JP4110310B2 - コンクリートの打継ぎ方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、先打ちコンクリートに対する後打ちコンクリートの打継ぎ強度を確保するためのコンクリートの打継ぎ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にコンクリートを型枠内に打設すると、硬化前にブリーデイングが生じ、打継ぎ面にレイタンス層が形成される。また、コンクリート表層部では粗骨材が沈降して上部表面はモルタル層が富な平滑面となり、特に締固め不要な超流動性コンクリートではこの現象が顕著になる。
【0003】
したがって、コンクリートの硬化後にそのまま後打ちコンクリートを打継ぐと打継ぎ面が平らなために、せん断力が伝達されず、構造的に脆弱となる。そこで、従来では、先打ちコンクリートの硬化後に表面をチッピング(はつり)して凹凸面となし、その喰付き効果により打継ぎ強度を出すか、或いは先打ちコンクリートの打設後に凝結遅延剤を散布して表面の硬化を遅らせ、適当な強度発現時期を見計らってジェット水流により表面のモルタル成分を洗い出すことで骨材を露出させ凹凸状態にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コンクリートの硬化後におけるチッピング処理は手数がかかり、また洗い出し処理では、強度発現時期の判断が難しく、ある程度強度が発現してしまうと水流による洗い出しが行いにくく、水処理の問題に欠点があり、いずれの方法にあっても手間の割りには効果が小さかった。特に、超流動性コンクリートを用いたコンクリートの打設方法はコンクリート工事の工期短縮を目指すものであるが、このように打継ぎ処理に手間がかかっていては工期短縮の利点を損なうものとなる。
【0005】
この発明は以上の問題を解決するものであって、その目的はチッピングや洗い出しによらず、簡単な方法によって先打ちコンクリートと後打ちコンクリートとの打継ぎ強度を発現させることのできるコンクリートの打継ぎ方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、この発明は、先打ちコンクリートの上部打継ぎ部に後打ちコンクリートを打設して打継ぐ方法において、前記先打ちコンクリートがある程度硬化した後、該先打ちコンクリートの打継ぎ部の表面に多数の粗骨材をその気乾状体で散布して該粗骨材を前記打継ぎ部の表面に半埋没状態で突出させ、該散布する粗骨材には、コンクリート中のモルタルの単位容積量に対する該粗骨材の密度の比率が0.80〜1.25の範囲のものを用いることを特徴とする。
【0008】
以上の構成によれば、打継ぎ部の処理は粗骨材の散布のみによって行われ、先打ちコンクリートの打継ぎ表面には多数の粗骨材が半埋没状態で突出し、この状態で後打ちコンクリートを打設することで粗骨材が両コンクリート間に、せん断力を伝達するためのキーとしての機能をもたらす。
【0009】
骨材内部が飽水していない気乾状態で散布される粗骨材は、打ち込んだコンクリートから発生したブリーデイング水を吸収し、表層部の脆弱化を防止する。
【0010】
モルタルの単位容積に対する粗骨材の密度の比率が0.80以下であると粗骨材は打継ぎ表面のモルタル中に埋没しにくくなって十分な埋没長が得られず、その比率が1.25以上であると逆にモルタル中に埋没し過ぎて打継ぎ表面からの十分な突出長が得られなくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施例を図面を用いて詳細に説明する。図1はこの発明に係る打継ぎ方法をコンクリート壁の構築に適用した場合を示すもので、型枠1で囲われた内部には鉄筋2が建て込まれており、図1(a)に示すように型枠1の内部には先打ちコンクリートC1 が打設される。
【0012】
このコンクリートC1 は、例えば超流動性コンクリートであって、鉄筋2が錯綜して配筋されている内部にもその流動性に応じて迴り込み、打設天端を打継ぎ面Aとして平滑な状態で打設完了する。
【0013】
このコンクリートC1 が硬化するまで、コンクリートC1 中の粗骨材3aは沈降して下部側に偏在し、上部の打継ぎ部Aにはモルタルが富な層3b(以下モルタル層と称する)が分離形成される。
【0014】
次に、コンクリートC1 がある程度硬化して所定の強度が発現する以前の段階で、図1(b)に示すように粗骨材4を鉄筋2で囲われた内側に散布する。この際、散布する粗骨材4には、前記コンクリートC1 中のモルタルの単位容積質量に対する当該粗骨材4の密度の比率が0.80〜1.25の範囲のもの、より好ましくは1.00〜1.25の範囲のものを用い、かつ予め洗浄によって表面に付着した泥や微粒子成分を除去して乾燥させ、骨材内部が飽水していない気乾状態で散布する。ここで、通常モルタルの単位容積質量は約2.0〜2.15g/cm3程度であるから、上記の比率が0.80〜1.25である要件を満たす粗骨材の比重は約1.6〜2.7程度となる。
【0015】
散布された粗骨材4は当初モルタル層3b内に沈降するが、ある程度の量を撒き出すことによって、粗骨材4の捲き出し後にある程度硬化するモルタル層3bと粗骨材4との強度(付着性)により、モルタル層3bの打継ぎ部Aの表面に半埋没状態に突出した状態で沈降が停止する。
【0016】
この状態を観察することで散布を停止し、そのままの状態で先打ちコンクリートC1 を硬化させることで粗骨材4は突出状態で打継ぎ部Aに一体化される。
【0017】
この際、モルタルの単位容積に対する粗骨材の密度の比率が0.80以下であると粗骨材は打継ぎ表面のモルタル中に埋没しにくくなって十分な埋没長が得られず、その比率が1.25以上であると逆にモルタル中に埋没し過ぎて打継ぎ表面からの十分な突出長が得られなくなる。また、骨材内部が飽水していない気乾状態で散布される粗骨材は、打ち込んだコンクリートから発生したブリーデイング水を吸収し、表層部の脆弱化を防止する。
【0018】
次いで、図1(c)に示すように、後打ちコンクリートC2 を先打ちコンクリート3の打継ぎ部Aの上部に打設すると、前記粗骨材4の突出部は後打ちコンクリート5の底部に一体化され、両コンクリートC1 ,C2 間の一体性を増し、せん断力伝達のためのキーとしての機能を発揮することになる。なお、後打ちコンクリートC2 に打継ぎ部がある場合においても前記と同様に粗骨材4の散布処理を行えば良い。
【0019】
図1(d)は以上のようにして数段打ち継がれたコンクリート壁体を示すもので先打ちおよび後打ちコンクリートC1,C2 〜Cn 同士の各打継ぎ部Aには本発明に係る粗骨材4が交差状態に一体化されている。
【0020】
なお、前記粗骨材4の散布量,散布時期などについては、打設コンクリートの配合や打設面積に基づき最適な量および時期を適宜定めることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上詳述したこの発明に係るコンクリートの打継ぎ方法にあっては、打継ぎ部の処理は粗骨材の散布のみによって行われるため、従来のチッピングや洗い出し処理に比べて作業が簡単で省力化でき、工期短縮に好適である。
【0022】
またこの発明では、先打ちコンクリートの打継ぎ表面には多数の粗骨材が突出し、この状態で後打ちコンクリートを打設することで粗骨材が両コンクリート間にせん断力を伝達するためのキーとしての機能をもたらすため、打継ぎ部の付着力が増し、止水性が向上するなどの利点があるほか、粗骨材が分離して沈降した部分に対して新たに粗骨材の補給が行われるので強度上も有利である。
【0023】
また、散布する粗骨材には、モルタルの単位容積に対する当該粗骨材の密度の比率が0.80〜1.25の範囲のものを用いることにより、散布した粗骨材を打継ぎ表面に適度な埋没長と突出長とをもたせて半埋没状態にすることができ、打継ぎ部のせん断力を可及的に高めることができる。
【0024】
さらに、粗骨材を気乾状態で散布するので、打ち込んだコンクリートから発生したブリーデイング水を当該散布した粗骨材で吸収して、表層部の脆弱化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)はこの発明方法をコンクリート壁の構築に適用した場合の作業手順を示す断面説明図である。
【符号の説明】
C1 先打ちコンクリート
C2 後打ちコンクリート
4 粗骨材
A 打継ぎ部
Claims (1)
- 先打ちコンクリートの上部打継ぎ部に後打ちコンクリートを打設して打継ぐ方法において、前記先打ちコンクリートがある程度硬化した後、該先打ちコンクリートの打継ぎ部の表面に多数の粗骨材をその気乾状態で散布して該粗骨材を前記打継ぎ部の表面に半埋没状態で突出させ、該散布する粗骨材には、コンクリート中のモルタルの単位容積量に対する該粗骨材の密度の比率が0.80〜1.25の範囲のものを用いることを特徴とするコンクリートの打継ぎ方法。
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