JP2008151168A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い全方向の自由度を確保しつつ間隔の大きなばね上とばね下間にわたり取り付けられたブレーキアームに対しても、確実に隙間を調整でき、調整後に操作側にずれを生じることもなく、組付け性に優れてアクチュエータの動力源の選択も可能にする。
【解決手段】 全方向に自由度を有して揺動するブレーキアーム22を介してプレーキパッド3を押圧作動させるもので、アクチュエータからピストンまでを自動隙間調整機構5とともにサブアセンブリ化してパワーユニットとして車体等のばね上部に固定し、これに対してブレーキアーム22側を組み付けるように構成したことにより、高い全方向の自由度を確保しつつ間隔の大きなばね上とばね下間にわたり取り付けられたブレーキアーム22に対しても、プレーキパッド3を先端に有するブレーキアーム22の作動量に追従してパッド3の磨耗を適正に自動隙間調整することが可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】 全方向に自由度を有して揺動するブレーキアーム22を介してプレーキパッド3を押圧作動させるもので、アクチュエータからピストンまでを自動隙間調整機構5とともにサブアセンブリ化してパワーユニットとして車体等のばね上部に固定し、これに対してブレーキアーム22側を組み付けるように構成したことにより、高い全方向の自由度を確保しつつ間隔の大きなばね上とばね下間にわたり取り付けられたブレーキアーム22に対しても、プレーキパッド3を先端に有するブレーキアーム22の作動量に追従してパッド3の磨耗を適正に自動隙間調整することが可能である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、アクチュエータにより軸動しアジャスタユニットを構成する自動隙間調整機構を介してピストンがプレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置に関する。
車両において使用されるディスクブレーキ装置にあっては、ブレーキパッドとブレーキディスクとの間の隙間が大きくなったときには、その隙間を初期に設定した適正隙間になるように自動的に調整する自動隙間調整機構を備えている。この自動隙間調整機構としては様々な技術が提案されて採用されている。従来、カム機構を用いた機械式の操作装置を有するディスクブレーキ装置に自動隙間調整機構を採用しようとすると、ブレーキパッドとブレーキディスクとの隙間を調整したとき、カム機構を構成する駆動部分と従動部分との間にブレーキパッドの摩耗相当分の隙間(遊び)が発生し、操作ストローク量が変化するという問題があった。このような自動隙間調整に関連して、操作系の操作ストローク量を適正に自動調整するものが提案された(下記特許文献1参照)。
特開2004−218680号公報(公報要約書参照)
前記特許文献1に開示され図9に示したディスクブレーキ装置は、ディスクブレーキ装置110において、ブレーキレバー117とナット部材119との間に、円筒状のガイド141とストッパ142とコイルスプリング143とからなる隙間吸収機構140を配置し、アジャスター機構130が摩擦パッド112とディスク111との間の隙間Cを適正隙間に調整したとき、コイルスプリング143がガイド141を介してブレーキレバー117を左側の摩擦パッド112に押し付け、これにより、ブレーキレバー117と左側の摩擦パッド112との間に生じる隙間を吸収し、操作系のストローク量を初期設定ストローク量に調整するものである。
詳述すると、図9(C)に示すように、パッド部113とディスク111との間の隙間Cが磨耗して拡大すると、パッドプレート114が第1の調整機構130におけるスペーサ134を左方向へ押圧する。一方向(左方向)への移動が可能なストッパ133がガイド132内にて非可逆的に左方向へ移動する。これにより、パッド部113とディスク111との間の隙間Cが自動調整される。この自動隙間調整により一対のパッド部113すなわちパッドプレート114、114間の寸法が縮小することになる。
一方、図9(A)(B)に示すように、図示外のブレーキペダル等のブレーキ操作によりブレーキレバー117が支持軸116を揺動中心として揺動するとき、ブレーキレバー117の支軸部がくの字状に曲折形成されたカム機構118を有しているため、ブレーキレバー117の揺動に伴い、ボール118bと第2の隙間吸収機構140におけるガイド140との間を押し広げる。ブレーキ操作の解除時には前記第1の調整機構130により調整されてパッドプレート114、114間の寸法が縮小した分、ボール118bとブレーキレバー117の板カム部118aとの間に隙間が生じる。このとき、コイルスプリング143にて底板141aを付勢しているガイド141はストッパ142に対して右方向の一方向にしか非可逆的に移動ができないため、前記ボール118bと板カム部118aとの間の隙間が吸収され、その結果、操作系の操作ストローク量が適正状態に調整されることになる。
しかしながら、この従来のものは比較的単純な構成であり、高い精度は要求されない。このような調整機構では、1回の作動での送り量が少ないため、車両組付け時に隙間が大きいと、所定隙間となるまでに多くの作動回数を要する上に、初期隙間を小さくすると、車両への組付けが困難になる虞れがあった。また、パッド部が変形するほどの大きな制動軸力が作用した場合に過度の隙間調整がなされてしまう虞れもあった。さらには、隙間調整機構がパッドプレート間に配設されているために、磨耗したブレーキパッドを交換するには、ブレーキ装置を全てを分解しなければならず面倒であった。
一方、鉄道車両のように、アクチュエータ等のパワーユニットが取り付けられるばね上と、ブレーキディスクへの制動部を構成してブレーキパッドが取り付けられるばね下との間隔が離れていて相対移動が大きい場合には、それらに対応する機構が求められる。前述の従来例のように比較的小型の機械式操作機構の場合は、パワーユニット部をブレーキディスク近傍に配設できるので、格別に対応する機構は必要としないが、鉄道車両のように、パワーユニットが取り付けられるばね上と、ブレーキパッドが取り付けられるばね下とが離れている場合には、ブレーキアームのような梃子を用いたものが知られている。そして、必要とされる全方向の自由度と強度を両立させるため、大型で複雑なリンク機構等となり易く、パッド磨耗に対する自動隙間調整機構の組込みが困難となり、組付け作業も複雑となった。
そこで本発明は、前記従来のディスクブレーキ装置の諸課題を解決して、高い全方向の自由度を確保しつつ間隔の大きなばね上とばね下間にわたり取り付けられたブレーキアームに対しても、確実に隙間を調整でき、調整後に操作側にずれを生じることもなく、組付け性に優れてアクチュエータの動力源の選択も可能にしたディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
このため本発明は、アクチュエータにより軸動しアジャスタユニットを構成する自動隙間調整機構を介してピストンがプレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置において、前記ピストンが全方向に自由度を有して揺動するブレーキアームを介してプレーキパッドを押圧作動させるように構成するとともに、前記アクチュエータからピストンまでを自動隙間調整機構とともにサブアセンブリ化してパワーユニットとして車体等のばね上部に固定し、該パワーユニットに対してブレーキアーム側を組み付けるように構成したことを特徴とする、また本発明は、前記アクチュエータにおけるエアチャンバ等の動力源をアジャスタユニットにサブアセンブリ化して取り付けるように構成したことを特徴とする。また本発明は、前記ブレーキアームが、パワーユニットにおけるキャリパボディのアームシャフトに対して、中央部で球面ベアリングを介し、該球面ベアリングの軸方向両側で球面ベアリングと同軸曲面のアンカプレートを介して支持したことを特徴とする。また本発明は、前記自動隙間調整機構を左右一対それぞれ配設するとともに、それらの間に設置されたカムシャフトがエアチャンバ等により揺動するカムレバーにより回転して、前記自動隙間調整機構のいずれもが離反軸動するように構成したことを特徴とする。また本発明は、前記アジャスタユニットがカム機構と自動隙間調整機構とからサブアセンブリ化され、該自動隙間調整機構が全方向に自由度を有して揺動するブレーキアームの作動量に応じてブレーキパッドとブレーキディスクとの隙間を自動調整するように構成したことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とする。
本発明によれば、アクチュエータにより軸動しアジャスタユニットを構成する自動隙間調整機構を介してピストンがプレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置において、前記ピストンが全方向に自由度を有して揺動するブレーキアームを介してプレーキパッドを押圧作動させるように構成するとともに、前記アクチュエータからピストンまでを自動隙間調整機構とともにサブアセンブリ化してパワーユニットとして車体等のばね上部に固定し、該パワーユニットに対してブレーキアーム側を組み付けるように構成したことにより、高い全方向の自由度を確保しつつ間隔の大きなばね上とばね下間にわたり取り付けられて作動腕が長く相対変位量の大きなたブレーキアームに対しても、プレーキパッドを先端に有するブレーキアームの作動量に追従してパッドの磨耗を適正に自動隙間調整することが可能であり、アクチュエータからピストンまでを自動隙間調整機構とともにサブアセンブリ化してパワーユニットとしたので、軽量化が容易であり、パワーユニットに対してブレーキアーム側をユニットとして簡便に組み付けることが可能になる。
また、前記アクチュエータにおけるエアチャンバ等の動力源をアジャスタユニットにサブアセンブリ化して取り付けるように構成した場合は、アクチュエータの動力源として空気、油圧、電力等を自在に選択して構成した動力源装置をサブアセンブリ化して取り付けて設計することが可能となり、設計の自由度を向上させることができる。さらに、前記ブレーキアームが、パワーユニットにおけるキャリパボディのアームシャフトに対して、中央部で球面ベアリングを介し、該球面ベアリングの軸方向両側で球面ベアリングと同軸曲面のアンカプレートを介して支持した場合は、球面ベアリングと同軸曲面であるアンカプレートの取付けでサブアセンブリすることで、球面ベアリングの組付けが容易となり、ブレーキアームが制動トルクを受ける側にも、ブレーキアームの全方向の自由度の旋回自在性が確保できると同時にトルクの伝達も確実にできる。
さらにまた、前記自動隙間調整機構を左右一対それぞれ配設するとともに、それらの間に設置されたカムシャフトがエアチャンバ等により揺動するカムレバーにより回転して、前記自動隙間調整機構のいずれもが離反軸動するように構成した場合は、カムシャフトを挟んで互いに向き合う均衡の取れたカム機構により、エアチャンバ等から入力された回転操作力は、均等に軸方向に転換されて自動隙間調整機構を介して左右のブレーキアームに制動力を適正に伝達することができる。また、前記アジャスタユニットがカム機構と自動隙間調整機構とからサブアセンブリ化され、該自動隙間調整機構が全方向に自由度を有して揺動するブレーキアームの作動量に応じてブレーキパッドとブレーキディスクとの隙間を自動調整するように構成した場合は、自動隙間調整機構を構成する小型部品が全てアジャスタユニット内に内蔵されて、大型部品と小型部品を別個に扱うことができて組付け性が向上するとともに、高い全方向の自由度を確保しつつ間隔の大きなばね上とばね下間にわたり取り付けられたブレーキアームに対しても、プレーキパッドを先端に有するブレーキアームの作動量に追従してパッドの磨耗を適正に自動隙間調整することが可能となる。
以下本発明に係るディスクブレーキ装置を実施するための好適な形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明のディスクブレーキ装置の1つの実施例を示す全体断面図、図2は同、アジャスタユニットへのエアチャンバ等の動力源の取付け状態を示す側面図、図3は同、全体平面図、図4は同、外観図、図5は同、図4のB−B側断面図、図6は同、図4のC−C平断面図、図7は同、パワーユニットとしてのエアチャンバ等から自動隙間調整機構までの要部拡大断面図、図8は同、ブレーキパッドを含むブレーキアームの内側面図である。本発明のディスクブレーキ装置の基本的な構成は、図1に示すように、アクチュエータ7、12、9、10により軸動しアジャスタユニット20を構成する自動隙間調整機構5を介してピストン5Bがプレーキパッド3を押圧作動させるディスクブレーキ装置において、前記ピストン5Bが全方向に自由度を有して揺動するブレーキアーム22を介してプレーキパッド3を押圧作動させるように構成するとともに、前記アクチュエータからピストンまでを自動隙間調整機構5とともにサブアセンブリ化してパワーユニットとして車体等のばね上部に固定し、該パワーユニットに対してブレーキアーム側を組み付けるように構成したことを特徴とする。
図1に示すように、本発明のディスクブレーキ装置は、キャリパボディ1の左側(図面上、以下同じ)に設置されたサービス用のエアチャンバ7(必要に応じて、パーキング用のエアチャンバを右側に設置してカムレバー12を同時作動させるように構成することもできる)により動力を得る。好適には空気圧等の流体圧(正圧あるいは負圧のいずれも可能)を動力源として、エアチャンバ7等のロッド7Bの進退によりカムレバー12が揺動し、該カムレバーの下端に配設されたカムシャフト9の回転を2つのローラ10を介してアジャストプラグ5Eを軸方向に変換するところのカム機構を介して自動調整機構5に軸方向の力を与える。後述するように、アクチュエータの動力源として空気、油圧、電力等を自在に選択できる。前記カムレバー12の揺動に伴う上下方向のずれは中間リンク7Cにより吸収される。アクチュエータは、ロッド7Bを含むエアチャンバ7等、中間リンク7C、カムレバー12、カムシャフト9、ローラ10およびアジャストプラグ5Eから構成される。
カムシャフト9を含むカム機構および後述する自動隙間調整機構5ならびにピストン5B等がカムハウジング4およびスリーブ5A内に収納されてアジャストユニット20として前記エアチャンバ7等の下方に配設され、これら両者によってパワーユニットとしてユニット化される。また、前記アクチュエータにおけるエアチャンバ7等の動力源をアジャスタユニット20にサブアセンブリ化して取り付けるように構成した。これにより、アクチュエータの動力源として空気、油圧、電力等を自在に選択してサブアセンブリ化して設計することが可能となり、設計の自由度を向上させることができる。図2に示すように、エアチャンバ7等が取り付けられた取付けブラケット6を、カム機構や自動隙間調整機構5が収納されてサブアセンブリ化されたアジャストユニット20のカムハウジング4およびキャリパボディ(図3参照)に取付ボルト13により着脱可能に取り付けた。図2において、符号11は中間リンク7Cを両側から挟持して配設されたカムレバー12の上端部にて軸支する連結ピン(ボルト)である。
図1に戻り、前記アジャストユニット20の両端部の各ピストン5Bに当接して接続された各リンクピストン16に、左右のアームシャフト21に軸支された各ブレーキアーム22の上端部22Aが連結される。各ブレーキアーム22の下端部にはそれぞれブレーキパッド3、3がブレーキボルト23により上下首振り自在に支持される。かくして、前記アクチュエータ7〜12からピストン5Bまでをサブアセンブリ化してパワーユニット(正確には、リンクピストン16、リンクロッド18までサブアセンブリ化される)とし、該パワーユニットに対してブレーキアーム22側をユニットとしてアームシャフト21により容易に組み付けることができる。
図3は本発明のディスクブレーキ装置の1つの実施例を示す平面図で、キャリパボディ1の平面視形状が明確に理解できる。キャリパボディ1の側面に連結ないし形成されたサポート2とキャリパボディ1の上面の取付部1Aとにより、パワーユニットとして車体静止部であるばね上に取り付けられる。サービス用のエアチャンバ7、ロッドに接続された中間リンク7Cや、連結ピン11による中間リンク7Cとカムレバー12との連結軸支状態、取付けブラケット6によるエアチャンバ7等のアジャスタユニットやキャリパボディ1への取付け状態が分かる。一部に、ユニットとしてパワーユニットに取り付けられたブレーキアーム22と該ブレーキアーム22に支持されたブレーキパッド3が見えている。
図4は本発明のディスクブレーキ装置の1つの実施例を示す外観図である。下端部にブレーキパッド3が水平状のブレーキボルト23、23により上下に首振り自在に支持されたブレーキアーム22、22が、パワーユニットを含むキャリパボディ1に対してアームシャフト21、21により軸支されて組み付けられる状態が明確に理解される。パワーユニットに対してブレーキアーム22が全方向に自由度を有して揺動するように構成されている。これを説明するために、図4のB−B断面である側断面図(図5)と、図4のC−C断面である平断面図(図6)とを以下に示した。
図5は本発明のディスクブレーキ装置の1つの実施例を示す図4のB−B断面の側断面図である。下端部にブレーキパッド3が水平状のブレーキボルト23、23により上下に首振り自在に支持されたブレーキアーム22が、パワーユニットを含むキャリパボディ1に対してアームシャフト21により軸支されて組み付けられる状態が明確に理解される。側面視で略門型形状のキャリパボディ1に対して、ブレーキアーム22の上端部22Aを前述した自動隙間調整機構5に接続するリンクピストン16(図1)部に連結するとともに、その下方の中間部をアームシャフト21により軸支して取り付ける。
両者の軸方向の相対揺動面間にはアンカプラグ28、28が介設され、アームシャフト21とブレーキアーム22の軸孔との間には隙間27を配するとともに、アームシャフト21の中間部とブレーキアーム22の中間部との間にはスペーサ26および球面ベアリング19が配設される。これらの隙間27、スペーサ26および球面ベアリング19の介在により、ブレーキアーム22がパワーユニットすなわちキャリパボディ1に対して、前後、左右および上下方向の全方向に自在に僅かの揺動が可能に構成される。スペーサ26、は可撓性を有する。
図4のC−C断面の平断面図である図6に示すように、ブレーキアーム22は、パワーユニットにおけるキャリパボディ1に支持されたアームシャフト21に対して、中央部で球面ベアリング19を介し、該球面ベアリング19の軸方向両側で球面ベアリング19と同軸曲面のアンカプレート29を介して支持した。つまり、アンカプレート29とその軸方向外側のアンカプラグ28との対向面は曲面を呈している。これによって、ブレーキパッド3がブレーキディスクに圧接して連れ回ろうとするブレーキトルクにより、アームシャフト21を図面の紙面内にて左右方向にこじろうとする力に対して前記曲面間にて有効に吸収することができる。しかも、球面ベアリング19と同軸曲面であるアンカプレート29の取付けにより、組み付ける際に曲面同士が支持し合い、互いの部品がばらついて落下することなくサブアセンブリすることで、球面ベアリングおよびアンカ部材の組付けが容易となり、ブレーキアームの全方向の自由度の旋回自在性が確保できると同時にトルクの伝達も確実にできることとなる。
次に、ブレーキアーム22の上端部22Aと自動隙間調整機構5から出力されたリンクピストン16との連結について説明する。図7の拡大図にて示すように、詳細は後述する自動隙間調整機構5の末端部を構成するピストン5Bに当接して押圧されるリンクピストン16に、該リンクピストン16の外端部に挿入されたリンクロッド18が連結ピン17により連結される。リンクピストン16に隣接して、球面部材16Aと該球面部材16Aと球面係合する球面シート22Bが配設される。図1に示すように、前記リンクロッド18を収納する形態にてブレーキアーム22の上端部22Aに形成された遊嵌孔部を挿入する。ブレーキアーム22の外側においてスプリング24にて弾接してスプリングシート25により保持させる。したがって、球面部材16A、球面シート22Bおよび遊嵌孔部の介設によって、リンクピストン16に対するブレーキアーム22の全方向の揺動を吸収することができる。
次に、図7を用いて自動隙間調整機構5について説明する。サービスブレーキ用のエアチャンバ7等の作動により、ロッド7Bが図面右側へ移動すると、中間リンク7Cを介してカムレバー12が時計方向へ揺動する。カムレバー12の下端部に形成されたカムシャフト9が回転すると、対向配設された一対のローラ10、10を介して互いに対向配設された自動隙間調整機構5、5におけるアジャストプラグ5E、5Eを、スプリング5N、5Nの復元力に抗していずれもが離反軸動するように自動隙間調整機構5の中心軸方向に移動させる。これらのカムシャフト9、ローラ10およびアジャストプラグ5Eから構成されるカム機構および自動隙間調整機構5がカムハウジング4およびスリーブ5A内に収納されてアジャスタユニット20を構成してサブアセンブリ化される。自動隙間調整機構5は左右で構成が同じなので、図面右側のみで以下に説明する。
アジャストプラグ5Eのスプリング5Nの復元力に抗した右方向への移動により、アジャストプラグ5Eの傾斜面とテーパクラッチ面15を構成する傾斜端面を有するアジャストスピンドル5Dと、該アジャストスピンドル5Dを調整螺合部14にて螺合するアジャストナット5Cとを右方向へ移動させる。前記テーパクラッチ面15に圧接力が作用していて回転不可能なアジャストスピンドル5Dに調整螺合部14にて螺合するアジャストナット5Cは回転しようとするが、アジャストナット5Cの内側端部のフランジを支点としてピストン5Bに押されて傾動(スプリング5Gによって平板状に復元可能)可能なレバー5Iとストッパ5K(ピストン5Bの内側端部に係止)間に挟持されて回転が阻止されるとともに、フリクションリング5Jとの協動によって、フリクションリング5Jがスリーブ5Aの内周面を摺動しながら、ピストン5Bを右動させる。これによって、ピストン5Bがリンクピストン16、球面部材16Aおよび球面シート22Bを介してブレーキアーム22の上端部22Aを押し出し(図1)、アームシャフト21を揺動中心としてブレーキアーム22の下端部のブレーキパッド3によりブレーキディスクを締め付けてブレーキ動作が行われる。
次に、ブレーキ動作を解除した戻り時の自動隙間調整動作について説明する。ピストン5Bがブレーキアーム22を介してブレーキパッド3に所定の軸力にて押圧された状態から、エアチャンバ7の空気圧が解除されると、カムレバー12が反時計方向に揺動後退し、カムシャフト9が反時計方向に回転する。ローラ10を介してアジャストプラグ5Eがスプリング5Nの復元力により左方向に後退する(図面左側のアジャストプラグ5Eは右方向に後退する)。これにより、アジャストプラグ5Eとアジャストスピンドル5Dとの間のテーパクラッチ面15が相対移動して隙間が発生する。アジャストスピンドル5Dは回転自在となる。一方、ブレーキパッドとの接触が解かれた時点でピストン5Bの軸力が低下し、スプリング5Gの復元力でレバー5Iが平板状の初期状態となって、フリクションリング5Jへの把持を開放する。これにより、フリクションリング5Jがスリーブ5Aの内周面に自身の弾性により圧接した摩擦力によって止まり、ピストン5Bのその後の左方への移動は阻止される。
前記レバー5Iの傾動状態から平板状態に移行するとき、アジャストナット5Cを左方へ僅かに移動させる。このアジャストナット5Cの左方への移動量は、ブレーキパッドに対してピストン5Bが進んだ分、すなわちブレーキパッドの磨耗分に依存する。したがって、アジャストナット5Cの左方への移動量によって、アジャストスピンドル5Dの回転量が隙間調整量として決定される。アジャストスピンドル5Dは、テーパクラッチ面15のアジャストプラグ5Eとの開放状態のもとで、ケース5Q内に収納された皿ばね5Pによって左方へ付勢されて回転が可能となる。以上により、アジャストナット5Cに調整螺合部14にて螺合しているアジャストスピンドル5Dの回転により、ブレーキパッドに対してピストン5Bが進んだブレーキパッドの磨耗分が、アジャストナット5Cの戻り分となってアジャストスピンドル5Dが調整螺合部14によって相対回転して、自動隙間調整が完了する。
また、エアチャンバ7等のアクチュエータを介して過剰な力が加わって、ブレーキパッド自身が変形するような場合には、自動隙間調整を必要としない。過剰な軸力がピストン5Bに作用している状態でアクチュエータからの制動力が解除されても、ピストン5Bとブレーキパッドの間には所定値以上の軸力が残っており、このため、レバー5Iが傾動を維持しつつ、ストッパ5Kとの間にフリクションリング5Jを挟持してスリーブ5Aの内周面を摺動させて左方へ移動する。このときレバー5Iがアジャストナット5Cを左方へ相対移動させることはなく、自動隙間調整は行われない。前記レバー5I、フリクションリング5Jおよびストッパ5Kが協動してアジャストナット5Cに対するアジャストスピンドル5Dの相対回転を阻止して自動隙間調整を行わないようにするところの規制部材を構成する。さらに、アクチュエータ側が後退し、ピストン5Bとブレーキパッドとの間の軸力が所定値を下回るに至って、図7の状態への移行に伴って前述したように自動隙間調整が開始される。
かくして、制動時に、図1に示すように、ブレーキアーム22の上端部の溝部に収納された球面部材16Aと球面接触する球面シート22Bを介してブレーキアーム22をアームシャフト21の周りに時計方向に揺動させる。これによって、ブレーキアーム22の下端部に支持されたブレーキパッド3を図示外のブレーキシューに押し付ける。この動作は、カムシャフト9の反時計方向の回転に伴う右側のアジャストプラグ5Eの右側への移動の反作用により、左側のアジャストプラグ5Eも左方向に移動するように構成されているので、いずれの側も自動隙間調整機構5、リンクピストン16等を介してブレーキアーム22をアームシャフト21の周りに制動方向に揺動させることができる。かくして、自動隙間調整機構5、5のいずれもが互いの反作用により離反軸動してほぼ均等の制動力にてブレーキパッド3、3をブレーキディスクに押し付けて挟圧することができる。
このように、自動隙間調整機構5の隙間調整機能によって、ブレーキパッド3の磨耗やブレーキアーム22のアームシャフト21に対する全方向自由度に基づく誤差等に起因して、ピストン5Bやリンクピストン16のストロークが増大して隙間が発生しても、アジャストナット5Cに対するアジャストスピッドル5Dの相対回転により自動的に調整され、しかも、この隙間調整によって操作部であるアクチュエータ側にずれを生じることはない。何故なら、ブレーキパッドの摩耗等によるフィリクションリング5Jとピストン5Bとの相対移動はアジャストナット5Cとの回転調整により吸収されるからである。この自動隙間調整機能は、ばね上とばね下とが隔離された鉄道車両等のように、制動動作時の動作腕の長さが長大であり、全方向に自由度を有して揺動するブレーキアームであっても、アジャスタユニット20内にサブアセンブリ化された自動隙間調整機構5の中心軸方向の長さ調整によって隙間調整がなされるので、隙間調整が有効に機能する。
図8は本発明のディスクブレーキ装置の1つの実施例を示す、ブレーキパッドを含むブレーキアームの内側面図である。図示省略のブレーキディスクの板面を挟圧して制動作用を行うブレーキパッド3が複数個ブレーキアーム22の下端部に配設されたものである。図示のものは、ブレーキアーム22の中心の両側に対称に3つずつのブレーキパッド3が設置されたものである。自動隙間調整機能5による隙間調整で対応が困難になった場合には、パワーユニットであるキャリパボディ1からアームシャフト21を抜き取り、ブレーキアーム22を分離してキャリパボディ1から取り外すことにより、ブレーキパッド3を新規なものに容易に交換できる。
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、アクチュエータを構成するエアチャンバ(正圧型、負圧型のいずれもが採用可能である)等の形状、形式(ダイヤフラム型、ピストン型等、動力源として、適宜の油圧、電力によるアクチュエーも採用できる)および配設部位(実施例のような配設の他、対向側にパーキング用のエアチャンバ等を配設してパーキングレバーの操作により、カムレバー等を同時操作するようにしてもよい)、ブレーキアームの形状(自動隙間調整機構からの出力部であるリンクピストンとの連結のための球面部材等の介設のための端部形状、断面および側面視形状についても適宜採用できる)、形式およびキャリパボディへの全方向に自由度を有しての揺動軸支形態(隙間、球面ベアリング、可撓性のあるスペーサおよびアンカプラグ等の採用、アンカプラグとアンカプレートとの間の曲面形状等)、プレーキパッドの形状、形式およびブレーキアームへの軸支形態(上下首振り形態等)、アクチュエータとしてのエアチャンバ等からカムレバー、自動隙間調整機構、リンクピストンまでのユニット化形態(エアチャンバのロッドとカムレバーとが略同一面内に配置されるが、場合によってはロッドとカムレバーとが同一面からずれて配設されてもよい)、パワーユニットを構成するためのエアチャンバ等のアジャスタユニット等への取付け形態等については適宜選定できる。
また、カム機構を構成するカムシャフトの形状、形式、ローラの形状、形式、およびそれらのカムレバーとの関連構成、アジャストプラグにおけるローラやカムシャフトとのカム形状、自動隙間調整機構の形状、形式(アジャストプラグとアジャストナットとのテーパクラッチ面の傾斜角度等、アジャストナットに対するアジャストスピンドルの螺合形態、アジャストプラグおよびアジャストナットのばねによる復元形態、フリクションリングの形状、形式、フリクションリングとピストンとの組合せ形態、適宜同効の部材の組合せが採用できる、ピストン部材の形状、形式、ピストンの形状、形式、)等についても適宜選定できる。実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
1 キャリパボディ
3 ブレーキパッド
4 カムハウジング
5 自動隙間調整機構
5A スリーブ
6 取付ブラケット
7 エアチャンバ等
7B ロッド
7C 中間リンク
9 カムシャフト
10 ローラ
11 連結ピン
12 カムレバー
16 リンクピストン
18 リンクロッド
20 アジャスタユニット
21 アームシャフト
22 ブレーキアーム
3 ブレーキパッド
4 カムハウジング
5 自動隙間調整機構
5A スリーブ
6 取付ブラケット
7 エアチャンバ等
7B ロッド
7C 中間リンク
9 カムシャフト
10 ローラ
11 連結ピン
12 カムレバー
16 リンクピストン
18 リンクロッド
20 アジャスタユニット
21 アームシャフト
22 ブレーキアーム
Claims (5)
- アクチュエータにより軸動しアジャスタユニットを構成する自動隙間調整機構を介してピストンがプレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置において、前記ピストンが全方向に自由度を有して揺動するブレーキアームを介してプレーキパッドを押圧作動させるように構成するとともに、前記アクチュエータからピストンまでを自動隙間調整機構とともにサブアセンブリ化してパワーユニットとして車体等のばね上部に固定し、該パワーユニットに対してブレーキアーム側を組み付けるように構成したことを特徴とするディスクブレーキ装置。
- 前記アクチュエータにおけるエアチャンバ等の動力源をアジャスタユニットにサブアセンブリ化して取り付けるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
- 前記ブレーキアームが、パワーユニットにおけるキャリパボディのアームシャフトに対して、中央部で球面ベアリングを介し、該球面ベアリングの軸方向両側で球面ベアリングと同軸曲面のアンカプレートを介して支持したことを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ装置。
- 前記自動隙間調整機構を左右一対それぞれ配設するとともに、それらの間に設置されたカムシャフトがエアチャンバ等により揺動するカムレバーにより回転して、前記自動隙間調整機構のいずれもが離反軸動するように構成したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のディスクブレーキ装置。
- 前記アジャスタユニットがカム機構と自動隙間調整機構とからサブアセンブリ化され、該自動隙間調整機構が全方向に自由度を有して揺動するブレーキアームの作動量に応じてブレーキパッドとブレーキディスクとの隙間を自動調整するように構成したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のディスクブレーキ装置。
Priority Applications (2)
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-
2006
- 2006-12-14 JP JP2006337000A patent/JP2008151168A/ja not_active Withdrawn
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