JP4114352B2 - 電磁ブレーキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は電磁ブレーキに関し、特に、リーチ式フォークリフトの前輪に内蔵される電磁摩擦ブレーキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リーチ式フォークリフトの前輪に内蔵される電磁ブレーキは、例えば、特開2001−151494号明細書に開示されている。
この電磁ブレーキは、車体に固定されるヨークと、該ヨークに対向して車輪に取り付けられるアーマチュアとを備えており、アーマチュアが車軸に沿う方向に移動可能に配置されている。
【0003】
このように構成された電磁ブレーキでは、ヨークに通電してアーマチュアを磁力によって吸着することにより、ヨークとアーマチュアとを高い圧力で接触させる。これにより、車輪から受けるトルクに抗する方向にアーマチュアに摩擦トルクを加えることができ、車輪を制動することが可能となる。
【0004】
この場合において、アーマチュアは車輪に対して車軸に沿う方向に移動可能に配されながら、ヨーク側から受ける摩擦トルクを車輪に確実に伝達する必要がある。このため、アーマチュアと車輪との間には、相互に係合するスプライン継手が形成されている。スプライン継手によれば、アーマチュアは車軸方向にのみ移動することができ、かつ、アーマチュアと車輪とを回転方向に一体化することができる。また、かかるスプライン継手によれば、車軸の回りに周方向の全周にわたって形成された凹凸を係合させるので、ヨークの磁力によって吸着される際に、アーマチュアが傾くなどの不都合を生じることがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかるスプライン継手は、その加工コストが高く、したがって、電磁ブレーキの製品コストを高くしてしまうという不都合がある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、ヨークからアーマチュアへ摩擦トルクの伝達・切り離しを確実に行うことができる、安価な電磁ブレーキを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、車輪に内蔵する電磁ブレーキであって、車体に固定されるヨークと、該ヨークに対向して車輪に取り付けられるアーマチュアとを備えるとともに、該アーマチュアと前記車輪との間に、車軸に沿う方向へのアーマチュアの移動を許容し、かつ、アーマチュアと車輪との周方向の相対移動を係止する係合手段と、アーマチュアを前記ヨークに常時接触状態に付勢する付勢手段とが設けられ、前記ヨークが、前記アーマチュアを前記ヨークに吸着させる磁束を発生させるコイルを備える電磁ブレーキを提案している。
【0007】
この発明によれば、係合手段の作動により、アーマチュアが車軸に沿う方向に移動可能に配されるが、付勢手段の作動により、アーマチュアとヨークとが常時接触状態に保持される。
【0008】
すなわち、ヨークを作動させて発生される磁力によりアーマチュアを吸着すると、ヨークとアーマチュアとの間の接触圧力が増大させられる結果、両者間の摩擦力が増大し、その摩擦トルクによってアーマチュアを取り付けている車輪が制動されることになる。また、ヨークの作動を停止して磁力を消滅させると、アーマチュアとヨークとの間の接触圧力が低下させられる結果、両者間の摩擦力が低下し、車輪の制動状態が解除される。
【0009】
アーマチュアは、付勢手段の作動によって、常にヨークに接触した状態とされているので、ヨークの磁力が消滅したときにおいても、ヨークに対して傾くことがなく、ヨークに吸着されたときにはいつでも、常に同一の接触状態を再現することができる。
したがって、スプライン継手のような高価な構造を採用していなくても、簡易な係合手段と付勢手段との組合せからなる安価な構造により、安定した確実な制動を行うことが可能となる。
【0010】
なお、この発明では、アーマチュアとヨークとが常に接触状態に保持されるので、両者の摩耗を低減するために、ヨークが非作動の状態では、その接触圧力が限りなくゼロに近いものとなるように、付勢手段の付勢力を調節しておくことが好ましい。なお、アーマチュア等の摩耗を予め見込んで、そのような摩耗があってもヨークへの密着状態を維持できる程度の極微小の接触圧力を生じるように付勢手段の付勢力を調節しておいてもよい。
付勢手段は、例えば、コイルばね、板ばね等、任意のものでよい。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載された電磁ブレーキにおいて、前記係合手段が、前記車輪またはアーマチュアのいずれか一方に、車軸から半径方向に所定の距離をあけた位置に固定された、車軸に平行な少なくとも1本のピンと、前記車輪またはアーマチュアの他方に形成され、前記ピンを摺動可能に嵌合させる嵌合孔とを備える電磁ブレーキを提案している。
【0012】
この発明によれば、車輪またはアーマチュアのいずれか一方に固定されたピンと、該ピンを嵌合させる嵌合孔とを相互に嵌合状態に配しているので、アーマチュアが車軸に沿う方向に移動させられるときには、ピンと嵌合孔とを摺動させることにより、アーマチュアの移動が案内される。
【0013】
また、アーマチュアがヨークに吸着されたときには、ヨークとアーマチュアとの間の摩擦力が増大し、その摩擦トルクによってアーマチュアを取り付けている車輪が制動されることになる。また、ヨークの作動を停止して磁力を消滅させると、アーマチュアとヨークとの間の接触圧力が低下させられる結果、両者間の摩擦力が低下し、車輪の制動状態が解除される。
【0014】
この場合において、アーマチュアには付勢手段が設けられているので、この付勢手段の作動により、該アーマチュアとヨークとが常時接触状態に保持される。したがって、この発明によれば、極めて安価な構成によって、安定した確実な制動を行うことが可能となる。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の電磁ブレーキにおいて、前記嵌合孔が前記アーマチュアに設けられた非貫通孔である電磁ブレーキを提案している。この発明によれば、ピンおよび該ピンを嵌合させる嵌合孔が、アーマチュアとヨークとの接触面から離隔される。その結果、アーマチュアとヨークとの接触により発生する摩耗粉が、ピンと嵌合孔との間に入り込むことが防止され、耐久的に安定した制動動作を達成することが可能となる。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の電磁ブレーキにおいて、前記係合手段が、前記車輪またはアーマチュアのいずれか一方に、車軸から半径方向に所定の距離をあけた位置に固定された、車軸に平行な少なくとも1本のキーと、前記車輪またはアーマチュアの他方に形成され、前記キーを摺動可能に嵌合させるキー溝とを備える電磁ブレーキを提案している。
【0017】
この発明は、請求項1の発明が、ピンと嵌合孔とを摺動させることによりアーマチュアの移動を案内しているのに対し、キーとキー溝とを摺動させることによりアーマチュアの移動を案内するようにしたものである。
この発明によれば、請求項1の発明と同様に、安価な構造で、安定した制動動作を達成することが可能となる。
【0018】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電磁ブレーキにおいて、前記アーマチュアの車軸に沿う方向への移動が軸受により支持されている電磁ブレーキを提案している。
この発明によれば、アーマチュアの車軸方向に沿う移動が軸受によって円滑に支持されるので、制動動作をさらに安定させることが可能となる。
【0019】
請求項6に係る発明は、車輪に内蔵する電磁ブレーキであって、車体に取り付けられるヨークと、該ヨークに対向して車輪に固定されるアーマチュアとを備えるとともに、前記ヨークと前記車体との間に、車軸に沿う方向へのヨークの移動を共用し、かつ、ヨークと車体との周方向の相対移動を係止する係合手段と、前記ヨークを前記アーマチュアに常時接触状態に付勢する付勢手段が設けられ、前記ヨークが、前記アーマチュアを前記ヨークに吸着させる磁束を発生させるコイルを備える
【0020】
この発明は、請求項1の発明が、アーマチュアを可動としているのに対し、ヨークを可動として、ヨークと車体との間に係合手段と付勢手段とを設けたものである。
この発明によれば、請求項1の発明と同様に、安価な構造で、安定した制動動作を達成することが可能となる。
【0021】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の電磁ブレーキにおいて、前記係合手段が、前記車体またはヨークのいずれか一方に、車軸から半径方向に所定の距離をあけた位置に固定された、車軸に平行な少なくとも1本のピンと、前記車体またはヨークの他方に形成され、前記ピンを摺動可能に嵌合させる嵌合孔とを備える電磁ブレーキを提案している。
【0022】
この発明は、請求項2の発明が、アーマチュアと車輪との間にピンと嵌合孔とからなる係合手段を設けているのに対し、請求項5の電磁ブレーキにおいてヨークと車体との間の係合手段をピンと嵌合孔とにより構成したものである。
この発明によれば、請求項2の発明と同様に、安価な構造で、安定した制動動作を達成することが可能となる。
【0023】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の電磁ブレーキにおいて、前記嵌合孔が、前記ヨークに設けられた非貫通孔である電磁ブレーキを提案している。
この発明によれば、請求項3に係る発明と同様に、ピンおよび嵌合孔を、ヨークとアーマチュアとの摺動面から離隔して、耐久的に安定した制動動作を達成することが可能となる。
【0024】
請求項9に係る発明は、請求項6に記載の電磁ブレーキにおいて、前記係合手段が、前記車体またはヨークのいずれか一方に、車軸から半径方向に所定の距離をあけた位置に固定された、車軸に平行な少なくとも1本のキーと、前記車体またはヨークの他方に形成され、前記キーを摺動可能に嵌合させるキー溝とを備える電磁ブレーキを提案している。
【0025】
この発明は、請求項7の発明が、ピンと嵌合孔とを摺動させることによりヨークの移動を案内しているのに対し、キーとキー溝とを摺動させることによりヨークの移動を案内するようにしたものである。
この発明によれば、請求項7の発明と同様に、安価な構造で、安定した制動動作を達成することが可能となる。
【0026】
請求項10に係る発明は、請求項6から請求項9のいずれかに記載の電磁ブレーキにおいて、前記ヨークの車軸に沿う方向への移動が軸受により支持されている電磁ブレーキを提案している。
この発明によれば、アーマチュアの車軸方向に沿う移動が軸受によって円滑に支持されるので、制動動作をさらに安定させることが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態に係る電磁ブレーキついて、図面を参照して説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る電磁ブレーキ1、リーチ式フォークリフトの車輪に内蔵される前輪用電磁摩擦ブレーキであって、車体2に固定されるヨーク3と、該ヨーク3に対向して車輪4に取り付けられるアーマチュア5とを備えている。
【0028】
前記ヨーク3は、車体2のフレームに固定された磁性部材6と該磁性部材6に巻き付けられたコイル7とからなり、車軸8の外周を取り囲む円環状に形成されている。前記アーマチュア5は、磁性材料からなる板材であって、リング板状に形成され、前記ヨーク3の車軸8方向の一側面に対向して配置されている。
【0029】
このアーマチュア5には、板厚方向に形成された断面円形の嵌合孔9が設けられている。この嵌合孔9は、車軸8に平行に配されている。また、この嵌合孔9は、アーマチュア5のヨーク3とは反対側の側面に開口し、ヨーク3側の側面まで到達しない非貫通孔である。
【0030】
上記嵌合孔9には、丸棒状のピン10が摺動可能に嵌合している。このピン10は、車輪4のホイール側面に形成された固定孔11に圧入等されることにより固定されている。これらピン10および嵌合孔9により、アーマチュア5の軸線方向への移動を許容しかつ車輪4との間の周方向の相対移動を禁止する係合手段が構成されている。
【0031】
また、ピン10の周囲には、車輪4のホイール側面とアーマチュア5との間に挟まれる圧縮コイルばね12(付勢手段)が配置されている。この圧縮コイルばね12は、非常に弱い弾発力によってアーマチュア5をヨーク3の側面に向けて付勢することにより、アーマチュア5を、極微小の接触圧力でヨーク3に押し付けている。これにより、アーマチュア5とヨーク3とは、両者間に空隙を形成することなく常に接触させられるようになっている。なお、アーマチュア5とヨーク3との常時接触状態を保つためには、圧縮ばね12の付勢力が非常に小さくても十分である。
【0032】
このように構成された本実施形態に係る電磁ブレーキ1の作用について以下に説明する。
まず、フォークリフトが走行しているとき、すなわち、車輪4が回転しているときには、車輪4のホイールに固定されているピン10も車輪4とともに回転する。アーマチュア5は、嵌合孔9にピン10を嵌合させることにより、ピン10に係合している。ピン10は車軸8から半径方向に所定の距離をあけた位置に配置されているので、車輪4の回転トルクがピン10および嵌合孔9を介してアーマチュア5に伝達され、アーマチュア5も車輪4とともに回転する。
【0033】
このとき、アーマチュア5はコイルばね12によってヨーク3の側面に接触するように付勢されているので、アーマチュア5の側面は、ヨーク3の側面に対して摩擦させられている。コイルばね12の押圧力は極微小に設定されているので、アーマチュア5とヨーク3とが摩擦させられても、その摩耗は少なく抑えられている。
【0034】
次に、本実施形態に係る電磁ブレーキ1により車輪4の制動を行う場合について説明する。
車輪4の制動を行う場合には、ヨーク3のコイル7に通電することにより、ヨーク3に磁束を発生させる。これにより、ヨーク3がアーマチュア5を吸着する磁力が増大し、アーマチュア5がヨーク3に引き寄せられる。
【0035】
アーマチュア5は、該アーマチュア5に設けられた嵌合孔9にピン10をすきま嵌めさせることにより、車軸8に沿う方向に移動可能に配されているので、ヨーク3からの吸着力が発生すると、アーマチュア5がヨーク3側に移動して、アーマチュア5とヨーク3との間の接触圧力が増大する。その結果、両者間の摩擦力が増大する。そして、その摩擦力によりアーマチュア5に加えられる摩擦トルクが、車輪4から受ける回転トルクより大きいときに車輪4の回転速度が減速させられる。
【0036】
この場合において、本実施形態に係る電磁ブレーキ1によれば、アーマチュア5は、制動開始前においてもヨーク3に接触状態に配されているので、ピン10と嵌合孔9という比較的簡易な案内手段によってもアーマチュア5がヨーク3に対して傾いたりする不都合が発生しない。したがって、制動動作が行われるときには、アーマチュア5とヨーク3とは常に同一の条件で接触させられることになり、常に安定した制動を行うことができる。
【0037】
また、嵌合孔9を非貫通孔とすることにより、ピン10および嵌合孔9がアーマチュア5とヨーク3との摺動面からアーマチュア5によって離隔された位置に配置されるので、アーマチュア5とヨーク3との間の摩擦による摩耗粉が、ピン10と嵌合孔9との隙間に入り込む不都合を回避することができる。
【0038】
このように、本実施形態に係る電磁ブレーキ1によれば、簡易な構造によって、耐久的に安定した制動動作を得ることができ、コストを削減することができるという効果を奏する。
【0039】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の形態をとることができる。
第1に、ピン10の数は1本でも複数本でもよいが、コイルばね12によるアーマチュア5のヨーク3への押し付けをバランス良く行うには、周方向に等間隔をあけて2本または3本のピン10を配置することが好ましい。
【0040】
第2に、ピン10、コイルばね12の材質は、任意のものでよい。例えば、鉄鋼、非磁性の合金等であってもよい。
第3に、付勢手段は、コイルばね12以外にも、板ばね、皿ばね等の任意のばね、または、ゴム等の弾性体であってもよい。
【0041】
第4に、上記実施形態では、コイルばね12をピン10の周囲に配置することとしたが、これに代えて、ピン10とは異なる位置に配置してもよい。
第5に、ピン10の外面または嵌合孔9の内面に摺動を良好に行うための表面処理を施したり、図示しないスライドベアリングや任意の材質のブッシュを挿入することにしてもよい。
【0042】
第6に、上記実施形態では、アーマチュア5を可動として、ヨーク3を車体2に固定することとしたが、これに代えて、図2に示されるように、ヨーク3を可動としてもよい。また、アーマチュア5を車輪4に固定するか、車輪4のフレームを磁性材料により構成しておくことにより、アーマチュア5を省略してヨーク3と車輪4のフレームとを摩擦させることにしてもよい。この場合、ヨーク3のアーマチュア5とは反対側の側面にピン10を圧入等によって固定し、車体2に嵌合孔9を設ければよい。
【0043】
なお、図2中、符号16,17,18は、ヨークの移動を案内するブラケット、キーおよびキー溝である。また、符号19は、ピン10側とアーマチュア5側とを密封状態に離隔するOリングである。図2では、ピン10、キー17およびOリング19を全て有する場合について開示しているが、ピン10のみ,キー17のみ、キー17とOリング19の組合せ、ピン10とOリング19の組合せを採用してもよい。また、ブラケット16を用いることなく、車体2にキー17を直接取り付けることにしてもよい。
【0044】
第7に、上記実施形態では、嵌合孔9を非貫通孔としたが、アーマチュア5とヨーク3との間の摩擦による摩耗粉の侵入を回避できる手段が施されるならば、貫通孔としてもよいことは言うまでもない。
第8に、図3に示されるように、車輪4とヨーク3との間、ヨーク3とアーマチュア5との間、および、車輪4のフレームと車軸8との間等の各間隙に、フェルト、Oリング等の任意のシール部材13を配して、水、ベアリング14の油や塵埃がヨーク3とアーマチュア5との摩擦面に侵入するのを防ぐこととしてもよい。
【0045】
第9に、図4に示されるように、アーマチュア5の背面に制振鋼板や防振ゴム等の任意の制振部材15を接合しておいてもよい。このように構成することにより、ブレーキの鳴き音や摩擦音を軽減することができる。
第10に、上記実施形態では、係合手段として、ピン10と嵌合孔9との嵌合により、アーマチュア5またはヨーク3の移動を案内することとしたが、これとともに、またはこれに代えて、図示しないキーとキー溝とによりアーマチュア5の移動を案内することにしてもよい。このようにすることにより、ピン10に代えた場合には、ピン10と同様の効果を、ピン10とキーとを併用した場合には、さらに安定したアーマチュア5の案内を行うことができる。
【0046】
なお、キーとキー溝とによりアーマチュア5またはヨーク3の軸方向の移動を案内させる場合には、アーマチュア5またはヨーク3の内径に嵌合するスライドベアリングや摺動用ブッシュなどの軸受(図示略)によって、軸方向の円滑な摺動を支持することにしてもよい。ブッシュの材質は、非鉄金属、非金属等任意の材質でよい。
【0047】
第11に、上記実施形態においては、係合手段として、ピン10と嵌合孔9、キーとキー溝を例として挙げたが、これに代えて、図5に示されるように、板バネ20のみにより、または、図6に示されるようにU字断面の弾性部材21のみによって、係合手段および付勢手段を構成してもよい。これによれば、板バネ20または弾性部材21によって、アーマチュア5がヨーク3に常時接触するように付勢され、かつ、車輪4に対して相対回転しないように保持されることになる。また、板バネ20や弾性部材21によれば、設置スペースが少なくて済むという利点がある。
【0048】
これと同様にして、ヨークを可動とする場合には、ヨークに板バネ20または弾性部材21を取り付けることにしてもよい。なお、板バネ20、弾性部材21は、弾発力を発生する任意の材質で構成することができ、全周にわたる円環状に形成されていても、周方向に分割されていても、あるいは、周方向に部分的に設けられていてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る電磁ブレーキによれば、スプライン継手のような高価な構造を採用することなく、係合手段と付勢手段との組合せからなる安価な構造を用いて、耐久的に安定した制動動作を達成することができる。したがって、製品のコストを低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る電磁ブレーキを車輪に取り付けた状態を示す縦断面図である。
【図2】 図1の電磁ブレーキの変形例を示す、一部を破断した縦断面図である。
【図3】 図1の電磁ブレーキの他の変形例を示す、一部を破断した縦断面図である。
【図4】 図1の電磁ブレーキのさらに他の変形例を示す、一部を破断した縦断面図である。
【図5】 図1の電磁ブレーキのさらに他の変形例を示す、一部を破断した縦断面図である。
【図6】 図5と同様の他の変形例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 電磁ブレーキ
2 車体
3 ヨーク
4 車輪
5 アーマチュア
8 車軸
9 嵌合孔(係合手段)
10 ピン(係合手段)
12 コイルばね(付勢手段)

Claims (10)

  1. 車輪に内蔵する電磁ブレーキであって、
    車体に固定されるヨークと、該ヨークに対向して車輪に取り付けられるアーマチュアとを備えるとともに、
    該アーマチュアと前記車輪との間に、車軸に沿う方向へのアーマチュアの移動を許容し、かつ、アーマチュアと車輪との周方向の相対移動を係止する係合手段と、
    アーマチュアを前記ヨークに常時接触状態に付勢する付勢手段とが設けられ、
    前記ヨークが、前記アーマチュアを前記ヨークに吸着させる磁束を発生させるコイルを備える電磁ブレーキ。
  2. 前記係合手段が、前記車輪またはアーマチュアのいずれか一方に、車軸から半径方向に所定の距離をあけた位置に固定された、車軸に平行な少なくとも1本のピンと、前記車輪またはアーマチュアの他方に形成され、前記ピンを摺動可能に嵌合させる嵌合孔とを備える請求項1に記載の電磁ブレーキ。
  3. 前記嵌合孔が、前記アーマチュアに設けられた非貫通孔である請求項2記載の電磁ブレーキ。
  4. 前記係合手段が、前記車輪またはアーマチュアのいずれか一方に、車軸から半径方向に所定の距離をあけた位置に固定された、車軸に平行な少なくとも1本のキーと、前記車輪またはアーマチュアの他方に形成され、前記キーを摺動可能に嵌合させるキー溝とを備える請求項1に記載の電磁ブレーキ。
  5. 前記アーマチュアの車軸に沿う方向への移動が軸受により支持されている請求項1から請求項4のいずれかに記載の電磁ブレーキ。
  6. 車輪に内蔵する電磁ブレーキであって、
    車体に取り付けられるヨークと、該ヨークに対向して車輪に固定されるアーマチュアとを備えるとともに、
    前記ヨークと前記車体との間に、車軸に沿う方向へのヨークの移動を共用し、かつ、ヨークと車体との周方向の相対移動を係止する係合手段と、
    前記ヨークを前記アーマチュアに常時接触状態に付勢する付勢手段が設けられ、
    前記ヨークが、前記アーマチュアを前記ヨークに吸着させる磁束を発生させるコイルを備える電磁ブレーキ。
  7. 前記係合手段が、前記車体またはヨークのいずれか一方に、車軸から半径方向に所定の距離をあけた位置に固定された、車軸に平行な少なくとも1本のピンと、前記車体またはヨークの他方に形成され、前記ピンを摺動可能に嵌合させる嵌合孔とを備える請求項6に記載の電磁ブレーキ。
  8. 前記嵌合孔が、前記ヨークに設けられた非貫通孔である請求項7に記載の電磁ブレーキ。
  9. 前記係合手段が、前記車体またはヨークのいずれか一方に、車軸から半径方向に所定の距離をあけた位置に固定された、車軸に平行な少なくとも1本のキーと、前記車体またはヨークの他方に形成され、前記キーを摺動可能に嵌合させるキー溝とを備える請求項6に記載の電磁ブレーキ。
  10. 前記ヨークの車軸に沿う方向への移動が軸受により支持されている請求項6から請求項9のいずれかに記載の電磁ブレーキ。
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