JP4111120B2 - 紙葉類繰出装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、長期間の定期保守間隔を設ける場合においても、常に安定した搬送を実現できる予防保全の手段を提供することを目的とする。
本発明の紙葉類繰出装置が取扱う紙葉類は、伝票等の帳票、鉄道の切符や定期券、航空券、入場券、勝馬投票券等のチケット、証券、商品券、紙幣等であり、以下に示す実施例においては、紙葉類繰出装置を銀行等の金融機関や郵政公社、コンビニエンスストア等(金融機関等という。)の営業店や郵便局等の店舗に設置された現金自動取引装置に装備された紙幣繰出装置とし、紙葉類を紙幣として説明する。
図1において、1は紙葉類繰出装置としての紙幣繰出装置であり、図示しない現金自動取引装置の紙幣取扱部に装着されている。
なお、通常の現金自動取引装置の紙幣取扱部には紙幣Pの分離集積機構が装備されているが、以下の説明においては主にその分離機構について説明する。
3はピックアップローラであり、集積板2と対向して設置され、紙幣Pの繰出が容易なようにその外周面の一部にはゴム等の摩擦係数の大きい摩擦部材3aが取付けられており、集積板2により押圧された紙幣Pをその回転により繰出す機能を有している。
5はゲートローラであり、その外周面にゴム等の摩擦係数の大きい摩擦部材が取付けられ、フィードローラ4に対向して互いに噛み合うように設置され、紙幣Pの繰出時には回転しない一方向回転機構が設けられており、フィードローラ4により繰出される紙幣Pを1枚毎に分離する機能を有している。またゲートローラ5の摩擦部材の摩擦係数は紙幣P同士よりは大きく、フィードローラ4の摩擦部材よりは小さく設定される。
6はアームであり、略L字状に成形されており、一端に設けられた穴に嵌合するシャフト7により他端に設けられたゲートローラ5を回動自在に支持する。
アーム6は、その下面に調整モータ8の回転軸のキャップ等の軸の先端が当接し、この当接部を挟んでシャフト7の反対側の下面近傍に設けられたコイルバネ等のリターンスプリング9により回転軸を軸方向に押圧するように付勢されている。
本実施例では3個のフィードローラ4の間に2個のゲートローラ5が互いに噛み合うように対向して配置され、それぞれのゲートローラ5に上記の昇降機構が設けられている。
なお、昇降機構はステッピングモータ等のロータの角度位置を保持することが可能なモータとカムとの組合せによって構成するようにしてもよい。
本実施例では、図2に示すように紙幣Pの短手方向に搬送される紙幣Pの長手方向に2つの搬送監視センサ10a、10bが設けられている。
12は厚さ検出部であり、搬送路11に設けられ、搬送路11を搬送される紙幣Pの厚さを非接触で測定するセンサ、例えば1つの発光素子と複数の受光素子を直交面にそれぞれ配置して対象物(本実施例では紙幣P)からの反射光の受光位置により対象物との距離を測定する光学式の反射型距離センサが設けられている。
15は紙幣繰出装置1の制御部であり、紙幣繰出装置1の各部を制御すると共に、調整モータ8の駆動回路16に駆動指令を送信し、調整モータ8への通電量を制御してゲートローラ5の昇降を制御する。
18は紙幣繰出装置1の記憶部であり、ハードディスクやフラッシュROM(Read Only Memory)等の読込みや書込みが可能な不揮発性の記憶部であって、制御部15が実行するプログラムや制御部15の演算結果等が格納される他、制御部15が駆動指令を送信したことを記録するための駆動記録格納エリアが確保されている。
19は紙幣繰出装置1に内蔵されたタイマ部であり、時計機能を有しており、制御部15等が使用する日時(分、秒を含む。)等を出力する。
20はパーソナルコンピュータ等の保守端末であり、金融機関等の事務集中センタ等の保守センタに設置されており、通信回線17を介して紙幣繰出装置1の制御部15と接続している。
上述した構成の作用について説明する。
本実施例のフィードローラ4とこれに噛み合うように対向配置されたゲートローラ5は紙幣Pをその噛み合いにより受取って1枚毎に分離することに支障がないように予めその噛合量が設定され、調整モータ8の軸の先端はその位置を保持してアーム6の下面を支持し、フィードローラ4とゲートローラ5との噛合量を適正に保持している。
フィードローラ4とゲートローラ5はこの紙幣Pをその噛み合いにより受取り、ゲートローラ5が繰出時には回転しないように構成されているので、フィードローラ4の摩擦部材4aの摩擦力によって紙幣Pが1枚毎に分離されて、適正な紙幣P同士の間隔を保ちながら搬送路11へ繰出される。
搬送監視センサ10a、10bを通過した紙幣Pは、搬送路11により厚さ検出部12に搬送され、その紙幣Pの厚さが測定される。この場合の厚さ検出部12からの出力信号は図4の右側に示す1枚の紙幣Pが搬送された場合の出力信号として図5の右側に示す矩形波として出力される。なお図4(a)は搬送される紙幣Pの正面図、図4(b)はその側面図を示す。
すなわち、制御部15が図2に示す搬送監視センサ10aの出力信号として図3(a)に示す出力信号を、搬送監視センサ10bの出力信号として図3(b)に示す出力信号を受取った場合、つまり1枚の紙幣Pが通過する時にその出力信号の立ち上がりに時間差ΔTが存在する場合は、この出力信号を受取った制御部15は紙幣Pの斜行を検出し、駆動回路16へ駆動指令を送り、遅れている側(図2の例では搬送監視センサ10bの側)の調整モータ8を一定時間回転させてその側のフィードローラ4とゲートローラ5の噛合量を多くして紙幣Pの斜行の発生を防止するように制御する。
以上のようにしてそれぞれの搬送異常に対する制御部15による基本的な制御が行われるが、これらの搬送異常は、紙幣Pの反りや皺、折れ等による紙幣Pとフィードローラ4の摩擦部材4aとの局所的な摩擦係数の変化等による偶発的な要因によっても発生するので、逐一制御すると返って正常な搬送を阻害する恐れがある。このため本実施例では統計処理により上記の駆動指令の送信時期を制御する。
なお、上記の駆動指令を送信した後の所定の時間以内、例えば繰出動作の累積時間で5分以内に制御部15が再度同じ搬送障害を検出した場合には、この再検出により駆動指令を送信してフィードバックによる調整を行うようにしてもよい。
なお、フィードバックによる調整を行った場合は上記の記録を省略するようにする。
そして、制御部15は、ジャム等の搬送障害の前兆を検出するために、搬送異常の発生の頻度を算出する。
すなわち、制御部15は頻度を算出するための基準となる期間、例えば繰出動作の累積時間で10分間に相当する開始日時と終了日時の間の記憶部18の駆動記録格納エリアの調整の日時の記録を参照してその回数から頻度を求め、その頻度が所定の頻度以上、例えば10分間に2回以上の頻度である場合に制御部15はこれを搬送障害の前兆として検出する。
これを受信した保守端末20は受信した保守依頼通知をその表示画面に表示し、保守端末20が設置されている保守センタの保守員等がこの画面の調整の原因となった搬送異常の内容等を確認し、適切な部署または保守会社等に指示して発信元の紙幣繰出装置1の予防保全を行う。
更に、保守依頼通知を保守センタの保守端末へ通知するようにしたことによって、搬送障害の前兆を一括して管理することができると共に、その予防保全に対する措置を適切に行うことができる。
2 集積板
3 ピックアップローラ
3a、4a 摩擦部材
4 フィードローラ
5 ゲートローラ
6 アーム
7 シャフト
8 調整モータ
9 リターンスプリング
10 搬送監視センサ
11 搬送路
12 厚さ検出部
15 制御部
16 駆動回路
17 通信回線
18 記憶部
19 タイマ部
20 保守端末
Claims (3)
- 紙葉類を集積する集積板と、該集積板により紙葉類が押圧されるピックアップローラと、該ピックアップローラの回転に伴って繰出される紙葉類を1枚毎に分離して搬送路に繰出すフィードローラとゲートローラと、前記搬送路を搬送される紙葉類の搬送状態を監視する搬送状態監視手段と、該搬送状態監視手段の出力を基に前記フィードローラとゲートローラの噛合量を調整するように構成した紙葉類繰出装置において、
記憶部を設けると共に、前記搬送状態監視手段の出力を統計処理して前記フィードローラとゲートローラの噛合量を調整し、該噛合量の調整の日時を前記記憶部に記録し、該記録した調整の日時を基に算出した調整の頻度が所定の頻度以上であることにより搬送障害の前兆を検出し、該前兆を検出したときに、保守依頼通知を発信することを特徴とする紙葉類繰出装置。 - 請求項1において、
前記搬送路に、搬送される紙葉類の厚さを検出する厚さ検出部を設け、該厚さ検出部の出力を基に前記噛合量を調整することを特徴とする紙葉類繰出装置。 - 請求項1または請求項2において、
通信回線により接続する保守端末を設け、前記保守依頼通知を該保守端末に向けて発信することを特徴とする紙葉類繰出装置。
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