JP2003070833A - 使い捨て吸収性物品 - Google Patents

使い捨て吸収性物品

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JP2003070833A JP2001267657A JP2001267657A JP2003070833A JP 2003070833 A JP2003070833 A JP 2003070833A JP 2001267657 A JP2001267657 A JP 2001267657A JP 2001267657 A JP2001267657 A JP 2001267657A JP 2003070833 A JP2003070833 A JP 2003070833A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使い捨て吸収性物品をパンツのように被装着
者自身が容易に上下に移動させることができ、第三者が
装着する際装着に手間がかからず、装着状態でずれが生
ずることなく、肌に密着した状態で装着し使用すること
ができ、排泄物の外部への漏れを防止できる。 【解決手段】 吸収性物品体1は、透液性表面シート2
と不透液性裏面シート3との間に配設した吸収体4と、
不透液性裏面シート3に接合した外層シート5を有して
いる。吸収性物品体1の背側腰回り部11と腹側腰回り部
13の両側部とに係脱自在の背側および腹側結合部17,18
を設ける。腹側結合部18は幅方向に配設した外側結合部
19aと内側結合部19bとを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大人用或いは失禁
用の使い捨ておむつなどの吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の使い捨ておむつは、透液
性表面シート、不透液性裏面シートおよびこれら透液性
表面シートと不透液性裏面シートとの間に配設された吸
収体とを有し、背側腰回り部、幅方向両側縁に脚回り部
を形成した股下回り部および腹側腰回り部が長手方向に
順次一体的に形成され、前記背側腰回り部および前記腹
側腰回り部の幅方向の両側部がそれぞれ互いに係脱自在
に接合されるおむつ体を備え、このおむつ体の前記背側
腰回り部の幅方向の両側部には粘着テープまたは面ファ
スナーなどの背側結合部が設けられるとともに腹側腰回
り部の幅方向の寸法は背側腰回り部の幅方向の寸法より
広く形成され、この腹側腰回り部の両側部には、この背
側結合部が接合される粘着テープまたは面ファスナーな
どの幅広の腹側結合部が設けられた構造が一般的に知ら
れている。
【0003】そして、この種の使い捨ておむつ体は、使
用時に腹側腰回り部と背側腰回り部との結合部を互いに
接合することによりパンツ形状となる。そして、おむつ
の装着に関しては、腹側腰回り部の幅広の腹側結合部に
背側腰回り部の背側結合部を接合するので、ある程度の
サイズ調整が可能である便利さを有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような使い捨ておむつは、腹側腰回り部の腹側結合部が
幅広であるため、背側腰回り部の背側結合部を腹側腰回
り部の腹側結合部の幅方向の内側で接合すると、腹側結
合部の両外側部が背側結合部に接合されずに遊離した状
態になり、おむつ内部で不規則に折れ曲がり、装着した
状態で上下移動させにくく、また、腹側腰回り部および
背側腰回り部が伸縮しないため装着者自身が上下移動さ
せることが困難である問題もある。
【0005】さらに、上記のような使い捨ておむつは、
腹側腰回り部の腹側結合部を身体の両脇腹部で接合する
ようにすると、第三者がおむつを装着させる際、特に寝
た状態では、身体の両脇腹部で結合部の接合作業をしな
ければならず、装着に手間がかかるという問題もある。
また、パンツのように上下移動させるために、寝た状態
では肌への密着性に欠け、漏れの原因になる。
【0006】また、使い捨ておむつと被装着者の身体の
間にパッドを介在させて装着し使用する場合もあるが、
その際上記の構成の使い捨て吸収性物品ではパッドがず
れて漏れが生ずる場合もある。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、パンツのように装着可能で、被装着者自身が装着後
に容易に上下に移動させることができ、装着したときに
被装着者の身体との間に挟み込まれる腹側腰回り部の腹
側結合部の余り部分が生ずることがなく、さらに、第三
者が装着する際、特に被装着者が寝た状態であっても、
装着に手間がかからず、また、使い捨て吸収性物品と被
装着者の身体の間にパッドを介在させて装着し使用する
場合であってもパッドや使い捨て吸収性物品自体のずれ
が生ずることなく、装着時の肌への密着性がよく、排泄
物の外部への漏れを防止することができる、使い捨てお
むつなどのような使い捨て吸収性物品を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の使
い捨て吸収性物品は、透液性表面シート、不透液性裏面
シートおよびこれら透液性表面シートと不透液性裏面シ
ートとの間に配設された吸収体と、前記不透液性裏面シ
ートの外面側に結合された外層シートとを有し、背側腰
回り部、両側に脚回り部を形成した股下回り部、および
腹側腰回り部が長手方向に順次一体的に形成され、かつ
前記背側腰回り部の幅方向両側部と前記腹側腰回り部の
幅方向両側部とが係脱自在に接合される吸収性物品体を
備え、前記外層シートは前記不透液性裏面シート側に面
する内側シート片と装着者の衣服側に面する外側シート
片とにて構成され、前記外層シートの前記腹側腰回り部
の幅方向の両側部にはそれぞれ腹側結合部が設けられる
とともに前記外層シートの背側腰回り部の幅方向の両側
部にはそれぞれ前記各腹側結合部に接合される背側結合
部が設けられ、前記外層シートの背側腰回り部および腹
側腰回り部には、吸収性物品体の長手方向略全域にわた
って、前記外層シートの内側シート片と前記外側シート
片との間に、前記吸収性物品体の幅方向に伸縮する弾性
体が配設され、前記外層シートの腹側結合部は、外層シ
ートの幅方向の両外側縁近傍に位置する外側結合部と、
外側結合部より内側に位置する内側結合部とから構成さ
れているものである。
【0009】そして、背側腰回り部と腹側腰回り部の長
手方向略全域には、幅方向に伸縮する弾性体が、外層シ
ートの内側シートと外側シートとの間に配設されている
ので、背側腰回り部および腹側腰回り部は全周方向に伸
縮し、使い捨て吸収性物品を被装着者の身体に装着した
後、あたかもパンツのように、使い捨て吸収性物品を容
易に上下に移動させることができる。
【0010】また、腹側腰回り部は幅方向外端近傍に外
側結合部を設けることで、被装着者自身が使い捨て吸収
性物品を装着する際、外側結合部に背側腰回り部の背側
結合部を接合することによって、腹側腰回り部の腹側結
合部の両外側部或いは腹側腰回り部の両外側部に余り部
分が生じることなく装着できるので、使い捨て吸収性物
品を被装着者に装着した後に使い捨て吸収性物品を容易
に上下に移動させることができる。
【0011】また、腹側腰回り部には外側結合部の幅方
向内側に内側結合部を設けることで、第三者が使い捨て
吸収性物品を装着させる際、特に、被装着者が寝た状態
においては、両脇腹領域ではなく腹側領域で両結合部を
接合することが可能になるため、使い捨て吸収性物品の
装着を容易に行うことができる。また、使用者本人の体
型に着実に密着させて装着することができるので、排泄
物の漏れがなくなる。また、使い捨て吸収性物品と被装
着者の身体の間にパッドを介在させて装着し使用する場
合であってもパッドや使い捨て吸収性物品自体のずれが
生ずることなく、したがって、パッドからの漏れをなく
すことができる。
【0012】また、被装着者の身体のサイズに合わせて
腹側腰回り部の内側結合部と外側結合部で選択し、背側
腰回り部の結合部と接合でき、使い捨て吸収性物品を身
体に密着させることができる。
【0013】請求項2記載の発明の使い捨て吸収性物品
は、請求項1記載の使い捨て吸収性物品において、外層
シートの外側シート片に設けられた腹側結合部は面ファ
スナのフック部材によって構成され、外層シートの内側
シート片に設けられた背側結合部は面ファスナのループ
部材によって構成されているものである。
【0014】そして、腹側腰回り部の腹側結合部がフッ
ク部材、背側腰回り部の背側結合部がループ部材から構
成されているので、容易に使い捨て吸収性物品の着脱が
行える。
【0015】また、着用時にフック部材が衣服表面側に
位置するので、フック部材で肌を傷付けることがない。
【0016】請求項3記載の発明の使い捨て吸収性物品
は、請求項2記載の使い捨て吸収性物品において、背側
腰回り部の幅方向の両側部に形成した背側結合部の位置
は、外層シートの幅方向両側縁より内側で、この背側結
合部と外層シートの外側縁との間の寸法は、腹側腰回り
部の内側結合部と外側結合部との間の寸法と同一、若し
くは長い寸法に形成され、外層シートの少なくとも幅方
向の両外側縁と背側結合部との間の内側シート片は不織
布である。
【0017】そして、使い捨て吸収性物品の背側腰回り
部の背側結合部の位置は、外層シートの幅方向両外側部
より内側で、幅方向の外層シートの両外側部と腹側腰回
り部の腹側結合部との間の長さと、腹側腰回り部の幅方
向の内側結合部と外側結合部との間の長さと同一もしく
は長い寸法に形成され、幅方向の外層シートの両側縁と
背側結合部との間の内側外層シートは不織布であるの
で、腹側結合部の外側結合部のフック部材と背側結合部
とを接合した際、腹側結合部の内側結合部は、背側結合
部より幅方向の外側位置の不織布に腹側腰回り部の内側
結合部が接合され、フック部材が表面に出ることがない
ため、フック部材によって衣服を損傷させることはな
い。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の使い捨て吸収性物
品における一実施の形態の構成を図面を参照して説明す
る。
【0019】使い捨て吸収性物品は、例えば使い捨てお
むつで、吸収性物品体としてのおむつ体1を備えてい
る。このおむつ体1は、図1に示す展開状態から病人、
失禁者などの使用者の背部側から腹部側に身体に沿って
装着するものである。そして、このおむつ体1は、透液
性を有する透液性表面シート2と、不透液性を有する不
透液性裏面シート3と、この透液性表面シート2と不透
液性裏面シート3との間に配設された液吸収性を有する
吸収体4と、前記不透液性裏面シート3の外面側に結合
された外層シート5とによって層状に形成されている。
【0020】そして、透液性表面シート2と不透液性裏
面シート3とは周縁部が接着剤などで接合されて吸収体
4が封着されている。また、この透液性表面シート2と
不透液性裏面シート3との幅方向の両側長手方向に沿っ
た接合部分には、透液性表面シート2の両側縁にて細長
ギャザシート片6が形成されている。さらに、このギャ
ザシート片6には、長手方向に沿って紐状ゴムなどのギ
ャザシート形成弾性体7が伸長した状態で固着されてい
る。そして、ギャザシート片6は、装着前の展開状態で
は、ギャザシート形成弾性体7が伸長して表面に沿った
状態となり、おむつ体1の装着状態では、ギャザシート
形成弾性体7の収縮により透液性表面シート2から立ち
上がる壁状となる立体ギャザが形成される。
【0021】なお、前記透液性表面シート2は、尿など
の排泄液を前記吸収体4へ透過できるように、例えば、
織布、不織布、多孔性フィルム、合成繊維などの透液性
および通気性を有しかつ身体に直接接触する部分である
ことから不快感を与えないように肌着に近い感触のシー
ト材にて形成されている。また、前記不透液性裏面シー
ト3は、尿などの排泄液にて下着などの他の衣類、ある
いはシーツなどが汚れるのを防止するために、例えば、
ポリエチレン樹脂などの合成樹脂などの不透液性および
通気性を有したシート材にて形成されている。
【0022】なお、吸収体4は、尿などの排泄液を十分
に吸収するために、例えばパルプを主とする材料であっ
て一部に高分子吸収体などの物質を含んだ材料にてシー
ト状に形成されている。
【0023】そして、透液性表面シート2、吸収体4、
および不透液性裏面シート3はおむつ体1の長手方向に
長い略矩形形状に形成されている。
【0024】一方、前記外層シート5は、前記透液性表
面シート2、吸収体4、および不透液性裏面シート3よ
りも大きく形成され、通気性かつ不透液性を有する内側
シート片9と外側シート片10とが厚み方向に重ね合わせ
て一体的に接合して形成され、不透液性裏面シート3の
外面側が内側シート片9に接着剤などにて接合されてい
る。
【0025】また、この外層シート5は、展開状態で背
側腰回り部11、股下回り部12および腹側腰回り部13がお
むつ体1の長手方向に順次一体的に形成されるとともに
長手方向に沿った中心線にて線対称な矩形形状に形成さ
れ、この股下回り部12の幅方向の両側縁には凹円弧状に
切り欠かれた脚回り部14が形成されている。
【0026】また、透液性表面シート2、吸収体4およ
び不透液性裏面シート3は、おむつ体1の外層シート5
の長手方向に沿う状態で略中央に背側腰回り部11、股下
回り部12および腹側腰回り部13にわたり配設されてい
る。
【0027】そして、おむつ体1の外層シート5の背側
腰回り部11は、展開状態におけるおむつ体1の長手方向
の一端側に形成され、この展開状態からおむつ体1が適
宜に折り曲げられて、使用者の腰回りの背部側に位置す
る部分となっている。そして、この背側腰回り部11のお
むつ体1の長手方向における両外側縁部には、不織布に
て形成された略矩形形状の取付け片15が、外層シート5
の両面にわたって貼着されている。この取付け片15の肌
側になる内面には、面ファスナのループ部材により形成
される背側結合部17が貼着されている。
【0028】また、おむつ体1の股下回り部12は、展開
状態における長手方向の中間部に背側腰回り部11から腹
側腰回り部13にわたっておむつ体1の長手方向側に連続
して一体に形成され、この展開状態からおむつ体1が適
宜に折り曲げられて、使用者の股下に位置する部分とな
っている。なお、股下回り部12の両側縁に略凹円弧状に
形成された脚回り部14は、背側腰回り部11および腹側腰
回り部13の幅寸法より幅が狭く使用者の脚回りに適合さ
れる。
【0029】さらに、おむつ体1の腹側腰回り部13は、
展開状態におけるおむつ体1の長手方向の股下回り部12
の背側腰回り部11と反対側の他端側に連続して一体に形
成され、この展開状態からおむつ体1が適宜に折り曲げ
られて、使用者の腰回りの腹部側に位置する部分となっ
ている。そして、この腹側腰回り部13は、背側腰回り部
11と略同様に、おむつ体1の幅方向に長い略矩形形状に
形成されている。
【0030】また、前記腹側腰回り部13のおむつ体1の
長手方向における外層シート5の内側シート片9の両外
側部近傍には、背側腰回り部11の両側部に背側結合部17
と係脱可能な略矩形形状の面ファスナのフック部材によ
り構成される腹側結合部18が設けられている。この腹側
結合部18は、外側結合部19aおよび内側結合部19bにて形
成され、この外側結合部19aと内側結合部19bとは腹側腰
回り部13の幅方向両側部に幅方向に並列に配設されてい
る。
【0031】そして、図2に示すとおり、おむつ体1の
背側腰回り部11の両外側近傍に形成された背側結合部17
の幅方向側縁部すなわち背側結合部17の幅方向の内側縁
部から背側腰回り部11の幅方向側縁部までの長さ寸法L
は、腹側腰回り部13の両端部近傍に貼着された外側結
合部19aと内側結合部19bとの幅方向における長さ、すな
わち、外側結合部19aの外側端部と内側結合部19bの内側
端部との間の寸法Lに比し略同寸法または若干長い寸
法に形成されている。
【0032】また、おむつ体1の背側腰回り部11および
腹側腰回り部13には、両側の背側結合部17間および両側
の腹側結合部18の内側結合部19b間のそれぞれ長手方向
略全域にわたって、外層シート5の内側シート片9およ
び外側シート片10との間に、例えば複数本の紐状ゴムな
どの幅方向に伸縮する弾性体20,21が伸張した状態で幅
方向に接着などにより固着され、背側腰回り部11および
腹側腰回り部13の略全域は、弾性体20,21にておむつ体
1の幅方向に伸縮する伸縮性が付与されている。
【0033】さらに、おむつ体1の脚回り部14に沿っ
て、外層シート5の外側シート片10および内側シート片
9間に位置して背側腰回り部11と腹側腰回り部13との間
に、例えば紐ゴム状の脚回り弾性体22が伸張した状態
で、固着されている。すなわち、この脚回り部14は、長
手方向に沿って脚回り弾性体22によって実質的に直線状
に伸縮する伸縮性が付与されるとともに、おむつ体1の
長手方向および幅方向に伸縮性が付与され、おむつ体1
の脚回り部14はギャザ部に形成される。
【0034】また、おむつ体1の背側腰回り部11および
腹側腰回り部13の透液性表面シート2の表面に不織布な
どの透液性および通気性を有するカバーシート23,24が
積層されている。
【0035】次に、上記実施の形態の作用について説明
する。
【0036】まず、装着に際しては、図1に示す展開状
態のおむつ体1の背側腰回り部11を、仰向けに臥せてい
る使用者の腰の下側に透液性表面シート2側を使用者の
肌側に臨ませて敷く。この状態で、上面に位置する透液
性表面シート2が使用者の股下に沿うように折り曲げ、
股下回り部12を股下に当てるとともに腹側腰回り部13を
使用者の腹部側に当てる。この状態で、ギャザシート片
6による立体ギャザが壁状に突出する状態に起き上がっ
て先端縁部分が使用者の股下部に接触する。
【0037】そして、背側腰回り部11および腹側腰回り
部13の両側部を腰回りに当て、腹側腰回り部13の両外側
近傍のフック部材である腹側結合部18の外側結合部19a
あるいは内側結合部19bに、背側腰回り部11の両側部の
ループ部材である背側結合部17を接合することにより、
パンツ形状として被装着者の身体に装着する。このおむ
つ体1の外層シート5の幅方向の両外側縁に位置する外
側結合部19aに背側腰回り部11の取付け片15上に設けた
背側結合部17を接合し装着したとき、背側腰回り部11の
両側端部に貼着された取付け片15は不織布であるため、
背側腰回り部11の背側結合部17より外側部にフック部材
の内側結合部19bが取付け片15に接合される。そして、
この状態で、脚回り部14のギャザ部が使用者の脚回りに
当接する。
【0038】そして、外層シート5の背側腰回り部11と
腹側腰回り部13の背側結合部17および腹側結合部18を除
いて長手方向略全域には、幅方向に伸縮する弾性体20,
21がそれぞれ配設されているので、パンツ状のおむつ体
1の略全周方向に伸縮し、腰回りで伸縮性が得られ、締
め付けすぎることを防止でき、また、おむつ体1全体に
おいて得られる伸縮性により、背側腰回り部11および腹
側腰回り部13が身体に密着して、尿などの排泄液の漏れ
を防止できるとともに、おむつ体1を被装着者の身体に
装着した後、おむつ体1を容易に上下に移動させること
ができる。
【0039】また、弾性体20,21によっておむつ体1の
略全周方向に伸縮性が与えられていることに加え、背側
腰回り部11の背側結合部17と腹側腰回り部13の腹側結合
部18の大きさに極端な差異がないようにできるので、背
側腰回り部11の背側結合部17と腹側腰回り部13の腹側結
合部18がほぼ一定の位置で結合でき、腹側腰回り部13の
両端部が内側に弛み込むことがないので、おむつ体1を
被装着者の身体に装着した後、あたかもパンツのよう
に、おむつ体1を容易に上下に移動させることができ
る。
【0040】さらに、ギャザシート片6による立体ギャ
ザの先端縁がギャザシート形成弾性体7の伸縮性により
使用者の股下部両側に密着する状態となるとともにおむ
つ体1の脚回り弾性体22にて形成されるギャザ部が使用
者の脚回りに密着するため、尿などの排泄液の漏れを確
実に防止できる。
【0041】一方、おむつ体1の取り外しに際しては、
ループ部材である背側結合部17をフック部材である腹側
結合部18の外側結合部19aまたは内側結合部19bから分離
して取り外す。この取り外し作業は、腹側腰回り部13の
幅方向の両側部を引っ張るようにして仰向けに臥せてい
る使用者の腰の下から引き抜くことで行うことができる
ので、容易におむつ体1を着脱でき、作業性を向上でき
る。
【0042】上述したように、上記実施の形態では、背
側腰回り部11および腹側腰回り部13のおむつ体1の長手
方向における略全域にわたり、外側シート片10および内
側シート片9間にそれぞれ弾性体20,21を配設し、おむ
つ体1の背側腰回り部11および腹側腰回り部13における
略全周方向に伸縮性を付与するため、従来のパンツ型の
構成のように、着衣を脱がして腰を持ち上げるようにし
て着脱する必要がなく、臥せている使用者でも容易に着
脱でき、作業性を向上できるとともに、背側腰回り部11
および腹側腰回り部13には腹回り全体的に伸縮性が得ら
れるので、締め付けすぎることを防止して密着させるこ
とができ、尿などの排泄液の漏れを生じることなく使用
者の装着感を向上できる。
【0043】また、弾性体20,21が設けられた背側腰回
り部11および腹側腰回り部13に直接接合することなく、
弾性体20,21が配設されていない両側方の背側結合部1
7、腹側結合部18において接合することから、不規則な
しわが生じることを確実に防止して接合することができ
るとともに、作業性も向上できる。
【0044】また、おむつ体1の股下回り部12の両側の
脚回り部14に沿って脚回り弾性体22を設けたため、脚回
り部14に沿った方向に伸縮性が付与され、使用者の脚回
りに密着でき、脚回りが締め付けられることを防止でき
るとともに脚回りからの尿などの排泄液の漏れを防止で
きる。
【0045】さらに、おむつ体1の長手方向に沿って長
手状に配設した吸収体4の両側に位置して伸縮性を有し
たギャザシート片6による立体ギャザを形成するため、
立体ギャザが股下の両側回りに密着でき、また、脚回り
部14に設けた脚回り弾性体22に形成されるギャザ部によ
り、確実に脚回りからの漏れを防止できる。
【0046】また、脚回り部14に沿って設けた脚回り弾
性体22は股下回り部12に沿って設けるため、股下回り部
12も良好に密着でき、弛みが生じるなどの装着不快感を
防止できるとともに、吸収体4にて確実に吸収して脚回
りからの漏れを確実に防止できる。
【0047】なお、背側腰回り部11、腹側腰回り部13、
股下回り部12、脚回り部14およびギャザシート片6に設
けられる弾性体20,21、脚回り弾性体22およびギャザシ
ート形成弾性体7は、紐状ゴムに限らず、幅広の帯状の
ゴムなどでもよく、複数本に限らず、面状に形成したも
のを1本のみとすることもできる。
【0048】そして、吸収体4は、長手矩形形状に形成
したが、例えば、腹側腰回り部13および背側腰回り部11
に位置する両端部が幅広で長手方向の両側部が股下回り
部12の両側縁に沿う状態に形成するなどしてもできる。
【0049】また、吸収体4の両側に位置して形成され
る立体ギャザは必ずしも必要でない。
【0050】そして、脚回り部14に設けた脚回り弾性体
22は直線状に脚回り部14に沿って配設したが、2本の弾
性体にて脚回り部14に沿って実質的に直線状に配設する
こともできる。
【0051】上記実施の形態では、使い捨ておむつにつ
いて説明したが、各種吸収性物品に適用できる。
【0052】なお、上記実施の形態において、背側結合
部17、腹側結合部18の外側結合部19aおよび内側結合部1
9bは、例えば面ファスナに限らず、粘着層によって結合
するなど適宜の手段で係脱できる構造とすることもでき
る。
【0053】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、背側腰回
り部と腹側腰回り部の長手方向略全域には、幅方向に伸
縮する弾性体が、外層シートの内側シートと外側シート
との間に配設されているので、背側腰回り部および腹側
腰回り部は全周方向に伸縮し、使い捨て吸収性物品を被
装着者の身体に装着した後、あたかもパンツのように、
使い捨て吸収性物品を容易に上下に移動させることがで
きる。
【0054】また、腹側腰回り部は幅方向外端近傍に外
側結合部を設けることで、被装着者自身が使い捨て吸収
性物品を装着する際、外側結合部に背側腰回り部の背側
結合部を接合することによって、腹側腰回り部の腹側結
合部の両外側部或いは腹側腰回り部の両外側部に余り部
分が生じることなく装着できるので、使い捨て吸収性物
品を被装着者に装着した後に使い捨て吸収性物品を容易
に上下に移動させることができる。
【0055】また、腹側腰回り部には外側結合部の幅方
向内側に内側結合部を設けることで、第三者が使い捨て
吸収性物品を装着させる際、特に、被装着者が寝た状態
においては、両脇腹領域ではなく腹側領域で両結合部を
接合することが可能になるため、使い捨て吸収性物品の
装着を容易に行うことができる。また、使用者本人の体
型に着実に密着させて装着することができるので、排泄
物の漏れがなくなる。また、使い捨て吸収性物品と被装
着者の身体の間にパッドを介在させて装着し使用する場
合であってもパッドや使い捨て吸収性物品自体のずれが
生ずることなく、したがって、パッドからの漏れをなく
すことができる。
【0056】また、被装着者の身体のサイズに合わせて
腹側腰回り部の内側結合部と外側結合部で選択し、背側
腰回り部の結合部と接合でき、使い捨て吸収性物品を身
体に密着させることができる。
【0057】請求項2記載の発明によれば、腹側腰回り
部の腹側結合部がフック部材、背側腰回り部の背側結合
部がループ部材から構成されているので、容易に付け外
しが行える。
【0058】また、着用時にフック部材が衣服表面側に
位置するので、フック部材で肌を傷付けることがない。
【0059】請求項3記載の発明によれば、背側腰回り
部の背側結合部の位置は、外層シートの幅方向両外側部
より内側で、幅方向の外層シートの両外側部と腹側腰回
り部の腹側結合部との間の長さと、腹側腰回り部の幅方
向の内側結合部と外側結合部との間の長さと同一もしく
は長い寸法に形成され、幅方向の外層シートの両側縁と
背側結合部との間の内側外層シートは不織布であるの
で、腹側結合部の外側結合部のフック部材と背側結合部
とを接合した際、腹側結合部の内側結合部は、背側結合
部より幅方向の外側位置の不織布に腹側腰回り部の内側
結合部が接合され、フック部材が表面に出ることがない
ため、フック部材によって衣服を損傷させることはな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す使い捨て吸収性物
品の展開した状態の一部を切取った正面図である。
【図2】同上使い捨て吸収性物品の腹側腰回り部および
背側腰回り部の幅方向端部近傍の展開した状態の正面図
である。
【符号の説明】
1 吸収性物品体としてのおむつ体 2 透液性表面シート 3 不透液性裏面シート 4 吸収体 5 外層シート 9 内側シート片 10 外側シート片 11 背側腰回り部 12 股下回り部 13 腹側腰回り部 14 脚回り部 17 背側結合部 18 腹側結合部 19a 外側結合部 19b 内側結合部 20,21 弾性体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B029 BC01 BC07 BD01 BD04 BD10 BD15 BD16 4C098 AA09 CC03 CC14 CE07 CE13 CE17 DD01 DD03 DD06 DD10 DD12 DD13 DD22 DD25

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透液性表面シート、不透液性裏面シート
    およびこれら透液性表面シートと不透液性裏面シートと
    の間に配設された吸収体と、前記不透液性裏面シートの
    外面側に結合された外層シートとを有し、背側腰回り
    部、両側に脚回り部を形成した股下回り部、および腹側
    腰回り部が長手方向に順次一体的に形成され、かつ前記
    背側腰回り部の幅方向両側部と前記腹側腰回り部の幅方
    向両側部とが係脱自在に接合される吸収性物品体を備
    え、 前記外層シートは前記不透液性裏面シート側に面する内
    側シート片と装着者の衣服側に面する外側シート片とに
    て構成され、 前記外層シートの前記腹側腰回り部の幅方向の両側部に
    はそれぞれ腹側結合部が設けられるとともに前記外層シ
    ートの背側腰回り部の幅方向の両側部にはそれぞれ前記
    各腹側結合部に接合される背側結合部が設けられ、 前記外層シートの背側腰回り部および腹側腰回り部に
    は、吸収性物品体の長手方向略全域にわたって、前記外
    層シートの内側シート片と前記外側シート片との間に、
    前記吸収性物品体の幅方向に伸縮する弾性体が配設さ
    れ、 前記外層シートの腹側結合部は、外層シートの幅方向の
    両外側縁近傍に位置する外側結合部と、外側結合部より
    内側に位置する内側結合部とから構成されていることを
    特徴とする使い捨て吸収性物品。
  2. 【請求項2】 外層シートの外側シート片に設けられた
    腹側結合部は面ファスナのフック部材によって構成さ
    れ、外層シートの内側シート片に設けられた背側結合部
    は面ファスナのループ部材によって構成されていること
    を特徴とする、請求項1記載の使い捨て吸収性物品。
  3. 【請求項3】 背側腰回り部の幅方向の両側部に形成し
    た背側結合部の位置は、外層シートの幅方向両側縁より
    内側で、この背側結合部と外層シートの外側縁との間の
    寸法は、腹側腰回り部の内側結合部と外側結合部との間
    の寸法と同一、若しくは長い寸法に形成され、 外層シートの少なくとも幅方向の両外側縁と背側結合部
    との間の内側シート片は不織布であることを特徴とす
    る、請求項2記載の使い捨て吸収性物品。
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