JP4112957B2 - 写真印画紙用支持体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は写真乳剤が塗布される側の反対側の面に優れた筆記性、印字性、搬送性、導電性を持たせるためにバックコート層を設けた耐水性写真印画紙用支持体に関し、特に接着強度に優れたバックコート層を設けることのできる樹脂表面に特徴を持つ写真印画紙用支持体、及び優れた筆記性、印字性、搬送性、導電性を持たせるためにバックコート層を設けた耐水性写真印画紙用支持体、そして、設けたバックコート層が高い接着強度を有することを特徴とする写真印画紙用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、写真用印画紙の基体としては通常天然パルプを主成分とする原紙が使用されるが、原紙のままでは市場で要求されるような高品質の写真印画紙用支持体を得ることはできない。そのため原紙に高い平滑性、光沢感を与え、かつ高度の耐水性を付与するために、一般に原紙の両面をポリエチレン等の熱可塑性樹脂で被覆することが行われている(例えば特許文献1参照)。そして、原紙を熱可塑性樹脂で被覆された写真印画紙用支持体の裏面(以降、写真乳剤層が塗設される側の面を「表面」、写真乳剤層が塗設されない側の面を「裏面」と呼ぶ場合がある。)については、ボールペン、万年筆、鉛筆等で筆記できることが望まれている(例えば特許文献2参照)。
【0003】
又、ロール状のハロゲン化銀写真印画紙の画面と画面の境界を明示して自動裁断する目的で、或いはその画面に関する情報を記入する目的で、現像処理行程で写真印画紙の裏面にタイプ印字することがある。この場合、このタイプインキが処理浴中で流出したり、色が薄くなってその機能を十分発揮できなくなるという問題があり、このような問題の生じない写真印画紙が望まれている。
【0004】
しかしながら、原紙を被覆している熱可塑性樹脂層は通常インク吸収性がないため、その上にインクが付与された場合には、インクの乾燥が遅い上、乾燥後は手の摩擦等により消え易い。又、筆記に際して傷が付き易い。更に、印画紙を重ねた場合には、筆記又は印字された情報が他の印画紙の表面に転写され易い。従って熱可塑性樹脂層の表面には、そのままでは鉛筆や万年筆等で文字を書いたりすることが困難であるという欠点があった(例えば特許文献2参照)。
【0005】
また、熱可塑性樹脂が帯電しやすいことによる静電気のトラブルや写真印画紙同士の摩擦の大きさによる搬送性のトラブルもあった。これを解決する手段として裏面の表面粗さを低周波領域と高周波領域の範囲で規定して解決する方法があるが(例えば、特許文献3参照)、この解決法では印字性が極めて劣り、表面導電性も本発明者が要求するレベルには達しない。
【0006】
この他に、コロイダルシリカを主成分とするバックコート層を写真印画紙用支持体の裏面に設ける方法がある(例えば、特許文献2参照)。コロイダルシリカはその多孔質性、電気的特性のため、これを主成分とするバックコート層を設けると導電性、搬送性、筆記性、インクによる印字性が高いレベルで発現される。しかしながら、水溶性シリカゾルを主成分とするバックコート層を裏面に設ける方法では顔料による工程汚れ等の問題や、写真現像処理工程において、これらの塗布層が離脱又は溶出したり、或いは現像処理後のわずかな摩擦により顔料が離脱したりするために、写真印画紙を汚染する等の品質上の問題があった。
【0007】
この顔料の脱離の原因はバックコート層の主成分のシリカと熱可塑性樹脂層の接着力が弱いためである。これらの接着は分子間力と物理的アンカー効果に主に依存している。さらにはバックコート層に界面活性剤成分が存在すると疎水基は熱可塑性樹脂層側を親水基はシリカ層側を向いて界面に並び両層の接着を阻害する。
【0008】
この傾向はバックコート層にバインダーや硬膜剤を存在させることで小さくすることができるが、本発明が要求するような十分な接着効果を得ようとすると、主成分にシリカを用いることはできず、バックコート層が要求する他の物性へ影響を与えてしまっていた。
【0009】
一方、ゼラチンを主成分とするバックコート層(例えば特許文献4参照)ではこのような接着強度の問題は生じないが、鉛筆加筆性などの面でシリカゾルを主体とするバックコート層の品質には及ばない面があった。このため接着強度を非常に高く保ちながらバックコート層に要求される品質を高度に発現させた写真印画紙用支持体の製造は難しく、改良が望まれている。
【0010】
【特許文献1】
特開平5−107685号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開平7−239530号公報(第2頁)
【特許文献3】
特開2000−137311号公報
【特許文献4】
特開平8−201981号公報(第1〜3頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はバックコート層の従来の性能、すなわち、導電性、搬送性、筆記性、インクによる印字性を従来以上に高く維持しつつ、顔料の脱離によるトラブルを高いレベルで防止した接着強度の高いバックコート層を有することのできる写真印画紙用支持体を提供する事、及び、バックコート層の従来の性能、すなわち、導電性、搬送性、筆記性、インクによる印字性を従来以上に高く維持しつつ、顔料の脱離によるトラブルを高いレベルで防止した接着強度の高いバックコート層を有する写真印画紙用支持体を提供する事にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記に鑑み鋭意研究した結果、本発明の写真印画紙用支持体を発明するに至った。
【0013】
すなわち、原紙の両面を熱可塑性樹脂で被覆してなる耐水性写真印画紙用支持体における、写真乳剤が塗布される側の反対側の熱可塑性樹脂の表面形状において、そのJIS B 0601で規定する表面粗さRaがカットオフ値800μmのとき0.50〜3.00μmかつカットオフ値25μmのとき0.17〜0.50μmかつカットオフ値8μmのとき0.03〜0.10μmであることを特徴とする写真印画紙用支持体の発明である。
【0014】
さらには、上記の写真印画紙用支持体における、写真乳剤が塗布される側の反対側の熱可塑性樹脂の表面形状において、そのJIS B 0601で規定する表面粗さRaがカットオフ値800μmのとき0.50〜1.50μmかつカットオフ値25μmのとき0.25〜0.50μmかつカットオフ値8μmのとき0.05〜0.10μmであることを特徴とする写真印画紙用支持体の発明である。
【0015】
加えて、上記の写真印画紙用支持体において、写真乳剤が塗布される側の反対側の熱可塑性樹脂の表面にコロイダルシリカを主成分とするバックコート層が設けられた写真印画紙用支持体であって、そのJIS B 0601で規定する表面粗さRaがカットオフ値800μmのとき0.35〜2.40μm かつカットオフ値25μmのとき0.16〜0.45μmかつカットオフ値8μmのとき0.02〜0.10μmであることを特徴とする写真印画紙用支持体の発明である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の写真印画紙用支持体について詳細に説明する。
【0017】
従来の技術の欄で述べたとおり、バックコート層の主成分であるシリカは熱可塑性樹脂との接着における相互作用は大きくない。これらの接着は分子間力と物理的アンカー効果に主に依存しているが、これらの効果を高くするためにはナノメートルレベルでの粗さが重要となることが解ってきた。マイクロレベルでの粗さは特に重要ではない。なぜなら熱可塑性樹脂側のナノレベルでの粗さが増すことによってバックコート層と相互作用が働く面積が飛躍的に大きくなるからである。また、接着のじゃまをする界面活性剤のような成分はナノレベルでの粗さが増すと界面にきれいに単分子膜を形成することができず、阻害レベルが低くなる。
【0018】
このようなナノレベルでの写真印画紙用支持体の粗さを判断するためには数cm程度の範囲で測定しなければならず、原子間力顕微鏡などの極微小の範囲で測定することは測定部位による差が大きくなりすぎて写真印画紙用支持体全体を特徴付ける測定値とならず、好ましくない。このため原子間力顕微鏡で直接測定する短所をなくし、写真印画紙用支持体の粗さのに現れる本願発明の目的に適合した特性を特徴付ける手段を検討した結果、JIS B 0601で規定する表面粗さ計を用いて、カットオフ値が25μmと8μmのときの粗さRaの値を指標とすることが最も良いことが判明した。基本的に、ナノレベルでの粗さが大きい方がシリカを主成分とするバックコート層の強度は大きくなるが、大きければ大きい程良いというものではなく、他の物性に影響を与えないために好ましい範囲がある。
【0019】
カットオフ値25μmのときの本発明における表面粗さは0.17〜0.50μm、好ましくは、0.25〜0.50μmである。この際の表面粗さが0.17を下回るとバックコート層の十分な強度を得ることができなくなり、表面粗さが0.50を上回る場合、製造コストを適性に保ちながら、後で述べるカットオフ値800μmのときの表面粗さRaを適正な範囲に収めることが困難となる。
【0020】
カットオフ値8μmのときの本発明における表面粗さは0.03〜0.10μm、好ましくは0.05〜0.10μmである。この際の表面粗さが0.03を下回るとバックコート層の十分な強度を得ることができなくなり、表面粗さが0.10を上回る場合、製造コストを適性に保ちながら、後で述べるカットオフ値800μmのときの表面粗さRaを適正な範囲に収めることが困難となる。ここで、カットオフ値25μmと8μmのときの表面粗さにより、樹脂表面粗さのナノレベルを本願発明における良好な接着性を特徴付けられる理由は、ナノレベルでの粗さの違いが最も特徴的に現れるのがカットオフ値25μmと8μmのときの表面粗さであるからであり、この表面粗さを上記規定値の範囲内にすることで最も接着に適した表面にする事が出来るのである。
【0021】
ナノレベルでの粗さを大きくしつつも、マクロなレベルでの平滑性はある範囲に収めておくことが重要である。マクロなレベルでの平滑性の指標となるのが表面粗さにおけるカットオフ値800μmのときの表面粗さRaの値である。本発明における写真印画紙用支持体としての裏面の平滑性を保つ範囲としては、JIS B 0601で規定する表面粗さRaがカットオフ値800μmのとき0.50〜3.00μm、好ましくは0.50〜1.50μmである。0.50よりも平滑である面は写真印画紙間の摩擦が大きくなり、搬送性に重送などの問題を生じる。3.00μmよりも粗くなると、筆記性、印字性、搬送性、導電性などのバックコート層に関わる物性だけでなく、乳剤層が塗布できなかったり、塗布できても写像性が悪化するといった写真用支持体の根幹に関わる物性にも悪影響が出る。
【0022】
これら、3つのカットオフ値によるJIS B 0601で規定する表面粗さRaを組み合わせることにより特徴づけられる形状の裏面を有する写真印画紙用支持体は、マクロな平滑性を維持しつつ、コロイダルシリカを主成分とするバックコート層に対して、強力な接着性を有する。
【0023】
本願発明におけるこのようなナノレベルでの表面形状を実現するためには熱可塑性樹脂のクーリングロールの表面形状をコントロールする必要がある。クーリングロールは通常、細かいサンドをロールの表面に打ちつけて製造するが、この際、そのサンドの粒子をコントロールすることによって実現できる。例えば、通常のサンド粒子の吹き付けを行った後に平均粒子径100nmのサンド粒子を吹き付け、その後メッキ処理を行うことでこのような表面形状は達成できる。この他にクーリングロールのメッキ処理を行った後で、平均粒子径100nmのサンド粒子を表面に接着させたロールとニップさせ60回転/分以上の速度で24時間回転させることによっても得ることができる。ここで述べたのは一例であり、クーリングロールの製造方法によって本特許が何ら制限されることはない。
【0024】
また、このような表面形状のコントロールによる強度と高い品質を両立する写真印画紙用支持体を得るためには規定値範囲内の表面形状を持った熱可塑性樹脂層の上にシリカを主成分とするバックコート層を設けることにより達成される。その際、更に、バックコート層が設けられた後の表面形状がJIS B 0601で規定する表面粗さRaがカットオフ値800μmのとき0.35〜2.40μm 、カットオフ値25μmのとき0.16〜0.45μm、かつ、カットオフ値8μmのとき0.02〜0.10μmである規定値範囲内に収まるようにすると筆記性、搬送性が良くなる。
【0025】
本発明のバックコート層に用いられる成分としては、コロイド状シリカを好ましく用いる。コロイド状シリカは液性として安定したコロイド状が保たれれば特に限定されるものではないが、好ましくは平均粒径が5mμ〜100mμのものから適宜選択して使用することができる。このようなコロイダルシリカの例として、一般に市販されている各種のシリカゾル懸濁液、例えば、ルドックスHS、ルドックスAS等(デュポン社 商品名)、及びスノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックスC等(日産化学(株) 商品名)を挙げることができる。表面をアルミナでコーティングしたコロイド状シリカを使用しても良い。
【0026】
本発明においては、上記コロイド状シリカに加えて、公知の無機顔料を適宜併用することができる。更に、接着力を高めたり、液の安定性を向上させたり、耐水、耐薬品性、耐熱性を向上させるために様々な接着剤、湿潤剤、乳化剤、酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、架橋剤、帯電防止剤等を含有させることができる。さらにはこれらの成分以外に界面活性剤を適宜添加することができる他、バックコート層の耐水性或いは耐アルカリ性を向上せしめることを目的として、1分子中に2個以上のエチレンイミノ基又はグリシジルエーテル基を有する化合物を架橋剤として含有せしめることができる。
【0027】
バックコート層の塗布液の溶媒としては、水、またはアルコールと水との混合液が用いられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール等の各種のアルコールが用いられる。
【0028】
バックコート層の塗布量としては固形分で0.01〜10g/m2であればバックコート層としての役割を果たすことができるが、0.05〜2.0g/m2とするとその品質はかなり向上し、特に0.1〜0.5g/m2とすると品質に加え操業性やコストなど他の面と合わせて最も好ましくなる。塗布量が0.01g/m2未満の場合はバックコート層の役割が十分に発揮されず、10g/m2を超えた場合は品質上の問題や乾燥工程上の問題などが発生する。
【0029】
本発明において、塗布液は一般によく知られた塗布方法、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ドクターコート法、ワイヤーバーコート法、スライドコート法、グラビアコート法、スプレーコート法等により塗布することができる。
【0030】
これらの塗布を行う前に、塗布すべき熱可塑性樹脂層の表面を公知の方法により活性化処理することが望ましい。活性化処理の方法としては、酸によるエッチング処理、ガスバーナーによる火炎処理、コロナ放電処理、或いはグロー放電処理等が用いられる。本発明の支持体に写真乳剤を塗布して写真印画紙とするためには、写真印画紙製造用に従来利用されている技術を使用することができる。また、そのようにして製造された写真印画紙の現像及び定着などの処理についても、従来利用されている技術を使用することができる。
【0031】
本発明において用いられる原紙は、一般に写真印画紙用支持体に用いられる材料から選ばれる。そのような材料の例としては、針葉樹や広葉樹から得られる天然パルプ、ポリエチレン、ポリプロピレンを繊維状にした合成パルプ或いは天然パルプと合成パルプを混合したもの等を挙げることができる。
原紙中には、一般に製紙で用いられる蛍光増白剤、サイズ剤、紙力増強剤、定着剤、保持剤、填料、帯電防止剤等の内部添加剤及び表面サイズ剤等を適宜含有させることができる。原紙は通常50〜300μmの厚さのものが用いられる。
【0032】
原紙の両面に被覆される熱可塑性樹脂は、一般に写真印画紙用支持体に用いられる材料から選ばれる。例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのα−オレフィンの単独重合体又は共重合体、ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタリンジカルボン酸エステル等の芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの重縮合物、さらにこれらにビスフェノールAや5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の共重合成分を導入した共重合体等、およびこれら各種の重合体の混合物を挙げることができる。
【0033】
熱可塑性樹脂層は1層でも、2層、3層でもよい。また熱可塑性樹脂は、単独でなくとも他の樹脂との混合層としてもかまわない。他の樹脂としては、270〜350℃押出し可能な樹脂であれば広く選ぶことが出来る。ブレンドされる樹脂は1種類であってもよく、2種以上であってもよい。その中でもポリエチレンを使用することが好ましく、分子量分布を持たせたポリエチレンだとさらによい。
【0034】
熱可塑性樹脂層には、顔料が添加されていてもよい。顔料としては二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等の粉末、これらの固溶体等も用いることができる。顔料の粒子径としては0.04〜1μmが通常用いられる。二酸化チタンとしては、アナターゼ型、ルチル型どちらでも良いが、白色度を優先する場合アナターゼ型二酸化チタンを、また鮮鋭度を優先する場合はルチル型二酸化チタンが好ましい。
【0035】
原紙の乳剤塗布面側に被覆する熱可塑性樹脂層厚は5〜100μmが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。この範囲を超えて厚くなると樹脂の脆さが強調されて割れを生じる等、物性上の問題が出てくる。この範囲を下回ると被覆の本来の目的である耐水性が損なわれるほか物性的にも柔らかくなりすぎて好ましくない。
乳剤塗布面側とは反対側に被覆する熱可塑性樹脂層厚も同様である。
【0036】
【実施例】
以下本発明を実施例および比較例によって更に詳述するが本発明はこれによって限定されるものではない。なお、ここで示す%は全不揮発性分中の質量百分率を表す。実施例、および比較例中で用いた澱粉は、MS4600(日食澱粉(株)社製)、PVAはT−HS−1(日本合成化学(株)社製)、ゼラチンはMK−100−008(コニカゼラチン(株)社製)である。
【0037】
〔実施例1〜8〕
坪量175g/m2の原紙の表面に、二酸化チタンを10質量%含有したポリエチレン(d=0.94)樹脂組成物を30g/m2で被覆し、裏面には、表1に示した表面粗さになるようにクーリングロールをかえて、ポリエチレン単独で30g/m2で被覆加工した。その後、この裏面ポリエチレン被覆層にコロナ放電処理を行い、コロイダルシリカ(スノーテックス30:日産化学(株)製)90%、界面活性剤(トリトンX−100:Union Carbide Corporation製)10%の配合のバックコート層の塗液を固形分で0.5g/m2になるようにメタリングバー方式で塗布した。最後に60℃でバックコート層を乾燥し写真印画紙用支持体を作成した。
【0038】
〔比較例1〜6〕
坪量175g/m2の原紙の表面に、二酸化チタンを10質量%含有したポリエチレン(d=0.94)を30g/m2で被覆し、裏面には、表1に示した表面粗さになるようにクーリングロールをかえて、ポリエチレン単独で30g/m2で被覆加工した。その後、この裏面ポリエチレン被覆層にコロナ放電処理を行い、その上にコロイダルシリカ(スノーテックス30:日産化学(株)製)90%、界面活性剤(トリトンX−100:Union Carbide Corporation製)10%の配合のバックコート層を0.5g/m2になるようにメタリングバー方式で塗布した。最後に60℃でバックコート層を乾燥し、写真印画紙用支持体を作成した。
【0039】
それぞれの試料について下記の方法で鉛筆加筆性、滑り性、表面導電性、印字性、バックコート層接着強度を評価した。なお、評価基準は◎非常に良好、○良好、△やや劣る、×劣るの四段階に分けて評価した。それらの評価を表1にまとめて示した。
【0040】
鉛筆加筆性
バックコート層の鉛筆加筆性は、HBの鉛筆で筆記を行いそのときの鉛筆ののり具合により加筆状態を観察した。
【0041】
滑り性
現像処理機内および試料の取り扱いの際における滑り性を官能評価した。評価はトラブルの発生頻度を調べた。
【0042】
表面導電性
表面電気抵抗計を用いて測定した。
【0043】
印字性
プリンターを用いてバックコート層に印字し、手でこすり、消失状態を観察した。
【0044】
バックコート層接着強度
黒い紙に1kg/cm2となるように重りを乗せてバックコート層をこすり、粉の付き具合を目視で判断した。
【0045】
【表1】
【0046】
<評価結果>
比較例1〜5に示すとおり本発明条件で規定する表面粗さRaの数値を1つでも下回る表面形状では顔料の脱離を防ぐことができない。また比較例5、6のように上回る場合は他の物性に悪影響を及ぼしたり、強度が十分に発揮されなかったりする。一方実施例1〜8に示すとおり本発明条件の表面粗さの範囲に表面粗さを含めることによって他の物性に悪影響を及ぼすことなくバックコート層強度は改善される。実施例3〜6の用に請求項2の規定範囲ではさらにバックコート層強度が強くなる。
また、実施例1〜8に示すように、完成した熱可塑性樹脂の裏面形状を請求項3の様に規定することによっても適切な品質の写真印画紙用支持体を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係る親水性接着層を設けてを製造された写真印画紙用支持体は、バックコート層の品質を維持したまま顔料の脱離を十分に防ぎ、製造およびその後の工程を非常にスムーズなものにすることができる。
Claims (3)
- 原紙の両面を熱可塑性樹脂で被覆してなる耐水性写真印画紙用支持体において、写真乳剤が塗布される側の反対側の熱可塑性樹脂の表面のJIS B 0601で規定する表面粗さRaが、カットオフ値800μmのとき0.50〜3.00μm、カットオフ値25μmのとき0.17〜0.50μm、かつ、カットオフ値8μmのとき0.03〜0.10μmである形状を有することを特徴とする写真印画紙用支持体。
- 更に、写真乳剤が塗布される側の反対側の熱可塑性樹脂の表面のJIS B 0601で規定する表面粗さRaが、カットオフ値800μmのとき0.50〜1.50μm、カットオフ値25μmのとき0.25〜0.50μm、かつ、カットオフ値8μmのとき0.05〜0.10μmであることを特徴とする請求項1記載の写真印画紙用支持体。
- 写真乳剤が塗布される側の反対側の熱可塑性樹脂の表面にコロイダルシリカを主成分とするバックコート層が設けられた写真印画紙用支持体であって、該バックコート層のJIS B 0601で規定する表面粗さRaがカットオフ値800μmのとき0.35〜2.40μm 、カットオフ値25μmのとき0.16〜0.45μm、かつ、カットオフ値8μmのとき0.02〜0.10μmであることを特徴とする請求項1または2記載の写真印画紙用支持体。
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