JP4117860B2 - 電磁波シールド用床構造およびその製造方法 - Google Patents

電磁波シールド用床構造およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内全体が電磁波シールド材によって覆われた電磁波シールド室または室内全体が電磁波シールド材によって覆われ、且つ電磁波シールド材の内側の少なくとも一部に電波吸収体が設けられた電波暗室に用いられる電磁波シールド用床構造およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アンテナ試験、電子機器のEMC(Electro Magnetic Compatiblity ;電磁適合性)試験等に、電波暗室が用いられている。この電波暗室は、室内全体を電磁波シールド材によって覆って、室内を電磁波に対してシールドする(以下、電磁波シールドすると言う。)すると共に、室内の壁面や天井面に電波吸収体を設けて、壁面や天井面による電波の反射を防止するようになっている。また、室内全体を電磁波シールド材によって覆って電磁波シールドした電磁波シールド室も、室外からの電磁波の影響を防止する必要のある電子制御室や測定室等の用途に用いられている。
【0003】
従来、上述のような電波暗室や電磁波シールド室(以下、これらを電波暗室等と言う。)における室体全体の電磁波シールドは、電磁波シールド材よりなる板材である電磁波シールド板を、天井、壁および床にそれぞれ複数枚配置し、隣り合う電磁波シールド板間を電磁気的に接続することによって行われていた。以下、隣り合う電磁波シールド板間を電磁気的に接続する方法を、シールド工法と言う。なお、電磁波シールド板には、通常、鋼板が用いられる。
【0004】
従来のシールド工法としては、ハンダ付け工法、ファスナー締め付け工法、溶接工法等がある。ハンダ付け工法は、隣り合う電磁波シールド板間をハンダ付けによって接続する方法である。ファスナー締め付け工法は、隣り合う電磁波シールド板間を、ファスナー(締め金具)によって締め付けることによって接続する方法である。溶接工法は、隣り合う電磁波シールド板間を溶接によって接続する方法である。
【0005】
これらのシールド工法には、それぞれ特徴があり、場合によって使い分けられている。ただし、これらのシールド工法のうち、溶接工法は、耐久性の点で優れており、電波暗室等におけるシールド工法として広く採用されるようになってきている。
【0006】
溶接工法には、板状のままの電磁波シールド板間を、電波暗室等の建築現場で溶接する工法(以下、現場溶接工法と言う。)と、予め工場等で、電磁波シールド板によって箱状のパネルを形成しておき、複数のパネルを、現場にて壁等に配置し、パネル間を溶接する工法(以下、溶接パネル工法と言う。)とがある。
【0007】
電波暗室の壁や天井には、標準化や工期の短縮等の利点より、溶接パネル工法が多用されてきている。なお、溶接パネル工法を用いて電波暗室等を構築する技術としては、例えば特開平9−260889号公報や、特開平7−45988号公報に記載されている技術がある。
【0008】
これに対し、床面については、必ずしも溶接パネル工法の利点が発揮されないため、現場溶接工法も広く使用されている。これは、具体的には、以下のような理由による。理由の一つは、電波暗室の床面の下には、ターンテーブル、ケーブル用ピット(溝)等の設備が配置されることから、標準のパネル以外のものが多数要求されることである。他の理由は、壁や天井と同一構造のパネルを床面に用いたのでは、人や物の移動に際してのたわみが大きくなるため、電磁波シールド板の厚みを増したり、骨組を増やす等の処置が必要になることである。
【0009】
なお、電波暗室では、電磁波シールド機能を有する床面が電波反射面を兼ねている例や、床面の上に直接または薄い仕上げ材を介して、電波吸収体を敷き並べている例が多く、床面の上に更に厚い層を設けて仕上げを行う例は少ない。
【0010】
また、床面に適用される現場溶接工法としては、複数の厚い電磁波シールド板を、建屋のコンクリート床の上に直接またはコンクリート床の上に形成された絶縁層や鋼製の骨組の上に並べ、隣り合う電磁波シールド板間を現場で溶接するという方法が一般的である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、電波暗室等における電磁波シールド用の床面を形成する場合には、以下のような種々の問題点があった。
【0012】
まず、電波暗室では、上述のように、電磁波シールド機能を有する床面が電波反射面を兼ねている例が多い。そのため、電波暗室の床面では、電磁気的な突起がないことが望まれる。しかしながら、隣り合う電磁波シールド板間を溶接等により直接接続する方法では、接続部に突起が生じやすいという問題点がある。
【0013】
更に、隣り合う電磁波シールド板間を溶接等により直接接続する方法では、隣り合う電磁波シールド板間の接続に先立って、電磁波シールド板を設ける前の床面に対する電磁波シールド板の固定や、電磁波シールド板の仮止めのために、シールドの外側、すなわち電磁波シールド板による床面の下に作業空間が必要になる場合がある。そして、この作業空間がデッドスペースとなる場合が多く、その結果、電波暗室等のコストが増加するという問題点がある。
【0014】
また、電波暗室等では、一般の建造物と同様に平坦な床面が要求される。ところが、電波暗室等を収納する建屋では、電磁波シールド板を設ける前の床面が常に平坦とは限らない。従って、電磁波シールド板を設ける際に適当な高さ(レベル)調整を必要とする場合が多い。しかしながら、従来は、この高さ調整が難しく、所望の平坦度を得ることが難しいという問題点があった。特に、電磁波シールド板を建屋のコンクリート床の上に直接並べて、隣り合う電磁波シールド板間を現場で溶接する方法では、建屋の床面の平坦度の影響を直接受けるため、所望の平坦度を得ることが難しい。
【0015】
次に、溶接パネル工法によって床面を形成する場合の問題点について説明する。電波暗室等の床面の下には、電源線用ピット、信号線用ピット、機械収納用ピット等を配置する例が多い。そのため、床面では、壁や天井に比べて、溶接パネル工法における標準寸法、標準形状のパネルを使うことのできる率が低い。従って、溶接パネル工法を用いる場合には、特殊なパネルを作る必要が生じ、電波暗室等のコストが増加するという問題点がある。
【0016】
更に、溶接パネル工法では、電波暗室の床面は、壁や天井と同一構造のパネルを用いたのでは、人や物の移動に際してのたわみが大きくなるため、電磁波シールド板の厚みを増したり、骨組を増やす等の処置が必要となり、この点からも電波暗室等のコストが増加するという問題点がある。
【0017】
現場溶接工法によって床面を形成する場合には、上述のように溶接パネル工法によって床面を形成する場合の問題点はないが、それでも、以下のような問題点がある。
【0018】
まず、電磁波シールド板を建屋のコンクリート床の上に直接並べて、隣り合う電磁波シールド板間を現場で溶接する方法では、溶接の際の熱によりコンクリートが脆弱化するという問題点がある。
【0019】
また、隣り合う電磁波シールド板間を突き合わせて溶接する方法では、電磁波シールド板の厚みを厚くしないと、溶断による穴等のシールド欠陥が生じ易いという問題点がある。また、欠陥が生じた場合には、補修が必要になるが、隣り合う電磁波シールド板間を突き合わせて溶接する方法の場合には、補修により突起が生じ易いため、補修が難しいという問題点がある。
【0020】
また、現場溶接工法を用いる場合には、現場における溶接の作業量を減らし、コストの低減を図るために、電磁波シールド板のサイズを大きくすることが考えられる。しかしながら、電磁波シールド板のサイズを大きくすると、床面に、溶接歪み、すなわち溶接の際の熱により電磁波シールド板が変形することによる凹凸が生じ、床面としては外観上や特性上で劣ったものとなるという問題点がある。
【0021】
更に、鋼製の骨組の上に電磁波シールド板を並べて床面を形成する場合には、骨組の間隔が大きいと、電磁波シールド板にたわみが生じることになる。特に、床面では、人や物が移動する際の小さなたわみでも問題がある。このたわみを防止するためには、骨組の間隔を小さくして電磁波シールド板の支点間の距離を短くしたり、電磁波シールド板の厚みを厚くする等の対策が必要となり、電波暗室等のコストが増加するという問題点がある。
【0022】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、電磁気的な突起のない床面を容易に形成でき、床面の下に作業空間が必要なく、溶接パネル工法使用時におけるコスト増加の問題がなく、更に、コンクリート床の脆弱化やシールド欠陥の発生を防止できるようにした電磁波シールド用床構造およびその製造方法を提供することにある。
【0023】
また、本発明の第2の目的は、上記第1の目的に加え、平坦な床面を容易に形成することができるようにした電磁波シールド用床構造およびその製造方法を提供することにある。
【0024】
また、本発明の第3の目的は、上記第1の目的に加え、床面の歪みの発生を防止できるようにした電磁波シールド用床構造およびその製造方法を提供することにある。
【0025】
また、本発明の第4の目的は、上記第1の目的に加え、床面のたわみを防止できるようにした電磁波シールド用床構造およびその製造方法を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の電磁波シールド用床構造は、室内全体が電磁波シールド材によって覆われた電磁波シールド室または室内全体が電磁波シールド材によって覆われ、且つ電磁波シールド材の内側の少なくとも一部に電波吸収体が設けられた電波暗室に用いられ、板状の電磁波シールド材からなる電磁波シールド板を有する電磁波シールド用床構造であって、少なくとも上面部分が電磁波シールド材からなり、電磁波シールド板が固定される骨組と、この骨組の上に固定された複数枚の電磁波シールド板とを備え、電磁波シールド板は、その端部が骨組の上面の上に配置されるように骨組の上に配置され、骨組に対して電磁気的に接続され且つ物理的に固定されているものである。
【0027】
本発明の電磁波シールド用床構造では、その端部が骨組の上面の上に配置されるように電磁波シールド板が骨組の上に配置され、骨組に対して電磁波シールド板が電磁気的に接続され且つ物理的に固定される。なお、電磁気的な接続とは、言い換えると、電磁波シールド機能を発揮しうる接続である。
【0028】
また、本発明の電磁波シールド用床構造では、電磁波シールド板は、例えば、骨組の上面の上において隣り合う電磁波シールド板の端部間に所定の間隔が形成されるように配置される。このとき、電磁波シールド板は、例えば、その端部と骨組の上面との間を溶接することによって、骨組に対して電磁気的に接続され且つ物理的に固定される。また、この場合、骨組の上面の上において隣り合う電磁波シールド板の端部間の間隔が、電磁波シールド板の厚みの1倍以上、5倍以下であるのが好ましい。
【0029】
また、本発明の電磁波シールド用床構造では、骨組の上面部分の厚みは、電磁波シールド板の厚み以上であることが好ましい。
【0030】
また、本発明の電磁波シールド用床構造では、骨組は、例えば、高さの調整が可能なものである。
【0031】
また、本発明の電磁波シールド用床構造では、更に、上面の高さが骨組の上面の高さと略等しくなるように骨組間に配置され、且つ骨組に接続された補助骨組部材を備えていてもよい。この場合、電磁波シールド板を、補助骨組部材に対して物理的に固定してもよい。
【0032】
また、本発明の電磁波シールド用床構造では、更に、上面の高さが骨組の上面の高さと略等しくなるように骨組間に充填され、電磁波シールド板を下側より支持するための支持部材を備えていてもよい。この場合、支持部材は、例えばコンクリートによって構成される。また、電磁波シールド板を、支持部材の上面に固着するようにしてもよい。
【0033】
本発明の電磁波シールド用床構造の製造方法は、室内全体が電磁波シールド材によって覆われた電磁波シールド室または室内全体が電磁波シールド材によって覆われ、且つ電磁波シールド材の内側の少なくとも一部に電波吸収体が設けられた電波暗室に用いられ、板状の電磁波シールド材からなる電磁波シールド板を有する電磁波シールド用床構造を製造する方法であって、少なくとも上面部分が電磁波シールド材からなり、電磁波シールド板が固定される骨組を形成する第1の工程と、電磁波シールド板の端部が骨組の上面の上に配置されるように、複数枚の電磁波シールド板を骨組の上に配置し、電磁波シールド板を骨組に対して電磁気的に接続し且つ物理的に固定する第2の工程とを含むものである。
【0034】
また、本発明の電磁波シールド用床構造の製造方法では、第2の工程において、電磁波シールド板は、例えば、骨組の上面の上において隣り合う電磁波シールド板の端部間に所定の間隔が形成されるように配置される。このとき、第2の工程において、電磁波シールド板は、例えば、その端部と骨組の上面との間を溶接することによって、骨組に対して電磁気的に接続され且つ物理的に固定される。また、この場合、骨組の上面の上において隣り合う電磁波シールド板の端部間の間隔が、電磁波シールド板の厚みの1倍以上、5倍以下であるのが好ましい。
【0035】
また、本発明の電磁波シールド用床構造の製造方法では、骨組の上面部分の厚みは、電磁波シールド板の厚み以上とするのが好ましい。
【0036】
また、本発明の電磁波シールド用床構造の製造方法では、骨組が、高さの調整が可能なものであり、第1の工程が、骨組の高さを調整することを含んでいてもよい。
【0037】
また、本発明の電磁波シールド用床構造の製造方法では、更に、第1の工程と第2の工程との間において、補助骨組部材を、その上面の高さが骨組の上面の高さと略等しくなるように骨組間に配置し、且つ骨組に接続する工程を含んでいてもよい。この場合、第2の工程において、電磁波シールド板を、補助骨組部材に対して物理的に固定するようにしてもよい。
【0038】
また、本発明の電磁波シールド用床構造の製造方法では、更に、第1の工程と第2の工程との間において、電磁波シールド板を下側より支持するための支持部材を、その上面の高さが骨組の上面の高さと略等しくなるように骨組間に充填する工程を含んでいてもよい。この場合、支持部材は、例えば、コンクリートによって構成される。また、電磁波シールド板を、支持部材の上面に固着するようにしてもよい。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
始めに、図3および図4を参照して、本発明の第1の実施の形態における電磁波シールド室および電波暗室について説明する。図3は、本実施の形態における電磁波シールド室および電波暗室を含む試験設備の構成の一例を示す平面断面図、図4は、図3に示した試験設備の側断面図である。これらの図に示した試験設備は、アンテナ試験、電子機器のEMC試験等に使用されるものである。
【0041】
図3および図4に示した試験設備は、互いに隣接するように配置された電波暗室110と、測定用の電磁波シールド室であるシールド測定室120と、電磁波シールド室130とを備えている。シールド測定室130の上には、機械室140が設けられている。
【0042】
電波暗室110は、床111、四方の壁112および天井113を有し、これら全てに、電磁波シールド材よりなる電磁波シールド板114が設けられている。壁112および天井113の室内側の面には、電波吸収体115が取り付けられている。床111の上には、ターンテーブル116が設けられている。また、床111には、アンテナが設置される箇所であるアンテナポジション117が設けられている。更に、床111の面の下には、ケーブル用ピット118が設けられている。
【0043】
シールド測定室120は、床121、四方の壁122および天井123を有し、これら全てに、電磁波シールド材よりなる電磁波シールド板124が設けられている。同様に、電磁波シールド室130は、床131、四方の壁132および天井(図示せず)を有し、これら全てに、電磁波シールド材よりなる電磁波シールド板134が設けられている。
【0044】
電磁波シールド材とは、所望の周波数帯域の電磁波に関して、反射係数が大きく(1に近く)、透過係数が小さい(0に近い)材料であり、種々の金属が該当するが、鋼材が用いられることが多い。
【0045】
電波吸収体とは、所望の周波数帯域の電波に関して、反射係数と透過係数が共に小さく(0に近く)、入射した電波エネルギを吸収して熱エネルギに変換する構造体である。
【0046】
図5は、電波暗室110の壁112や天井113の構造の一例を示す一部切欠斜視図である。この例では、壁112や天井113には、電磁波シールド板によって形成された複数枚のシールドパネル141が並べられ、隣り合うシールドパネル141の端部間が、例えば溶接によって接続されている。このシールドパネル141の室内側の面には、タイル状のフェライト電波吸収体142が敷き並べられている。更に、このフェライト電波吸収体142の室内側の面には、発泡スチロール基体電波吸収体143が取り付けられている。フェライト電波吸収体142は、高周波におけるフェライトの磁気共鳴損失を利用した電波吸収体である。発泡スチロール基体電波吸収体143は、発泡スチロールの基体に抵抗体としてのカーボンを混合して構成されている。
【0047】
本発明の第1の実施の形態に係る電磁波シールド用床構造は、例えば図3および図4に示した電波暗室110や、シールド測定室120や、電磁波シールド室130における床に適用される。
【0048】
次に、図1および図2を参照して、本実施の形態に係る電磁波シールド用床構造について説明する。図1は、本実施の形態に係る電磁波シールド用床構造の断面図、図2は本実施の形態に係る電磁波シールド用床構造の平面図である。なお、図1は、図2におけるA−A′線断面を表している。
【0049】
本実施の形態に係る電磁波シールド用床構造は、電波暗室等を収納する建屋のコンクリート床1に所定の間隔を開けて対向するように配置された複数対の不等辺山形鋼3と、一対の不等辺山形鋼3の間に配置され、不等辺山形鋼3に対して固定された溝形鋼5と、溝形鋼5に対して固定された複数枚の電磁波シールド板8とを備えている。
【0050】
不等辺山形鋼3は、コンクリート床1に埋め込まれたアンカーボルト2に対して、ナット4によって固定されている。一対の不等辺山形鋼3は、溝形鋼5の幅に対応する間隔で対向している。溝形鋼5は、溝部が下側を向き、且つ上面の位置が不等辺山形鋼3の上端の位置よりも上側になるように、一対の不等辺山形鋼3の間に配置され、不等辺山形鋼3に対して固定されている。不等辺山形鋼3に対する溝形鋼5の固定は、例えば、図1において符号6で示す箇所における点溶接によって行われる。なお、不等辺山形鋼3に対する溝形鋼5の固定は、その他の方法、例えば、ビス止めによって行われていてもよい。全ての溝形鋼5は、その上面の高さが等しくなるように、高さ方向の位置が調整されている。不等辺山形鋼3および溝形鋼5は、高さの調整が可能な骨組を構成している。本実施の形態では、この骨組の少なくとも上面部分は電磁波シールド材によって形成される必要があるが、骨組の上面部分を構成する溝形鋼5は、この条件を満たしている。
【0051】
図2に示したように、骨組は、溝形鋼5の上面が格子状をなすように配置される。平行な溝形鋼5同士の設置間隔(ピッチ)は、電磁波シールド板8の一辺の長さよりも若干大きくなっている。
【0052】
ここで、縦方向に延びる溝形鋼5と横方向に延びる溝形鋼5の一方には、平行な溝形鋼5同士の設置間隔よりも長い長尺のものが用いられ、他方には、隣り合う平行な溝形鋼5の端部間の距離に等しい長さの短尺のものが用いられる。図2に示した例では、縦方向に延びる溝形鋼5が長尺のものとなっている。
【0053】
不等辺山形鋼3に関しては、溝形鋼5と同様に、縦方向に延びる不等辺山形鋼3と横方向に延びる不等辺山形鋼3の一方に長尺のものを用い、他方に短尺のものを用いてもよいが、全てに短尺のものを用いてもよい。
【0054】
本実施の形態では、不等辺山形鋼3および溝形鋼5からなる骨組の間に、電磁波シールド板8を下側より支持するための支持部材7が充填されている。この支持部材7は、その上面の高さが骨組の上面の高さと略等しくなるように設けられている。支持部材7は、例えば、コンクリート、発泡コンクリート、モルタル、例えば樹脂製の各種発泡体、ハニカム材、ロールコア等で構成される。図1には、コンクリートからなる支持部材7の例を示している。支持部材7をコンクリートで構成する場合には、支持部材7の上面を容易に平坦にできるという利点および支持部材7を安価に得ることができるという利点がある。しかし、コンクリートは重いため、コンクリートを使用するのが適さない環境の場合には、コンクリートよりも軽い材料を用いて支持部材7を構成するのが好ましい。また、支持部材7として、はじめから定形性を有するものを用いる場合には、骨組の間の一部にのみ、支持部材7を設けるようにしてもよい。また、支持部材7は、必要に応じて設けるようにしてもよい。
【0055】
電磁波シールド板8は、その端部が骨組の溝形鋼5の上面の上に配置され、且つ隣り合う電磁波シールド板8の端部間に所定の間隔Dが形成されるように骨組の上に配置されている。そして、電磁波シールド板8は、その端部と溝形鋼5の上面との間が溶接されることにより、溝形鋼5の上面に対して電磁気的に接続され且つ物理的に固定されている。また、電磁波シールド板8は、支持部材7の上面にも、エポキシ系接着剤等の接着剤によって固定されている。溝形鋼5の上面と電磁波シールド板8の端部との間の溶接には、例えばアルゴン溶接が用いられる。
【0056】
電磁波シールド板8としては、例えば、室内側の防錆を実現するために亜鉛めっきが施された鋼板が用いられる。電磁波シールド板8としては、その他、亜鉛めっきが施されていない鋼板や、ステンレス鋼板を用いてもよいし、アルミニウム等のその他の金属製の板を用いてもよい。ステンレス鋼板は、外観の観点からは好ましい。また、電磁波シールド板8を溝形鋼5の上面に対して溶接することから、電磁波シールド板8と溝形鋼5は、同じ材質であることが好ましい。更に、床の隅における電磁波シールド板8は、壁における電磁波シールド板に溶接されることから、壁における電磁波シールド板と同じ材質であることが好ましい。
【0057】
ここで、不等辺山形鋼3、溝形鋼5および電磁波シールド板8の形状の一例を挙げる。この例では、電磁波シールド板8の厚みを、3.2mmとし、1枚の電磁波シールド板8の形状を、一辺の長さL(図1参照)が900mmの正方形状としている。不等辺山形鋼3の形状は、図6に示したように、縦の長さA(mm)、横の長さB(mm)、縦方向の中央部および横方向の中央部における厚みt(mm)を用いて、A×B×tで表すものとする。この例では、不等辺山形鋼3の形状を、125×75×7とする。また、溝形鋼5の形状は、図7に示したように、幅H(mm)、溝の深さ方向の長さB(mm)、幅方向の中央部における厚みt1 (mm)、溝の底部から深さの1/2の高さの位置における厚みt2 (mm)を用いて、H×B×t1 ×t2 で表すものとする。この例では、溝形鋼5の形状を、125×65×6×8とする。
【0058】
本実施の形態では、溝形鋼5の上面に対して電磁波シールド板8の端部を溶接によって固定するので、溶接による欠陥の発生を防止するために、骨組の上面部分の厚み、すなわち溝形鋼5の幅方向の中央部の厚みt1 は、電磁波シールド板8の厚み以上であることが好ましい。上記の例は、この条件を満たしている。
【0059】
骨組の上面部分の幅、すなわち溝形鋼5の幅Hは、100〜200mm程度が好ましい。
【0060】
また、溝形鋼5の上面の上において隣り合う電磁波シールド板8の端部間の間隔Dは、電磁波シールド板8の厚みの1倍以上、5倍以下であることが好ましい。ここでは、例えば、平行な溝形鋼5同士の設置間隔を905mmとし、電磁波シールド板8の厚みを3.2mmとし、電磁波シールド板8の端部間の間隔Dを5mmとする。
【0061】
ここで、図8および図9を参照して、隣り合う電磁波シールド板8の端部間の間隔Dと電磁波シールド板8の厚みとの関係について説明する。これらの図に示したように、本実施の形態では、溝形鋼5の上面の上において、隣り合う電磁波シールド板8の端部間に所定の間隔が形成されるように電磁波シールド板8が配置され、電磁波シールド板8の端部と溝形鋼5の上面との間が溶接される。この場合、溶着金属10は、電磁波シールド板8の厚みと同程度の幅だけ、電磁波シールド板8の端部間の中央方向に広がる。従って、図8に示したように、電磁波シールド板8の端部間の間隔Dが大きい場合には、電磁波シールド板8の各端部毎に溶接作業が必要となるが、各端部をより確実に溝形鋼5の上面に固定することが可能となる。しかし、電磁波シールド板8の端部間の間隔Dが大きくなり過ぎると、電磁波シールド板8の端部間の凹部が顕著となり、その補修も難しくなるため、この点から、電磁波シールド板8の端部間の間隔Dは、電磁波シールド板8の厚みの5倍以下であることが好ましい。
【0062】
一方、図9に示したように、電磁波シールド板8の端部間の間隔Dが小さくなると、1回の溶接作業によって、溝形鋼5の上面に対して、2つの電磁波シールド板8の端部を同時に溶接することが可能となる。しかし、電磁波シールド板8の端部間の間隔Dが電磁波シールド板8の厚みの1倍未満になると、溶接作業が困難となるため、この点から、電磁波シールド板8の端部間の間隔Dは、電磁波シールド板8の厚みの1倍以上であることが好ましい。
【0063】
次に、本実施の形態に係る電磁波シールド用床構造の製造方法について説明する。この製造方法では、まず、コンクリート床1の上に、不等辺山形鋼3を載置し、一対の不等辺山形鋼3の間に溝形鋼5を配置し、溝形鋼5の上面の高さを粗く調整して、不等辺山形鋼3に対して溝形鋼5を仮固定する。この仮固定には、例えば、クランプや接着剤を用いる。
【0064】
次に、不等辺山形鋼3をアンカーボルト2に対して、ナット4によって固定する。次に、全ての溝形鋼5の上面の高さが等しくなるように、溝形鋼5の高さを測定しながら、溝形鋼5の高さを精密に調整する。溝形鋼5の高さの測定には、例えば、レベル測量器を用いる。
【0065】
次に、不等辺山形鋼3に対して溝形鋼5を固定し、骨組を完成させる。不等辺山形鋼3に対する溝形鋼5の固定には、例えば、点溶接や、ビス止めを用いる。次に、骨組の間に、支持部材7の上面の高さが骨組の上面の高さと略等しくなるように支持部材7を充填する。
【0066】
次に、支持部材7の上面に、エポキシ系接着剤等の接着剤を塗布した後、電磁波シールド板8を、その端部が溝形鋼5の上面の上に配置され、且つ隣り合う電磁波シールド板8の端部間に所定の間隔が形成されるように骨組の上に載置する。次に、電磁波シールド板8の端部と溝形鋼5の上面との間を溶接して、電磁波シールド板8の端部を溝形鋼5の上面に対して電磁気的に接続し且つ物理的に固定する。このとき、電磁波シールド板8と支持部材7の上面との間も、接着剤によって固定される。
【0067】
最後に、溶接の欠陥の有無を調べる。溶接の欠陥の検出法としては、例えば、溶接した金属に高周波電流を流し、欠陥部分に発生する磁界を検出するスニーファー法を用いる。溶接の欠陥が発見された場合には、欠陥部分を補修する。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態では、電磁波シールド板8を、その端部が骨組の上面の上に配置されるように骨組の上に配置し、骨組に対して電磁波シールド板8を電磁気的に接続し且つ物理的に固定して、床部を形成している。このように、本実施の形態によれば、電磁波シールド板8同士を接続するのではなく、骨組に対して電磁波シールド板8を接続することから、電磁気的な突起のない床面を容易に形成することができる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、骨組に対して電磁波シールド板8を接続する作業を室内側から行うことができるので、床面の下に作業空間が必要なくなる。更に、本実施の形態によれば、溶接パネル工法を用いないので、溶接パネル工法使用時におけるコスト増加の問題が生じない。
【0070】
また、本実施の形態によれば、骨組に対して電磁波シールド板8を接続することから、コンクリート床1の脆弱化やシールド欠陥の発生を防止することができる。
【0071】
また、本実施の形態によれば、骨組に対する電磁波シールド板8の接続部が室内側を向くことから、欠陥検出が容易になる。
【0072】
また、本実施の形態によれば、電磁波シールド板8の端部と骨組の上面との間を溶接することによって、電磁波シールド板8を骨組に対して電磁気的に接続し且つ物理的に固定するようにしたので、電磁波シールド板8を骨組に対して強固に固定することができる。
【0073】
また、本実施の形態によれば、骨組の高さの調整が可能なので、平坦な床面を容易に形成することができる。
【0074】
また、本実施の形態によれば、電磁波シールド板8を下側より支持するための支持部材7を設けたので、床面のたわみを防止することができる。
【0075】
次に、図10ないし図12を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図10は、本実施の形態に係る電磁波シールド用床構造の平面図、図11は、図10におけるB−B′線断面図、図12は、図10におけるC−C′線断面図である。
【0076】
本実施の形態に係る電磁波シールド用床構造は、第1の実施の形態に係る電磁波シールド用床構造に対して、更に、補助骨組部材12を設けたものである。この補助骨組部材12は、上面の高さが骨組の上面の高さと略等しくなるように、隣り合う平行な溝形鋼5の端部間に配置されている。図12に示したように、補助骨組部材12の端部は、例えば符号14で示した箇所において、例えば点溶接によって、不等辺山形鋼3に対して固定されている。
【0077】
また、電磁波シールド板8は、例えば符号15で示した箇所において、例えば点溶接によって、補助骨組部材12の上面に対して、物理的に固定されている。なお、補助骨組部材12の上面に対する電磁波シールド板8の固定は、電磁波シールド板8において、補助骨組部材12の上面に対応する位置に小さな孔を形成し、この孔の部分で、電磁波シールド板8と補助骨組部材12の上面とを溶接することによって行ってもよい。
【0078】
補助骨組部材12は、例えば、隣り合う平行な溝形鋼5の端部間に、1枚の電磁波シールド板8に付き1本程度の割合で設ける。また、本実施の形態では、補助骨組部材12として、縦65mm、横65mm、厚み6mmの等辺山形鋼を用いているが、これに限られるわけではない。
【0079】
次に、本実施の形態に係る電磁波シールド用床構造の製造方法について説明する。本実施の形態では、不等辺山形鋼3と溝形鋼5からなる骨組が完成した後、隣り合う平行な溝形鋼5の端部間に補助骨組部材12を配置する。次に、補助骨組部材12の上面の高さが骨組の上面の高さと等しくなるように、補助骨組部材12の上面の高さを調整する。次に、補助骨組部材12の端部を、例えば点溶接によって、不等辺山形鋼3に対して固定する。次に、骨組の間に、支持部材7の上面の高さが骨組の上面の高さと略等しくなるように支持部材7を充填する。次に、第1の実施の形態と同様に、電磁波シールド板8を骨組の上に載置し、電磁波シールド板8の端部と溝形鋼5の上面との間を溶接して、電磁波シールド板8の端部を溝形鋼5の上面に対して電磁気的に接続し且つ物理的に固定する。このとき、電磁波シールド板8と支持部材7の上面との間も、接着剤によって固定される。更に、本実施の形態では、電磁波シールド板8を、例えば点溶接によって、補助骨組部材12の上面に対して物理的に固定する。本実施の形態に係る製造方法におけるその他の工程は、第1の実施の形態と同様である。
【0080】
本実施の形態によれば、補助骨組部材12を、その上面の高さが骨組の上面の高さと略等しくなるように骨組間に配置し、且つ骨組に接続したので、床面の歪みの発生を防止することができる。
【0081】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0082】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上記各実施の形態では、溶接によって、電磁波シールド板8を骨組に対して電磁気的に接続し且つ物理的に固定するようにしたが、電磁波シールド板8骨組に対する電磁波シールド板8の電磁気的な接続および物理的な固定は、ハンダ付けや、ビス止め等によるものでもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし10のいずれかに記載の電磁波シールド用床構造または請求項11ないし20のいずれかに記載の電磁波シールド用床構造の製造方法では、電磁波シールド板を、その端部が骨組の上面の上に配置されるように骨組の上に配置し、骨組に対して電磁波シールド板を電磁気的に接続し且つ物理的に固定して、床部を形成する。このように、本発明によれば、電磁波シールド板同士を接続するのではなく、骨組に対して電磁波シールド板を接続することから、電磁気的な突起のない床面を容易に形成することができるという効果を奏する。更に、本発明によれば、骨組に対して電磁波シールド板を接続する作業を室内側から行うことができるので、床面の下に作業空間が必要なくなるという効果を奏する。更に、本発明によれば、溶接パネル工法を用いないので、溶接パネル工法使用時におけるコスト増加の問題が生じないという効果を奏する。更に、本発明によれば、骨組に対して電磁波シールド板を接続することから、コンクリート床の脆弱化やシールド欠陥の発生を防止することができるという効果を奏する。更に、本発明によれば、骨組に対する電磁波シールド板の接続部が室内側を向くことから、欠陥検出が容易になるという効果を奏する。
【0084】
また、請求項3記載の電磁波シールド用床構造または請求項13記載の電磁波シールド用床構造の製造方法によれば、電磁波シールド板の端部と骨組の上面との間を溶接することによって、電磁波シールド板を骨組に対して電磁気的に接続し且つ物理的に固定するようにしたので、更に、電磁波シールド板を骨組に対して強固に固定することができるという効果を奏する。
【0085】
また、請求項1ないし10のいずれかに記載の電磁波シールド用床構造または請求項11ないし20のいずれかに記載の電磁波シールド用床構造の製造方法によれば、骨組の高さの調整を可能としたので、更に、平坦な床面を容易に形成することができるという効果を奏する。
【0086】
また、請求項または記載の電磁波シールド用床構造もしくは請求項16または17記載の電磁波シールド用床構造の製造方法によれば、補助骨組部材を、その上面の高さが骨組の上面の高さと略等しくなるように骨組間に配置し、且つ骨組に接続したので、更に、床面の歪みの発生を防止することができるという効果を奏する。
【0087】
また、請求項ないし10のいずれかに記載の電磁波シールド用床構造または請求項18ないし20のいずれかに記載の電磁波シールド用床構造の製造方法によれば、電磁波シールド板を下側より支持するための支持部材を、上面の高さが骨組の上面の高さと略等しくなるように骨組間に充填したので、更に、床面のたわみを防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電磁波シールド用床構造の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る電磁波シールド用床構造の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における電磁波シールド室および電波暗室を含む試験設備の構成の一例を示す平面断面図である。
【図4】図3に示した試験設備の側断面図である。
【図5】図3および図4における電波暗室の壁や天井の構造の一例を示す一部切欠斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態において使用する不等辺山形鋼の形状を説明するための説明図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態において使用する溝形鋼の形状を説明するための説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における電磁波シールド板の端部間の間隔と電磁波シールド板の厚みとの関係について説明するための説明図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における電磁波シールド板の端部間の間隔と電磁波シールド板の厚みとの関係について説明するための説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る電磁波シールド用床構造の平面図である。
【図11】図10におけるB−B′線断面図である。
【図12】図10におけるC−C′線断面図である。
【符号の説明】
1…コンクリート床、2…アンカーボルト、3…不等辺山形鋼、5…溝形鋼、7…支持部材、8…電磁波シールド板、12…補助骨組部材、110…電波暗室、120…シールド測定室、130…電磁波シールド室。

Claims (20)

  1. 室内全体が電磁波シールド材によって覆われた電磁波シールド室または室内全体が電磁波シールド材によって覆われ、且つ電磁波シールド材の内側の少なくとも一部に電波吸収体が設けられた電波暗室に用いられ、板状の電磁波シールド材からなる電磁波シールド板を有する電磁波シールド用床構造であって、
    少なくとも上面部分が電磁波シールド材からなり、電磁波シールド板が固定される骨組と、
    この骨組の上に固定された複数枚の電磁波シールド板とを備え、
    前記骨組の上面は、格子状をなすように配置され、
    前記電磁波シールド板は、その全ての端部が前記骨組の上面の上に配置されるように前記骨組の上に配置され、前記骨組に対して電磁気的に接続され且つ物理的に固定され
    前記骨組は、所定の間隔を開けて対向するように配置された複数対の不等辺山形鋼と、それぞれ一対の不等辺山形鋼の間に配置され、一対の不等辺山形鋼に対して固定された複数の溝形鋼とによって構成され、
    一対の不等辺山形鋼は、前記溝形鋼の幅に対応する間隔で対向し、前記溝形鋼は、その溝部が下側を向き、且つその上面の位置が前記不等辺山形鋼の上端の位置よりも上側になるように、一対の不等辺山形鋼の間に配置され、
    前記溝形鋼の上面が前記骨組の上面を構成し、
    全ての溝形鋼は、その上面の高さが等しくなるように、高さ方向の位置が調整されていることを特徴とする電磁波シールド用床構造。
  2. 前記電磁波シールド板は、前記骨組の上面の上において隣り合う電磁波シールド板の端部間に所定の間隔が形成されるように配置されていることを特徴とする請求項1記載の電磁波シールド用床構造。
  3. 前記電磁波シールド板は、その端部と前記骨組の上面との間を溶接することによって、前記骨組に対して電磁気的に接続され且つ物理的に固定されていることを特徴とする請求項2記載の電磁波シールド用床構造。
  4. 前記骨組の上面の上において隣り合う電磁波シールド板の端部間の間隔が、前記電磁波シールド板の厚みの1倍以上、5倍以下であることを特徴とする請求項3記載の電磁波シールド用床構造。
  5. 前記骨組の上面部分の厚みは、前記電磁波シールド板の厚み以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電磁波シールド用床構造。
  6. 更に、上面の高さが前記骨組の上面の高さと略等しくなるように前記骨組間に配置され、且つ前記骨組に接続された補助骨組部材を備えたことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の電磁波シールド用床構造。
  7. 前記電磁波シールド板は、前記補助骨組部材に対して物理的に固定されていることを特徴とする請求項記載の電磁波シールド用床構造。
  8. 更に、上面の高さが前記骨組の上面の高さと略等しくなるように前記骨組間に充填され、前記電磁波シールド板を下側より支持するための支持部材を備えたことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の電磁波シールド用床構造。
  9. 前記支持部材は、コンクリートによって構成されていることを特徴とする請求項記載の電磁波シールド用床構造。
  10. 前記電磁波シールド板は、前記支持部材の上面に固着されていることを特徴とする請求項記載の電磁波シールド用床構造。
  11. 室内全体が電磁波シールド材によって覆われた電磁波シールド室または室内全体が電磁波シールド材によって覆われ、且つ電磁波シールド材の内側の少なくとも一部に電波吸収体が設けられた電波暗室に用いられ、板状の電磁波シールド材からなる電磁波シールド板を有する電磁波シールド用床構造を製造する方法であって、
    少なくとも上面部分が電磁波シールド材からなり、電磁波シールド板が固定される骨組であって、その上面が格子状をなすように配置された骨組を形成する第1の工程と、
    前記電磁波シールド板の全ての端部が前記骨組の上面の上に配置されるように、複数枚の前記電磁波シールド板を前記骨組の上に配置し、前記電磁波シールド板を前記骨組に対して電磁気的に接続し且つ物理的に固定する第2の工程とを含み、
    前記骨組は、所定の間隔を開けて対向するように配置された複数対の不等辺山形鋼と、それぞれ一対の不等辺山形鋼の間に配置され、一対の不等辺山形鋼に対して固定された複数の溝形鋼とによって構成され、
    一対の不等辺山形鋼は、前記溝形鋼の幅に対応する間隔で対向し、前記溝形鋼は、その溝部が下側を向き、且つその上面の位置が前記不等辺山形鋼の上端の位置よりも上側になるように、一対の不等辺山形鋼の間に配置され、
    前記溝形鋼の上面が前記骨組の上面を構成し、
    前記第1の工程は、全ての溝形鋼の上面の高さが等しくなるように、各溝形鋼の高さを調整して各溝形鋼を一対の不等辺山形鋼に対して固定することを含むことを特徴とする電磁波シールド用床構造の製造方法。
  12. 前記第2の工程において、前記電磁波シールド板は、前記骨組の上面の上において隣り合う電磁波シールド板の端部間に所定の間隔が形成されるように配置されることを特徴とする請求項11記載の電磁波シールド用床構造の製造方法。
  13. 前記第2の工程において、前記電磁波シールド板は、その端部と前記骨組の上面との間を溶接することによって、前記骨組に対して電磁気的に接続され且つ物理的に固定されることを特徴とする請求項12記載の電磁波シールド用床構造の製造方法。
  14. 前記骨組の上面の上において隣り合う電磁波シールド板の端部間の間隔が、前記電磁波シールド板の厚みの1倍以上、5倍以下であることを特徴とする請求項13記載の電磁波シールド用床構造の製造方法。
  15. 前記骨組の上面部分の厚みは、前記電磁波シールド板の厚み以上であることを特徴とする請求項11ないし14のいずれかに記載の電磁波シールド用床構造の製造方法。
  16. 更に、前記第1の工程と第2の工程との間において、補助骨組部材を、その上面の高さが前記骨組の上面の高さと略等しくなるように前記骨組間に配置し、且つ前記骨組に接続する工程を含むことを特徴とする請求項11ないし15のいずれかに記載の電磁波シールド用床構造の製造方法。
  17. 前記第2の工程において、前記電磁波シールド板は、前記補助骨組部材に対して物理的に固定されることを特徴とする請求項16記載の電磁波シールド用床構造の製造方法。
  18. 更に、前記第1の工程と第2の工程との間において、前記電磁波シールド板を下側より支持するための支持部材を、その上面の高さが前記骨組の上面の高さと略等しくなるように前記骨組間に充填する工程を含むことを特徴とする請求項11ないし17のいずれかに記載の電磁波シールド用床構造の製造方法。
  19. 前記支持部材は、コンクリートによって構成されることを特徴とする請求項18記載の電磁波シールド用床構造の製造方法。
  20. 前記第2の工程において、前記電磁波シールド板は、前記支持部材の上面に固着されることを特徴とする請求項18記載の電磁波シールド用床構造の製造方法。
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