JP4118387B2 - 支承装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、免震建物、建物のエキスパンション、渡り廊下、屋根支持部、橋梁等の構造体を支承する部分に用いられる支承装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例のような構造体を支承する支承装置としては、例えば、積層ゴム支承と、滑り支承と、その積層ゴム支承と滑り支承とを複合した複合型支承とがある。
【0003】
第1従来例の積層ゴム支承11は、図14に示すように、上部構造体Aと下部構造体Bとの間に、ゴム材料12と金属板13とを積層してなる積層ゴム14を配設し、上部構造体Aに付与される横揺れに対応して積層ゴム14を任意方向に繰り返し変形させ、上部構造体Aの横揺れを軽減する構造である。
【0004】
第2従来例の滑り支承21は、図15に示すように、上部構造体Aに固定したステンレス板22から成るすべり材料と、下部構造体Bに固定した滑り材料23とを対接し、相互を任意方向に繰り返し変位させて上部構造体Aの横揺れを軽減する構造である。
【0005】
第3従来例の複合型支承31は、図16に示すように、上部構造体Aと下部構造体Bとの間に、上述した積層ゴム支承11と滑り支承21とを上下に積層して配設し、相互の免震作用により上部構造体Aの横揺れを軽減する構造であり、例えば、特公平7−26441号の公報には、積層ゴム支承11と滑り支承21を複合型支承31とは逆に配置した構成が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、第1従来例の積層ゴム支承11は、積層ゴム14を変形させて、上部構造体Aに付与される横揺れを軽減する構造であるが、横揺れの軽減に要する変形量に対して積層ゴム支承11の構成部材であるゴムの外径と高さが決定されるため、上部構造体Aの荷重が小さく、横揺れの変形量が大きいときは大型の積層ゴム支承11を必要とするため、設置するスペースの確保が難しくなる。また横揺れの変形量を小さく抑える手段として機械式ダンパー装置を取付ける場合には、コストアップを招くことになる。
【0007】
さらに、上部構造体Aの荷重及び変形時の応力により、積層ゴム14にクリープが起きたり、他の支承とに段差が生じたりすることがあり、支承される上部構造体Aの傾きが大きくなるため、安定性が悪くなるという問題点を有している。
【0008】
第2従来例の滑り支承21は、ステンレス板22から成るすべり材料と滑り材料23とを滑動して、上部構造体Aに付与される横揺れを軽減する構造であるが、上部構造体Aが静止するとき、ステンレス板22から成るすべり材料と滑り材料23との接触抵抗(摩擦抵抗)により、上部構造体Aが変位した位置に停止されることになり、元の位置に復帰させることができない。
【0009】
且つ、ステンレス板22から成るすべり材料と滑り材料23との中心がずれるため、上部構造体Aの静止側に横揺れが生じても、ステンレス板22が殆ど移動せず、静止後の横揺れを軽減することができないという問題点を有している。
【0010】
第3従来例の複合型支承31は、第1従来例の積層ゴム支承11と、第2従来例の滑り支承21とを上下に積層した構造であるので、上述した構造的な欠点を有しており、積層ゴム14が変形したとき、滑り支承21の水平度が損なわれやすく、滑り支承21による免震機能が期待できない。且つ、装置全体の構造が複雑となるため、装置の設計及び設置に手間が掛かり、コストアップとなる問題点を有している。
【0011】
この発明は上記問題に鑑み、復元材の復元力により、横揺れにより生じた変位量だけ上部構造体を移動させ、上部構造体を元の位置に復帰するので、上部構造体の位置及び姿勢が安定する。且つ、上部構造体の変位方向及び変位範囲が限定されず、全方向の横揺れを軽減する免震効果が得られると共に、上部構造体の免震設計を容易にする安価な支承装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上部構造体に固定される上部アンカープレートと下部構造体に固定される下部アンカープレートを有し、上部アンカープレートと下部アンカープレートの間に滑り部材を備えた滑り支承が配置される支承装置であって、上端面を上部アンカープレート下面に下端面を下部アンカープレート上面に固定され上記滑り支承と対応する高さで単一かつ円柱状のゴム材料からなる復元材を有し、上記滑り支承は、該復元材から所定間隔を離して外周を囲繞し、該復元材の中心を中心とした同心円上に、該上部アンカープレート下面に上端面が固定されたリング状の上部支持部材と該下部アンカープレート上面に下端面が固定されたリング状の下部支持部材を有し、該上部支持部材の下面に備えられた平面状の滑り部材と該下部支持部材の上面に備えられた平面状の滑り部材とが滑動可能に互いに当接している支承装置であることを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、上部構造体に固定される上部アンカープレートと下部構造体に固定される下部アンカープレートを有し、上部アンカープレートと下部アンカープレートの間に滑り部材を備えた滑り支承が配置される支承装置であって、上端面を上部アンカープレート下面に下端面を下部アンカープレート上面に固定され上記滑り支承と対応する高さで単一かつリング状のゴム材料からなる復元材を有し、上記滑り支承は、該復元材から所定間隔を離し、該復元材に外周を囲繞され、該復元材の中心を中心とした同心円上に、該上部アンカープレート下面に上端面が固定された円柱状の上部支持部材と該下部アンカープレート上面に下端面が固定された円柱状の下部支持部材を有し、該上部支持部材の下面に備えられた平面状の滑り部材と該下部支持部材の上面に備えられた平面状の滑り部材とが滑動可能に互いに当接している支承装置であることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2記載の構成と併せて、上記上部支持部材と上記下部支持部材の間に介設される上記滑り支承が複数層から成る支承装置であることを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、上記請求項1記載の構成と併せて、上記上部支持部材又は上記下部支持部材に、互いに当接する上記滑り部材同士の変位量を規制する規制部を設けた支承装置であることを特徴とする。
【0016】
【作用】
請求項1及び2記載の支承装置は、地震発生時に於いて、上部支持部材と下部支持部材の滑動が許容されたとき、上下の支持部材を任意方向に繰り返し変位させて、上部構造体に付与される横揺れを軽減する。上部構造体が静止するまえに、ゴム材料からなる復元材の復元力により、上下構造体の間に生じた変位量だけ上部構造体を移動させ、上部構造体を元の位置に復帰する。同時に、復元材と滑り部材を介した上下支持部材を同心円上に配置しているので上下の支持部材を相互の支承中心が略一致する状態に復帰する。
【0017】
さらに、請求項1記載の支承装置は、上下支持部材の内側に配設した復元材を中心として、上下の支持部材を任意方向に変位させると共に、相互の中心が略一致する位置及び状態に復帰するので、上下滑り部材の対接状態が維持され、上部構造体が元の位置に復帰される。
加えて、滑り部材が任意方向に変位したとき、その内側に配設した復元材に滑り部材が当接し、予め設定した変位量に規制するので、滑り支承が分離したり、支承機能が損なわれたりするのを確実に防止することができ、機能の維持及び安定を図ることができる。
【0018】
また、請求項2記載の支承装置は、対接する上下支持部材の外側に配設した復元材により、上下の支持部材を予め設定した変位量に規制し、相互の中心が略一致する位置及び状態に常時復帰するので、上下滑り部材の対接状態が維持され、上部構造体が元の位置に復帰される。
滑り部材が任意方向に変位したとき、その外側に配設した復元材に滑り部材が当接し、予め設定した変位量に規制されるので、滑り支承が分離したり、支承機能が損なわれたりするのを確実に防止することができ、機能の維持及び安定を図ることができる。
【0019】
請求項3記載の支承装置は、上記請求項1又は2記載の作用と併せて、複数積層した滑り部材を同一方向又は任意方向に変位させ、全段又は複数段の滑り部材に生じた変位量だけ移動するので、上部構造体に付与される大きな横揺れが軽減される。
【0020】
請求項4記載の支承装置は、上記請求項1記載の作用と併せて、上下の支持部材と滑り部材を、一方又は両方の支持部材に設けた規制部により所定の変位量に規制するので、滑り支承が分離するのを確実に防止することができる。
【0021】
【発明の効果】
この発明によれば、上部構造体が静止するまえに、復元材の復元力により、生じた変位量だけ上部構造体を移動させ、上部構造体を元の位置に復帰させるので、上部構造体の位置及び姿勢が安定する。且つ、上下の支持部材を、相互の中心が略一致する位置及び状態に復帰させるので、従来例のように支持部材の変位方向及び変位範囲が限定されず、全方向(水平方向)に対する変位が許容されるため、静止後に於いて、上部構造体に付与される全方向の横揺れを軽減する免震効果が確実に得られる。
【0022】
しかも、上部構造体の荷重が対接する上下支持部材に付与されるので、復元材には荷重が殆ど付与されず、従来例のように復元材にクリープが生じたり、その復元力が低下したりするのを確実に防止することができ、滑り部材による免震機能及び復元材による復元機能が安定して得られる。
【0023】
さらに、内側に配設した復元材を中心として上下の支持部材を予め設定した変位量に規制し、又は、外側に配設した復元材により上下の支持部材を予め設定した変位量に規制するので、相互の中心が略一致する位置及び状態に常時復帰され、上下の支持部材が分離したり、支承機能が損なわれたりするのを確実に防止することができ、機能の維持及び安定を図ることができる。
【0024】
さらにまた、複数積層した滑り部材を同一方向又は任意方向に変位して、複数の滑り部材に生じた変位量だけ移動するので、第2従来例のように一つの滑り支承を変位するよりも、その変位量が大きく、大きな横揺れを免震する効果が得られる。且つ、複数の滑り部材は、任意の方向及び任意の移動量だけ変位するので、上部構造体に付与される横揺れが大幅に軽減され、免震機能が向上する。
【0025】
さらにまた、上下の支持部材を、一方又は両方の支持部材に設けた支承規制部により所定の変位量に規制するので、免震時に於いて、滑り支承が分離したり、支承機能が損なわれたりするのを確実に防止することができ、免震機能が安定して得られる。
【0026】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
【0027】
図面はリング状に形成し同芯状に配置した上部支持部材と下部支持部材の内周側中心部に復元材として柱状弾性部材を配設した第1実施例の支承装置を示し、図1、図2、図3に於いて、この支承装置1は、上部構造体Aの下面と下部構造体Bの上面に、それぞれ上部アンカープレート7aと下部アンカープレート7bが固定され、各々の下面と上面に、リング形状に形成した上部支持部材6aの上端面と下部支持部材6bの下端面が固定され、上部支持部材6aの下端面と下部支持部材6bの上端面は、滑り支承2を構成する滑り部材3,4を介して摺動可能に当接し、その上部支持部材6aと下部支持部材6bの内周側中心部に、上部構造体Aを元の位置に復帰するのに必要な復元力を有する復元材5を配設している。
【0028】
滑り支承2は、金属製の滑り部材3(例えば鏡面仕上げされたステンレス板)と、合成樹脂製の滑り部材4(例えば四ふっ化エチレン樹脂)とで構成され、その滑り部材3,4を互いに当接して、上部支持部材6aの下端面及び下部支持部材6bの上端面に固定されている。
【0029】
上部支持部材6aと下部支持部材6bは、上部構造体A及び下部構造体Bの支承部分に対して各々上部アンカープレート7aと下部アンカープレート7bを介して固定され、上部構造体A側に固定した上部支持部材6aの支承面には、滑り板として金属製の滑り部材3(例えば、鏡面仕上げしたステンレス板の他に、スチール板又はその他の滑り部材4の低摩擦係数を維持できる材料)を固定している。
【0030】
その滑り部材3(ステンレス板)の他には、例えば、鋼材に、硬質クロムメッキ処理、モリブデン処理等を施した材料又はその他の低摩擦係数を有する材料が好ましい。
【0031】
下部構造体Bに固定した下部支持部材6bの支承面には、滑り材料として合成樹脂製の滑り部材4(例えば、四ふっ化エチレン樹脂の他に、低摩擦係数を有する樹脂材料又はその材料が好ましい)を固定している。
【0032】
上部支持部材6a及び下部支持部材6bは、復元材5の外周面が囲繞される大きさ及び形状に形成され、その内周側中心部には、静止状態の滑り支承2と対応する高さであって、内側中心部に対して収納可能な大きさ及び形状に形成した復元材5(例えばゴム材料)を固定している。
【0033】
復元材5の上下端面は、各々上部構造体A及び下部構造体Bに取付けられた上部アンカープレート7aの上端面と下部アンカープレート7bの下端面の中央部支承面に対して一体的に固定している。
【0034】
その復元材5は、例えば、柱状の弾性体すなわちゴム材料から成る柱状弾性体や金属板を平行に配置した柱状ゴム材料、鋼製のコイルバネや鋼製板バネ又はその他の上部構造体Aを元の位置に復帰するのに必要な復元力が得られる水平バネのようなものがよい。なお、復元力は、滑り部材3,4間に生じる接触抵抗(摩擦抵抗)と、復元材5自体の復元力とを任意に変更して調節するものとする。
【0035】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、支承装置1による免震動作を説明する。
地震発生時に於いて、図1、図2に示すように、滑り支承2を構成する滑り部材3,4を、その滑動が許容されるまで一体的に移動して、上部構造体Aに地震変位を伝えるため、上部構造体Aと下部構造体Bとが同一方向に変位される。
【0036】
滑り支承2を構成する滑り部材3,4の滑動が許容されたとき、復元材5を中心として、上下の支持部材6a,6bを任意方向に繰り返し変位させ、水平方向の応力(横揺れ)を減衰するので、上部構造体Aに付与される横揺れが軽減される。上部支持部材6aが任意方向に変位したとき、その内側に配設した復元材5に上部支持部材6a及び下部支持部材6bが当接し、予め設定した変位量Wに規制される。
【0037】
上部構造体Aが静止するまえに、復元材5の復元力により、滑り部材3,4の間に生じた変位量Wだけ上部構造体Aを移動させ、上部構造体Aを元の位置まで復帰させる。同時、滑り部材3を、滑り部材4の中心に対して略一致する状態に復帰させる。
【0038】
以上のように、復元材5の復元力により、生じた変位量Wだけ上部構造体Aを移動させ、上部構造体Aを元の位置に復帰させるので、上部構造体Aの位置及び姿勢が安定する。且つ、滑り部材3,4を、相互の中心が略一致する位置及び状態に復帰するので、従来例のように支持部材の変位方向及び変位範囲が限定されず、全方向(水平方向)に対する変位が許容されるため、静止後に於いて、上部構造体Aに付与される全方向の横揺れを軽減する免震効果が確実に得られる。
【0039】
しかも、上部構造体Aの荷重が上下支持部材6a,6bに付与されているので、復元材5には荷重が殆ど付与されず、従来例のように復元材5にクリープが生じたり、その復元力が低下したりするのを確実に防止することができ、滑り支承2による免震機能及び復元材5による復元機能が安定して得られる。
【0040】
さらに、復元材5を中心として、上下の滑り部材3,4を任意方向に変位すると共に、相互の中心が略一致する位置及び状態に復帰されると共に、滑り部材3が任意方向に変位したとき、その内側に配設した復元材5に滑り部材3が当接し、予め設定した変位量Wに規制するので、滑り部材3,4が分離したり、支承機能が損なわれたりするのを確実に防止することができ、機能の維持及び安定を図ることができる。
【0041】
図4、図5、図6は、上下支持部材6a,6bの外側に、その外周面が囲繞される大きさ及び形状に形成したリング状の復元材5を配設した第2実施例の支承装置1を示し、上述と同様に、滑り支承2を構成する滑り部材3,4の滑動が許容されたとき、滑り部材3を任意方向に繰り返し変位させて、上部構造体Aに付与される横揺れを軽減する。
【0042】
滑り部材3が任意方向に変位したとき、その外側に配設した復元材5に滑り部材3及び上部支持部材6aと、滑り部材4及び下部支持部材6bが当接し、予め設定した変位量Wに規制される。且つ、上部構造体Aが静止するまえに、復元材5の復元力により、上部構造体Aを元の位置に復帰させるので、上部構造体Aの位置及び姿勢が安定し、第1実施例と同等の作用効果を奏することができる。
【0043】
また、図7に示すように、上下支持部材6a,6bの外側に、その支持部材6a,6bを中心として複数の復元材5を円周方向に対して所定間隔に隔てて配設しても、上述と同等の作用効果を奏することができる。
【0044】
図8、図9は、滑り材3a,4aを中間支持部材6cの上下端面に固定して構成される滑り部材3,4を上下に複数積層し、その内周側中心部に復元材5を配設した第3実施例の支承装置1を示し、滑り部材3,4を摺動可能に対接して滑り支承2を構成している。
【0045】
地震発生時に於いて、滑り支承2を構成する滑り部材3,4の滑動が許容されたとき、複数の支持部材6a,6b,6c又は滑り部材3,4を同一方向又は任意方向に繰り返し変位させ、任意の方向及び任意の移動量だけ変位するので、上部構造体Aに付与される横揺れが大幅に軽減され、免震機能が向上する。
【0046】
同時に、複数の滑り部材3,4に生じた変位量Wだけ移動するので、第2従来例のように一つの滑り支承を変位するよりも、その変位量Wが大きく、大きな横揺れを免震する効果が得られる。
【0047】
且つ、全段又は任意段の滑り部材3,4が復元材5に当接し、予め設定した変位量Wに規制される。上部構造体Aが静止するまえに、復元材5の復元力により、複数の滑り支承2に生じた変位量Wだけ上部構造体Aを移動させ、上部構造体Aを元の位置に復帰するので、上部構造体Aの位置及び姿勢が安定し、第1実施例と同等の作用効果を奏することができる。
【0048】
また、先述した第2実施例のように、複数積層した滑り支承2の外側に、その外周面が囲繞される大きさ及び形状に形成したリング状の復元材5を配設するもよく、上述と同等の作用効果を奏することができる。
【0049】
図10、図11は、上段側滑り部材3の外周縁部と対応する上部アンカープレート7aの下面側周縁部に、その滑り部材3の変位量Wを規制する規制部8を連続して形成した第4実施例の支承装置を示し、滑り支承2を構成する滑り部材3,4の滑動が許容されたとき、滑り部材3を任意方向に繰り返し変位させて、上部構造体Aに付与される横揺れを軽減する。
【0050】
一方に滑り部材3が移動したとき、上部アンカープレート7aに形成した規制部8が、その下段側に配設した滑り部材4及び支承部材6の外周縁部に当接し、予め設定した変位量Wに規制されるため、滑り部材3,4が分離したり、支承機能が損なわれたりするのを確実に防止することができる。
【0051】
且つ、上部構造体Aが静止するまえに、復元材5の復元力により、滑り部材3,4に生じた変位量Wだけ上部構造体Aを移動させ、上部構造体Aを元の位置に復帰するので、第1実施例と同等の作用効果を奏することができる。
【0052】
なお、上述した規制部8を部分的に形成してもよく、また、滑り部材4の外周縁部と対応する支持部材7の上面側周縁部に設けてもよく、上述と同等の作用効果を奏することができる。
【0053】
図12、図13は、複数積層した滑り支承2に於いて、上段側に配設した滑り部材3,4の外周縁部と対応する上部支持部材6a及び中間支持部材6cの下面側周縁部に、その滑り部材3,4の変位量Wを規制する規制部8を連続して形成した第5実施例の支承装置1を示し、滑り部材3,4を摺動可能に対接した状態に配置している。
【0054】
滑り支承2を構成する滑り部材3,4の滑動が許容されたとき、複数の滑り部材3,4を同一方向又は任意方向に変位させ、上段側に配設した上部支持部材6a及び中間支持部材6cの規制部8が、その下段側に配設した中間支持部材6cの外周縁部に当接して、全段又は任意段の滑り部材3,4を任意方向に変位すると共に、複数の滑り部材3,4を、予め設定した変位量Wに順次規制(下段側から)する。
【0055】
且つ、上部構造体Aが静止するまえに、復元材5の復元力により、複数の滑り支承2に生じた変位量Wだけ上部構造体Aを移動させ、上部構造体Aを元の位置に復帰するので、第3及び第4実施例と同等の作用効果を奏することができる。
【0056】
なお、上述した規制部8を部分的に形成してもよく、また、下段側に配置した中間支持部材6cの上面側周縁部に設けてもよく、上述と同等の作用効果を奏することができる。
【0057】
また、第4及び第5実施例を構成する滑り支承2の外側に、リング状の復元材5又は複数の復元材5を配設してもよく、第2実施例と同等の作用効果を奏することができる。
【0058】
なお、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0059】
また、上下の滑り部材3,4を構成する上下段の中間支持部材6c…に対してその外径上下反対に形成し対接させてもよく、上述した実施例と同等の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の支承装置を示す側面図。
【図2】 復元材による上部構造体の復帰動作を示す側面図。
【図3】 滑り支承の内側に復元材を配設した状態を示す平面図。
【図4】 第2実施例の支承装置を示す側面図。
【図5】 復元材による上部構造体の復帰動作を示す側面図。
【図6】 滑り支承の外側に復元材を配設した状態を示す平面図。
【図7】 滑り支承の外側に復元材を複数配設した状態を示す平面図。
【図8】 第3実施例の支承装置を示す側面図。
【図9】 復元材による上部構造体の復帰動作を示す側面図。
【図10】 第4実施例の支承装置を示す側面図。
【図11】 復元材による上部構造体の復帰動作を示す側面図。
【図12】 第5実施例の支承装置を示す側面図。
【図13】 復元材による上部構造体の復帰動作を示す側面図。
【図14】 第1従来例の支承装置を示す側面図。
【図15】 第2従来例の支承装置を示す側面図。
【図16】 第3従来例の支承装置を示す側面図。
【符号の説明】
A…上部構造体
B…下部構造体
W…変位量
1…支承装置
2…滑り支承
3,4…滑り部材
5…復元材
6a,6b,6c…支持部材
7a,7b…アンカープレート
8…規制部
Claims (4)
- 上部構造体に固定される上部アンカープレートと下部構造体に固定される下部アンカープレートを有し、上部アンカープレートと下部アンカープレートの間に滑り部材を備えた滑り支承が配置される支承装置であって、
上端面を上部アンカープレート下面に下端面を下部アンカープレート上面に固定され上記滑り支承と対応する高さで単一かつ円柱状のゴム材料からなる復元材を有し、
上記滑り支承は、該復元材から所定間隔を離して外周を囲繞し、該復元材の中心を中心とした同心円上に、
該上部アンカープレート下面に上端面が固定されたリング状の上部支持部材と該下部アンカープレート上面に下端面が固定されたリング状の下部支持部材を有し、
該上部支持部材の下面に備えられた平面状の滑り部材と該下部支持部材の上面に備えられた平面状の滑り部材とが滑動可能に互いに当接していることを特徴とする
支承装置。 - 上部構造体に固定される上部アンカープレートと下部構造体に固定される下部アンカープレートを有し、上部アンカープレートと下部アンカープレートの間に滑り部材を備えた滑り支承が配置される支承装置であって、
上端面を上部アンカープレート下面に下端面を下部アンカープレート上面に固定され上記滑り支承と対応する高さで単一かつリング状のゴム材料からなる復元材を有し、
上記滑り支承は、該復元材から所定間隔を離し、該復元材に外周を囲繞され、該復元材の中心を中心とした同心円上に、
該上部アンカープレート下面に上端面が固定された円柱状の上部支持部材と該下部アンカープレート上面に下端面が固定された円柱状の下部支持部材を有し、
該上部支持部材の下面に備えられた平面状の滑り部材と該下部支持部材の上面に備えられた平面状の滑り部材とが滑動可能に互いに当接していることを特徴とする
支承装置。 - 上記上部支持部材と上記下部支持部材の間に介設される上記滑り支承が複数層から成ることを特徴とする
請求項1又は2記載の支承装置。 - 上記上部支持部材又は上記下部支持部材に、互いに当接する上記滑り部材同士の変位量を規制する規制部を設けたことを特徴する
請求項1記載の支承装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14242298A JP4118387B2 (ja) | 1998-05-25 | 1998-05-25 | 支承装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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