JP6933540B2 - 収容体、薄葉紙製品、及び収容体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、収容体、薄葉紙製品、及び収容体の製造方法に関する。
従来、ティシュペーパー等の薄葉紙を収容するための収容体が知られており、その材質としては紙が広く知られている。しかし、近年では、環境への配慮から、また低価格であること、嵩張らずに持ち運びが容易であること等の理由により、可撓性フィルム製の収容体の利用が増加している。
可撓性フィルム製の収容体は、例えば、特許文献1、2に開示されている。特許文献1、2に記載されている収容体には、上面のフィルムにミシン目が設けられており、使用時には、このミシン目に沿ってフィルムを開裂して取出し口を形成する(図11)。
特開2008−183034号公報 特開2016−188092号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示された収容体では、一旦取出し口を形成すると、収容されている薄葉紙の積層体の少なくとも一部が外部に露出し得るため、収容体が薄葉紙を保護する機能は低下する。そのため、取出し口から埃等が入りやすく、また、薄葉紙に保湿成分等の薬液を付着させている場合には薬液が揮発しやすく、薬液による効果が失われやすい。
上記の点に鑑みて、本発明の一形態は、使用開始後においても、薄葉紙を保護する機能が高い可撓性フィルム製の収容体を提供することを課題とする。
本発明の第一の形態は、薄葉紙の積層体を収容する収容体本体と、前記収容体本体の上に接続された紙引出部とを備えた可撓性フィルム製の収容体であって、前記紙引出部から、前記薄葉紙を上面視で第1方向にポップアップ式に引き出すことができ、前記紙引出部は、前記薄葉紙を引き出す際に前記薄葉紙をガイドする下ガイド及び前記下ガイドの上に積層された上ガイドと、前記上ガイドの上に積層された蓋体とを備え、前記薄葉紙は、前記積層体から、前記下ガイドの前記第1方向の前方の端部で方向転換され、前記下ガイドと前記上ガイドとの間を通り、前記上ガイドの前記第1方向の後方の端部で方向転換され、さらに前記上ガイドと前記蓋体との間を通って引き出される。
上記第一の形態によれば、紙引出部が下ガイド、上ガイド、及び蓋体を備え、薄葉紙が、下ガイドの第1方向の前方の端部で方向転換され、下ガイドと上ガイドとの間を通り、上ガイドの第1方向の後方の端部で方向転換され、さらに上ガイドと蓋体との間を通って引き出されるようになっている。この構成では、薄葉紙の積層体から取出口までの通路がつづら折り状(ジグザグ状)になっており、使用開始後も薄葉紙の積層体が外部に露出することがない。そのため、埃等が収容体本体へと侵入する可能性、及び薄葉紙の積層体が直接外気に接触する可能性は低減され、収容体が薄葉紙を保護する機能を高めることができる。また、薄葉紙を、ジグザグ状に引き出された状態で紙引出部内に保持できるので、取り出し直前の薄葉紙も外部環境から良好に保護することができる。なお、本形態による収容体に収容されている薄葉紙の積層体は、薄葉紙を取出口から収容体の外部へ引き出した時に、後続の薄葉紙の前端が取出部から飛び出して少なくとも露出する位置まで収容体本体から引き出される、いわゆるポップアップ式となっている。
本発明の第二の形態では、前記下ガイド、前記上ガイド、及び前記蓋体が、上面視で前記第1方向に直交する第2方向の両端で前記第1方向に沿って固定されることによって、把持可能な固定部が形成され、前記固定部を前記第2方向に沿って互いに反対方向に引っ張ることによって、前記上ガイドと前記蓋体との間の薄葉紙が前記第1方向の後方へ引き戻される。
上記第二の形態によれば、両固定部を第2方向に沿って互いに反対方向に引っ張ることによって、薄葉紙を取り出した際に変形した収容体を容易に元の形状に戻すことができる。その際、薄葉紙の取出しを一旦終了する場合に後続の薄葉紙が取出口から外部に飛び出していても、少なくとも、上ガイドの第1方向後方端部によって薄葉紙が第1方向後方へと引き戻される(以下、このような作用を引き戻し作用と呼ぶ場合がある)。これにより、取出口から外部に飛び出していた薄葉紙を、簡単な操作で紙引出部内へと収納することができる。
上記第三の形態では、前記下ガイドは、前記第1方向の後方で前記収容体本体に接続され、前記上ガイドは、前記第1方向の前方で前記収容体本体に接続されている。
上記第三の形態によれば、下ガイドが第1方向の後方で、上ガイドが第1方向の前方で、収容体本体にそれぞれ接続されているので、上ガイド及び下ガイドの形状を安定させることができる。また、薄葉紙の積層体が直接外気に触れる可能性を一層低減することができる。さらに、薄葉紙の引き出し後、変形した収容体の形状を、固定部を第2方向に沿って引っ張ることによって収容体の形状を元に戻す際にも、上ガイド及び下ガイドが収容体本体の動きに追随するため、元の状態に戻りやすくなる。そのため、上ガイド及び下ガイドによる引き戻し作用を向上させることができる。
本発明の第四の形態では、前記下ガイドは第1折返し部を有し、前記第1折返し部は、前記下ガイドの前記第1方向の前方の前記端部を形成し、前記蓋体は、第2折返し部を介して前記下ガイドに接続されている。
上記第四の形態によれば、下ガイドが第1折り返し部で折り返されているので、下ガイドは2層となるため、下ガイドによって薄葉紙を引き戻す作用を高めることができる。さらに、下ガイド及び蓋体が一体的に形成されており、両者を接続する接続部が第2折返し部となっているため、紙引出部の製造は容易である。また、下ガイド及び蓋体が一体的に形成されていることで、収容体を第2方向に沿って反対方向に引っ張った際に、蓋体と上ガイドとの間隔をより確実に狭めることができるので、紙引出部内の薄葉紙が外気に接触する可能性をさらに低減することができる。
本発明の第五の形態では、前記収容体本体及び前記紙引出部は、1枚のフィルムから形成されている。
上記第五の形態によれば、収容体本体及び紙引出部が1枚のフィルムから形成されているため、収容体本体と紙引出部との接着工程等が不要であり、収容体を容易に製造することができる。
本発明の第六の形態では、前記上ガイドの前記第1方向の長さは、前記薄葉紙の積層体の前記第1方向の長さの80〜120%である。
上記第六の形態によれば、上ガイドの第1方向の長さは、薄葉紙の積層体の第1方向の長さの80〜120%であるため、収容体の密封性を向上させ、上ガイドによる引き戻し作用をさらに高めることができるとともに、薄葉紙の引き出しやすさを確保することができる。
本発明の第七の形態では、前記下ガイドの前記第1方向の長さは、前記薄葉紙の積層体の前記第1方向の長さの40〜110%である。
上記第七の形態によれば、下ガイドの第1方向の長さは、薄葉紙の積層体の第1方向の長さの40〜110%であるため、収容体の密封性を向上させるとともに、下ガイドによる引き戻し作用をさらに高めることができるとともに、薄葉紙の引き出しやすさを確保することができる。
本発明の第八の形態は、上記第一から第七の形態のいずれかの収容体と、薄葉紙の積層体とを含む、薄葉紙製品である。
上記第八の形態によれば、上記第一から第七の形態のいずれかと同様の作用効果を有する収容体を有する薄葉紙製品を提供することができる。
本発明の第九の形態では、上記第四の形態による収容体と薄葉紙の積層体とを含む薄葉紙製品の製造方法であって、前記収容体本体となる中央領域と、前記中央領域の一方側に隣接する第1領域と、前記中央領域の他方側に隣接する第2領域とを有する可撓性フィルムを準備する準備工程と、前記薄葉紙の積層体を、前記可撓性フィルムの前記中央領域の中央に載置する載置工程と、前記第1領域と前記第2領域とが重なるように前記薄葉紙の積層体の上に被せて前記可撓性フィルムが筒状体となるように、前記薄葉紙の積層体を包む包装工程と、前記筒状体の両端を一体的にシール封鎖する封鎖工程とを有しており、前記包装工程は、前記第1領域を上方にジグザグ状に折ることによって前記第1折返し部及び前記第2折返し部を形成して、前記下ガイド及び前記蓋体を形成し、前記第2領域を前記下ガイドと前記蓋体との間に挿入して、前記上ガイドを形成することを含む。
上記第九の形態によれば、上記第四の形態と同様の作用効果を有する収容体と薄葉紙の積層体とを含む薄葉紙製品を製造する方法を提供することができる。
本発明の一形態によれば、使用開始後においても、収容体の薄葉紙に対する保護機能が高い可撓性フィルム製の収容体を提供することができる。
本発明の一形態による収容体の斜視図である。 図1のI−I線断面の模式図である。 図1のII−II線断面の模式図であって、紙引出部の積層構造を説明するための図である。 本発明の一形態による収容体の機能を説明するための図である。 本発明の一形態による収容体の機能を説明するための図である。 本発明の一形態による収容体の機能を説明するための図である。 図4AのI−I線断面の模式図であって、本発明の一形態による収容体の機能を説明するための図である。 図4BのI−I線断面の模式図であって、本発明の一形態による収容体の機能を説明するための図である。 図4CのI−I線断面の模式図であって、本発明の一形態による収容体の機能を説明するための図である。 本発明の一形態による収容体の断面の模式図である。 本発明の一形態による収容体の断面の模式図である。 本発明の一形態による収容体の斜視図である。 図8のII−II線断面の模式図であって、紙引出部の積層構造を説明するための図である。 本発明の一形態による収容体の製造方法における一工程を説明するための図である。 従来技術による収容体の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、特に説明がない限り、同一の又は対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図1に、本発明の一形態による収容体1の斜視図を示す。また、図2に、図1の収容体1をI−I線で切った模試的な断面図を示す。収容体1は、可撓性フィルム製であり、図2に示すように、薄葉紙の積層体を収容できる空間を有する収容体本体10と、この収容体本体10の上部に接続された紙引出部20とを備えている。図示の形態では、収容体本体10と紙引出部20とは一体的に形成されている。紙引出部20は、薄葉紙の取出口40を有しており、薄葉紙はこの取出口40から、上面視で第1方向D1に沿って(第1方向D1の前方へ)引き出すことができる。
収容体1を構成する可撓性フィルムとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド(PA)等の、薄葉紙の収容体として一般的に用いられる汎用樹脂フィルムを用いることができる。可撓性フィルムの材質としては、柔軟で取扱い性に優れること、ヒートシールした場合のシール性が高いこと、安価であること等から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等が好ましく、無臭であり、耐水性・耐薬品性にも優れ、低コストで大量生産が可能であることからポリエチレンがより好ましい。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等を用いることができ、柔軟性に優れることから低密度ポリエチレンが好ましい。また、可撓性フィルムは、複数のフィルムを積層したラミネートフィルムであってもよいし、上記のうち2以上の樹脂の混合物からなるフィルムであってもよい。
可撓性フィルムの厚さは、20〜70μmであると好ましく、30〜60μmであるとより好ましい。可撓性フィルムの厚さを20μm以上とすることで、収容体としての十分な強度を確保することができる。また、可撓性フィルムの厚さを70μm以下とすることで、薄葉紙の取出し時及び後述の薄葉紙の収納時の収容体の変形を容易にする十分な柔軟性が確保されるとともに、コストを抑えることができる。
収容体1は、図示の形態では、全体としてほぼ直方体の立体形状を有しており、薄葉紙の引出し方向に沿った第1方向D1の長さより、第1方向D1に上面視で直交する第2方向D2の長さの方が長くなっている。しかし、収容体1は、収容される薄葉紙の積層体の形状に応じて別の立体形状を有していてよい。例えば、収容体は、立方体等の他の形状を有していてよく、第1方向D1の長さは第2方向D2の長さと等しくてもよいし、第2方向D2の長さより長くなっていてよい。
紙引出部20は、図2に示すように、下ガイド21、上ガイド22、及び蓋体23を備えている。上ガイド22は、下ガイド21の上に積層されている。すなわち、両者は少なくとも一部が重なるように配置されている。下ガイド21及び上ガイド22は、薄葉紙が引き出される際に薄葉紙をガイドする機能を有している。また、蓋体23は、上ガイド22の上に積層されている。すなわち、両者は、少なくとも一部が重なるように配置されている。蓋体23は、収容体1の上面を覆う機能を有している。
下ガイド21は、第1方向D1の前方に端部21eを有している。下ガイド21の端部21eは、収容体1の他の構成要素とは接続しておらず、下ガイド21の端部21eと収容体本体10との間には下間隙31が形成されている。また、上ガイド22は、第1方向D1の後方に端部22eを有している。上ガイド22の端部22eも収容体1の他の構成要素と接続しておらず、上ガイド22の端部22eと、下ガイド21と蓋体23との接続部25との間に上間隙32が形成されている。下ガイド21の端部21eの位置と、上ガイド22の端部22eの位置とは、図1、図2に示すように、上面視で第1方向D1で見て離間している。
下間隙31及び上間隙32は、薄葉紙が引き出される際の通路となっており、薄葉紙が引き出される際には、図2の矢印で示すように、薄葉紙の進む方向は、下間隙31及び上間隙32において転換される。よって、積層体3から引き出された薄葉紙は、下ガイド21の端部21eにおいて第1方向D1の後方へと方向転換され、下ガイド21と上ガイド22との間を通り、上ガイド22の端部22eにおいて第2方向D1の前方へと方向転換され、さらに上ガイド22と蓋体23との間を通って取出口40に達する。
このように、紙引出部20が、下ガイド21、上ガイド22、及び蓋体23が積層された構造を有していることにより、薄葉紙の積層体3は取出口40から外部へ露出しない。そのため、収容体1の使用を開始した後であっても、埃やゴミ等が収容体本体1の中へと入り込みにくい。また、薄葉紙の積層体3と収容体1とを含む薄葉紙製品を、カバンの中に入れる等して持ち歩いた場合には、薄葉紙の積層体3が、カバンの内面やカバンの中の他の物品と接触することで薄葉紙が擦れたり汚れたりすることがあるが、本形態によれば、そのような薄葉紙の品質低下を防止することができる。
さらに、本形態によれば、薄葉紙の積層体3が外気と直接接触する可能性を低くすることができるので、薄葉紙2が、特定の成分を含む薬液が付着された薄葉紙である場合には、薬液の揮発を抑えることができ、その作用を維持することができる。例えば、保湿成分を含有する薬液を付着させた薄葉紙を用いた場合、すなわち、薄葉紙が保湿ティシュである場合には、本形態によって、ティシュの乾燥を防いで保湿性を維持することができる。また、芳香成分を含有する薬液を付着させた薄葉紙を用いた場合には、芳香成分が早期に揮散して芳香が失われることを防止することができる。
また、上記の紙引出部20の構成によれば、薄葉紙の積層体から引き出された取出し前の薄葉紙は、ジグザグ状に引き出され、下ガイド21と上ガイド22との間、及び上ガイド22と蓋体23との間に挟まれた状態で紙引出部20に保持することができる(図2)。そのため、取出し前の薄葉紙を外気に直接接触する可能性を低減することができる。また、このようにジグザグ状に引き出される構成になっていても、収容体1は可撓性のある樹脂フィルムで形成されているので、薄葉紙をスムーズに取り出すことができる。
図3に、図1のII−II線で切った模式的な断面図を示す。図示の形態では、下ガイド21は折り返されて2層になっており、下ガイド21、上ガイド22、及び蓋体23がこの順に下から積層された構成を有している。このような積層された紙引出部20の4層は、第2方向D2の両端において共に固定されており、これにより、固定部50、50が形成されている。固定部50、50は、図1に示すように、第1方向D1に沿って固定された部分である。また、固定部50、50は、第2方向D2で互いに反対方向に突出しており、把持可能となっている。固定部50、50は、例えば、紙引出部20の上記の4層と収容体本体10のフィルムとを共に熱融着させ、ヒートシールすることによって形成することができる。また、固定部50、50は、接着剤による接着、或いは縫製によっても形成することができる。
次に、収容体1の機能について、図4A〜図4C、及び図5A〜図5Cを参照してより具体的に説明する。図4A〜図4Cは、収容体1と薄葉紙の積層体とを含む薄葉紙製品100の斜視図であり、図5A〜図5Cは、収容体1のI−I線で切った断面図であって、図4A〜図4Cの各図にそれぞれ対応した図である。図4A及び図5Aは、紙引出部20の上ガイド22と蓋体23との間に位置している薄葉紙2aの端部を取出口40の外へと少し引き出した後の状態を示し、図4B及び図5Bは、薄葉紙2aを引出し終わって、後続の薄葉紙2bが取出口40から飛び出ている状態を示し、図4C及び図5Cは、図4B及び図5Bに示す状態の変形した収容体1の固定部50、50を互いに反対方向に引っ張ることによって、飛び出ていた薄葉紙2bが収納された後の状態を示す。
図5A〜図5Cに示すように、収容体本体10の内部空間には、薄葉紙の積層体3が収容されている。薄葉紙の積層体3は、薄葉紙がポップアップ式に引き出されるように構成されている。例えば、薄葉紙は、折りの向きが互い違いになるように各々二つ折りされ、その折り返された面の縁部が上下に隣接する薄葉紙の折り返された内面にそれぞれ入り込んだ状態、すなわち、互い違いに入れ込まれた状態で積層されている。そして、一枚又は複数枚重ねた1組の薄葉紙を取り出すと、後続の薄葉紙が部分的に外部へ飛び出した状態となる。なお、ポップアップ式に引き出し可能であれば、薄葉紙は三つ折り又は四つ折りされていてもよい。
薄葉紙は、ポップアップ式に引き出すことができるように折られて積層されているので、薄葉紙の積層体3から引き出された薄葉紙は、後続の薄葉紙との重なりを維持しながら、下間隙31、下ガイド21と上ガイド22との間の空間、上間隙32、及び上ガイド22と蓋体23との間の空間を順に通って取出口40に到達する。よって、最前端の薄葉紙2aを引き出すと、この薄葉紙2aに追随して後続の薄葉紙2bも引き出される。そして、薄葉紙2aを引き出し終わった状態では、後続の薄葉紙2bの前端は取出口40又は取出口40の付近に到達し、図4B及び図5Bに示すように、取出口40から薄葉紙2bが飛び出して露出した状態となる。この際、薄葉紙2bは、上ガイド22の第1方向D1の後方の端部22eで方向転換されているため、その飛び出しの程度を小さくすることができ(耐飛び出し性を良好にでき)、飛び出した後続の薄葉紙の露出を小さくすることができる。
上述のように薄葉紙2aを取り出す際、収容体1は薄葉紙から力を受け、図4B及び図5Bに示すように全体的に膨らんだ外観形状に変形し得る。具体的には、蓋体23の中央部付近が持ち上げられる(図4B、図5B)。また、紙引出部20内においても、後続の薄葉紙からの力によって、上ガイド22の端部22eが持ち上げられると共に、第1方向D1の前方へと押し曲げられる(図5B)。また、第2方向D2の両端の固定部50、50も、第2方向D2で見てある程度中央に引き寄せられる(図4B)。また、後続の薄葉紙からの力によって、下ガイド21の端部21eにおいても、上ガイド22と同様の変形が起こり得る。すなわち、下ガイド21の端部21eが持ち上げられると共に第1方向D1の後方へと押し曲げられる。
上述のように、収容体1の第2方向D2の両端部には固定部50、50が形成されており、この固定部50、50は把持可能となっている(図1、図3)。そのため、薄葉紙の取出しを一旦終了する場合、両固定部50、50を把持して第2方向D2に沿って互いに反対方向(図4Cにおける矢印)に引っ張ることで、全体的に膨らんでいた収容体1の形状を元に戻すことができる。具体的には、中央部分が持ち上げられていた蓋体23の形状は、元の平坦な形状に再変形する。また、中央部分が上に持ち上げられ且つ第1方向D1の前方へと押し曲げられていた上ガイド22の端部22eは、下方向へ押し下げられ且つ第1方向D1の後方へと戻される。この再変形に伴い、上ガイド22の端部22eは、薄葉紙2bを第1方向D1の後方へと引き戻すことができる。また、中央部分が上に持ち上げられ且つ第1方向D1の後方へと押し曲げられていた下ガイド21の端部21eも、下方向へ押し下げられ且つ第1方向D1の前方へと戻される。これに伴い、下ガイド21の端部21eは、後続の薄葉紙を、第1方向D1の前方へと引き戻すことができる。
上述のように、固定部50、50を第2方向D2に沿って互いに反対方向に引っ張った時、上ガイド22が元の形状に戻る際に、薄葉紙は、主として上ガイド22の端部22eから力を受ける。ここで、薄葉紙2bの先端側は自由な状態であるのに対し、後端側は、次の薄葉紙と重なって薄葉紙の積層体3へと続いており、また薄葉紙2bの、端部22eから先端側の長さは、その後端側の長さより短くなっている。そのため、薄葉紙2bが、上ガイド22の端部22eから力を受けても、薄葉紙2bの後端側が動かず、先端側が移動して引き戻される。
上述のような引き戻し作用によって、取出口40から飛び出していた薄葉紙2bを、紙引出部20の内部へと確実に収納することができる(収納性が良好である)。この収納は、薄葉紙に手で触れることなく行うことができる。そのため、飛び出た薄葉紙を手を使って収容体1内へ押し込む必要はなく、衛生的である。さらに、紙引出部20へと引き戻された薄葉紙は紙引出部20内に保持されるので、薄葉紙は外気に直接触れないか又は直接触れる部分はわずかになる。よって、薄葉紙に、保湿成分、香り成分等の成分を含む薬液が付着されている場合であっても、薬液の揮発を抑えることができ、保湿や芳香等の作用を維持することができる。
なお、固定部50、50を引っ張る際には、固定部50、50の奥側(第1方向D1の後方)、手前側(第1方向D1の前方)、或いは中間(第1方向D1の中央)のいずれを把持してもよく、数回引っ張ってもよい。
上述の形態では、下ガイド21は、第1方向D1の後方で収容体本体10に接続されており、上ガイド22は、第1方向D1の前方で収容体本体10に接続されている(図2、5A〜図5C)。すなわち、下ガイド21は、収容体本体10から第1方向D1の前方に延在しており、上ガイド22は、収容体本体10から第1方向D1の後方に延在している。このように、下ガイド21及び上ガイド22は、収容体本体10と一体的になっている。下ガイド21及び上ガイド22の一方、又は下ガイド21及び上ガイド22の両方が、第1方向D1で収容体本体10に接続されているので、下ガイド21及び上ガイド22の形状、ひいては収容体1全体の形状を安定させることができる。また、収容体1の密封性も向上させることができる。
さらに、このように下ガイド21が第1方向D1の後方で、上ガイド22が第1方向D1の前方で、収容体本体10に接続されていると、薄葉紙2aの引き出し後に変形した収容体1の形状を、収容体1を第2方向D2に沿って引っ張ることによって収容体1の形状を元に戻す際にも、上ガイド22及び下ガイド21が収容体本体10に追随するため、元の形状に戻りやすくなる。そのため、上ガイド22及び下ガイド21による、上述の引き戻し作用を向上させることができる。
また、本形態では、下ガイド21は折り返されており、折り返しによって形成された折返し部が、下ガイド21の第1方向D1の前方の端部21eを形成している(図2、図3、図5A〜図5C)。このような構成では、下ガイド21が2層になるので、下ガイド21が折り返されていない場合に比べて、下ガイド21が変形した際に薄葉紙が下ガイド21から受ける力が大きい。よって、下ガイド21による上述の引き戻し作用を高めることができる。
また、下ガイド21及び蓋体23は一体的に形成されており、両者を接続する接続部25が折返し部となっている(図2、図5A〜図5C)。これにより、収容体1が変形する際には、下ガイド21及び蓋体23が収容体1が追随するので、固定部50、50を把持して収容体1を第2方向D2に沿って引っ張った場合に、下ガイド21による薄葉紙の引き戻し作用を高めることができる。また、下ガイド21及び蓋体23が一体的に形成されていることで、下ガイド21若しくは蓋体23、又はその両方を別個に作製することなく、フィルムを折り返すことによって下ガイド21及び蓋体23の部分を容易に作製することができる。さらに、収容体1を第2方向D2に沿って反対方向に引っ張った際に、蓋体23と上ガイド22との間隔を狭めることができるので、紙引出部20内の薄葉紙が外気に接触する可能性をさらに低減することができる。
上ガイド22の第1方向D1の長さは、薄葉紙の積層体3の第1方向D1の長さの80〜120%であることが好ましい。上ガイド22の第1方向D1の長さを積層体3の第1方向D1の長さの80%以上とすることで、収容体1の密封性を向上させるとともに、上ガイド22による上述の引き戻し作用を高めることができ、また120%以下とすることで、取出しの際に薄葉紙に掛かる負荷を低減し、引出しやすさを確保することができる。また、上ガイド22の第1方向D1の長さを、薄葉紙の積層体3の第1方向D1の長さの100%以上とした場合、特に高い引き戻し作用を得ることができ、薄葉紙を紙引出部20内に収納する効果が高まる。上ガイド22の第1方向D1の長さは、例えば、80〜125mmとすることができる。
下ガイド21の前記第1方向D1の長さは特に限定されないが、薄葉紙の積層体3の第1方向D1の長さの40〜110%であることが好ましく、50〜90%であることがより好ましい。下ガイド21の前記第1方向D1の長さを上記の範囲とすることにより、収容体1の密封性を向上させるとともに、下ガイド21による上述の引き戻し作用を高めることができ、また、取出しの際に薄葉紙に掛かる負荷を低減することができ、引き出しやすさを確保することができる。下ガイド21の第1方向D1の長さは、例えば、50〜115mmとすることができる。
上ガイド22の第1方向D1の長さは、第2方向D2の長さに対して20〜120%であることが好ましく、30〜80%であることがより好ましい。また、下ガイド21の第1方向D1の長さは、第2方向D2の長さに対して、10〜110%であることが好ましく、20〜60%であることがより好ましい。ここで、上ガイド22及び下ガイド21の第2方向D2の長さは、一方の固定部50から他方の固定部50までの、固定代を除いたフィルムの長さを指す。
図6に、本発明の別の形態による収容体601を示す。収容体601は、上述の収容体1と同様に、収容体本体610と収容体本体610に接続された紙引出部620とを備えており、紙引出部620は、下ガイド621と、上ガイド622と、蓋体623とを備えている。収容体1と同様に、下ガイド621は第1方向D1の前方に端部621eを有し、端部621eの第1方向D1の前方には下間隙631が形成されており、上ガイド622は第1方向D1の後方に端部622eを有し、端部622eの第1方向D1の後方には上間隙632が形成されている。薄葉紙は、下間隙631、下ガイド621と上ガイド622との間、及び上間隙632をこの順に通り、さらに上ガイド622と蓋体623との間を通って引き出されるようになっている。しかしながら、収容体601は、下ガイド621が折り返されておらず、下ガイド621に折返し部が形成されていない点で、収容体1(図2)とは異なっている。
図7に、本発明の別の形態による収容体701を示す。収容体701は、上述の収容体1と同様に、収容体本体710と収容体本体710に接続された紙引出部720とを備えており、紙引出部720は、下ガイド721と、上ガイド722と、蓋体723とを備えている。また、収容体1と同様に、下ガイド721は第1方向D1の前方に端部721eを有し、端部721eの第1方向D1の前方に下間隙731が形成されており、上ガイド722は第1方向D1の後方に端部722eを有し、端部722eの第1方向D1の後方に上間隙732が形成されている。薄葉紙は、下間隙731、下ガイド721と上ガイド722との間、及び上間隙732をこの順に通り、さらに上ガイド722と蓋体723との間を通って引き出されるようになっている。しかしながら、収容体701は、下ガイド721が折り返されておらず、また、下ガイド721と蓋体723とが接続されていない点で、収容体1(図2)とは異なっている。また、下ガイド721は、第1方向D1では収容体本体710とは接続されていない。
なお、下ガイドと上ガイドとは、第2方向D2に沿って部分的に接合されていてもよい。図8に、図1の収容体1が、下ガイド21と上ガイド22とが接合された接合部28、28を有する形態を示し、図9に、図8のII−II線で切った断面の模式図を示す。接合部28、28は、その間に形成される上間隙32の第2方向D2の長さを調整するために設けることができる。接合部28、28は、下ガイド21の折り返された部分と上ガイド22とをヒートシールすることによって形成することもできるし、下ガイド21の折り返された部分と上ガイド22とを接着剤等による接着、又は縫製によって形成することもできる。接合部28、28が設けられていることで、収容体1を第2方向D2に沿って反対方向に引っ張った際に、接合部28、28の中央に近い端部(上間隙32の両端)から力を受けつつ、上ガイド22は下ガイド21に連動して再変形する。そのため、薄葉紙を引き出す際に持ち上げられ押し曲げられていた上ガイド22の端部22eを、より確実に元の形状へと第1方向D1後方へと引き戻すことができ、収納性を向上させることができる。また、接合部28、28が設けられて上間隙32の幅が小さくなることで、収容体1の密封性を向上させることができる。
接合部28、28間に形成される上間隙32の第2方向D2の長さは、収容体の大きさ及び形状、薄葉紙及び薄葉紙の積層体のサイズ、薄葉紙の柔軟性等に応じて決定することができる。上間隙32の第2方向D2の長さは限定されないが、薄葉紙の積層体3の第2方向D2の長さの40〜140%であると好ましく、50〜100%であるとより好ましく、また70〜90%であるとさらに好ましい。上間隙32の第2方向D2の長さを、積層体3の第2方向D2の長さの40%以上とすることで、薄葉紙の引き出しやすさを確保し、引出しの際に薄葉紙に過度の負荷がかかることを防止することができる。また、上間隙32の第2方向D2の長さを、薄葉紙の積層体3の第2方向D2の長さの140%以下とすることで、収容体1を第2方向D2に沿って反対方向に引っ張った際に上ガイド22の端部22eを引き戻す上述の効果を向上させることができる。接合部28、28が形成されている場合、上間隙32の第2方向D2の長さは、例えば、110〜240mmとすることができる。
本発明の一形態は、収容体の製造方法、及び収容体と薄葉紙の積層体とを含む薄葉紙製品の製造方法に係る。本形態によれば、薄葉紙製品は、いわゆるピロー包装によって製造することができる。以下、図1〜図3を参照して説明した形態の収容体1の製造方法、及び収容体1と薄葉紙の積層体とを含む薄葉紙製品の製造方法について説明する。
本形態では、収容体1は、例えば図10に示すような1枚のフィルム8から製造することができる。フィルム8は、中央領域R3と、中央領域R3の一方側に隣接する第1領域R1と、中央領域R3の他方側に隣接する第2領域R2とを有している。
上記のように1枚の可撓性フィルムを準備した後、中央領域R3の中央に、薄葉紙の積層体3を載置する。続いて、第1領域R1と第2領域R2とが重なるようにして、載置された薄葉紙の積層体3の上に被せ、フィルムが筒状になるようにする。その際、第1領域R1を上方にジグザグ状に折り、これにより、図2に示すような、第1折返し部21eで折り返された下ガイド21と、蓋体23とが形成される。第1領域R1のジグザグ折りの工程と同時に又はその工程後に、第2領域R2を、第1領域R1から形成された下ガイド21と蓋体23との間に挿入する。これにより、図2に示すような、下ガイド21、上ガイド22、及び蓋体23がこの順に積層された紙引出部20が形成される。
その後、筒状の可撓性フィルムの両端を、ヒートシール等によってシールして封鎖する。この封鎖工程によって、図1及び図3に示すような、固定部50、50が形成される。
本発明の一形態で用いられる薄葉紙は、ティシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパーハンドタオル、ペーパー布巾、ワイパー等の衛生薄葉紙であってよい。薄葉紙の1プライでの坪量は10〜20g/m2であると好ましく、また薄葉紙の2プライでの紙厚は130〜200μmであると好ましい。なお、坪量は、JIS P 8124(1998)の坪量測定方法による。
また、薄葉紙の積層体の寸法は、第1方向D1の長さが80〜115mm程度、第2方向D2の長さが180〜250mm程度、高さが30〜90mm程度とすることができる。このような薄葉紙の積層体は、例えば、ロータリー式又はマルチスタンド式インタフォルダによって製造することができる。
本発明の一形態による収容体は、上述のように使用開始後でも薄葉紙を保護する機能を維持でき、また密封性を維持することができるので、いわゆる保湿ティシュ、ローションティシュ等の薬液を塗布した薄葉紙の積層体を収容する収容体として好適に用いることができる。
以下、本発明の形態について、さらに実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例においては、薄葉紙の積層体を収容した収容体を作製して、水分保持性、触感、耐飛び出し性、収納性を評価した。
(実施例1)
幅325mmの長尺のポリエチレン(PE)フィルム(福助工業株式会社製、フィルム膜厚:50μm)を用いて、薄葉紙の積層体をピロー包装することによって、薄葉紙が収容された収容体を作製した。収容体に収容される薄葉紙としては、保湿薬液を塗布したティシュペーパー(大王製紙株式会社製、「エリエール 贅沢保湿」)、いわゆる保湿ティシュを用いた。ティシュペーパーは、2枚重ね1組からなる50組(100枚)であり、ポップアップ式に折り畳まれて積層体となっている状態で、奥行き(第1方向D1の長さ)は103mm、幅(第2方向D2の長さ)は223mm、積層体の高さは25mmであった。
収容体は、図1及び図2に示すような構造を有するものであり、奥行き(第1方向D1長さ)は約115mm、幅(第2方向D2長さ、薄葉紙製品として平坦になっている上面部分の長さ)は約240mm、高さは約55mmであった。また、第1方向D1で見て、下ガイド21の長さは90mm、上ガイド22の長さは110mmであり、蓋体23の長さは123mmであった。上ガイド及び下ガイドの幅(第2方向D2長さ、固定部の固定代までのフィルムの長さ)は310mmであった。また、上ガイド22とその下に積層されている下ガイド21とは、図8及び図9に示すように、第2方向D2に沿って部分的にヒートシールによって接合されていて、上間隙32の第2方向D2の長さは170mmであった。
(実施例2〜10)
上ガイド22、下ガイド21、及び上間隙32の第2方向D2の長さを、表2に示す値に変更したこと以外は実施例1と同様にして、収容体を作製した。
(比較例1)
実施例1で用いたフィルムと同じ材質、幅、厚さのフィルムを用いて、図11に示す収容体1Aのような、従来技術による上面に長手方向にミシン目が形成されている収容体を準備した。この収容体は、使用時にミシン目を開裂させて取出口を形成し、この取出口から薄葉紙のシートを引き出すようにして使用するものである。比較例1の収容体のミシン目の長さは170mmであった。
(比較例2)
上ガイド22、下ガイド21、及び上間隙32の第2方向D2の長さを、表2に示す値に変更したこと以外は実施例1と同様にして、収容体を作製した。比較例2の収容体においては、上ガイド22と下ガイド21とは積層されていない。
上述のようにして作製した実施例1〜10、比較例1、2の収容体について、評価を行った。実施例1及び比較例1について、水分保持性及び触感を評価し、実施例1〜10及び比較例2について、耐飛出し性及び収納性を評価した。触感の各評価結果は表1に、耐飛出し性及び収納性の各評価結果は表2に示す。
各評価の方法は、以下の通りである:
[水分保持性]
作製された各収容体より、上から10組目までのティシュペーパーを、温度25℃、相対湿度45%の環境下で積層体から1組ずつ引き出し、各ティシュペーパーを第1方向D1に2つ折りにして、第2方向D2に沿った3箇所(第2方向D2の中央及びその前後)で水分率(%)を測定した。水分率は、電気式水分計(株式会社サンコウ電子研究所製、型式:MR−200 II)により測定し、上記3箇所で測定された値の平均値を記録した。さらに、1〜10組目までの水分率の平均値を求め、この値を「乾燥前の水分率」として記録した。
その後、1〜10組目までのティシュペーパーを引き出した後の収容体を、シリカゲルで温度25℃、相対湿度10%に調湿したデシケータ―(遠藤化学株式会社製、型式FL−1)内に72時間放置して、乾燥させた。乾燥後、上から10組目まで(全体として11組目から20組目)のティシュペーパーを積層体から引き出し、各組のティシュペーパーについて乾燥前と同様に水分率を測定した。11〜20組目までの水分率の平均値を求め、この値を「乾燥後の水分率」として記録した。さらに、求めた「乾燥前の水分率」及び「乾燥後の水分率」の値に基づき、水分保持率(=(乾燥後の水分率)/(乾燥後の水分率)×100)(%)を求めた。
[触感(官能評価)]
作製された各収容体を、シリカゲルで温度25℃、相対湿度10%に調湿したデシケータ―(遠藤化学株式会社製、型式FL−1)内に48時間放置して、乾燥させた。乾燥後、「柔らかさ」、「しっとり感」、「滑らかさ」、「しっかり感」、「ふっくら感」の各触感について、9人の評価者によって評価を行った。評価は、比較例1の評価(4.0)に対し、以下の基準で評価した数値とした。全評価者の評価の算術平均値を記録した。
1:かなり悪い
2:悪い
3:やや悪い
4:比較例1と同じ
5:やや良い
6:良い
7:かなり良い
[耐飛び出し性]
両面テープ(ニチバン株式会社製、「ナイスタックNW−15」)15×210mmを、包装体裏面の第1方向D1の両端部からそれぞれ10mm離れた位置に取り付けて、収容体を平坦な実験台に固定した。蓋体から露出している1組のティシュペーパーの先端の、第2方向D2で見た中央部分を目玉クリップ(コクヨ株式会社製、「クリ−13」)で挟んだ。目玉クリップの持ち手部分の一方の穴にプッシュプルゲージ(株式会社イマダ製、型番:Z2−20)のフックを通し、0.7±0.6Nの力を維持しながら、収容体から1組のティシュペーパーを第1方向D2に引き出した。このようなティシュペーパーの引出しを、収容されている50組全てのティシュペーパーについて行い、1組を取り出す毎に、次の1組のティシュペーパーが、第1方向D1で見て68mm(ティシュペーパーの3分の1に相当)以上飛び出していた回数を、飛び出し組数として記録した。
耐飛び出し性の評価は以下のようにして行った。飛び出し組数が小さい程、飛出し性が小さく、好ましい。△以上が良好な結果である。
◎:飛び出し組数が0
〇:飛び出し組数が1〜15
△:飛び出し組数が16〜20
×:飛び出し組数が21以上
[収納性]
上記の耐飛び出し性の評価において上述した方法と同様にして、ティシュペーパーを取り出した。そして、1組のティシュペーパーを取り出した後、2つの固定部50、50を把持して、第2方向D2で互いに反対方向に3回引っ張った。その際、1回目は、固定部50、50の奥側(第1方向D1の後方)を把持し、2回目は、固定部50、50の手前側(第1方向D1の前方)を把持し、3回目は、1回目と同様の位置で把持して引っ張った。完全に収納されなかった組数(ティシュペーパーが少しでも取出口から出ていた組数)を、不完全収納組数として記録した。
収納性の評価は以下のようにして行った。不完全収納組数が少ない程、収納性に優れ、好ましい。△以上が良好な結果である。
◎:不完全収納組数が10以下
〇:不完全収納組数が11〜20
△:不完全収納組数が21〜49
×:不完全収納組数が50(全ての組の収納が不完全であった)
Figure 0006933540
表1に示すように、実施例1の水分保持率は、比較例1(図11に示す従来の収容体)に比べ向上していることが分かった。また、実施例1では、官能評価も比較例1と同等以上となっており、乾燥環境下で保存した後の保湿ティシュの性能は、比較例1と比較して優れることが分かった。
Figure 0006933540
表2に示すように、実施例1〜10は、上ガイド及び下ガイドを有さない従来の収容体である比較例1、及び上ガイドと下ガイドとが積層されていない比較例2に対して、耐飛び出し性、収納性に優れていることが分かった。特に、上ガイドと下ガイドとを第2方向D2に沿って部分的にヒートシールによって接合された実施例1〜9、中でも、上ガイド長さが薄葉紙の積層体の第1方向D1長さ(103mm)の100%以上である実施例1、4〜9は特に収納性に優れていることが分かった。また、実施例1、4〜6、10(上間隙の長さが積層体の第2方向D2長さ(223mm)の70%以上)は、耐飛び出し性が特に良好であった(ティシュペーパーが飛び出しにくかった)。
1、601、701 収容体
2a、2b 薄葉紙
3 薄葉紙の積層体
8 フィルム
10、610、620 収容体本体
20、620、720 紙引出部
21、621、721 下ガイド
21e、621e、721e 下ガイドの端部(第1折返し部)
22、622、722 上ガイド
22e、622e、722e 上ガイドの端部
23、623、723 蓋体
25 下ガイド21と蓋体23との接続部(第2折返し部)
28 接合部
31、631、731 下間隙
32、632、732 上間隙
40、640、740 取出口
50 固定部(把持部)
100 薄葉紙製品
R3 中央領域
R1 第1領域
R2 第2領域
D1 第1方向(薄葉紙取出し方向)
D2 第2方向

Claims (9)

  1. 薄葉紙の積層体を収容する収容体本体と、前記収容体本体の上に接続された紙引出部とを備えた可撓性フィルム製の収容体であって、
    前記紙引出部から、前記薄葉紙を上面視で第1方向にポップアップ式に引き出すことができ、
    前記紙引出部は、前記薄葉紙を引き出す際に前記薄葉紙をガイドする下ガイド及び前記下ガイドの上に積層された上ガイドと、前記上ガイドの上に積層された蓋体とを備え、
    前記薄葉紙は、前記積層体から、前記下ガイドの前記第1方向の前方の端部で方向転換され、前記下ガイドと前記上ガイドとの間を通り、前記上ガイドの前記第1方向の後方の端部で方向転換され、さらに前記上ガイドと前記蓋体との間を通って引き出される、収容体。
  2. 前記下ガイド、前記上ガイド、及び前記蓋体が、上面視で前記第1方向に直交する第2方向の両端で前記第1方向に沿って固定されることによって、把持可能な固定部が形成され、
    前記固定部を前記第2方向に沿って互いに反対方向に引っ張ることによって、前記上ガイドと前記蓋体との間の薄葉紙が前記第1方向の後方へ引き戻される、請求項1に記載の収容体。
  3. 前記下ガイドは、前記第1方向の後方で前記収容体本体に接続され、
    前記上ガイドは、前記第1方向の前方で前記収容体本体に接続されている、請求項1又は2に記載の収容体。
  4. 前記下ガイドは第1折返し部を有し、前記第1折返し部は、前記下ガイドの前記第1方向の前方の前記端部を形成し、
    前記蓋体は、第2折返し部を介して前記下ガイドに接続されている、請求項3に記載の収容体。
  5. 前記収容体本体及び前記紙引出部は、1枚のフィルムから形成されている、請求項4に記載の収容体。
  6. 前記上ガイドの前記第1方向の長さは、前記薄葉紙の積層体の前記第1方向の長さの80〜120%である、請求項1から5のいずれか一項に記載の収容体。
  7. 前記下ガイドの前記第1方向の長さは、前記薄葉紙の積層体の前記第1方向の長さの40〜110%である、請求項1から6のいずれか一項に記載の収容体。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の収容体と、薄葉紙の積層体とを含む、薄葉紙製品。
  9. 請求項4に記載の収容体と薄葉紙の積層体とを含む薄葉紙製品の製造方法であって、
    前記収容体本体となる中央領域と、前記中央領域の一方側に隣接する第1領域と、前記中央領域の他方側に隣接する第2領域とを有する可撓性フィルムを準備する準備工程と、
    前記薄葉紙の積層体を、前記可撓性フィルムの前記中央領域の中央に載置する載置工程と、
    前記第1領域と前記第2領域とが重なるように前記薄葉紙の積層体の上に被せて前記可撓性フィルムが筒状体となるように、前記薄葉紙の積層体を包む包装工程と、
    前記筒状体の両端を一体的にシール封鎖する封鎖工程とを有しており、
    前記包装工程は、
    前記第1領域を上方にジグザグ状に折ることによって前記第1折返し部及び前記第2折返し部を形成して、前記下ガイド及び前記蓋体を形成し、
    前記第2領域を前記下ガイドと前記蓋体との間に挿入して、前記上ガイドを形成することを含む、薄葉紙製品の製造方法。
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