凹状の切欠き部からなる取出口が設けられるとともに、該1辺の前記取出口を除く両端部には前記第1のガイド片と第2のガイド片とが接合されたストッパ部が設けられており、該ガイド体が前記収納部内に、該ガイド体の取出口と前記収納部の取出口とが重なるように収納されていることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。図1は本発明の収納製品の一実施形態を示す斜視図である。図中符号1は収納ケースを示し、11は収納ケースの収納部、12は蓋部をそれぞれ示す。本実施形態の収納製品は、多数枚の紙葉3aを積層してなる積層束3がガイド体2に収容された状態で、収納ケース1の収納部11内に収納されて概略構成されている。
本実施形態において、積層束3を構成している紙葉3aは長方形の脂取り紙である。ガイド体2は紙葉3aよりも若干大きい略長方形に形成されており、収納部はガイド体2よりも若干大きい略長方形に形成されている。
【0013】
図2は収納ケース1の平面図である。収納ケース1は、第1のシート状部材13と第2のシート状部材14からなっている。
第1のシート状部材13および第2のシート状部材14はヒートシール可能な材料で構成されている。かかる材料の具体例としては、塩化ビニル、オレフィン系樹脂、その他の熱可塑性樹脂等が挙げられ、具体例としては、酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、EVAなどが挙げられる。
第1のシート部材13の周囲4辺のうちの1辺の中央部には取出口15となる略三角形の切欠き部が形成されている。また第1のシート部材13には前記取出口15と対向する側の辺16bの近傍に、該辺16bと平行な直線状のスリット17が形成されている。
第2のシート状部材14は、第1のシート状部材13と同幅で、長さが第1のシート状部材13よりも長い帯状に形成されている。第2のシート状部材14の長さ方向における一端部14aが収納部13の一面を構成しており、他端部14bが蓋部12を構成している。また他端部14b(蓋部12)の先端部は、先端に向かって幅が漸次縮小するテーパ状に形成されている。
【0014】
第1のシート状部材13は、第2のシート状部材14の一端部14a上に、取出口15が第2のシート部材14の蓋部12(他端部14b)に隣接するように重ね合わされている。そして第1のシート状部材13の、取出口15が設けられている辺を除く3辺16a、16b、16cの全長にわたって、第1のシート状部材13と第2のシート状部材14の縁部どうしがヒートシールにより貼り合わされている。また、第1のシート状部材13の、取出口15が設けられている辺においては、取出口15の両側の縁部が、それぞれヒートシールにより第2のシート状部材14に接合一体化されており、その接合部がストッパ部18,18となっている。
ヒートシールによって接合された3辺16a、16b、16cおよびストッパ部18、18で囲まれた略方形の袋状の部分が、積層束3を収納するための収納部11となっている。
【0015】
紙葉3aの長辺の長さをX、短辺の長さをYとし、収納部11の長辺の長さA1を(X+a)で表すと、該aは、取出口15の深さC1よりも小さく設定され、好ましくは5〜15mm程とされる。該aが小さ過ぎると積層束3を収納部11内に挿入させ難くなり、大きいほど収納部11内で積層束3が移動する幅が大きくなるので、取出口15内において露出される積層束3の面積の変動幅が大きくなるほか、積層束3を構成している紙葉3aの積層状態が乱れやすくなる。aがC1よりも大きいと、収納部11内において積層束3が取出口15から遠ざかる方向に移動した場合に、取出口15内で積層束3が露出しなくなり、紙葉3aを取り出すのが困難となるので好ましくない。
一方、収納部11の短辺の長さB1を(Y+b)で表すと、bは10〜20mm程度に好ましく設定される。該bが小さ過ぎると積層束3を収納部11内に挿入させ難くなり、大きいほど収納部11内において積層束3を構成している紙葉3aの積層状態が乱れやすくなる。
例えば、本実施形態における紙葉3aは、長辺の長さXが100mm、短辺の長さYが70mmであり、収納部11の長辺の長さA1が115mm、短辺の長さB1が80mmとなっている。
【0016】
取出口15の深さC1および幅C2は、取出口15内で露出している積層束3の最上の紙葉3aに指を乗せて、該紙葉3aを引き出す方向へスライドさせることができる程度の大きさとされる。
取出口15の幅C2は、小さすぎると紙葉3aを引き出し難く、大きくするほとストッパ部18,18の長さが短くなる。ストッパ部18の長さが短か過ぎると、最上の紙葉3aが引き出される際に、ストッパ部18がその下層の紙葉3aを押さえて引き出されないようにする効果が十分に得られなくなる。したがって、幅C2は紙葉3aの短辺の長さYの80〜90%程度とするのが好ましい。
また、取出口15の深さC1は、小さすぎると紙葉3aを引き出し難く、大きすぎると保管中に取出口15に露出している紙葉3aが外力の影響を受け易くなるので、紙葉3aにしわが生じたり、積層束3の積層状態が乱れたりするおそれがある。したがって、深さC1は25〜35mm程度とするのが好ましい。
本実施形態において、取出口15の深さC1は30mm、幅C2は60mmに形成されている。
【0017】
ヒートシールによって接合されたストッパ部18、18における接合部の幅D1、および3辺16a、16b、16cにおける接合部の幅D2は、特に限定されないが、小さすぎると接合強度が不十分となるおそれがあり、必要以上に大きくすることは収納製品のコンパクト化の点で好ましくない。したがって、接合部の幅D1およびD2は2〜4mm程度が好ましい。本実施形態ではD1およびD2のいずれも2.5mmに形成されている。
【0018】
スリット17の長さは、積層束3を収納部11内に挿入可能であればよい。本実施形態では、後述するように、積層束3がガイド体2に収容された状態で、スリット17から収納部11内に挿入されるので、スリット17の長さはガイド体2の幅(短辺の長さ)B2よりも大きくする必要がある。また、該スリット17の両端がこれに近接する2辺16a、16cの接合部に達すると、接合部の強度が損なわれるおそれがあるので、スリット17の長さは収納部11の短辺の長さB1よりも小さくすることが好ましい。スリット17の長さと、収納部11の短辺の長さB1との差は約4mm以上が好ましく、4〜10mm程度がより好ましい。本実施形態においてスリット17の長さは75mmに形成されている。
【0019】
また、ストッパ部18からスリット17までの距離Eは、スリット17からガイド体2を挿入して収納部11内に収納させることができ、かつ該スリット17からガイド体2がはみ出ないように設定される。本実施形態では、Eはガイド体2の長さ(長辺の長さ)A3よりも若干小さく形成され、好ましくは紙葉3aの長辺の長さXと同じ長さとされる。
本実施形態において上記Eは100mmに形成されている。
【0020】
蓋部12の長辺方向の長さA2は、前記ストッパ部18の接合部の幅D1とスリット部までの長さEの合計(D1+E)よりも大きく設定される。A2が(D1+E)以下であると、蓋部12の先端部をスリット17に差し込むことができない。また前記A2は、前記D1と、収納部の長さA1の合計(D1+A1)以下とされる。A1が(D1+A1)より大きいと収納部11よりも蓋部12の方が大きくなるので、蓋部12の先端部をスリット17に差し込んだときに、蓋部12にゆるみが生じてしまう。本実施形態において上記A2は110mmに形成されている。
【0021】
蓋部12の先端部の形状は、蓋部12が取出口15を覆うように、ストッパ部18の外側で折り返したときに、該蓋部12の先端部がスリット17に容易に差し込める形状であればよい。蓋部12の先端の幅B2は、大きすぎると蓋部12をスリット17に差込み難くなり、小さいほど蓋部12を閉じた状態で、蓋部12の先端がスリット17の長さ方向に移動する幅が大きくなり、収納製品の形状が安定しなくなる。
例えば図6に示すように、蓋部12の先端部をスリット17に差し込んだ状態で、スリット17の両端部における、蓋部12と接していない部分の長さF1、F2の合計(F1+F2)が2〜5mm程度となることが好ましい。
本実施形態においては、蓋部12の先端の幅B2が70mmで、かつ前記(F1+F2)が約2.5mmとなるように設計されている。
【0022】
図3はガイド体2を示す斜視図である。ガイド体2は、第1のガイド片21と第2のガイド片22からなっている。第1のガイド片21および第2のガイド片22は、薄くて、収納製品の使用中に容易に折れたり曲がったりしない程度の剛性を有する材料で構成することが好ましい。かかる材料の具体例としては、坪量40〜180g/m程度の厚紙のほか、樹脂シート等も用いることができる。
【0023】
第1のガイド片21は紙葉3aよりも若干大きく、前記収納ケース1の収納部11よりも若干小さい略長方形に形成されており、周囲4辺のうちの1辺の中央部には取出口25となる略三角形の切欠き部が形成されている。該取出口25は、図1に示すように、該ガイド体2を収納ケース1の収納部11内に収納した状態で、収納部11の取出口15と略重なる位置に形成され、収納部11の取出口15と同じ形状、同じ大きさに形成されている。
第2のガイド片22は、第1のガイド片21と同幅で、長さが第1のガイド片21よりも短い略四角形に形成されている。
【0024】
第1のガイド片21の前記取出口25が設けられている辺の両端部において、第1のガイド片21と第2のガイド片22とは一体的に接合されており、この接合部がストッパ部28、28となっている。
具体的には、本実施形態において、第1のガイド片21と第2のガイド片22とは、連続した1枚の厚紙からなっており、前記ストッパ部28、28を折り山として第1のガイド片21と第2のガイド片22とが重なるように折り返すことにより、ガイド体2が形成されている。
【0025】
第1のガイド片21の長辺の長さA3は、前記収納ケース1におけるストッパ部18からスリット17までの距離Eよりも長く、収納部11の長辺の長さA1よりも短い範囲内に設定される。好ましくはA3とEとの差(A3−E)が2〜10mm程度となるように設計するのが好ましい。該(A3−E)の値が小さすぎると、スリット17からガイド体2がはみ出し易くなる。また、(A3−E)が大きすぎると収納部11内にガイド体2を挿入するのが難しくなる。
一方、第1のガイド片21の短辺の長さB3は、紙葉3aの短辺の長さYよりも大きく、かつスリット17の長さよりも1〜10mm程度小さくするのが好ましい。
第2のガイド片22の長さA4は、第1のガイド片21の長さA3以下で、該第1のガイド片21と第2のガイド片22との間に積層束3を、該積層束3の積層状態が容易に乱れないように保持することができる程度の大きさであればよい。例えば、A4はA3の20〜90%程度に好ましく形成することができる。
本実施形態において、第1のガイド片21の長辺の長さA3は115mmに形成されており、第1のガイド片21の短辺の長さB3は70mmに形成されている。また、第2のガイド片22の長さA4は35〜50mm程度に形成されている。
【0026】
本実施形態の収納製品は、例えば次のようにして製造することができる。
まず、図4に例示するように、紙葉3aの積層束3を、ガイド体2の第1のガイド片21と第2のガイド片22との間に挟んで収容した後、該ガイド体2を収納ケース1のスリット17から収納部11内に挿入して収納する。ガイド体2をスリット17から挿入する際には、取出口25を先に挿入し、かつ第1のガイド片21の取出口25と第1のシート状部材13の取出口15とが重なり合う向きとする。
【0027】
そして、図1に示すように、収納部11内にガイド体2を収納し終えたら、図5に示すように蓋部12を折り返して取出口15を覆い、次いで図6に示すように、蓋部12の先端部をスリット17に差し込んで、収納製品の保管時の形態とする。
このような収納製品を使用する際は、図7に示すように、まず蓋部12の先端部をスリット17から抜き、蓋部12を開けて取出口15を開放する。次いで、収納部11の取出口15において露出している積層束3に指をのせて蓋部12側へスライドさせることにより、最上の紙葉3aを1枚だけ引き出す。このとき、最上の紙葉3a以外の紙葉3aは、最上の紙葉3aと同じ引き出し方向へ移動しようとするが、ストッパ部18,18,28,28で押さえられるので引き出されない。
なお、収納製品において、第1のガイド片21の取出口25と第1のシート状部材13の取出口15とが完全に重なり合う必要はなく、ガイド体2内の紙葉3aをこれら2重の取出口25,15を通って外部に引き出すことができる程度に重なっていればよい。
【0028】
本実施形態の収納ケース1は、積層束3を収納する収納部11が、2枚のシート状部材13,14の縁部どうしを貼り合わせてなる扁平な袋状であるので、薄型であり、携帯に便利である。また、収納部11には取出口15が開口しており、取出口15の両側にはストッパ部18が設けられているので、非常に薄い紙葉3aであっても、1枚ずつ、容易かつ確実に取り出すことができる。
また、第1のシート状部材13にスリット17が設けられているので、積層束3を収納部11内に容易に挿入することができる。さらに、スリット17は収納部11の端縁でなく面に設けられており、かつ直線状に形成されているので、積層束3を収納部11内に収納した後、特にスリット17を閉じる操作をしなくても、該スリット17から積層束3やガイド体2が脱落したり、はみ出したりするのが防止される。
【0029】
また、収納部11の周囲4辺のうち、取出口15が設けられている側の1辺の外側に蓋部12を設けるとともに、その1辺と平行にスリット17を設けたことにより、製造時には積層束3を収納するための挿入口として使用したスリット17を、保管時には蓋部12の先端部を差し込んで、蓋部12を固定する手段として用いることができる。
また、第1のシート状部材13および第2のシート状部材14がヒートシール可能な材料からなっているので、収納部11の縁部およびストッパ部18において第1のシート状部材13と第2のシート状部材14とをヒートシールにより接合することができ、製造が容易である。
【0030】
積層束3はガイド体2に収容された状態で収納部11内に挿入されるので、積層束3をそのまま挿入する場合よりも簡単に、かつ確実に収納部11内に収納させることができる。また、ガイド体2は、第1のガイド片21と第2のガイド片22とが、ストッパ部28でのみ一体化された形状となっているので、積層束3を挟んで収容する操作が非常に簡単である。しかもガイド体2を収納部11内に挿入する方向において、ガイド体2の前方がストッパ部28によって閉じられており、後方が大きく開閉する形状となっているので、これによりスリット17からガイド体2をスムーズにかつ確実に挿入し易く、かつ完全に挿入し終えた後は、ガイド体2がスリット17から脱落するのが効果的に防止される。
さらに、ガイド体2にも取出口25とストッパ部28が設けられているので、ガイド体2が収納部11に収納された状態で、ストッパ部18,18,28,28が二重壁構造になっている。したがって、ストッパ部18,18,28,28の強度に優れるとともに、積層束3の最上の紙葉3aが引き出される際に、それより下層の紙葉3aを押さえる効果が高い。
【0031】
なお、上記の実施形態では紙葉3aの例として脂取り紙を挙げたが、これに限らず眼鏡拭き紙、口紅おさえ紙、汗取りシート、紙おしろいなど、薄くて、1枚ずつ取り出して使用するタイプの種々の紙葉を適用することができる。
また上記第1のシート状部材13と第2のシート状部材14とは、互いに別体のシート状材料を用いてもよいが、両者が予め一体的に成形されているシート状部材を用いてもよい。
【0032】
また、第1のシート状部材13と第2のシート状部材14との、縁部どうしの接合部やストッパ部18にヒートシールを施す他に、剛性の向上等を目的として適宜の部位に加熱処理を施してもよい。例えば本実施形態では、蓋部12の周縁部や、スリット17の周辺部に対して、ヒートシールと同様の加熱処理が施されている。
【0033】
さらに、第1のシート状部材13と第2のシート状部材14とを貼り合わせる手段はヒートシールに限らず、適宜の接合手段を用いることが可能である。また用いる接合手段に応じて、第1のシート状部材13および第2のシート状部材14の材質を適宜変更することが好ましい。
【0034】
取出口15、25となる切欠部の形状は、切り欠いた部分に指をのせてスライドさせることができる凹状であればよく、適宜の形状に変更である。
またガイド体2の形状は、積層束3を扁平な形状で保持できるものであればよく、本実施形態の形状以外に、例えば周縁の2辺が接合された形状や、3辺が接合された袋状など、適宜の形状とすることが可能である。
さらに、ガイド体2を用いずに、紙葉3aの積層束3を、直接、スリット17から収納部11内へ収納する構成としてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、薄い紙葉の積層束を容易に収納することができ、かつ使用時には一枚ずつ取り出すことができる収納ケース、および該収納ケースに紙葉の積層束を収納してなる収納製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における収納製品を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態における収納ケースを示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態におけるガイド体を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態においてガイド体を収納ケースに挿入する状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態において収納ケースの蓋体を閉じた状態を示す平面図である。
【図6】本発明の実施形態において収納ケースの蓋体の先端部をスリットに差し込んだ状態を示す平面図である。
【図7】本発明の実施形態における使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…収納ケース、2…ガイド体、3…積層束、3a…紙葉、11…収納部、
12…蓋部、13…第1のシート状部材、14…第2のシート状部材、
15…取出口、17…スリット、18…ストッパ部、
21…第1のガイド片、22…第2のガイド片、
25…取出口、28…ストッパ部。

Claims (5)

  1. 多数枚の紙葉を積層してなる積層束を収納する収納ケースであって、
    該収納ケースは、第1のシート状部材と第2のシート状部材とを貼り合わせてなる略方形袋状の収納部を備えており、該収納部の周囲4辺のうちの1辺において、前記第1のシート状部材の縁部に凹状の切欠き部からなる取出口が設けられるとともに、該1辺の前記取出口を除く両端部には前記第1のシート状部材と第2のシート状部材とが接合されたストッパ部が設けられており、かつ前記第1のシート状部材および第2のシート状部材のいずれか一方に前記積層束を挿入可能なスリットが設けられていることを特徴とする収納ケース。
  2. 前記スリットが前記第1のシート状部材に形成されており、前記第2のシート状部材は前記取出口の外側に向かう方向に、前記第1のシート状部材よりも延在して蓋部を形成するとともに、前記蓋部を前記取出口を覆うように折り返したときに、前記蓋部の先端部が前記スリットに差し込み可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載の収納ケース。
  3. 前記第1のシート状部材および第2のシート状部材がヒートシール可能な材料からなっており、前記収納部は前記第1のシート状部材と第2のシート状部材とをヒートシールにより貼り合わせて形成されており、かつ前記ストッパ部は前記第1のシート状部材と第2のシート状部材とをヒートシールにより接合して形成されていることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の収納ケース。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の収納ケースの、前記収納部内に、多数枚の紙葉を積層してなる積層束を収納してなることを特徴とする収納製品。
  5. 前記積層束が、略方形のガイド体に収容された状態で前記収納部に収納されており、前記ガイド体は、前記積層束を挟む第1のガイド片と第2のガイド片を備えており、該ガイド体の周囲4辺のうちの1辺において、前記第1のガイド片の縁部に凹状の切欠き部からなる取出口が設けられるとともに、該1辺の前記取出口を除く両端部には前記第1のガイド片と第2のガイド片とが接合されたストッパ部が設けられており、該ガイド体が前記収納部内に、該ガイド体の取出口と前記収納部の取出口とが重なるように収納されていることを特徴とする請求項4記載の収納製品。
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