JP4853371B2 - 湿式ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、湿式ブレーキ装置に関し、特に、一対のピストン体の相対回転に基づく相対離隔によりブレーキディスクをディスクロータに圧接させるピストン手段を備えた湿式ブレーキ装置に関する。
例えば、従来のバッテリフォークリフトでは、図3に示す湿式ブレーキ装置30を備えている場合がある。
湿式ブレーキ装置30は、ハウジング32内に回転自在に配置された回転軸31と、回転軸31と一体回転するディスクロータ33と、ディスクロータ33と対向してハウジング32内に回転方向が阻止されて配設されるブレーキディスク34と、ブレーキディスク34をディスクロータ33に圧接させるピストン手段35と、ブレーキディスク34とディスクロータ33との間隙を調整する間隙調整部材(シム)42とを備えている。
ピストン手段35は、回転軸31の軸方向におけるブレーキディスク34とハウジング32との間に介在され、互いに対向する相対回転自在な一対のピストン体36、37を備えている。
さらに、ピストン手段35は、両ピストン体36、37を相対回転させる回転操作機構(図示せず)と、両ピストン体36、37を連結するコイルばね38を有する。
両ピストン体36、37の間には球体39が介装されており、両ピストン体36、37は球体39を保持して両ピストン体36、37の相対回転に応じて球体39を案内するカム溝40、41を備えている。
球体39は両ピストン体36、37の相対回転により両ピストン体36、37を相対離隔させる。
コイルばね39には、ピストン体37との係止端部において、一方のピストン体37の端面から軸方向へ突出する突出部位38aが形成されている。
間隙調整部材42は、ブレーキディスク34とディスクロータ33との間隙を調整するために、ディスクロータ33とハウジング32の内壁との間に介装されている。
この種の湿式ブレーキ装置30では、回転操作機構の操作によりピストン体36、37が相対回転すると、球体39がカム溝40、41に沿って案内される。
球体39がカム溝40、41における深さの浅い位置へ案内されることにより、両ピストン体36、37が回転軸31の軸方向へ相対離隔され、一方のピストン体36がブレーキディスク34を押圧する。
ピストン体36のブレーキディスク34の押圧により、ブレーキディスク34がディスクロータ33を圧接し、両者33、34の摺接により回転軸31に対する制動力が生じる。
また、別の従来の湿式ブレーキ装置として、例えば、特許文献1に記載されたディスクブレーキ装置が存在する。
このディスクブレーキ装置は、フリクションプレート及びディスタンスプレートと、固定カムプレートとの間に、可動カムプレートを配設しており、双方のカムプレート間のカム溝に制動用ボールが介装されている。
双方のカムプレートの間には、引張コイルばねが張設されている。
可動カムプレートの固定カムプレートに面する側にばね装入用盲孔が設けられ、引張コイルばねの端末を掛止させる掛止ピンが可動カムプレートの半径方向から貫入され、ばね装入用盲孔に固定されている。
実開昭54−127084号公報(第1頁、第2〜4図)
従来の湿式ブレーキ装置では、ピストン手段に用いるコイルばねについては、コイルばねの耐久性等の条件を考慮すると、コイルばねの回転軸の軸方向への長さをピストン手段の軸方向の厚さよりも大きく設定したい場合がある。
しかしながら、軸方向にコイルばねの長さを大きくしたとき、コイルばねの係止端の一部が少なくとも一方のピストン体の端面から軸方向へ突出することが回避できない。
コイルばねの端部が突出していると、例えば、係止端部がハウジング等の他部材に干渉するから、他部材との干渉を回避するために、コイルばねの突出部位を収容する空間を形成する必要が生じる。
この場合、コイルばねの突出部位を収容する空間は、例えば図3に示されるように、ハウジングに溝を加工することにより形成することが可能であるが、この種の加工は時間を要するほか、ハウジングへの溝加工によりハウジングの強度が低下するおそれもある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、回転軸の軸方向の間隙調整を行う間隙調整部材を用いてコイルばねの突出部位を収容する空間部を形成することができる湿式ブレーキ装置の提供にある。
上記課題を達成するため、ハウジング内に挿通される回転軸と、前記ハウジング内にて該回転軸と一体回転するディスクロータと、前記ディスクロータと対向して前記ハウジング内にて回転不能に配設されるブレーキディスクと、該ブレーキディスクを前記ディスクロータに圧接させるピストン手段とを有し、前記ピストン手段は、前記回転軸の軸方向における前記ブレーキディスクとハウジングの内壁との間に介在され、互いに対向して相対回転自在な一対のピストン体と、両ピストン体を相対回転させる回転操作機構と、両ピストン体の間に介装され、両ピストン体の相対回転により両ピストン体を相対離隔させる球体と、前記ピストン体に係止され、両ピストン体を連結するコイルばねを有し、両ピストン体は、前記球体を保持して両ピストン体の相対回転に応じて前記球体を案内するカム溝を夫々備え、前記コイルばねにおける前記ピストン体との係止端部は、一方の前記ピストン体の端面から軸方向へ突出する突出部位を有する湿式ブレーキ装置において、前記ピストン手段の軸方向の位置を規定する間隙調整部材が該ピストン手段に隣接して備えられ、前記間隙調整部材は、前記回転軸を挿通する貫通孔を備えており、前記間隙調整部材の外周縁には、径方向外側に突出する複数の突片部が形成され、前記突出部位と他部材との干渉を回避する非干渉空間が、前記間隙調整部材の外周縁外側に形成されることを特徴とする。
本発明によれば、ピストン手段に隣接して回転軸に挿嵌された間隙調整部材は、軸方向におけるピストン手段の位置を規定するほか、間隙調整部材の外周縁外側にコイルばねの突出部位が収容される非干渉空間を形成する。
この突出部位が非干渉空間に収容されることにより、突出部位は他部材と干渉することがない。
また、間隙調整部材がピストン手段に隣接して備えられることにより非干渉空間が形成されるから、非干渉空間を形成するためにハウジング等の他部材を加工する必要がない。
また、本発明では、上記の湿式ブレーキ装置において、前記間隙調整部材は、前記回転軸の軸方向における前記ハウジングと前記ピストン手段の間、又は前記ピストン手段と前記ブレーキディスクとの間に位置されてもよい。
間隙調整部材が、回転軸の軸方向におけるハウジングとピストン手段の間に位置する場合、間隙調整部材の外周縁外側であってハウジングとピストン手段の間に非干渉空間が形成される。
一方、間隙調整部材が、ピストン手段とブレーキディスクとの間に位置する場合、間隙調整部材の外周縁外側であってピストン手段とブレーキディスクとの間に非干渉空間が形成される。
本発明によれば、回転軸の軸心方向の間隙調整を行う間隙調整部材を用いてコイルばねの突出部を収容する空間部を形成することができる湿式ブレーキ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る湿式ブレーキ装置について、図1及び図2を参照して説明する。
この実施形態に係る湿式ブレーキ装置10は、バッテリフォークリフトのドライブユニットに適用された湿式ブレーキ装置である。
図1は本発明の実施形態に係る湿式ブレーキ装置の縦断面図であり、図2は湿式ブレーキ装置におけるピストン手段と間隙調整部材を示す斜視図である。
図1に示すように、湿式ブレーキ装置10は、回転軸11が貫通されるハウジング15を備えている。
回転軸11は駆動モータ(図示せず)の回転を車輪(図示せず)へ伝達する出力軸であり、一対の軸受12、13を介してハウジング15に回転自在に支持されている(図1において、回転軸11の軸心Pを一点鎖線により示す)。
軸受12、13の外側には、回転軸11と摺接する軸封部材14が夫々備えられており、ハウジング15の内部空間Cは外部空間と遮断されている。
ハウジング15内における密閉された内部空間Cには図示しないが潤滑油が充填されている。
回転軸11には、内部空間Cに収容される複数のディスクロータ16が回転軸11の軸方向に連設されている。
これらのディスクロータ16は、回転軸11が嵌挿される装着孔16aと、回転軸11の軸方向と直角な被制動面16bを有する。
ディスクロータ16は、回転軸11の回転に伴って回転軸11と一体回転するほか、回転軸11の軸方向へ移動自在である。
ハウジング15における内部空間Cには、各ディスクロータ16と対向するブレーキディスク17が配設されている。
ブレーキディスク17は、回転軸11が貫通する貫通孔17aと、各ディスクロータ16の被制動面16bに当接する制動面17bを有している。
ブレーキディスク17はハウジング15の径方向における内壁に保持され、ハウジング15に対して回転不能であるが、回転軸11の軸方向への移動は自在である。
ブレーキディスク17のうち、一側(図1において左端)に位置するブレーキディスク17の隣には、ピストン手段18が配置されている。
ピストン手段18は、ブレーキディスク17をディスクロータ16に圧接させるための手段である。
ピストン手段18は、回転軸11の軸方向におけるブレーキディスク17とハウジング15の内壁との間に介在される一対のピストン体19、20と、両ピストン体19、20の間に介装される球体21と、両ピストン体19、20を相対回転させる回転操作機構(図示せず)と、両ピストン体19、20を連結するコイルばね22を有する。
一対のピストン体19、20は、回転軸11が挿通される挿通孔19a、20aを有する有孔円板であり、両ピストン体19、20は相対回転自在である。
各ピストン体19、20は、一部の相違を除きほぼ同一の構成であるが、説明の便宜上、ブレーキディスク17側のピストン体19をブレーキ側ピストン体19とし、ハウジング15側のピストン体20をハウジング側ピストン体20と表記する。
図2に示すように、ブレーキ側ピストン体19の外周縁には、コイルばね22を係止するための複数の薄肉部19bが形成され、これらの薄肉部19bには軸方向に貫通する係止孔19cが形成されている。
一方、ハウジング側ピストン体20の外周縁にも、係止孔20cを有する薄肉部20bが形成されている。
薄肉部19bは、ブレーキ側ピストン体19における軸方向のほぼ中心に位置するように形成されており、薄肉部20bはハウジング側ピストン体20においてハウジング15側寄りに形成されている。
両ピストン体19、20を連結するコイルばね22は、引っ張り力を持つ引っ張りばねであって、両ピストン体19、20を互いに引き付ける軸方向の付勢力により球体21の脱落防止を図る。
コイルばね22は、両ピストン体19、20の相対回転が解除されたときに周方向の引き付ける付勢力によりピストン体19、20を定位置に復帰させる機能を有する。
コイルばね22の両端付近は、ピストン体19、20の薄肉部19b、20bに係止可能な自由端を有する円弧状の係止端部23が形成されている。
図1に示すように、コイルばね22の一方の係止端部23(図1において左側の係止端部23)はハウジング側ピストン体20の薄肉部20bにおける係止孔20cに係止されている。
ハウジング側ピストン体20の薄肉部20bが軸方向におけるハウジング15側寄りに位置することから、係止端部23の一部がハウジング側ピストン体20のハウジング側端面20eより軸方向へ突出し、突出部位23aが形成される。
一方、コイルばね22の他方の係止端部23(図1において右側の係止端部23)は、ブレーキ側ピストン体19の係止孔19cに係止されている。
ブレーキ側ピストン体19の薄肉部19bは、軸方向においてブレーキ側ピストン体19のほぼ中央に位置するから、コイルばね22の係止端部23はブレーキ側ピストン体19のブレーキ側端面19eから突出しない。
なお、図2では、便宜上、コイルばね22を図示していない。
各ピストン体19、20の間には球体21が介装されているが、球体21は、ピストン体19、20の対向面19d、20dに形成されたカム溝19f、20fに保持されている。
カム溝19f、20fは周方向に所定の長さに刻接された溝であり、周方向において深さが変化する溝となっている。
球体21は、ピストン体19、20が定位置から相対回転されるにつれてカム溝19f、20fの浅い側へ案内され、ピストン体19、20の相対離隔を実現する。
因みに、図1はピストン体19、20が定位置にあり、球体21がカム溝19f、20fの最深の位置に存在する状態を示し、ピストン体19、20が定位置の状態ではカム溝19f、20fの最深部が相対する。
回転操作機構は、ピストン体19、20の相対回転を操作するための手段であり、運転席のブレーキペダル(図示せず)と機械的に連結され、ブレーキペダルの操作に応じてピストン体19、20夫々に外力を与え、両者19、20を相対回転させる。
回転操作機構はピストン体19、20の相対回転を図るほか、ハウジング15に保持されることから、ピストン体19、20のハウジング15に対する無制限の回転を規制する。
ピストン手段18とハウジング15との間には間隙調整部材24が介在されている。
この実施形態における間隙調整部材24は、ピストン手段18とハウジング15との軸方向の間隙を調整するための部材であり、ピストン手段18の軸方向の位置を規定する。
間隙調整部材24は、回転軸11を挿通する貫通孔24aを備えた有孔円板であり、間隙調整部材24の厚さは、軸方向におけるピストン手段18の位置を設定するために適切な厚さに設定されている。
間隙調整部材24の外周縁には径方向外側に突出する複数の突片部24bが形成されている。
突片部24bはハウジング15の径方向における内壁に保持され、間隙調整部材24の回転を防止する。
間隙調整部材24の介装により、ピストン手段18が軸方向における適切な位置に設定され、ブレーキディスク17とディスクロータ16との間隙が適切な間隙に設定される。
間隙調整部材24の回転軸11への挿嵌により、ハウジング15の内部空間Cにおける間隙調整部材24の外周縁外側に非干渉空間25が形成されている。
非干渉空間25は、突出部位23aとハウジング15等の他部材との干渉を回避するための空間であり、図2に示すように、周方向において突片部24bの間に夫々形成されている。
従って、各非干渉空間25には突出部位23aが収容され、非干渉空間25は突片部24bの間において周方向の一定範囲に形成されているから、ピストン体19、20が相対回転しても、突出部位23aは突片部24bに干渉せず非干渉空間25に留まる。
非干渉空間25は、間隙調整部材24の外径(突片部24bを除く)及び軸方向の厚さと、内部空間Cを形成するハウジング15の径方向の内壁径により規定される。
次に、この湿式ブレーキ装置10の作用について説明する。
回転軸11が駆動モータの回転力を受けて回転され、ブレーキペダルが踏み込まれていない状態では、回転操作機構は作動されず、ピストン手段18の両ピストン体19、20はコイルばね22の付勢力を受けて定位置に位置する。
ピストン体19、20が定位置に位置しているとき、ピストン体19、20の間に介装される球体21はカム溝19f、20fにおいて最も深い位置にある。
このため、両ピストン体19、20の間隙は最小の状態にあり、このときブレーキ側ピストン体19はブレーキディスク17と当接しない。
回転軸11が回転している状態からブレーキペダルが踏み込まれると、回転操作機構が作動される。
回転操作機構は、コイルばね22の付勢力に抗してピストン体19、20を相対回転させる。
ピストン体19、20が相対回転されると、カム溝19f、20fが周方向へ位置ずれし、球体21がカム溝19f、20fの深い位置から浅い位置へ案内され、ピストン体19とピストン体20との間隙が拡大する。
このため、ピストン体19、20が形成する間隙は拡大するが、ハウジング側ピストン体20は間隙調整部材24に当接されていることから軸方向(ハウジング15側)へ移動することができない。
従って、ブレーキ側ピストン体19がブレーキディスク17へ向けて移動する。
軸方向へ移動するブレーキ側ピストン体19がブレーキディスク17に当接してブレーキディスク17を押圧するから、各ブレーキディスク17と各ディスクロータ16は互いに摺接する。
ブレーキディスク17とディスクロータ16との摺接に伴い、制動力が回転軸11に作用して回転軸11が停止される。
なお、ピストン体19、20が相対回転されるとき、コイルばね22における突出部位23aは周方向に移動するが、非干渉空間25に位置してハウジング15等の他部材と干渉することはない。
この本発明の実施形態に係る湿式ブレーキ装置10によれば、以下の効果を奏する。
(1)回転軸11の軸心方向の間隙調整を行う間隙調整部材24を用いてコイルばね22の突出部位23aを収容する非干渉空間25を形成することができる。突出部位23aが非干渉空間25に収容されることにより、突出部位23aは他部材と干渉することがない。また、間隙調整部材24をピストン手段18に隣接して設置することにより、間隙調整部材24の外周縁外側に非干渉空間25が形成されることから、非干渉空間25を形成するためにハウジング15等の他部材を加工する必要がない。
(2)間隙調整部材24を設置することによりコイルばね22の突出部位23aを収容する非干渉空間25が形成されるから、ピストン手段18の軸方向の厚さに基づくコイルばね22の軸方向長さの制約が緩和される。このため、コイルばね22における突出部位23aが非干渉空間25に収容されるコイルばねであればどのようなコイルばねでも用いることができ、コイルばね22の選択の自由度が向上する。また、非干渉空間25が形成されることから、ピストン手段18の厚さを薄くすることも可能となる。
(3)間隙調整部材24をピストン手段18に隣接させて設けることにより、間隙調整部材24をブレーキディスク17とハウジング15との間に介装させる必要がない。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○上記の実施形態では、軸方向におけるピストン手段とハウジングとの間に間隙調整部材を設置し、ハウジングとハウジング側ピストン体の間に非干渉空間を形成するようにしたが、例えば、ブレーキ側ピストン体とブレーキディスクとの間に間隙調整部材を設置してもよい。この場合、非干渉空間が回転軸の軸方向においてブレーキ側ピストン体とブレーキディスクの間に形成されるから、ブレーキ側ピストン体の薄肉部を軸方向においてブレーキディスク寄りに設け、ブレーキ側ピストン体に係止されるばね端がブレーキディスク側へ突出する突出部位を形成し、さらに、ハウジング側ピストン体の薄肉部を中央付近に設けることが好ましい。
○上記の実施形態では、単一の間隙調整部材を介装させるようにしたが、複数の間隙調整部材を用いてもよい。この場合、例えば、2〜3枚程度の複数の間隙調整部材を用いることによりピストン手段とハウジングとの間隙を微調整することも可能である。また、複数の間隙調整部材は、間隙調整部材をピストン手段とブレーキディスクとの間に設ける場合について適用可能であることは言うまでもない。
○上記の実施形態では、間隙調整部材をピストン手段の一側にのみ設けるようにしたが、例えば、ピストン手段の両側に間隙調整部材を夫々設けるようにしてもよい。この場合、各間隙調整部材の外周縁の周囲に非干渉空間が形成されるから、各ピストン体の薄肉部を非干渉空間寄りに設けることができ、さらに軸方向の長さがより長いコイルばねを用いることが可能となる。
本発明の実施形態に係る湿式ブレーキ装置を示す縦断面図である。 本発明の実施形態に係るピストン手段と間隙調整部材を示す斜視図である。 従来の湿式ブレーキ装置の一例を示す縦断面図である。
符号の説明
10、30 湿式ブレーキ装置
11、31 回転軸
15、32 ハウジング
16、33 ディスクロータ
17、34 ブレーキディスク
18、35 ピストン手段
19、36 ピストン体(ブレーキ側ピストン体)
19b、20b 薄肉部
19c、20c 係止孔
19f、20f、40、41 カム溝
20、37 ピストン体(ハウジング側ピストン体)
21、39 球体
22、38 コイルばね
23 係止端部
23a、38a 突出部位
24、42 間隙調整部材
25 非干渉空間
C 内部空間
P 軸心

Claims (2)

  1. ウジング内に挿通される回転軸と、前記ハウジング内にて該回転軸と一体回転するディスクロータと、前記ディスクロータと対向して前記ハウジング内にて回転不能に配設されるブレーキディスクと、該ブレーキディスクを前記ディスクロータに圧接させるピストン手段とを有し、前記ピストン手段は、前記回転軸の軸方向における前記ブレーキディスクとハウジングの内壁との間に介在され、互いに対向して相対回転自在な一対のピストン体と、両ピストン体を相対回転させる回転操作機構と、両ピストン体の間に介装され、両ピストン体の相対回転により両ピストン体を相対離隔させる球体と、前記ピストン体に係止され、両ピストン体を連結するコイルばねを有し、両ピストン体は、前記球体を保持して両ピストン体の相対回転に応じて前記球体を案内するカム溝を夫々備え、前記コイルばねにおける前記ピストン体との係止端部は、一方の前記ピストン体の端面から軸方向へ突出する突出部位を有する湿式ブレーキ装置において、
    前記ピストン手段の軸方向の位置を規定する間隙調整部材が該ピストン手段に隣接して備えられ、前記間隙調整部材は、前記回転軸を挿通する貫通孔を備えており、前記間隙調整部材の外周縁には、径方向外側に突出する複数の突片部が形成され、前記突出部位と他部材との干渉を回避する非干渉空間が、前記間隙調整部材の外周縁外側に形成されることを特徴とする湿式ブレーキ装置。
  2. 記間隙調整部材は、前記回転軸の軸方向における前記ハウジングと前記ピストン手段の間、又は前記ピストン手段と前記ブレーキディスクとの間に位置することを特徴とする請求項1記載の湿式ブレーキ装置。
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