JP4109849B2 - 脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩の製造方法に関するものである。詳しくは、本発明は脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩を70%以上という高純度で、工業的に製造する方法に関するものである。なお、本明細書でいう「脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩」は、ヒドロキシカルボン酸1分子と脂肪酸1分子とのモノエステル体のカルボン酸塩、または該モノエステル体のカルボン酸と該モノエステル体のカルボン酸塩との混合物を意味し、ヒドロキシカルボン酸が2分子以上重合した部分を有する化合物は含まれない。
【0002】
【従来の技術】
脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩は、陰イオン界面活性剤であり、特に、脂肪酸乳酸エステルは、食品や化粧品中に乳化剤として使われている(特開平1−6237号公報、特開平2−25412号公報)。この脂肪酸乳酸エステル塩は、水溶液形体で中性領域のpHにおいて、優れた界面活性能を示すことが知られている。また、クラフト点が比較的低く、なおかつ室温以上の温度における保存安定性に優れるという特徴を有する(特開平8−176068号公報)。
【0003】
現在、市場に出回っている脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩は、純度約60%程度である。これに対し、高純度を有する脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩は、洗浄剤原料として用いたとき、皮膚への刺激性が比較的少なく、優れた気泡力、洗浄力を有し、なおかつ長期安定性を保つことから、70%以上の高純度を有する脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩の開発が待たれてきた。
【0004】
その製造法としては、長鎖カルボン酸とヒドロキシカルボン酸をアルカリ触媒存在下、直接エステル化する方法(米国特許第2,733,252号明細書)、長鎖カルボン酸の酸クロライドとヒドロキシカルボン酸又はその塩とを反応させる方法(特開平9−208448号公報)、長鎖カルボン酸低級アルコールエステルとヒドロキシカルボン酸塩とをノニオン又はアニオン性界面活性剤存在下、有機溶媒中でエステル交換させる方法(特開平7−324402号公報)等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来行われてきた直接エステル化法においては、目的とする脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩の他に、原料として用いたヒドロキシカルボン酸又はその塩が相当量残存する。また、反応は、無水状態で行われるが、ヒドロキシカルボン酸はこの反応条件下では、非常に重合しやすく、製品中には重合したヒドロキシカルボン酸や重合ヒドロキシカルボン酸由来の脂肪酸エステルも含まれる。よって、目的とするヒドロキシカルボン酸エステル塩の純度は低くなる。
【0006】
酸クロライド法では、目的とする脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩の反応率がある程度向上され、更に抽出によって目的物を精製、高純度化を図っている。しかし、酸クロライド法では、設備の腐食といった問題から、コスト的に工業化は好ましくない。又、エステル交換法においては、反応工程において系を均一化させる為、界面活性剤を用いなくてはならず、それが製品中に不純物として残存する。又、反応物から有機溶媒の抽出除去は容易な工程ではない。
これらの従来技術の課題に鑑みて、本発明は、脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩を高純度で安価に製造することができる工業的な方法を提供することを目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、ヒドロキシカルボン酸塩に対して等モルを超える量の長鎖脂肪酸を反応させることによって高純度の脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩が得られることを見出して、本発明を提供するに至った。
すなわち本発明は、ヒドロキシカルボン酸塩と長鎖脂肪酸とを反応して脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩を製造する方法において、ヒドロキシカルボン酸塩に対する長鎖脂肪酸のモル比nを1<n≦6の範囲にすることを特徴とする脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩の製造方法を提供する。
【0008】
ヒドロキシカルボン酸塩と長鎖脂肪酸との反応系内には、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムから選ばれる少なくとも1種が存在しており、ヒドロキシカルボン酸塩のカルボキシル基に対するアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムのモル比mは0.8≦m≦1.2の範囲にあることが好ましい。
本発明の製造方法に用いるヒドロキシカルボン酸塩は、乳酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩またはクエン酸塩であることが好ましい。また、本発明の製造方法に用いる長鎖脂肪酸は、炭素数8〜22の飽和又は不飽和のカルボン酸であることが好ましい。
長鎖脂肪酸とヒドロキシカルボン酸塩の反応は、不活性ガス雰囲気下常圧又は減圧下にて100〜200℃で行うことが好ましい。
【0009】
また、本発明は、脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩の純度が70%以上であり、かつ重合物含有量が10%以下であることを特徴とする、上記の製造方法により製造した脂肪酸ヒドロキシカルボン酸塩も提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩の製造方法について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
【0011】
本発明で用いられるヒドロキシカルボン酸塩としては、通常、炭素数3〜8のヒドロキシカルボン酸塩であり、具体的には乳酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩等が挙げられる。いずれも発酵法又は合成法で製造されたヒドロキシカルボン酸をアルカリで中和して得られるが、純度の良いものが望ましい。アルカリとしてはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、アンモニウムの炭酸塩、水酸化物等を用いる。ヒドロキシカルボン酸塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびアンモニウムの炭酸塩または水酸化物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、ヒドロキシカルボン酸とから得られる混合物でもよい。
【0012】
ヒドロキシカルボン酸塩と長鎖脂肪酸との反応系内には、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムから選ばれる少なくとも1種が存在していてもよいが、このとき、ヒドロキシカルボン酸塩のカルボキシル基に対するアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムのモル比mは0.8≦m≦1.2の範囲にあることが好ましく、1.0≦m≦1.2の範囲にあることがより好ましい。モル比mが小さくてカルボン酸末端の存在割合が多くなると、エステル化反応時に副生物としてヒドロキシカルボン酸の重合物が生じやすくなる傾向がある。また、モル比mが大きくて、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムの存在割合が多くなると、エステル化反応時に副生物として長鎖脂肪酸塩が生じやすくなる傾向がある。なお、ここでいうアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムから選ばれる少なくとも1種は、ヒドロキシカルボン酸塩に由来するものであってもよいし、炭酸塩または水酸化物に由来するものであってもよい。
【0013】
本発明では、予め得られたヒドロキシカルボン酸塩と長鎖脂肪酸とをエステル化工程に供してもよいし、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびアンモニウムの炭酸塩または水酸化物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、ヒドロキシカルボン酸との混合物、および長鎖脂肪酸をエステル化工程に供してもよい。ヒドロキシカルボン酸の重合物や長鎖脂肪酸塩の副生を防ぐためには、充分にヒドロキシカルボン酸塩を形成した後に、長鎖脂肪酸を仕込むのが好ましい。ここでいうヒドロキシカルボン酸の重合物とは、ヒドロキシカルボン酸分子同士がエステル化反応して、2量体以上となったポリヒドロキシカルボン酸エステルおよびその塩または他の脂肪酸とのエステル体等である。充分にヒドロキシカルボン酸塩を形成した後に反応させると、エステル化時に副生するヒドロキシカルボン酸の重合物の含有量を重合物含有の脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩の10重量%以下に抑えることができる。ヒドロキシカルボン酸塩は、原料として用いる場合、通常、水溶液形態のものを用い、エステル化反応の前段階で、脱水を施す。
【0014】
本発明の製造方法では、長鎖脂肪酸として炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸を用いる。本発明で用いられる長鎖脂肪酸は、分岐を有する脂肪酸であってもよい。これに該当する脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ベヘン酸、エルカ酸等が挙げられる。これら長鎖脂肪酸は、該当する炭素数のものを混合物として用いることも可能である。
【0015】
本発明の製造方法では、ヒドロキシカルボン酸塩に対する長鎖脂肪酸のモル比nを1<n≦6の範囲にすることによってヒドロキシカルボン酸塩の反応率を高めることができる。モル比nの上限は、好ましくはn≦5であり、より好ましくはn≦4である。下限は、好ましくは1.1≦nであり、より好ましくは2≦nである。反応時間は、反応条件によって異なるが、いずれもヒドロキシカルボン酸塩転化率70%以上、望ましくは80%以上、更に望ましくは90%以上達成時とする。
【0016】
反応温度は、100〜200℃、好ましくは150〜180℃、より好ましくは150〜175℃とする。圧力は、窒素気流下常圧、又は減圧、好ましくは100Torr以下の減圧とする。
【0017】
得られた反応混合物から、残存する脂肪酸を除去する。脂肪酸の除去方法については、蒸留・抽出他いずれの方法でも良い。望ましくは、蒸留であり、更に望ましくは薄膜蒸発器又は、分子蒸留器を用いて蒸留除去する。操作温度150〜250℃、操作圧力1.33×10-1〜1.33×10-4kPaで脂肪酸を除去した後、目的とする脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩の純度は、70%以上、好ましくは80%以上となる。
【0018】
また、得られた反応混合物中に、目的とする脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩とともにそれに対応する脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステルが含まれている場合は、該脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステルを塩に変換することができる。塩への変換方法は特に制限されないが、通常は、脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステルをアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムの炭酸塩または水酸化物から選ばれる少なくとも1種の化合物と反応させることにより塩にすることができる。このような塩への変換反応を実施するか否かは、必要とされる脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩の純度や用途に応じて決定することができる。
【0019】
上述のような本発明の製造方法を利用すれば、重合物の含有量が10重量%以下で、純度が70%以上の脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩を効率よく安価に得ることができる。本発明の製造方法により提供される脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩は、陰イオン界面活性剤として幅広く利用される。特に、脂肪酸乳酸エステル塩は、食品や化粧品中に乳化剤として用いられる。
【0020】
【実施例】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0021】
(実施例1)
反応容器に乳酸ナトリウム(純度60%水溶液)341gを仕込み、窒素雰囲気下、170℃とした。留出する水は、反応器外へ留去した。反応器内温を120℃にまで下げ、ラウリン酸1096gを仕込み、更に昇温し、170℃、常圧で9時間反応させた。
定量分析のため、得られた反応混合物をトリメチルシリル化処理し、ガスクロマトグラフィーにより組成分析を行った。分析用カラムとしてSiliconeOV−17を用いた。また、重合生成物の定性および定量分析のため、反応混合物をジアゾメタン処理してメチルエステル化し、ガスクロマトグラフィーにより分析した。分析用カラムとしてSilicone OV−17を用いた。分析の結果、乳酸ナトリウムの転化率は88%で、ラウリン酸乳酸ナトリウムを36重量%含む混合液であることが確認された。
【0022】
得られた反応混合物から残存するラウリン酸を薄膜蒸発器(神鋼パンテック製24−30型ワイプレン)で蒸留除去し、ラウリン酸乳酸エステルナトリウム92重量%、乳酸ナトリウム5重量%、重合物3重量%の組成の高純度のラウリン酸乳酸エステルナトリウム塩を得た。このとき、給液量は120kg/h、操作温度は180℃、操作圧力は0.01kPa(abs)とした。
【0023】
(比較例1)
反応容器に乳酸ナトリウム(純度60%水溶液)777gを仕込み、窒素雰囲気下、180℃とした。留出する水は、反応器外へ留去した。反応器内温を120℃にまで下げ、ラウリン酸834gを仕込み、更に昇温し、180℃、常圧で10時間反応させた。乳酸ナトリウム転化率50%で、ラウリン酸乳酸ナトリウムを44重量%含む混合溶液を取得した。反応混合液から薄膜蒸発器を用いて、実施例1記載の方法で、残存脂肪酸を蒸留除去した。ラウリン酸乳酸エステルナトリウム66重量%、乳酸ナトリウム27重量%、重合物7重量%を得た。
実施例1と同様に分析を行った。
【0024】
(実施例2)
反応器に乳酸ナトリウム(純度60%水溶液)689gを仕込み、窒素雰囲気下、170℃とした。留出する水は、反応容器外へ留去した。反応器内温を120℃にまで下げ、ラウリン酸887gを仕込み、更に昇温し、170℃、常圧で9時間反応させた。乳酸ナトリウム転化率60%で、ラウリン酸乳酸ナトリウムを50重量%含む混合溶液を取得した。反応混合液から薄膜蒸発器を用いて、実施例1記載の方法で、残存脂肪酸を蒸留除去した。ラウリン酸乳酸エステルナトリウム77%,乳酸ナトリウム20重量%、重合物3%重量を得た。
実施例1と同様に分析を行った。
【0025】
(実施例3)
反応容器に乳酸ナトリウム(純度60%水溶液)474gを仕込み、窒素雰囲気下、170℃とした。留出する水は、反応容器外へ留去した。反応器内温を120℃にまで下げ、ラウリン酸1016gを仕込み、更に昇温し、170℃、50Torrで9時間反応させた。乳酸ナトリウム転化率97%で、ラウリン酸乳酸ナトリウムを54重量%含む混合溶液を取得した。反応混合液から薄膜蒸発器を用いて、実施例1記載の方法で、残存脂肪酸を蒸留除去した。ラウリン酸乳酸エステルナトリウム92重量%、乳酸ナトリウム1重量%、重合物7%重量を得た。
実施例1と同様に分析を行った。
【0026】
(実施例4)
反応容器に乳酸ナトリウム(純度60%水溶液)474gを仕込み、窒素雰囲気下、170℃とした。留出する水は、反応容器外へ留去した。反応器内温を120℃にまで下げ、ラウリン酸1016gを仕込み、更に昇温し、150℃、50Torrで10時間反応させた。乳酸ナトリウム転化率85%でラウリン酸乳酸ナトリウムを48重量%含む混合溶液を取得した。反応混合液から薄膜蒸発器を用いて、実施例1記載の方法で、残存脂肪酸を蒸留除去した。ラウリン酸乳酸エステルナトリウム88重量%、乳酸ナトリウム6重量%、重合物6重量%を得た。
実施例1と同様に分析を行った。
【0027】
(実施例5)
反応容器に乳酸ナトリウム(純度60%水溶液)474gを仕込み、窒素雰囲気下、170℃とした。留出する水は、反応容器外へ留去した。反応器内温を120℃にまで下げ、ラウリン酸1016gを仕込み、更に昇温し、150℃、10Torrで6時間反応させた。乳酸ナトリウム転化率93%でラウリン酸乳酸ナトリウムを51重量%含む混合溶液を取得した。反応混合液から薄膜蒸発器を用いて、実施例1記載の方法で、残存脂肪酸を蒸留除去した。ラウリン酸乳酸エステルナトリウム90重量%、乳酸ナトリウム3重量%、重合物7重量%を得た。
実施例1と同様に分析を行った。
【0028】
(実施例6)
反応容器に乳酸:乳酸ナトリウム=2:8(モル比)(60%水溶液)478gを仕込み、窒素雰囲気下、170℃とした。留出する水は、反応容器外へ留去した。反応器内温を120℃にまで下げ、ラウリン酸1025gを仕込み、更に昇温し、170℃、50Torrで6時間反応させた。乳酸ナトリウム転化率100%でラウリン酸乳酸ナトリウムを54重量%含む混合溶液を取得した。反応混合液から薄膜蒸発器を用いて、実施例1記載の方法で、残存脂肪酸を蒸留除去した。ラウリン酸乳酸エステルナトリウム91重量%、重合物9重量%を得た。
実施例1と同様に分析を行った。
【0029】
実施例1〜6と比較例1の反応条件と分析結果をまとめて以下の表に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩を高純度で安価に製造することができる。脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩を70%以上の純度で簡便に製造することができるため、本発明の製造方法は工業化に適している。製造される脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩は界面活性剤として優れており、本発明の製造方法は産業上の有用性が極めて高い。
Claims (6)
- ヒドロキシカルボン酸塩と長鎖脂肪酸とを反応して脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩を製造する方法において、ヒドロキシカルボン酸塩に対する長鎖脂肪酸のモル比nが、1<n≦6の範囲であることを特徴とする脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩の製造方法。
- ヒドロキシカルボン酸塩と長鎖脂肪酸との反応系内に、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムから選ばれる少なくとも1種が存在しており、ヒドロキシカルボン酸塩のカルボキシル基に対するアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムのモル比mが0.8≦m≦1.2の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の脂肪酸ヒドロキシカルボン酸エステル塩の製造方法。
- 長鎖脂肪酸とヒドロキシカルボン酸塩を100〜200℃で反応させることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
- 長鎖脂肪酸とヒドロキシカルボン酸塩を、不活性ガス雰囲気下常圧、又は減圧下で反応させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- ヒドロキシカルボン酸塩が、乳酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩またはクエン酸塩であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 長鎖脂肪酸が炭素数8〜22の飽和又は不飽和のカルボン酸であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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