JP4111633B2 - 電気ポット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば水道水等の内容液に含まれる薬剤(例えばカルキ)が発する臭いや味を除去することのできる電気ポットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述の電気ポットは、例えばポット本体に貯液した内容液をヒータにより所定温度に加熱すると、湯沸サーモスイッチが開成され、ヒータによる加熱が中止される機能を備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の湯沸サーモスイッチは、確実に開成する温度(例えば約95℃〜約97℃)に予め設定しているので、内容液が沸騰されず、内容液に含まれる薬剤(例えばカルキ)を完全に除去することができない。
【0004】
そこで、湯沸サーモスイッチの他に、内容液が沸騰したときに開成する沸騰サーモスイッチを設けることで、沸騰サーモスイッチが作動するまで、内容液を加熱することができるが、その沸騰サーモスイッチを閉成するための操作手段を設けなければならない。
【0005】
また、沸騰時に発生する蒸気が手に接触するのを防止するため、蓋部の後部側に設けた蒸気通路を介して大気側に排気するが、ポット本体の前部側に設けた操作部と、後部側に設けた沸騰サーモスイッチとの間を伝達部材(例えばレバー、アーム)で連結しなければならず、内部構造が複雑となるだけでなく、部品数が多くなるため、組付け作業に手間及び時間が掛かる。且つ、伝達部材に撓みや変形が生じやすく、沸騰サーモスイッチを確実に閉成することが困難であるという問題点を有している。
【0006】
他の方法として、例えばマイコン等の制御手段により温度制御する方法があるが、上述のサーモスイッチよりも回路構成が複雑であり、高価であるため、製作コストが高くなるという問題点を有している。
【0007】
この発明は上記問題に鑑み、口部と蓋部との嵌合面に露出した対の熱伝導体又は熱伝導体と沸騰サーモスイッチとを対接して、蒸気及び雰囲気の熱を沸騰サーモスイッチに伝搬することにより、沸騰温度に達したとき加熱が即中止され、過沸騰を防止することができる。且つ、構造及び回路が簡単であり、製造コストの低減を図ることができる電気ポットの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ポット本体に貯液した内容液が沸騰したとき、該ポット本体に内蔵した沸騰サーモスイッチを開成してヒータによる加熱を中止する電気ポットであって、上記ポット本体の口部に対して嵌合可能に設けられ、該口部の後側縁部に対して上下開閉自在に枢着された蓋部に、該ポット本体の内部と外部とを連通する蒸気通路を形成し、上記蓋部の前側嵌合面に、該蓋部の前側嵌合面と上記蒸気通路内とに熱伝導体を露出して設け、上記熱伝導体と対向する口部の前側嵌合面に、上記口部に対して蓋部を嵌合した際に上記熱伝導体に対接される沸騰サーモスイッチを露出して設け、上記口部の前側上面部に、上記沸騰サーモスイッチが閉成される方向に対して可撓可能に形成された操作部を設けた電気ポットであることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、ポット本体に貯液した内容液が沸騰したとき、該ポット本体に内蔵した沸騰サーモスイッチを開成してヒータによる加熱を中止する電気ポットであって、上記ポット本体の口部に対して嵌合可能に設けられ、該口部の後側縁部に対して上下開閉自在に枢着された蓋部に、該ポット本体の内部と外部とを連通する蒸気通路を形成し、上記口部と蓋部との前側嵌合面に、上記口部に対して蓋部を嵌合した際に互いに対接される対の熱伝導体を露出して設け、上記蓋部側の熱伝導体を、上記蒸気通路内に対して露出した状態に設け、上記口部側の熱伝導体を、該口部に内蔵した沸騰サーモスイッチに連設し、上記口部の前側上面部に、上記沸騰サーモスイッチが閉成される方向に対して可撓可能に形成された操作部を設けた電気ポットであることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の構成と併せて、上記熱伝導体の対接面を、互いに面待遇で対接される平面形状に形成した電気ポットであることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、上記請求項2記載の構成と併せて、上記熱伝導体の対接面を、互いに合致する凹状面と凸状面とに形成した電気ポットであることを特徴とする。
【0012】
【作用】
請求項1記載の電気ポットは、口部と蓋部とを嵌合して、相互の前側嵌合面に露出した熱伝導体と沸騰サーモスイッチとを直接対接することで、蒸気通路内に導入される蒸気と、その蒸気で加熱された雰囲気との熱が、熱伝導体から沸騰サーモスイッチに直接伝搬され、沸騰サーモスイッチが即開成して、ヒータによる加熱を中止するので、沸騰した内容液が得られる。口部の前側上面部に設けられた操作部を操作(例えば指で押圧)して沸騰サーモスイッチを閉成し、その閉成に基づいてヒータで内容液を加熱沸騰させ、内容液に含まれる薬剤(例えばカルキ)を熱処理する。
【0013】
請求項2記載の電気ポットは、口部と蓋部とを嵌合して、相互の前側嵌合面に露出した対の熱伝導体を対接することで、蒸気通路内に導入される蒸気と、その蒸気で加熱された雰囲気との熱が、対の熱伝導体を介して沸騰サーモスイッチに伝搬され、沸騰サーモスイッチが開成して、ヒータによる加熱を中止するので、沸騰した内容液が得られる。口部の前側上面部に設けられた操作部を操作(例えば指で押圧)して沸騰サーモスイッチを閉成し、その閉成に基づいてヒータで内容液を加熱沸騰させ、内容液に含まれる薬剤(例えばカルキ)を熱処理する。
【0014】
請求項3記載の電気ポットは、上記請求項2記載の作用と併せて、熱伝導体を面待遇で対接することで、蒸気通路内に導入される蒸気及び雰囲気の熱が、沸騰サーモスイッチに対して効率よく伝搬される。
【0015】
請求項4記載の電気ポットは、上記請求項2記載の作用と併せて、熱伝導体の凹状面と凸状面とを互いに合致することで、面待遇で対接するよりも接触面積が大きく、熱伝導効率が良い。
【0016】
【発明の効果】
この発明によれば、口部と蓋部との前側嵌合面に露出した対の熱伝導体を対接したり、熱伝導体と沸騰サーモスイッチとを直接対接したりして、蒸気及び雰囲気の熱を沸騰サーモスイッチに伝搬するので、蒸気通路内の蒸気を含む雰囲気が外部に漏洩するのを防止することができる。且つ、熱損失が少なく、雰囲気の熱が効率よく伝搬されるため、沸騰温度に達したとき、ヒータによる加熱が即中止され、過沸騰を防止することができる。
【0017】
しかも、熱伝導体と沸騰サーモスイッチとを直接対接して熱伝導するので、熱損失が少なく、伝搬時間が短くなるため、沸騰温度に達すると略同時に、ヒータによる加熱が即中止され、過沸騰を防止することができる。
【0018】
さらに、操作部を操作して、沸騰サーモスイッチを直接的に開成するので、任意時に於いて内容液を確実に熱処理することができ、内部構造が簡素化され、部品数が少なくなるため、組付け作業が簡単且つ容易に行え、作業性が向上する。且つ、従来例のような制御手段よりも安価なサーモスイッチを用いるので、回路構成が簡単となり、製造コストの低減を図ることができる。
【0019】
さらにまた、対の熱伝導体を面待遇で対接するので、蒸気及び雰囲気の熱が熱伝導体の対接面全体により伝導され、沸騰サーモスイッチに対して効率よく伝搬することができる。
【0020】
さらにまた、熱伝導体の凹状面と凸状面とを合致することで、相互の対接位置及び対接面積が変位するのを防止することができ、熱伝導が安定して行える。且つ、面待遇で対接するよりも接触面積が大きく、沸騰サーモスイッチに対して雰囲気の熱を効率よく伝搬することができる。
【0021】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は沸騰型の電気ポットを示し、図1、図2、図3に於いて、電気ポット1は、ポット本体2の内部に、上面が開口された内容器3を収容し、ポット本体2及び内容器3の開口側周縁部に口部4を嵌着固定し、口部4の上面側開口部に、蓋部5を開閉可能に取付けている。
【0022】
内容器3の底部側外周面には、主ヒータ6aと沸騰ヒータ6bとを備えたヒータ6を装着しており、ヒータ6は、内容器3に貯液した内容液A(例えば水道水)を加熱沸騰させる。その沸騰した内容液Aは、後述するエアポンプ19のポンプ動作により、内容器3の底部に接続した連通管7を介して、口部4の前側下面に設けた注出口8から注出される。
【0023】
上述の口部4は、後側縁部に形成した枢着部9に、蓋部5の後端側を支軸10により上下開閉可能に枢着し、前側縁部に形成した係止部11には、蓋部5の前端側に枢着したロックレバー12を係止して、蓋部5を、口部4の上面側開口部に対して嵌合した状態(閉塞状態)に固定する。
【0024】
蓋部5の下面側に固定した内蓋13は、内容器3の内周縁部と略対応する大きさ及び形状に形成され、内蓋13の外周縁部に嵌着した合成ゴム製のシールリング14は、内容器3の内周縁部に対して気密状態に圧接される。
【0025】
蓋部5と内蓋13との対向面間に形成した蒸気通路15は、内容器3内に放出された蒸気Sを、後部側(枢着部9)に向けて誘導する後部通路15aと、前部側(注出口8)に向けて誘導する前部通路15bとで構成され、後部通路15aは、蓋部5の後側上面部に形成した排気孔17と連通している。
【0026】
蒸気通路15の略中央部に形成した開口部15cは、内蓋13の略中央部に形成した孔部13a…と連通され、開口部15cの下面側には、球体16を対向して保持し、上面側には、後述する弁体21を対向して配設している。
【0027】
前述の蓋部5に内蔵したベローズ式のエアポンプ19は、周知の構成を有しているので、詳細な説明を省略する。蓋部5の上面側中央部に挿入した操作部20を押下して、ポンプ本体19aの下端側中央部に取付けた合成ゴム製の弁体21を、開口部15cの上面側周縁部に対して気密状態に圧接し、ポンプ本体19aの圧縮動作により供給されるエアの圧力で内容液Aを注出する。
【0028】
一方、操作部20の押下を解除して、ポンプ本体19aを圧縮前の状態に復元させ、その圧縮及び復元の繰り返しにより、内容液Aを任意量注出する。一方、開口部15cを開放すると、内容器3内の蒸気Sが後部通路15aと、前部通路15bとに導入される。
【0029】
注出口8の注出側に保持した略球状の弁体22は、例えばポット本体2が前方に揺動又は傾動したとき、通路を閉塞する。その弁体22よりも奥の方に保持した略円錐形状の弁体23は、例えばポット本体2が横転したとき、内容液Aの圧力で通路を閉塞するので、内容液Aの漏洩を確実に防止することができる。
【0030】
前述の口部4及び蓋部5には、図4にも示すように、口部4の前側嵌合面に形成した取付け孔4aに、後述する熱伝導体27と対向して熱伝導体24を露出した状態に固定しており、取付け孔4aと熱伝導体24との対向面は、耐熱性を有する合成ゴム製のシールリング25で気密状態を保持している。
【0031】
熱伝導体24の露出側上端部は、口部4の前側嵌合面と略同一となる高さに露出され、略平坦となる平面形状に形成している。且つ、熱伝導体24の下端部は、口部4の前側内部に取付けた略板状を有する熱伝導部材26の一端側上面に固定され、その熱伝導部材26の他端側上面には、後述する沸騰サーモスイッチ31を固定している。
【0032】
一方、蓋部5の前側嵌合面に形成した取付け孔5aには、上述の熱伝導体27を露出した状態に固定しており、取付け孔5aと熱伝導体27との対向面は、耐熱性を有する合成ゴム製のシールリング28で気密状態を保持し、そのシールリング28は、口部4と蓋部5とを嵌合したとき、取付け孔4aの上面側周縁部に対して気密状態に圧接される。
【0033】
熱伝導体27は、シールリング28と、後述する熱伝導部材29との弾性により熱伝導体24に圧接され、熱伝導体27の下端部は、取付け孔5aよりも下方に突出した状態に露出され、上述の熱伝導体24に対して面待遇で対接される平面形状に形成している。且つ、熱伝導体27の上端部は、前部通路15b内に突出され、該通路内の雰囲気と接触する状態に露出している。
【0034】
熱伝導体27の中間部は、前部通路15b内に固定した弾性を有する板状の熱伝導部材29の遊端側下面に固定され、熱伝導体27を、取付け孔5aよりも下方に突出し、上述の熱伝導体24と対接する状態に支持(又は付勢)している。
【0035】
なお、熱伝導体24,27及び熱伝導部材26,29は、熱伝導率の高い金属(例えばアルミニウム、銅又はその他の材質)で形成している。また、前部通路15b内に露出した熱伝導体27の端部外面に、例えば突起、羽根、孔等を複数形成してもよく、表面積が大きくなるため雰囲気の熱が効率よく伝導される。
【0036】
さらにまた、熱伝導体24を、口部4の嵌合面よりも上方に突出した状態に露出し、熱伝導体27を、蓋部5の嵌合面と略同一となる高さに露出してもよい。
【0037】
口部4の前側上面部に形成した操作部30は、沸騰サーモスイッチ31のスイッチ部31aを押下する方向及び角度に対して可撓可能に形成され、その操作部30と、その近傍に配列した沸騰ランプL1及び保温ランプL2の上面全体を、透明又は半透明に形成した軟質樹脂製の保護シート30aで被覆している。
【0038】
図5は、ヒータ6の制御回路を示し、ヒータ6は、内容液Aを沸騰又は湯沸するための主ヒータ6aと、内容液Aを保温するための保温ヒータ6bとで構成され、ヒータ6a,6bは並列に接続され、主ヒータ6aは、沸騰サーモスイッチ31(手動復帰型)と、湯沸サーモスイッチ32とに並列して接続され、サーモスイッチ31,32は、ヒータ6の温度過昇を防止するための温過防止サーモスイッチ33を介して電源ライン34,35に接続している。
【0039】
保温ヒータ6bは、サーモスイッチ32とサーモスイッチ33との中間に接続され、サーモスイッチ33を介して電源ライン34,35に接続している。
【0040】
また、沸騰ランプL1と保温ランプL2とは直列して電源ライン34,35に接続され、そのランプL1,L2の中間と、主ヒータ6aとサーモスイッチ31,32との中間とを接続している。なお、回路中R1,R2は抵抗であり、36はヒューズである。
【0041】
沸騰サーモスイッチ31は、開成時の作動温度を、内容液Aが蒸発気化する温度(例えば約100℃)に設定している。一方、湯沸サーモスイッチ32は、内容器3の底部側下面に装着され、開成時の作動温度を、沸騰温度(約100℃)よりも低い温度(例えば約95℃前後)に設定している。なお、サーモスイッチ31,32の作動温度を、上述の温度以下又は以上に設定してもよい。
【0042】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、電気ポット1に貯液された内容液Aを沸騰するときの操作方法を説明する。
先ず、内容液Aを常温から沸騰させる場合、図1、図2に示すように、口部4と蓋部5とを嵌合して、熱伝導体24,27を面待遇で対接した状態にロックレバー12で固定する。電源ライン34,35を外部電源に接続すると、サーモスイッチ32,33は閉成されているので、主ヒータ6a及び保温ヒータ6bが通電され、内容液Aが加熱沸騰される。なお、湯沸中は、湯沸ランプL1が点灯し、保温ランプL2は消灯状態に維持される。
【0043】
内容液Aが所定の温度(例えば約95℃前後)に上昇すると、湯沸サーモスイッチ32が開成(例えば湯沸温度に達したときから約30秒〜約60秒で作動)され、主ヒータ6aの通電を遮断するので、加熱が中止される。同時に、保温ランプL2が点灯し、湯沸ランプL1が消灯する。
【0044】
次に、内容液Aに含まれる薬剤(例えばカルキ)を熱処理(例えば分解)する場合、図4に示すように、操作部30を指で押圧して、沸騰サーモスイッチ31のスイッチ部31aを手動によりON操作して閉成状態に復帰させるので、主ヒータ6aに通電され、内容液Aが加熱沸騰される。
【0045】
沸騰サーモスイッチ31が作動するまで、内容液Aを、所定の温度(例えば約100℃)に加熱沸騰するので、内容液Aに含まれる薬剤(例えばカルキ)が熱処理され、薬剤が発する特有の臭いや味が除去される。
【0046】
沸騰時に於いて、蒸発気化した蒸気Sは、内蓋13の孔部13a…と、蒸気通路15の開口部15cとを介して通路15a,15bに分流され、後部通路15aに導入される蒸気Sは、排気孔17を介して大気側に排気される。
【0047】
一方、前部通路15bに導入される蒸気Sと、その蒸気Sで加熱された雰囲気との熱で、通路内に露出した熱伝導体27を加熱し、その熱を、熱伝導体24,27と、熱伝導部材26とを介して、沸騰サーモスイッチ31に伝導又は伝搬するので、沸騰サーモスイッチ31に対する熱伝搬時間が湯沸サーモスイッチ32よりも遅く、沸騰サーモスイッチ31は、沸騰維持時間(例えば約120秒)を経て作動する。
【0048】
沸騰サーモスイッチ31に伝搬される蒸気Sの温度が、所定の温度(例えば約100℃)になると、沸騰サーモスイッチ31が開成され、主ヒータ6aの通電を遮断するので、加熱沸騰が中止される。
【0049】
以上のように、電気ポット1を構成する口部4と蓋部5との嵌合面に露出した熱伝導体24,27を対接して、蒸気通路15内に導入される蒸気Sを含む雰囲気の熱を沸騰サーモスイッチ31に伝搬するので、蒸気通路15内の雰囲気が外部に漏洩するのを防止することができる。
【0050】
且つ、熱伝導体24,27と沸騰サーモスイッチ31とを近接しているので、相互の距離及び熱伝導部材26が短く、熱損失が少ないため、雰囲気の熱が効率よく伝搬されると共に、沸騰温度に達すると、ヒータ6による加熱が即中止されるので、過沸騰を防止することができる。
【0051】
しかも、操作部30を指で押圧操作して、沸騰サーモスイッチ31を直接的に開成するので、任意時に於いて内容液Aを確実に熱処理することができ、内部構造が簡素化され、部品数が少なくなるため、組付け作業が簡単且つ容易に行え、作業性が向上する。且つ、従来例のような制御手段よりも安価なサーモスイッチ31,32,33を使用するので、回路構成が簡単となり、製造コストの低減を図ることができる。
【0052】
さらに、熱伝導体24,27を面待遇で対接するので、蒸気S及び雰囲気の熱が熱伝導体24,27の対接面全体を介して、沸騰サーモスイッチ31に対して効率よく伝搬することができる。
【0053】
図6は、凸状に形成した熱伝導体24の圧接面24aと、凹状に形成した熱伝導体27の圧接面27aとを合致する他の実施例を示し、熱伝導体24,27の対接位置及び対接面積が変位するのを防止することができ、熱伝導が安定して行える。且つ、平面的に対接するよりも接触面積が大きく、熱損失が少ないため、沸騰サーモスイッチ31に対して雰囲気の熱を効率よく伝搬することができる。
【0054】
図7は、口部4の前側嵌合周面に露出した熱伝導体24に、蓋部5の前側嵌合周面に突出した熱伝導体27を対接するその他の実施例を示し、相互の対接面に水滴が残留しにくく、熱伝導に適した状態に保持されるので、上述の実施例と略同等の作用効果を奏することができる。なお、熱伝導体27は、前部通路15bに圧入した抜止め部材37で抜止め固定し、シールリング28の弾性により熱伝導体24に対接される方向に付勢している。
【0055】
図8は、口部4の前側嵌合面に突出した熱伝導体24を、蓋部5の前側嵌合面の一部を構成する熱伝導体38に対接するその他の実施例を示し、熱伝導体38は、前部通路15bを閉塞する部材の下面側に対して気密状態に固定され、その内面側は、前部通路15b内の雰囲気と接触する状態に露出している。また、前部通路15bを閉塞する部材全体を、熱伝導性を有する材質で構成してもよい。
【0056】
前部通路15bの雰囲気の熱を、熱伝導体24,38及び熱伝導部材26とを介して沸騰サーモスイッチ31に伝搬するので、上述の実施例と略同等の作用効果を奏することができる。
【0057】
なお、上述の熱伝導体27(又は熱伝導体24)を、例えばコイルスプリング、合成ゴム等の弾性体により他方の伝導体に対接される方向に付勢してもよい。
【0058】
図9は、口部4の前側嵌合面に露出した沸騰サーモスイッチ31に、蓋部5の前側嵌合面に突出した熱伝導体27を直接対接するその他の実施例を示し、前部通路15b内に導入した雰囲気の熱を、熱伝導体27から沸騰サーモスイッチ31に直接伝導するので、熱損失が少なく、伝導及び伝搬の効率が向上する。沸騰温度に達すると略同時に、ヒータ6による加熱が即中止されるので、上述の実施例と略同等又は以上の作用効果を奏することができる。
【0059】
内容液Aを熱処理する場合、操作部30の下面側に形成したカム部30bにより、口部4の前側内部に枢着した操作レバー39を介して、沸騰サーモスイッチ31のスイッチ部31aをON操作する。
【0060】
また、図10に示すその他の実施例のように、口部4の前側嵌合周面に露出した沸騰サーモスイッチ31に、蓋部5の前側嵌合周面に突出した熱伝導体27を直接対接してもよく、上述の実施例と略同等の作用効果を奏することができる。なお、沸騰サーモスイッチ31のスイッチ部31aは、操作部30に形成したカム部30bで直接押圧してON操作する。
【0061】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のヒータは、実施例のヒータ6及び主ヒータ6aと、保温ヒータ6bとに対応し、
熱伝導体は、熱伝導体24,27,38に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0062】
上述の沸騰サーモスイッチ31に対する熱伝搬時間を、例えば蒸気通路15の通路断面積を変更したり、熱伝導体24,27及び熱伝導部材26,29の大きさ、厚み、長さ、材質を変更する等して最適な時間に可変設定してもよい。
【0063】
また、熱伝導体24,27を、上述の熱伝導部材26,29の端部を凸状にプレス加工して形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電気ポットの内部構造を示す縦断側面図。
【図2】 口部及び蓋部の注出構造を示す縦断側面図。
【図3】 沸騰サーモスイッチの配置状態を示す平面図。
【図4】 熱伝導体の対接状態を示す縦断側面図。
【図5】 電気ポットの回路図。
【図6】 熱伝導体を対接する他の実施例を示す縦断側面図。
【図7】 熱伝導体を対接するその他の実施例を示す縦断側面図。
【図8】 熱伝導体を対接するその他の実施例を示す縦断側面図。
【図9】 熱伝導体と沸騰サーモスイッチとを略垂直に対接するその他の実施例を示す縦断側面図。
【図10】 熱伝導体と沸騰サーモスイッチとを略水平に対接するその他の実施例を示す縦断側面図。
【符号の説明】
A…内容液
S…蒸気
1…電気ポット
2…ポット本体
4…口部
5…蓋部
6…ヒータ
15…蒸気通路
24,27,38…熱伝導体
30…操作部
31…沸騰サーモスイッチ
Claims (4)
- ポット本体に貯液した内容液が沸騰したとき、該ポット本体に内蔵した沸騰サーモスイッチを開成してヒータによる加熱を中止する電気ポットであって、
上記ポット本体の口部に対して嵌合可能に設けられ、該口部の後側縁部に対して上下開閉自在に枢着された蓋部に、該ポット本体の内部と外部とを連通する蒸気通路を形成し、
上記蓋部の前側嵌合面に、該蓋部の前側嵌合面と上記蒸気通路内とに熱伝導体を露出して設け、
上記熱伝導体と対向する口部の前側嵌合面に、上記口部に対して蓋部を嵌合した際に上記熱伝導体に対接される沸騰サーモスイッチを露出して設け、
上記口部の前側上面部に、上記沸騰サーモスイッチが閉成される方向に対して可撓可能に形成された操作部を設けたことを特徴とする
電気ポット。 - ポット本体に貯液した内容液が沸騰したとき、該ポット本体に内蔵した沸騰サーモスイッチを開成してヒータによる加熱を中止する電気ポットであって、
上記ポット本体の口部に対して嵌合可能に設けられ、該口部の後側縁部に対して上下開閉自在に枢着された蓋部に、該ポット本体の内部と外部とを連通する蒸気通路を形成し、
上記口部と蓋部との前側嵌合面に、上記口部に対して蓋部を嵌合した際に互いに対接される対の熱伝導体を露出して設け、
上記蓋部側の熱伝導体を、上記蒸気通路内に対して露出した状態に設け、
上記口部側の熱伝導体を、該口部に内蔵した沸騰サーモスイッチに連設し、
上記口部の前側上面部に、上記沸騰サーモスイッチが閉成される方向に対して可撓可能に形成された操作部を設けたことを特徴とする
電気ポット。 - 上記熱伝導体の対接面を、互いに面待遇で対接される平面形状に形成した
請求項2記載の電気ポット。 - 上記熱伝導体の対接面を、互いに合致する凹状面と凸状面とに形成した
請求項2記載の電気ポット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19262099A JP4111633B2 (ja) | 1999-07-07 | 1999-07-07 | 電気ポット |
Publications (2)
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