グルコキナーゼ(GK)は、哺乳動物において見い出される4つのヘキソキナーゼの1つである〔Colowick, S.P.,「酵素(The Enzymes)」、第9巻(P. Boyer編)Academic Press, New York, NY, pages 1-48, 1973〕。ヘキソキナーゼは、グルコースの代謝における第1工程、即ち、グルコースのグルコース−6−リン酸への変換を触媒する。グルコキナーゼは、細胞分布が限定されており、主として膵β細胞及び肝実質細胞に見い出される。更に、GKは、全身のグルコースホメオスタシスにおいて決定的に重要な役割を演じていることが知られている、これら2つの細胞型におけるグルコース代謝の律速酵素である〔Chipkin, S.R., Kelly, K.L.及び Ruderman, N.B.,「ジョスリンの糖尿病(Joslin's Diabetes)」(C.R. KhanとG.C. Wier 編), Lea and Febiger, Philadelphia, PA, pages 97-115, 1994〕。GKが最大値の半分の活性を示すグルコースの濃度は、約8mMである。他の3つのヘキソキナーゼは、ずっと低い濃度(<1mM)のグルコースで飽和する。したがって、GK経路を通るグルコースの流れは、血中グルコースの濃度が、炭水化物含有食により空腹時(5mM)から食後(≒10〜15mM)レベルに上昇するにつれて高まる〔Printz, R.G., Magnuson, M.A.,及びGranner, D.K.,「年次総説栄養(Ann. Rev. Nutrition)」, 第13巻(R.E. Olson, D.M. Bier,及びD.B. McCormick編), Annual Review, Inc., Palo Alto, CA, pages 463-496, 1993〕。これらの知見は、GKが、β細胞及び肝細胞におけるグルコースセンサーとして機能するという仮説を10年以上前に導いた(Meglasson, M.D.とMatschinsky, F.M., Amer. J. Physiol. 246, E1-E13, 1984)。ここ数年の間に、トランスジェニック動物における研究により、GKが、全身のグルコースホメオスタシスにおいて実際に決定的に重要な役割を演じることが確認されている。GKを発現しない動物は、重篤な糖尿病により誕生から数日以内に死亡するが、一方GKを過剰発現する動物は、耐糖能が改善されている(Grupe, A., Hultgren, B., Ryan, A.ら、Cell 83, 69-78, 1995;Ferrie, T., Riu, E., Bosch, F.ら、FASEB J., 10, 1213-1218, 1996)。グルコース曝露の上昇は、β細胞のGKを介してインスリン分泌上昇につながり、そして肝細胞のGKを介してグリコーゲン沈着の上昇及び恐らくグルコース産生の低下につながっている。
II型若年発症成人型糖尿病(MODY−2)が、GK遺伝子における機能消失突然変異により引き起こされるという知見は、GKがヒトにおけるグルコースセンサーとしても機能することを示唆する(Liang, Y., Kesavan, P., Wang, L.ら、Biochem. J. 309, 167-173, 1995)。ヒトのグルコース代謝の調節におけるGKの重要な役割を支持する追加的証拠は、酵素活性が増大したGKの変異体を発現する患者の確認により提供された。これらの患者は、血漿インスリン濃度の不適切な上昇と関係した空腹時低血糖を示す(Glaser, B., Kesavan, P., Heyman, M.ら、New England J. Med. 338, 226-230, 1998)。GK遺伝子の突然変異は、II型糖尿病の患者の大多数には見い出されないが、GKを活性化し、これによりGKセンサー系の感受性を増大させる化合物は、それでも全てのII型糖尿病に特徴的な高血糖の治療において有用であろう。グルコキナーゼアクチベーターは、β細胞及び肝細胞におけるグルコース代謝の流れを増大させ、そしてこのことが、インスリン分泌の増大につながるであろう。このような薬剤は、II型糖尿病の治療に有用であろう。
本発明は、式(I-0):
〔式中、
Mは、下記式:
で表され;
Qは、下記式:
で表され;
R1は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり;R2は、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、又はペルフルオロ−メチルであり;R3は、4〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル、又は2−プロピルであり;R5は、ハロゲン、好ましくはCl又はFであり;R6は、ハロゲン、好ましくはCl又はFであり;Wは、O、S又はNHであり;各Yは、独立にCH又はNであり;Zは、−CH2−CH2−CH2−CH2−又は−CH=CR4−CH=CH−(ここで、R4は、水素、ハロ、又は1〜3個の炭素原子を有するアルキルスルホンである)であり;そして点線は、集合的に複素環構造中の0個又は2個の追加の二重結合を表す〕で示されるアミド、又はその薬学的に許容しうる塩を含む化合物を提供する。
好ましい側面において、本発明は、式(Ia):
〔式中、R1は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり;R2は、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、又はペルフルオロ−メチルであり;R3は、4〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル、又は2−プロピルであり;Zは、−CH2−CH2−CH2−CH2−又は−CH=CR4−CH=CH−(ここで、R4は、水素、ハロ、又は1〜3個の炭素原子を有するアルキルスルホンである)であり;そしてWは、O、S又はNHである〕で示されるアミド、又はその薬学的に許容しうる塩;あるいは式(Ib):
〔式中、R3は、4〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル、又は2−プロピルであり;R5は、ハロゲン、好ましくはCl又はFであり;R6は、ハロゲン、好ましくはCl又はFであり;Zは、−CH2−CH2−CH2−CH2−又は−CH=CR4−CH=CH−(ここで、R4は、水素、ハロ、又は1〜3個の炭素原子を有するアルキルスルホンである)であり;そしてWは、O、S又はNHである〕で示されるアミド、又はその薬学的に許容しうる塩;あるいは式(IIa):
〔式中、R1は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり;R2は、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、又はペルフルオロ−メチルであり;R3は、4〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル、又は2−プロピルであり;各Yは、独立にCH又はNであり;点線は、集合的に複素環構造中の0個又は2個の追加の二重結合を表す〕で示されるアミド、又はその薬学的に許容しうる塩;あるいは式(IIb):
〔式中、R3は、4〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル、又は2−プロピルであり;R5は、ハロゲン、好ましくはCl又はFであり;R6は、ハロゲン、好ましくはCl又はFであり;各Yは、独立にCH又はNであり;そして点線は、集合的に複素環構造中の0個又は2個の追加の二重結合を表す〕で示されるアミド、又はその薬学的に許容しうる塩を含む化合物を提供する。
式(I-0)、(Ia)、(Ib)、(IIa)及び(IIb)において、*は、不斉炭素を示す。式(I-0)、(Ia)、(Ib)、(IIa)又は(IIb)の化合物は、ラセミ体として、又は示される不斉炭素で「R」立体配置のいずれかで存在してよい。単離された「R」エナンチオマーである化合物が好ましい。
式(I-0)、(Ia)、(Ib)、(IIa)及び(IIb)の化合物は、インビトロでグルコキナーゼを活性化することが認められている。グルコキナーゼアクチベーターは、II型糖尿病の治療においてインスリン分泌を上昇させるのに有用である。
本発明はまた、式(I-0)の化合物、並びに薬学的に許容しうる担体及び/又は補助剤を含む医薬組成物に関する。更に本発明は、治療活性物質としてのこのような化合物の使用、更にはII型糖尿病の治療又は予防用医薬の製造のためのこれらの使用に関する。本発明は更に、式(I-0)の化合物の製造方法に関する。加えて、本発明は、II型糖尿病の予防的又は治療的処置のための方法に関し、そしてこの方法は、式(I-0)の化合物をヒト又は動物に投与することを特徴とする。
式(I-0)、(Ia)、(Ib)、(IIa)及び(IIb)の好ましい実施態様において、R3は、シクロペンチル基である。
式(I-0)、(IIa)及び(IIb)において、点線は、集合的に複素環中の0個又は2個、好ましくは2個の追加の二重結合を表す。一例として、3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミドでは、複素環中に2個の追加の二重結合が存在する。
式(Ia)及び(IIa)のある好ましいアミドにおいて、R1は、CH3であり、そしてR2は、Hである。このようなアミドの例は、N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオンアミド及び3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミドである。
式(Ia)及び(IIa)の更に別の好ましいアミドにおいて、R1は、SO2CH3であり、そしてR2は、ハロである。このようなアミドの例は、N−ベンゾオキサゾール−2−イル−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド;2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド;及び2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミドである。
式(Ia)及び(IIa)のまた更に別の好ましいアミドにおいて、R1は、CH3であり、そしてR2は、CNである。このようなアミドの例は、N−ベンゾチアゾール−2−イル−2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド;N−ベンゾオキサゾール−2−イル−2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド;N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド;及び2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミドである。
式(Ia)及び(IIa)の更に他の好ましいアミドにおいて、R1は、CH3であり、そしてR2は、CF3である。このようなアミドの例は、3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミド;N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミド;及びN−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミドである。
式(Ia)及び(IIa)のまた更に別の好ましいアミドにおいて、R1は、CH3であり、そしてR2は、NO2である。このようなアミドの例は、N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−プロピオンアミド;N−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−プロピオンアミド;N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−プロピオンアミド;及び3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミドである。
式(Ia)及び(Ib)のあるアミドにおいて、Wは、Oである。このようなアミドの例は、N−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド;及びN−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオンアミドを含む。
式(Ia)及び(Ib)の他のあるアミドにおいて、Wは、Sである。このようなアミドの例は、N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド;N−ベンゾチアゾール−2−イル−2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド;及びN−ベンゾチアゾール−2−イル−2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミドを含む。
式(Ia)及び(Ib)の更に他のアミドにおいて、Wは、NHである。このようなアミドの例は、N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド;及びN−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミドを含む。
式(Ia)及び(Ib)のまた他のアミドにおいて、Zは、−CH=CR4−CH=CH−であり、そしてR4は、ハロ、メチルスルホン又はエチルスルホンである。このようなアミドの例は、3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イル)−プロピオンアミド;及び3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−(6−メタンスルホニル−ベンゾチアゾール−2−イル)−プロピオンアミドを含む。
式(Ib)及び(IIb)のある好ましいアミドにおいて、R5とR6は、両方ともClであるか、又はR5とR6は、両方ともFである。最も好ましくは、R5とR6は、両方ともClである。
式(IIa)及び(IIb)のあるアミドにおいて、両方のYは、CHである。このようなアミドの例は、3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;及び3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミドを含む。
式(IIa)及び(IIb)の他のあるアミドにおいて、少なくとも一方のYは、Nである。
式(IIa)及び(IIb)の更に他のアミドにおいて、点線は、集合的に2個の追加の二重結合を表す。このようなアミドの例は、3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド;及び3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミドを含む。
式(IIa)及び(IIb)のまた他のアミドにおいて、点線は、集合的に0個の追加の二重結合を表す。
式(I-0)、(Ia)、(Ib)、(IIa)及び(IIb)の化合物において、好ましい置換基R3は、4〜7個の炭素原子を有するシクロアルキルであり、シクロペンチルが特に好ましい。式(I-0)、(Ia)及び(IIa)の化合物において、好ましい置換基R1は、メチルである。式(I-0)、(Ib)及び(IIb)の化合物において、好ましい置換基R5及びR6は、クロロである。式(I-0)、(IIa)及び(IIb)の化合物において、好ましい置換基Yは、CHであり、そして点線は、好ましくは集合的に複素環構造中の2個の追加の二重結合を表す。
1つの好ましい実施態様において、式(I-0)の化合物中、
Mは、下記式:
で表され;
Qは、下記式:
で表され;
R1は、メチルであり;R2は、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、又はペルフルオロ−メチルであり;R3は、シクロペンチルであり;R5及びR6は、Clであり;Wは、O、S又はNHであり;各Yは、CHであり;Zは、−CH2−CH2−CH2−CH2−又は−CH=CR4−CH=CH−(ここで、R4は、水素、ハロ、又はメチルスルホニルである)であり;点線は、集合的に複素環構造中の2個の追加の二重結合を表し;そして*は、不斉炭素原子を意味する。
別の好ましい実施態様において、式(Ia)の化合物中、R1は、メチルであり;R2は、水素、ハロ(好ましくはクロロ又はブロモ)、ニトロ、シアノ、又はペルフルオロ−メチルであり;R3は、シクロペンチルであり;Zは、−CH=CR4−CH=CH−(ここで、R4は、水素である)であり;Wは、O、S又はNHであり;そして*は、不斉炭素を意味する。
別の好ましい実施態様において、式(Ib)の化合物中、R3は、シクロペンチルであり;R5及びR6は、Clであり;Zは、−CH2−CH2−CH2−CH2−又は−CH=CR4−CH=CH−(ここで、R4は、水素、ハロ(好ましくはフルオロ)、又はメチルスルホニルである)であり;Wは、O、S又はNHであり;そして*は、不斉炭素を意味する。
別の好ましい実施態様において、式(IIa)の化合物中、R1は、メチルであり;R2は、水素、ハロ(好ましくはクロロ又はブロモ)、ニトロ、シアノ、又はペルフルオロ−メチルであり;R3は、シクロペンチルであり;Yは、CHであり;点線は、集合的に複素環構造中の2個の追加の二重結合を表し;そして*は、不斉炭素原子を意味する。
別の好ましい実施態様において、式(IIb)の化合物中、R3は、シクロペンチルであり;R5及びR6は、Clであり;Yは、CHであり;点線は、集合的に複素環構造中の2個の追加の二重結合を表し;そして*は、不斉炭素原子を意味する。
本発明の好ましい化合物は、下記:
N−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオンアミド、
N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオンアミド、
N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2(R)−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオンアミド、
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオンアミド、
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2(R)−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオンアミド、
N−ベンゾオキサゾール−2−イル−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、
N−ベンゾオキサゾール−2−イル−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、
N−ベンゾチアゾール−2−イル−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、
N−ベンゾチアゾール−2−イル−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、
N−ベンゾオキサゾール−2−イル−2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、
N−ベンゾチアゾール−2−イル−2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、
N−ベンゾオキサゾール−2−イル−2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、
N−ベンゾチアゾール−2−イル−2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、
N−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミド、
N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミド、
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミド、
N−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−プロピオンアミド、
N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−プロピオンアミド、
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−プロピオンアミド、
3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−(4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール−2−イル)−プロピオンアミド、
N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド、
N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド、
3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イル)−プロピオンアミド、
3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−(6−メタンスルホニル−ベンゾチアゾール−2−イル)−プロピオンアミド、
N−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド、
N−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド、
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド、
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド、
3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド、
3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド、
3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド、
3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド、及び
3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド
よりなる群から選択される。
本発明の最も好ましい化合物は、下記:
N−ベンゾチアゾール−2−イル−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、及び
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド
である。
本明細書において使用される「ハロゲン」という用語及び「ハロ」という用語は、他に記載がなければ、4つ全てのハロゲン、即ち、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を表す。好ましいハロゲンは、塩素である。
本出願全体を通して使用される「低級アルキル」という用語は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、好ましくはメチルのような、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜3個の炭素原子を有する、直鎖及び分岐鎖アルキル基の両方を含む。
本明細書において使用される「アリール」という用語は、非置換であっても、又は1つ以上の位置でハロゲン、ニトロ、低級アルキル、若しくは低級アルコキシ置換基で置換されていてもよい、フェニル、トリルなどのような、アリール単核芳香族炭化水素基、並びに非置換であっても、又は1つ以上の上述の基で置換されていてもよい、ナフチル、アントリル、及びフェナントリルのような、多核アリール基を意味する。好ましいアリール基は、置換及び非置換の単核アリール基、特にフェニルである。
本明細書において使用される「低級アルコキシ」という用語は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、好ましくはメトキシ及びエトキシのような、1〜7個の炭素原子を有する、直鎖及び分岐鎖アルコキシ基の両方を含む。
本明細書において使用される「低級アルカン酸」という用語は、プロピオン酸、酢酸などのような、2〜7個の炭素原子を含む、低級アルカン酸を意味する。
「アロイル」という用語は、COOH部分の水素基が脱離されている、アリールが、前記と同義である、芳香族酸を意味する。好ましいアロイル基には、ベンゾイルがある。
本明細書において使用される「低級アルキルチオ」は、チオ基が、分子の残部に結合している、上記と同義の低級アルキル基を意味する。
本明細書において使用される「低級アルキルスルホニル」は、スルホニル基が、分子の残部に結合している、上記と同義の低級アルキル基を意味する。
本明細書において使用される「シクロアルキル」は、3〜10個の炭素原子、好ましくは3〜7個の炭素原子を有する、飽和炭化水素環を意味する。好ましいシクロアルキルは、シクロペンチルである。
本明細書において使用される「低級アルコキシ」という用語は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、好ましくはメトキシ及びエトキシのような、1〜7個の炭素原子を有する、直鎖及び分岐鎖アルコキシ基の両方を含む。
反応の進行中に、遊離カルボン酸又はヒドロキシ基のような、種々の官能基は、従来の加水分解性エステル又はエーテル保護基を介して保護される。本明細書において使用される「加水分解性エステル又はエーテル保護基」という用語は、カルボン酸又はアルコールを保護するために従来から使用される、加水分解により、それぞれヒドロキシル又はカルボキシル基を生成させることができる、任意のエステル又はエーテルを表す。このような目的に有用な、典型的なエステル基は、アシル部分が、低級アルカン酸、アリール低級アルカン酸、又は低級アルカンジカルボン酸から誘導されているものである。このような基を生成させるために利用できる活性化酸には、アリール又は低級アルカン酸から誘導される、酸無水物、酸ハロゲン化物、好ましくは酸塩化物又は酸臭化物がある。無水物の例は、無水酢酸、安息香酸無水物のようなモノカルボン酸から誘導された無水物、並びに低級アルカンジカルボン酸無水物、例えば、無水コハク酸、更にはクロロギ酸エステル(例えば、トリクロロギ酸エステル及びクロロギ酸エチルが好ましい)である。アルコールのための適切なエーテル保護基は、例えば、4−メトキシ−5,6−ジヒドロキシ−2H−ピラニルエーテルのような、テトラヒドロピラニルエーテルである。他には、ベンジル、ベンズヒドリル若しくはトリチルエーテルのようなアロイルメチルエーテル、又はα−低級アルコキシ低級アルキルエーテル(例えば、メトキシメチル)又はアリルエーテル又はトリメチルシリルエーテルのようなアルキルシリルエーテルがある。
「アミノ保護基」という用語は、開裂して遊離アミノ基を生成することができる、任意の従来のアミノ保護基を表す。好ましい保護基は、ペプチド合成において利用されている従来のアミノ保護基である。特に好ましいのは、約pH2.0〜3の弱酸性条件下で開裂しうるアミノ保護基である。殊に好ましいアミノ保護基は、t−ブチルカルバマート(BOC)、ベンジルカルバマート(CBZ)、及び9−フルオレニルメチルカルバマート(FMOC)である。
本明細書において使用される「薬学的に許容しうる塩」という用語は、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸などのような、無機又は有機両方の薬学的に許容しうる酸との任意の塩を含む。「薬学的に許容しうる塩」という用語はまた、アミン塩、トリアルキルアミン塩などのような、任意の薬学的に許容しうる塩基塩を含む。このような塩は、標準法を用いて当業者には全く容易に生成させることができる。
式(Ia)、(Ib)、(IIa)及び(IIb)の化合物は、式(V)の化合物から出発して、以下の反応スキームにより調製することができる:
ここで、R11は、Cl、F又は1〜3個の炭素原子のアルキルスルホンであり、そしてR11が、Cl又はFであるとき、R12は、Cl又はFであり、そしてR11が、アルキルスルホンであるとき、R12は、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、又はペルフルオロ−メチルであり;R3、W及びYは、上記と同義であり、点線は、複素環中の0個又は2個の追加の二重結合を表し、点線が、0個の追加の二重結合を表すとき、R14は、水素であり、そして点線が、2個の追加の二重結合を表すとき、R14は、水素、ハロ、又は1〜3個の炭素原子を有するアルキルスルホンであり、R15は、加水分解性エステル基であり、そしてXは、ハロゲン原子、好ましくはBr又はIである。
R12が、水素であり、そしてR11が、メルカプト(4−メルカプトフェニル酢酸)、メチルチオ(4−メチルチオフェニル酢酸)、又はメチルスルホニル(4−メチルスルホニルフェニル酢酸)である、式(V)のカルボン酸は、既知である。R11とR12の両方が、クロロ又はフルオロ(それぞれ、3,4−ジクロロフェニル酢酸及び3,4−ジフルオロフェニル酢酸)である、式(V)のカルボン酸は、既知である。R11が、フルオロであり、そしてR12が、クロロである、式(V)のカルボン酸(3−クロロ−4−フルオロフェニル酢酸)もまた、既知である。R11及びR12の目的の置換を生成させるために更に化学修飾が必要であれば、カルボン酸は、任意の従来からのエステル化方法を用いて、低級アルキルアルコールの対応するエステルに変換することができる。
後述の全ての反応は、式(VI)又は(VIII)のカルボン酸の低級アルキルエステルに行われることになるか、あるいは式(V)又は(IX)のカルボン酸自体に行ってもよい。
R11が、クロロであり、そしてR12がフルオロである、式(V)の化合物を製造したいならば、市販の4−クロロ−3−フルオロ安息香酸を出発物質として使用することができる。この反応手順において、4−クロロ−3−フルオロ安息香酸は、最初に対応する塩化アシルに変換される。塩化アシルにカルボン酸を変換する任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる。この塩化アシルは次に、ハロゲン化アシルを、炭素が1個追加されたカルボン酸に変換するアルント−アイシュテルト(Arndt-Eistert)合成により、対応する4−クロロ−3−フルオロフェニル酢酸に変換する(例えば、Skeean, R.W.; Goel, O.P., Synthesis 1990, 628を参照のこと)。
R12が、水素であり、そしてR11が、低級アルキルスルホニルである、式(V)の化合物を製造したいならば、既知の4−メルカプトフェニル酢酸を出発物質として使用することができる。R12が、水素であり、そしてR11が、メルカプトである、式(V)の化合物は、従来法により(例えば、ハロゲン化アルキルで)式(V)の対応する低級アルキルチオ化合物にアルキル化することができる。この低級アルキルチオ化合物は次に、酸化により式(V)の対応する低級アルキルスルホニル化合物に変換することができる。アルキルチオ置換基を対応するスルホン基に酸化するための任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる。
これに対して、R12が、トリフルオロメチルであり、そしてR11が、低級アルキルスルホニルである、式(V)の化合物を製造したいならば、既知の4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸を出発物質として使用することができる。この反応において、低級アルキルチオールによる芳香族フッ素基の求核置換の任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる(例えば、Boswell, G.E.; Licause, J.F., J. Org. Chem. 1995, 6592;Sheikh, Y.M.ら、J. Org. Chem. 1982, 4341;Brown, F.C.ら、J. Org. Chem. 1961, 4707を参照のこと)。一旦、R12が、トリフルオロメチルであり、そしてR11が、低級アルキルチオである、式(V)の化合物が入手できれば、従来の酸化方法を用いて、これらを、R12が、トリフルオロメチルであり、そしてR11が、低級アルキルスルホニルである、対応する式(V)の化合物に変換することができる。
R12が、ブロモであり、そしてR11が、低級アルキルスルホニルである、式(V)の化合物を製造したいならば、上述のように製造される、R12が、水素であり、そしてR11が、低級アルキルチオである、化合物を出発物質として使用することができる。R12が、水素であり、そしてR11が、低級アルキルチオである、式(V)のフェニル酢酸誘導体は、臭素化することができる。芳香族臭素化の任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる(例えば、Wrobel, J. ら、J. Med. Chem. 1989, 2493を参照のこと)。一旦、R12が、ブロモであり、そしてR11が、低級アルキルチオである、式(V)の化合物が入手できれば、酸化により、これらを、R12が、ブロモであり、そしてR11が、低級アルキルスルホニルである、対応する式(V)の化合物に変換することができる。アルキルチオ置換基を対応するスルホン基に酸化する任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる。
これに対して、R12が、ニトロであり、そしてR11が、低級アルキルスルホニルである、式(V)又は(VI)の化合物を製造したいならば、既知の4−クロロ−3−ニトロフェニルアセトアミドを出発物質として使用することができる。この反応手順において、第1級カルボキサミドをカルボン酸又はカルボン酸エステルに変換する任意の従来法を使用して、この変換を行うことができる(例えば、Greenlee, W.J.; Thorsett, E.D., J. Org. Chem., 1981, 5351を参照のこと)。これらの化合物は次に、R12が、ニトロであり、そしてR11が、低級アルキルチオである、式(V)又は(VI)の化合物に変換することができる。低級アルキルチオールによる芳香族塩素基の求核置換の任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる(例えば、Testaferri, L.ら、Synthesis 1983, 751を参照のこと)。一旦、R12が、ニトロであり、そしてR11が、低級アルキルチオである、式(V)又は(VI)の化合物が入手できれば、酸化により、これらを、R12が、ニトロであり、そしてR11が、低級アルキルスルホニルである、対応する式(V)又は(VI)の化合物に変換することができる。アルキルチオ置換基を対応するスルホン基に酸化する任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる。これに対して、R12が、ニトロであり、そしてR11が、クロロである、式(V)又は(VI)の化合物から、R12が、ニトロであり、そしてR11が、低級アルキルスルホニルである、式(V)又は(VI)の化合物を直接製造したいならば、低級アルカンスルフィナート(メタンスルフィン酸ナトリウムなど)による芳香族塩素基の求核置換の任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる(例えば、Ulman, A.; Urankar, E., J. Org. Chem., 1989, 4691を参照のこと)。
R12が、クロロであり、そしてR11が、低級アルキルスルホニルである、式(V)の化合物を製造したいならば、既知の2−クロロチオフェノールを出発物質として使用することができる。この反応手順において、メルカプト基は、従来法により(例えば、ハロゲン化低級アルキルで)、対応する2−クロロ−1−低級アルキルチオベンゼンにアルキル化することができる。次にこれらの化合物は、対応する3−クロロ−4−(低級アルキルチオ)−フェニル酢酸に変換することができる。最初に、2−クロロ−1−低級アルキルチオベンゼンは、塩化(低級アルキル)オキサリル(例えば、塩化メチルオキサリル又は塩化エチルオキサリルなど)で、フリーデル−クラフツ(Friedel-Crafts)アシル化法でアシル化することにより、低級アルキルチオ官能基に対してパラ位のベータ−ケトカルボン酸エステルを生成させる。このベータ−ケトカルボン酸エステルは次に、ベータ−ケトカルボン酸エステルをベータ−ケトカルボン酸に変換するための任意の従来法により、加水分解する。生じたベータ−ケトカルボン酸のウォルフ−キシュナー(Wolff-Kishner)還元により、R12が、クロロであり、そしてR11が、低級アルキルチオである、式(V)の化合物が生成するだろう(例えば、類似の反応手順に関するLevine, S.D., J. Med. Chem. 1972, 1029を参照のこと)。次にこの低級アルキルチオ化合物は、酸化により、対応する式(V)の低級アルキルスルホニル化合物に変換することができる。アルキルチオ置換基を対応するスルホン基に酸化する任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる。
これに対して、R12が、シアノであり、そしてR11が、低級アルキルスルホニルである、式(V)の化合物を製造したいならば、これらの化合物は、R12が、ブロモであり、そしてR11が、低級アルキルスルホニルである化合物から、前述されたように調製することができる。シアノ基転移剤〔シアン化銅(I)など〕による芳香族臭素基の求核置換の任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる。この変換は、式(V)の化合物を式(I)及び(II)の化合物に変換する前又は後のいずれかに行うことができる。
R12が、フルオロであり、そしてR11が、低級アルキルスルホニルである、式(V)の化合物を製造したいならば、これらの化合物は、R12が、ニトロであり、そしてR11が、低級アルキルスルホニルである化合物から、前述されたように調製することができる。最初に芳香族ニトロ置換基を、芳香族アミノ基に変換する。ニトロ基をアミンに還元する任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる。次にアミノ基を、フッ素基に変換することにより、R12が、フルオロであり、そしてR11が、低級アルキルスルホニルである、式(V)の化合物を製造することができる。芳香族アミノ基を芳香族フッ素基に変換する任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる(例えば、Milner, D.J., Synthetic Commun. 1992, 73; Fukuhara, T.ら、J. Fluorine Chem. 1991, 299を参照のこと)。この変換は、式(V)の化合物を式(I)又は(II)の化合物に変換する前又は後のいずれかに行うことができる。
式(VII)のハロゲン化アルキルを用いるアルキル化反応には、式(V)のカルボン酸を直接アルキル化するか、又は最初に任意の従来のエステル化法を用いて対応する式(VI)の低級アルキルアルコールのエステルに変換し、次にアルキル化することができる。反応スキームのアルキル化工程において、式(VII)のハロゲン化アルキルを式(V)の化合物と反応させることにより、式(IX)の化合物を製造するか、又は式(VI)の化合物と反応させることにより、式(VIII)の化合物を製造する。式(V)及び(VI)の化合物は、有機酸及びアルファ炭素原子を有する有機酸誘導体を表し、そして式(VII)の化合物は、ハロゲン化アルキルであるため、アルキル化は、このカルボン酸のアルファ炭素原子で起こる。この反応は、カルボン酸又はカルボン酸の低級アルキルエステルのアルファ炭素原子のアルキル化の任意の従来法により行われる。一般に、これらのアルキル化反応において、ハロゲン化アルキルは、酢酸のジアニオン又は酢酸エステルから生成したアニオンと反応する。このアニオンは、リチウムジイソプロピルアミド及びn−ブチルリチウム更には他の有機リチウム塩基のような強有機塩基を用いることにより生成させることができる。この反応を実施する際、テトラヒドロフランのような低沸点エーテル溶媒が低温(−80℃〜約−10℃が好ましい)で利用される。しかしながら−80℃〜室温の任意の温度を使用することができる。
式(VIII)の化合物は、カルボン酸エステルを酸に変換するための任意の従来法により、式(IX)の化合物に変換することができる。式(IX)の化合物は、従来のペプチドカップリング法で、式(X)又は(XI)の化合物と縮合させることにより、それぞれ式(I)又は(II)の化合物が生成する。この反応を実施する際、第1級アミンをカルボン酸と縮合させる任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる。
式(X)のアミンは、6個の環員を含む芳香環に縮合しているか、又は飽和6員シクロアルキル環に縮合している、5員ヘテロ芳香環である。この5員ヘテロ芳香環は、酸素、硫黄、又は窒素よりなる群から選択される2個のヘテロ原子を含み、そして環炭素により式(I)に示されるアミド基のアミンに結合している。この5員ヘテロ芳香環は、結合環炭素原子に隣接した第1の窒素ヘテロ原子を含み、そしてWにより定義される他のヘテロ原子は、硫黄、酸素又は窒素であってよい。縮合点にはヘテロ原子が存在しない。式(X)により定義される、このような5員複素芳香縮合環は、例えば、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、及びテトラヒドロベンゾチアゾールを含む。これらのヘテロ芳香環は、環炭素原子を介してアミド基に結合することにより、式(I)のアミドを形成している。アミド結合を介して結合することにより、式(I)の化合物を形成しているヘテロ芳香環の環炭素原子は、置換基を含んでいることはない。
式(XI)のアミンは、6個の環員を含む芳香環に縮合しているか、又は飽和6員シクロアルキル環に縮合している、6員ヘテロ芳香環である。この6員ヘテロ芳香環は、1〜3個の窒素ヘテロ原子を含み、そして環炭素により式(II)に示されるアミド基のアミンに結合している。この6員ヘテロ芳香環は、結合環炭素原子に隣接した第1の窒素ヘテロ原子を含み、そして存在するならば、Yは、他の窒素ヘテロ原子の位置を定義する。縮合点にはヘテロ原子が存在しない。式(XI)により定義される、このような6員ヘテロ芳香族縮合環は、例えば、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、ベンゾトリアジン、及びテトラヒドロキノリンを含む。これらのヘテロ芳香環は、環炭素原子を介してアミド基に結合することにより、式(II)のアミドを形成している。アミド結合を介して結合することにより、式(II)の化合物を形成しているヘテロ芳香環の環炭素原子は、置換基を含んでいることはない。
式(X)及び(XI)の必要なアミノヘテロ芳香族化合物は、市販されているか、又は報告文献から調製することができる。
式(I)及び(II)の化合物は、不斉炭素原子を有しており、これによって−CH2R3基と酸アミド置換基が結合されている。本発明では、この基の好ましい立体配置は、Rである。
式(I)及び(II)の化合物のR又はS異性体を製造したいならば、これらの化合物は、任意の従来の化学的手段により、目的の異性体として単離することができる。好ましい化学的手段は、式(V)のフェニル酢酸の不斉アルキル化のためのキラル補助剤としてのプソイドエフェドリンの使用である(例えば、Myers, A.G.ら、J. Am. Chem. Soc. 1997, 6496 を参照のこと)。式(IX)の目的のR酸を生成するには、R12が、低級アルキルチオであり、そしてR11が、上記と同義である、式(V)の化合物は最初に、プソイドエフェドリンの目的のエナンチオマーとして1R,2R−(−)−プソイドエフェドリンを使用して、プソイドエフェドリンアミドに変換する。カルボン酸をカルボキサミドに変換する任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる。プソイドエフェドリンアミドは、ハロゲン化アルキルでの高度にジアステレオ選択的なアルキル化を受けることにより、式(IX)に対応するα置換アミド生成物を与えることができる。このようなジアステレオマー高濃縮アミドは、カルボキサミドをカルボン酸に変換するための従来の酸性加水分解法により、R12が、低級アルキルチオであり、そしてR11が、上記と同義である、式(IX)のエナンチオマー高濃縮Rカルボン酸に変換することができる。R12が、低級アルキルチオであり、そしてR11が、上記と同義である、これらの式(IX)のRカルボン酸は、R12が、低級アルキルチオであり、そしてR11が、上記と同義である、式(I)及び(II)のR異性体に変換することができる。この反応を実施する際に、第1級アミンをカルボン酸と縮合する任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる。R12が、低級アルキルチオであり、そしてR11が、上記と同義である、式(I)及び(II)の化合物が一旦入手できれば、これらは、酸化により、R12が、低級アルキルスルホニルであり、そしてR11が、上記と同義である、対応する式(I)及び(II)のR化合物に変換することができる。アルキルチオ置換基を対応するスルホン基に酸化する任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる。
これに対して、R12が、低級アルキルチオであり、そしてR11が、上記と同義である、式(IX)のRカルボン酸は、最初に、R12が、低級アルキルスルホニルであり、そしてR11が、上記と同義である、式(IX)のR化合物に酸化することができる。アルキルチオ置換基を対応するスルホン基に酸化する任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる。次にこれらの化合物は、R12が、低級アルキルスルホニルであり、そしてR11が、上記と同義である、対応する式(I)及び(II)のR化合物に変換することができる。この反応を実施する際、ラセミ化を伴わず、第1級アミンをカルボン酸と縮合する任意の従来法を利用して、この変換を行うことができる。
式(I)又は(II)の化合物のR又はS異性体を生成するための別の化学的手段は、式(IX)の化合物を光学活性塩基と反応させることである。任意の従来の光学活性塩基を利用して、この分割を行うことができる。好ましい光学活性塩基には、アルファ−メチルベンジルアミン、キニン、デヒドロアビエチルアミン及びアルファ−メチルナフチルアミンのような、光学活性塩基がある。この反応を行う際、光学活性有機アミン塩基で有機酸を分割するのに利用される任意の従来法を利用することができる。分割工程において、式(IX)の化合物は、不活性有機溶媒中で光学活性塩基と反応させることにより、式(IX)の化合物のR及びS異性体両方との光学活性アミンの塩が生成する。これらの塩の形成において、温度と圧力は、決定的に重要ではなく、そして塩形成は、室温及び大気圧で行うことができる。R及びS塩は、分別結晶化のような任意の従来法により分離することができる。結晶化後、それぞれの塩は、酸での加水分解により、R及びS立体配置の式(IX)のそれぞれの化合物に変換することができる。好ましい酸には、硫酸水溶液又は塩酸水溶液のような、希酸水溶液、即ち、約0.001N〜2Nの酸水溶液がある。この分割の方法により生成する式(IX)の立体配置は、全反応スキームを通じて維持されて、式(I)及び(II)の目的のR又はS異性体が生成する。
式(IX)の化合物のラセミ体の分割はまた、対応するジアステレオマーエステル又はアミドの形成を介して達成することができる。これらのジアステレオマーエステル又はアミドは、式(IX)のカルボン酸をキラルアルコール又はキラルアミンとカップリングすることにより調製することができる。この反応は、カルボン酸をアルコール又はアミンとカップリングする任意の従来法を用いて行うことができる。対応する式(IX)の化合物のジアステレオマーは、次に任意の従来の分離法を用いて分離することができる。生じた純粋なジアステレオマーエステル又はアミドを、次に加水分解することにより、対応する純粋なR又はS異性体が得られる。この加水分解反応は、従来からの既知方法を用いて行うことにより、ラセミ化を伴わずにエステル又はアミドを加水分解することができる。最後に、R及びS異性体の分離はまた、式(IX)の化合物に対応する、任意の低級アルキルエステルの酵素的エステル加水分解を用いて達成することができ(例えば、Ahmar, M.; Girard, C.; Bloch, R., Tetrahedron Lett., 1989, 7053を参照のこと)、そしてこれによって、対応するキラル酸及びキラルエステルの形成が起こる。このエステル及び酸は、酸をエステルから分離する任意の従来法によって分離することができる。この分割の方法により生成する式(IX)の立体配置は、全反応スキームを通じて維持されて、式(I)及び(II)の目的のR又はS異性体が生成する。
実施例に記述される化合物を含む、式(Ia)、(Ib)、(IIa)及び(IIb)の全ての化合物は、生物学的活性の実施例Aの手順により、インビトロでグルコキナーゼを活性化する。このように、これらは、グルコース代謝の流れを増大させ、そしてこれによってインスリン分泌を増大させる。したがって、式(Ia)、(Ib)、(IIa)及び(IIb)の化合物は、インスリン分泌を増大させるのに有用なグルコキナーゼアクチベーターである。
以下の化合物を試験したが、これらは、生物学的活性の実施例Bに記載される検定法により、経口投与されるとインビボの優れたグルコキナーゼアクチベーター活性を持つことが見い出された:
N−ベンゾチアゾール−2−イル−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド。
これらのグルコキナーゼを活性化する能力に基づき、上記式(I-0)の化合物は、II型糖尿病の処置用医薬として使用することができる。したがって、前述されたように、式(I-0)の化合物を含む医薬もまた、本発明の目的であり、同様にこのような医薬の製造法(1つ以上の式(I-0)の化合物、及び必要ならば、1つ以上の他の治療上有用な物質を、例えば、式(I-0)の化合物を薬学的に許容しうる担体及び/又は補助剤と合わせることにより、製剤投与剤形にすることを特徴とする)もまた目的の1つである。
本医薬組成物は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬又は軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与することができる。投与はまた、例えば、坐剤を使用して直腸内に;例えば、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤又は液剤を使用して、局所又は経皮的に;あるいは、例えば、注射液剤を使用して、非経口的に(例えば、静脈内、筋肉内、皮下、髄腔内又は経皮的に)行うことができる。更には、投与は、舌下に、又は例えばスプレーの剤形でエーロゾルとして行うことができる。錠剤、コーティング錠、糖衣錠又は硬ゼラチンカプセル剤の調製には、本発明の化合物は、薬学的に不活性な無機又は有機賦形剤と混合してもよい。錠剤、糖衣錠又は硬ゼラチンカプセル剤に適した賦形剤の例は、乳糖、トウモロコシデンプン若しくはその誘導体、タルク又はステアリン酸若しくはその塩を含む。軟ゼラチンカプセル剤と共に使用するのに適した賦形剤は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体又は液体ポリオールなどを含む;しかし活性成分の性質により、軟ゼラチンカプセル剤には賦形剤を全然必要としない場合もある。液剤及びシロップ剤の調製には、使用しうる賦形剤は、例えば、水、ポリオール、サッカロース、転化糖及びブドウ糖を含む。注射液剤には、使用しうる賦形剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセリン、及び植物油を含む。坐剤に、及び局所又は経皮適用には、使用しうる賦形剤は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪及び半固体又は液体ポリオールを含む。本医薬組成物はまた、保存料、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、着臭剤、浸透圧の変化のための塩、緩衝剤、コーティング剤又は酸化防止剤を含んでもよい。前述されたように、これらはまた、他の治療上有用な物質を含んでもよい。製剤の製造において使用される全ての補助剤が非毒性であることは、必須である。
好ましい使用の形態は、静脈内、筋肉内又は経口投与であり、最も好ましいのは、経口投与である。式(I-0)の化合物が有効量で投与される用量は、特定の活性成分の性質、患者の年齢及び要求、並びに適用の様式に依存する。一般には、約1〜100mg/kg体重/日の用量が検討される。
本発明は、以下の実施例により更に理解が深まるが、これら実施例は、説明の目的で存在するのであって、本明細書に後述される請求の範囲に定義される本発明を限定するものではない。
合成実施例
実施例1
3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−(4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール−2−イル)−プロピオンアミド
塩化メチレン(160mL)中のトリフェニルホスフィン(28.80g、109.8mmol)及びイミダゾール(14.9g、219.6mmol)の溶液を0℃に冷却し、次にヨウ素(27.87g、109.8mmol)でゆっくり処理した。次に反応混合物を、塩化メチレン(10mL)中のシクロペンチルメタノール(10.0g、99.8mmol)の溶液で滴下により処理した。生じた反応混合物が25℃まで温まるのを待って、そこで4時間撹拌した。次にこの反応混合物を水(50mL)で希釈して、反応混合物を更に塩化メチレン(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空で25℃で濃縮した。生じた固体をペンタン(4×50mL)で洗浄して、シリカゲルプラグにより濾過した。濾液を真空で25℃で濃縮することにより、ヨードメチルシクロペンタン(18.48g、88%)を清澄な無色の液体として得た:EI−HRMS m/e C6H11I(M+)の計算値209.9906、実測値209.9911。
テトラヒドロフラン(250mL)中のジイソプロピルアミン(13.36mL、101.89mmol)の溶液を窒素雰囲気下で−78℃に冷却し、次にヘキサン中n−ブチルリチウムの2.0M溶液(51mL、101.89mmol)で処理した。反応混合物を−78℃で15分間撹拌し、このときテトラヒドロフラン(60mL)及びヘキサメチルホスホルアミド(20mL)中の3,4−ジクロロフェニル酢酸(9.08g、44.3mmol)の溶液をカニューレを介してゆっくり加えた。この鮮黄色の溶液を−78℃で1時間撹拌させておき、ここでヘキサメチルホスホルアミド(10mL)中のヨードメチルシクロペンタン(11.17g、53.2mmol)の溶液をカニューレを介して加えた。反応混合物を−78℃で1時間撹拌した。次に反応混合物が25℃まで温まるのを待って、14時間撹拌した。次に反応混合物を、1N塩酸水溶液の滴下によりpH=2まで酸性にして、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、クロロホルム、次いで99/1のクロロホルム/メタノール)によって、3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−プロピオン酸(10.28g、81%)を白色の固体として得た:融点74.5〜76.9℃;EI−HRMS m/e C14H16Cl2O2(M+)の計算値286.0527、実測値286.0534。
無水N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中の3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−プロピオン酸(50mg、0.17mmol)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(83mg、0.19mmol)、トリエチルアミン(0.048mL、0.34mmol)、及び2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチアゾール(40mg、0.26mmol)の溶液を25℃で14時間撹拌した。次に反応混合物を水及び酢酸エチルで希釈して、層を分離した。有機層を順に1N塩酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液、及び水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、1/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−(4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール−2−イル)−プロピオンアミド(56mg、79%)を白色の固体として得た:融点170〜171℃;EI−HRMS m/e C21H24Cl2N2OS(M+)の計算値422.0986、実測値422.0982。
実施例2
N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド
0℃に冷却した塩化メチレン(2.5mL)中の3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−プロピオン酸(実施例1と同様に調製、0.133g、0.465mmol)の溶液を、塩化メチレン中の塩化オキサリルの2M溶液(0.3mL、1.0mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(1滴)で処理した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次に塩化メチレン(2.5mL)中の2−アミノベンゾチアゾール(0.087g、0.58mmol)の溶液で処理し、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.2mL、2.14mmol)で処理した。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次に反応混合物を水(10mL)で希釈して、塩化メチレン(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を順に水(1×10mL)、1N水酸化ナトリウム水溶液(1×10mL)、1N塩酸水溶液(1×10mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、80/20のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド(0.082g、42%)を白色の固体として得た:融点104〜105℃;EI−HRMS m/e C21H20Cl2N2OS(M+)の計算値418.0673、実測値418.0674。
実施例3
N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド
−78℃に冷却したテトラヒドロフラン(150mL)中の3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオン酸(実施例1と同様に調製、5.00g、17.4mmol)の溶液を、トリエチルアミン(2.77mL、19.9mmol)、続いて塩化トリメチルアセチル(2.24mL、18.2mmol)で処理した。生じた白色のスラリーを−78℃で15分間撹拌し、次に0℃で45分間撹拌した。別のフラスコで、−78℃に冷却したテトラヒドロフラン(80mL)中の(S)−4−イソプロピル−2−オキサゾリジノン(2.14g、16.57mmol)の溶液を、ヘキサン中n−ブチルリチウムの2.0M溶液(8.7mL、17.4mmol)で処理した。この溶液を−78℃で10分間撹拌し、次に25℃まで温まるのを待って、更に10分間撹拌した。ここで、第1の反応混合物を−78℃に再冷却した。第2の反応混合物を、第1の反応混合物にカニューレを介して5分かけて加えた。合わせた反応液を次に−78℃で15分間撹拌し、次いで25℃まで温まるのを待って、更に1.5時間撹拌した。ここで、飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液(50mL)の添加により、反応をクエンチして、酢酸エチル(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×20mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×20mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、85/15のヘキサン/酢酸エチル)によって、2つの生成物:(1)3−〔3−シクロペンチル−2(S)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオニル〕−4(S)−イソプロピル−オキサゾリジン−2−オン(2.15g、33%)を清澄な油状物として:〔α〕23 589=+87.5°(c=0.160、クロロホルム);EI−HRMS m/e C20H25Cl2NO3(M+)の計算値397.1211、実測値397.1215;及び(2)3−〔3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオニル〕−4(S)−イソプロピル−オキサゾリジン−2−オン(1.88g、28%)を白色の固体として得た:融点71.9〜74.6℃;〔α〕23 589=−27.6°(c=0.188、クロロホルム);EI−HRMS m/e C20H25Cl2NO3(M+)の計算値397.1211、実測値397.1212。
0℃に冷却したテトラヒドロフラン(73mL)及び水(22mL)中の3−〔3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオニル〕−4(S)−イソプロピル−オキサゾリジン−2−オン(1.88g、4.72mmol)の溶液を、30%過酸化水素水溶液(2.1mL)及び水酸化リチウム(394mg、9.4mmol)で処理した。反応液を0℃で1時間撹拌した。ここで、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(16mL)で反応をクエンチし、続いて0.5N重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)を加えた。次にテトラヒドロフランを真空で除去した。残渣を水(40mL)で希釈して、塩化メチレン(3×20mL)で抽出した。次に水層を、5N塩酸水溶液でpH=2まで酸性にして、酢酸エチル(4×25mL)で抽出した。合わせた有機層を次に硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮することにより、3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオン酸(928mg、70%)を白色の固体として得た:融点75.1〜78.3℃;〔α〕23 589=−50.3°(c=0.100、クロロホルム);EI−HRMS m/e C14H16Cl2O2(M+)の計算値286.0527、実測値286.0535。
塩化メチレン(6mL)中のトリフェニルホスフィン(274mg、1.04mmol)の溶液を0℃に冷却し、次にN−ブロモスクシンイミド(211mg、1.18mmol)で処理した。生じた帯褐紫色の混合物を、反応混合物が均質になるまで、0℃で5分間撹拌した。次に反応混合物を3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオン酸(200mg、0.70mmol)で処理した。生じた反応混合物を0℃で20分間撹拌し、次に25℃まで温まるのを待って、30分間撹拌した。次いで反応混合物を2−アミノベンゾチアゾール(157mg、1.04mmol)及びピリジン(0.17mL、2.09mmol)で処理して、この反応混合物を25℃で20時間撹拌させておいた。生じた反応混合物を水(15mL)で希釈し、次に塩化メチレン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、85/15のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド(221mg、76%)を黄色の泡状物として得た:〔α〕23 589=−42.4°(c=0.092、クロロホルム);EI−HRMS m/e C21H20Cl2N2OS(M+)の計算値418.0673、実測値418.0672。
実施例4
3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イル)−プロピオンアミド
0℃に冷却した塩化メチレン(3.3mL)中の3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−プロピオン酸(実施例1と同様に調製、95.6mg、0.33mmol)の溶液を、塩化メチレン中の塩化オキサリルの2M溶液(0.18mL、0.36mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド数滴で処理した。この反応混合物を0℃で15分間、及び25℃で30分間撹拌した。次に反応混合物をテトラヒドロフラン(1.7mL)中の6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミン(123mg、0.73mmol)の溶液及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.14mL、0.79mmol)で処理した。この溶液を25℃で18時間撹拌した。ここで、反応液を真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、75/25のヘキサン/酢酸エチル)によって、3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イル)−プロピオンアミド(138.4mg、95%)を白色の固体として得た:融点131〜133℃;FAB−HRMS m/e C21H19FCl2N2OS(M+H)+の計算値437.0657、実測値437.0665。
実施例5
3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−(6−メタンスルホニル−ベンゾチアゾール−2−イル)−プロピオンアミド
25℃の塩化メチレン(15mL)中の3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−プロピオン酸(実施例1と同様に調製、0.213g、0.74mmol)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(0.434g、0.98mmol)、及び2−アミノ−6−メタンスルホニルベンゾチアゾール(0.219g、0.96mmol)の溶液を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.45mL、4.88mmol)で処理した。この反応混合物を25℃で14時間撹拌した。次に反応混合物を水(10mL)で希釈して、塩化メチレン(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を順に水(1×10mL)、1N水酸化ナトリウム水溶液(1×10mL)、1N塩酸水溶液(1×10mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、80/20のヘキサン/酢酸エチル)によって、3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−(6−メタンスルホニル−ベンゾチアゾール−2−イル)−プロピオンアミド(0.296g、80%)を白色の固体として得た。
実施例6
N−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド
塩化メチレン(6mL)中のトリフェニルホスフィン(274mg、1.04mmol)の溶液を0℃に冷却し、次にN−ブロモスクシンイミド(211mg、1.18mmol)で処理した。生じた帯褐紫色の混合物を、反応混合物が均質になるまで、0℃で5分間撹拌した。次にこの反応混合物を3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオン酸(実施例1と同様に調製、200mg、0.70mmol)で処理した。反応混合物を0℃で20分間撹拌し、次いで25℃に温まるのを待って30分間撹拌した。次に反応混合物を2−アミノベンゾオキサゾール(140mg、1.04mmol)及びピリジン(0.17mL、2.09mmol)で処理して、反応混合物を25℃で20時間撹拌させておいた。生じた反応混合物は、水(15mL)で希釈し、次に塩化メチレン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、80/20のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド(214mg、76%)を明黄色の泡状物として得た:EI−HRMS m/e C21H20Cl2N2O2(M+)の計算値402.0902、実測値402.0908。
実施例7
N−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド
塩化メチレン(6mL)中のトリフェニルホスフィン(274mg、1.04mmol)の溶液を0℃に冷却し、次にN−ブロモスクシンイミド(211mg、1.18mmol)で処理した。生じた帯褐紫色の混合物を、反応混合物が均質になるまで、0℃で5分間撹拌した。次にこの反応混合物を3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオン酸(実施例3と同様に調製、200mg、0.70mmol)で処理した。反応混合物を0℃で20分間撹拌し、次いで25℃に温まるのを待って30分間撹拌した。次に反応混合物を2−アミノベンゾオキサゾール(140mg、1.04mmol)及びピリジン(0.17mL、2.09mmol)で処理して、反応混合物を25℃で20時間撹拌させておいた。生じた反応混合物は、水(15mL)で希釈し、次に塩化メチレン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、80/20のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド(234mg、83%)を明黄色の泡状物として得た:〔α〕23 589=−33.1°(c=0.169、クロロホルム);EI−HRMS m/e C21H20Cl2N2O2(M+)の計算値402.0902、実測値402.0901。
実施例8
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド
25℃の塩化メチレン(10mL)中の3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−プロピオン酸(実施例1と同様に調製、0.300g、1.04mmol)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(0.707g、1.60mmol)、及び2−アミノベンゾイミダゾール(0.213g、1.6mmol)の溶液をトリエチルアミン(0.45mL、3.2mmol)で処理した。この反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次に反応混合物を水(20mL)で希釈して、塩化メチレン(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、80/20のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド(0.396g、95%)を白色の固体として得た:融点193.4〜196.8℃;EI−HRMS m/e C21H21Cl2N3O(M+)の計算値401.1062、実測値401.1058。
実施例9
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド
塩化メチレン(6mL)中のトリフェニルホスフィン(274mg、1.04mmol)の溶液を0℃に冷却し、次にN−ブロモスクシンイミド(211mg、1.18mmol)で処理した。生じた帯褐紫色の混合物を、反応混合物が均質になるまで、0℃で5分間撹拌した。次にこの反応混合物を3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオン酸(実施例3と同様に調製、200mg、0.70mmol)で処理した。反応混合物を0℃で20分間撹拌し、次いで25℃に温まるのを待って30分間撹拌した。次に反応混合物を2−アミノベンゾイミダゾール(139mg、1.04mmol)及びピリジン(0.17mL、2.09mmol)で処理して、反応混合物を25℃で20時間撹拌させておいた。生じた反応混合物は、水(15mL)で希釈し、次に塩化メチレン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、75/25のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド(178mg、64%)をオフホワイト色の泡状物として得た:〔α〕23 589=−26.7°(c=0.105、クロロホルム);EI−HRMS m/e C21H21Cl2N3O(M+)の計算値401.1062、実測値401.1062。
実施例10
3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド
無水N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中の3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−プロピオン酸(実施例1と同様に調製、100mg、0.34mmol)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(166mg、0.38mmol)、トリエチルアミン(0.096mL、0.68mmol)、及び2−アミノキノリン(75mg、0.52mmol)の溶液を25℃で14時間撹拌した。次にこの反応混合物を水及び酢酸エチルで希釈して、層を分離した。有機層を順に飽和重炭酸ナトリウム水溶液、水、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、4/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、3−シクロペンチル−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド(70mg、50%)を白色の泡状物として得た:融点172〜173℃;EI−HRMS m/e C23H22Cl2N2O(M+)の計算値412.1109、実測値412.1108。
実施例11
3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド
塩化メチレン(2mL)中の3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオン酸(実施例3と同様に調製、100mg、0.35mmol)の溶液をN,N−ジメチルホルムアミド(1滴)で処理し、次に0℃に冷却した。次にこの反応混合物を、塩化メチレン中の塩化オキサリルの2M溶液(0.26mL、0.52mmol)で滴下により処理し、次いで0℃で30分間撹拌した。生じた反応混合物は次にテトラヒドロフラン(5mL)中の2−アミノキノリン(75mg、0.52mmol)及びピリジン(0.14mL、1.74mmol)の溶液で処理し、そして反応混合物が25℃に温まるのを待った。次に反応液を25℃で16時間撹拌した。この反応混合物を水(10mL)で希釈して、塩化メチレン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、90/10のヘキサン/酢酸エチル)によって、3−シクロペンチル−2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド(93mg、65%)を油状物として得た:EI−HRMS m/e C23H22Cl2N2O(M+)の計算値412.1109、実測値412.1123。
実施例12
(A)N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオンアミド
無水テトラヒドロフラン(10.3mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(3.4mL)中のジイソプロピルアミン(3.2mL、23.16mmol)の溶液を窒素下で−78℃に冷却し、次にヘキサン中n−ブチルリチウムの10M溶液(2.3mL、23.16mmol)で処理した。生じた反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次に無水テトラヒドロフラン(10.3mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(3.4mL)中の4−(メチルチオ)フェニル酢酸(2.01g、11.03mmol)の溶液で滴下により処理した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌させておき、ここで無水テトラヒドロフラン少量中のヨードメチルシクロペンタン(2.55g、12.13mmol)の溶液を滴下により加えた。この反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次に25℃まで温まるのを待って24時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、次に真空で濃縮することにより、テトラヒドロフランを除去した。残った水相は、10%塩酸水溶液でpH=2まで酸性にし、次に酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、70〜230メッシュ、3/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、3−シクロペンチル−2−(4−メチルスルファニル−フェニル)プロピオン酸(1.01g、35%)をクリーム色の固体として得た:融点91〜93℃;EI−HRMS m/e C15H20O2S(M+)の計算値264.1184、実測値264.1177。
ギ酸(7mL)中の3−シクロペンチル−2−(4−メチルスルファニル−フェニル)プロピオン酸(2.54g、9.60mmol)の溶液を0℃に冷却し、次に30%過酸化水素水溶液(8.3mL、20.0mmol)で処理した。生じた溶液が25℃まで温まるのを待って1時間撹拌した。次に反応液を0℃に再冷却して、水(30mL)の添加により生成物を沈殿させた。この固体を濾過して乾燥することにより、純粋な3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニルフェニル)プロピオン酸(2.48g、87%)を白色の固体として得たが、これを更に精製することなく使用した:融点154〜159℃;EI−HRMS m/e C15H20O4S(M+)の計算値296.1082、実測値296.1080。
塩化メチレン(5mL)中の3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオン酸(50mg、0.17mmol)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(119mg、0.27mmol)、トリエチルアミン(70μL、0.51mmol)、及び2−アミノベンゾチアゾール(41mg、0.27mmol)の溶液を25℃で窒素下2.33時間撹拌した。この反応混合物を水と塩化メチレンとに分液した。有機層を順に、1N塩酸水溶液(1×10mL)、水(1×10mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、1/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオンアミド(48mg、66%)を白色の固体として得た:融点206〜209℃;EI−HRMS m/e C22H24N2O3S2(M+)の計算値428.1228、実測値428.1233。
(B)同様に、下記を得た:
3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオン酸及び2−アミノベンゾイミダゾールから:白色の固体としてN−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオンアミド:融点144〜147℃:EI−HRMS m/e C22H25N3O3S(M+)の計算値411.1615、実測値411.1617。
3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオン酸及び2−アミノベンゾオキサゾールから:白色の固体としてN−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオンアミド:融点216〜220℃:EI−HRMS m/e C22H24N2O4S(M+)の計算値412.1458、実測値412.1456。
実施例13
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2(R)−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオンアミド
テトラヒドロフラン(250mL)中の4−(メチルチオ)フェニル酢酸(50g、272mmol)の混合物を新たに粉砕した炭酸カリウム(93.8g、679mmol)で処理した。非常に穏やかな発熱が起こり、そこで生じた白色の懸濁液を25〜26℃で30分間撹拌した。次に反応混合物を−10℃に冷却し、続いて塩化トリメチルアセチル(35.5mL、285mmol)で30分にわたり処理した。添加の終了後、反応混合物を−10℃〜−5℃で30分間撹拌し、次に反応混合物の温度を−10℃と−4℃の間に維持しながら、1R,2R−(−)−プソイドエフェドリン(59.5g、353mmol)で少量ずつ15分かけて処理した。次に反応混合物を−7℃〜0℃で3時間撹拌した。次いで水(150mL)の添加により、反応混合物を0℃でクエンチした。10分間激しく撹拌後、トルエン(150mL)を加え、反応混合物を5分間撹拌した。有機層を分離し、水(2×100mL)で洗浄した。合わせた水層をトルエン(1×50mL)で逆抽出した。合わせた有機層を1N硫酸水溶液(1×200mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×200mL)、及び水/飽和塩化ナトリウム水溶液の溶液(1:1、1×50mL)で洗浄した。次に生じた有機層を真空で濃縮することにより、白色の固体を得た。この白色の固体を高真空下(0.4mmHg)で一晩乾燥することにより、粗N−〔2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル〕−N−メチル−2−(4−メチルスルファニル−フェニル)−アセトアミド(82.8g、HPLC分析による純度92.6%)を得た。この物質をトルエン(225mL)に還流しながら溶解した。週末にかけて冷蔵庫に静置後、生じた結晶性物質を濾過により回収し、冷トルエン(3×35mL)で洗浄して、高真空下で乾燥することにより、N−〔2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル〕−N−メチル−2−(4−メチルスルファニル−フェニル)−アセトアミド(66.1g、73.1%)を白色の結晶として得た:融点112〜113℃;HPLCによる純度99.6%。HPLC条件は以下のとおりとした:
カラム:ES Si、3μ、5×150mm
移動相:ヘプタン中の30% THF、1mL/分
検出:UV、259nm
保持時間:20分
テトラヒドロフラン(400mL)中の1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(98.4mL、457mmol)の溶液を−20℃に冷却し、次に温度を−20℃と−15℃の間に維持しながら、ヘキサン中n−ブチルリチウムの2.29M溶液(182mL、418mmol)で35分かけて処理した。反応混合物を−20℃で30分間撹拌し、次に温度を−20℃と−15℃の間に維持しながら、テトラヒドロフラン(500mL)中のN−〔2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル〕−N−メチル−2−(4−メチルスルファニル−フェニル)−アセトアミド(66.1g、201mmol)の溶液で50分かけて処理した。生じた黄色の溶液を0℃で30分間撹拌し、次に1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(51mL、418mmol)とヨードメチルシクロペンタン(50.6g、239mmol)との前もって混合しておいた溶液で30分かけて処理した。生じた反応混合物を0℃で4時間撹拌し、ここで薄層クロマトグラフィー分析を行うと、反応は終了したことが判った。次に反応混合物をトルエン(400mL)中に注ぎ入れた。有機相を順に、水/飽和塩化ナトリウム水溶液の溶液(1:1、1×1000mL)、水/飽和塩化ナトリウム水溶液の溶液(1:2、1×1000mL)、1M硫酸水溶液(1×800mL)、水(1×200mL)、及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×1000mL)で洗浄した。生じた有機層を真空下で濃縮乾固(浴温:35℃〜40℃)することにより、粗3−シクロペンチル−N−〔2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル〕−N−メチル−2(R)−(4−メチルスルファニル−フェニル)−プロピオンアミドを黄色の油状残渣として得た(HPLC分析により98.5%)。この物質を酢酸エチル(70mL)に溶解し、次にヘキサン(200mL)で処理した。この溶液を週末にかけて冷凍庫に貯蔵した。生じた固体を濾過により回収し、冷ヘキサン(約−10℃、3×30mL)で洗浄し、次に高真空下で乾燥することにより、3−シクロペンチル−N−〔2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル〕−N−メチル−2(R)−(4−メチルスルファニル−フェニル)−プロピオンアミド(48.8g、59%)を白色の固体として得た:融点82〜84℃;HPLC分析により100%。合わせた濾液及び洗浄液を真空で濃縮して、残渣(34.4g)を薄層クロマトグラフィー等級のシリカゲルのプラグ(2〜25μ、70g)の上に載せた。次にこのシリカゲルプラグをヘキサン/酢酸エチル(4:1、1.5L)の溶液で洗浄して、合わせた溶出液を真空で濃縮した。生じた淡黄色の油状物を酢酸エチル(35mL)に溶解し、次にヘキサン(100mL)で処理した。この溶液を冷蔵庫に一晩貯蔵した。生じた固体を濾過により回収し、冷ヘキサン(約−10℃、3×25mL)で洗浄して、高真空下で乾燥することにより、追加バッチの3−シクロペンチル−N−〔2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル〕−N−メチル−2(R)−(4−メチルスルファニル−フェニル)−プロピオンアミド(17.3g、20.9%)を白色の固体として得た:融点83〜85℃;HPLC分析により99.6%。これら2つの産物を合わせることによって、目的のジアステレオマー、3−シクロペンチル−N−〔2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル〕−N−メチル−2(R)−(4−メチルスルファニル−フェニル)−プロピオンアミド(66.1g、79.9%)を白色の固体として得た。HPLC条件は、以下のとおりとした:
カラム:ES Si、3μ、5×150mm
移動相:ヘプタン中の20% THF、1mL/分
検出:UV、259nm
保持時間:9.2分(不用なジアステレオマー)及び14.4分(目的のジアステレオマー)
ジオキサン(8mL)中の3−シクロペンチル−N−〔2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル〕−N−メチル−2(R)−(4−メチルスルファニル−フェニル)−プロピオンアミド(4.00g、9.72mmol)の溶液を9N硫酸水溶液(7.7mL)で処理した。この2相混合物を加熱還流(浴温108℃)すると、均質な無色の溶液が得られた。16時間加熱還流後、反応混合物を氷水浴で5℃に冷却し、次に水(20mL)を滴下して処理することにより、生成物を沈殿させた。生じた懸濁液を氷水で冷却しながら1時間撹拌後、固体を濾過により回収し、水(4×10mL)で洗浄し、吸引により乾燥して、粗3−シクロペンチル−2(R)−(4−メチルスルファニル−フェニル)−プロピオン酸(2.57g、96.6%、キラルHPLC分析によるee 96.3%)を明黄褐色の固体として得た。この物質を還流しながら氷酢酸(5mL)に溶解し、次に水(1mL)で処理することにより結晶化を開始させた。加熱浴を除去し、次に水(4mL)をこの懸濁液に滴下で加えることにより、結晶化を終了させた。この混合物が周囲温度まで冷却するのを待った。1時間撹拌後、固体を濾過により回収した。この固体を酢酸/水の溶液(1:1、10mL)及び水(4×10mL)で洗浄し、次に乾燥することにより、3−シクロペンチル−2(R)−(4−メチルスルファニル−フェニル)−プロピオン酸(2.24g、87.2%)を白色の固体として得た:融点75〜76℃;キラルHPLC分析によるee 96.4%。キラルHPLC条件は以下のとおりとした:
カラム:キラルパック(Chiralpak)AS、5μ、5×250mm
移動相:ヘキサン中の6%イソプロパノール+0.1% TFA、0.5mL/分
検出:UV、259nm
保持時間:13.2分(目的のR異性体)及び17.1分(S異性体)
塩化メチレン(10mL)中の3−シクロペンチル−2(R)−(4−メチルスルファニル−フェニル)−プロピオン酸(529mg、2.0mmol)及びトリフェニルホスフィン(892mg、3.4mmol)の溶液を0℃に冷却し、次にN−ブロモスクシンイミド(605mg、3.4mmol)で少量ずつ処理した。反応混合物の色が明黄色から暗黄色に、そして褐色に変化した。N−ブロモスクシンイミドの添加終了後、30分にわたり反応混合物が25℃まで温まるのを待った。この褐色の反応混合物を次に2−アミノベンゾイミダゾール(666mg、5.0mmol)で処理した。生じた反応混合物を25℃で19時間撹拌した。次に反応混合物を真空で濃縮することにより、塩化メチレンを除去した。残った黒色の残渣を10%塩酸水溶液(40mL)で希釈し、次に酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40M、シリカ、3/2のヘキサン/酢酸エチル、次いで19/1の酢酸エチル/メタノール)によって、N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2(R)−(4−メタンスルファニル−フェニル)−プロピオンアミド(723mg、95%)をオフホワイト色の固体として得た:融点180〜182℃;EI−HRMS m/e C22H25N3OS(M+)の計算値379.1718、実測値379.1715。
ギ酸(0.48mL)及びテトラヒドロフラン(1mL)中のN−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2(R)−(4−メタンスルファニル−フェニル)−プロピオンアミド(152mg、0.40mmol)の溶液を0℃に冷却し、次いで30%過酸化水素水溶液(0.22mL、2.0mmol)で処理した。生じた溶液が25℃まで温まるのを待って19時間撹拌した。次に反応液を真空で濃縮し、バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、2%のメタノール/クロロホルム)で精製することによって、N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2(R)−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオンアミド(103mg、63%)を黄色の固体として得た:融点230〜232℃;〔α〕23 589=−84.8°(c=0.033、クロロホルム);EI−HRMS m/e C22H25N3O3S(M+)の計算値411.1617、実測値411.1632。
実施例14
N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2(R)−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオンアミド
塩化メチレン(10mL)中の3−シクロペンチル−2(R)−(4−メチルスルファニル−フェニル)−プロピオン酸(実施例13と同様に調製、529mg、2.0mmol)及びトリフェニルホスフィン(892mg、3.4mmol)の溶液を0℃に冷却し、次にN−ブロモスクシンイミド(605mg、3.4mmol)で少量ずつ処理した。反応混合物の色が、明黄色から暗黄色に、そして褐色に変化した。N−ブロモスクシンイミドの添加終了後、30分にわたり反応混合物が25℃まで温まるのを待った。この褐色の反応混合物を次に2−アミノベンゾチアゾール(751mg、5.0mmol)で処理した。生じた反応混合物を25℃で19時間撹拌した。次に反応混合物を真空で濃縮することにより、塩化メチレンを除去した。残った黒色の残渣を10%塩酸水溶液(40mL)で希釈し、次に酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40M、シリカ、4/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2(R)−(4−メタンスルファニル−フェニル)−プロピオンアミド(392mg、49%)を白色の泡状物として得た;EI−HRMS m/e C22H24N2OS(M+)の計算値396.1330、実測値396.1328。
ギ酸(0.48mL)及びテトラヒドロフラン(1mL)中のN−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2(R)−(4−メタンスルファニル−フェニル)−プロピオンアミド(157mg、0.40mmol)の溶液を0℃に冷却し、次に30%過酸化水素水溶液(0.22mL、2.0mmol)で処理した。生じた溶液が25℃まで温まるのを待って19時間撹拌した。次に反応液を真空で濃縮して、バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、3/2のヘキサン/酢酸エチル)により精製して、N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2(R)−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオンアミド(48mg、28%)を白色の泡状物として得た:融点100〜105℃;〔α〕23 589=−48.6°(c=0.035、クロロホルム);EI−HRMS m/e C22H24N2O3S(M+)の計算値428.1224、実測値428.1228。
実施例15
3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド
塩化メチレン(8mL)中の3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−プロピオン酸(実施例12と同様に調製、200mg、0.68mmol)の溶液を無水N,N−ジメチルホルムアミド(1滴)で処理した。この反応混合物を0℃に冷却し、次に塩化メチレン中の塩化オキサリルの2M溶液(0.38mL、0.78mmol)で滴下により処理した。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次に25℃で30分間撹拌した。次に反応混合物をN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.28mL、1.64mmol)で処理し、続いて無水テトラヒドロフラン(1mL)中の2−アミノキノリン(208mg、1.44mmol)の溶液で処理した。生じた反応混合物を25℃で17時間撹拌した。この反応混合物を真空で濃縮した。生じた残渣をシリカゲル(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ)に吸着させ、次いでバイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、3/2のヘキサン/酢酸エチル)により精製して、3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド(195mg、68%)を白色の泡状物として得た:EI−HRMS m/e C24H26N2O3S(M+)の計算値422.1665、実測値422.1664。
実施例16
N−ベンゾオキサゾール−2−イル−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド
クロロホルム(180mL)中の三塩化アルミニウム(54.9g、412mmol)の溶液をアルゴン下0℃に冷却し、次にクロロホルム(180mL)中のクロロオキソ酢酸メチル(24.3mL、264mmol)の溶液で滴下により処理した。この反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次にクロロホルム(180mL)中の2−クロロチオアニソール(39.4g、247mmol)の溶液で滴下により処理した。反応混合物は色が赤色に変化した。生じた反応混合物が25℃まで温まるのを待って4時間撹拌した。次に反応混合物を、氷(700mL)にゆっくり注ぎ入れた。生じた黄色の混合物を15分間撹拌し、次にセライトで濾過することにより、アルミニウム塩を除去した。次いで濾液を塩化メチレン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×50mL)で洗浄した。次に有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮することにより、(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−オキソ−酢酸メチルエステル(36.4g、60%)を明黄色の油状物として得た:EI−HRMS m/e C10H9ClSO3(M+)の計算値243.9961、実測値243.9958。
トルエン(120mL)中の(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−オキソ−酢酸メチルエステル(61.7g、252mmol)の溶液を50℃で加熱した。この加熱溶液を次に、温度が60℃未満に保持されるよう注意しながら、滴下ロートを介して3M水酸化ナトリウム水溶液(105mL、313mmol)で滴下により処理した。添加が終了後、反応混合物を50℃で更に1.5時間撹拌すると、黄色の沈殿物が生成し始めた。次いで熱を取り去り、この温溶液を濃塩酸(10.6mL、290mmol)で滴下により処理した。生じた反応混合物が25℃まで冷却するのを待って、25℃で16時間撹拌した。固体を濾過し、次に水(50mL)及びトルエン(50mL)で洗浄した。固体を1時間吸引により乾燥し、次に高真空デシケーター中で乾燥することにより、(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−オキソ−酢酸(57.22g、98%)を白色の固体として得た:融点166℃(分解);FAB−HRMS m/e C9H7ClSO3(M+Na)+の計算値252.9702、実測値252.9700。
メカニカルスターラーを取り付けた反応フラスコに、ヒドラジン水和物(8.5mL、273mmol)を充填した。ヒドラジン水和物を−50℃に冷却し、次に(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−オキソ−酢酸(12.6g、54.6mmol)で一度に処理した。発熱が起こり、温度が上昇した。生じた白色の乳状混合物を次に80℃まで加熱した。80℃に達したら、加熱エレメントを取り去り、次に反応混合物を水酸化カリウム(2.09g、31.7mmol)で一度に処理した。発熱を観測した。次に反応温度が冷えて80℃に戻るまで、反応液を25℃で撹拌した。ここで、別の部の水酸化カリウム(2.09g、31.7mmol)を加えた。再度、発熱を観測したが、生じた反応混合物が冷えて80℃に戻るまで待った。80℃になったら、第3部の水酸化カリウム(2.09g、31.7mmol)を反応混合物に加えた。更に発熱を観測したが、冷えて80℃に戻った後、第4及び最終部の水酸化カリウム(2.09g、31.7mmol)を加えた。この時点で、加熱エレメントを加え、反応混合物を100℃で16時間加熱した。生じた均質な反応混合物を25℃に冷却し、次に水(12mL)で希釈した。次に反応混合物を分液ロートに移し、追加の水(12mL)及びジエチルエーテル(40mL)で濯いだ。層を分離して、水層をフラスコに移した。有機層を水(2×15mL)で抽出した。水層を合わせて、ヘプタン(20mL)で処理し、生じた反応混合物を激しく撹拌した。この撹拌溶液を次に、氷浴で温度を50℃未満に保持しながら、30分かけて濃塩酸(26mL)で滴下により処理した。混濁した懸濁液が生成し、この懸濁液を25℃で3時間撹拌した。生成した固体を濾過により回収し、次いで順に1N塩酸水溶液(2×6mL)、ヘプタン(1×12mL)、及びヘプタン/ジエチルエーテルの溶液(15mL、4:1)で洗浄した。生じた固体を高真空下で乾燥することにより、(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸(10.48g、89%)をオフホワイト色の固体として得た:融点105.6〜108.4℃;EI−HRMS m/e C9H9ClSO2(M+)の計算値216.0012、実測値216.0022。
メタノール(200mL)中の(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸(8.00g、36.92mmol)の溶液を濃硫酸(1mL)でゆっくり処理した。生じた反応混合物を一晩加熱還流した。反応混合物が25℃まで冷却するのを待って、次に真空で濃縮することによりメタノールを除去した。生じた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機層を水(1×50mL)で洗浄した。水層を更に酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×25mL)で洗浄した。有機層を次に硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮することにより、(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(7.28g、85.5%)を黄色の油状物として得たが、これを更に精製することなく使用した:EI−HRMS m/e C10H11ClO2S(M+)の計算値230.0168、実測値230.0166。
無水テトラヒドロフラン(212.3mL)中のジイソプロピルアミン(4.86mL、34.70mmol)の溶液を−78℃に冷却し、次にヘキサン中n−ブチルリチウムの2.5M溶液(13.88mL、34.70mmol)で処理した。生じた反応混合物を−78℃で15分間撹拌し、次に無水テトラヒドロフラン(23.6mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(9.43mL)中の(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(7.28g、31.55mmol)の溶液でゆっくり処理した。生じた鮮黄色の溶液を−78℃で1時間撹拌させておき、ここで、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(7.08mL)中のヨードメチルシクロペンタン(7.95g、37.86mmol)の溶液をゆっくり加えた。反応混合物が25℃まで温まるのを待って一晩撹拌した。次に反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)でクエンチして、層を分離した。水層を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、95/5のヘキサン/酢酸エチル)によって、2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸メチルエステル(5.74g、58.1%)を無色の油状物として得た。
エタノール(108mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸メチルエステル(4.85g、15.50mmol)の溶液を水(25.2mL)中の水酸化カリウム(4.35g、77.50mmol)の溶液で処理した。この反応混合物を25℃で3時間撹拌した。次に反応混合物を真空で濃縮することにより、エタノールを除去した。生じた水性残渣は、1N塩酸水溶液でpH=2まで酸性にし、次に塩化メチレン(3×15mL)で抽出した。次に合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮することにより、2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(4.14g、89.4%)を白色の固体として得たが、これを更に精製することなく使用した。
ギ酸(7.08mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(4.14g、13.85mmol)の混合物を0℃に冷却し、次に30%過酸化水素水溶液(7.85mL)で処理した。テトラヒドロフラン(4mL)を加えることにより、出発物質の可溶化を助けた。生じた反応混合物が25℃まで温まるのを待って、この温度で一晩撹拌した。次に反応混合物を0℃に冷却して、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液でゆっくり処理した。生成物を酢酸エチル(3×20mL)中に抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮することにより、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(4.54g、99.1%)を白色の固体として得た:融点123.9〜126.2℃;FAB−HRMS m/e C15H19ClO4S(M+H)+の計算値331.0771、実測値331.0776。
塩化メチレン(6mL)中のトリフェニルホスフィン(238mg、0.91mmol)の溶液を0℃に冷却し、次にN−ブロモスクシンイミド(183mg、1.03mmol)で処理した。反応混合物を、均質になるまで0℃で撹拌した。生じた明紫色の反応混合物を次に2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(200mg、0.61mmol)で処理した。生じた反応混合物を0℃で20分間撹拌し、次に25℃まで温まるのを待って30分間撹拌した。次に反応混合物を2−アミノベンゾオキサゾール(121mg、0.91mmol)及びピリジン(0.15mL、1.8mmol)で処理して、25℃で16時間撹拌した。次に反応液を水(15mL)で希釈し、次いで塩化メチレン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、60/40のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−ベンゾオキサゾール−2−イル−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド(166mg、61%)を明石竹色の泡状物として得た:EI−HRMS m/e C22H23ClN2O4S(M+)の計算値446.1067、実測値446.1077。
実施例17
N−ベンゾオキサゾール−2−イル−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド
塩化メチレン(10mL)中のトリフェニルホスフィン(238mg、0.91mmol)の溶液を0℃に冷却し、次にN−ブロモスクシンイミド(183mg、1.03mmol)で処理した。反応混合物を、均質になるまで0℃で撹拌した。生じた明紫色の反応混合物を次に2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(実施例19と同様に調製、200mg、0.61mmol)で処理した。この反応混合物を0℃で20分間撹拌し、次いで25℃まで温まるのを待って30分間撹拌した。次に反応混合物を2−アミノベンゾオキサゾール(121mg、0.91mmol)及びピリジン(0.15mL、1.8mmol)で処理して、生じた反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次に反応液を水(15mL)で希釈して、塩化メチレン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、60/40のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−ベンゾオキサゾール−2−イル−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド(206mg、76%)を明橙色の泡状物として得た:〔α〕23 589=−24.4°(c=0.119、クロロホルム);EI−HRMS m/e C22H23ClN2O4S(M+)の計算値446.1067、実測値446.1083。
実施例18
N−ベンゾチアゾール−2−イル−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド
塩化メチレン(6mL)中のトリフェニルホスフィン(238mg、0.91mmol)の溶液を0℃に冷却し、次にN−ブロモスクシンイミド(183mg、1.03mmol)で処理した。この反応混合物を、均質になるまで0℃で撹拌した。生じた明紫色の反応混合物を次に2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(実施例16と同様に調製、200mg、0.61mmol)で処理した。生じた反応混合物を0℃で20分間撹拌し、次いで25℃まで温まるのを待って30分間撹拌した。次に反応混合物を2−アミノベンゾチアゾール(136mg、0.91mmol)及びピリジン(0.15mL、1.8mmol)で処理して、25℃で16時間撹拌した。次に反応液を水(15mL)で希釈し、次に塩化メチレン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、60/40のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−ベンゾチアゾール−2−イル−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド(214mg、77%)をオフホワイト色の泡状物として得た:EI−HRMS m/e C22H23ClN2O3S2(M+)の計算値462.0839、実測値462.0833。
実施例19
N−ベンゾチアゾール−2−イル−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド
トルエン(50mL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(実施例16と同様に調製、6.07g、18.35mmol)、(R)−(+)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン(2.83g、15.96mmol)、及びトリエチルアミン(6.68mL、47.71mmol)の混合物を、均質な溶液が得られるまで、アルゴン下80℃で加熱した。次にこの反応混合物を、トルエン(10mL)中の塩化トリメチルアセチル(3.55mL、28.81mmol)で処理した。反応混合物は、色が黄色になり、沈殿物が生成した。次に反応混合物を80℃で36時間加熱した。反応混合物が25℃まで冷却するのを待ち、次に真空で濃縮することによりトルエンを除去した。生じた残渣を酢酸エチル(150mL)で希釈した。有機層を1N塩酸水溶液(1×100mL)、10%炭酸ナトリウム水溶液(1×100mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×100mL)で洗浄した。次に有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、90/5/5の塩化メチレン/ヘキサン/酢酸エチル)によって、2つの生成物:(1)4(R)−ベンジル−3−〔2(S)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオニル〕−オキサゾリジン−2−オン(2.08g、23%)を白色の泡状物として:〔α〕23 589=+10.4°(c=0.144、クロロホルム);FAB−HRMS m/e C25H28ClNO5S(M+H)+の計算値490.1455、実測値490.1457;そして(2)4(R)−ベンジル−3−〔2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオニル〕−オキサゾリジン−2−オン(2.20g、25%)を白色の泡状物として得た:〔α〕23 589=−93.9°(c=0.165、クロロホルム);FAB−HRMS m/e C25H28ClNO5S(M+H)+の計算値490.1455、実測値490.1443。
水(2.8mL)中の水酸化リチウム(215mg、9.0mmol)の溶液を30%過酸化水素水溶液(2.0mL、18mmol)で処理した。この新たに調製したリチウムヒドロペルオキシド溶液を次に0℃に冷却し、次いでテトラヒドロフラン(18mL)及び水(5.8mL)中の4(R)−ベンジル−3−〔2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオニル〕−オキサゾリジン−2−オン(2.20g、4.5mmol)の冷却(0℃)溶液にゆっくり加えた。0℃で1.5時間後、反応混合物を1.5N亜硫酸ナトリウム水溶液(25mL)でクエンチし、次に水(150mL)で希釈した。水層をジエチルエーテル(3×50mL)で抽出した。次に水層を1N塩酸水溶液でpH=2まで酸性にして、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、1%酢酸を含む75/25のヘキサン/酢酸エチル)によって、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(1.26g、85%)を白色の固体として得た:融点106.1〜108.8℃;〔α〕23 589=−43.0°(c=0.172、クロロホルム);EI−HRMS m/e C15H19ClO4S(M+)の計算値330.0692、実測値330.0690。
塩化メチレン(10mL)中のトリフェニルホスフィン(238mg、0.91mmol)の溶液を0℃に冷却し、次にN−ブロモスクシンイミド(183mg、1.03mmol)で処理した。反応混合物を、均質になるまで0℃で撹拌した。生じた明紫色の反応混合物を次に2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(200mg、0.61mmol)で処理した。この反応混合物を0℃で20分間撹拌し、次に25℃まで温まるのを待って30分間撹拌した。次いで反応混合物を2−アミノベンゾチアゾール(136mg、0.91mmol)及びピリジン(0.15mL、1.81mmol)で処理し、反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次いでこの反応液を水(15mL)で希釈し、次に塩化メチレン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、60/40のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−ベンゾチアゾール−2−イル−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド(205mg、73%)を白色の泡状物として得た:〔α〕23 589=−38.6°(c=0.044、クロロホルム);EI−HRMS m/e C22H23ClN2O3S2(M+)の計算値462.0839、実測値462.0839。
実施例20
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド
塩化メチレン(5mL)中のトリフェニルホスフィン(118mg、0.45mmol)の溶液を0℃に冷却し、次にN−ブロモスクシンイミド(91mg、0.51mmol)で処理した。反応混合物を、均質になるまで0℃で撹拌した。生じた明紫色の反応混合物を次に2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(実施例16と同様に調製、100mg、0.30mmol)で処理した。反応混合物を0℃で20分間撹拌し、次に25℃まで温まるのを待って30分間撹拌した。次いで反応混合物を2−アミノベンゾイミダゾール(60mg、0.45mmol)及びピリジン(0.073mL、0.91mmol)で処理した。生じた反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次に反応液を水(15mL)で希釈し、次いで塩化メチレン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、60/40のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド(44mg、33%)をクリーム色の固体として得た:EI−HRMS m/e C22H24ClN3O3S(M+)の計算値445.1227、実測値445.1213。
実施例21
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド
塩化メチレン(10mL)中のトリフェニルホスフィン(238mg、0.91mmol)の溶液を0℃に冷却し、次にN−ブロモスクシンイミド(183mg、1.03mmol)で処理した。反応混合物を、均質になるまで0℃で撹拌した。生じた明紫色の反応混合物を次に2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(実施例19と同様に調製、200mg、0.61mmol)で処理した。反応混合物を0℃で20分間撹拌し、次に25℃まで温まるのを待って30分間撹拌した。次いで反応混合物を2−アミノベンゾイミダゾール(121mg、0.91mmol)及びピリジン(0.15mL、1.82mmol)で処理して、生じた反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次に反応混合物を水(15mL)で希釈して、塩化メチレン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、60/40のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド(150mg、56%)を明褐色の固体として得た:融点>215℃;〔α〕23 589=−21.9°(c=0.041、クロロホルム);EI−HRMS m/e C22H24ClN3O3S(M+)の計算値445.1227、実測値445.1235。
実施例22
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド
塩化メチレン(1mL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(実施例16と同様に調製、50mg、0.15mmol)の溶液をN,N−ジメチルホルムアミド(1滴)で処理し、次に0℃に冷却した。次に反応混合物を、塩化メチレン中の塩化オキサリルの2M溶液(0.11mL、0.23mmol)で滴下により処理して、0℃で30分間撹拌した。次にこの反応混合物をN,N−ジメチルホルムアミド(2.5mL)中の2−アミノキノリン(33mg、0.23mmol)及びピリジン(0.06mL、0.755mmol)の溶液で処理した。生じた反応混合物が25℃に温まるのを待って16時間撹拌した。次に反応混合物を水(10mL)で希釈して、酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、80/20のヘキサン/酢酸エチル)によって、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド(46mg、66%)を明黄色の油状物として得た:EI−HRMS m/e C24H25ClN2O3S(M+)の計算値457.1346、実測値457.1353。
実施例23
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド
塩化メチレン(4mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(実施例19と同様に調製、200mg、0.61mmol)の溶液をN,N−ジメチルホルムアミド(1滴)で処理し、次に0℃に冷却した。次に反応混合物を、塩化メチレン中の塩化オキサリルの2M溶液(0.45mL、0.91mmol)で滴下により処理して、0℃で30分間撹拌した。次にこの反応混合物をN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の2−アミノキノリン(131mg、0.91mmol)及びピリジン(0.25mL、3.03mmol)の溶液で処理した。生じた反応混合物が25℃に温まるのを待って16時間撹拌した。次に反応混合物を水(10mL)で希釈して、酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、70/30のヘキサン/酢酸エチル)によって、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド(93mg、34%)をオフホワイト色の泡状物として得た:EI−HRMS m/e C24H25ClN2O3S(M+)の計算値456.1274、実測値456.1268。
実施例24
(A)N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド
メタノール(100mL)中の4−(メチルチオ)フェニル酢酸(6.91g、37.9mmol)の溶液を濃硫酸(1mL)でゆっくり処理した。生じた反応混合物を19時間加熱還流した。この反応混合物が25℃まで冷却するのを待って、真空で濃縮することによりメタノールを除去した。生じた残渣を酢酸エチル(200mL)で希釈した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3×300mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×100mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮することにより、(4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(7.28g、98%)を黄色の液体として得たが、これを更に精製することなく使用した:EI−HRMS m/e C10H12O2S(M+)の計算値196.0558、実測値196.0559。
四塩化炭素(150mL)中の(4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(7.28g、37.1mmol)の溶液を臭素(2.5mL、48.23mmol)でゆっくり処理した。この反応混合物を25℃で3時間撹拌し、ここで薄層クロマトグラフィーを行うと、かなりの量の出発物質が存在することが判った。反応混合物を更に臭素(2.5mL、48.23mmol)で処理した。反応混合物を25℃で更に1時間撹拌し、次に10%重亜硫酸ナトリウム水溶液(200mL)でクエンチした。この反応混合物を真空で濃縮することにより、四塩化炭素を除去した。生じた水層を酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、70〜230メッシュ9/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、(3−ブロモ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(8.57g、84%)を明黄色の油状物として得た:EI−HRMS m/e C10H11BrO2S(M+)の計算値273.9663、実測値273.9661。
無水テトラヒドロフラン(30mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(10mL)中のジイソプロピルアミン(4.8mL、34.27mmol)の溶液を窒素下−78℃に冷却し、次にヘキサン中n−ブチルリチウムの2.5M溶液(13.8mL、34.27mmol)で処理した。生じた反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次に無水テトラヒドロフラン(30mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(10mL)中の(3−ブロモ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(8.57g、31.15mmol)の溶液で滴下により処理した。生じた反応混合物を−78℃で1時間撹拌させておき、ここで無水テトラヒドロフラン少量中のヨードメチルシクロペンタン(7.85g、37.38mmol)の溶液を滴下により加えた。反応混合物が25℃まで温まるのを待って15時間撹拌した。反応混合物を水(300mL)でクエンチし、次に真空で濃縮することによりテトラヒドロフランを除去した。残った水相を酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、70〜230メッシュ、19/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、2−(3−ブロモ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸メチルエステル(9.20g、83%)を明黄色の油状物として得た:EI−HRMS m/e C16H21BrO2S(M+)の計算値356.0446、実測値356.0435。
ギ酸(30mL)中の2−(3−ブロモ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸メチルエステル(9.20g、25.75mmol)の溶液を0℃に冷却し、次に30%過酸化水素水溶液(15.0mL、386.25mmol)で処理した。生じた溶液が25℃まで温まるのを待って1.5時間撹拌した。次に追加量の30%過酸化水素水溶液(5.0mL、43.00mmol)を加え、反応液を25℃で3時間撹拌した。次いで反応液を0℃に再冷却し、飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、次に酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮することにより、2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸メチルエステル(10.02g、100%)を無色のゴム状物として得たが、これを更に精製することなく使用した。EI−HRMS m/e C16H19BrO4S(M+)の計算値388.0344、実測値388.0343。
メタノール(100mL)及び水(100mL)中の2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸メチルエステル(10.02g、25.75mmol)の溶液を水酸化リチウム(15.4g、515mmol)で処理した。反応混合物を25℃で2時間撹拌した。次にこの反応混合物を真空で濃縮することによりメタノールを除去した。生じた水性残渣を10%塩酸水溶液でpH=2まで酸性にし、次に酢酸エチル(1×400mL)で抽出した。有機層を水(1×300mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×300mL)で洗浄した。有機層を次に硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮することにより、2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(9.58g、99%)を白色の固体として得たが、これを更に精製することなく使用した:融点149〜150℃;FAB−HRMS m/e C15H19BrO4S(M+H)+の計算値375.0266、実測値375.0274。
塩化メチレン(10mL)中の2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(100mg、0.266mmol)、トリエチルアミン(110μL、0.80mmol)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(187mg、0.42mmol)、及び2−アミノベンゾイミダゾール(56mg、0.42mmol)の溶液を、25℃で1.5時間撹拌した。この反応混合物を水と塩化メチレンとに分液した。有機層を順に1N塩酸水溶液(1×10mL)、水(1×10mL)、及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×10mL)で洗浄した。次に有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、19/1のクロロホルム/メタノール)によって、N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド(69mg、53%)を白色の固体として得た:融点>220℃;EI−HRMS m/e C22H24BrN3O3S(M+)の計算値489.0722、実測値489.0727。
(B)同様に、下記を得た:
2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸及び2−アミノベンゾチアゾールから:白色の固体としてN−ベンゾチアゾール−2−イル−2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド:融点165〜168℃:EI−HRMS m/e C22H23BrN2O3S2(M+)の計算値506.0333、実測値506.0330。
2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸及び2−アミノベンゾオキサゾールから:オフホワイト色の固体としてN−ベンゾオキサゾール−2−イル−2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド:融点102〜105℃;EI−HRMS m/e C22H23BrN2O4S(M+)の計算値490.0562、実測値490.0554。
実施例25
2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド
塩化メチレン(8mL)中の2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(実施例24と同様に調製、100mg、0.266mmol)の溶液を無水N,N−ジメチルホルムアミド(2滴)で処理した。この反応混合物を0℃に冷却し、次いで塩化メチレン中の塩化オキサリルの2M溶液(0.15mL、0.29mmol)で滴下により処理した。この反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次に25℃で30分間撹拌した。次いで反応混合物をN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.11mL、0.63mmol)、続いて無水テトラヒドロフラン(3mL)中の2−アミノキノリン(92mg、0.56mmol)の溶液で処理した。生じた反応混合物を25℃で17時間撹拌した。この反応混合物を真空で濃縮した。生じた残渣をシリカゲル(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ)に吸着させ、次にバイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、3/2のヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド(122mg、92%)を白色の泡状物として得た:融点95〜100℃。EI−HRMS m/e C24H25BrN2O3S(M+)の計算値500.0769、実測値500.0775。
実施例26
N−ベンゾチアゾール−2−イル−2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド
メタノール(291mL)中の4−(メチルチオ)フェニル酢酸(21.21g、116.38mmol)の溶液を濃硫酸(3mL)でゆっくり処理した。生じた反応混合物を3日間加熱還流した。反応混合物が25℃まで冷却するのを待って、次に真空で濃縮することによりメタノールを除去した。生じた残渣をジエチルエーテル(600mL)で希釈した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3×300mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×300mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空で濃縮することにより、(4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(20.95g、92%)を黄色の液体として得たが、これを更に精製することなく使用した:EI−HRMS m/e C10H12O2S(M+)の計算値196.0558、実測値196.0559。
四塩化炭素(130mL)中の(4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(5.11g、26.03mmol)の溶液を臭素(1.74mL、33.84mmol)でゆっくり処理した。この反応混合物を25℃で4時間撹拌し、ここで薄層クロマトグラフィーを行うと、未だかなりの量の出発物質が存在することが判った。反応混合物を更に臭素(1.74mL、33.84mmol)で処理した。この反応混合物を25℃で更に4時間撹拌し、次に10%重亜硫酸ナトリウム水溶液(150mL)でクエンチした。反応混合物を真空で濃縮することにより四塩化炭素を除去した。生じた水層を酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、70〜230メッシュ、9/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、(3−ブロモ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(6.10g、95%)を明黄色の油状物として得た:EI−HRMS m/e C10H11BrO2S(M+)の計算値273.9663、実測値273.9661。
無水テトラヒドロフラン(21mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(7mL)中のジイソプロピルアミン(3.4mL、24.38mmol)の溶液を窒素下−78℃に冷却し、次にヘキサン中n−ブチルリチウムの2.5M溶液(9.8mL、24.38mmol)で処理した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次に無水テトラヒドロフラン(21mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(7mL)中の(3−ブロモ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(6.10g、22.17mmol)の溶液で滴下により処理した。生じた反応混合物を−78℃で1時間撹拌させておき、ここで少量の無水テトラヒドロフラン中のヨードメチルシクロペンタン(5.59g、26.60mmol)の溶液を滴下により加えた。反応混合物が25℃まで温まるのを待って15時間撹拌した。反応混合物を水(300mL)でクエンチし、次に真空で濃縮することによりテトラヒドロフランを除去した。残った水相を酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、70〜230メッシュ、19/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、2−(3−ブロモ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸メチルエステル(4.52g、57%)を明黄色の油状物として得た:EI−HRMS m/e C16H21BrO2S(M+)の計算値356.0446、実測値356.0435。
塩化メチレン(15mL)中の2−(3−ブロモ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸メチルエステル(1.07g、2.99mmol)の溶液を3−クロロペルオキシ安息香酸(57〜86%等級、57%に基づき1.81g、5.99mmol)で処理した。反応混合物を25℃で3時間撹拌した。この反応混合物を真空で濃縮することにより、塩化メチレンを除去した。生じた残渣をジエチルエーテル(300mL)で希釈した。有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3×200mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、70〜230メッシュ、3/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸メチルエステル(1.09g、94%)を無色の油状物として得た:EI−HRMS m/e C16H19BrO4S(M+)の計算値388.0344、実測値388.0343。
無水N,N−ジメチルホルムアミド(2.5mL)中の2−(3−ブロモ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸メチルエステル(990.0mg、2.54mmol)及びシアン化銅(I)(273.3mg、3.05mmol)の混合物を4時間加熱還流した。反応液が25℃まで冷却するのを待って、更に化学処理することなく粗反応混合物を直接精製した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、70〜230メッシュ、100%ヘキサン、次に3/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸メチルエステル(646.5mg、76%)を非常に明るい黄色の油状物として得た:EI−HRMS m/e C17H21NO4S(M+)の計算値335.1191、実測値335.1185。
テトラヒドロフラン(25mL)中の2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸メチルエステル(4.84g、14.4mmol)の溶液を0.8M水酸化リチウム水溶液(27mL、21.6mmol)で処理した。反応混合物を25℃で2.5時間撹拌した。この反応混合物を水と酢酸エチルとに分液し、次に10%塩酸水溶液でpH=2まで酸性にした。層を振盪及び分離した。生じた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮することにより、粗2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(3.80g、82%)を淡黄色の油状物として得たが、これは淡黄色の固体へと凝固した。酢酸エチルからの再結晶によって分析用試料を得ることで、2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸を白色の固体として得た:融点180〜181℃;EI−HRMS m/e C16H19NO4S(M+)の計算値321.1034、実測値321.1039。
塩化メチレン(3mL)中の2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(100mg、0.311mmol)、トリエチルアミン(0.13mL、0.933mmol)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(206mg、0.467mmol)、及び2−アミノベンゾチアゾール(70mg、0.467mmol)の溶液を、25℃で3時間撹拌した。この粗反応混合物を、バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、1/1のヘキサン/酢酸エチル)により直接精製して、N−ベンゾチアゾール−2−イル−2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド(118mg、84%)を白色の泡状物として得た:融点115〜118℃(泡状物からゲル状物);EI−HRMS m/e C23H23N3O3S3(M+)の計算値453.1181、実測値453.1173。
実施例27
N−ベンゾオキサゾール−2−イル−2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド
塩化メチレン(3mL)中の2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(実施例26と同様に調製、100mg、0.311mmol)、トリエチルアミン(0.13mL、0.933mmol)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(206mg、0.467mmol)、及び2−アミノベンゾオキサゾール(63mg、0.467mmol)の溶液を25℃で3時間撹拌した。次に反応混合物を水(40mL)、1N塩酸水溶液(5mL)、及び酢酸エチル(40mL)で希釈した。層を分離して、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、1/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−ベンゾオキサゾール−2−イル−2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド(75mg、55%)を黄色の泡状物として得た:融点108〜112℃;EI−HRMS m/e C23H23N3O4S(M+)の計算値437.1409、実測値437.1409。
実施例28
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド
塩化メチレン(3mL)中の2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(実施例26と同様に調製、100mg、0.311mmol)、トリエチルアミン(0.13mL、0.933mmol)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(206mg、0.467mmol)、及び2−アミノベンゾイミダゾール(62mg、0.467mmol)の溶液を25℃で3時間撹拌した。この粗反応混合物を、バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、1/3のヘキサン/酢酸エチル)により直接精製して、N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオンアミド(129mg、95%)を黄色の固体として得た:融点148〜152℃;EI−HRMS m/e C23H24N4O3S(M+)の計算値436.1569、実測値436.1573。
実施例29
2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド
塩化メチレン(3mL)中の2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸(実施例26と同様に調製、125mg、0.389mmol)の溶液をN,N−ジメチルホルムアミド(1滴)で処理し、次いで0℃に冷却した。次に反応混合物を塩化オキサリル(0.051mL、0.583mmol)で処理した。生じた反応混合物が25℃まで温まるのを待って1時間撹拌した。次に反応混合物を真空で濃縮した。生じた黄色のゲル状物を塩化メチレン(2mL)で希釈し、次いでN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中の2−アミノキノリン(84mg、0.583mmol)及びトリエチルアミン(0.108mL、0.778mmol)の溶液にゆっくり加えた。生じた反応混合物を25℃で20時間撹拌した。次に反応混合物を水(25mL)、1N塩酸水溶液(5mL)、及び酢酸エチル(25mL)で希釈した。層を分離して、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、1/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、2−(3−シアノ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−シクロペンチル−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド(50.6mg、30%)をオフホワイト色の泡状物として得た:融点95〜99℃(泡状物からゲル状物);EI−HRMS m/e C25H25N3O3S(M+)の計算値447.1617、実測値447.1616。
実施例30
3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド
−78℃に冷却した新たに調製したリチウムジイソプロピルアミド(0.31Mストック溶液35.3mL、10.9mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン/1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(3:1、12.4mL)中の(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−酢酸(1.11g、5.0mmol)で処理した。生じた溶液を−78℃で1時間撹拌した。ここで、反応液を1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.2mL)中のヨードメチルシクロペンタン(1.16g、5.52mmol)の溶液で処理した。この反応混合物を−78℃で4時間撹拌した。次に反応液を25℃まで温めて、25℃で48時間撹拌した。次いでこの溶液は、2N塩酸水溶液(50mL)に反応混合物をゆっくり加えることによってクエンチした。生成物を酢酸エチル(3×100mL)及びジエチルエーテル(1×50mL)中に抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム及び硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、酢酸を含む50/50のヘキサン/酢酸エチル)によって、3−シクロペンチル−2−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸(1.28g、84.3%)を白色の固体として得た:融点66〜68℃;EI−HRMS m/e C15H16F4O2(M+)の計算値305.1165、実測値305.1174。
メタノール(50mL)中の3−シクロペンチル−2−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸(7.77g、25.3mmol)の溶液を濃硫酸(0.01mL)でゆっくり処理した。生じた反応混合物を24時間加熱還流した。反応混合物が25℃まで冷却するのを待ち、次いで真空で濃縮した。残渣を酢酸エチル(75mL)に溶解して、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×50mL)、水(1×50mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(4×50mL)で洗浄した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム及び硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮することにより、3−シクロペンチル−2−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル(8.48g、87.5%)を黄色の油状物として得た:EI−HRMS m/e C16H18F4O2(M+)の計算値318.1243、実測値318.1240。
N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中の3−シクロペンチル−2−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル(7.0g、21.9mmol)の溶液をナトリウムメタンチオラート(2.61g、33.0mmol)で処理した。次にこの反応混合物を100〜110℃で24時間加熱した。ここで、反応液を氷と2N塩酸水溶液の混合物(100mL)に注ぎ入れた。この混合物を酢酸エチル(3×75mL)及びジエチルエーテル(1×50mL)中に抽出した。次に合わせた有機層を水(1×75mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(3×100mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム及び硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、85/15のヘキサン/酢酸エチル)によって、3−シクロペンチル−2−(4−メチルスルファニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル(2.48g、35.5%)を淡黄色の油状物として得た:EI−HRMS m/e C17H21F3O2S(M+)の計算値346.1214、実測値346.1212。
塩化メチレン(75mL)中の3−シクロペンチル−2−(4−メチルスルファニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル(2.36g、6.81mmol)の溶液を25℃で、3−クロロペルオキシ安息香酸(80〜85%等級、9.69g、40.1mmol)で処理した。この反応混合物を25℃で16時間撹拌した。ここで、反応液を塩化メチレン(75mL)で希釈した。この溶液を順に、飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液(2×50mL)、水(1×50mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3×75mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×75mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(3×75mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム及び硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮することにより、3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル(2.88g)を清澄な油状物として得た:EI−HRMS m/e C17H21F3O4S(M+)の計算値378.1112、実測値378.1116。
テトラヒドロフラン/水(3:1、88mL)中の3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル(2.92g、7.72mmol)の溶液を水酸化リチウム(647mg、15.43mmol)で処理した。反応液を25℃で3日間撹拌した。次いでテトラヒドロフランを真空で除去した。残渣を水(50mL)で希釈して、ジエチルエーテル(25mL)で抽出した。水層を、3N塩酸水溶液でpH=1まで酸性にした。生成物を酢酸エチル(3×75mL)及びジエチルエーテル(1×50mL)中に抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム及び硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮することにより、3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸(2.37g、84.5%)を淡黄色の半固体として得た:EI−HRMS m/e C16H19F3O4S(M+)の計算値364.0956、実測値364.0958。
塩化メチレン(5.0mL)中の3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸(182mg、0.5mmol)の溶液を0℃に冷却し、次に塩化メチレン中の塩化オキサリルの2.0M溶液(0.28mL、0.56mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド数滴で処理した。反応混合物を0℃で15分間及び25℃で30分間撹拌した。次に反応混合物をテトラヒドロフラン(2mL)及びトリエチルアミン(0.17mL、1.20mmol)中の2−アミノキノリン(153mg、1.06mmol)の溶液で処理した。この溶液を25℃で50時間撹拌した。ここで、反応液を真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、70/30のヘキサン/酢酸エチル)によって、3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド(140.3mg、57.2%)を淡黄色の固体として得た:融点90〜95℃;EI−HRMS m/e C25H25F3N2O3S(M+)の計算値490.1538、実測値490.1532。
実施例31
(A)N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミド
25℃の塩化メチレン(10mL)中の3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸(実施例30と同様に調製、182mg、0.50mmol)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(332mg、0.75mmol)、及び2−アミノベンゾチアゾール(113mg、0.75mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.21mL、1.50mmol)で処理した。この反応混合物を25℃で48時間撹拌した。次に反応混合物を塩化メチレン(25mL)で希釈して、3N塩酸水溶液(1×25mL)、水(1×25mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(3×25mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム及び硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、70/30のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミド(205mg、82.6%)を白色の固体として得た:融点105〜110℃;EI−HRMS m/e C23H23F3N2O3S2(M+)の計算値496.1102、実測値496.1102。
(B)同様に、下記を得た:
2−アミノベンゾイミダゾール及び3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸から:白色の固体としてN−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミド:融点168〜171℃:EI−HRMS m/e C23H24F3N3O3S(M+)の計算値479.1490、実測値479.1489。
2−アミノベンゾオキサゾール及び3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸から:オフホワイト色の固体としてN−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミド:融点100〜105℃:EI−HRMS m/e C23H23F3N2O4S(M+)の計算値480.1330、実測値480.1329。
実施例32
N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−プロピオンアミド
メタノール(40mL)中の4−クロロ−3−ニトロフェニルアセトアミド(2.00g、9.32mmol)の溶液をアンバーリスト(Amberlyst)(登録商標)15イオン交換樹脂(15.00g)で処理した。生じた反応混合物を64時間加熱還流した。この反応混合物が25℃まで冷却するのを待ち、次に濾過することによりアンバーリスト(登録商標)15イオン交換樹脂を除去した。濾液を真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、3/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、4−クロロ−3−ニトロフェニル酢酸メチルエステル(1.91g、89%)を黄色の油状物として得た:EI−HRMS m/e C9H8ClNO4(M+)の計算値229.0142、実測値229.0146。
無水テトラヒドロフラン(45mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(15mL)中のジイソプロピルアミン(3.35mL、23.9mmol)の溶液を−78℃に冷却し、次にヘキサン中n−ブチルリチウムの2.5M溶液(9.56mL、23.9mm)で10分間かけて滴下により処理した。この淡黄色の反応混合物を−78℃で20分間撹拌し、次に少量のテトラヒドロフラン中の4−クロロ−3−ニトロフェニル酢酸メチルエステル(5.00g、21.8mmol)の溶液で15分間かけてゆっくり処理した。この反応混合物は、色が深紫色(ほとんど黒色)に変化した。次に反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、ここで少量の無水テトラヒドロフラン中のヨードメチルシクロペンタン(4.58g、21.8mmol)の溶液を滴下により加えた。次いでこの反応混合物を−78℃で撹拌し、次に25℃まで温まるのを待って48時間撹拌した。この反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)でクエンチし、生じた反応混合物を真空で濃縮することにより、テトラヒドロフランを除去した。残った残渣を酢酸エチル(150mL)及び水(50mL)で希釈した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、4/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸メチルエステル(2.17g、32%)を黄色の油状物として得た:EI−HRMS m/e C15H18ClNO4(M+)の計算値311.0924、実測値311.0927。
ジメチルスルホキシド(3mL)中の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−3−シクロペンチル−プロピオン酸メチルエステル(1.00g、3.21mmol)及びメタンスルフィン酸ナトリウム(0.36g、3.53mmol)の溶液を130℃で5時間加熱した。次にこの黒色の反応混合物を氷(20g)上に注ぐと、褐色の粘着性物質が生成した。次に生じた混合物を酢酸エチル(50mL)及び水(50mL)で処理して、層を分離した。水層を酢酸エチル(2×50mL)で更に抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、1/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロフェニル)−プロピオン酸メチルエステル(0.95g、84%)を黄色のゲル状物として得た:FAB−HRMS m/e C16H21NO6S(M+H)+の計算値356.1169、実測値356.1175。
テトラヒドロフラン(6mL)中の3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロフェニル)−プロピオン酸メチルエステル(1.17g、3.29mmol)の溶液を0.8M水酸化リチウム水溶液(6.17mL、4.94mmol)で処理した。この反応混合物を25℃で3時間撹拌した。次に反応混合物を水(50mL)、1N塩酸水溶液(10mL)、及び酢酸エチル(50mL)で希釈した。層を分離して、水層を酢酸エチル(2×50mL)で更に抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、1/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロフェニル)−プロピオン酸(993mg、88%)を黄色の泡状物として得たが、これは少量の不純物を含んでいた。少量の黄色の泡状物(50mg)を、バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、3/1、次いで1/1のヘキサン/酢酸エチル)を用いて再精製することによって、3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロフェニル)−プロピオン酸を白色の泡状物として得た:融点114〜118℃(泡状物からゲル状物);FAB−HRMS m/e C15H19NO6S(M+H)+の計算値342.1011、実測値342.1014。
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロフェニル)−プロピオン酸(50mg、0.15mmol)、トリエチルアミン(0.060mL、0.44mmol)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(98mg、0.22mmol)、及び2−アミノベンゾチアゾール(33mg、0.22mmol)の溶液を、25℃で3時間撹拌した。次にこの反応混合物を水(25mL)、1N塩酸水溶液(5mL)、及び酢酸エチル(25mL)で希釈した。層を分離した。生じた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×25mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、2/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−プロピオンアミド(31mg、45%)を淡黄色の泡状物として得た:融点108〜113℃(泡状物からゲル状物);EI−HRMS m/e C22H23N3O5S2(M+)の計算値473.1079、実測値473.1077。
実施例33
N−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−プロピオンアミド
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロフェニル)−プロピオン酸(実施例32と同様に調製、50mg、0.15mmol)、トリエチルアミン(0.060mL、0.44mmol)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(98mg、0.22mmol)、及び2−アミノベンゾオキサゾール(30mg、0.22mmol)の溶液を、25℃で3時間撹拌した。次にこの反応混合物を水(25mL)、1N塩酸水溶液(5mL)、及び酢酸エチル(25mL)で希釈した。層を分離した。生じた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×25mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルク(Merck)シリカゲル60、230〜400メッシュ、2/1のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−ベンゾオキサゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−プロピオンアミド(13mg、19.5%)を黄色の固体として得た:融点106〜110℃;EI−HRMS m/e C22H23N3O6S(M+)の計算値457.1308、実測値457.1323。
実施例34
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−プロピオンアミド
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロフェニル)−プロピオン酸(実施例32と同様に調製、50mg、0.15mmol)、トリエチルアミン(0.060mL、0.44mmol)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(98mg、0.22mmol)、及び2−アミノベンゾイミダゾール(30mg、0.22mmol)の溶液を、25℃で4時間撹拌した。次にこの反応混合物を水(25mL)、1N塩酸水溶液(5mL)、及び酢酸エチル(25mL)で希釈した。層を分離した。生じた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×25mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40S、シリカ、1/3のヘキサン/酢酸エチル)によって、N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−プロピオンアミド(25mg、38%)を淡黄色の固体として得た:融点113〜117℃;EI−HRMS m/e C22H24N4O5S(M+)の計算値456.1467、実測値456.1465。
実施例35
3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド
塩化メチレン(4mL)中の3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロフェニル)−プロピオン酸(実施例32と同様に調製、150mg、0.439mmol)、トリエチルアミン(0.184mL、1.32mmol)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(291mg、0.659mmol)、及び2−アミノキノリン(95mg、0.659mmol)の溶液を、25℃で一晩撹拌した。この粗反応混合物をバイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(フラッシュ(FLASH)40M、シリカ、1/1のヘキサン/酢酸エチル)により直接精製して、3−シクロペンチル−2−(4−メタンスルホニル−3−ニトロ−フェニル)−N−キノリン−2−イル−プロピオンアミド(28mg、13.6%)を白色の泡状物として得た:融点102〜106℃(泡状物からゲル状物);EI−HRMS m/e C24H25N3O5S(M+)の計算値467.1515、実測値467.1513。
生物学的活性の実施例A:インビトロのグルコキナーゼ活性
グルコキナーゼ検定:グルコキナーゼ(GK)は、カップリング酵素としてのロイコノストック・メゼンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)由来のグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PDH、0.75〜1k単位/mg;ベーリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)、インディアナポリス、インディアナ州)によって、グルコース−6−リン酸の産生をNADHの生成に関連づけることにより検定した(スキーム2)。
組換えヒト肝GK1は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ融合タンパク質(GST−GK)〔Liangら、1995〕としてE. coliで発現させ、製造業者(アマーシャム・ファルマシア・バイオテク(Amersham Pharmacia Biotech)、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)が提供する手順を用いて、グルタチオン−セファロース4Bアフィニティーカラムでのクロマトグラフィーによって精製した。予備試験では、天然のGK及びGST−GKの酵素的性質が本質的に同一であることが証明されている(Liangら、1995;Neetら、1990)。
本検定は、120μLの最終インキュベーション容量でコスター(Costar)(ケンブリッジ、マサチューセッツ州)製の平底96ウェル組織培養プレートで25℃で行った。インキュベーション混合物は、以下を含むものとした:25mM Hepes緩衝液(pH7.1)、25mM KCl、5mM D−グルコース、1mM ATP、1.8mM NAD、2mM MgCl2、1μMソルビトール−6−リン酸、1mMジチオスレイトール、試験薬物又は10% DMSO、1.8単位/ml G6PDH、及びGK(以下を参照のこと)。全ての有機試薬は、純度>98%であり、シグマ化学(Sigma Chemical Co.)(セントルイス、ミズーリ州)製のD−グルコースとHepesを除いてベーリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)製とした。試験化合物は、DMSOに溶解して、インキュベーション混合物からGST−GKを引いたものに12μlの容量で加えることにより、10%の最終DMSO濃度にした。この混合物を、スペクトラマックス(SPECTRAmax)250マイクロプレート分光光度計(モレキュラー・デバイス社(Molecular Devices Corporation)、サニーヴェール、カリフォルニア州)の温度制御チャンバーで10分間予備インキュベートすることにより、温度を平衡化させ、次いでGST−GK 20μlの添加により反応を開始させた。
酵素の添加後、GK活性の尺度として、340nmの光学密度(OD)の上昇を10分間のインキュベーション時間にわたりモニターした。10% DMSOを含むが試験化合物を含まないウェルで、10分間のインキュベーション時間にわたって0.08〜0.1単位のOD340の上昇を得るのに充分なGST−GKを加えた。予備実験では、GK活性を5倍上昇させるアクチベーターの存在下でさえも、GK反応が、この試験時間にわたって線形であることを確認した。対照ウェルのGK活性を、試験GKアクチベーターを含むウェルの活性と比較して、GKの活性を50%上昇させるアクチベーターの濃度、即ち、SC1.5を算出した。合成実施例に記述された式(I)及び(II)の全ての化合物は、30μM以下のSC1.5であった。
実施例Aに関する参考文献:Liang, Y., Kesavan, P., Wang, L., Niswender, K., Tanizawa, Y., Permut, M.A., Magnuson, M., 及びMatschinsky, F.M. 「若年発症型成人型糖尿病(MODY)関連グルコキナーゼ突然変異がこの酵素の基質相互作用及び安定性に及ぼす種々の影響」 Biochem. J. 309: 167-173, 1995;並びにNeet, K., Keenan, R.P., 及びTippett, P.S. 「モノマーのグルコキナーゼにおける緩慢転移動態の観察」 Biochemistry 29: 770-777, 1990。
生物学的活性の実施例B:インビボ活性
グルコキナーゼアクチベーターのインビボスクリーニングプロトコール
C57BL/6Jマウスに、2時間の絶食後、50mg/kg体重でグルコキナーゼ(GK)アクチベーターを強制飼養により経口投与した。血中グルコース測定は、6時間の投与後試験期間に5回行った。
マウス(n=6)を秤量して、経口処置の前2時間絶食させた。GKアクチベーターは、ゲルシレ(Gelucire)ビヒクル中に6.76mg/mlに処方した(エタノール:ゲルシレ44/14:PEG400十分量、4:66:30 v/w/v)。マウスに、体重1グラム当たり処方7.5μL(50mg/kgの用量に等しい)を経口投与した。投与の直前に、マウス尾の小部分(〜1mm)を切り取って、分析用にヘパリン化毛細管中に血液15μLを回収することにより、投与前(ゼロ時点)血中グルコースの読みを取得した。GKアクチベーター投与後、同じ尾の創傷部から投与の1、2、4、及び6時間後に追加の血中グルコースの読みを得た。結果は、6匹のビヒクル処置マウスの平均血中グルコース値を6匹のGKアクチベーター処置マウスと6時間の試験期間にわたって比較することにより解釈した。化合物は、連続する2測定時点でビヒクルに比較して血中グルコースが統計的に有意な(p≦0.05)低下を示すときに活性と考えた。
実施例A
以下の成分を含む錠剤は、従来法で製造することができる:
成分 mg/錠
式(I-0)の化合物 10.0〜100.0
乳糖 125.0
トウモロコシデンプン 75.0
タルク 4.0
ステアリン酸マグネシウム 1.0
実施例B
以下の成分を含むカプセル剤は、従来法で製造することができる:
成分 mg/カプセル
式(I-0)の化合物 25.0
乳糖 150.0
トウモロコシデンプン 20.0
タルク 5.0