JP3667222B2 - 塗布処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置(LCD)基板や半導体基板の表面上に、例えばレジスト液のような塗布液を塗布する塗布処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ(LCD)の製造においては、ガラス製の矩形のLCD基板にフォトレジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、回路パターンに対応してレジスト膜を露光し、これを現像処理するという、いわゆるフォトリソグラフィー技術により回路パターンが形成される。従来から、このような一連の工程を実施するための複数の処理ユニットを備えたレジスト塗布現像処理システムが用いられている。
【0003】
このようなレジスト塗布現像処理システムにおいて、レジスト液を塗布する工程では、矩形のLCD基板(以下、基板という)は、レジストの定着性を高めるために、アドヒージョン処理ユニットにて疎水化処理(HMDS処理)され、冷却ユニットで冷却後、レジスト塗布処理ユニットに搬入される。
【0004】
レジスト塗布処理ユニットでは、基板がスピンチャック上に保持された状態で回転されながら、その上方に設けられたノズルから基板の表面にレジスト液が供給され、基板の回転による遠心力によってレジスト液が拡散され、これにより、基板の表面全体にレジスト膜が形成される。
【0005】
このレジスト液が塗布された基板は、端面処理ユニット(エッジリムーバー)により周縁の余分なレジストが除去された後、加熱処理ユニットに搬入されてプリベーク処理が行われ、冷却ユニットで冷却され、露光装置に搬送されてそこで所定のパターンが露光され、その後現像処理され、ポストベーク処理が施されて、所定のレジストパターンが形成される。
【0006】
上記レジスト塗布処理ユニットにおいては、図7に示すように、LCD基板Gをスピンチャック101に載置した状態で、これら基板Gおよびスピンチャック101を回転せずに、基板Gの中心にレジスト吐出ノズル102からレジスト液を吐出する。次いで、スピンチャック101を下方から包囲する回転カップ103に、蓋体105を被せるとともに外蓋104を装着して、基板Gを回転カップ103と蓋体105内に封入する。そして、基板Gを回転カップ103とともに回転させ、レジスト液を基板Gの回転力と遠心力とにより基板Gの中心から周縁に向けて拡散させて、基板G上にレジスト膜を形成するとともに、このレジスト膜の膜厚を整える。
【0007】
これにより、基板G周囲の空気を回転カップ103と蓋体105内に閉じ込めることができ、基板G周囲に処理に悪影響を及ぼす気流が生じないため、レジスト膜の膜厚を均一に形成することができる。同時に、回転する基板Gから遠心力によって余分なレジスト液が回転カップ103から外部へ飛散することを防止することができる。なお、参照符号106は、基板Gの周辺の膜厚のコントロールのために、回転カップ103内に外気を導入して基板Gの外側の気流を調整するための整流板を示す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近では、上述のようにレジスト膜厚を均一にすることとともに、製造コスト低減等の観点から、レジスト消費量を減らすこと、すなわち、各基板に対するレジスト液の吐出量を削減することが要望されている。
【0009】
レジスト消費量を減らす方法の一つとして、基板を回転しながらレジスト液を吐出する、いわゆるダイナミック塗布方式が検討されているが、基板Gの中央直上に配置されたレジスト吐出ノズル102から吐出されたレジスト液が回転カップ103の外部に飛散し、これが固化してパーティクルを発生させ、欠陥の原因となる。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、塗布膜の膜厚を均一に形成することができ、ダイナミック塗布方式を採用する場合であっても、塗布開始時から終了時まで塗布液の飛散を確実に防止することができる塗布処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点は、基板の表面上に塗布液を塗布する塗布処理装置であって、
上部に開口部を有し、基板を収容する処理容器と、
前記処理容器内で基板を回転させる基板回転手段と、
前記処理容器に装着され、開口を有する環状の蓋体と、
この環状の蓋体の開口を通して、塗布液を基板に吐出する塗布液吐出ノズルと、
前記塗布液吐出ノズルを前記蓋体の開口に対応する位置と開口から離れた退避位置との間で移動させる移動機構と、
前記蓋体の開口の外側部分に設けられ、前記塗布液吐出ノズルから塗布液を吐出した際にその飛散を防止する筒状部材と、
前記移動機構により前記塗布液吐出ノズルが前記退避位置へ移動された際に、前記環状の蓋体の開口を閉塞する小蓋と、
前記小蓋を搬送して前記小蓋を前記環状の蓋体の開口に装着する小蓋搬送手段と、
前記小蓋を前記環状の蓋体の開口の外周部に吸着させるための吸着手段と
を具備し、
前記吸着手段は、前記環状の蓋体の開口の外周部と前記小蓋との間をシールするように設けられたシール部材を有し、
前記小蓋は、突出部を有し、
前記小蓋が前記開口に装着された状態では、前記小蓋の前記突出部が前記開口に入り込み、その状態で、前記シール部材により前記環状の蓋体の開口の外周部と前記小蓋との間がシールされることを特徴とする塗布処理装置を提供する。
【0012】
このような構成によれば、開口を有する環状の蓋体と、その開口を閉塞するための小蓋とを有し、さらにその開口の外側部分に設けられ、前記塗布液吐出ノズルから塗布液を吐出した際にその飛散を防止する筒状部材を有するので、前記開口を通して塗布液吐出ノズルから塗布液を基板に吐出する際に基板を回転させる、いわゆるダイナミック塗布方式であっても、環状の蓋体および筒状部材の存在により塗布液の吐出時に塗布液が外部へ飛散することを確実に防止することができ、また、塗布液の吐出後に基板を回転させて膜厚を整える際には、移動機構により塗布液吐出ノズルを開口から離れた退避位置に移動させた状態で、前記開口に小蓋を装着するので、この際にも環状の蓋体と小蓋により、塗布液の外部への飛散を防止することができ、塗布開始時から終了時までの飛散を確実に防止することができる。しかも、塗布液の吐出後に基板を回転させて膜厚を整える際に小蓋を装着することにより、基板周囲に処理に悪影響を及ぼす気流が生じることを防止して膜厚の均一性を高めることができる。
【0013】
また、環状の蓋体の開口と小蓋との間に、空気のリークが生じると、このリーク跡が、基板上に形成したレジスト膜に転写されるおそれがあるが、本発明では、小蓋を装着した際に小蓋の突出部が開口に入り込み、その状態で、シール部材により環状の蓋体の開口の外周部と小蓋との間がシールされるので、小蓋の密着性が高く、このようなリーク跡の転写を確実に防止することができる。
【0014】
さらに、塗布液の吐出後、塗布膜の膜厚を整える際には、環状の蓋体の開口に小蓋を装着し、その際に小蓋の突出部が開口に入り込み、その状態で、シール部材により環状の蓋体の開口の外周部と小蓋との間がシールされるため、基板周囲の空気を、処理容器内に確実に閉じ込めることができ、基板周囲に処理に悪影響を及ぼす気流の発生を防止することができる。したがって、塗布膜の膜厚を均一に形成することができる。
【0015】
前記基板回転手段は、前記処理容器および蓋体を基板とともに回転させるようにすることが好ましい。これにより、膜厚を整える際に、処理容器と基板との間に相対移動が生じないので、基板周囲の空気を安定にすることができ、塗布膜の均一性を一層向上させることができる。また、前記小蓋を前記処理容器および前記蓋体とともに回転するようにすることにより、基板周囲の空気を一層安定にすることができる。
【0016】
前記吸着手段は、前記環状の蓋体の開口の外周部と前記小蓋との間をシールするように設けられた前記シール部材を一対有し、さらに、これら一対のシール部材の間に形成された環状の溝と、この溝に連通し、前記小蓋内に形成された真空引きのための小蓋内流路と、前記一対のシール部材によりシールされた際に、前記溝および前記小蓋内流路を介して真空引きを行う真空引き機構とを有するように構成することができる。このように一対のシール部材の間から真空引きを行うことにより、シールの確実性を向上させることができる。また、前記小蓋を押圧する押圧手段をさらに有することが好ましい。これにより、シール性を向上させることができる。
【0017】
また、前記小蓋を回転自在に支持する支持軸を有し、前記支持軸内には、前記小蓋内流路に連続する支持軸流路が設けられ、前記真空引き機構は、前記小蓋内流路および前記支持軸流路を介して真空引きを行うように構成することができる。これにより、小蓋を真空吸着しつつ環状の蓋体とともに回転させることが可能となる。この支持軸は、前記小蓋搬送手段に連結するように構成することができる。また、前記支持軸と前記小蓋との間を真空シールする真空シール部材を有することが好ましい。
【0018】
さらに、前記吸着手段は、磁力吸着により前記小蓋を前記環状の蓋体の開口の外周部に吸着させるように構成することもできる。このように磁力吸着を用いることにより、簡易な構造で小蓋を吸着させることができ、装置の信頼性を高くすることができる。特に、基板とともに処理容器、蓋体および小蓋を回転させる場合には、真空吸着の際に必要な上記の付加的な部品が不要であり、装置の簡略化および信頼性の面で一層有利である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されるLCD基板のレジスト塗布・現像処理システムを示す平面図である。
【0023】
このレジスト塗布・現像処理システムは、複数の基板Gを収容するカセットCを載置するカセットステーション1と、基板Gにレジスト塗布および現像を含む一連の処理を施すための複数の処理ユニットを備えた処理部2と、露光装置(図示せず)との間で基板Gの受け渡しを行うためのインターフェイス部3とを備えており、処理部2の両端にそれぞれカセットステーション1およびインターフェイス部3が配置されている。
【0024】
カセットステーション1は、カセットCと処理部2との間でLCD基板Gの搬送を行うための搬送機構10を備えている。そして、カセットステーション1においてカセットCの搬入出が行われる。また、搬送機構10はカセットの配列方向に沿って設けられた搬送路10a上を移動可能な搬送アーム11を備え、この搬送アーム11によりカセットCと処理部2との間で基板Gの搬送が行われる。
【0025】
処理部2は、前段部2aと中段部2bと後段部2cとに分かれており、それぞれ中央に搬送路12、13、14を有し、これら搬送路の両側に各処理ユニットが配設されている。そして、これらの間には中継部15、16が設けられている。
【0026】
前段部2aは、搬送路12に沿って移動可能な主搬送装置17を備えており、搬送路12の一方側には、2つの洗浄ユニット(SCR)21a、21bが配置されており、搬送路12の他方側には紫外線照射ユニット(UV)と冷却ユニット(COL)とが2段に重ねられた処理ブロック25、加熱処理ユニット(HP)が2段に重ねられてなる処理ブロック26および冷却ユニット(COL)が2段に重ねられてなる処理ブロック27が配置されている。
【0027】
また、中段部2bは、搬送路13に沿って移動可能な主搬送装置18を備えており、搬送路13の一方側には、レジスト塗布処理ユニット(CT)22および基板Gの周縁部のレジストを除去する周縁レジスト除去ユニット(ER)23が一体的に設けられており、搬送路13の他方側には、加熱処理ユニット(HP)が2段に重ねられてなる処理ブロック28、加熱処理ユニット(HP)と冷却処理ユニット(COL)が上下に重ねられてなる処理ブロック29、およびアドヒージョン処理ユニット(AD)と冷却ユニット(COL)とが上下に重ねられてなる処理ブロック30が配置されている。
【0028】
さらに、後段部2cは、搬送路14に沿って移動可能な主搬送装置19を備えており、搬送路14の一方側には、3つの現像処理ユニット(DEV)24a、24b、24cが配置されており、搬送路14の他方側には加熱処理ユニット(HP)が2段に重ねられてなる処理ブロック31、およびともに加熱処理ユニット(HP)と冷却処理ユニット(COL)が上下に重ねられてなる処理ブロック32、33が配置されている。
【0029】
なお、処理部2は、搬送路を挟んで一方の側に洗浄処理ユニット21a、レジスト処理ユニット22、現像処理ユニット24aのようなスピナー系ユニットのみを配置しており、他方の側に加熱処理ユニットや冷却処理ユニット等の熱系処理ユニットのみを配置する構造となっている。
【0030】
また、中継部15、16のスピナー系ユニット配置側の部分には、薬液供給ユニット34が配置されており、さらに主搬送装置のメンテナンスを行うためのスペース35が設けられている。
【0031】
上記主搬送装置17,18,19は、それぞれ水平面内の2方向のX軸駆動機構、Y軸駆動機構、および垂直方向のZ軸駆動機構を備えており、さらにZ軸を中心に回転する回転駆動機構を備えており、それぞれ基板Gを支持する搬送アーム17a,18a,19aを有している。
【0032】
上記主搬送装置17は、搬送機構10のアーム11との間で基板Gの受け渡しを行うとともに、前段部2aの各処理ユニットに対する基板Gの搬入・搬出、さらには中継部15との間で基板Gの受け渡しを行う機能を有している。また、主搬送装置18は中継部15との間で基板Gの受け渡しを行うとともに、中段部2bの各処理ユニットに対する基板Gの搬入・搬出、さらには中継部16との間の基板Gの受け渡しを行う機能を有している。さらに、主搬送装置19は中継部16との間で基板Gの受け渡しを行うとともに、後段部2cの各処理ユニットに対する基板Gの搬入・搬出、さらにはインターフェイス部3との間の基板Gの受け渡しを行う機能を有している。なお、中継部15、16は冷却プレートとしても機能する。
【0033】
インターフェイス部3は、処理部2との間で基板を受け渡しする際に一時的に基板を保持するエクステンション36と、さらにその両側に設けられた、バッファーカセットを配置する2つのバッファーステージ37と、これらと露光装置(図示せず)との間の基板Gの搬入出を行う搬送機構38とを備えている。搬送機構38はエクステンション36およびバッファステージ37の配列方向に沿って設けられた搬送路38a上を移動可能な搬送アーム39を備え、この搬送アーム39により処理部2と露光装置との間で基板Gの搬送が行われる。
【0034】
このように各処理ユニットを集約して一体化することにより、省スペース化および処理の効率化を図ることができる。
【0035】
このように構成されたレジスト塗布・現像処理システムにおいては、カセットC内の基板Gが、処理部2に搬送され、処理部2では、まず、前段部2aの処理ブロック25の紫外線照射ユニット(UV)で表面改質・洗浄処理が行われ、冷却処理ユニット(COL)で冷却された後、洗浄ユニット(SCR)21a,21bでスクラバー洗浄が施され、処理ブロック26のいずれかの加熱処理ユニット(HP)で加熱乾燥された後、処理ブロック27のいずれかの冷却ユニット(COL)で冷却される。
【0036】
その後、基板Gは中段部2bに搬送され、レジストの定着性を高めるために、処理ブロック30の上段のアドヒージョン処理ユニット(AD)にて疎水化処理(HMDS処理)され、下段の冷却処理ユニット(COL)で冷却後、レジスト塗布処理ユニット(CT)22でレジストが塗布され、周縁レジスト除去ユニット(ER)23で基板Gの周縁の余分なレジストが除去される。その後、基板Gは、中段部2bの中の加熱処理ユニット(HP)の一つでプリベーク処理され、処理ブロック29または30の下段の冷却ユニット(COL)で冷却される。
【0037】
その後、基板Gは中継部16から主搬送装置19にてインターフェイス部3を介して露光装置に搬送されてそこで所定のパターンが露光される。そして、基板Gは再びインターフェイス部3を介して搬入され、必要に応じて後段部2cの処理ブロック31,32,33のいずれかの加熱処理ユニット(HP)でポストエクスポージャーベーク処理を施した後、現像処理ユニット(DEV)24a,24b,24cのいずれかで現像処理され、所定の回路パターンが形成される。現像処理された基板Gは、後段部2cのいずれかの加熱処理ユニット(HP)にてポストベーク処理が施された後、いずれかの冷却ユニット(COL)にて冷却され、主搬送装置19,18,17および搬送機構10によってカセットステーション1上の所定のカセットに収容される。
【0038】
次に、本発明の一実施形態に係るレジスト塗布処理ユニット(CT)22について説明する。図2および図3は、本発明の一実施形態に係るレジスト塗布処理ユニットの模式的断面図であって、図2は小蓋を装着する前の状態を示す図、図3は小蓋を装着した状態を示す図である。
【0039】
図2に示すように、レジスト塗布処理ユニット(CT)22には、駆動装置40により回転されるスピンチャック41が回転自在に設けられ、このスピンチャック41上には、LCD基板Gがその表面を水平にしながら吸着して載置されるようになっている。また、このスピンチャック41とともに回転され、下方からスピンチャック41および基板Gを包囲する有底円筒形状の回転カップ(処理容器)42が設けられている。
【0040】
この回転カップ42の外周側には、回転カップ42の外周側と下方側を覆い、中空リング上のドレインカップ44が配置されている。このドレインカップ44は、レジスト塗布の際に飛散したレジスト液を下方に導くことが可能となっている。
【0041】
回転カップ42の上部開口には、図示しない搬送アームにより、中央部に開口46を有する環状の蓋体45が装着されるようになっている。この環状の蓋体45は、回転カップ42が基板Gとともに回転される際、回転カップ42とともに回転するようになっている。
【0042】
回転カップ42の上方には、図示しない装着アームによって、外蓋60が装着されるようになっており、この外蓋60の上には支持柱50および支持柱54が立設されている。
【0043】
支持柱50からは、基板Gにレジスト液や溶剤を供給するための噴頭49を先端に有するアーム48が支持柱50から延出している。この噴頭49には、レジスト液を吐出するためのレジスト液吐出ノズル51と、シンナー等の溶剤を吐出するための溶剤吐出ノズル52とからなる多系統のノズルユニットが設けられている。
【0044】
また、アーム48は、支持柱50内の機構(図示せず)により揺動可能および昇降可能に構成され、レジスト液や溶剤の吐出時には、レジスト液吐出ノズル51や溶剤吐出ノズル52が基板Gの上方であって、環状の蓋体45の開口46の上方に位置される一方、レジスト液等の吐出後には、図3に示すように、待避位置に移動されるようになっている。
【0045】
この環状の蓋体45の開口46には、小蓋53が真空吸着により装着されるように構成されている。この小蓋53は、支持柱54から延出された搬送アーム55により搬送されるようになっている。この搬送アーム55は、支持柱54内の機構(図示せず)により昇降可能に構成されている。小蓋53が開口46に装着された状態では、小蓋53の突出部53aが開口46に入り込むようになっている。
【0046】
この搬送アーム55の先端には、押圧用のシリンダー56(押圧手段)が設けられ、小蓋53は、このシリンダー56の伸縮ロッド56a、後述するコネクター57、および支持軸58を介して、押圧用のシリンダー56により押圧されるようになっている。
【0047】
この支持軸58の外周には、軸受59が設けられ、小蓋53が支持軸58に回転自在に支持されている。そして、回転カップ42が基板Gとともに回転する際、小蓋53が支持軸58に支持された状態で環状の蓋体45とともに回転されるようになっている。
【0048】
小蓋53の下面には、環状の蓋体45の開口46の外周部を押圧してシールする一対のシール部材61a,61bが設けられている。これら一対のシール部材61a,61bの間には、環状の溝62が形成されている。小蓋53内にはこの環状の溝62に連通する真空引のための小蓋内流路63が形成され、この小蓋内流路63に連通するように、支持軸内流路64が支持軸58内に形成されている。この支持軸内流路64は、コネクター57およびチューブ65を介して、真空ポンプ66に連通されている。したがって、真空ポンプ66が駆動されることにより、チューブ65、コネクター57、支持軸内流路64、および小蓋内流路63を介して、環状の溝62が真空引きされると、図3に示すように、小蓋53の下面が環状の蓋体45の開口46の外周部に真空吸着されるようになっている。また、支持軸58の外周囲には、支持軸58に対して小蓋53を真空シールするための真空シール部材67が設けられている。
【0049】
回転カップ42の底部の外周側部分には、円周上に複数の空気の流出孔68が設けられており、環状の蓋体45の外周側部分には、円周上に複数の空気の流入孔69が設けられている。回転カップ42を回転させることにより、回転カップ42内の空気に遠心力が働き、図2および図3に矢印で示すように、回転カップ42の流出孔68から空気が外部に流出されるとともに、蓋体45の流入孔69を介して外部から空気が流入されるような気流が生起される。この流出孔68および流入孔69の大きさを変更して気流を調整することにより、基板G周辺のレジスト液の乾燥速度を調整して拡散速度を調整できるため、基板G周辺のレジスト膜の膜厚を制御することができるとともに、膜厚の均一性を維持することができる。
【0050】
次に、このように構成されるレジスト塗布処理ユニット(CT)により基板G表面にレジスト膜を形成する際の動作について説明する。図4は、LCD基板の回転速度およびレジスト液吐出量と処理時間との関係を示すグラフである。
【0051】
まず、環状の蓋体45が図示しない搬送アームにより回転カップ42から外されるとともに、基板Gが図示しない搬送アームによりスピンチャック41上に搬送されて真空吸着される。
【0052】
環状の蓋体45が図示しない搬送アームにより回転カップ42の上部開口に装着され、次いで、レジスト液吐出ノズル51および溶剤吐出ノズル52が基板Gの上方であって、環状の蓋体45の開口46の上方に位置され、以下に示す手順で基板Gの回転およびレジスト液の吐出を行うことにより、基板Gにレジスト膜が形成される。
【0053】
最初に、図4に示すように、基板Gの回転開始前(処理時間T0)に、溶剤吐出ノズル52から、シンナー等の溶剤を環状の蓋体45の開口46を通して基板Gに吐出する。次いで、基板Gおよび回転カップ42の回転を開始するとともに、環状の蓋体45の開口46を通して、レジスト液吐出ノズル51から基板Gへレジスト液の吐出を開始する(処理時間T1)。
【0054】
基板Gの回転開始後、基板Gの回転速度を一定加速度で増加させる。このように基板Gの回転速度を増加する間に、レジスト液の吐出量(吐出速度)を処理時間T2までにすみやかに第1の吐出量(図4中ではAml/sec)まで増加させ、処理時間T2になった時点で吐出量を一定に維持する。このように基板Gの回転を加速中にレジスト液の吐出量を一定に維持するのは、その際にレジスト液の吐出量が変動すると膜厚のむらを生じるためである。その後、基板Gの回転速度が1500rpmに達した時点(処理時間T3)で回転速度を一定とする。
【0055】
基板Gの回転速度が1500rpmに達した時点(処理時間T3)から、レジスト液の吐出量の減少を開始し、処理時間T4において前記第1の吐出量よりも少ない第2の吐出量(図4中ではBml/sec)となるようにする。この第2の吐出量でレジスト液を吐出しながら基板Gを1500rpmで回転することを所定時間継続した後、処理時間T5で再びレジスト液吐出量の減少を開始し、極短時間の後の処理時間T6において前記第2の吐出量よりも少ない第3の吐出量(図4中ではCml/sec)となるようにする。そして、処理時間T6になった時点で基板Gの回転速度の減速を開始し、レジスト液の吐出量を一定に維持しつつ基板Gの回転速度の減速を続け、所定時間経過後、基板Gの回転を停止するとともに、レジスト液の吐出を停止する(処理時間T7)。
【0056】
以上のようにして行われる溶剤およびレジスト液の吐出時に、環状の蓋体45により溶剤およびレジスト液の外部への飛散が防止される。また、基板Gの回転速度を加速している間には第1の吐出量でレジスト液を吐出し、その後、基板Gの回転速度を一定に維持している間には前記第1の吐出量よりも少ない第2の吐出量でレジスト液を吐出し、基板Gの回転速度を減速している間には前記第2の吐出量よりも少ない第3の吐出量でレジスト液を吐出することにより、基板Gの回転速度を増加させている間に塗布すべきレジスト液のうち比較的多い割合を吐出させ、その後は吐出量を減少させながらレジスト液を吐出させることができ、これによりレジスト液の表面の乾燥を抑制しつつ、余剰なレジスト液の吐出を小さく抑えることができる。
【0057】
上記処理時間T1〜T2におけるレジスト液吐出量の増加率は、上記処理時間T5〜T6におけるレジスト液吐出量の減少率、および、処理時間T7にレジスト液吐出を停止する際のレジスト液吐出量の減少率よりも小さくすることが好ましい。レジスト液の吐出は数秒程度の短時間であり、基板Gの回転速度の変化に応じて吐出量を迅速に変化させることが望ましいが、吐出開始時の処理時間T1〜T2にレジスト液吐出量を急激に増加させると、最初に吐出されたレジスト液が基板Gに当たる部位の膜厚が部分的に厚くなってしまう。これに対して、吐出開始時にレジスト液吐出量の増加率を小さくし、レジスト液吐出量を緩やかに増加させた場合には、基板Gにレジスト液が当たる際のインパクトを低減することができ、これにより膜厚が部分的に厚くなることを防止することができる。具体的には、上記処理時間T1〜T2におけるレジスト液吐出量の増加率は100ml/sec2程度以下、より望ましくは50ml/sec2程度の増加率とし、かつ、上記処理時間T5〜T6におけるレジスト液吐出量の減少率、および、処理時間T7にレジスト液吐出を停止する際のレジスト液吐出量の減少率は100ml/sec2程度以上の減少率とすることが好ましい。
【0058】
また、この手順では基板Gおよび回転カップ42の回転と、レジスト液の吐出とを同時に開始するようにしているが、レジスト液の吐出を基板Gおよび回転カップ42の回転よりも早く開始してもよい。この場合には、例えば図4中の(T2−T1)分の時間だけレジスト液の吐出を先に開始することにより、レジスト液吐出量が前記第1の吐出量に達した時点で基板Gおよび回転カップ42の回転を開始することができる。
【0059】
さらに、この手順では基板Gおよび回転カップ42の回転と、レジスト液の吐出とを同時に停止するようにしているが、これらの停止時間には時間差があってもよい。ただし、処理時間T7に基板Gおよび回転カップ42の回転が停止される場合には、レジスト液の吐出を停止するタイミングはT7±0.6秒以内とすることが望ましい。レジスト液の吐出を停止するタイミングがこれよりも早いとレジスト液表面の乾燥により基板を固定しているチャック等の転写跡が残ってしまい、また、これよりも遅くなると中央部の膜厚が厚くなってしまう。より望ましくはT7±0.4秒以内とする。
【0060】
以上のようにして基板Gおよび回転カップ42の回転と、レジスト液の吐出とを停止した後、図3に示すように、溶剤吐出ノズル52とレジスト液吐出ノズル51とは待避位置に移動されるとともに、搬送アーム55により小蓋53が搬送されて、環状の蓋体45の開口46に装着される(処理時間T8)。次いで、真空ポンプ66が駆動され、チューブ65、コネクター57、支持軸内流路64、および小蓋内流路63を介して、一対のシール部材61a,61bの間の環状の溝62が真空引きされて、小蓋53の下面が環状の蓋体45の開口46の外周部に真空吸着されて密着される。この場合に、一対のシール部材61a,61bが設けられているので、蓋体45の開口46と小蓋53との間からの空気のリークを確実に防止することができる。
【0061】
この蓋体45の開口46と小蓋54との間に空気のリークが生じると、このリーク跡が基板G上のレジスト膜に転写されるおそれがあるが、本実施形態では、このように一対のシール部材61a,61bにより蓋体45の開口46と小蓋53との密着性を高めているため、このようなリーク跡の転写を確実に防止することができる。シール部材61a,61bとしては、例えばテフロン系のファーフロを用いることができる。
【0062】
また、このように蓋体45と小蓋53との間をシールする際に、押圧用のシリンダー56により小蓋53を蓋体45に対して押圧することができるので、これらの間の密着度を十分な状態にして真空引きを行うことができる。したがって、蓋体45の開口46と小蓋53との間からの空気のリークをより一層効果的に防止することができる。
【0063】
このようにして小蓋53を装着した後、図4に示すように、基板Gおよび回転カップ42の回転を開始し(処理時間T9)、これらの回転速度を一定加速度で増加させ、処理時間T10において回転速度が1340rpmとなるようにする。処理時間T10となった時点で回転速度を一定とし、レジスト膜の膜厚を整える。この時、小蓋53は、支持軸58に軸受59を介して回転自在に支持されており、小蓋内流路63および支持軸内流路64を介して真空引きを行うので、基板Gとともに回転カップ42を回転させる際に、小蓋53を真空吸着しつつ環状の蓋体45とともに回転させることができる。
【0064】
また、レジスト膜の膜厚を整える際、環状の蓋体45の開口46に小蓋53が真空吸着により装着されているため、レジスト液の外部への飛散を確実に防止することができる。また、小蓋53が真空吸着により装着されているため、開口46からの空気の侵入を確実に防止することができ、基板周囲に処理に悪影響を及ぼす気流が生じない。このためレジスト膜の膜厚を均一に形成することが可能となる。
【0065】
さらに、回転カップ42の回転により、回転カップ42内の空気に遠心力が働き、図2および図3に矢印で示すように、蓋体45の流入孔69を介して外部から空気が流入されるとともに、回転カップ42の流出孔68から空気が外部に流出されるような気流が形成される。この気流を制御することにより、基板G周辺のレジスト液の乾燥速度を調整して拡散速度を調整でき、基板G周辺のレジスト膜の膜厚を制御することができ、膜厚の均一性を維持することができる。
【0066】
このように基板G、回転カップ42、蓋体45および小蓋53を所定時間回転させてレジスト膜の膜厚を整えた後、回転速度の減速を開始し(処理時間T11)、回転を停止する(処理時間T12)。
【0067】
なお、従来は、前述の図7に示すように、蓋体の下側に、基板Gの外側の気流を調整するための整流板106を設けていたが、本実施形態では、流出孔68および流入孔69を設けることによって従来と同様の気流を形成することができるので、このような整流板を設ける必要がない。
【0068】
さらにまた、外蓋60の上にノズル駆動機構および小蓋駆動機構を配置したので、ノズル51,52や小蓋53の移動量が少なくて済み、スループット向上が可能であるとともに、ノズル駆動機構および小蓋駆動機構の小型化が可能である。また、外蓋60の上に駆動機構が載置されているので、基板Gを回転カップ42内に搬入出する際には、基板搬送アームと干渉しない高さまで外蓋60および蓋体45を上昇させれば、他に基板搬送アームと干渉するものが存在せず、基板搬送をスムーズに行うことができる。
【0069】
次に、本発明の他の実施形態に係るレジスト塗布処理ユニット(CT)22について説明する。図5および図6は、本発明の他の実施形態に係るレジスト塗布処理ユニットの模式的断面図であって、図5は小蓋を装着する前の状態を示す図、図6は小蓋を装着した状態を示す図である。これら図面において、図2および図3と同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
【0070】
本実施形態では、蓋体45の開口46には、小蓋70が磁力吸着により装着されるように構成されている。この小蓋70は、磁性金属で形成されており、支持柱54から延出された搬送アーム71により搬送されるようになっている。この搬送アーム71は、支持柱54内の機構(図示せず)により昇降可能に構成されている。小蓋70が開口46に装着された状態では、小蓋70の突出部70aが開口46に入り込むようになっている。
【0071】
この搬送アーム71の先端には、小蓋70を保持するための保持部材72が設けられており、保持部材72の下端には小蓋を係止するための係止部73を有している。この係止部73は小蓋70の上面から突出して設けられたフック74を係止するようになっている。そして、搬送アーム71は、図5に示すように小蓋70を保持し、図6に示すよう開口46に小蓋70を装着するようになっている。装着後、図示しない機構によりフック74が係止部73から外され、搬送アーム71が退避されるようになっている。
【0072】
蓋体45の開口46の外側部分にはレジスト液吐出時にその飛散を防止するための筒状部材77が設けられており、蓋体45の筒状部材77から開口46までの間は環状部78が形成され、その環状部の上面には、外側部分に磁石79が設けられ、内側部分にはシール部材80が設けられている。なお、磁石79は環状部78の周方向に沿って環状に設けられていてもよいし、環状部78の周方向に沿って複数配列されていてもよい。
【0073】
一方、小蓋70の下面の内周部にはシール部材80が嵌め込まれる溝部70bが形成されており、外周部は磁石79に吸着される磁力吸着部70cとなっている。そして、小蓋70が図6に示すように開口46に装着された際には、磁石79により蓋体70が開口46の外周部に吸着される。
【0074】
このように構成されるレジスト塗布処理ユニット(CT)により基板G表面にレジスト膜を形成する際には、従前の実施形態と同様、図4に示す工程に従って処理が行われる。
【0075】
まず、従前の実施形態と同様にレジスト滴下および1500rpmでの回転によるレジスト拡散が行われ、基板Gおよび回転カップ42が停止された後、図6に示すように、搬送アーム71により、小蓋70が搬送されて、環状の蓋体45の開口46に装着される。この際に、環状の蓋体45の開口46の外周部である環状部78に設けられた磁石79により小蓋70が磁力吸着されて密着される。この場合に、シール部材80が設けられているので、蓋体45の開口46と小蓋70との間からの空気のリークを確実に防止することができ、上述したようなリーク跡の転写を確実に防止することができる。
【0076】
このようにして小蓋70を装着した後、従前の実施形態と同様、基板Gおよび回転カップ42の回転速度が1340rpmまで上昇されて、この回転速度が維持され、レジスト膜の膜厚が整えられる。この時、小蓋70は蓋体45に磁力吸着されており、基板Gとともに回転カップ42が回転される際に、小蓋70が蓋体45とともに回転される。
【0077】
このように磁力吸着を用いることにより、簡易な構造で小蓋70を吸着させることができ、装置の信頼性を高めることができる。特に、基板Gとともに回転カップ42、蓋体45および小蓋70を回転させる場合に、真空吸着の際に必要な上記の付加的な部品が不要であるため、装置構成の簡略化および信頼性の面で一層有利である。
【0078】
また、このような磁力吸着の場合にも、真空吸着の場合と同様、レジスト液の外部への飛散を確実に防止することができる。また、小蓋70を磁力吸着しているため、開口46からの空気の侵入を防止することができ、しかもシール部材80によりシールするのでこのような空気の侵入をほぼ完全に防止することができる。したがって、基板周囲に処理に悪影響を及ぼす気流が生じず、レジスト膜の膜厚を均一に形成することが可能となる。
【0079】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態ではレジスト塗布・現像処理システムに本発明を適用した場合について説明したが、これに限るものではない。また、レジスト液を塗布する場合について示したが、スピンコートにより塗布膜を形成する場合であれば、他の塗布液を適用することも可能である。さらに、上記実施の形態では、被処理基板としてLCD基板を用いた場合について示したが、これに限らず半導体ウエハ等他の基板への塗布膜形成にも適用することができる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、開口を有する環状の蓋体と、その開口を閉塞するための小蓋とを有し、さらにその開口の外側部分に設けられ、前記塗布液吐出ノズルから塗布液を吐出した際にその飛散を防止する筒状部材を有するので、前記開口を通して塗布液吐出ノズルから塗布液を基板に吐出する際に基板を回転させる、いわゆるダイナミック塗布方式であっても、環状の蓋体および筒状部材の存在により塗布液の吐出時に塗布液が外部へ飛散することを確実に防止することができ、また、塗布液の吐出後に基板を回転させて膜厚を整える際には、移動機構により塗布液吐出ノズルを開口から離れた退避位置に移動させた状態で、前記開口に小蓋を装着するので、この際にも環状の蓋体と小蓋により、塗布液の外部への飛散を防止することができ、塗布開始時から終了時までの飛散を確実に防止することができる。しかも、塗布液の吐出後に基板を回転させて膜厚を整える際に小蓋を装着することにより、基板周囲に処理に悪影響を及ぼす気流が生じることを防止して膜厚の均一性を高めることができる。
【0081】
また、環状の蓋体の開口と小蓋との間に、空気のリークが生じると、このリーク跡が、基板上に形成したレジスト膜に転写されるおそれがあるが、本発明では、小蓋を環状の蓋体の開口の外周部に吸着させるための吸着手段を有しているので、小蓋の密着性が高く、このようなリーク跡の転写を確実に防止することができる。
【0082】
さらに、塗布液の吐出後、塗布膜の膜厚を整える際には、環状の蓋体の開口に小蓋を装着するとともに吸着手段により小蓋を環状の蓋体の開口の外周部に吸着させているため、基板周囲の空気を、処理容器内に確実に閉じ込めることができ、基板周囲に処理に悪影響を及ぼす気流の発生を防止することができる。したがって、塗布膜の膜厚を均一に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となる塗布処理装置が適用されるレジスト塗布・現像処理システムを示す平面図。
【図2】上記レジスト塗布・現像処理システムに搭載された本発明の一実施形態に係るレジスト塗布処理ユニットの、小蓋を装着する前の状態を示す断面図。
【図3】上記レジスト塗布・現像処理システムに搭載された本発明の一実施形態に係るレジスト塗布処理ユニットの、小蓋を装着した後の状態を示す断面図。
【図4】LCD基板の回転速度およびレジスト液吐出量と、処理時間との関係を示すグラフ。
【図5】上記レジスト塗布・現像処理システムに搭載された本発明の他の実施形態に係るレジスト塗布処理ユニットの、小蓋を装着する前の状態を示す断面図。
【図6】上記レジスト塗布・現像処理システムに搭載された本発明の他の実施形態に係るレジスト塗布処理ユニットの、小蓋を装着した後の状態を示す断面図。
【図7】従来に係るレジスト塗布処理ユニットの模式的断面図。
【符号の説明】
22…レジスト塗布処理ユニット(塗布処理装置)
41…スピンチャック(基板回転手段)
42…回転カップ(処理容器)
45…環状の蓋体
46…開口
51…レジスト吐出ノズル(塗布液吐出ノズル)
52…溶剤吐出ノズル
53,70…小蓋
55,71…搬送アーム(小蓋搬送手段)
56…押圧用のシリンダー(押圧手段)
58…支持軸
61a,61b…シール部材
62…溝
63…小蓋内流路
64…支持軸内流路
66…真空ポンプ
67…真空シール部材
68…流出孔
69…流入孔
79…磁石
80…シール部材
G…LCD基板
Claims (13)
- 基板の表面上に塗布液を塗布する塗布処理装置であって、
上部に開口部を有し、基板を収容する処理容器と、
前記処理容器内で基板を回転させる基板回転手段と、
前記処理容器に装着され、開口を有する環状の蓋体と、
この環状の蓋体の開口を通して、塗布液を基板に吐出する塗布液吐出ノズルと、
前記塗布液吐出ノズルを前記蓋体の開口に対応する位置と開口から離れた退避位置との間で移動させる移動機構と、
前記蓋体の開口の外側部分に設けられ、前記塗布液吐出ノズルから塗布液を吐出した際にその飛散を防止する筒状部材と、
前記移動機構により前記塗布液吐出ノズルが前記退避位置へ移動された際に、前記環状の蓋体の開口を閉塞する小蓋と、
前記小蓋を搬送して前記小蓋を前記環状の蓋体の開口に装着する小蓋搬送手段と、
前記小蓋を前記環状の蓋体の開口の外周部に吸着させるための吸着手段と
を具備し、
前記吸着手段は、前記環状の蓋体の開口の外周部と前記小蓋との間をシールするように設けられたシール部材を有し、
前記小蓋は、突出部を有し、
前記小蓋が前記開口に装着された状態では、前記小蓋の前記突出部が前記開口に入り込み、その状態で、前記シール部材により前記環状の蓋体の開口の外周部と前記小蓋との間がシールされることを特徴とする塗布処理装置。 - 前記基板回転手段は、前記処理容器および前記環状の蓋体を基板とともに回転させることを特徴とする請求項1に記載の塗布処理装置。
- 前記小蓋が装着された際に、前記小蓋は前記処理容器および前記環状の蓋体とともに回転されることを特徴とする請求項2に記載の塗布処理装置。
- 前記吸着手段は、
前記環状の蓋体の開口の外周部と前記小蓋との間をシールするように設けられた前記シール部材を一対有し、
さらに、これら一対のシール部材の間に形成された環状の溝と、
この溝に連通し、前記小蓋内に形成された真空引きのための小蓋内流路と、
前記一対のシール部材によりシールされた際に、前記溝および前記小蓋内流路を介して真空引きを行う真空引き機構とを有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の塗布処理装置。 - 前記小蓋を押圧する押圧手段をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の塗布処理装置。
- 前記小蓋を回転自在に支持する支持軸を有し、前記支持軸内には、前記小蓋内流路に連続する支持軸流路が設けられ、前記真空引き機構は、前記小蓋内流路および前記支持軸流路を介して真空引きを行うことを特徴とする請求項5に記載の塗布処理装置。
- 前記支持軸は、前記小蓋搬送手段に連結されていることを特徴とする請求項6に記載の塗布処理装置。
- 前記支持軸と前記小蓋との間を真空シールする真空シール部材を有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の塗布処理装置。
- 前記吸着手段は、磁力吸着により前記小蓋を前記環状の蓋体の開口の外周部に吸着させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の塗布処理装置。
- 塗布液の吐出前に、前記環状の蓋体の開口を通して、溶剤を基板に吐出する溶剤吐出ノズルをさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の塗布処理装置。
- 前記基板回転手段は、前記塗布液吐出ノズルからの塗布液の吐出とほぼ同時に、基板の回転を開始することを特徴とする請求項10に記載の塗布処理装置。
- 前記小蓋搬送手段は、前記基板回転手段が基板および前記処理容器を停止した後、前記環状の蓋体の開口に、前記小蓋を装着することを特徴とする請求項2に記載の塗布処理装置。
- 前記基板回転手段は、前記環状の蓋体の開口に小蓋が装着された後、基板および前記処理容器の回転速度を所定速度にして、塗布膜の膜厚を整えることを特徴とする請求項12に記載の塗布処理装置。
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