JP4116285B2 - パンツタイプ吸収性物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、着用体及び交換体を有するパンツタイプ吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、下着としてのパンツあるいは使い捨てパンツは、局部、下腹部および臀部を覆うために、ウエスト開口部および左右一対のレッグ開口部を有するように形成されている。かかるパンツは、ウエスト開口部の縁からレッグ開口部上端に至る長さ範囲の胴回り領域と、前側のレッグ開口部上端から後側のレッグ開口部上端に至る長さ範囲の股部領域とに概念的に区別でき、両領域は一体的なものとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような一般的なパンツでは、失禁のおそれのある人にとっては不都合がある。すなわち、パンツ全体をおろして排尿するのに間に合わずに失禁してしまった場合には、パンツ全体を取り替えて洗濯する必要があり、非常に煩雑となっている。
【0004】
このため紙おむつ等のパンツタイプ吸収性物品が開発され、利用されている。このパンツタイプ吸収性物品の外形はウエスト開口部および左右一対のレッグ開口部を有する点では上記の一般的なパンツと同じである。かかるパンツタイプ吸収性物品においては、一回限りの使い捨て利用のほか、特に大人用では、いわゆるアウター紙おむつの内側に使い捨て交換体(パッド)を挿入して使用する利用形態が主流である。
【0005】
しかし、かかる従来のパンツタイプ紙おむつでは、全体または交換体の使い捨てが可能であるため洗濯の労から開放されるものの、失禁してしまった場合には紙おむつ全体を脱いで取り替えるか、或いは紙おむつを一旦膝上まで降ろし、排泄物で汚れた交換体を新しい交換体に交換する必要があるため、この交換作業に大変な労力を必要とするという問題点が残されている。
【0006】
さらに、上記従来のパンツまたはパンツタイプ吸収性物品では、全体を膝上までおろさなくては排泄器官部分を開放することができないため、すばやく排泄可能な状態にするのが困難であり、この点においても失禁のおそれのある人にとって不都合となっている。
【0007】
したがって、本発明の主たる課題は、パンツを下ろさなくても交換体を交換できるようにし、交換者の労力を軽減すること、ならびに迅速かつ容易に排泄器官部分を開放できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1項記載の発明>
ウエスト開口部および左右一対のレッグ開口部を有するパンツタイプ吸収性物品であって、
ウエスト開口部の縁からレッグ開口部上端に至る長さ範囲の胴回り領域をなし、かつ前側のレッグ開口部上端から後側のレッグ開口部上端に至る長さ範囲の股部領域を有しない、着用体と、
股部領域をなし、体液を吸収保持する交換体とからなり、
前記交換体の内面の前後両端部における幅方向全体にわたり、機械的面ファスナーシステムの一方の面ファスナー部材がそれぞれ固定され、かつ前記着用体の外面の前後各下端部に、前記一方の面ファスナー部材の位置に対応させて、前記一方の面ファスナー部材と同幅の他方の面ファスナー部材がそれぞれ固定されるとともに、これら他方の面ファスナー部材の下縁が前記着用体の下縁から上側に離間しており、
前記交換体の前後両端部が前記着用体の前後各下端部に対して前記機械的面ファスナーシステムにより着脱可能なように構成されており、
前記着用体は、周方向の締め付けのための弾性部材が上端部に取り付けられ、これよりも下側の部分には周方向の締め付けのための弾性部材が取り付けられておらず、
前記交換体は、不透液性裏面層と、透液性表面層と、これらの間に介在された吸収材とを有しており、前記吸収材の前後両端部が、前記交換体の前後両端部に位置しており、
前記交換体における両側部に起立カフスがそれぞれ設けられており、これら起立カフスは、前記交換体の前後両端部において前記一方の面ファスナー部材と使用面との間に挟まれた起立不可能部分と、これら起立不可能部分の間の部分であって使用面側に起立する自由起立部とを有するものである、
ことを特徴とするパンツタイプ吸収性物品。
【0009】
(作用効果)
A.交換体は、少なくとも排泄物の吸収部または全体が、着用体に対して着脱可能である。したがって、排泄があった場合、着用体を着用したまま、着用体から交換体を脱着させ、新しい交換体と取り替えて着用体に装着させることができる。よって、介護者や物品装着者が容易にかつ少ない労力で交換体を交換できる。
【0010】
B.着用体は、ウエスト開口部の縁からレッグ開口部上端に至る長さ範囲の胴回り領域をなし、かつ前側のレッグ開口部上端から後側のレッグ開口部上端に至る長さ範囲の股部領域を有しないものであるため、あわててトイレへ駆け込んだ場合でも交換体の一部または全部を着用体から取り外すことで、股部を迅速かつ容易に開放できる。
【0011】
C.交換体を開放して排泄を行うとき或いは失禁してしまったときでも、着用体は股部領域を有しないため、排泄物により汚れてしまうといった事態になり難い。
D.交換体を着用体に対して機械的ファスナーシステムにより着脱可能とすることにより、交換作業がきわめて簡単になる。
E.交換体が着用体の外側にあるため、交換体の着脱が容易になる。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
<請求項2項記載の発明>
前記吸収材の形状がT字形、ひょうたん形、又は砂時計形とされている、請求項1記載のパンツタイプ吸収性物品。
【0017】
【0018】
<請求項3項記載の発明>
前記交換体の両側端部に、脚周りに沿う弾性部材がそれぞれ設けられている、請求項1又は2項に記載のパンツタイプ吸収性物品。
【0019】
【0020】
<請求項4項記載の発明>
前記交換体は股間部相当部の両側部に脚周り方向に沿う曲線状部を有し、
前記着用体の幅をW1とし、前記交換体の最大幅をW2とし、前記交換体の最小幅をW3としたとき、
W1 > W2 > W3 であり、
W2 > W1/2 であり、
W3はW2の30〜80%である、
条件を満足するように構成された、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパンツタイプ吸収性物品。
【0021】
(作用効果)
かかる形状とすることにより、胴回り及び脚周りのフィット性が極めて良好となる。なお、本発明の幅W1、W2、W3は、着用体および交換体を完全に広げた状態、すなわちそれらが弾性部材や素材の特性、形状的特長により収縮しているときにはその収縮のない状態まで広げた状態における幅をいう。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しながらさらに詳説する。
図1は製品の等角投影図であり、図2はパンツタイプ紙おむつ例の展開状態の使用面側からの視図であり、図3及び図4はそれぞれ図2のI-I断面図、II-II断面図であり、図5は交換体取外し状態を示す図である。
【0037】
ここに、図1及び図2を用いておむつ各部名称の意味について説明すると、先ず、「縦方向」(「長手方向」)とは、前身頃F側と後身頃B側を結ぶ方向を意味し、「周方向」とは前記縦方向と直交する方向(または製品幅方向)を意味する。「ウエスト開口縁」とはウエスト開口部WOの縁を意味し、「レッグ開口縁」とはレッグ開口部LOの縁を意味する。「レッグ開口始端」とはレッグ開口部LOのレッグ開口縁と接合部30とが交差する位置を意味し、レッグ開口縁の始まり個所の意味である。「胴周り領域」Tとは、ウエスト開口縁からレッグ開口始端に至る長さ範囲の全体領域を意味する。胴周り領域Tは、概念的に「ウエスト部」Wと「腰下部」Uとに分けることができる。これらの縦方向の長さは、製品のサイズによって異なる。「股部領域」Lとは、レッグ開口部LOを形成する範囲、すなわち前身頃F側のレッグ開口始端から後身頃側Bのレッグ開口始端に至る長さ範囲の全体領域を意味する。また、「中央部」とは、製品の中央線を含む側部を除く中間領域を意味する。「脇部」とは、胴周り領域Tにおける両側部を意味する。
【0038】
次に構造について説明する。本発明のパンツタイプ吸収性物品は、胴回り領域Tをなし且つ股部領域Lを有しない着用体10と、股部領域Lをなし且つ体液を吸収保持する交換体20とからなり、交換体20が着用体10に対して着脱可能なように構成したことを骨子とするものであり、この要件のもとで以下に述べるような各種形態を採ることができる。
【0039】
<本発明の実施の形態>
図1〜図5は本発明の実施形態を示している。着用体10は、図4にも示されるように、おむつ外面をなす外装シート11から主に構成されている。外装シート11は、たとえば2枚の撥水性不織布11a,11aからなり、それらの間に縦方向両端部に細い糸ゴムなどからなる弾性部材12,12…が弾性伸縮可能に設けられている。着用体10は、排泄物の排泄液を保持するたとえば綿状パルプなどの吸収材を有しないものとするのが望ましく(吸収材を設けることもできる)、この場合、吸収材の存在によるモコモコ感から解放され、良好な装着感が得られる。着用体10は、前身頃Fと後身頃Bとの両側縁部の縦方向全体を超音波シールや熱溶融などの繊維溶着手段により接合部30をもって接合され、これにより図4に示すように筒状となり、ウエスト開口部WOが形成される。
【0040】
これに対して交換体20は、例えば、ポリエチレンシート等のプラスチック製シートなどからなる不透液性裏面層21と、排泄液を透過するたとえば不織布、透液開口を有するフィルム、ネットシートなどからなる透液性表面層22と、これらの間に介在された吸収材23とから構成される。吸収材23としては綿状パルプを主体とし、必要に応じて高吸水性ポリマーを含有させ、これらをクレープ紙等により包んだものを好適に用いることができる。本形態の交換体20は、長手方向略中央の両側部が若干脚周りに沿う弧状に切りかかれ、この弧状部20R,20Rの前後両端部は矩形状をなす形状となっている。この弧状部20R,20Rは本発明の曲線状部に相当するものであり、いくつかの直線からなる屈曲状であっても良い。
【0041】
交換体20に対しては、図示のように両側部、特に吸収材23の両側端位置に起立カフス24,24がそれぞれ設けられる。起立カフス24は、起立シート24Aの外側部を表面層22または裏面層21に固定し、内側部を自由起立部としたもので、起立シート24Aの先端の袋状部に適宜本数の細い糸ゴムなどからなる弾性部材24Bが弾性伸縮可能に設けられたもので、その弾性部材24Bの収縮力により自由起立部が使用面側に起立するように構成されている。かかる起立カフス24により排泄物の横漏れが防止される。図示しないがこの両側部起立カフス24とともに、またはこれに替えて前後両端部に起立カフスを設けることもでき、この場合排泄物の縦方向移動範囲が規制され、着用体10が汚れたり前後漏れしたりし難くなる。
【0042】
他方、本発明では前述のように、着用体10に対して交換体20が着脱可能に装着される。このため本実施形態では、交換体20の内面の前後両端部に対し幅方向全体にわたりループファスナー42、42が固定され、かつこれらの位置に対応して、着用体10の前身頃F及び後身頃Bの外面における各下端部中央に、ループファスナー42、42と同幅のフックファスナー41、41が固定されている。この場合、交換体20の起立カフス24,24は前後両端部においてループファスナー42,42の裏面と透液性表面層22との間に挟まれ起立は不可能となる。また、フックファスナー41、41の下縁は着用体10の下縁から上側に離間している。
【0043】
したがって、本実施の形態においては、図1の交換体20取付状態と図5の取外し状態の対比からも容易に理解できるように、交換体20を、そのループファスナー42、42をフックファスナー41、41に対して機械的に係合して、着用体10に連結固定した状態で使用に供する。この状態でレッグ開口部LOが形成される。そしてこの状態で、交換体20と共に着用体10を股間部に着用しても良いし、先ず着用体10を腹巻のように着用した後に、交換体20を股の下を通して装着することもできる。
【0044】
失禁等により交換体20を装着した状態で排泄があった場合、適宜の時点で、着用体10を着用したまま、図5に示すように着用体10から交換体20を取り外す。この取外しは、ループファスナー42、42をフックファスナー41、41から外すことにより容易に行うことができる。汚れた交換体20を新しい交換体と取り替えて、これを着用体10に装着させる。
【0045】
かかる交換作業は、介護者や物品装着者にとって容易にかつ負担が少ないものとなる。さらに、着用体10は股部領域Lを有しないため、排泄物により汚れてしまうといった事態になり難い。
【0046】
他方、トイレにおいて通常の排泄を行うときには、着用体10は着用位置のままで交換体20の一部または全部を着用体10から取り外すことで、股部を迅速かつ容易に開放でき、あわててトイレへ駆け込んだ場合でも排泄に間に合わせることができるようになる。
【0047】
<第1の比較形態>
第1の比較形態は図6〜10に示されている。第1の比較形態は本発明に含まれない形態である。第1の比較形態と本発明の実施の形態との相違点を挙げれば下記のとおりである。その他の構成は基本的に共通するので説明を省略する。
(a)交換体20の外面の前後両端部に対し幅方向全体にわたりフックファスナー41、41が固定され、かつこれらの位置に対応して、着用体10の前身頃F及び後身頃Bの内面における各下端部中央に、フックファスナー41、41と同幅のループファスナー42、42が固定されている点。
(b)交換体20の両側縁の長手方向全体が脚周りに沿う弧状部20R,20Rをなしている点。
(c)交換体20の両側端部において脚周りに沿う弾性部材25,25が設けられ、レッグ開口部LOが装着者の脚周りに良好にフィットするように構成されている点。
なお、これらの各構成のうち(b)及び(c)は、本発明の実施形態に対して独立的に応用することができる。また、図面の符号は本発明の実施形態と共通的に用いている。
【0048】
【0049】
<第2の比較形態>
第2の比較形態は図11〜15に示されている。第2の比較形態は本発明に含まれない形態である。第2の比較形態と第1の比較形態との相違点を挙げれば下記のとおりである。その他の構成は基本的に共通するので説明を省略する。
(d)着用体100が、紙おむつとは異なり、織布や編物により形成されており、着用体100にファスナー部材(この場合ループファスナー部材42,42)が設けられておらず、外面素材自体が交換体20のファスナー部材(この場合フックファスナー41,41)と係合する点。
(e)交換体20の両側縁の長手方向全体が直線状であり、交換体20全体として矩形をなしている点。
(f)着用体100は当初から所定の筒状に形成されており、両側部に接合部を有しない点。
(g)着用体100は周方向の締め付けのための弾性部材を有しない点。
なお、これらの各構成のうち(e)、(f)及び(g)は、本発明の実施形態に対して独立的に応用することができる。また、図面の符号は着用体100を除いて第1の比較形態と共通的に用いている。
【0050】
本第2の比較形態における着用体100の素材としては、コットン、シルク等の天然素材、合成素材など、通常下着に用いられる素材を使用できる。
【0051】
かくして構成された第2の比較形態のパンツタイプ吸収性物品では、第1の比較形態のものと比べて、交換体20が着用体100の外側にあるため、交換体20の着脱が容易になる利点がある。この利点は本発明の実施形態も同様である。
【0052】
<各部のサイズに関して>
前述のとおり、交換体20の両側縁が脚周りに沿う弧状をなしていると、脚周りのフィット性が好ましくなるため好ましい。この場合、図16に示すように、着用体10の幅をW1とし、交換体20の最大幅(図示例では曲線状部20Rを有しない部分の幅)をW2とし、交換体20の最小幅(図示例では曲線状部20Rを有する部分の最小幅)をW3としたとき、
W1 > W2 > W3 であり、
W2 > W1/2 であり、
W3はW2の30〜80%である、
条件を満足するように着用体10及び交換体20を構成すると、特にフィット性が良好になるため好ましい。
【0053】
特に好ましいのは、W1が30〜65cm、W2が25〜60cm、W38〜30cmの範囲である。
【0054】
<製造方法について>
他方、上記のパンツタイプ吸収性物品は、例えば、図17に示す方法により容易に製造することができる。
【0055】
(イ)すなわち、不透液性裏面層21と透液性表面層22との間に、液体を吸収保持する吸収材23を挟んで交換体20を形成するとともに、この交換体20に対し機械的面ファスナーシステムの一方の面ファスナー部材、例えばループファスナー42、42を固定する。
(ロ)この一方で、長手方向に沿う適宜本数の弾性部材12を両側端部にそれぞれ有する帯状体STを幅方向略中央に於いて切断し、前身頃胴回り部分をなす前身頃胴回り部帯状体10Fおよび後身頃胴回り部分をなす後身頃胴回り部帯状体10Bをそれぞれ形成するとともに、これら帯状体10F,10Bに対し機械的面ファスナーシステムの他方の面ファスナー部材、例えばフックファスナー41、41をそれぞれ固定する。これらの帯状体10F,10Bは長手方向に沿って連続的にライン上を搬送される。
(ハ)しかる後、ライン上を搬送されてくる前身頃および後身頃胴回り部帯状体10F,10Bを幅方向に所定の間隔をもって平行に配置し、これら両胴回り部帯状体10F,10B間に跨るように交換体20を載置し、対応する面ファスナー部材41、42相互を接合する。
(ニ)次いで、接合した交換体20および両胴回り部帯状体10F,10Bを、交換体20の股間部相当部を境に2つ折状に折り曲げるとともに、両胴回り部帯状体相互10F,10Bを重ね合わせる。この折り曲げもライン上で連続的に行われる。
(ホ)そして、ライン上を搬送されてくる重ね合わせられた状態の両胴回り部帯状体10F,10Bを長手方向所定位置において所定寸法に裁断し、かつこの裁断により形成される両端部を接合して着用体10を形成する。接合部は符号30により示されている。
かくして、着用体10に交換体20が装着された状態のパンツタイプ吸収性物品が連続的に製造できる。
【0056】
<その他>
(1)交換体20は、予想される失禁量に応じて使い分けが可能なように、たとえば50cc用、100cc用、150cc用、300cc用、450cc用、600cc用といった吸収量の異なるものを準備することができ、必要に応じ、装着者の身体へのフィット性を良くすることができる。
【0057】
【0058】
(2)上記実施形態では交換体20に起立カフス24を設けているが、本発明では起立カフス24を省略することもできる。
【0059】
(3)他方、交換体20は、その大きさ及び形状は適宜選択できる。その裏面層21は、肌触りが良好な不織布などを用いるのが望ましい。交換体20の裏面の適宜の位置に排泄の有無を介護者に知らせる当業界で公知のいわゆる「おしらせマーク」を設けるのが望ましい。
【0060】
(4)上記実施形態の機械的面ファスナーシステム41,42において、フックファスナー41とループファスナー42とは、逆の位置関係でもよい。フックファスナー41及びループファスナー42自体の形状などは、各種公知のものを使用できる。図示例では、フックファスナー41及びループファスナー42は長方形状をなしており、長辺が周方向に沿うように設けられている。
【0061】
(5)本発明の吸収材23としては、着用者の肌に対してゴツゴツした感じをもたせることなく尿などの液体を吸収し保持できるものであれば如何なるものでも良い。吸収材23は吸収性物品の分野で用いられる液体吸収性素材を適宜のサイズ・形状(例えばT字形、ひょうたん形、砂時計形)に形成して得ることができる。吸収材の構造としては多種多様なものを用いることができる。具体的に例示すると、NovaThin(Rayonier社製)のようなエアレイド吸収体(高吸収性ポリマー含有量20〜60重量%)や、高吸収性ポリマーを不織布に固定したMegaThin(JATI:日本吸収体技術研究所製)のようなパルプレス吸収体といった予めシート状にされた超薄型吸収シートを使用することが好ましい。また、主として高吸水性樹脂とフラッフパルプを積繊した吸収材も用いることができる。これは、クレープ紙やSMSなどの不織布に包まれた形態とすることができる。さらに吸収材の上層には、ADLayer(アクイジションディストリビューション層)と呼ばれる浸透拡散を促進させる層を設けることができる。これは主として太デニールの不織布などによって構成される。
【0062】
なお、上記実施形態では吸収材23が交換体20の略全体に存在しているが、一部でも良い。特に装着者の局部は男女で異なるので、これに合わせて局所的に吸収材23を配置し、液透過部位などを変えて性別に対して専用とすることもできる。
【0063】
(7)上記実施形態における交換体20の透液性表面層22としては、紙おむつや生理用ナプキンに通常使用される不織布シート等が好適に使用できる。
【0064】
(8)上記実施形態における交換体20の不透液性裏面層21は紙おむつナプキンに通常使用されるポリエチレンシート等を用いることができ、特に透湿性を有するものが好ましく、外面に不織布が張り合わされているとさらに好ましい。
【0065】
(9)本発明の吸収性物品は、大人用に適したものであるが、幼児用とすることもできる。
【0066】
(10)弾性部材は、衣類としてのパンツおよびパンツタイプ紙おむつにならって適所に設けることができる。
【0067】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば次記の作用効果が奏せられる。
A.交換体は、少なくとも排泄物の吸収部または全体が、着用体に対して着脱可能である。したがって、排泄があった場合、着用体を着用したまま、着用体から交換体を脱着させ、新しい交換体と取り替えて着用体に装着させることができる。よって、介護者や物品装着者が容易にかつ少ない労力で交換体を交換できる。
B.着用体は、ウエスト開口部の縁からレッグ開口部上端に至る長さ範囲の胴回り領域をなし、かつ前側のレッグ開口部上端から後側のレッグ開口部上端に至る長さ範囲の股部領域を有しないものであるため、あわててトイレへ駆け込んだ場合でも交換体の一部または全部を着用体から取り外すことで、股部を迅速かつ容易に開放できる。
C.交換体を開放して排泄を行うとき或いは失禁してしまったときでも、着用体は股部領域を有しないため、排泄物により汚れてしまうといった事態になり難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の製品状態の等角投影図である。
【図2】 第1の実施形態の展開状態の使用面側からの視図である。
【図3】 図2のI-I断面図である。
【図4】 図2のII-II断面図である。
【図5】 第1の実施形態の取外し状態を示す図である。
【図6】 第1の比較形態の製品状態の等角投影図である。
【図7】 第1の比較形態の展開状態の使用面側からの視図である。
【図8】 図7のIII-III断面図である。
【図9】 図2のIV-IV断面図である。
【図10】 第1の比較形態の取外し状態を示す図である。
【図11】 第2の比較形態の製品状態の等角投影図である。
【図12】 第2の比較形態の展開状態の使用面側からの視図である。
【図13】 図3のV-V断面図である。
【図14】 図3のVI-VI断面図である。
【図15】 第2の比較形態の取外し状態を示す図である。
【図16】 好適なサイズ関係を示す平面図である。
【図17】 製造方法を示すフロー図である。
【符号の説明】
10,100…着用体、20…交換体、21…不透液性裏面層、22…透液性表面層、23…吸収材、24…起立カフス、41…フックファスナー、42…ループファスナー。
Claims (4)
- ウエスト開口部および左右一対のレッグ開口部を有するパンツタイプ吸収性物品であって、
ウエスト開口部の縁からレッグ開口部上端に至る長さ範囲の胴回り領域をなし、かつ前側のレッグ開口部上端から後側のレッグ開口部上端に至る長さ範囲の股部領域を有しない、着用体と、
股部領域をなし、体液を吸収保持する交換体とからなり、
前記交換体の内面の前後両端部における幅方向全体にわたり、機械的面ファスナーシステムの一方の面ファスナー部材がそれぞれ固定され、かつ前記着用体の外面の前後各下端部に、前記一方の面ファスナー部材の位置に対応させて、前記一方の面ファスナー部材と同幅の他方の面ファスナー部材がそれぞれ固定されるとともに、これら他方の面ファスナー部材の下縁が前記着用体の下縁から上側に離間しており、
前記交換体の前後両端部が前記着用体の前後各下端部に対して前記機械的面ファスナーシステムにより着脱可能なように構成されており、
前記着用体は、周方向の締め付けのための弾性部材が上端部に取り付けられ、これよりも下側の部分には周方向の締め付けのための弾性部材が取り付けられておらず、
前記交換体は、不透液性裏面層と、透液性表面層と、これらの間に介在された吸収材とを有しており、前記吸収材の前後両端部が、前記交換体の前後両端部に位置しており、
前記交換体における両側部に起立カフスがそれぞれ設けられており、これら起立カフスは、前記交換体の前後両端部において前記一方の面ファスナー部材と使用面との間に挟まれた起立不可能部分と、これら起立不可能部分の間の部分であって使用面側に起立する自由起立部とを有するものである、
ことを特徴とするパンツタイプ吸収性物品。 - 前記吸収材の形状がT字形、ひょうたん形、又は砂時計形とされている、請求項1記載のパンツタイプ吸収性物品。
- 前記交換体の両側端部に、脚周りに沿う弾性部材がそれぞれ設けられている、請求項1又は2項に記載のパンツタイプ吸収性物品。
- 前記交換体は股間部相当部の両側部に脚周り方向に沿う曲線状部を有し、
前記着用体の幅をW1とし、前記交換体の最大幅をW2とし、前記交換体の最小幅をW3としたとき、
W1 > W2 > W3 であり、
W2 > W1/2 であり、
W3はW2の30〜80%である、
条件を満足するように構成された、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパンツタイプ吸収性物品。
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Publications (3)
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