JP4116528B2 - スピニングリールのスプール - Google Patents
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図10及び図11は特許文献1に開示された糸止め装置を示し、この従来例は、スプール1のスカート部3の周壁に角孔5とこれに連なる凹部7を形成し、当該角孔5と凹部7に角孔9を有する内側糸止め部材11を嵌合固定して、内側糸止め部材11の周縁部のスカート部3の外周を凹状に形成(図中、符号13)すると共に、当該角孔9に、上下逆向きL字状に形成された外側糸止め部材15を貫通させて、その先端に設けた係止片17の下面を内側糸止め部材11の上面に当接させたもので、図10に示すように係止片17の下面と内側糸止め部材11の上面との間に釣糸19を挟み込んで糸止めができるようになっている。
そして、釣糸31の巻き終わり端部33を釣糸係止部29に係止した後、糸止め部材27を釣糸巻取り方向に移動させることによって、図13の如く釣糸31が糸止め部材27によって糸止めされることとなる。
また、スカート部3にはゴミや異物,魚のヌメリ等が付着するが、これらが係止片17と内側糸止め部材11との間に付着して目詰まりしたり汚れてしまう不具合が指摘されている。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、糸止めを備えたスプールに改良を加え、スプールに巻回されている釣糸(巻き終わり端部)にスプールの周方向への力が作用しても、釣糸が解けてスプールから不必要に繰り出される虞のないスピニングリールのスプールを提供することを目的とする。
上記釣糸巻回胴部の後側の鍔部の外周に環状の弾性体を装着すると共に、当該鍔部に釣糸が嵌入可能な貫通孔からなる釣糸嵌入部を設け、当該釣糸嵌入部に嵌入した釣糸を上記弾性体で弾性係止したことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明によれば、周溝内で弾性体を移動させて釣糸を釣糸嵌入部に嵌入後、テーパ作用によって弾性体が釣糸を挟持する方向へ移動して戻るため、糸止めの作業性に優れると共に、釣糸を確実に糸止めできる利点を有する。
図1乃至図4は請求項1及び請求項2に係る発明をショートスカートスプールを備えた投げ専用スピニングリールに適用した第一実施形態を示し、図1に於て、35はスピニングリール37のリール本体で、当該リール本体35の前端にフライヤ軸(図示せず)を介してロータ39が回転可能に軸着され、ロータ39にはこれと一体に一対の支持アーム41がリール本体35の前後方向に形成されている。
また、リール本体35にはロータ39と同軸上にスプール49が装着されており、当該スプール49は、リール本体35にトラバース運動可能に取り付くスプール軸(図示せず)の先端にナットを介して螺着されている。そして、リール本体35には釣糸巻取用のハンドル51が装着されており、ハンドル51のハンドル軸とロータ39は、図示しない駆動歯車やピニオンからなる従来周知のギヤ機構を介して連繋され、また、スプール軸は、その後端部に固着した摺動子やトラバースカム軸からなるトラバース機構により、ロータ39の回転に連動してリール本体35の前後方向へ往復動するようになっている。
更に、図2乃至図4に示すように周溝61の底部59には、その釣糸巻回胴部側周壁(以下、「周壁」という)65に隣接して、互いに隣接する2個宛の円形状の貫通孔(釣糸嵌入部)67が周溝61の径方向へ所定間隔を空けて複数箇所に設けられている。そして、各貫通孔67に、夫々、釣糸巻回胴部57に巻回された釣糸69の巻き終わり端部71が嵌入できるようになっているが、一方の貫通孔67を通して内側に貫通された釣糸69の巻き終わり端部71とロータ円筒部との接触防止や携帯性等、内側に貫通された巻き終わり端部71を必要に応じて隣接する他方の貫通孔67から外側に通した状態にする場合に、2個の貫通孔67が同時に使用される。
そして、O−リング63から手を離すと、O−リング63は、周溝81の底部79のテーパ作用で縮径し乍ら周壁85方向へ移動して、貫通孔83に嵌入された巻き終わり端部71を径方向外方からスプール73に押圧挟持することとなる。
図6は請求項1に係る発明の第一実施形態を示し、図中、87はリール本体に装着されるスピニングリールのスプールで、本実施形態に係るスプール87も、図1のスプール49と同様、後側鍔部89が短いショートスカートスプールで、図示しない前側鍔部と、スプール前方に向かって順次小径となる正テーパ状に形成された釣糸巻回胴部91と上記後側鍔部89とで構成されている。
そして、釣糸巻回胴部91に巻回されている釣糸の巻き終わり端部71を外方から貫通孔95に嵌入してO−リング63を周溝93に戻すと、巻き終わり端部71がO−リング63によって径方向外方から周溝93の内周に弾性係止されるようになっている。
そして、O−リング63を周溝93に戻すと、O−リング63が巻き終わり端部71を径方向外方から周溝93の内周に弾性係止する。
本実施形態によっても、図1の実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能で、釣糸を確実に糸止めできる利点を有する。
図7は請求項1に係る発明の第二実施形態を示し、図中、97はリール本体に装着されるスピニングリールのスプールで、本実施形態に係るスプール97も、図1のスプール49と同様、後側鍔部99が短いショートスカートスプールで、図示しない前側鍔部と、スプール前方に向かって順次小径となる正テーパ状に形成された釣糸巻回胴部101と上記後側鍔部99とで構成されている。
また、上記フランジ部103には、所定間隔を空けて貫通孔(釣糸嵌入部)107がスプール97の前後方向に設けられており、通常、各貫通孔107はフランジ部103に係止したリング部材105で被覆されているが、図示するようにリング部材105の一部を径方向外方(図中、矢印C方向)へ引っ張ると、リング部材105で被覆されていた貫通孔107が現れるようになっている。
本実施形態はこのように構成されているから、スプール87に巻回された釣糸を糸止めするには、図示するようにリング部材105の一部を径方向外方へ引っ張り、現れた貫通孔107に巻き終わり端部71を嵌入してリング部材105を戻せば、リング部材105の内周部が巻き終わり端部71をスプール97に弾性係止することとなる。
図8及び図9は請求項2の一実施形態に係り、本実施形態は、図1のスプール49に設けた貫通孔67に代え、周溝61を挟んだ後側鍔部53の釣糸巻回胴部側の鍔部53aに、所定間隔を空けて複数個の切欠き(釣糸嵌入部)109をスプール49-1の軸方向に設けたもので、当該切欠き109に釣糸の巻き終わり端部71が釣糸巻回胴部側から嵌入できるようになっている。
本実施形態はこのように構成されているから、釣糸巻回胴部57に巻回された釣糸を糸止めするには、図9に示すようにO−リング63の一部を径方向の斜め前方(図中、矢印D方向)へ引っ張って、巻き終わり端部71を切欠き109に嵌入させてO−リング63の下に通せばよい。
このため、巻き終わり端部71に釣糸繰出し方向またはスプール49-1の周方向への力が作用しても、巻き終わり端部71が切欠き109を貫通することで巻き終わり端部71がスプール49-1の周方向へ係止され、而も、周溝61の底部59のテーパ作用でO−リング63が周壁65に当接し乍ら、巻き終わり端部71を径方向外方から底部59に弾性的に押圧して、スプール49-1から不必要に釣糸が繰り出されてしまうことを防止する。
而も、本実施形態では、既述した各貫通孔に代えて切欠き109に釣糸の巻き終わり端部71を係止する構成のため、釣糸の先端に釣針が装着されている状態でも糸止めが可能となる利点を有する。
37 スピニングリール
39 ロータ
49,49-1,73,87,97 スプール
51 ハンドル
53,75,89,99 後側鍔部
55 前側鍔部
57,77,91,101 釣糸巻回胴部
59,79 底部
61,81,93 周溝
63 O−リング
65,85 周壁
67,83,95,107 貫通孔
69 釣糸
71 巻き終わり端部
103 フランジ部
105 リング部材
109 切欠き
Claims (2)
- リール本体に対し前後方向へ移動可能に取り付き、リール本体に装着したハンドルの巻取り操作で回転するロータの釣糸案内部を介して、釣糸巻回胴部に釣糸が巻回されるスピニングリールのスプールに於て、
上記釣糸巻回胴部の後側の鍔部の外周に環状の弾性体を装着すると共に、当該鍔部に釣糸が嵌入可能な貫通孔からなる釣糸嵌入部を設け、当該釣糸嵌入部に嵌入した釣糸を上記弾性体で弾性係止したことを特徴とするスピニングリールのスプール。 - リール本体に対し前後方向へ移動可能に取り付き、リール本体に装着したハンドルの巻取り操作で回転するロータの釣糸案内部を介して、釣糸巻回胴部に釣糸が巻回されるスピニングリールのスプールに於て、
上記釣糸巻回胴部の後側の鍔部に釣糸が嵌入可能な釣糸嵌入部を形成し、当該鍔部の外周に周溝を設け、当該周溝に環状の弾性体を装着すると共に、
上記周溝を、上記弾性体よりも幅広に形成し、且つ上記釣糸嵌入部に嵌入した釣糸をスプールとで挟持する方向へ上記弾性体を移動させるテーパ状に形成したことを特徴とするスピニングリールのスプール。
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