JP2006263307A - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】一度に多量の便が排泄された場合でも、着用者の肌を汚すことがなく、清潔に保つことができ、また、おむつを廃棄する際の便処理の負担を軽減したパンツ型使い捨ておむつを提供する。
【解決手段】吸収性本体の少なくとも前記股下領域の着用者の肛門が位置する領域には、前記トップシートに便の通過が可能な開口部が形成され、吸収体は存在せず、前記バックシートに便の通過が可能な開口部が形成され、さらに、前記バックシートの外面には便を収容するための収容袋が、該収容袋の開口部を前記バックシートの開口部周縁に引き剥がし可能に接合することによって取付けられていること。
【選択図】図2

Description

本発明は、パンツ型使い捨ておむつに関するものである。さらに詳しくは、本発明は、装着性に優れ、着用者の肌に対する便の付着を防止すると共に、使用後の廃棄処理が容易なパンツ型使い捨ておむつに関するものである。
一般に、パンツ型使い捨ておむつは、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置された吸収体とを具備するおむつ本体からなり、おむつ本体の前後身頃の相対する両側縁を接合して、ウエスト周り開口部と一対の脚周り開口部を形成し、さらに、各開口部に沿って伸縮弾性部材を配置して形成されている。そして、用途に応じて好適に使用できるように様々な形態のものが提案されており、乳幼児を始めとして成人失禁者まで広く使用されている。
このようなパンツ型使い捨ておむつは、ウエスト周り部と脚周り部のフィット性を高めて漏れ防止効果の向上を図っているため、着用者の脚周りを必要以上に覆う構造になっており、さらに、ウエスト周り部と脚周り部の間の胴周り部にも複数本の伸縮弾性部材を配置して胴周り部のフィット性の向上を図る構造になっており、そのため着用者の胴周り部から脚周り部にかけての部分が蒸れ易くなるという問題点を有している。
このようなパンツ型使い捨ておむつの有する問題点を改善した、胴周り部から脚周り部にかけての蒸れを防止したパンツ型使い捨ておむつとして、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシート、これら両シートの間に配置した吸収体とからなるおむつ本体の長手方向両端部を環状の伸縮弾性ベルトに接合したパンツ型使いすておむつ(特許文献1、特許文献2)、あるいは、おむつ本体を伸縮弾性ベルトに着脱可能に取付けた使い捨ておむつ(特許文献3)が提案されている。
しかしながら、上記従来のパンツ型使い捨ておむつは、いずれも、尿はトップシートを容易に通過して吸収体に吸収されるが、便はトップシート上に残るため、多量の便、特に軟便が排泄された場合には、トップシート上を拡散し、着用者の股間部に付着してしまい、便の排泄に気付くのが遅れた場合には、着用者の肌がかぶれたり、さらにおむつから漏れ出して衣類を汚してしまう場合もあるため、おむつの取り替えは、母親や介護者にとって大きな負担となっていた。
また、着用者の肌への軟便の付着を防止した使い捨ておむつも検討されており、吸収体の股下領域に開口部を形成し、さらに、バックシートの外側に便を収容する袋を取付けた使い捨ておむつ(特許文献4、特許文献5、特許文献6)が提案されている。
特開平4−144558号公報 特開平11−188058号公報 特開2003−175066号公報 特開2003−190207号公報 特開2003−190208号公報 特開2003−275247号公報
しかしながら、一般に使い捨ておむつは、便が排泄された場合には、便のみをおむつから取り除いてトイレに廃棄し、おむつは家庭ゴミとして廃棄されており、そのため、従来の吸収体の股下領域に開口部を形成し、バックシートの外側に便を収容する袋を取付けた使い捨ておむつの場合、多量の便を収容することが可能であるが、使用後のおむつを廃棄する場合、袋に収容された便を取出してトイレに廃棄する必要があるが、取出し難く、特に、おむつの装着時に袋に収容された便が逆戻りするのを防止するために、開口部が可能な限り小さく形成されている場合が多く、便の処理に手間がかかるという問題点を有している。
本発明は、上記従来のパンツ型使い捨ておむつの有する問題点を克服し、着用時に胴周り部から脚周り部にかけての蒸れを防止して着用感に優れ、着用者の肌に対する便の付着を防止すると共に、使用後の廃棄処理が容易なパンツ型使い捨ておむつを提供するものである。
上記従来のパンツ型使い捨ておむつの有する問題点を解決するための本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置された吸収体とを有し、前身頃と、後身頃と、これら前後身頃の間に位置する股下領域とからなる吸収性本体と、前記吸収性本体の長手方向両端部に取付けられ、かつ、吸収性本体の両側縁から延出する長さを有する帯状シートとからなり、前記帯状シートの相対する両側縁部を接合してウエスト周り開口部と一対の脚周り開口部を形成し、各開口部の少なくとも一部に伸縮弾性部材を配置したパンツ型使い捨ておむつにおいて、
前記吸収性本体の少なくとも前記股下領域の着用者の肛門が位置する領域には、前記トップシートに便の通過が可能な開口部が形成され、吸収体が存在せず、前記バックシートに便の通過が可能な開口部が形成され、さらに、前記バックシートの外面には便を収容するための収容袋が取付けられ、該収容袋の開口部が前記バックシートの開口部周縁に引き剥がし可能に接合されていることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
(2)前記トップシート及びバックシートにおける便の通過が可能な開口部は、トップシート及びバックシートに形成されている、切り欠き開口部分、網目状部分及び股下領域の中心部から後身頃側にかけて複数の切り込み線が形成されている部分から選ばれるいずれかの部分よりなる開口部であることを特徴とする(1)項記載のパンツ型使い捨ておむつ。
(3)前記収容袋は、前記バックシートにヒートシール処理により接合されていることを特徴とする(1)項又は(2)項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
(4)前記収容袋は、前記バックシートに接着剤により接合されていることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
(5)前記収容袋と前記バックシートの接合部の剥離強度が3.0〜22.0N/25mmであることを特徴とする(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
(6)前記収容袋は、前記バックシートに間欠的に接合されていることを特徴とする(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
(7)前記収容袋の内側面には、多数の起毛状の繊維を有するウェブが配置されていることを特徴とする(1)項〜(6)項のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
(8)前記収容袋の内側面には、水により分解する水解性のウェブが収容袋より分離可能に配置されていることを特徴とする(1)項〜(6)項いずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
(9)前記収容袋の周縁部の少なくとも一部には、収容袋を引き剥がす際に使用する摘み部が形成されていることを特徴とする(1)項〜(8)項のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
(10)前記帯状シートには、ウエスト周り開口部全周に亙って伸縮弾性部材が配置されていることを特徴とする(1)項〜(9)項のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
(11)前記帯状シートには、前記吸収性本体が位置する部分には伸縮弾性部材が配置されていないことを特徴とする(1)項〜(9)項のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
(12)前記吸収性本体は前記帯状シートに着脱可能に取付けられていることを特徴とする(1)項〜(11)項のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
本発明のパンツ型使い捨ておむつは、排泄物を吸収する吸収性本体と、吸収性本体を着用者に当てて保持する帯状シートからなり、吸収性本体の少なくとも股下領域の着用者の肛門が位置する領域に、トップシートからバックシートを貫通する開口部が形成され、さらに、バックシートの外面には便を収容するための収容袋がバックシートに引き剥がし可能に接合されている。
このような構成の本発明のパンツ型使い捨ておむつは、一度に多量の便が排泄された場合でも、便は開口部を通過してバックシートの外面に取付けた収容袋に収容されるため、着用者の肌を汚すことがなく、清潔に保つことができる。また、おむつを廃棄する場合には、収容袋を引き剥がして便をトイレに容易に廃棄することができるため、おむつを廃棄する際の負担を大幅に軽減することができる。さらに、吸収性本体を帯状シートで着用者に固定する構造であるため、胴周り部や脚周り部を必要以上に覆うことがなく、これらの部分を快適に保つことができる。
以下、図面を参照して、本発明のパンツ型使い捨ておむつを詳細に説明するが、勿論、本発明はこれらによって何等制限されるものではない。
図1は、本発明のパンツ型使い捨ておむつを組立てた状態を示す等角投影図である。図1において、パンツ型使い捨ておむつ1は、吸収性本体2と、吸収性本体2の長手方向両端部領域に取付けられた帯状シート3とからなり、吸収性本体2が股下領域6で折返され、前身頃4と後身頃5における帯状シート3の相対する両側縁部が接合されてウエスト周り開口部7と一対の脚周り開口部8が形成され、各開口部に沿って伸縮弾性部材9、10が配置されている。また、吸収性本体2の股下領域6の外面には、便を収容するための収容袋11が取付けられており、収容袋11は、その周縁部に形成された接合部12により吸収性本体2に引き剥がし可能に接合されており、さらに、周縁部に収容袋11を引き剥がす際に使用する摘み部13が形成されている。
図2は、本発明のパンツ型使い捨ておむつを展開し、トップシート側から見た場合の状態を示す一部切り欠き平面図であり、図3は、図2に示すパンツ型使い捨ておむつをX−X線に沿って切断した状態を示す断面図である。
図2及び図3において、パンツ型使い捨ておむつ1は、吸収性本体2と帯状シート3とからなり、吸収性本体2は、液透過性のトップシート21と、液不透過性のバックシート22と、これら両シートの間に配置された吸収体23から基本的に形成されており、帯状シート3は、吸収性本体2の前身頃4と後身頃5において、吸収性本体2の幅寸法よりも長い寸法を有し、吸収性本体の両側縁から外方に延出しているものが配置されている。
また、吸収性本体2の股下領域6の着用者の肛門が位置する領域には、トップシート21からバックシート22を貫通する開口部14が形成され、該開口部14に当接する吸収体23の箇所は吸収体が存在しない空所とされている。さらに、バックシート22の外面には便を収容するための収容袋11が取付けられており、便が排泄された場合には、開口部14を通過して収容袋11に達するようになっている。
また、吸収性本体2には、股下領域6において長手方向両側縁に沿って脚周り開口部の位置に伸縮弾性部材10が配置され、前身頃4と後身頃5に配置された帯状シート3には複数本の伸縮弾性部材9が配置され、さらに、前身頃5から後身頃6にかけての長手方向両側縁には一対の立体ギャザー15が配置されている。
本発明のパンツ型使い捨ておむつの場合、収容袋11の内側面に多数の起毛状の繊維を有するウェブを配置することが好ましく、このような起毛状の繊維を有するウェブを配置することにより、袋内に収容された軟便の移動を抑制することができ、おむつ着用時に軟便が開口部から逆流したり、接合部から滲み出したりするのを防止することができる。
さらに、本発明のパンツ型使い捨ておむつの場合、収容袋11の内側面に多量の水により分解する水解性のウェブを収納袋面から引き剥がし可能に配置しても良く、このような水解性のウェブを配置することにより、袋内に収容された便を水解性のウェブと一緒に収容袋から引き剥がして、そのままトイレに流して処理することができる。
なお、図2では、股下領域の着用者の肛門が位置する領域において、トップシート及びバックシートに矩形状の開口部を形成した例を示したが、開口部としては便の通過が可能なものであれば良く、網目状の開口部を形成しても良く、多数のスリットからなる開口部を形成しても良い。多数のスリットからなる開口部を形成した場合には、おむつ着用時に袋内に収容された軟便が開口部から逆流するのを防止することができる。
また、図2では、股下領域の着用者の肛門が位置する領域において、吸収体が存在しない領域を吸収体に開口部を設けることにより形成したが、股下領域の着用者の肛門が位置する領域より後身頃側に吸収体を配置しないようにしても良い。
図4は、本発明のパンツ型使い捨ておむつをバックシート側から見た場合の展開平面図である。図4において、吸収性本体2の股下領域6の開口部14が形成されている領域には、開口部14を覆って、バックシート22の外面に便を収容するための収容袋11が配置され、収容袋11の周縁部が接合部12を介してバックシート22に引き剥がし可能に接合されている。また、収容袋11の両端部には摘み部13が形成されており、摘み部13を形成することにより、便を収容袋11から廃棄する際に収容袋11を容易に引き剥がすことが可能となる。
図5及び図6は、本発明のパンツ型使い捨ておむつを組立てた状態を示す等角投影図であり、図1とは異なる例を示している。なお、図5及び図6において、図1と同じ部分には同じ符号が付してあり、重複する説明は省略する。
図5では、吸収性本体2は帯状シート3の外側に取付けられている。このように、吸収性本体2を帯状シート3の外側に取付けることにより、吸収性本体2を帯状シート3に着脱可能に取付けたおむつの場合には、おむつの交換が容易であり、かつ、帯状シート3を繰り返し使用することができるため有利である。
図6では、帯状シート3の伸縮弾性部材9が吸収性本体2が存在しない領域にのみ配置されている。このように、帯状シート3の伸縮弾性部材9を吸収性本体2が位置する部分には配置しないようにすることにより、吸収性本体2が帯状シート3を取付けた部分において伸縮弾性部材9の伸縮の影響を受けることがないため、腰周り部のフィット性が良好となり、ウエスト周りからの漏れ防止効果が良好となる。
図7は、本発明のパンツ型使い捨ておむつの収容袋とバックシートとの接合部の状態を示す拡大平面図である。
図7において、接合部12は、ヒートシール処理により矩形状の接合パターン16を間欠的に多数配置して形成されている。このような接合部を形成することにより、収容袋11とバックシート22との間の剥離強度を容易に適正な範囲に調整することができる。
また、接合パターン16は、その長さaが0.5〜10mm、幅bが0.3〜1.5mm、隣接する接合パターンの間の距離dが0.3〜1.0mmであることが好ましい。
さらに、接合部の剥離強度は3.0〜22.0N/25mmであることが好ましく、剥離強度がこの範囲にあると収容袋をバックシートから容易に剥離することができる。隔離強度が3.0N/25mm未満になると、接合部の強度が弱くなり、おむつを着用中に収容袋が剥離する可能性がある。一方、剥離強度が22.0N/25mmを超えて強くなると、使用後の収容袋をバックシート面から引き剥がす際に引き剥がし難くなる。
なお、上記剥離強度は、図8に示すように、吸収性本体2のバックシート22と収容袋11の接合部12を含む部分を25mmの幅で切り取り、バックシート22と収容袋11をそれぞれチャックに取付け、テンシロン引張り試験機により200mm/minの速度で矢印の方向に引張って測定した180°剥離試験の測定値である。
接合部は、ヒートシール処理のみならず接着剤を用いて形成しても良く、また、接合パターンも矩形状のみならず円形、楕円形、三角形等各種の形状に形成することも可能である。
以下、本発明において使用される材料について説明するが、本発明は、これらによって何等制限されるものではない。
本発明のパンツ型使い捨ておむつにおいて、液透過性のトップシートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維等からなる不織布に親水化処理を施したものが好適に用いられる。
本発明のパンツ型使い捨ておむつにおいて、液不透過性、かつ、通気性のバックシートとしては、微孔を設けたポリエチレンシート、あるいは熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸したシートのような透湿性のある液体不透過性のシート等が用いられる。このようなシートを用いると、ムレが改善されるため快適な着用感が得られる。さらに、このようなシートの外側に不織布からなるカバーシートを貼り合わせた積層構造のシートを用いることもできる。
本発明のパンツ型使い捨ておむつにおいて、吸収体としては、通常の使いすておむつのような吸収性物品に使用されるものであればいずれも使用することができる。すなわち、綿状パルプと高吸収性ポリマー(SAP)を併用したもの、さらに熱融着繊維を加えたもの等を使用することができ、全体をティッシュのような親水性シートで包まれているものが好ましい。その他、親水性シートの片面にSAPの層を設けたもの、2枚の親水性シートの間にSAPを挟持したもの等のシート状の吸収体も使用することができる。また、吸収体の形状は、砂時計型でも矩形でも良い。
本発明のパンツ型使い捨ておむつにおいて、帯状シートは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱溶融性樹脂を原料とした合成繊維を含有する不織布により形成することができる。上記不織布は、上記原料合成繊維の単体からなる繊維、又は2種類の合成樹脂原料を使用した芯鞘繊維を1種類又は複数種類混合したものから構成される。また、不織布は、熱溶融性合成繊維と他の天然繊維又は合成繊維の混合原料から製造されるものであってもよい。帯状シートは、これらの不織布を1枚で、あるいは、2枚以上のものを重ね合わせて、さらには1枚の不織布を折畳んだ状態で使用することができる。
本発明のパンツ型使い捨ておむつにおいて、便を収容するための収容袋としては、液不透過性のプラスチックフィルム、液不透過性の不織布、あるいは、液不透過性のプラスチックフィルムに不織布を重ね合わせた複合シート等を用いることができる。
また、収容袋の内側面に多数の起毛状の繊維を有するウェブを配置することが好ましく、このような起毛状の繊維を有するウェブを配置することにより、袋内に収容された軟便の移動を抑制することができるため、おむつ着用時に軟便が開口部から逆流したり、接合部から滲み出したりするのを防止することができる。
さらに、本発明のパンツ型使い捨ておむつの場合、収容袋の内側面に多量の水により分解する水解性のウェブを収納袋面から引き剥がし可能に配置しても良く、このような水解性のウェブを配置することにより、袋内に収容された便を水解性のウェブと一緒に収容袋から引き剥がして、そのままトイレに流して処理することができる。
多数の起毛状の繊維を有するウェブとしては、表面から起立する多数の繊維を配置した不織布、あるいは表面から起立する多数のループ状の繊維を配置した不織布等を用いることができる。
また、水解性のウェブとしては、レーヨン等の再生セルロース繊維からなる不織布とパルプ繊維からなる紙を積層したものをジェット水流で交絡処理したウェブ、長繊維不織布とパルプ繊維からなる紙を積層したものをジェット水流で交絡処理したウェブ等を有利に使用することができ、その他にも、パルプ繊維と再生セルロース繊維を混合抄紙して得られる紙を水溶性接着剤で処理して得られるウェブを使用することもできる。
本発明のパンツ型使い捨ておむつには、その長手方向に沿って一対の立体ギャザーを配置することが好ましい。立体ギャザーは、各種の素材により形成することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維からなる通気性を有する撥水性の不織布を用いて形成することができる。あるいは、サイドフラップを形成する不織布として広幅のものを用い、サイドフラップを形成するとともにおむつの内側へ延出する部分で立体ギャザーを形成しても良い。さらに、トップシートとして広幅のものを用い、トップシートの吸収体の両側縁から延出する部分で立体ギャザーを形成しても良い。
また、立体ギャザーの自由部の側縁部には伸縮弾性部材が配置されている。伸縮弾性部材としては、天然系、合成系のウレタン糸、糸ゴム、平ゴム等の通常の使いすておむつに使用される伸縮弾性部材をそのまま使用することができ、これらの伸縮弾性部材を伸長状態で自由部の側縁部に配置し、ホットメルト接着剤などにより接着固定する。
本発明のパンツ型使い捨ておむつにおいて、帯状シート、脚周り開口部及びウエスト周り開口部に配置される伸縮弾性部材としては、天然系、合成系のウレタン糸、糸ゴム、平ゴム等の通常の使いすておむつに使用される伸縮弾性部材をそのまま使用することができ、これらの伸縮弾性部材を伸長状態で配置し、ホットメルト接着剤などにより接着固定する。
本発明のパンツ型使い捨ておむつは、排泄物を吸収する吸収性本体と、吸収性本体を着用者に当てて保持する帯状シートからなり、吸収性本体の少なくとも股下領域の着用者の肛門に位置する領域に、トップシートからバックシートを貫通する開口部が形成され、吸収体は該開口部に当接する箇所に存在させず、さらに、バックシートの外面には便を収容するための収容袋がバックシートに引き剥がし可能に接合されている。このような構成の本発明のパンツ型使い捨ておむつは、一度に多量の便が排泄された場合でも、便は開口部を通過してバックシートの外面に取付けた収容袋に収容されるため、着用者の肌を汚すことがなく、清潔に保つことができ、また、おむつを廃棄する場合には、収容袋を引き剥がして便をトイレに容易に廃棄することができるため、おむつを廃棄する際の負担を大幅に軽減することができ、さらに、吸収性本体を帯状シートで着用者に固定する構造であるため、胴周り部や脚周り部を必要以上に覆うことがなく、これらの部分を快適に保つことができるものであり、乳幼児を始めとして成人失禁者用のパンツ型使い捨ておむつとして有用である。
本発明のパンツ型使い捨ておむつを組立てた状態を示す等角投影図である。 本発明のパンツ型使い捨ておむつを展開し、トップシート側から見た場合の一部切り欠き平面図である。 図2に示すパンツ型使い捨ておむつをX−X線に沿って切断した状態を示す断面図である。 本発明のパンツ型使い捨ておむつをバックシート側から見た場合の展開平面図である。 本発明のパンツ型使い捨ておむつを組立てた状態の別の例を示す等角投影図である。 本発明のパンツ型使い捨ておむつを組立てた状態のさらに別の例を示す等角投影図である。 本発明のパンツ型使い捨ておむつの収容袋とバックシートとの接合部の状態 を示す拡大平面図である。 本発明のパンツ型使い捨ておむつのバックシートと収容袋との接合部の剥離 強度の測定方法を示す説明図である。
符号の説明
1:パンツ型使い捨ておむつ
2:吸収性本体
3:帯状シート
4:前身頃
5:後身頃
6:股下領域
7:ウエスト周り開口部
8:脚周り開口部
9:伸縮弾性部材
10:伸縮弾性部材
11:収容袋
12:接合部
13:摘み部
14:開口部
15:立体ギャザー
16:接合パターン
21:トップシート
22:バックシート
23:吸収体
a:接合パターンの長さ
b:接合パターンの幅
d:接合パターンの間の距離

Claims (12)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置された吸収体とを有し、前身頃と、後身頃と、これら前後身頃の間に位置する股下領域とからなる吸収性本体と、前記吸収性本体の長手方向両端部に取付けられ、かつ、吸収性本体の両側縁から延出する長さを有する帯状シートとからなり、前記帯状シートの相対する両側縁部を接合してウエスト周り開口部と一対の脚周り開口部を形成し、各開口部の少なくとも一部に伸縮弾性部材を配置したパンツ型使い捨ておむつにおいて、
    前記吸収性本体の少なくとも前記股下領域の着用者の肛門が位置する領域には、前記トップシートに便の通過が可能な開口部が形成され、吸収体が存在せず、前記バックシートに便の通過が可能な開口部が形成され、さらに、前記バックシートの外面には便を収容するための収容袋が取付けられ、該収容袋の開口部が前記バックシートの開口部周縁に引き剥がし可能に接合されていることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
  2. 前記トップシート及びバックシートにおける便の通過が可能な開口部は、トップシート及びバックシートに形成されている、切り欠き開口部分、網目状部分及び股下領域の中心部から後身頃側にかけて複数の切り込み線が形成されている部分から選ばれるいずれかの部分よりなる開口部であることを特徴とする請求項1記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  3. 前記収容袋は、前記バックシートにヒートシール処理により接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  4. 前記収容袋は、前記バックシートに接着剤により接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  5. 前記収容袋と前記バックシートの接合部の剥離強度が3.0〜22.0N/25mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  6. 前記収容袋は、前記バックシートに間欠的に接合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  7. 前記収容袋の内側面には、多数の起毛状の繊維を有するウェブが配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  8. 前記収容袋の内側面には、水により分解する水解性のウェブが収容袋より分離可能に配置されていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  9. 前記収容袋の周縁部の少なくとも一部には、収容袋を引き剥がす際に使用する摘み部が形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  10. 前記帯状シートには、ウエスト周り開口部全周に亙って伸縮弾性部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  11. 前記帯状シートには、前記吸収性本体が位置する部分には伸縮弾性部材が配置されていないことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  12. 前記吸収性本体は前記帯状シートに着脱可能に取付けられていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
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