JP5064781B2 - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アクチュエータにより軸動する自動隙間調整機構を介してピストンがプレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置に関する。
車両において使用されるディスクブレーキ装置にあっては、ブレーキパッドとディスクとの間の隙間が大きくなったときには、その隙間を初期に設定した適正隙間になるように自動的に調整する自動隙間調整機構を備えている。この自動隙間調整機構としては様々な技術が提案されて採用されている。従来、カム機構を用いた機械式の操作装置を有するディスクブレーキ装置に自動隙間調整機構を採用しようとすると、ブレーキパッドとディスクとの隙間を調整したとき、カム機構を構成する駆動部分と従動部分との間にブレーキパッドの摩耗相当分の隙間(遊び)が発生し、操作ストローク量が変化するという問題があった。このような自動隙間調整に関連して、操作系の操作ストローク量を適正に自動調整するものが提案された(下記特許文献1参照)。
特開2004−218680号公報(公報要約書参照)
前記特許文献1に開示されたディスクブレーキ装置は、ディスクブレーキ装置110において、ブレーキレバー117とナット部材119との間に、円筒状のガイド141とストッパ142とコイルスプリング143とからなる隙間吸収機構140を配置し、アジャスター機構130が摩擦パッド112とディスク111との間の隙間Cを適正隙間に調整したとき、コイルスプリング143がガイド141を介してブレーキレバー117を左側の摩擦パッド112に押し付け、これにより、ブレーキレバー117と左側の摩擦パッド112との間に生じる隙間を吸収し、操作系のストローク量を初期設定ストローク量に調整するものである。
詳述すると、図10(C)に示すように、パッド部113とディスク111との間の隙間Cが磨耗して拡大すると、パッドプレート114が第1の調整機構130におけるスペーサ134を左方向へ押圧する。一方向(左方向)への移動が可能なストッパ133がガイド132内にて非可逆的に左方向へ移動する。これにより、パッド部113とディスク111との間の隙間Cが自動調整される。この自動隙間調整により一対のパッド部113すなわちパッドプレート114、114間の寸法が縮小することになる。
一方、図10(A)(B)に示すように、図示外のブレーキペダル等のブレーキ操作によりブレーキレバー117が支持軸116を揺動中心として揺動するとき、ブレーキレバー117の支軸部がくの字状に曲折形成されたカム機構118を有しているため、ブレーキレバー117の揺動に伴い、ボール118bと第2の隙間吸収機構140におけるガイド140との間を押し広げる。ブレーキ操作の解除時には前記第1の調整機構130により調整されてパッドプレート114、114間の寸法が縮小した分、ボール118bとブレーキレバー117の板カム部118aとの間に隙間が生じる。このとき、コイルスプリング143にて底板141aを付勢しているガイド141はストッパ142に対して右方向の一方向にしか非可逆的に移動ができないため、前記ボール118bと板カム部118aとの間の隙間が吸収され、その結果、操作系の操作ストローク量が適正状態に調整されることになる。
しかしながら、このような従来の調整機構では、1回の作動での送り量が少ないため、車両組付け時に隙間が大きいと、所定隙間となるまでになるまでに多くの作動回数を要する上に、初期隙間を小さくすると、車両への組付けが困難になる虞れがあった。また、パッド部が変形するほどの大きな制動軸力が作用した場合に過度の隙間調整がなされてしまう虞れもあった。さらには、隙間調整機構がパッドプレート間に配設されているために、磨耗したブレーキパッドを交換するには、ブレーキ装置を全てを分解しなければならず面倒であった。
そこで本発明は、前記従来のディスクブレーキ装置の諸課題を解決して、組付け性に優れ、格別の精度を要せずして、充分な送り量を確保しつつ精度の高い確実な隙間調整を可能にするとともに、過剰隙間調整を防止して、ブレーキパッドの交換も容易なディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
このため本発明が採用した課題解決手段は、
アクチュエータにより軸動する自動隙間調整機構を介してピストンがプレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置であって、押圧作動時にピストンの移動量が所定値を超えた分を前記アクチュエータの戻り時に自動隙間調整機構におけるアジャストナットに対するアジャストスピンドルの相対回転により吸収するように構成したディスクブレーキ装置において、前記ピストンの軸力が所定値を超えた場合には、前記アジャストスピンドルの回転を阻止して自動隙間調整を規制する規制部材を配設し、前記規制部材が、所定値を超えた軸力により傾動するレバーにてフリクションリングを挟持することでアジャストナットに対するアジャストスピンドルの相対回転を阻止するように構成されたことを特徴とするディスクブレーキ装置である。
また、前記アジャストスピンドルを、キャリパボディ側面のカバー部材に弾性材を介して取り付けたリリースロッドの押圧により、外部から回転可能に構成したことを特徴とするディスクブレーキ装置である。
また、前記自動隙間調整機構をピストン部材内に配設するとともに、該ピストン部材はアクチュエータを構成するカムハウジングにより回り止めされていることを特徴とするディスクブレーキ装置である。
また、前記アジャストスピンドルを押圧するアジャストプラグが、エアチャンバによる回転操作をカム機構により軸方向に変換されカムハウジングに挿通されたカムピンにより押圧されるように構成したことを特徴とするディスクブレーキ装置である。
また、前記ピストン部材内に配設された自動隙間調整機構は、ピストン部材に挿入されたサブアセンブリピンによって係止されてサブアセンブリされたことを特徴とするディスクブレーキ装置である。
本発明によれば、アクチュエータにより軸動する自動隙間調整機構を介してピストンがプレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置であって、押圧作動時にピストンの移動量が所定値を超えた分を前記アクチュエータの戻り時に自動隙間調整機構におけるアジャストナットに対するアジャストスピンドルの相対回転により吸収するように構成したディスクブレーキ装置において、前記ピストンの軸力が所定値を超えた場合には、前記アジャストスピンドルの回転を阻止して自動隙間調整を規制する規制部材を配設したことにより、自動隙間調整がアクチュエータにより軸動する自動隙間調整機構を構成するピストンやアジャストナットに対するアジャストスピンドルの相対回転により吸収されるので、格別の自動隙間調整機構を別途に設けずに済み、部品点数の削減と自動隙間調整機構を含むブレーキ装置の組付けが容易となる。しかも、本来は隙間調整を必要としないところの、ピストンの軸力が過大となってブレーキパッドが変形するようなときには、過剰な隙間調整が抑制される。
また、前記規制部材が、所定値を超えた軸力により傾動するレバーにてフリクションリングを挟持することでアジャストナットに対するアジャストスピンドルの相対回転を阻止するように構成された場合は、簡素な構造の部品を組み合わせるだけで、アジャストナットに対するアジャストスピンドルの相対回転を阻止して、ピストン軸力の過大時の過剰な隙間調整が抑制される。 さらに、前記アジャストスピンドルを、キャリパボディ側面のカバー部材に弾性材を介して取り付けたリリースロッドの押圧により、外部から回転可能に構成した場合は、磨耗したブレーキパッドの交換時には、アジャストスピンドルが回転可能となり、ピストンを押圧することで後退させることができ、容易にブレーキパッドを交換することができる。
さらにまた、前記自動隙間調整機構をピストン部材内に配設するとともに、該ピストン部材はアクチュエータを構成するカムハウジングにより回り止めされている場合は、自動隙間調整機構をピストン部材内に配設することができるので、構造が簡素化されるとともに組付け性が向上し、ピストン部材をカムハウジングに組み付けるだけで回り止め構成が容易に得られる。また、前記アジャストスピンドルを押圧するアジャストプラグが、エアチャンバ等による回転操作をカム機構により軸方向に変換されカムハウジングに挿通されたカムピンにより押圧されるように構成した場合は、カムハウジング内にて回り止めされて確実に組み付けられたピストン部材に対して、ピストン部材内のアジャストプラグをがたつくことなく確実にカムピンにより押圧作動することができる。さらに、前記ピストン部材内に配設された自動隙間調整機構は、ピストン部材に挿入されたサブアセンブリピンによって係止されてサブアセンブリされた場合は、ストッパや各種スプリング等により組み付けられた自動隙間調整機構が、サブアセンブリピンによって適度の圧接力にて収納状態が維持される。
以下本発明に係るディスクブレーキ装置を実施するための好適な形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明のディスクブレーキ装置の1つの実施例を示す断面図、図2は同、自動隙間調整機構が収納配設されたピストン部材の初期および押圧時の断面図、図3は同じくピストン部材の戻り調整時およびピストン戻し時の断面図、図4は本発明のディスクブレーキ装置の平面図、図5は同、カムハウジング内に組み付けられたピストン部材の斜視図、図6は同、ピストン部材の外観および断面図、図7は同、ピストン部材の分解斜視図、図8は同、ハウジング部材の斜視および平面図、図9は同、カバー部材の斜視図とカバー部材へのピストン部材の取付け状態を示す断面図である。
本発明のディスクブレーキ装置の基本的な構成は、図1に示すように、アクチュエータ(7〜10)により軸動する自動隙間調整機構20を介してピストン5B(6B)がプレーキパッド3、4を押圧作動させるディスクブレーキ装置であって、押圧作動時にピストン5B(6B)の移動量が所定値を超えた分を前記アクチュエータの戻り時に自動隙間調整機構20におけるアジャストナット5Cに対するアジャストスピンドル5Dの相対回転により吸収するように構成したディスクブレーキ装置において、前記ピストン5Bの軸力が所定値を超えた場合には、前記アジャストスピンドル5Dの回転を阻止して自動隙間調整を規制する規制部材(5I、5J、5K)を配設したことを特徴とする。
本発明のディスクブレーキ装置は、好適には空気圧等の流体圧を動力源とするアクチュエータにより作動する。図4のディスクブレーキ装置の平面図に示すように、空気圧(正圧あるいは負圧のいずれも可能)を動力源として軸動するエアチャンバ7のロッドの進退によりレバー12が揺動してカムシャフト9を回動させる。カムシャフト9はカムベアリング10(図5参照)によりキャリパボディ1に軸支されている。図5に示すように、カムシャフト9の回動により偏心シャフト10Aを介してカムハウジング(一点鎖線)8Aを上動させる。カムハウジング8Aに挿入固定されたカムピン8B、8Cがピストン部材5、6内に収納配設された詳細は後述する自動隙間調整機構20を兼ねた各部材およびピストンを押圧する。エアチャンバ7、カムハウジング部材8、カムシャフト9、偏心シャフト10A、レバー12がアクチュエータを構成する(図4および図5)。
図1に戻り、ブレーキ動作を続けて説明する。図示省略のブレーキディスクの両側(図面では上下)に対向してキャリパボディ1内に配設されたブレーキパッドであるアウタパッド3、インナパッド4は、2つのピストン部材5、6により均等に押圧されるが、ピストン部材5、6はそれらの構成が同じなので、ピストン部材5についてのみ説明する(以下同じ)。キャリパボディ1は車体静止部にサポート2により支持固定される。前述したアクチュエータを構成するカムハウジング部材8のカムピン8Bが上動(図面上)することで、ピストン部材5内の自動隙間調整機構20を兼ねた各部材アジャストナット5C、アジャストスピンドル5D等およびピストン5Bを押圧して、インナパッド4を押圧する。同時に適宜の連動機構を介してアウタパッド3を引き寄せる。
図5に示すように、カムハウジング8A内にピストン部材5、6が組み付けられ、前述したように、エアチャンバ7の進退をレバー12により揺動運動に変換されたカムシャフト9の回動により、偏心シャフト10Aが回動してカムハウジング8Aを上下動させて往復運動に変換される。図8に示すように、カムハウジング8Aは平面視でほぼH形状を呈し、両側部の溝部8D、8Dに挿通されたカムピン8B、8Cとともにカムハウジング部材8を構成する。カムハウジング8Aの中央部には前記カムピン8B、8Cと平行なカムシャフト用孔8Fが穿設されている。図5に示すように、該カムシャフト用孔8F内に前記カムシャフト9に形成された偏心シャフト10Aが収容される。カムハウジング8Aの両側部の溝部8D、8Dには、ピストン部材5、6が収納配設される。このように、ピストン部材5、6がH形状の強固な構造のカムハウジング8Aにより保護されつつ、回り止め構造が実現できる。
図6(D)に示すように、ピストン部材5は、スリーブ5A内に収納されたアジャストプラグ5E、自動隙間調整機構20、およびピストン5B等の各部材から構成される。自動隙間調整機構20は、アジャストプラグ5Eの傾斜端面とテーパクラッチ面15を構成する傾斜端面を有するアジャストスピンドル5Dと、該アジャストスピンドル5Dを螺合するアジャストナット5Cとから構成される。これらの各部材は後述するストッパや各種スプリング等により組み付けられ、スリーブ5Aに挿入されたサブアセンブリピン5Fにより係止される。図6(B)に示すように、アジャストプラグ5Eの下端部(図面上)には前記カムピン8Bが横架当接されて収納されるカムピン受け5Tが形成される。このように、自動隙間調整機構20がピストン部材5の中に収納されていることによって、外部からの塵埃に晒されることがなく、長期間にわたり調整機能が維持される。
図6(B)に示すように、スリーブ5Aの下部両側には切欠き部5Sが形成されており、該切欠き部5Sに、図5および図8に示したカムピン8Bが収納配置されるようにしてピストン部材5とカムハウジング部材8が組み付けられる。組付け完了時には、カムピン8Bがカムピン受け5Tに横架当接して収納される。切欠き部5Sの両側縁がカムハウジング8Aにおける溝部8Dの壁面間に過不足なく適合してスライド自在に組み付けられ、回り止め構成とされる。このように、カムピン8Bが回り止め構成とされた切欠き部5Sを利用してピストン部材5に対して組み付けることができ、しかも、組み付け完了時にはカムピン8Bを適切にアジャストプラグ5Eのカムピン受け5Tに位置決めされる。図6(A)はピストン部材5の外観図で、上端部にピストン5Bの一部が露出している。図6(C)は平面図で、アジャストプラグ5Eがサブアセンブリピン5Fにより係止規制された状態と、カムピン受け5Tの形成状態が明確に判る。
図2を用いて、自動隙間調整機構20を含めてピストン部材5について説明する。段差部にて上動が規制されたワッシャ5Mに対してスプリング5Nによりアジャストプラグ5Eが下方に付勢されている。スプリング5Nは伏皿状のケース5Q外周に配設されている。自動隙間調整機構20は、アジャストプラグ5Eの上端部の傾斜端面とテーパクラッチ面15を構成する傾斜端面を下端部に有するアジャストスピンドル5Dと、該アジャストスピンドル5Dを螺合するアジャストナット5Cとから構成される。アジャストスピンドル5Dの径大部を形成する前記テーパクラッチ面15の上部には段差部が形成され、該段差部と前記ケース5Qの天井部との間には、低摩擦係数のベアリングワッシャ5Rと、アジャストスピンドル5Dを下方に付勢する皿ばね5Pが介設される。また、前記ケース5Qには係止片5Uが設けられ、前記アジャストプラグ5Eの係止溝5Vと係止される。
前記ワッシャ5Mの上方にて、ストッパ5Kがピストン5Bの下方に係止される。ストッパ5Kの上部にはアジャストナット5Cが配設され、該アジャストナット5Cには前記アジャストスピンドル5Dが挿通螺合される調整螺合部14を構成する。アジャストナット5Cの下端部外周には周の一部に切除部を有するフリクションリング5Jがスリーブ5Aの内周面に圧接して配設される。フリクションリング5Jの上部には、アジャストナット5Cの下端部の径大部を支点として傾動自在なレバー5Iが配設される。アジャストナット5Cの上部はピストン5Bの下部に一部が収納され、それらの収容内外周間にスプリング5Gが配設され、ワッシャ5Hを介して前記レバー5Iの内周側を下方に付勢している。前記アジャストスピンドル5Dにおける螺子部の上部はピストン5Bとは遊嵌されており、フリーな状態で上下する。図7は、以上の構造のピストン部材5の組立て前の分解斜視図で、各部材の関連構成が明確に理解される。
以上の構成の自動隙間調整機構20を含めたピストン部材5の動作を説明する。図2(A)は初期状態で、図2(B)に示したように、前述のエアチャンバ7の作動によりカムピン8Bを介してアジャストプラグ5Eがスプリング5Nの復元力に抗して上方に押されると、テーパクラッチ面15を介してアジャストスピンドル5Dが上方に押される。アジャストスピンドル5Dと該アジャストスピンドル5Dに調整螺合部14で螺合するアジャストナット5Cは、テーパクラッチ15の圧接力が作用して回転不能であり、押圧されてピストン5Bを上昇させる。一方、傾動するレバー5Iとストッパ5K間に挟持されたフリクションリング5Jをアジャストプラグ5Eにより押圧され、ケース5Qを介してストッパ5Kを押し、スリーブ5Aの内周面を摺動しながら上昇させる。これが図3(A)の状態である。これによって、図1に示すように、ピストン5Bがインナパッド4を押圧すると同時に適宜の連動機構を介してアウタパッド3を引き寄せ、図示省略の両パッド3、4間に配設されたブレーキディスクを締め付けてブレーキ動作が行われる。
次に、ブレーキ動作を解除した戻り時の自動隙間調整動作について説明する。図3(A)の状態において、ピストン5Bがブレーキパッドに所定の軸力にて押圧された状態から、エアチャンバ7の空気圧が解除されると、カムピン8Bが下方へ後退する。これによりアジャストプラグ5Eがスプリング5Nにより下方へ付勢されて軸動し、アジャストプラグ5Eとアジャストスピンドル5Dとの間のテーパクラッチ面15が相対移動して隙間を生じる。これによって、アジャストスピンドル5Dは回転自在となる。一方、ブレーキパッドとの接触が解かれた時点でピストン5Bの軸力が低下し、スプリング5Gの復元力でレバー5Iが水平状の初期状態となって、フリクションリング5Jへの把持を開放する。これにより、フリクションリング5Jがスリーブ5Aの内周面に自身の弾性により圧接し、摩擦抵抗で停止してピストン5Bのその後の下方への移動は阻止される。
前記レバー5Iの傾動状態から水平状態に移行するとき、アジャストナット5Cを下方へ僅かに移動させる。このアジャストナット5Cの下方への移動量は、ブレーキパッドに対してピストン5Bが進んだ分、すなわちブレーキパッドの磨耗分に依存する。したがって、アジャストナット5Cの下方への移動量によって、アジャストスピンドル5Dの回転量が隙間調整量として決定される。アジャストスピンドル5Dは、テーパクラッチ面15のアジャストプラグ5Eとの開放状態のもとで、ケース5Q内に収納された皿ばね5Pによって下方へ付勢されて回転が可能となる。以上により、アジャストナット5Cに調整螺合部14にて螺合しているアジャストスピンドル5Dの回転により、ブレーキパッドに対してピストン5Bが進んだブレーキパッドの磨耗分が、アジャストナット5Cの戻り分となってアジャストスピンドル5Dが調整螺合部14によって相対回転して、自動隙間調整が完了する。
また、エアチャンバ7等からアクチュエータを介して過剰な力が加わって、ブレーキパッド自身が変形するような場合には、自動隙間調整を必要としない。前記図2(B)に示した状態では、過剰な軸力がピストン5Bに作用している。この状態でアクチュエータからの制動力が解除されても、ピストン5Bとブレーキパッドの間には所定値以上の軸力が残っており、図の状態にてレバー5Iが傾動を維持しつつ、ストッパ5Kとの間にフリクションリング5Jを挟持してスリーブ5Aの内周面を摺動させて下方へ移動する。このときレバー5Iがアジャストナット5Cを下方へ相対移動させることはなく、自動隙間調整は行われない。前記レバー5I、フリクションリング5Jおよびストッパ5Kが協動してアジャストナット5Cに対するアジャストスピンドル5Dの相対回転を阻止して自動隙間調整を行わないようにするところの規制部材を構成する。さらに、アクチュエータ側が後退し、ピストン5Bとブレーキパッドとの間の軸力が所定値を下回るに至って、図3(A)の状態への移行に伴って自動隙間調整が開始される。
次に、図3(B)に示すピストン戻し動作について説明する。カムピン8Bのロッド用孔8Eを貫通してリリースロッド11Cが配設されている。図9に示すように、キャリパボディ1の側面に取り付けたカバー部材11におけるカバー11Aに、前記アジャストスピンドル5Dに対応する位置に取付孔を穿設し、該取付孔に弾性材からなるリッド11Bを介してリリースロッド11Cの頭部が取り付けられる。したがって、リッド11Bの弾性の範囲内にてリリースロッド11Cを上下方向に移動させることが可能である。図9(A)に示すように、リリースロッド11Cを外部から手指にて上方へ押圧することで、ピストン部材5におけるアジャストスピンドル5Dを直接上方に押し上げる。
図3(B)に戻り、アジャストスピンドル5Dが上方に押し上げられると、アジャストプラグ5Eとのテーパクラッチ面15が開放されてアジャストスピンドル5Dは回転自在となる。この状態にてブレーキパッドを交換する場合には、ピストン5Bを充分に下方へ後退させてブレーキパッドとの間に大きな隙間を確保する必要がある。リリースロッド11Cにより押し上げられて回転自在な状態のアジャストスピンドル5Dに対して、ピストン5Bを手指にて押し下げると、レバー5Iが傾動を維持しつつ、ストッパ5Kとの間にフリクションリング5Jを挟持してスリーブ5Aの内周面を摺動させて、ストッパ5Kともども下方へ移動する。このとき、アジャストスピンドル5Dはリリースロッド11Cに下端部が支持された状態でかつ回転自在なので、調整螺合部14にて螺合されたアジャストナット5Cの下降が可能となり、ピストン5Bを手指にて充分に押し拡げることができる。
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、アクチュエータを構成するエアチャンバ(正圧型、負圧型のいずれもが採用可能である)、レバー、カムシャフト、偏心シャフト(カムシャフトと一体成形でもよいし、別体としてスプライン嵌合等により一体としてもよい)、カムハウジング(好適にはピストン部材を収納する両側溝部を形成した平面視H形状とされるが、ピストン部材を収納する日の字形状等適宜の形状が採用され得る)、カムピンの形状(好適には円形断面であるが適宜非円形断面も採用し得る)、形式、カムハウジングへのカムピンの配設形態(圧入、ビス止め等)、カムハウジングへのピストン部材の回り止め機能を付した配設形態(ピストン部材におけるスリーブの切欠き部をカムハウジングの溝部の壁面に適合させる他、スリーブの円周の一部を平行に押し潰して、カムピンの直径相当分の長口を形成してカムピンの上下動を許容できるように構成してもよい)、自動隙間調整機構の形状、形式、アジャストナットに対するアジャストスピンドルの螺合形態、アジャストスピンドルの回転を阻止する規制部材の形状、形式(レバー、ストッパ、フリクションリングの組合せの他、適宜同効の部材の組合せが採用できる)、ピストン部材の形状、形式、ピストンの形状、形式、プレーキパッドの形状、形式、アジャストスピンドルの外部からの操作手段の形状、形式(リリースロッドによる押圧の他、リリースロッドのカバー部材への螺合による進退等)等については適宜選定できる。実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
本発明のディスクブレーキ装置の1つの実施例を示す断面図である。 同、自動隙間調整機構が収納配設されたピストン部材の初期および押圧時の断面図である。 同じくピストン部材の戻り調整時およびピストン戻し時の断面図である。 本発明のディスクブレーキ装置の1つの実施例を示す平面図である。 同、カムハウジング内に組み付けられたピストン部材の斜視図である。 同、ピストン部材の外観および断面図である。 同、ピストン部材の分解斜視図である。 同、ハウジング部材の斜視および平面図である。 同、カバー部材の斜視図とカバー部材へのピストン部材の取付け状態を示す断面図である。 従来のディスクブレーキ装置の説明図である。
符号の説明
1 キャリパボディ
2 サポート
3 アウタパッド
4 インナパッド
5 ピストン部材
5B ピストン
5C アジャストナット
5D アジャストスピンドル
6 ピストン部材
6B ピストン
7 エアチャンバ
8 カムハウジング部材
8B カムピン
8C カムピン
9 カムシャフト
10 カムベアリング
11 カバー部材

Claims (5)

  1. アクチュエータにより軸動する自動隙間調整機構を介してピストンがプレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置であって、押圧作動時にピストンの移動量が所定値を超えた分を前記アクチュエータの戻り時に自動隙間調整機構におけるアジャストナットに対するアジャストスピンドルの相対回転により吸収するように構成したディスクブレーキ装置において、前記ピストンの軸力が所定値を超えた場合には、前記アジャストスピンドルの回転を阻止して自動隙間調整を規制する規制部材を配設し、前記規制部材が、所定値を超えた軸力により傾動するレバーにてフリクションリングを挟持することでアジャストナットに対するアジャストスピンドルの相対回転を阻止するように構成されたことを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 前記アジャストスピンドルを、キャリパボディ側面のカバー部材に弾性材を介して取り付けたリリースロッドの押圧により、外部から回転可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
  3. 前記自動隙間調整機構をピストン部材内に配設するとともに、該ピストン部材はアクチュエータを構成するカムハウジングにより回り止めされていることを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ装置。
  4. 前記アジャストスピンドルを押圧するアジャストプラグが、エアチャンバによる回転操作をカム機構により軸方向に変換されカムハウジングに挿通されたカムピンにより押圧されるように構成したことを特徴とする請求項3に記載のディスクブレーキ装置。
  5. 前記ピストン部材内に配設された自動隙間調整機構は、ピストン部材に挿入されたサブアセンブリピンによって係止されてサブアセンブリされたことを特徴とする請求項4に記載のディスクブレーキ装置。
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