JP4111479B2 - ウェーハ回転保持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転円板の回転時の遠心力によって回転円板の上面の媒体を外方に排出することによって発生する減圧状態を利用してウェーハ背面側に接触することなくウェーハを支持することができるようにしたウェーハ支持装置に関する。
【0002】
【関連技術】
近年、半導体製造工程において、スピンエッチング、スピン乾燥、スピンコーティング等のようにウェーハを回転させつつ各種の処理を行う工程が増加してきている。具体的な装置としては、スピンエッチング装置、スピン乾燥装置、スピンコーティング装置等が知られている。従来のこれらの装置においては、真空源を使用した吸着ベースにウェーハを吸着固定するか、空気源からの加圧空気又はガスにより吸着ベース部で真空力を発生させ、ウェーハを固定する方法が採用されている。
【0003】
しかし、従来のこれらの装置は、真空源装置、加圧空気供給装置やガス供給装置等を別途具備する必要があるのでそれだけコストがかかり、また減圧や加圧の度合を調整するのが困難なため、圧の影響を受け易い薄いウェーハ(例えば、厚さ0.1mm以下)を固定する場合には圧の影響によってウェーハが変形(例えば、下方に垂れ下がる)してしまう等の不都合があった。
【0004】
また、厚さ100μm程度またはそれ以下の薄いウェーハは自然にソリが発生している場合が多く、このソリのあるウェーハを上記した従来の装置によってそのまま吸着固定しようとしてもソリのために吸着がうまくいかなかった。そのため、ソリのあるウェーハの場合にはソリを修正した後にウェーハを吸着固定させていたためにソリを修正するという手間が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みなされたもので、真空源装置、加圧空気供給装置やガス供給装置等を必要とすることなく、簡易な機構によって回転円板上面に減圧状態を出現せしめ、ウェーハの背面側に接触することなくウェーハの回転保持を行うことができ、かつ減圧の度合を簡単に調整でき、薄いウェーハ(厚さ0.1mm以下)であっても変形することなく回転保持することができ、かつウェーハのソリを修正することなくそのまま回転保持することができウェーハ回転保持装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のウェーハ回転保持装置は、上面に羽根板を放射線状に設けることによって媒体流路を形成した回転円板と、該回転円板の中心部に穿設された貫通孔と、該回転円板の上面に設けられた複数個のウェーハ受け部とを有し、該ウェーハ受け部を介してウェーハを該回転円板の上方に間隔を介在させて載置し、該回転円板を回転させると、該媒体流路内の媒体が、回転による遠心力によって外方に排出され、これによって該媒体流路内に減圧状態を出現せしめ、この減圧状態の吸引力によって、該回転円板の下面側から該貫通孔を介して吸引された媒体が該回転円板の上面に供給され、該媒体はさらに該媒体流路内を通って連続的に外方に排出され、このようにして該回転円板が回転している限り該媒体流路内に減圧状態を出現せしめ、この減圧状態の吸引力によって該ウェーハを下方に吸引し該ウェーハの外周部を該ウェーハ受け部によって回転保持するようにしたことを特徴とする。
【0007】
なお、厚さ100μm程度またはそれ以下の薄いウェーハに自然にソリが発生している場合であっても、本発明のウェーハ回転保持装置にそのまま載置して回転保持すると回転による遠心力によってウェーハのソリが解消し何の支障もなく回転保持することができる利点がある。
【0008】
本発明のウェーハ回転保持装置が、上記回転円板の下面側から上記貫通孔に媒体を強制供給する媒体強制供給手段をさらに有し、上記減圧状態を維持しつつ該回転円板の下面側から該貫通孔に媒体を強制供給するのが好適である。このような構成とすることによって、ウェーハ上面を処理するためにウェーハ上面側に供給される薬液がウェーハ下面側に回り込むこのを防止することができる利点がある。
【0009】
上記回転円板の上面に設けられた放射状の羽根板によって上記媒体流路を形成し、該回転円板の上面と相対向する羽根板とウェーハの下面との間に形成するのが好適である。
【0010】
上記貫通孔に連通する中空部を軸方向に穿設した回転シャフトを上記回転円板の下面中央部に垂設し、該回転シャフト及び該回転円板を回転させると該回転シャフトの中空部の下端開口部から吸引された媒体が該中空部及び貫通孔を通って該回転円板の上面に供給されるようにすることも可能である。
【0011】
上記回転シャフトの適宜位置に取りつけられ上記中空部の開口度合を調整することによって上記媒体流路の減圧状態を調整するようにした減圧調整手段をさらに設ける構成とすれば、ウェーハ厚さに応じた減圧状態を自在に設定できるので吸引力が強すぎてウェーハが変形する等の事故は皆無となる。
【0012】
上記ウェーハ受け部はウェーハ下面を受ける下側ガイドピンとウェーハ外側面を受ける外側ガイドピンとによって構成することができる。また、上記ウェーハ受け部は回転円板の上面であれば受け作用に支障のない限りどこに設置してもよいが、羽根板の上面に設ければ、回転円板の上面スペースを有効利用できる利点がある。
【0013】
上記回転円板の中心部に穿設された貫通孔の上方に邪魔板を設け、該貫通孔を介して該回転円盤の上面に供給される媒体を該邪魔板によて羽根板方向に誘導する構成とすれば、媒体中に不純物等が混入した場合でも媒体がウェーハの下面に直接吹き付けられることはないので不純物等によって汚染されるという事故の防止や操業中にウェーハが割れた場合の媒体の上方への吹き出しを防止することができるという有利さがある。
【0014】
上記回転円板の上面にオリエンテーションフラット(オリフラ)部を受けるオリフラ受け部又はノッチ部を受けるノッチ受け部を設けておけば、ウェーハは回転円板上面に係止されているので、両者は常に一緒に回転することとなる。したがって、例えウェーハの回転保持中にウェーハ上面に薬液等が注加されウェーハに対して回転方向の反対方向への力が加わったとしてもウェーハは常に回転円板とともに回転し、両者の間に回転のズレが生ずることはなく、後述する両者の回転のズレによる問題は発生しないという利点がある。
【0015】
上記媒体としては、気体及び/又は液体、即ち気体単独、例えば空気や、液体単独、例えば純水、薬液等の他に両者を混合して用いることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、本発明の技術思想から逸脱しない限り図示例以外にも種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0017】
図1は本発明のウェーハ回転保持装置の一つの実施の形態を示す斜視的説明図、図2は図1のウェーハ回転保持装置にウェーハを回転保持させた状態を示す斜視的説明図、図3は羽根板の他の例を示す上面図及び図4は羽根板の別の例を示す上面図である。
【0018】
図中、10は本発明に係るウェーハ回転保持装置で、回転円板12を有している。該回転円板12の中心部には貫通孔14が穿設されている。該回転円板12の上面には、複数枚(図示例では16枚)の羽根板16が所定間隔をおいて放射状に立設されている。
【0019】
該複数枚の羽根板16の上面外端部にはウェーハWの外周部を受けるウェーハ受け部18が設けられている。このウェーハ受け部18の形状はウェーハWの外周部を受けることができれば特別の限定はないが、図示例では受け段部とされている。このウェーハ受け部18は必ずしも羽根板16に設ける必要性はなく、支障がない限り、該回転円板12の上面に直接設けることも可能である。また、このウェーハ受け部18の設置個数は、ウェーハWが回転状態でも回転保持できる個数、例えば3個以上であればよいが、図示例では4個のウェーハ受け部18を対称位置に設けた場合を示した。
【0020】
20は該回転円板12の下面中央部に垂設された回転シャフトで、その内部には上記貫通孔14に連通する中空部22が軸方向に穿設されている。該中空部22は該回転シャフト20の下端で開口し、下端開口部24となっている。
【0021】
該回転シャフト20の下端部には、減圧調整手段26、図示例では減圧調整バルブが取りつけられている。該減圧調整手段26は、該回転シャフト20の中空部22の開口度合を調整することによって該中空部22内を流れる空気量を制御することができる。図示例では、この減圧調整手段26を回転シャフト20の下端部に設けた場合を示したが、中空部22の開口度合を調整できればよいもので、必ずしも下端部に設ける必要はなく、中間部や上部など適宜位置に設置することができる。
【0022】
28は該回転シャフト20の下部に設けられたプーリで、モータ30のモータプーリ32にプーリベルト34を介して接続されている。該モータ30を駆動するとモータプーリ32が回転し、その回転はプーリベルト34を介してプーリ28に伝達され、該回転シャフト20が回転するように構成されている。
【0023】
上述した構成により、その作用を説明する。本発明のウェーハ回転保持装置10においては、媒体としては、例えば空気等の気体や純水、薬液等の液体の他に両者を混合したものも用いられるが、空気を媒体とした場合を例として説明する。
【0024】
まず、図2に示したように、ウェーハ受け部18を介してウェーハWを回転円板12の上面の上方に、即ち間隔を介在させて、具体的には羽根板16の上面の上方に間隔を介在させて配置する。さらに、減圧調整手段26によって回転シャフト20の中空部22の開口度合を該ウェーハWの厚さに対応して最適の減圧状態となるように調整する。なお、該中空部22の開口を広げれば減圧の度合が小となり、その開口を狭めれば減圧の度合が大となる。
【0025】
この減圧状態の調整は、上記した中空部22の開口度合の他に、回転円板12の回転速度の調整によって行うことができる。回転円板12の回転を早くすれば減圧度合は大となり、その回転を遅くすれば減圧度合は小となる。
【0026】
さらに、必要に応じて、回転円板12の上面への媒体、例えば空気の供給を不図示の媒体(空気)補給手段によって行い、その補給媒体(空気)量を増減することによって減圧度合を調整することができる。補給媒体(空気)量が大となれば減圧度合は小となり、補給媒体(空気)量が小となれば減圧度合は大となる。
【0027】
この状態で、モータ30を駆動すると、モータプーリ32、プーリベルト34及びプーリ28を介してモータ30の回転が回転シャフト20に伝達され、該回転シャフト20に連結された回転円板12が回転する。この回転円板12が回転すると、回転による遠心力によって、回転円板12上面の媒体(空気)が外方に排出され、すなわち回転円板12の上面と一対の相対向する羽根板16,16とウェーハWの下面との間に形成された複数の媒体(空気)流路36を介して該回転円板12上の媒体(空気)Aが外方に排出される。
【0028】
この媒体(空気)Aの外方への排出によって該媒体(空気)流路36内は減圧状態となる。この減圧状態の吸引力によって該回転シャフト20の中空部22の下端開口部24から吸気された媒体(空気)Aが該中空部22及び貫通孔14を通って該回転円板12の上面に供給され、引き続いて該媒体(空気)流路36内を通って外方に連続的に排気され、該媒体(空気)流路36内は引き続いて減圧状態を維持する。
【0029】
該回転円板12が回転を続ける限り、該媒体(空気)流路36内は減圧状態となっている。この媒体(空気)流路36の減圧状態の吸引力によって該ウェーハWはその外周部がウェーハ受け部18に固定回転保持される。この時、該ウェーハWの背面は羽根板16の上面の上方に位置しており、該羽根板16の上面に接触することはない。
【0030】
この減圧状態による吸引力が強すぎると、薄いウェーハW(例えば、厚さ0.1mm以下)の場合には中央部分が垂れ下がるという不都合が生じる場合がある。しかし、本発明においては、減圧調整手段26によって回転シャフト20の中空部22の開口度合を自在に制御できるので、薄いウェーハWの場合には中空部22の開口を広げて減圧の度合を小さくして吸引力を弱くしウェーハが垂れ下がらずかつウェーハ受け部18には回転保持固定されるようにすることができる。
【0031】
なお、厚さ100μm程度又はそれ以下の薄いウェーハに自然にソリが発生している場合が多いが、そのような場合であっても本発明のウェーハ回転保持装置にソリの発生した状態のまま載置して回転保持すると回転による遠心力によってウェーハのソリが解消して何の支障もなく回転保持することができるので、従来のように回転保持前にソリを修正する必要がなく、その分の手間が解消する利点がある。この回転保持によってウェーハのソリが修正するものではないので回転を止めればソリが復活してしまうことはいうまでもない。
【0032】
図1及び図2に示した例では、羽根板16を回転円板12上面に放射状に立設した場合を示したが、図3に示したように螺旋状又は図4に示したように渦巻状に設けることもできる。放射状又は螺旋状に羽根板16を設ける場合には、羽根板16を複数枚用いて複数の媒体流路36を設ける必要があるが、渦巻状に羽根板16を設ける場合には羽根板16を複数枚用いることも勿論できるが、図4に示したように1枚の羽根板16によって1個の媒体流路36を形成するようにしても同様の作用効果を達成することができる。
【0033】
なお、図示例では、羽根板16は回転円板12の上面に別体として立設する例を示したが、羽根板16によって回転円板12の上面に媒体流路36が形成されればよいもので、例えば媒体流路36の部分を溝状に穿設して羽根板16の部分を隆起させた状態で残すことによって、該回転円板12の上面に一体的に羽根板16を設けることも可能である。
【0034】
本発明のウェーハ回転保持装置は、上記した図示例以外にも種々の変形が可能であり、以下に説明する。
【0035】
図5は本発明のウェーハ回転保持装置の他の実施の形態を示す断面的側面概略説明図である。図6は図5の回転円板の拡大上面図である。図7は図5の回転円板の要部拡大図である。図8は図7の一部断面説明図である。
【0036】
図1〜図2の図示例では、媒体Aとしては空気を用いた場合を説明したが、その他の媒体が使用できることは既述した通りである。図5には、媒体Aとして純水と空気を混合した純水ミストを用いる場合が示されている。混合室40において、純水槽42から供給される純水と別途供給される空気とが混合されて純水と空気とからなる純水ミストAとなり、導管44を介して流量調節器26Aに供給される。流量調節器26Aで流量が調節された純水ミストAは回転シャフト20の中空部22を通って図1〜図2の場合と同様に回転円板12の上面側に導入される。
【0037】
なお、図5における上記空気は、前記した媒体流路36内に形成される減圧状態による吸引力によって吸引されるようにしてもよいが、本実施例においては、コンプレッサーやモーター等の媒体強制供給手段38によって強制的に該混合室40に供給され、したがって該混合室40において混合された純水ミストAも該媒体強制供給手段38の影響を受けて導管44及び中空部22を介して該貫通孔14に強制的に供給される。このような構成とすることによって、ウェーハ上面を処理するためにウェーハ上面側に供給される薬液がウェーハ下面側に回り込むのが防止される。これは強制供給された媒体Aがウェーハ下面に吹きつけられることによって行われるものである。
【0038】
図5において46は該回転円板12の中心部に穿設された貫通孔14の上方に位置するように該回転円板12に設けられた邪魔板である。該貫通孔14を介して該回転円板12の上面に供給される媒体(純水ミスト)Aは該邪魔板46によって羽根板16方向に誘導される。
【0039】
この邪魔板46の設置によって、媒体A中に不純物が混入した場合でも媒体AがウェーハWの下面に直接吹き付けられることはないので不純物等によって汚染されるという事故が防止され、また操業中にウェーハWが割れた場合の媒体Aの上方への吹き出しが防止されるという利点がある。
【0040】
媒体Aとして純水ミストを使用する場合には、ウェーハWを回転させつつ上面側にエッチング液を供給してエッチングを行う際などに、ウェーハ下面側に純水ミストによってバックサイドリンスを同時に行うことができるという有利性がある。
【0041】
本実施の形態では、ウェーハ受け部18が、図1及び図2に示した例と異なり、図7及び図8によく示されるごとく、ウェーハWの下面を受ける下側ガイドピン18aとウェーハWの外側面を受ける外側ガイドピン18bとから構成されている。なお、上記説明以外の構成は、図1〜図2の構成と同様であるので再度の説明は省略する。
【0042】
上記の構成によって、図1〜図2の場合と同様に、回転円板12を回転させると、回転による遠心力によって、回転円板12上面の媒体が外方に排気され、即ち貫通孔14を通った媒体Aは邪魔板46の下面を介して側方に誘導され、続いて回転円板12の上面と一対の相対向する羽根板16,16とウェーハWの下面との間に形成された複数の媒体流路36を介して該回転円板12上の媒体Aが外方に排出される。
【0043】
また、上述したように、媒体Aを強制供給させることによって、媒体Aをウェーハ下面に積極的に吹きつけ、ウェーハ上面側に供給されるエッチング液等の薬液がウェーハ下面側に回り込むのを防止することができる。この媒体Aの強制供給は邪魔板46の有無とは関係なく行えることはいうまでもない。
【0044】
本発明のウェーハ回転保持装置において、回転保持状態のウェーハWの上面に薬液等Bを注加すると、薬液等Bの粘性によって回転保持装置10の回転方向と逆方向にウェーハWが引張られ、ウェーハWの回転と回転保持装置10の回転との間で回転の差が生じ(図9)、その回転のズレによって▲1▼ウェーハ下面の下側ガイドピンとの接触摩擦の増大による傷の発生、▲2▼ウェーハの回転ムラによるエッチング処理等の処理状態のバラツキの発生、▲3▼ウェーハ回転の低下に起因する遠心力の低下による薬液等Bのウェーハ下面側への廻り込みの増加等の問題が発生することがある。このような問題の発生を防止するために、ウェーハWのオリエンテーションフラット(オリフラ)部Fに当接するオリフラ受け部FP、例えばオリフラストッパーピン(図10)やウェーハWのノッチ部Nに当接するノッチ受け部NP、例えばノッチストッパーピン(図11)をウェーハWの上面に立設することによってウェーハWの回転と回転保持装置10の回転との間で回転の差が生じないようにすれば、上記したような両者の回転のズレによる問題が発生することはなくなる。
【0045】
このような本発明のウェーハ回転保持装置は、スピンエッチング装置、スピン乾燥装置、スピンコーティング装置等のようにウェーハを回転させつつ処理を行う装置に好適に適用することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明のウェーハ回転保持装置によれば、真空源装置、加圧空気供給装置やガス供給装置等を必要とすることなく、簡易な機構によって回転円板上面に減圧状態を出現せしめ、ウェーハの背面側に接触することなくウェーハの回転保持を行うことができ、かつ減圧の度合を簡単に調整でき、薄いウェーハ(厚さ0.1mm以下)であっても変形することなく回転保持することができるという効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のウェーハ回転保持装置の一つの実施の形態を示す斜視的説明図である。
【図2】 図1のウェーハ回転保持装置にウェーハを回転保持させた状態を示す斜視的説明図である。
【図3】 羽根板の他の例を示す上面図である。
【図4】 羽根板の別の例を示す上面図である。
【図5】 本発明のウェーハ回転保持装置の他の実施の形態を示す断面的側面概略説明図である。
【図6】 図5の回転円板の拡大上面図である。
【図7】 図6の回転円板の要部拡大図である。
【図8】 図7の一部断面説明図である。
【図9】 ウェーハ回転保持装置に回転保持されているウェーハ上面に薬液等を注加した際のウェーハ回転とウェーハ回転保持装置の回転とのズレの発生状態を示す上面説明図である。
【図10】 回転円板上に立設されたオリフラストッパーピンにウェーハのオリフラ面を係止させた状態を示す上面説明図である。
【図11】 回転円板上に立設されたノッチストッパーピンにウェーハのノッチ部を係止させた状態を示す上面説明図である。
【符号の説明】
12:回転円板、14:貫通孔、16:羽根板、18:ウェーハ受け部、18a:下側ガイドピン、18b:外側ガイドピン、20:回転シャフト、22、中空部、24:下端開口部、26:減圧調整手段、26A:流量調節器、28:プーリ、30:モータ、32:モータプーリ、34:プーリベルト、36:媒体流路、38:媒体強制供給手段、40:混合室、42:純水槽、44:導管、46:邪魔板、A:媒体、FP:オリフラ受け部、NP:ノッチ受け部、W:ウェーハ。
Claims (10)
- 上面に羽根板を放射線状に設けることによって媒体流路を形成した回転円板と、該回転円板の中心部に穿設された貫通孔と、該回転円板の上面に設けられた複数個のウェーハ受け部とを有し、該ウェーハ受け部を介してウェーハを該回転円板の上方に間隔を介在させて載置し、該回転円板を回転させると、該媒体流路内の媒体が、回転による遠心力によって外方に排出され、これによって該媒体流路内に減圧状態を出現せしめ、この減圧状態の吸引力によって、該回転円板の下面側から該貫通孔を介して吸引された媒体が該回転円板の上面に供給され、該媒体はさらに該媒体流路内を通って連続的に外方に排出され、このようにして該回転円板が回転している限り該媒体流路内に減圧状態を出現せしめ、この減圧状態の吸引力によって該ウェーハを下方に吸引し該ウェーハの外周部を該ウェーハ受け部によって回転保持するようにしたことを特徴とするウェーハ回転保持装置。
- 前記回転円板の下面側から前記貫通孔に媒体を強制供給する媒体強制供給手段をさらに有し、前記減圧状態を維持しつつ該回転円板の下面側から該貫通孔に媒体を強制供給するようにしたことを特徴とする請求項1記載のウェーハ回転保持装置。
- 前記貫通孔に連通する中空部を軸方向に穿設した回転シャフトを前記回転円板の下面中央部に垂設し、該回転シャフト及び該回転円板を回転させると該回転シャフトの中空部の下端開口部から吸引された媒体が該中空部及び貫通孔を通って該回転円板の上面に供給されるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のウェーハ回転保持装置。
- 前記回転シャフトの適宜位置に取りつけられ前記中空部の開口度合を調整することによって前記媒体流路の減圧状態を調整するようにした減圧調整手段をさらに設けたことを特徴とする請求項3記載のウェーハ回転保持装置。
- 前記ウェーハ受け部がウェーハ下面を受ける下側ガイドピンとウェーハ外側面を受ける外側ガイドピンとからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のウェーハ回転保持装置。
- 前記ウェーハ受け部を羽根板の上面に設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のウェーハ回転保持装置。
- 前記回転円板の中心部に穿設された貫通孔の上方に邪魔板を設け、該貫通孔を介して該回転円板の上面に供給される媒体を該邪魔板によって羽根板方向に誘導するようにしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のウェーハ回転保持装置。
- 前記回転円板の上面にオリエンテーションフラット部を受けるオリフラ受け部を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のウェーハ回転保持装置。
- 前記回転円板の上面にノッチ部を受けるノッチ受け部を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のウェーハ回転保持装置。
- 前記媒体が気体及び/又は液体であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載のウェーハ回転保持装置。
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