JP4118202B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置及びその製造方法に関し、特に、第1電極及び第2電極が容量絶縁膜を介して配置されてなるMIM(Metal-Insulator-Metal)容量素子を備えた半導体装置及びその製造方法に関するものである。本明細書において容量絶縁膜とは第1電極と第2電極の間に設けられた絶縁膜をいう。
【0002】
【従来の技術】
半導体製品は、ますます高集積化が進み、微細化が要求される。このため、配線において、抵抗の増加やEM(エレクトロマイグレーション)劣化により歩留まりや信頼性の低下が懸念される。そこで、従来から用いられているアルミニウム(Al)に代わって、銅(Cu)を主成分とした配線が用いられるようになってきた。
【0003】
アルミニウム配線を形成する工程ではドライエッチングにより配線パターンを形成している。しかし、銅配線を形成する工程では、銅はアルミニウムのようには反応生成物の気化性が良くないことから、ドライエッチングを用いることができない。そのため、層間絶縁膜に配線用の溝を形成し、その溝に銅を埋め込んで銅配線を形成するダマシン(damascene)法が用いられている。
【0004】
一方、半導体製品の性能向上やアナログ対応のために、配線間の正規容量が使われ、MIM容量素子やPIP(Poly silicon-Insulator-Poly silicon)容量素子が用いられている。
【0005】
図10に従来のMIM容量素子の断面図を示す。
半導体基板(図示は省略)上に形成された層間絶縁膜101の表面側にMIM容量素子の第1電極を構成する第1電極パターン103が形成されている。第1電極パターン103は平板状の金属材料からなり、図10ではダマシン法により銅が埋め込まれて形成された例を示している。
【0006】
層間絶縁膜101上及び第1電極パターン103上にMIM容量素子の容量を構成する酸化膜や窒化シリコン膜などの絶縁膜105が形成されている。第1電極パターン103の形成領域と一部重なって絶縁膜105上にMIM容量素子の第2電極を構成する第2電極パターン107が形成されている。第2電極パターン107は平板状の金属材料からなり、図10ではアルミニウムにより形成された例を示している。第1電極パターン103と第2電極パターン107は絶縁膜105を介して配置されており、第1電極パターン103と第2電極パターン107の重なっている領域が容量となる。
【0007】
第2電極パターン107上を覆うように絶縁膜105に層間絶縁膜109が形成されている。第2電極パターン107とは重なっていない領域の第1電極パターン103上の所定の領域において、層間絶縁膜109及び絶縁膜105にスルーホール111が形成されている。層間絶縁膜109には第2電極パターン107上の所定の領域に対応してスルーホール113も形成されている。スルーホール111内及び層間絶縁膜109上に第1電極パターン103と電気的接続を取るためのアルミニウム配線115が形成されている。スルーホール113内及び層間絶縁膜109上に第2電極パターン107と電気的接続を取るためのアルミニウム配線117が形成されている。
【0008】
層間絶縁膜109は、図示しない領域に第1電極パターン103と同時に形成された下層メタル配線と、第2電極パターン107と同時に形成された上層メタル配線の間の寄生容量を低減するために絶縁膜105に比べて十分厚い膜厚に形成されている。
図10に示したように、従来のMIM容量素子は、大きな一対の平行平板電極(第1電極パターン103及び第2電極パターン107)を必要とし、高集積化の妨げとなっている。
【0009】
図10では第2電極がアルミニウムにより形成されている例を示したが、ダマシン法により形成された第1電極及び第2電極を備えたMIM容量素子がある(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、MIM容量素子として用いられる上層の銅配線と下層の銅配線の形状を、四角以外の格子状、すのこ状又はくし形の形状にし、その上層に銅の拡散防止膜を形成することにより、容量素子での電気的なリークを効果的に抑えることを特徴としている。しかし、この従来技術でも、一対の大きな電極板を必要とし、容量素子の面積サイズの低減にはならない。
【0010】
また、銅を用いたダマシン法により形成された第1電極(下層電極)と、MIM容量素子形成領域以外の領域ではパッシベーション膜も兼ねる容量絶縁膜と、MIM容量素子形成領域以外の領域ではボンディングパッドも兼ねるアルミニウムからなる第2電極を備えたMIM容量素子がある(特許文献2参照)。しかし、この従来技術でも、一対の大きな電極板を必要とし、容量素子の面積サイズの低減にはならない。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−237375号公報
【特許文献2】
特開2001−223339号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、容量素子部の縮小化を図ることができるMIM容量素子を備えた半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
半導体装置の参考例は、金属材料からなる第1電極及び第2電極が容量絶縁膜を介して配置されてなるMIM容量素子を備えた半導体装置であって、上記第1電極は異なる2層に形成され、かつ互いに電気的に接続された下層側第1電極パターン及び上層側第1電極パターンからなり、上記第2電極は上記下層側第1電極パターンと上記上層側第1電極パターンの間に容量絶縁膜を介して配置された第2電極パターンからなるものである。
【0014】
第2電極を構成する第2電極パターンを、異なる2層に形成され、かつ互いに電気的に接続された下層側第1電極パターン及び上層側第1電極パターンからなる第1電極によって挟んだ構造にすることにより、単位面積あたりの電気容量を従来技術に比べて2倍程度に大きくすることができる。この構造により、容量素子部の縮小化を図ることができ、半導体装置の高集積化を図ることができる。本明細書において容量素子部とは容量素子が形成される領域をいう。
【0015】
本発明の半導体装置の製造方法の第1局面は、金属材料からなる第1電極及び第2電極が容量絶縁膜を介して配置されてなるMIM容量素子を備えた半導体装置の製造方法であって、以下の工程(A)から(E)を含む。
(A)半導体基板上に形成された第1層間絶縁膜上に下層側第1電極パターンを形成する下層側第1電極パターン形成工程、
(B)上記下層側第1電極パターンの表面に下層側容量絶縁膜を形成する下層側容量絶縁膜形成工程、
(C)上記下層側第1電極パターンの形成領域の少なくとも一部分と重なるように上記下層側容量絶縁膜上に第2電極パターンを形成し、上記第2電極パターンの表面に上層側容量絶縁膜を形成する第2電極パターン及び上層側容量絶縁膜形成工程、
(D)上記上層側容量絶縁膜上を含む半導体基板上に第2層間絶縁膜を形成する第2層間絶縁膜形成工程、
(E)上記第2層間絶縁膜に、上記第1電極パターンを上層側に電気的に接続するための第1接続孔、上記第2電極パターンを上層側に電気的に接続するための第2接続孔、並びに、上記上層側容量絶縁膜及び上記第1接続孔の形成領域を含む領域に開口部を形成した後、上記開口部、上記第1接続孔及び上記第2接続孔に金属材料を埋め込んで、上記第2電極パターン上に上記上層側容量絶縁膜を介して上層側第1電極パターンを形成する接続孔及び上層側第1電極パターン形成工程。
【0016】
本発明の半導体装置の製造方法の第1局面によれば、第2電極パターンからなる第2電極を、異なる2層に形成され、かつ互いに電気的に接続された下層側第1電極パターン及び上層側第1電極パターンからなる第1電極によって挟んだ構造をもつMIM容量素子を形成することができる。これにより、単位面積あたりの電気容量を従来技術に比べて2倍程度に大きくすることができ、容量素子部の縮小化及び半導体装置の高集積化を図ることができる。さらに、従来技術と同じ写真製版回数で、上記構造のMIM容量素子を容易に形成することができる。
【0017】
本発明の半導体装置は、MIM容量素子を備えた半導体装置であって、同じ平面領域に縦方向に重畳して2つのMIM容量素子を備え、下層側MIM容量素子は、第1電極となる下層側電極パターンと、上記上層側電極パターン上に下層側容量絶縁膜を介して形成された、第2電極となる共通電極パターンにより構成され、上層側MIM容量素子は、第1電極となる上記共通電極パターンと、上記共通電極パターン上に上層側容量絶縁膜を介して形成された、第2電極となる上層側電極パターンにより構成されているものである。
【0018】
同じ平面領域に縦方向に重畳して2つのMIM容量素子を備えることにより、2つのMIM容量素子が異なる平面領域に配置されている従来技術に比べて容量素子部の縮小化を図ることができ、半導体装置の高集積化を図ることができる。
本発明の半導体装置において、下層側MIM容量素子と上層側MIM容量素子の平面面積が同じである場合、下層側容量絶縁膜と上層側容量絶縁膜の膜厚を同じにすれば下層側MIM容量素子と上層側MIM容量素子の容量値を同じにすることができ、両膜厚を異ならせれば両容量素子の容量値を異ならせることができる。
さらに、本発明の半導体装置では、異なる平面領域に同じ平面面積で形成された、上記下層側MIM容量素子及び上記上層側MIM容量素子の組を2組備え、一方の組の上記上層側電極パターンと他方の組の上記下層側電極パターンは互いに電気的に接続されており、一方の組の上記下層側電極パターンと他方の組の上記上層側電極パターンは互いに電気的に接続されており、一方の組の上記共通電極パターンと他方の組の上記共通電極パターンは互いに電気的に接続されている。
例えば、一方の組の上層側MIM容量素子をC1、下層側MIM容量素子をC2、他方の組の上層側MIM容量素子をC1’、下層側MIM容量素子をC2’とし、上層側MIM容量素子C1の上層側電極パターン及び下層側MIM容量素子C2’の下層側電極パターンが端子Aに電気的に接続され、上層側MIM容量素子C1’の上層側電極パターン及び下層側MIM容量素子C2の下層側電極パターンが端子Bに電気的に接続され、両組の共通電極パターンが端子Cに電気的に接続されているとすると、端子Aと端子Cの間にMIM容量素子C1及びC2’が接続され、端子Bと端子Cの間にMIM容量素子C1’及びC2が接続された回路構成となる。
ここで、両組において下層側容量絶縁膜は同じ膜厚に形成され、上層側容量絶縁膜は同じ膜厚に形成されているとすると、両組のMIM容量素子の形成面積は同じなので、上層側MIM容量素子C1,C1’の容量値は同じになり、下層側MIM容量素子C2,C2’の容量値は同じになる。
したがって、下層側容量絶縁膜と上層側容量絶縁膜の膜厚が同じ場合はもちろん、両膜厚が異なっていても、端子Aと端子Cの間に設けられたMIM容量素子C1及びC2’の合計容量値と、端子Bと端子Cの間に設けられたMIM容量素子C1’及びC2の合計容量値は同じになる。
これにより、端子Aと端子Cの間及び端子Bと端子Cの間に、精度の高いペア性をもつマッチングキャパシタ( matching capacitor )を形成することができる。
【0019】
本発明の半導体装置の製造方法の第2局面は、MIM容量素子を備えた半導体装置の製造方法であって、以下の工程(A)から(E)を含む。
(A)半導体基板上に形成された第1層間絶縁膜上に、下層側MIM容量素子の第1電極となる下層側電極パターンを形成する下層側電極パターン形成工程、
(B)上記下層側電極パターンの表面に下層側MIM容量素子の容量絶縁膜となる下層側容量絶縁膜を形成する下層側容量絶縁膜形成工程、
(C)上記下層側電極パターンの形成領域の少なくとも一部分と重なるように上記下層側容量絶縁膜上に、下層側MIM容量素子の第1電極及び上層側MIM容量素子の第2電極となる共通電極パターンと、上記共通電極パターンの表面に上層側MIM容量素子の容量絶縁膜となる上層側容量絶縁膜を形成する共通電極パターン及び上層側容量絶縁膜形成工程、
(D)上記上層側容量絶縁膜上を含む半導体基板上に第2層間絶縁膜を形成する第2層間絶縁膜形成工程、
(E)上記下層側電極パターン及び上記共通電極パターンの形成領域の少なくとも一部分と重なるように上記第2層間絶縁膜に開口部を形成した後、上記開口部に金属材料を埋め込んで、上記上層側容量絶縁膜上に、上層側MIM容量素子の第2電極となる上層側電極パターンを形成する上層側電極パターン形成工程。
【0020】
本発明の半導体装置の製造方法の第2局面によれば、同じ平面領域に縦方向に重畳して、第1電極となる下層側電極パターン、上記第1電極パターン上に下層側容量絶縁膜を介して形成された、第2電極となる共通電極パターンからなる下層側MIM容量素子と、第1電極となる上記共通電極パターンと、上記共通電極パターン上に上層側容量絶縁膜を介して形成された、第2電極となる上層側電極パターンからなる上層側MIM容量素子を形成することができる。これにより、2つのMIM容量素子が異なる平面領域に配置されている従来技術に比べて容量素子部の縮小化を図ることができ、半導体装置の高集積化を図ることができる。さらに、従来技術と同じ写真製版回数で、上記構造の2つのMIM容量素子を容易に形成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
半導体装置の参考例において、上記第1電極は、上記上層側第1電極パターンの上層に上記下層側第1電極パターン及び上記上層側第1電極パターンと電気的に接続された1層又は複数層の電極パターンをさらに備え、上記第2電極は、互いに電気的に接続された上記第2電極パターンを含む複数の電極パターンからなり、上記第1電極を構成する複数の電極パターンの間ごとに、上記第1電極を構成する電極パターンとは容量絶縁膜を介して配置されているようにしてもよい。その結果、単位面積あたりの電気容量をさらに大きくすることができる。
【0022】
また、半導体装置の参考例において、上記容量絶縁膜の一例として窒化シリコン膜を挙げることができる。例えば下層側第1電極パターンと、下層側第1電極パターンと同時に形成されるメタル配線の材料として銅を主成分とする金属材料を用いる場合に、窒化シリコン膜は、MIM容量素子の容量絶縁膜としてだけでなく、MIM容量素子の形成領域以外の領域において、銅の絶縁膜への拡散を防ぐためのキャップ層を兼ねることができる。
【0023】
また、半導体装置の参考例において、上記第1電極を構成する電極パターンは絶縁膜に形成された溝に埋め込まれて形成された銅を主成分とする金属材料からなり、上記第2電極を構成する電極パターンはアルミニウムを主成分とする金属材料からなるものを挙げることができる。これにより、銅を主成分とする金属材料からなる上層側第1電極及び下層側第2電極の間に、従来から用いられているアルミニウム層の形成技術により第2電極を配置することができ、製造プロセスが容易になる。
【0024】
本発明の半導体装置において、上記下層側容量絶縁膜及び上記上層側容量絶縁膜の一例として窒化シリコン膜を挙げることができる。例えば下層側電極パターンと、下層側電極パターンと同時に形成されるメタル配線の材料として銅を主成分とする金属材料を用いる場合に、下層側電極パターン上に配置される下層側容量絶縁膜として窒化シリコン膜を用いることにより、その窒化シリコン膜は下層側容量絶縁膜としてだけでなく、MIM容量素子の形成領域以外の領域において、銅の絶縁膜への拡散を防ぐためのキャップ層を兼ねることができる。また、上層側電極パターンと、上層側電極パターンと同時に形成されるメタル配線の材料として銅を主成分とする金属材料を用いる場合に、共通電極パターン上に配置される上層側容量絶縁膜として窒化シリコン膜を用いることにより、その窒化シリコン膜は上層側容量絶縁膜としてだけでなく、上層側電極パターン用の溝を層間絶縁膜(配線間絶縁膜)に形成する際のエッチングストッパー層を兼ねることができる。
【0025】
本発明の半導体装置において、上記下層側電極パターン及び上記上層側電極パターンは絶縁膜に形成された溝に埋め込まれて形成された銅を主成分とする金属材料からなり、上記共通電極パターンはアルミニウムを主成分とする金属材料からなるものを挙げることができる。これにより、銅を主成分とする金属材料からなる上層側電極パターン及び下層側電極パターンの間に、従来から用いられているアルミニウム層の形成技術により共通電極パターンを配置することができ、製造プロセスが容易になる。
【0027】
本発明の半導体装置の製造方法の第1局面において、上記第2電極パターン及び上層側容量絶縁膜形成工程(C)は、上記上層側容量絶縁膜として上記第2層間絶縁膜とはエッチング選択比があるものを形成し、上記上層側第1電極パターン形成工程(E)は、上記開口部を形成する際に上記上層側容量絶縁膜をエッチングストッパー層として用いることが好ましい。上記上層側容量絶縁膜と上記第2層間絶縁膜の組合せの一例として、上記容量絶縁膜は窒化シリコン膜、上記第2層間絶縁膜は酸化シリコン膜又はlow−k膜を挙げることができる。ここでlow−k膜とは低誘電率材料からなる絶縁膜を言う。上層側容量絶縁膜をエッチングストッパー層として用いることにより、MIM容量素子の容量絶縁膜に影響なく、上層側第1電極を形成するための開口部を容易に形成することができ、さらに、上層側第1電極と同時に形成するメタル配線を形成するための溝を容易に形成することができる。
【0028】
本発明の半導体装置の製造方法の第2局面において、上記共通電極パターン及び上層側容量絶縁膜形成工程(C)は、上記上層側容量絶縁膜として上記第2層間絶縁膜とはエッチング選択比があるものを形成し、上記上層側電極パターン形成工程(E)は、上記開口部を形成する際に上記上層側容量絶縁膜をエッチングストッパー層として用いることが好ましい。上記上層側容量絶縁膜と上記第2層間絶縁膜の組合せの一例として、上記上層側容量絶縁膜は窒化シリコン膜、上記第2層間絶縁膜は酸化シリコン膜又はlow−k膜を挙げることができる。上層側容量絶縁膜をエッチングストッパー層として用いることにより、上層側MIM容量素子の上層側容量絶縁膜に影響なく、上層側電極パターンを形成するための開口部を容易に形成することができ、さらに、上層側電極パターンと同時に形成するメタル配線を形成するための溝を容易に形成することができる。
【0029】
【実施例】
図1は半導体装置の参考例のMIM容量素子形成領域を示す断面図である。図2はその参考例のMIM容量素子形成領域及びMOS(metal oxide semiconductor)トランジスタ形成領域を示す断面図である。図1及び図2では、金属材料の拡散を防止するためのバリア層の図示は省略されている。
【0030】
半導体基板1の表面に素子分離用のフィールド酸化膜3が形成されている。フィールド酸化膜3で囲まれた領域の半導体基板1の表面側にLDD(lightly doped drain)構造のソース及びドレインを構成する2つの不純物拡散領域5が間隔をもって形成されている。2つの不純物拡散領域5間の半導体基板1上にゲート酸化膜7を介してゲート電極9が形成されている。ゲート電極9は例えばポリシリコン膜により形成されている。ゲート電極9の側面に、LDD構造を形成する際に用いられる酸化シリコン膜からなるサイドウォールスペーサ11が形成されている。
【0031】
フィールド酸化膜3上、不純物拡散領域5上、ゲート電極9上及びサイドウォールスペーサ11上を含む半導体基板1上全面に第1層間絶縁膜の下層側を構成する絶縁膜、例えば酸化シリコン膜13が形成されている。酸化シリコン膜13の膜厚は例えば3000〜10000Å(オングストローム)、ここでは5000Åである。酸化シリコン膜13には、各不純物拡散領域5に対応してコンタクトホール15がそれぞれ形成されている。コンタクトホール15内には導電材料、例えばタングステン17が充填されている。
【0032】
酸化シリコン膜13上に第1層間絶縁膜の上層側を構成する絶縁膜、例えばlow−k膜19が形成されている。low−k膜19の膜厚は例えば1000〜5000Å、ここでは3000Åである。low−k膜19にはMIM容量素子の形成領域に対応して開口部が形成されており、その開口部に金属材料、例えば銅が埋め込まれてMIM容量素子の下層側第1電極パターン21が形成されている。下層側第1電極パターン21の膜厚はlow−k膜19の膜厚と同じであり、例えば1000〜5000Å、ここでは3000Åである。
【0033】
また、low−k膜19にはコンタクトホール15の形成領域を含む配線形成領域に溝が形成されており、その溝に金属材料、例えば銅が埋め込まれて第1層目のメタル配線23が形成されている。不純物拡散領域5と第1層目のメタル配線23はコンタクトホール15内に充填されたタングステン17を介して電気的に接続されている。
【0034】
low−k膜19上、下層側第1電極パターン21上及びメタル配線23上に、MIM容量素子の形成領域においてMIM容量素子の下層側容量絶縁膜を構成する絶縁膜、例えば窒化シリコン膜25が形成されている。窒化シリコン膜25の膜厚は例えば100〜1000Å、ここでは500Åである。
【0035】
MIM容量素子の形成領域の窒化シリコン膜25上に、下層側第1電極パターン21の形成領域と一部重なるように、MIM容量素子の第2電極を構成する第2電極パターン27が形成されている。第2電極パターン27は例えば膜厚が1000〜5000Å、ここでは2000Åのアルミニウムにより形成されている。
【0036】
第2電極パターン27の上面にMIM容量素子の上層側容量絶縁膜を構成する絶縁膜、例えば窒化シリコン膜29が形成されている。窒化シリコン膜29の膜厚は窒化シリコン膜25と同じであり、例えば100〜1000Å、ここでは500Åである。
【0037】
第2電極パターン27及び窒化シリコン膜29を覆うように、窒化シリコン膜25上に第2層間絶縁膜を構成する絶縁膜、例えばlow−k膜31が形成されている。low−k膜31の膜厚は例えば2000〜10000Å、ここでは5500Åである。下層側第1電極パターン21の形成領域の第2電極パターン27とは重なっていない領域のうち所定の領域の窒化シリコン膜25及びlow−k膜31にスルーホール(接続孔)33が形成されている。
【0038】
low−k膜31には下層側第1電極パターン21の形成領域に対応して、スルーホール33と連通する開口部35が形成されている。開口部35は窒化シリコン膜29上では窒化シリコン膜29が露出するように形成されている。開口部35の深さはlow−k膜31の膜厚から第2電極パターン27の膜厚及び窒化シリコン膜29の膜厚を差し引いたものであり、例えば1000〜5000Å、ここでは3000Åである。
【0039】
スルーホール33内及び開口部35内に金属材料、例えば銅が埋め込まれてMIM容量素子の上層側第1電極パターン37が形成されている。上層側第1電極パターン37の膜厚は開口部35の深さと同じであり、例えば1000〜5000Å、ここでは3000Åである。下層側第1電極パターン21と上層側第1電極パターン37はスルーホール33を介して電気的に接続されている。
【0040】
第2電極パターン27の形成領域の上層側第1電極パターン37とは重なっていない領域のうち所定の領域の窒化シリコン膜29及びlow−k膜31にスルーホール39が形成されている。スルーホール39内に金属材料、例えば銅が埋め込まれて第2層目のメタル配線41が形成されている。
【0041】
また、窒化シリコン膜29及びlow−k膜31には第1層目のメタル配線23上の所定の領域に対応してスルーホール43が形成されている。スルーホール43の形成領域を含むlow−k膜31の表面側の配線形成領域に溝が形成されており、その溝及びスルーホール43内に金属材料、例えば銅が埋め込まれて第2層目のメタル配線45が形成されている。第1層目のメタル配線23と第2層目のメタル配線45はスルーホール43を介して電気的に接続されている。
【0042】
このように、MIM容量素子において、第2電極を構成する第2電極パターン27を、異なる2層に形成され、かつ互いに電気的に接続された下層側第1電極パターン21及び上層側第1電極パターン37からなる第1電極によって容量絶縁膜25,29を介して挟んだ構造にすることにより、単位面積あたりの電気容量を従来技術に比べて2倍程度に大きくすることができる。この構造により、容量素子部の縮小化を図ることができ、半導体装置の高集積化を図ることができる。
【0043】
また、MIM容量素子の形成領域以外の領域において、窒化シリコン膜25は第1層目のメタル配線23を形成する銅がlow−k膜31へ拡散するのを防ぐキャップ層として機能している。
【0044】
図3は半導体装置の製造方法の第1局面の一実施例を示す工程断面図であり、MIM容量素子形成領域を示す。図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。図1及び図3を参照してこの実施例を説明する。図3では金属材料の拡散を防止するためのバリア層の図示は省略されており、バリア層の形成工程の説明は省略する。
【0045】
(1)例えばCVD(chemical vapor deposition)法により、MOSトランジスタなどの半導体素子が形成された半導体基板(図示は省略)上に酸化シリコン膜13を5000Åの膜厚に形成する。例えばCVD法又は回転塗布法により、酸化シリコン膜13上にlow−k膜19を3000Åの膜厚に形成する。low−k膜19は後工程で表面側の一部が研磨削除されるので、あらかじめ厚く形成されている。
【0046】
写真製版技術及びエッチング技術によりMIM容量素子形成領域のlow−k膜19を選択的に除去して開口部を形成し、メッキ技術によりその開口部内に銅を埋め込み、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により開口部外の銅を研磨削除して、例えば膜厚が3000Åの下層側第1電極パターン21を形成する。
【0047】
このように開口部や溝構造を形成し、金属材料を埋め込んで配線や電極パターンなどを形成する方法はダマシン法と呼ばれる。
その後、CVD法により、low−k膜19上及び下層側第1電極パターン21上に窒化シリコン膜25を500Åの膜厚に形成する(図3(a)参照)。
【0048】
(2)例えばスパッタ法により窒化シリコン膜25上にアルミニウム層を2000Åの膜厚に形成し、さらにその上に、例えばCVD法により窒化シリコン膜を窒化シリコン膜25と同じ膜厚(500Å)に形成する。写真製版技術及びエッチング技術により、窒化シリコン膜及びアルミニウム層を順次パターニングして、窒化シリコン膜25上に下層側第1電極パターン21の形成領域と一部重なるように、アルミニウム層から第2電極パターン27を形成し、第2電極パターン27の上面に窒化シリコン膜29を形成する(図3(b)参照)。
【0049】
(3)例えばCVD法又は回転塗布法により、半導体基板上全面にlow−k膜31を形成し、CMP法により平坦化して5500Åの膜厚にする。low−k膜31は後工程で表面側の一部が研磨削除されることを考慮してあらかじめ厚く形成されている(図3(c)参照)。
【0050】
(4)写真製版技術により、下層側第1電極パターン21と第2電極パターン27を上層側に電気的に接続するためのスルーホールの形成領域に対応して開口部をもつフォトレジストパターン47を形成する。エッチング技術により、フォトレジストパターン47をマスクにしてlow−k膜31及び窒化シリコン膜25,29の一部分を選択的に除去し、下層側第1電極パターン21に対応してスルーホール33を形成し、第2電極パターン27に対応してスルーホール39を形成する(図3(d)参照)。
【0051】
(5)フォトレジストパターン47を除去した後、写真製版技術により、スルーホール33の形成領域を含む下層側第1電極パターン21の形成領域に対応して開口部をもつフォトレジストパターン49を形成する。エッチング技術により、フォトレジストパターン49をマスクにしてlow−k膜31の一部分を選択的に除去して例えば3000Åの深さをもつ開口部35を形成する。このとき、窒化シリコン膜29はエッチングストッパー層として機能する。開口部35とスルーホール33は連通している(図3(e)参照)。
【0052】
(6)フォトレジストパターン49を除去した後、メッキ技術により開口部35内、スルーホール33内及びスルーホール39内に銅を埋め込み、CMP法により開口部35外及びスルーホール39外の銅を研磨削除して、膜厚が3000Åの上層側第1電極パターン37と、第2層目のメタル配線41を形成する(図1参照)。
このように、配線や電極パターンと、スルーホールを同時に形成する方法はデュアルダマシン法と呼ばれる。
【0053】
この実施例によれば、第2電極を構成する第2電極パターン27を、異なる2層に形成され、かつ互いに電気的に接続された下層側第1電極パターン21及び上層側第1電極パターン37からなる第1電極によって容量絶縁膜25,29を介して挟んだ構造をもつMIM容量素子を形成することができ、単位面積あたりの電気容量を従来技術に比べて2倍程度に大きくすることができる。さらに、従来技術と同じ写真製版回数で上記MIM容量素子を形成することができる。
【0054】
図4は、半導体装置の他の参考例のMIM容量素子部分を示す断面図である。図4では、金属材料の拡散を防止するためのバリア層の図示は省略されている。図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付し、それらの部分の詳細な説明は省略する。
【0055】
半導体基板(図示は省略)上に形成された酸化シリコン膜13上にlow−k膜19と下層側第1電極パターン21が形成されている。low−k膜19上及び下層側第1電極パターン21上に下層側容量絶縁膜を構成する窒化シリコン膜25が形成されている。MIM容量素子の形成領域の窒化シリコン膜25上に、下層側第1電極パターン21の形成領域と一部重なるように第2電極パターン27が形成されている。
【0056】
第2電極パターン27の上面に上層側容量絶縁膜を構成する窒化シリコン膜29が形成されている。第2電極パターン27及び窒化シリコン膜29を覆うように、窒化シリコン膜25上にlow−k膜31が形成されている。
【0057】
下層側第1電極パターン21の形成領域の第2電極パターン27とは重なっていない領域のうち所定の領域の窒化シリコン膜25及びlow−k膜31にスルーホール33が形成されている。下層側第1電極パターン21の形成領域に対応してlow−k膜31の表面側に開口部35が形成されている。開口部35内及びスルーホール33内に銅が埋め込まれて上層側第1電極パターン37が形成されている。
【0058】
第2電極パターン27の形成領域の上層側第1電極パターン37とは重なっていない領域のうち所定の領域の窒化シリコン膜29及びlow−k膜31にスルーホール39が形成されている。スルーホール39内に銅が埋め込まれて第2層目のメタル配線41が形成されている。
【0059】
low−k膜31上、上層側第1電極パターン37上及び第2層目のメタル配線41上に、MIM容量素子の形成領域においてMIM容量素子の容量絶縁膜を構成する絶縁膜、例えば窒化シリコン膜51が形成されている。窒化シリコン膜51の膜厚は窒化シリコン膜25,29と同じ膜厚であり、例えば500Åである。窒化シリコン膜51には第2層目のメタル配線41の形成領域に対応して開口部53が形成されている。
【0060】
第2電極パターン27の形成領域に対応して、窒化シリコン膜51上及び開口部53内にMIM容量素子の第2電極を構成する上層側第2電極パターン55が形成されている。上層側第2電極パターン55は例えば膜厚が2000Åのアルミニウムにより形成されている。上層側第2電極パターン55は開口部53及びスルーホール39を介して第2電極パターン27に電気的に接続されている。
【0061】
上層側第2電極パターン55の上面にMIM容量素子の容量絶縁膜を構成する窒化シリコン膜57が形成されている。窒化シリコン膜57の膜厚は窒化シリコン膜25,29,51と同じであり、例えば100〜1000Å、ここでは500Åである。
【0062】
上層側第2電極パターン55及び窒化シリコン膜57を覆うように、窒化シリコン膜51上に第3の層間絶縁膜を構成するlow−k膜59が形成されている。low−k膜59の膜厚は例えば2000〜10000Å、ここでは5500Åである。上層側第1電極パターン37の形成領域の上層側第2電極パターン55とは重なっていない領域のうち所定の領域の窒化シリコン膜51及びlow−k膜59にスルーホール61が形成されている。
【0063】
low−k膜59には上層側第1電極パターン37の形成領域に対応して、スルーホール61と連通する開口部63が形成されている。開口部63は窒化シリコン膜57上では窒化シリコン膜57が露出するように形成されている。開口部35の深さはlow−k膜59の膜厚から上層側第2電極パターン55の膜厚及び窒化シリコン膜57の膜厚を差し引いたものであり、例えば1000〜5000Å、ここでは3000Åである。
【0064】
スルーホール61内及び開口部63内に金属材料、例えば銅が埋め込まれてMIM容量素子の上層側第1電極パターン65が形成されている。上層側第1電極パターン65の膜厚は開口部63の深さと同じであり、例えば1000〜5000Å、ここでは3000Åである。下層側第1電極パターン21、上層側第1電極パターン37及び上層側第1電極パターン65はスルーホール33,61を介して電気的に接続されている。
【0065】
上層側第2電極パターン55の形成領域の上層側第1電極パターン65とは重なっていない領域のうち所定の領域の窒化シリコン膜57及びlow−k膜59にスルーホール67が形成されている。スルーホール67内に金属材料、例えば銅が埋め込まれて第3層目のメタル配線69が形成されている。
【0066】
このように、異なる2層に形成され、かつ互いに電気的に接続された第2電極パターン21及び上層側第2電極パターン55からなる第2電極を、異なる3層に形成され、かつ互いに電気的に接続された下層側第1電極パターン21、上層側第1電極パターン37及び上層側第1電極パターン65からなる第1電極の間に容量絶縁膜25,29,51,55を介して配置した構造にすることにより、単位面積あたりの電気容量をさらに大きくすることができる。
【0067】
窒化シリコン膜51、開口部53、上層側第2電極パターン55、窒化シリコン膜57、lowl−k膜59、スルーホール61、開口部63、上層側第1電極パターン65、スルーホール67及び第3層目のメタル配線69の形成は、low−k膜31、上層側第1電極パターン37及び第2層目のメタル配線41上に窒化シリコン膜51を形成し、窒化シリコン膜51に開口部53を形成した後、図3(B)を参照して説明した上記工程(2)から図1を参照して説明した上記工程(6)と同様の工程により形成することができる。
このような構造は、理論上、メタル配線の層数と同じ層数まで重ねることが可能である。
【0068】
図1から図4に示した実施例及び参考例では、上層側第1電極パターン37及び65はデュアルダマシン法により形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、上層側第1電極パターン37及び65はスルーホール33又は61を導電材料により埋め込んだ後、ダマシン法により形成されたものであってもよい。
【0069】
また、上記の実施例では層間絶縁膜としてlow−k膜を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、low−k膜と称される絶縁膜以外の酸化シリコン膜など、他の材料であってもよい。
【0070】
また、本発明の半導体装置及びその製造方法は、例えば電源ラインのノイズ除去用にMIM容量素子を備えている半導体装置及びその製造方法に適用することができる。そのような半導体装置では、例えば図5に示すように、MIM容量素子71は電源Vccに接続されている電源ライン73と、グランド(GND)に接続されているグランドライン75の間に接続されている。これにより、電源Vccから来るノイズをMIM容量素子71で鈍らせ、安定した電圧を供給することができる。
【0071】
ただし、本発明が適用される半導体装置及びその製造方法は電源ラインのノイズ除去用にMIM容量素子を備えている半導体装置及びその製造方法に限定されるものではなく、MIM容量素子を備えた半導体装置及びその製造方法であれば本発明を適用することができる。
【0072】
図6は半導体装置の一実施例のMIM容量素子形成領域を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図、(C)は(A)のB−B位置での断面図、(D)は(A)のC−C位置での断面図である。図7はその実施例のMIM容量素子形成領域及びMOSトランジスタ形成領域を示す断面図である。図6及び図7では、金属材料の拡散を防止するためのバリア層の図示は省略されている。また、図6(A)では窒化シリコン膜及び層間絶縁膜の図示は省略されている。また、図7におけるMIM容量素子の断面図は図6(A)のB−B位置に対応している。図1及び図2と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。
【0073】
半導体基板1の表面に素子分離用のフィールド酸化膜3が形成され、フィールド酸化膜3で囲まれた領域に2つの不純物拡散領域5、ゲート酸化膜7、ゲート電極9及びサイドウォールスペーサ11をもつMOSトランジスタが形成されている。
【0074】
MOSトランジスタ上を含む半導体基板1上全面に酸化シリコン膜13が形成されている。酸化シリコン膜13には各不純物拡散領域5に対応してコンタクトホール15がそれぞれ形成されている。コンタクトホール15内にはタングステン17が充填されている。
【0075】
酸化シリコン膜13上にlow−k膜19が形成されている。low−k膜19にはMIM容量素子の形成領域に対応して開口部が2つ形成されており、その開口部に銅が埋め込まれてMIM容量素子の下層側電極パターン77a,77bが間隔をもって形成されている。下層側電極パターン77a,77bの膜厚はlow−k膜19の膜厚と同じであり、例えば1000〜5000Å、ここでは3000Åである。
【0076】
また、low−k膜19にはコンタクトホール15の形成領域を含む配線形成領域に溝が形成されており、その溝に銅が埋め込まれて第1層目のメタル配線23が形成されている。不純物拡散領域5と第1層目のメタル配線23はコンタクトホール15内に充填されたタングステン17を介して電気的に接続されている。
【0077】
low−k膜19上、下層側電極パターン77a,77b上及びメタル配線23上に、MIM容量素子の形成領域において下層側MIM容量素子の下層側容量絶縁膜79を構成する絶縁膜、例えば窒化シリコン膜が形成されている。下層側容量絶縁膜79の膜厚は例えば100〜1000Å、ここでは500Åである。
【0078】
MIM容量素子の形成領域の下層側容量絶縁膜79上に、下層側電極パターン77a,77bの形成領域と一部重なるように、下層側MIM容量素子の第2電極及び上層側MIM容量素子の第1電極を構成する共通電極パターン81が形成されている。共通電極パターン81は例えば膜厚が1000〜5000Å、ここでは2000Åのアルミニウムにより形成されている。
【0079】
下層側電極パターン77a、下層側容量絶縁膜79及び共通電極パターン81により下層側MIM容量素子C2が形成されている。下層側電極パターン77b、下層側容量絶縁膜79及び共通電極パターン81により下層側MIM容量素子C2’が形成されている。
共通電極パターン81は下層側電極パターン77a上及び77b上に同じ平面面積で重畳して形成されている。さらに下層側MIM容量素子C2及びC2’の形成領域において下層側容量絶縁膜79の膜厚は同じである。したがって、下層側MIM容量素子C2及びC2’の容量値は同じになる。
【0080】
共通電極パターン81の上面に上層側MIM容量素子の上層側容量絶縁膜83を構成する絶縁膜、例えば窒化シリコン膜が形成されている。上層側容量絶縁膜83の膜厚は下層側容量絶縁膜79と同じであり、例えば100〜1000Å、ここでは500Åである。上層側容量絶縁膜83には、後述する上層側電極パターンとは異なる領域にスルーホール85cが形成されている。
【0081】
共通電極パターン81及び上層側容量絶縁膜83を覆うように、下層側容量絶縁膜79上にlow−k膜31が形成されている。下層側電極パターン77aの形成領域の共通電極パターン81とは重なっていない領域のうち所定の領域の下層側容量絶縁膜79及びlow−k膜31にスルーホール85bが形成されている。下層側電極パターン77bの形成領域の共通電極パターン81とは重なっていない領域のうち所定の領域の下層側容量絶縁膜79及びlow−k膜31にスルーホール85aが形成されている。
【0082】
low−k膜31には、下層側MIM容量素子C2の形成領域及びスルーホール85aの形成領域を含む領域に開口部87aと、下層側MIM容量素子C2’の形成領域及びスルーホール85bの形成領域を含む領域に開口部87bが形成されている。また、low−k膜31には、開口部87a,87bとは異なる領域でスルーホール85cを含む領域と、開口部87aに連続する領域と、及び開口部87bに連続する領域に、それぞれ配線用溝が形成されている。
開口部87a,87b及び配線用溝は上層側容量絶縁膜83上では上層側容量絶縁膜83が露出するように形成されている。開口部87a,87b及び配線用溝の深さはlow−k膜31の膜厚から共通電極パターン81の膜厚及び上層側容量絶縁膜83の膜厚を差し引いたものであり、例えば1000〜5000Å、ここでは3000Åである。
【0083】
スルーホール85a内、開口部87a内及び開口部87aに連続する配線用溝内に金属材料、例えば銅が埋め込まれて上層MIM容量素子C1の上層側電極パターン89a及びメタル配線91aが形成されている。スルーホール85b内、開口部87b内及び開口部87bに連続する配線用溝内に金属材料、例えば銅が埋め込まれて上層MIM容量素子C1’の上層側電極パターン89b及びメタル配線91bが形成されている。スルーホール85c内及びスルーホール85cに連続する配線用溝内に金属材料、例えば銅が埋め込まれてメタル配線91cが形成されている。上層側電極パターン89a,89b及びメタル配線91a,91b,91cの膜厚は開口部87a,87b及び配線用溝の深さと同じであり、例えば1000〜5000Å、ここでは3000Åである。
下層側電極パターン77aと上層側電極パターン89bはスルーホール85bを介して電気的に接続されている。下層側電極パターン77bと上層側電極パターン89aはスルーホール85aを介して電気的に接続されている。共通電極パターン81はスルーホール85cを介してメタル配線91cに電気的に接続されている。
【0084】
上層MIM容量素子C1は共通電極パターン81、上層側容量絶縁膜83及び上層側電極パターン89aにより形成され、上層MIM容量素子C1’は共通電極パターン81、上層側容量絶縁膜83及び上層側電極パターン89bにより形成されている。
上層側電極パターン89a,89bは上層MIM容量素子C1及びC1’の平面面積が同じになるように形成されている。さらに上層側MIM容量素子C1及びC1’の形成領域において上層側容量絶縁膜83の膜厚は同じである。したがって、上層側MIM容量素子C1及びC1’の容量値は同じになる。
【0085】
さらに、上層MIM容量素子C1は下層側MIM容量素子C2と同じ平面面積になるように形成されており、上層MIM容量素子C1’は下層側MIM容量素子C2’と同じ平面面積になるように設計されおり、MIM容量素子C1,C2,C1’,C2’は同じ容量値をもつように設計されている。
【0086】
MIM容量素子の形成領域とは異なる領域では、上層側容量絶縁膜83及びlow−k膜31に、第1層目のメタル配線23上の所定の領域に対応してスルーホール43が形成されている。スルーホール43の形成領域を含むlow−k膜31の表面側の配線形成領域に溝が形成されており、その溝及びスルーホール43内に銅が埋め込まれて第2層目のメタル配線45が形成されている。第1層目のメタル配線23と第2層目のメタル配線45はスルーホール43を介して電気的に接続されている。
【0087】
このように、同じ平面領域に縦方向に重畳して2つのMIM容量素子C1,C2又はC1’,C2’を備えることにより、2つのMIM容量素子が異なる平面領域に配置されている従来技術に比べて容量素子部の縮小化を図ることができ、半導体装置の高集積化を図ることができる。
また、MIM容量素子の形成領域以外の領域において、下層側容量絶縁膜79は第1層目のメタル配線23を形成する銅がlow−k膜31へ拡散するのを防ぐキャップ層として機能している。
【0088】
図8にこの実施例の4つのMIM容量素子の等価回路を示す。
上層側MIM容量素子C1の上層側電極パターン89aと下層側MIM容量素子C2’の下層側電極パターン77bは端子Aに電気的に接続され、上層側MIM容量素子C1’の上層側電極パターン89bと下層側MIM容量素子C2の下層側電極パターン77aは端子Bに電気的に接続され、共通電極パターン81は共通端子Cに接続され、MIM容量素子C1,C2,C1’,C2’はマッチングキャパシタとして用いられている。すなわち、端子Aと共通端子Cの間にMIM容量素子C1及びC2’が接続され、端子Bと共通端子Cの間にMIM容量素子C1’及びC2が接続されている。
【0089】
上述したように、MIM容量素子C1,C2,C1’,C2’の形成面積は同じであり、さらに、下層側MIM容量素子C2,C2’の下層側容量絶縁膜79は同じ膜厚で形成され、上層側MIM容量素子C1,C1’の上層側容量絶縁膜83は同じ膜厚で形成されているので、上層側MIM容量素子C1,C1’の容量値は同じになり、下層側MIM容量素子C2,C2’の容量値は同じになる。
【0090】
一方、下層側容量絶縁膜79と上層側容量絶縁膜83は同じ膜厚に設定されているが、製造プロセスのばらつき等により、両容量絶縁膜79,83の膜厚が異なり、上層側MIM容量素子C1及びC1’の容量値と下層側MIM容量素子C2及びC2’の容量値に差が生じることがある。膜厚の制御に比べ、比較的大きな平面面積にてMIM容量素子を形成することから、上層側MIM容量素子C1及びC1’と下層側MIM容量素子C2及びC2’の容量値差は下層側容量絶縁膜79及び上層側容量絶縁膜83の膜厚の差に大きく依存する。
【0091】
しかし、この実施例では、端子Aと共通端子Cの間にMIM容量素子C1及びC2’が接続され、端子Bと共通端子Cの間にMIM容量素子C1’及びC2が接続されている回路構成であるので、下層側容量絶縁膜79と上層側容量絶縁膜83の膜厚が同じ場合はもちろん、両膜厚が異なっていても、端子Aと端子Cの間に設けられたMIM容量素子C1及びC2’の合計容量値と、端子Bと端子Cの間に設けられたMIM容量素子C1’及びC2の合計容量値は同じになる。
これにより、端子Aと端子Cの間及び端子Bと端子Cの間に、精度の高いペア性をもつマッチングキャパシタを形成することができる。
【0092】
図9は半導体装置の製造方法の第2局面の一実施例を示す工程断面図であり、MIM容量素子形成領域を示し、図6(A)のB−B位置に対応している。図6と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。図6及び図9を参照してこの実施例を説明する。図9では金属材料の拡散を防止するためのバリア層の図示は省略されており、バリア層の形成工程の説明は省略する。
【0093】
(1)例えばCVD法により、MOSトランジスタなどの半導体素子が形成された半導体基板(図示は省略)上に酸化シリコン膜13を5000Åの膜厚に形成する。例えばCVD法又は回転塗布法により、酸化シリコン膜13上にlow−k膜19を3000Åの膜厚に形成する。low−k膜19は後工程で表面側の一部が研磨削除されるので、あらかじめ厚く形成されている。
【0094】
写真製版技術及びエッチング技術によりMIM容量素子形成領域のlow−k膜19を選択的に除去して開口部を形成し、メッキ技術によりその開口部内に銅を埋め込み、CMP法により開口部外の銅を研磨削除して、例えば膜厚が3000Åの下層側電極パターン77a,77bを形成する。
その後、CVD法により、low−k膜19上及び下層側電極パターン77a,77b上に下層側容量絶縁膜79を500Åの膜厚に形成する(図9(a)参照)。
【0095】
(2)例えばスパッタ法により下層側容量絶縁膜79上にアルミニウム層を2000Åの膜厚に形成し、さらにその上に、例えばCVD法により窒化シリコン膜を下層側容量絶縁膜79と同じ膜厚(500Å)に形成する。写真製版技術及びエッチング技術により、窒化シリコン膜及びアルミニウム層を順次パターニングして、下層側容量絶縁膜79上に下層側電極パターン77a,77bの形成領域と一部重なるように、アルミニウム層から共通電極パターン81を形成し、共通電極パターン81の上面に窒化シリコン膜からなる上層側容量絶縁膜83を形成する。下層側電極パターン77aと共通電極パターン81が重複する領域は下層側MIM容量素子C2を形成し、下層側電極パターン77bと共通電極パターン81が重複する領域は下層側MIM容量素子C2’を形成する(図9(b)参照)。
【0096】
(3)例えばCVD法又は回転塗布法により、半導体基板上全面にlow−k膜31を形成し、CMP法により平坦化して5500Åの膜厚にする。low−k膜31は後工程で表面側の一部が研磨削除されることを考慮してあらかじめ厚く形成されている(図9(c)参照)。
【0097】
(4)写真製版技術により、下層側電極パターン77a,77bを上層側に電気的に接続するためのスルーホール(図6の符号85a,85b参照)及び共通電極パターン81を上層側に電気的に接続するためのスルーホール85cの形成領域に対応して開口部をもつフォトレジストパターン93を形成する。エッチング技術により、フォトレジストパターン93をマスクにしてlow−k膜31及び下層側容量絶縁膜79及び上層側容量絶縁膜83の一部分を選択的に除去し、下層側電極パターン77a,77bに対応してスルーホール(図6の符号85a,85b参照)を形成し、共通電極パターン81に対応してスルーホール85cを形成する(図9(d)参照)。
【0098】
(5)フォトレジストパターン93を除去した後、写真製版技術により、上層側電極パターン及びメタル配線の形成領域に対応して開口部をもつフォトレジストパターン95を形成する。エッチング技術により、フォトレジストパターン95をマスクにしてlow−k膜31の一部分を選択的に除去して例えば3000Åの深さをもつ開口部87a,87b及び配線用溝を形成する。このとき、上層側容量絶縁膜83はエッチングストッパー層として機能する(図9(e)参照)。
【0099】
(6)フォトレジストパターン95を除去した後、メッキ技術により開口部87a,87b、配線用溝内及びスルーホール内に銅を埋め込み、CMP法により開口部87a,87bの外及び配線用溝外の銅を研磨削除して、膜厚が3000Åの上層側電極パターン89a,89b及びメタル配線91a,91b,91cを形成する(図6参照)。
【0100】
この実施例によれば、同じ平面領域に縦方向に重畳して、MIM容量素子C1とC2、及びMIM容量素子C1’とC2’を形成することができる。これにより、2つのMIM容量素子が異なる平面領域に配置されている従来技術に比べて容量素子部の縮小化を図ることができ、半導体装置の高集積化を図ることができる。さらに、従来技術と同じ写真製版回数で、MIM容量素子C1,C2,C1’,C2’を容易に形成することができる。
【0101】
以上、本発明の半導体装置及びその製造方法の実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0106】
【発明の効果】
請求項1に記載された半導体装置では、同じ平面領域に縦方向に重畳して2つのMIM容量素子を備え、下層側MIM容量素子は、第1電極となる下層側電極パターンと、上層側電極パターン上に下層側容量絶縁膜を介して形成された、第2電極となる共通電極パターンにより構成され、上層側MIM容量素子は、第1電極となる共通電極パターンと、共通電極パターン上に上層側容量絶縁膜を介して形成された、第2電極となる上層側電極パターンにより構成されているようにしたので、2つのMIM容量素子が異なる平面領域に配置されている従来技術に比べて容量素子部の縮小化を図ることができ、半導体装置の高集積化を図ることができる。
さらに、異なる平面領域に同じ平面面積で形成された、下層側MIM容量素子及び上層側MIM容量素子の組を2組備え、一方の組の上層側電極パターンと他方の組の下層側電極パターンは互いに電気的に接続されており、一方の組の下層側電極パターンと他方の組の上層側電極パターンは互いに電気的に接続されており、一方の組の共通電極パターンと他方の組の共通電極パターンは互いに電気的に接続されているようにしたので、精度の高いペア性をもつマッチングキャパシタを形成することができる。
【0107】
請求項2に記載された半導体装置では、請求項1に記載された半導体装置において、下層側容量絶縁膜及び上層側容量絶縁膜として窒化シリコン膜を用いるようにしたので、例えば下層側電極パターンと、下層側電極パターンと同時に形成されるメタル配線の材料として銅を主成分とする金属材料を用いる場合に、窒化シリコン膜は下層側容量絶縁膜としてだけでなく、MIM容量素子の形成領域以外の領域において、銅の絶縁膜への拡散を防ぐためのキャップ層を兼ねることができる。また、上層側電極パターンと、上層側電極パターンと同時に形成されるメタル配線の材料として銅を主成分とする金属材料を用いる場合に、共通電極パターン上に配置される上層側容量絶縁膜として窒化シリコン膜を用いることにより、その窒化シリコン膜は上層側容量絶縁膜としてだけでなく、上層側電極パターン用の開口部を層間絶縁膜に形成する際のエッチングストッパー層を兼ねることができる。
【0108】
請求項3に記載された半導体装置では、請求項1又は2に記載された半導体装置において、下層側電極パターン及び上層側電極パターンは絶縁膜に形成された溝に埋め込まれて形成された銅を主成分とする金属材料からなり、共通電極パターンはアルミニウムを主成分とする金属材料からなるものを備えているようにしたので、銅を主成分とする金属材料からなる上層側電極パターン及び下層側電極パターンの間に、従来から用いられているアルミニウム層の形成技術により共通電極パターンを配置することができ、製造プロセスが容易になる。
【0110】
請求項4に記載された半導体装置の製造方法では、MIM容量素子を備えた半導体装置の製造方法において、半導体基板上に形成された第1層間絶縁膜上に下層側第1電極パターンを形成する工程(A)、下層側第1電極パターンの表面に下層側容量絶縁膜を形成する工程(B)、下層側第1電極パターンの形成領域の少なくとも一部分と重なるように下層側容量絶縁膜上に第2電極パターンを形成し、第2電極パターンの表面に上層側容量絶縁膜を形成する第2電極パターン及び上層側容量絶縁膜形成工程(C)、上層側容量絶縁膜上を含む半導体基板上に第2層間絶縁膜を形成する工程(D)、第2層間絶縁膜に、第1電極パターンを上層側に電気的に接続するための第1接続孔、第2電極パターンを上層側に電気的に接続するための第2接続孔、並びに、上層側容量絶縁膜及び第1接続孔の形成領域を含む領域に開口部を形成した後、開口部、第1接続孔及び第2接続孔に金属材料を埋め込んで、第2電極パターン上に上層側容量絶縁膜を介して上層側第1電極パターンを形成する接続孔及び上層側第1電極パターン形成工程(E)を含むようにしたので、MIM容量素子を形成することができ、MIM容量素子について単位面積あたりの電気容量を従来技術に比べて2倍程度に大きくすることができ、容量素子部の縮小化及び半導体装置の高集積化を図ることができる。さらに、従来技術と同じ写真製版回数で、構造のMIM容量素子を容易に形成することができる。
【0111】
請求項5及び6に記載された半導体装置の製造方法では、第2電極パターン及び上層側容量絶縁膜形成工程(C)は、上層側容量絶縁膜として第2層間絶縁膜とはエッチング選択比があるものを形成し、上層側第1電極パターン形成工程(E)は、開口部を形成する際に上層側容量絶縁膜をエッチングストッパー層として用いるようにしたので、上層側容量絶縁膜をエッチングストッパー層として用いることにより、MIM容量素子の容量絶縁膜に影響なく、上層側第1電極を形成するための開口部を容易に形成することができ、さらに、上層側第1電極と同時に形成するメタル配線を形成するための溝を容易に形成することができる。
【0112】
請求項7に記載された半導体装置の製造方法では、MIM容量素子を備えた半導体装置の製造方法において、第1層間絶縁膜上に下層側MIM容量素子の第1電極となる下層側電極パターンを形成する工程(A)、下層側電極パターンの表面に下層側MIM容量素子の容量絶縁膜となる下層側容量絶縁膜を形成する工程(B)、下層側電極パターンの形成領域の少なくとも一部分と重なるように下層側容量絶縁膜上に下層側MIM容量素子の第1電極及び上層側MIM容量素子の第2電極となる共通電極パターンと、共通電極パターンの表面に上層側MIM容量素子の容量絶縁膜となる上層側容量絶縁膜を形成する工程(C)、上層側容量絶縁膜上を含む半導体基板上に第2層間絶縁膜を形成する工程(D)、及び、下層側電極パターン及び共通電極パターンの形成領域の少なくとも一部分と重なるように第2層間絶縁膜に開口部を形成した後、開口部に金属材料を埋め込んで、上層側容量絶縁膜上に、上層側MIM容量素子の第2電極となる上層側電極パターンを形成する工程(E)を含むようにしたので、本発明の半導体装置を構成するMIM容量素子を形成することができ、容量素子部の縮小化を図って半導体装置の高集積化を図ることができる。さらに、従来技術と同じ写真製版回数で、本発明の半導体装置の2つのMIM容量素子を容易に形成することができる。
【0113】
請求項8及び9に記載された半導体装置の製造方法では、請求項12に記載された半導体装置の製造方法において、共通電極パターン及び上層側容量絶縁膜形成工程(C)は、上層側容量絶縁膜として第2層間絶縁膜とはエッチング選択比があるものを形成し、上層側電極パターン形成工程(E)は、開口部を形成する際に上層側容量絶縁膜をエッチングストッパー層として用いるようにしたので、上層側MIM容量素子の上層側容量絶縁膜に影響なく、上層側電極パターンを形成するための開口部を容易に形成することができ、さらに、上層側電極パターンと同時に形成するメタル配線を形成するための溝を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 半導体装置の参考例のMIM容量素子形成領域を示す断面図である。
【図2】 同参考例のMIM容量素子形成領域及びMOSトランジスタ形成領域を示す断面図である。
【図3】 半導体装置の製造方法の第1局面の一実施例を示す工程断面図である。
【図4】 半導体装置の他の参考例のMIM容量素子形成領域を示す断面図である。
【図5】 本発明が適用される半導体装置の一部分を示す回路図である。
【図6】 半導体装置の一実施例のMIM容量素子形成領域を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図、(C)は(A)のB−B位置での断面図、(D)は(A)のC−C位置での断面図である。
【図7】 同実施例のMIM容量素子形成領域及びMOSトランジスタ形成領域を示す断面図である。
【図8】 同実施例の4つのMIM容量素子の等価回路である。
【図9】 半導体装置の製造方法の第2局面の一実施例を示す工程断面図である。
【図10】 従来のMIM容量素子の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
3 フィールド酸化膜
5 不純物拡散領域
7 ゲート酸化膜
9 ゲート電極
11 サイドウォールスペーサ
13 酸化シリコン膜
15 コンタクトホール
17 タングステン
19,31 low−k膜
21 下層側第1電極パターン
23 第1層目のメタル配線
25,29 窒化シリコン膜
27 第2電極パターン
29 窒化シリコン膜
33,39,43 スルーホール
35 開口部
37 上層側第1電極パターン
41,45 第2層目のメタル配線
47,49 フォトレジストパターン
51,57 窒化シリコン膜
53,63 開口部
55 上層側第2電極パターン
59 low−k膜
61,67 スルーホール
65 上層側第1電極パターン
69 メタル配線
71 MIM容量素子
73 電源ライン
75 グランドライン
77a,77b 下層側電極パターン
79 下層側容量絶縁膜
81 共通電極パターン
83 上層側容量絶縁膜
85a,85b,85c スルーホール
87a,87b 開口部
89a,89b 上層側電極パターン
91a,91b,91c メタル配線
93,95 フォトレジストパターン
A,B,C 端子
Claims (9)
- 金属材料からなる第1電極及び第2電極が容量絶縁膜を介して配置されてなるMIM容量素子を備えた半導体装置において、
同じ平面領域に縦方向に重畳して2つのMIM容量素子を備え、
下層側MIM容量素子は、第1電極となる下層側電極パターンと、前記下層側電極パターン上に下層側容量絶縁膜を介して形成された、第2電極となる共通電極パターンにより構成され、
上層側MIM容量素子は、第1電極となる前記共通電極パターンと、前記共通電極パターン上に上層側容量絶縁膜を介して形成された、第2電極となる上層側電極パターンにより構成されており、
異なる平面領域に同じ平面面積で形成された、前記下層側MIM容量素子及び前記上層側MIM容量素子の組を2組備え、
一方の組の前記上層側電極パターンと他方の組の前記下層側電極パターンは互いに電気的に接続されており、
一方の組の前記下層側電極パターンと他方の組の前記上層側電極パターンは互いに電気的に接続されており、
一方の組の前記共通電極パターンと他方の組の前記共通電極パターンは互いに電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。 - 前記下層側容量絶縁膜及び前記上層側容量絶縁膜は窒化シリコン膜からなる請求項1に記載の半導体装置。
- 前記下層側電極パターン及び前記上層側電極パターンは絶縁膜に形成された溝に埋め込まれて形成された銅を主成分とする金属材料からなり、前記共通電極パターンはアルミニウムを主成分とする金属材料からなる請求項1又は2に記載の半導体装置。
- 金属材料からなる第1電極及び第2電極が容量絶縁膜を介して配置されてなるMIM容量素子を備えた半導体装置の製造方法において、以下の工程(A)から(E)を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(A)半導体基板上に形成された第1層間絶縁膜上に下層側第1電極パターンを形成する下層側第1電極パターン形成工程、
(B)前記下層側第1電極パターンの表面に下層側容量絶縁膜を形成する下層側容量絶縁膜形成工程、
(C)前記下層側第1電極パターンの形成領域の少なくとも一部分と重なるように前記下層側容量絶縁膜上に第2電極パターンを形成し、前記第2電極パターンの表面に上層側容量絶縁膜を形成する第2電極パターン及び上層側容量絶縁膜形成工程、
(D)前記上層側容量絶縁膜上を含む半導体基板上に第2層間絶縁膜を形成する第2層間絶縁膜形成工程、
(E)前記第2層間絶縁膜に、前記第1電極パターンを上層側に電気的に接続するための第1接続孔、前記第2電極パターンを上層側に電気的に接続するための第2接続孔、並びに、前記上層側容量絶縁膜及び前記第1接続孔の形成領域を含む領域に開口部を形成した後、前記開口部、前記第1接続孔及び前記第2接続孔に金属材料を埋め込んで、前記第2電極パターン上に前記上層側容量絶縁膜を介して上層側第1電極パターンを形成する接続孔及び上層側第1電極パターン形成工程。 - 前記第2電極パターン及び上層側容量絶縁膜形成工程(C)は、前記上層側容量絶縁膜として前記第2層間絶縁膜とはエッチング選択比があるものを形成し、
前記上層側第1電極パターン形成工程(E)は、前記開口部を形成する際に前記上層側容量絶縁膜をエッチングストッパー層として用いる請求項4に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記上層側容量絶縁膜は窒化シリコン膜であり、前記第2層間絶縁膜は酸化シリコン膜又はlow−k膜である請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
- 金属材料からなる第1電極及び第2電極が容量絶縁膜を介して配置されてなるMIM容量素子を備えた半導体装置の製造方法において、以下の工程(A)から(E)を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(A)半導体基板上に形成された第1層間絶縁膜上に、下層側MIM容量素子の第1電極となる下層側電極パターンを形成する下層側電極パターン形成工程、
(B)前記下層側電極パターンの表面に下層側MIM容量素子の容量絶縁膜となる下層側容量絶縁膜を形成する下層側容量絶縁膜形成工程、
(C)前記下層側電極パターンの形成領域の少なくとも一部分と重なるように前記下層側容量絶縁膜上に、下層側MIM容量素子の第1電極及び上層側MIM容量素子の第2電極となる共通電極パターンと、前記共通電極パターンの表面に上層側MIM容量素子の容量絶縁膜となる上層側容量絶縁膜を形成する共通電極パターン及び上層側容量絶縁膜形成工程、
(D)前記上層側容量絶縁膜上を含む半導体基板上に第2層間絶縁膜を形成する第2層間絶縁膜形成工程、
(E)前記下層側電極パターン及び前記共通電極パターンの形成領域の少なくとも一部分と重なるように前記第2層間絶縁膜に開口部を形成した後、前記開口部に金属材料を埋め込んで、前記上層側容量絶縁膜上に、上層側MIM容量素子の第2電極となる上層側電極パターンを形成する上層側電極パターン形成工程。 - 前記共通電極パターン及び上層側容量絶縁膜形成工程(C)は、前記上層側容量絶縁膜として前記第2層間絶縁膜とはエッチング選択比があるものを形成し、
前記上層側電極パターン形成工程(E)は、前記開口部を形成する際に前記上層側容量絶縁膜をエッチングストッパー層として用いる請求項7に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記上層側容量絶縁膜は窒化シリコン膜であり、前記第2層間絶縁膜は酸化シリコン膜又はlow−k膜である請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
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