JP4119049B2 - 作業機のキャビンの低騒音化構造 - Google Patents

作業機のキャビンの低騒音化構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタ等の作業機の構成に関するものであり、特にキャビン内に伝播されるエンジン、ミッション等からの騒音を軽減し、オペレータ等の環境改善を目的とした技術に関するものである。近年、トラクタ等の作業機においてもオペレータの環境改善の要求が高まっており、商品の付加価値として重要視され、キャビン付きトラクタなどの需要が高まっている。また欧州においては作業機の騒音規制により、周囲騒音の低減が重要課題となっている。本発明は以上のような需要に対し、キャビン内の低騒音化のための技術を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、トラクタ等の作業機においては、機体略中央上部にシートや操作部材等を載置する操縦部を配し、該操縦部前部にはステアリングハンドル、アクセルレバー等の操作部材を配置している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、キャビン内の騒音は、エンジン、ミッション等の音源自体の騒音の大きさだけでなく、エンジン及びキャビン全体の振動特性(共振特性)、キャビンを構成する部材(鋼板)の遮音性や強度特性、若しくは、ガラスやダッシュボードのような樹脂材料の遮音性、フロア部分等に設けられる開口部面積、キャビン自体の形状によって決まる音場特性、等の様々な要因によって決まるものであり、オペレータの作業環境を向上させるための改善が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
請求項1においては、作業機のキャビンにおいて、ボンネット内部や走行部と接触する面を構成する複数の透過部材を重ねて固定する組立構造において、該透過部材の端部に設けた折り返し部を延長、若しくは凹凸部を設け、該透過部材間に外部とは閉じられた隙間空間を設けたことを特徴とする作業機のキャビンの低騒音化構造である。
【0007】
請求項2においては、作業機のキャビンにおいて、ボンネット内部や走行部と接触する面に設置される取付部材の端部に設けた折り返し部を延長、又は凹凸部を設け、該取付部材とフロア間に外部とは閉じられた隙間空間を設けたことを特徴とする作業機のキャビンの低騒音化構造である。
【0008】
請求項3においては、作業機のキャビンにおいて、エンジンボンネット内部や走行部と接触する面の壁面を構成する後輪のフェンダに凹凸部を形成し、該フェンダと該フェンダに貼設される操縦部の内装材との間に隙間空間を設けたことを特徴とする作業機のキャビンの低騒音化構造である。
【0009】
請求項4においては、前記隙間空間に吸音材を充填したことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の作業機のキャビンの低騒音化構造である。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は本発明の消音構造を有するトラクタを示す側面図、図2は操縦部前部の断面図、図3は膨張型消音器を配設した操縦部の断面図である。
【0012】
図4は同じく別参考例断面図、図5は同じく別参考例断面図、図6は同じく別参考例断面図、図7はダッシュボード内に箱部を形成した操縦部の断面図、図8はコラムカバーにより膨張型消音器を構成した操縦部の断面図、図9は透過部材を2層構造とした操縦部の断面図である。
【0013】
図10及び図11は透過部材間に隙間空間を設けた操縦部の組立構造を示す図、図12は同じく組立完成図である。
【0014】
図13及び図14はシート下部に隙間空間を設けた操縦部の組立構造を示す図、図15は同じく組立完成図、図16はシート台下部に隙間空間を設けた操縦部の組立構造を示す図である。
【0015】
図17は同じく組立完成図、図18は操縦部内部を示す正面図、図19はフェンダ側に凹凸部を設けた正面図、図20は操縦部内部を示す平面図、図21はキャビンフレームの断面図である。
【0016】
まず、本発明の消音構造を有するトラクタの全体構成について図1により説明する。前後に前輪2・2及び後輪3・3を懸架する本機の前部にボンネット4を配置し、該ボンネット4にエンジン5を内蔵している。ボンネット4の後方にはステアリングハンドル13を設けて、該ステアリングハンドル13の後方にはシート9を配設している。また、ステアリングハンドル13の前方にはインストルメントパネル15が配設されている。そして、ステアリングハンドル13、シート9、及びインストルメントパネル15等により構成される操縦部1はキャビン20により覆われている。
【0017】
キャビン20は、前方にフロントガラス21(図2に図示)を配し、左右両側には略全面に渡ってガラス等の透明部材で構成されるドア22・22を開閉自在に配してオペレータの視界を確保しており、上部の天井は樹脂材料や吸音材料より構成し、ドア22・22の後部側の側面及びシート9の後部側にも窓ガラスが設けられている。また、操縦部1の床部を構成するフロア23は板金等で構成され、該フロア23は後部側が高くなってシート9を載置し、前部側がオペレータが乗降を行うステップ部を形成している。また、操縦部1の前部にはダッシュボード11を配設して、該ダッシュボード11の後部にステアリングハンドル13を配し、図2等に示すステアリングコラム14をステアリングハンドル13から下方に延設して、その周囲をコラムカバー12で被装している。
【0018】
エンジン5の後方で、キャビン20の下方位置にはトランスミッション6を連設し、エンジン5からの動力を後輪3に伝達して駆動している。また、エンジン5の駆動力は、該トランスミッション6を介して機体後端から後方に突出したPTO軸を駆動し、機体後端部の作業機装着装置7に接続した作業機8を駆動するように構成している。
【0019】
図2に示すように、ステアリングハンドル13の下方にはステアリングコラム14を延設しており、ステアリングコラム14は操縦部1のフロア23を貫通し、その下部においてユニバーサルジョイント16を連結し、さらにシャフト等を介して図示せぬステアリングギヤ機構若しくは、パワーステアリングユニットに連結している。そして、ステアリングコラム14が貫通する貫通孔20aが操縦部1のフロア23に設けられているため、前述の如く、エンジン5、ミトランスミッション6等から発生する振動や発生音自体が、該貫通孔20aを介して操縦部1側に騒音として伝達されることとなる。そこで、次に、図3乃至図8を用いて本発明に係る消音構造について説明する。
【0020】
まず、図3乃至図6を用いて貫通孔20aまわりに膨張型消音器30を配設した参考例について説明する。図3に示すように、貫通孔20aの上部には、前記ステアリングコラム14の周囲を覆うようにして、空洞空間を有する箱部30eが形成されている。そして、該箱部30eの上方には、該箱部30eよりも断面積が小さい筒状部30cが形成されており、該筒状部30cの上部開口部より上方に向けてステアリングコラム14を延設している。また、箱部30eの下部のフロア23において、貫通孔20aの周囲には、ステアリングコラム14の周囲を覆うようにして、下方に向けて箱部30eよりも断面積が小さい筒状部20cを突設している。つまり、ステアリングコラム14の周囲を、下方から順に径の細い筒状部20c、次に、該筒状部20cよりも断面積が大きく広い空洞空間を有する箱部30e、そして再び径の細い箱状部30cによって覆うことにより、膨張形消音器30を形成しているのである。
【0021】
このような構成をとることにより、エンジン5、トランスミッション6等から発生する振動による騒音が、筒状部20cを通過した後、箱部30eによって膨張されて消音される。そして、その上部に位置する筒状部30cによって充分に遮音されてキャビン20内における騒音低減を可能としているのである。つまり、貫通孔20aの断面形状を膨張型消音器形状とすることにより操縦部1側への騒音低減を行っているのである。そして、操作部材であるステアリングコラム14の周囲を覆うようにして膨張型消音器30が設けられているので、フロア23を貫通する操作部材を設ける場合においてもオペレータ環境の向上が図れるのである。
【0022】
また、前述の如くのステアリングコラム14の周囲を覆う空洞の箱部と筒状部とからなる膨張型消音器の別実施例を以下に示す。即ち、図4に示す参考例においては、筒状部20cをフロア23上方側に延設して、箱部30eの空洞空間内まで突設させている。そして、箱部30eの上部には筒状部30cを設けずに、箱部30eの上部の開口部からステアリングコラム14を上方に延設している。図5に示す参考例においては、図4に示す参考例と同様に、筒状部20cを空洞空間内まで延設させており、さらに箱部30eの上部にも筒状部30cを配設している。図6に示す参考例においては、図5に示す参考例と同様に、筒状部20cを空洞空間内まで延設させてるとともに、箱部30eの上部に筒状部30cを配設し、該筒状部30cの下部を下方に延設して空洞空間内に突設させている。
【0023】
次に、図7を用いてダッシュボード11を利用した消音構造について説明する。図7においては、ダッシュボード11に空洞空間を有する箱部11eを形成し、該ダッシュボード11の上面側に筒状部11cを形成しており、箱部11eの下部のフロア23には、下方にむけて筒状部20cを突設している。つまり、ダッシュボード11は、ステアリングコラム14を下方から、径の細い筒状部20c、次に広い空洞空間を有する箱部11e、そして再び径の細い筒状部11cによって覆うことにより、膨張形消音器30を形成しているのである。このようにダッシュボード11内に箱部11eを形成することにより、充分な空洞空間が得られ消音効果が向上する。
【0024】
次に、図8を用いてコラムカバー12を用いた消音構造の参考例について説明する。図8においては、ダッシュボード11の後部においてキャビン内のフロア23上にコラムカバー12を立設し、該コラムカバー12内にステアリングコラム14を内装する構成としている。そして、該コラムカバー12の中途部においては、他部よりも断面積を大きく構成した空洞空間を有する箱部12eを形成しており、該箱部12eの上部は径が細くなって筒状部12cが形成されており、該筒状部12cより上方にステアリングコラム14を延設している。また、箱部12eの下部のフロア23には、前記貫通孔20aが穿設されており、該貫通孔20aの周囲には、下方にむけて筒状部20cを突設している。つまり、コラムカバー12は、ステアリングコラム14を下方から、径の細い筒状部20c、次に広い空洞空間を有する箱部12e、そして再び径の細い筒状部12cによって覆うことにより、膨張形消音器30を形成しているのである。このような構成とすることで、操作部材であるステアリングコラム14を収容するコラムカバー12を膨張型消音器として兼用する構成とすることができ、低コストでオペレータ環境の向上が可能となった。
【0025】
次に、キャビン20に対するエンジン等の透過音を低減することを目的とした参考例について説明する。前述の如く、操縦部1は前部をキャビン20のフロントガラス21、左右をドア22・22、下部をフロア23等で覆われる構造となっている。そして、このキャビン20等を構成する部材の遮音性を向上させるためには、鋼板を厚くしたり、遮音材、吸音材を用いるなどの方法が従来とられているが、コスト高となるという問題がある。そこで、本発明においては図9に示すように、操縦部1のフロア部分を構成する透過部材、つまりエンジンボンネット内部や走行部と接触する面を構成する透過部材を、フロア23と遮音板23’とで構成する2層化構造としている。図9において、フロア23の下部の略全面に渡って、つまり、前部はダッシュボード11の下部位置付近から、後部はシート9の下部位置までには、遮音板23’が設けられている。遮音板23’は側面視において、フロア23と一定の間隔を保つ隙間空間23aが設けられており、該隙間空間23aには、空気若しくは吸音材等の剛性の無い物を介在させている。このような構成とすることで、操縦部1に対する遮音性を低コストで向上させることが可能となり、快適なオペレータ環境を提供可能となった。
【0026】
次に、図10乃至図15を用いて、操縦部1に対する遮音性を向上させる実施例について説明する。図10及び図11は、操縦部1のフロア23部分の組立て構造を示す図である。フロア23はシート9が設置される台部23b、ステアリングハンドル13とシート9間に位置するステップ部23c、該台部23bとステップ部23cとを連結する連結部23dとで構成されている。そして、図10及び図11に示す実施例においては、何れも連結部23dを2層化構造としているのである。つまり、図10で示す実施例においては、ステップ部23cの後端側に設けられた折り返し部23eを延長させることにより、連結部23dを2層化構造としているのである。図11で示す実施例においては台部23bの前端側を下方に折り曲げて折り返し部23eを形成し、該折り返し部23eを延長させることにより、同様に連結部23dを2層化構造としているのである。このようにして構成されるフロア23には図12で示すように、連結部23dにおいて外部と閉じられた隙間空間23fが形成されるため、簡易な構成でもってキャビン内の遮音性の向上を図れるのである。
【0027】
図13及び図14は、操縦部1のフロア23部分の組立て構造を示す別実施例図である。本実施例においては、台部23bとシート9の間に、さらに別部材の台部23b’を設けている。そして、台部23b上には取付具24が適所に配置され、該取付具24上に台部23b’を載置固定しているのである。取付具24は例えば防振ゴムで構成されシート9の振動を吸収してオペレータの作業性を向上させている。そして、図15で示すように、これらの組立て構造によれば、シート9下部のフロア部には、外部と閉じられた隙間空間23fが形成されるのである。つまり、台部23b上に凹凸部を形成する取付具24を介して台部23b’を載置する構成とすることにより、隙間空間23fを形成可能としているのである。これにより、簡易な構成でもって操縦部1に対する遮音性の向上を図れ、特にシート9上に位置するオペレータの作業環境の改善が図れるのである。
【0028】
次に、シート9の取付構造による透過音の低減構造について説明する。図16で示すように、シート9は取付部材であるシート台25上に載置される構成となっており、該シート台25の端部(前後端若しくは外周端等)には、下方に屈曲して折り返し部である設置部25aを形成している。そして該設置部25aにおいて前記台部23b上にシート台25を載置する構成としているのである。これにより、図17に示すように、エンジンボンネット内部や走行部と接触する面であるフロア23には、設置される取付部材の端部に設けた折り返し部により、該取付部材とフロア23間に外部とは閉じられた隙間空間23fが形成されることとなり、キャビン内への透過音を吸収する構造となり、シート9上に位置するオペレータの作業環境の改善が図れるのである。また、シート台25に折り返し部を設ける代わりに、シート台25下部に凹凸部を設けることにより該シート台25とフロア23間に隙間空間を形成するよう構成してもよい。
【0029】
次に、フェンダの形状により透過音の低減を図る実施例について説明する。図18は、作業機を前方側から見た操縦部1の内部を示す図である。シート9の左右両側には後輪3・3が位置するため(図1に図示)、図18で示すように、後輪3・3をカバーするフェンダ27・27の機体内方側が操縦部1内のシート9の左右下部に位置している。そして、該フェンダ27・27の内方側に内装材26を貼着することにより操縦部1の下部側壁を形成しているのである。そして、フェンダ27・27下部に位置する後輪3・3の振動音や、キャビン下方に位置するトランスミッション6等の騒音が、該フェンダ27、内装材26を介して操縦部1側に透過し、操縦部1内に騒音をもたらすのである。そこで、本発明においては、図19で示すように該フェンダ27・27に凹凸部27aを形成している。つまり、エンジンボンネット内部や走行部と接触する面の壁面を構成する後輪のフェンダ27に凹凸部27aを形成することにより、フェンダ27と内装材26間に隙間空間28が形成されることとなり、遮音性を向上させられるのである。また、この隙間空間28に吸音材29を充填することにより、さらに遮音性の向上を図ることが可能となる。
【0030】
また、キャビン20には前述の如く、前部にフロントガラス21が設けられているが、エンジン等の振動音がガラス取付部からキャビン20内へ進入するため、この進入音を低減させる必要がある。つまり、従来においては図2に示すように、フレーム40前部側に接着剤41等の接合部材を介してフロントガラス21を固着して両者を接合する構成としていたが、フレーム40の成形精度を吸収して、組立て時にフレーム40とフロントガラス21との間に隙間が形成されることを防止するために、接着材41の厚みを大きくしていた。これによって、フレーム40とフロントガラス21間より進入音が発生しやすくなっていたのである。そこで、図9で示すように本発明においては、2層構造とされるキャビン20の前部フレーム40・40は、接着材41等の接合部材を介して前後からフロントガラス21を挟み込むようにして、該両前部フレーム40・40とフロントガラス21とを接合している。これによってガラス取付部からの進入音を遮断することが可能となり、また、フレーム40・40間には接着剤41分の厚さだけの隙間空間が形成されているので、この隙間空間によりキャビン20内への透過音を吸収しているのである。
【0031】
次に、キャビン内の吸音効果を高める別参考例について説明する。以上説明した、貫通孔からの騒音の消音構造、または、透過音の吸収構造の他に、キャビン内の吸音効果を高めるためには、キャビン20の内壁等に吸音材を貼着させる方法があるが、有効な吸音効果を得るためには、吸音材の厚さが例えば20〜50mmは必要であり、スペース上の制約を受ける。そこで、本発明においては、図20及び図21(a)で示すように、キャビン20の側方フレーム42・42の断面形状を略コ字形状として、その内側に内装材43を配設しフレームを構成している。そして、図21(b)で示すように、この側方フレーム42・42の断面内部に吸音材44を充填しているのである。このような構成とすることで、キャビン20前部のエンジン5や下部のトランスミッション6から側方フレーム42・42を介して伝動される振動音を吸収して、キャビン内の環境を向上させられるとともに、吸音材43を充填するための新たなスペースを必要とせず、キャビン内の空間を広く維持することが可能となるのである。
【0032】
以上の如く、操縦部とエンジンボンネット内部や走行部とを連通する貫通孔を有する作業機のキャビンにおいて、該貫通孔を、途中部の断面積が他部の断面積よりも大きく形成される膨張型消音器形状としたので、フロアの貫通孔を介して伝達される騒音を低減することが可能となり、オペレータの作業環境が向上した。
【0033】
また、操縦部とエンジンボンネット内部や走行部とを連通する貫通孔を設けて、該貫通孔から上方に操作部材を延設させる構成の作業機のキャビンにおいて、該操作部材の周囲を覆う空洞の箱部と筒状部とからなる膨張型消音器を設けたので、フロアを貫通する操作部材を有する場合であっても操縦部に対する騒音を低減し、オペレータ作業環境が向上した。
【0034】
また、前記箱部をダッシュボード内に形成したので、広い空洞空間が得られ消音効果が向上した。
【0035】
また、前記操作部材を収納するコラムカバーを前記キャビン内に立設し、該コラムカバーの一部に前記筒状部を形成するとともに、該コラムカバー内部に前記箱部を形成したので、コラムカバーが膨張型消音器として兼用される構成となり、低コストで低騒音構造を実現した。
【0036】
また、作業機のキャビンにおいて、エンジンボンネット内部や走行部と接触する面を構成する透過部材を2層構造として、2層の透過部材間に隙間空間を設けたので、キャビン内に伝わるエンジンやトランスミッション等の透過音を吸音し、オペレータ作業環境が向上した。
【0037】
また、作業機のキャビンにおいて、該キャビンの周囲に設けられるガラスと接合されるフレームを2層構造とし、該ガラスを2層のフレームにより挟み込むとともに、該両フレームとガラスとを接合部材により接合し、2層のフレーム間に隙間空間を設けたので、ガラス取付部を介して進入する騒音を遮断可能となるとともに、フレーム間に設けられた隙間空間により吸音効果が得られた。
【0038】
また、作業機のキャビンにおいて、該キャビンを支えるフレームの断面形状を略コ字形状とし、該フレームの断面内部に吸音材を充填したので、キャビン内のスペースに制約を与えることなく、キャビン内へ伝達される騒音を吸収可能となった。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
即ち、作業機のキャビンにおいて、エンジンボンネット内部や走行部と接触する面を構成する複数の透過部材を重ねて固定する組立構造において、該透過部材の端部に設けた折り返し部を延長、若しくは凹凸部を設け、該透過部材間に外部とは閉じられた隙間空間を設けたので、キャビン内に伝わるエンジンやトランスミッション等の透過音を吸音し、オペレータ作業環境が向上した。
【0040】
また、作業機のキャビンにおいて、エンジンボンネット内部や走行部と接触する面に設置される取付部材の端部に設けた折り返し部を延長、又は凹凸部を設け、該取付部材とフロア間に外部とは閉じられた隙間空間を設けたので、キャビン内に伝わるエンジンやトランスミッション等の透過音を吸音し、オペレータ作業環境が向上した。
【0041】
また、作業機のキャビンにおいて、エンジンボンネット内部や走行部と接触する面の壁面を構成する後輪のフェンダに凹凸部を形成し、該フェンダと該フェンダに貼設される操縦部の内装材との間に隙間空間を設けたので、フェンダから侵入する音を吸収し、オペレータ作業環境が向上した。
【0042】
また、前記隙間空間に吸音材を充填したので、隙間空間における吸音効果が増大し、オペレータ作業環境がさらに向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の消音構造を有するトラクタを示す側面図である。
【図2】 操縦部前部の断面図である。
【図3】 膨張型消音器を配設した操縦部の断面図である。
【図4】 同じく別参考例断面図である。
【図5】 同じく別参考例断面図である。
【図6】 同じく別参考例断面図である。
【図7】 ダッシュボード内に箱部を形成した操縦部の断面図である。
【図8】 コラムカバーにより膨張型消音器を構成した操縦部の断面図である。
【図9】 透過部材を2層構造とした操縦部の断面図である。
【図10】 本発明の透過部材間に隙間空間を設けた操縦部の組立構造の実施例を示す図である。
【図11】 透過部材間に隙間空間を設けた操縦部の組立構造を示す図である。
【図12】 同じく組立完成図である。
【図13】 シート下部に隙間空間を設けた操縦部の組立構造を示す図である。
【図14】 シート下部に隙間空間を設けた操縦部の組立構造を示す図である。
【図15】 同じく組立完成図である。
【図16】 シート台下部に隙間空間を設けた操縦部の組立構造を示す図である。
【図17】 同じく組立完成図である。
【図18】 操縦部内部を示す正面図である。
【図19】 フェンダ側に凹凸部を設けた正面図である。
【図20】 操縦部内部を示す平面図である。
【図21】 キャビンフレームの断面図である。
【符号の説明】
1 操縦部
11 ダッシュボード
12 コラムカバー
13 ステアリングハンドル
14 ステアリングコラム
20 キャビン
20c 筒状部
23 フロア
30 膨張型消音器
30c 筒状部
30e 箱部

Claims (4)

  1. 作業機のキャビンにおいて、ボンネット内部や走行部と接触する面を構成する複数の透過部材を重ねて固定する組立構造において、該透過部材の端部に設けた折り返し部を延長、若しくは凹凸部を設け、該透過部材間に外部とは閉じられた隙間空間を設けたことを特徴とする作業機のキャビンの低騒音化構造。
  2. 作業機のキャビンにおいて、ボンネット内部や走行部と接触する面に設置される取付部材の端部に設けた折り返し部を延長、又は凹凸部を設け、該取付部材とフロア間に外部とは閉じられた隙間空間を設けたことを特徴とする作業機のキャビンの低騒音化構造。
  3. 作業機のキャビンにおいて、エンジンボンネット内部や走行部と接触する面の壁面を構成する後輪のフェンダに凹凸部を形成し、該フェンダと該フェンダに貼設される操縦部の内装材との間に隙間空間を設けたことを特徴とする作業機のキャビンの低騒音化構造。
  4. 前記隙間空間に吸音材を充填したことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の作業機のキャビンの低騒音化構造。
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