JPH1122762A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

ディスクブレーキ装置

Info

Publication number
JPH1122762A
JPH1122762A JP18134497A JP18134497A JPH1122762A JP H1122762 A JPH1122762 A JP H1122762A JP 18134497 A JP18134497 A JP 18134497A JP 18134497 A JP18134497 A JP 18134497A JP H1122762 A JPH1122762 A JP H1122762A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
brake device
pad
disc brake
case
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18134497A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Nishimura
誠司 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Akebono Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Akebono Brake Industry Co Ltd filed Critical Akebono Brake Industry Co Ltd
Priority to JP18134497A priority Critical patent/JPH1122762A/ja
Publication of JPH1122762A publication Critical patent/JPH1122762A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータに対するパッドの位置を自動調整でき
るとともに、全体形状を小型化できるディスクブレーキ
装置を提供する。 【解決手段】 ディスクブレーキ装置10は、ロータ11,
パッド12,13,キャリパ14,押圧手段20,調整手段30を
含む。押圧手段20は、ロータ11に向かって進退可能なケ
ース22と、ケース22をロータ11から離れる方向に付勢す
る付勢部材23とを備える。調整手段30は、ケース22に付
勢当接する回転部材31と、回転部材31に螺合するアジャ
スタボルト32と、アジャスタボルト32に連結されてパッ
ド12に当接するピストン33と、ピストン33に対して弾性
的に摺接するシール部材34と、アジャスタボルト32に連
結された廻止部材35とを有し、廻止部材35をキャリパ14
の挿通孔44に収容保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスクブレーキ
装置に係り、特に、ロータに対するパッドの位置を自動
調整できるディスクブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車に用いられるディスクブ
レーキ装置は、車軸に固定された略円盤状のロータと、
このロータを厚み方向に挟むように対向配置された一対
のパッドと、各パッドを支持するとともにロータの両側
面にわたって配置された略凹字状のキャリパと、パッド
をロータの端面に押圧する押圧手段とを含んで構成され
ている。このようなディスクブレーキ装置は、押圧手段
が作動するとパッドがロータを挟持し、これにより車軸
の回転を制動するようになっている。
【0003】ところで、従来より、パッドの摩耗に対応
して、ロータの端面に対するパッドの位置を自動調整す
るディスクブレーキ装置が各種提案されている。例え
ば、特表平8-508080号公報に示された圧力空気作動式デ
ィスクブレーキは、回転レバーの旋回に伴ってパッドに
作用する調整スピンドルを有し、この調整スピンドルが
ロータに対して摺動可能にガイドされているとともに、
調整スピンドルの軸線に沿って後調整装置が配置されて
いる。このような圧力空気作動式ディスクブレーキによ
れば、後調整装置によりロータに対するパッドの位置を
自動調整できる(従来例)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来例では、後調整装置が調整スピンドルの軸線に沿
って配置されているため、調整スピンドルの軸線に沿っ
た方向にディスクブレーキ装置が長くなる傾向にあり、
全体形状が大型化するという問題がある。本発明は、前
述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は
ロータの端面に対するパッドの位置を自動調整できると
ともに、全体形状を小型化できるディスクブレーキ装置
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、略円盤状のロ
ータと、前記ロータを厚み方向に挟むように対向配置さ
れた一対のパッドと、前記パッドを前記ロータに向かっ
て押圧する押圧手段を備えるキャリパとを有し、前記ロ
ータに対する前記パッドの位置を自動調整する調整手段
が前記押圧手段に設けられたディスクブレーキ装置を前
提としている。
【0006】そして、前述した課題を解決するために、
本発明は、請求項1に記載したように、前記押圧手段
は、前記キャリパに収容されているとともに前記ロータ
の軸方向に進退可能なケースと、前記ケースを前記ロー
タから離れる方向に付勢する付勢部材とを備え、前記調
整手段は、前記ケースのロータ側の側面に対して付勢当
接されるとともに回転可能な回転部材と、前記回転部材
に螺合するアジャスタボルトと、前記アジャスタボルト
の一端部に連結されて前記パッドに当接するピストン
と、前記ピストンの外側面に対して弾性的に摺接するシ
ール部材と、前記アジャスタボルトの他端部に対して着
脱可能に連結された廻止部材とを有し、前記廻止部材は
前記キャリパに対して回転しないことを特徴としてい
る。
【0007】ここで、押圧手段としては、例えば偏心回
動する円弧面をケースに当接させておけばよく、偏心カ
ムを適宜なシリンダ,ロッド,ワイヤ等により駆動する
構造等が採用できる。さらに、付勢手段としては、コイ
ルスプリング,リーフスプリング,皿スプリング等の各
種スプリングや、適宜なゴム等が採用できる。なお、本
発明は、一方のパッドを押圧手段によりロータの一側面
に対して押圧し、その反発力によりロータ軸方向に移動
するキャリパの爪部により他方のロータの他側面に押圧
するキャリパ浮動型ディスクブレーキ装置や、あるいは
各パッドをそれぞれ一対の押圧手段によりロータの両側
面に対して個別に押圧する対向ピストン型ディスクブレ
ーキ装置に適用可能である。
【0008】一方、調整手段を構成する回転部材として
は、ケースに対して面当接,線当接,点当接可能であれ
ばよいが、ケースに対する当接状態を維持して回転する
ことを想定する場合、ケースに対して線当接,点当接し
ていることが好ましい。例えば、ケースにおけるロータ
に向かう側面に略擂り鉢状の当接部を形成しておくとと
もに回転部材を略円錐台状に形成しておき、当接部の内
周面に対して回転部材の円錐面を円状に線当接させてお
く構造が例示できる。この構造において、当接部および
回転部材を円状に線当接させるためには、当接部の内周
面および回転部材の円錐面をそれぞれ凸状の球面に形成
しておけばよく、あるいは当接部の内周面あるいは回転
部材の円錐面をそれぞれ異なる曲率を有する凸状および
凹状の球面に形成しておけばよい。そして、回転部材を
ケースに対して付勢当接させるためには、例えば当接部
に収容された回転部材と、当接部の開口に係合した孔用
スナップリングとの間にウェーブワッシャを介装する構
造等が採用できる。
【0009】次に、アジャスタボルトとしては、回転部
材に対するバックラッシュを小さくするために、周面に
例えば多条ねじを形成しておけばよい。また、ピストン
としては、例えばアジャスタボルトに対して同軸回転可
能に連結されていることが好ましいが、アジャスタボル
トに対して一体形成されていても本発明の目的を達成で
きる。なお、このピストンは、例えば松葉スプリング等
によりパッドが当該ピストンに圧接されていれば、パッ
ドに対して機械的に連結されている必要はない。さら
に、シール部材としては、ピストンに対して軸方向に沿
って一定以上の力が作用するまで進退移動を規制可能で
あればよく、例えば適宜な摩擦係数を有する合成樹脂製
のOリング等が採用できる。
【0010】また、廻止部材としては、アジャスタボル
トに対して同軸回転できればよく、例えば相互対応する
多角形状の連結孔および連結軸のうちの一方を設けてお
くとともに、これらの連結孔および連結軸のうちの他方
をアジャスタボルトの他端部に設けておき、これらの連
結軸および連結孔を相互連結しておけばよい。そして、
挿通孔としては、あらかじめ廻止部材の基端部を平面角
形状,楕円形状、略歯車形状等に形成しておき、この基
端部に対応した形状に形成しておけばよい。なお、廻止
部材における基端部および挿通孔が平面円形であって
も、基端部の外周面および貫通孔の内周面に跨って適宜
なキーを配置する構造を採用すれば、キャリバに対して
廻止部材を同軸回転不可能に保持できる。
【0011】このように構成されたディスクブレーキ装
置において、回転するロータを制動するにあたっては、
偏心カム等の回転に伴ってケースをキャリパからロータ
に向かって移動させ、このケースの移動を回転部材,ア
ジャスタボルトを介してピストンに伝達し、シール部材
を弾性変形させながらピストンがパッドをロータの端面
に所定の圧力で押し付ける。ここで、ロータを制動する
ためにパッドが初期位置から移動する移動寸法L1は、
パッドが摩耗して厚み寸法が減少するため、パッドが初
期位置から静止状態のロータに対して所定の圧力で押圧
する位置までの移動寸法L2に比較して大きくなる(L
1>L2)。
【0012】次に、ロータに対する制動を解除するため
に、偏心カム等を回転開始位置に向かって逆転させる
と、付勢手段によりケースがロータから離れる方向に移
動し、適宜なストッパに当接する位置に押し戻される。
この際、ケースの移動寸法はL2となっている。ここ
で、回転部材をケースに対して付勢当接させるために設
けられたウェーブワッシャ等の付勢力をf1、付勢手段
の付勢圧力をf2、ピストンに対するシール部材の摩擦
係数をf3としたとき、f3>f2>f1が成立してい
れば、本発明のディスクブレーキ装置は、以下のように
動作する。
【0013】すなわち、f3>f2であるため、弾性変
形したシール部材が初期形状に回復した位置からピスト
ンおよびアジャスタボルトの移動が規制され、これによ
り回転部材がアジャスタボルトに沿って回転しながらケ
ースに追従して移動する。ここで、回転部材の移動寸法
はL2であるのに対して、ピストンおよびアジャスタボ
ルトの移動寸法はL1となっている。また、f2>f1
であるため、回転部材がケースに対して若干離間し、ケ
ースが回転部材の回転抵抗となる虞れはない。
【0014】そして、ストッパに当接してケースが停止
し、f2が作用しなくなると、f1により回転部材がケ
ースに対して当接するまで継続回転する。換言すれば、
ケースおよび回転部材間の隙間が解消されるため、この
状態から再びケースがロータに向かって移動すれば、ロ
ータを制動するまでタイムラグが生じる虞れはない。な
お、アジャスタボルトの周面に形成された雄ねじが多条
ねじであれば、回転部材に対してバックラッシュが生じ
ることがなく、これによっても各部材間に隙間が生じる
虞れはない。また、摩耗したパッドを交換した場合に
は、挿通孔から廻止部材を引き出し、次いでアジャスタ
ボルトを回転部材に対して回転させることによりロータ
から離される方向に軸移動させれば、ロータに対するパ
ッドの位置を変更できる。
【0015】従って、以上のように構成されたディスク
ブレーキ装置の調整手段は、回転部材と、回転部材に螺
合するアジャスタボルトとの相対位置を変更することに
より、ロータに対するパッドの位置を自動調整する。そ
して、本発明のディスクブレーキ装置によれば、調整手
段がケースの進退方向に対して並行に配置されているた
め、従来のように後調整装置および調整スピンドルが同
一線上に配置されている場合に比較して、全体形状を小
型化できることになる。
【0016】また、本発明は、請求項2に記載したよう
に、前記廻止部材は、前記挿通孔に係合する廻止部と、
前記廻止部に接続された連結軸とを有し、前記連結軸が
前記アジャスタボルトの他端部に形成された多角形状の
連結孔に対して連結されていることを特徴としている。
ここで、廻止部材としては、廻止部を例えば平面矩形状
の板状に形成しておき、連結軸を六角柱状に形成してお
く構造等が採用できる。一方、連結孔としては、連結軸
の断面形状に対応した開口形状を有していればよく、ア
ジャスタボルトの軸線に沿って連続する貫通孔や、ある
いは所定深さを有する凹部として形成しておけばよい。
【0017】このディスクブレーキ装置においては、廻
止部材およびアジャスタボルトが略入れ子状に連結され
ているため、これらの重複長さを適宜設定しておけば、
廻止部を挿通孔から取り出しても相互連結状態を維持で
きることになる。すなわち、このディスクブレーキ装置
においては、挿通孔から露出した廻止部を作業者が手で
回すことにより、アジャスタボルトを外部から回転させ
ることができ、パッド交換時の調整作業を容易に行える
ことになる。
【0018】そして、本発明は、請求項3に記載したよ
うに、前記廻止部に所定の工具を係合可能な係合部が設
けられていてもよく、例えば各種ドライバやレンチ,ア
ーレンキー等が係合可能な+字状,−字状,多角形状の
孔や突起等を形成しておけばよい。このようなディスク
ブレーキ装置においては、廻止部に係合部が設けられて
いるため、当該ディスクブレーキ装置が狭小部分に配置
されている場合であっても、適宜な工具を用いることに
よりパッド交換時の調整作業を容易に行えることにな
る。
【0019】また、本発明は、請求項4に記載したよう
に、前記挿通孔が着脱可能な蓋部材により閉鎖されてい
てもよい。この場合、金属製の蓋部材を挿通孔に対して
螺合取り付けする構造や、あるいは樹脂製の蓋部材を挿
通孔に対して弾性圧入して取り付ける構造等が採用でき
る。このディスクブレーキ装置においては、挿通孔が蓋
部材に閉鎖されているため、キャリパ内部に塵等が入り
込む虞れを少なくできることになる。そして、本発明
は、請求項5に記載したように、前記押圧手段が前記調
整手段を複数有し、前記各調整手段がそれぞれ個別に動
作可能であってもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態例
を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る
実施の形態を示す全体断面図、図2は調整手段を示す要
部拡大断面図である。
【0021】図1に示すように、本発明に係る実施の形
態であるディスクブレーキ装置10は、例えば自動車の車
軸(図示せず)に固定された略円盤状のロータ11と、ロ
ータ11を厚み方向(図中上下方向)に挟むように対向配
置された一対のパッド12,13と、各パッド12,13を支持
するキャリパ14と、このキャリパ14のロータ11側の側面
に一方のパッド12をロータ11に向かって押圧する押圧手
段20とを含んで構成されたキャリパ浮動型ディスクブレ
ーキとされている。
【0022】ロータ11は、例えばステンレスあるいは鋳
鉄により形成されていて、その軸線が車軸の軸線に沿う
ように配置されている。パッド12,13は、金属製の裏板
12A,13Aと、裏板12A,13Aの一面に積層固定された
ライニング12B,13Bとを有している。
【0023】キャリパ14は、ロータ11を厚み方向に挟む
ように形成されたキャリパ本体15と、キャリパ本体15に
収容された押圧手段20を覆うキャリパカバー16とを含ん
で構成されている。キャリパ本体15は、ロータ11の両端
面にそれぞれライニング12B,13Bを対面させた状態で
パッド12,13を支持可能とされ、例えばアルミニウム,
マグネシウム等の金属により形成されている。押圧手段
20は、キャリパカバー16に軸支されるシャフト21と、こ
のシャフト21の回転に伴ってロータ11の軸方向に沿って
進退可能なケース22と、ケース22をロータ11から離れる
方向(図中上方)に付勢する付勢部材23とを備えてい
る。
【0024】シャフト21は、略円盤状の押圧部21Aが偏
心形成されているとともに、径方向に向かって延びるレ
バー21Bを有し、その軸線がロータ11の端面に対して平
行に配置されている。このシャフト21は、押圧部21Aの
周面がケース22に当接されているとともに、レバー21B
に図示しないエアシリンダ等が接続されている。従っ
て、このシャフト21は、エアシリンダ等が駆動してレバ
ー21Bが図中時計周りに軸回動すると(図中鎖線参
照)、偏心回転する押圧部21Aによりケース22をロータ
11に対して近付く方向に移動させるようになっている。
【0025】ケース22は、略板状の基部22Aと、基部22
Aの両端にそれぞれ設けられた一対の突起部22Bと、各
突起部22B間に設けられた案内軸22Cと有する略E字状
に形成されている。各突起部22Bは、キャリパ本体15に
設けられた一対のピストン孔15Aに対応した位置に設け
られていて、ケース22に追従して各ピストン孔15A内を
進退可能徒されている。案内軸22Cは円柱形状とされ、
キャリパ本体15に設けられた案内孔15Bに対して摺動可
能に挿入されている。
【0026】付勢部材23は、案内軸22Cを券回するよう
に配置された圧縮コイルばねとされ、ケース22をキャリ
パ本体15から離れる方向に付勢するようになっている。
従って、ケース22は、シャフト21が回動開始位置にある
とき、付勢部材23の付勢力によりキャリパカバー16に設
けられたストッパ部16Aに当接した状態に維持されてい
る。
【0027】このような押圧手段20には、ロータ11に対
するパッド12の位置を自動調整するための調整手段30が
設けられている。図2にも示すように、調整手段30は、
ケース22に当接する略円錐台状の回転部材31と、回転部
材31に軸通するアジャスタボルト32と、アジャスタボル
ト32の一端部(図中下端部)に連結されたピストン33
と、ピストンの外側面に摺接するシール部材34と、アジ
ャスタボルト32の他端部(図中上端部)に連結された廻
止部材35とを含んで構成されている。
【0028】回転部材31は、その円錐面31Aが凸状の球
面とされていて、ケース22の突起部22Bに設けられた略
擂り鉢状の当接部22Dに収容されている。当接部22は、
内周面が円錐面31と異なる曲率を有する凹状の球面とさ
れていて、回転部材31の円錐面31Aに対して円状に線当
接可能とされている。このような回転部材31は、当該回
転部材31と当接部22Dの開口に係合した孔用スナップリ
ング36との間にウェーブワッシャ37が介装されていて、
ウェーブワッシャ37の付勢力により、当接部22Dの内周
面に対して円状に線当接した状態が維持されている。
【0029】アジャスタボルト32は、外周面に多条ねじ
が形成されていて、回転部材31の軸線に沿って螺合され
ている。従って、回転部材31およびアジャスタボルト32
間のバックラッシュは、極めて小さなものとなってい
る。ピストン33は、有底円筒状に形成されていて、軸線
に沿ってピストンヘッド33Aを貫通する固定ボルト38を
介してアジャスタボルト32に連結されている。このピス
トン33は、ケース22の突起部22Bを覆うように、突起部
22Bに対して略入れ子状に配置されている。
【0030】なお、ピストン33の外周面と、前述したピ
ストン孔15Aの開口との間には、リング状のピストンブ
ーツ39が設けられている。ピストンブーツ39は、軸方向
に伸縮可能とされ、ピストン孔15Aの開口に外周縁部が
固定されているとともに、ピストン33の外周面に内周縁
部が固定されている。従って、ピストン孔15Aおよびピ
ストン33間には、ピストンブーツ39により、キャリパ14
に対するピストン33の位置に関わらず塵等が侵入しない
ようになっている。
【0031】また、ピストン33のピストンヘッド33Aに
は、パッド12がガイドピン40を介して連結されている。
ガイドピン40は、パッド12の裏板12Aに螺合された段付
軸とされ、ピストンヘッド33Aの径方向に連続するT溝
33Bに沿って移動可能とされている。従って、パッド12
は、あらかじめ裏板12Aに螺合されたガイドピン40をT
溝33Bに沿って移動させることにより、ピストン33に対
して着脱可能とされている。
【0032】シール部材34は、略矩形状の断面形状を有
する弾性樹脂製のOリングとされ、ピストン孔15Aの内
周面方向に沿って固定されている。このシール部材34
は、その内周面がピストン33の外周面に対して所望の摩
擦係数で摺接するように、材質,内径寸法等が適宜選択
されている。このようなシール部材34は、ピストン33が
軸方向に向かって進退すると、ピストン33の外周面に対
する相対位置を維持するように弾性変形しながら摺接す
るようになっている。
【0033】廻止部材35は、平面正方形の板状に形成さ
れた廻止部41と、この廻止部41に接続された六角柱状の
連結軸42とを有している。一方、アジャスタボルト32の
他端部には、連結軸42の断面形状に対応した開口断面を
有する連結孔43が形成されている。この連結孔43は、ア
ジャスタボルト32の軸線に沿って形成されていて、連結
軸42が摺動可能に挿入されている。従って、廻止部材35
は、アジャスタボルト32に対して相対位置変更可能であ
るとともに、同軸回転可能とされている。
【0034】このような廻止部材35は、キャリパ14のキ
ャリパカバー16に形成された挿通孔44内に配置されてい
る。挿通孔44は、廻止部41の平面形状に対応した段部45
を有している。従って、廻止部材35は、廻止部41を段部
45に収容させた状態で、挿通孔44を通して連結軸42をア
ジャスタボルト32の連結孔43に挿入しておけば、アジャ
スタボルト32をキャリパ14に対して軸回転しないように
保持するようになっている。挿通孔44は、段部45に嵌合
される蓋部材46により閉鎖とされている。蓋部材46は、
例えば弾性を有する適宜な合成樹脂により段付き角柱状
に形成されていて、段部45に圧入されている。
【0035】図1に戻って、調整手段30は、押圧手段20
に一対設けられている。すなわち、これらの調整手段30
は、ケース22に形成された突起部22Bに設けられてい
て、それぞれ個別に動作可能とされている。従って、こ
の実施の形態においては、例えばライニング12Aの表面
がケース22の進退方向に対して所定の角度をもって交差
するようにパッド12が偏摩耗した場合、各調整手段30が
個別に動作可能であるため、ロータ11の端面に対してラ
イニング12Aの表面が平行な状態を維持したまま、パッ
ド12の位置を調整できるようになっている。なお、図1
において、各調整手段30を構成する各部材への符号は、
引き出し線の錯綜を避けるために一部省略している。
【0036】次に、図1および図2を用いて、以上のよ
うに構成されたディスクブレーキ装置10の動作を説明す
る。なお、以下に説明するディスクブレーキ装置10は、
あらかじめロータ11の端面に対するパッド12の位置が適
切に調整され、かつ、ウェーブワッシャ37の付勢力をf
1、付勢手段23の付勢圧力をf2、ピストン33に対する
シール部材34の摩擦係数をf3としたとき、 f3>f2>f1 となるように設定されている。
【0037】このディスクブレーキ装置10は、回転する
ロータ12を制動するにあたって、エアシリンダ等の駆動
に伴うレバー21Bの軸回動により(図1中鎖線参照)、
シャフト21が押圧部21Aを介してケース22をキャリパ14
からロータ11に向かって移動させる。このケース22の移
動は、回転部材31,アジャスタボルト32を介してピスト
ン33に伝達される。従って、ピストン33は、シール部材
34を弾性変形させながらパッド12のライニング12Aをロ
ータ11の端面に所定の圧力で押し付ける。
【0038】ここで、ロータ11を制動するためにパッド
12が初期位置から移動する移動寸法L1は、ライニング
12Aの摩耗に伴ってパッド12の厚み寸法が減少するた
め、パッド12が初期位置から静止状態のロータに対して
所定の圧力で押圧する位置までの移動寸法L2に比較し
て大きくなる(L1>L2)。次に、ロータ11に対する
制動を解除するために、シャフト21を回動開始位置に向
かって逆転させると、付勢手段23によりケース22,回転
部材31,アジャスタボルト32、ピストン33およびパッド
12がロータ11から離れる方向に向かって一体的に移動す
る。
【0039】ここで、f3>f2であるため、弾性変形
したシール部材34が初期形状に回復した位置からアジャ
スタボルト32、ピストン33およびパッド12の移動が規制
される。そして、ストッパ部16Aに当接するまで押し戻
されるケース22に追従するために、回転部材31がアジャ
スタボルト32に沿って回転し、これにより回転部材31お
よびアジャスタボルト32の相対位置が変更される。この
際、ケース22および回転部材31の移動寸法はL1である
のに対して、アジャスタボルト32、ピストン33およびパ
ッド12の移動寸法はL2となっている。
【0040】また、f2>f1であるため、回転部材31
の円弧面31Aがケース22に設けられた当接部22Dの内周
面に対して若干離間し、これにより当接部22Dの内周面
が回転部材31の回転抵抗となる虞れはない。次いで、ス
トッパ部16Aにケース22が当接してf2が作用しなくな
ると、f1により円弧面31Aが当接部22Dの内周面に対
して円状に線当接するまで回転部材31が継続回転する。
なお、回転部材31およびアジャスタボルト32は、多条ね
じを介して接続されているため、当該間にバックラッシ
ュが生じない。従って、当接部22Dおよび円弧面31A間
の隙間が解消されるため、ロータ11を再び制動するため
に、エアシリンダ等を駆動させてケース22をL2だけ移
動させれば、タイムラグが生じることなくロータ11を制
動できることになる。
【0041】また、摩耗したパッド12,13を交換した場
合には、連結軸42を連結孔43に挿通させた状態を維持し
たまま、挿通孔44の段部45から廻止部材35の廻止部41の
みを引き出す。次に、廻止部41に設けられた係合部47に
係合した六角レンチ(図示せず)を操作し、廻止部材35
を介してアジャスタボルト32を回転部材31に対して回転
させることにより、回転部材31およびアジャスタボルト
32の相対位置を初期状態に回復させる。
【0042】以上のように構成されたディスクブレーキ
装置10によれば、ロータ11の制動を解除したとき、いわ
ゆるパッド12の戻り時に調整手段30がパッド12の位置を
調整するため、常にロータ11とパッド12とのクリアラン
スを適切に維持できる。そして、この調整手段30は、回
転部材31およびアジャスタボルト32の相対位置を適宜変
更することにより、パッド12の位置を変更する構造であ
るため、従来のように後調整装置および調整スピンドル
が同一線上に配置されている場合に比較して、全体形状
を小型化できる。
【0043】また、調整手段30は、廻止部材35およびア
ジャスタボルト32が略入れ子状に連結されているため、
挿通孔44から取り出した廻止部41を適宜回転させること
により、回転部材31およびアジャスタボルト32の相対位
置を容易に変更でき、これによりパッド12,13を交換し
たときの調整作業を簡略化できる。特に、廻止部材35
は、廻止部41に六角レンチを係合可能な係合部47が設け
られているため、ディスクブレーキ装置10が狭小部分に
配置されている場合であっても、調整作業を容易に行え
る。
【0044】また、キャリパ14は、挿通孔44が蓋部材46
により閉鎖されているため、内部に塵等が入り込む虞れ
が少ない。そして、前述した実施の形態では、押圧手段
20に設けられた各調整手段30がそれぞれ個別に動作可能
であるため、例えばライニング12Aの表面がケース22の
進退方向に対して所定の角度をもって交差するようにパ
ッド12が偏摩耗した場合であっても、ロータ11側の側面
に対してライニング12Aを平行に維持したまま、パッド
12の位置を調整できる。
【0045】なお、本発明のディスクブレーキ装置は、
前述した実施の形態に限定されるものでなく、適宜な変
形,改良等が可能であり、請求項に記載したロータ,パ
ッド,キャリパ,押圧手段,ケース,付勢部材,調整手
段,回転部材,アジャスタボルト,ピストン,シール部
材,廻止部材,廻止部,連結軸,連結孔,挿通孔,蓋部
材,係合部等の材質,形状,寸法,形態,数,配置個所
等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定
されない。その他、本発明のディスクブレーキ装置は、
車両の車軸を制動するためにのみ適用可能なものではな
く、例えば航空機や鉄道あるいは各種工作機械等にも適
用可能である。
【0046】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明のディス
クブレーキ装置によれば、請求項1に記載したように、
互いに螺合する回転部材およびアジャスタボルトの相対
位置を変更することにより、ロータに対するパッドの位
置を自動調整するため、従来のように後調整装置および
調整スピンドルが同一線上に配置されている場合に比較
して、全体形状を小型化できる。また、本発明のディス
クブレーキ装置によれば、請求項2に記載したように、
廻止部材およびアジャスタボルトが略入れ子状に連結さ
れているため、挿通孔から露出した廻止部を回すことに
より、交換時の調整作業を容易に行える。
【0047】そして、本発明によれば、請求項3に記載
したように、廻止部に所定の工具を係合可能な係合部が
設けられているため、ディスクブレーキ装置が狭小部分
に配置されている場合であっても、適宜な工具を用いる
ことによりパッド交換時の調整作業を容易に行える。ま
た、本発明のディスクブレーキ装置によれば、請求項4
に記載したように、挿通孔が蓋部材により閉鎖されてい
るため、キャリパ内部に塵等が入り込む虞れを少なくで
きることになる。そして、本発明によれば、請求項5に
記載したように、調整手段に設けられた各調整手段がそ
れぞれ個別に動作可能であるため、偏摩耗したパッドの
位置を自動調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施の形態を示す断面図であ
る。
【図2】調整手段を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】 10 ディスクブレーキ装置 11 ロータ 12,13 パッド 14 キャリパ 20 押圧手段 22 ケース 23 付勢部材 30 調整手段 31 回転部材 32 アジャスタボルト 33 ピストン 34 シール部材 35 廻止部材 41 廻止部 42 連結軸 43 連結孔 44 挿通孔 46 蓋部材 47 係合部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円盤状のロータと、前記ロータを厚み
    方向に挟むように対向配置された一対のパッドと、前記
    パッドを前記ロータに向かって押圧する押圧手段を備え
    るキャリパとを有し、前記ロータに対する前記パッドの
    位置を自動調整する調整手段が前記押圧手段に設けられ
    たディスクブレーキ装置であって、 前記押圧手段は、前記キャリパに収容されているととも
    に前記ロータの軸方向に進退可能なケースと、前記ケー
    スを前記ロータから離れる方向に付勢する付勢部材とを
    備え、 前記調整手段は、前記ケースのロータ側の側面に対して
    付勢当接されるとともに回転可能な回転部材と、前記回
    転部材に螺合するアジャスタボルトと、前記アジャスタ
    ボルトの一端部に連結されて前記パッドに当接するピス
    トンと、前記ピストンの外側面に対して弾性的に摺接す
    るシール部材と、前記アジャスタボルトの他端部に対し
    て着脱可能に連結された廻止部材とを有し、 前記廻止部材は前記キャリパに対して回転しないことを
    特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記廻止部材は、前記挿通孔に係合する
    廻止部と、前記廻止部に接続された連結軸とを有し、前
    記連結軸が前記アジャスタボルトの他端部に形成された
    多角形状の連結孔に対して連結されていることを特徴と
    する請求項1に記載したディスクブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 前記廻止部に所定の工具を係合可能な係
    合部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載
    したディスクブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 前記挿通孔が着脱可能な蓋部材により閉
    鎖されていることを特徴とする請求項1に記載したディ
    スクブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 前記押圧手段が前記調整手段を複数有
    し、前記各調整手段がそれぞれ個別に動作可能であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載したディスクブレーキ装
    置。
JP18134497A 1997-07-07 1997-07-07 ディスクブレーキ装置 Pending JPH1122762A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18134497A JPH1122762A (ja) 1997-07-07 1997-07-07 ディスクブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18134497A JPH1122762A (ja) 1997-07-07 1997-07-07 ディスクブレーキ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1122762A true JPH1122762A (ja) 1999-01-26

Family

ID=16099067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18134497A Pending JPH1122762A (ja) 1997-07-07 1997-07-07 ディスクブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1122762A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008072742A1 (ja) * 2006-12-14 2008-06-19 Akebono Brake Industry Co., Ltd. ディスクブレーキ装置
JP2008151169A (ja) * 2006-12-14 2008-07-03 Akebono Brake Ind Co Ltd ディスクブレーキ装置
JP2008164159A (ja) * 2006-12-04 2008-07-17 Nabtesco Corp ブレーキシリンダ
JP2008261439A (ja) * 2007-04-12 2008-10-30 Nabtesco Corp ブレーキシリンダ装置及びブレーキキャリパ装置
JP2010508161A (ja) * 2006-10-30 2010-03-18 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 工作機械、生産機械ないしメンテナンス機械
JP2010106893A (ja) * 2008-10-28 2010-05-13 Waterworks Technology Development Organization Co Ltd 管用栓
DE102010031638A1 (de) 2009-07-22 2011-02-17 Akebono Brake Industry Co., Ltd. Scheibenbremsvorrichtung
WO2014102560A1 (en) * 2012-12-28 2014-07-03 Renault Trucks A disc brake system for a motor vehicle, having a brake mechanism with a reduced size

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010508161A (ja) * 2006-10-30 2010-03-18 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 工作機械、生産機械ないしメンテナンス機械
JP2008164159A (ja) * 2006-12-04 2008-07-17 Nabtesco Corp ブレーキシリンダ
WO2008072742A1 (ja) * 2006-12-14 2008-06-19 Akebono Brake Industry Co., Ltd. ディスクブレーキ装置
JP2008151169A (ja) * 2006-12-14 2008-07-03 Akebono Brake Ind Co Ltd ディスクブレーキ装置
JP2008261439A (ja) * 2007-04-12 2008-10-30 Nabtesco Corp ブレーキシリンダ装置及びブレーキキャリパ装置
JP2010106893A (ja) * 2008-10-28 2010-05-13 Waterworks Technology Development Organization Co Ltd 管用栓
DE102010031638A1 (de) 2009-07-22 2011-02-17 Akebono Brake Industry Co., Ltd. Scheibenbremsvorrichtung
US8573370B2 (en) 2009-07-22 2013-11-05 Akebono Brake Industry Co., Ltd. Disk brake device
WO2014102560A1 (en) * 2012-12-28 2014-07-03 Renault Trucks A disc brake system for a motor vehicle, having a brake mechanism with a reduced size
US9776603B2 (en) 2012-12-28 2017-10-03 Volvo Truck Corporation Disc brake system for a motor vehicle, having a brake mechanism with a reduced size

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4830149A (en) Actuator with automatic adjustment and with reset shaft for use in brakes, especially of heavy duty vehicles
US7552804B2 (en) Disk brake with self-boosting
JP5334571B2 (ja) 車輪ブレーキ
RU2495291C2 (ru) Регулировочное устройство для дискового тормоза
US3976168A (en) Mechanical disc brake having an automatic slack adjustor
US6213255B1 (en) Adjusting device for disk brakes
US10161466B2 (en) Brake device
JPS6059454B2 (ja) 車両ブレーキ用液圧アクチユエーター
JPH1122762A (ja) ディスクブレーキ装置
US4049089A (en) Electromagnetic brake assembly
JP2016050629A (ja) ギヤユニットおよびブレーキ装置
JPS6024332B2 (ja) 機械的作動デイスクブレ−キ
JP2007177995A (ja) パーキング用操作機構を備えたディスクブレーキ作動装置
JP2011074946A (ja) ディスクブレーキ
US4030577A (en) Negative disc brake with a clearance-takeup mechanism
US3292739A (en) Spot brake actuator and positioning means
US4390084A (en) Mechanical disc brake
JPH0531007B2 (ja)
US20220325765A1 (en) Brake apparatus for vehicle
JP2006177532A (ja) ディスクブレーキ
JP4381335B2 (ja) ディスクブレーキ装置及びディスクブレーキ装置におけるシリンダ孔の形成方法
JP2006266296A (ja) ディスクブレーキ装置及びディスクブレーキ装置におけるシリンダ孔の形成方法
SU1323789A1 (ru) Дисковый тормоз
JP2006002867A (ja) ディスクブレーキ装置
US8136639B2 (en) Self-energizing disk brake