以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る給紙装置、自動原稿搬送装置及び画像形成装置をディジタル複写機に適用した実施の一形態を示している。
まず、ディジタル複写機の構成を説明する。
ディジタル複写機1の本体1a上面には、コンタクトガラス2及びコンタクトガラス2より小面積のスリットガラス2aが設けられている。以下、これらをコンタクトガラス2と総称する。また、コンタクトガラス2の上には、自動原稿搬送装置(以下「ADF」ともいう)3が図示しないヒンジ機構を介して設けられ、ADF3は、本体1a上面に対して開閉自在てなっている。また、ADF3は、原稿トレイ4(図2に示す)に載置された複数のシート状の原稿からなる原稿束から取り出した原稿を1枚ずつ分離し、コンタクトガラス2上の読取位置に搬送し、読み取り後の原稿を第1排紙トレイ8又は第2排紙トレイ9(図2に示す)に排紙するように構成されている。
一方、本体1aのコンタクトガラス2の下方には、図示しない露光ランプ、ミラー、レンズ、電荷結合素子(CCD)からなるイメージセンサ、等を有するスキャナ121が設けられ、スキャナ121は、図示しない駆動装置によって図1中、左右方向に移動するように構成されている。この駆動装置は、図示しない本体制御部の制御によって、コンタクトガラス2上の読取位置に搬送され、搬送停止された原稿の画情報を読み取る場合は、スキャナ121を左右方向に走査させ、また、コンタクトガラス2上に原稿を搬送しながら原稿の画情報を読み取る場合には、スキャナ121を読取位置下方に停止させるように構成されている。
また、スキャナ121によって読み取られた原稿の画情報は、画像データとして前記本体制御部に出力され、前記本体制御部は、入力された画像データを書き込み光学系200によって画像形成部201を構成する感光体ドラム202に書き込んで静電潜像を形成させ、画像形成部201を構成する帯電部203、露光部204、現像部205によって感光体ドラム202上に可視トナー像を形成させるようにしている。
一方、前記本体制御部の制御で、転写給紙系206から給紙された転写紙が、画像形成動作に合わせて画像形成部201に搬送され、画像形成部201を構成する転写部207によって、転写紙の第1面にトナー(トナー像)が転写され、さらに定着系208によってトナーが定着された後、転写反転排紙部209に搬送されるように構成されている。
ここで、転写反転排紙部209における経路Iは、画像形成装置1外に転写紙を直ちに排紙するための経路であり、経路IIは、転写反転排紙部209内で転写紙を反転して装置外に排紙するための経路である。さらに、経路IIIは、転写反転排紙部209内で転写紙を反転し、両面トレイにおいてその転写紙を再給紙後、上述の画像形成プロセスを経てその転写紙の第2面にトナー像が転写、定着された後、その転写紙を経路Iにて装置外に排紙するための経路である。
図2は、図1のADF3の概略構成を示している。
ADF3には、原稿トレイ4に載置された原稿束から原稿Pを1枚ずつ分離した後、分離された原稿をコンタクトガラス2に向かって搬送する分離・給紙部5と、分離・給紙部5によってコンタクトガラス2に向かって搬送された原稿をコンタクトガラス2上の露光位置(「読取位置」に相当する)に搬送・停止させるとともに、コンタクトガラス2の下方に配設されたスキャナ121 (図1に示す)により読み取りが終了した原稿を、コンタクトガラス2から搬出する搬入・搬出部6と、搬入・搬出部6によってコンタクトガラス2の露光位置から搬出された原稿を、複写機1の側方から突出する第1排紙トレイ8又は原稿トレイ4の下方に配設された第2排紙トレイ9の何れか一方に排紙する排紙部7と、から構成されている。また、分離・給紙部5は、後述する図3、図4の第1駆動機構18、第2駆動機構19によって駆動され、搬入・搬出部6は、後述の第3駆動機構68によって駆動され、排紙部7は、後述の第4駆動機構90によって駆動される。ここで、原稿トレイ4は、複数の原稿からなる原稿束Pを、画像面上向きで載置するようにしている。なお、第1排紙トレイ8は、ADF3の側方から突出するように設けてもよい。
分離・給紙部5において、原稿セッ卜センサ15は、原稿トレイ4に原稿が載置されたことを検知し、メインコントローラ21(図3に示す)に検知情報を送るものである。ピックアップローラ10は、図示しない駆動機構により上下方向に揺動して原稿束Pに当接・離隔可能なように設けられ、原稿Pの上層に位置する原稿を取り出すものである。ストッパ爪14は、原稿トレイ4に当接する規制位置(当接位置)と原稿トレイ4から退避する退避位置(離隔位置)の間を移動可態に設けられ、規制位置に位置したときに原稿束Pの先端部に当接して、原稿束Pが原稿トレイ4上の所定位置よりも搬送方向下流側に移動するのを規制するようにしている。給紙べル卜11及び分離ローラ12は、ピックアップローラ10により取り出された原稿を1枚ずつ分離し、最上位の原稿のみを後述のプルアウトローラ対へ搬送するものである。なお、給紙べル卜11と分離ローラ12とは、後述のように円形カラー33(図3に示す)の揺動により、所定のタイミングで当接・離間するようになっている。
また、分離・給紙部5において、プルアウトローラ対は、プルアウト駆動ローラ13とプルアウト従動ローラ13a、又はプルアウト駆動ローラ13とプルアウト従動ローラ13bからなり、給紙べル卜11及び分離ローラ12によって分離された原稿を挟持し、さらに引抜いて前記読取位置に向かって搬送するものである。プルアウトセンサ16は、プルアウトローラ対13、13aによって給紙べル卜11及び分離ローラ12から引抜かれた原稿を検知し、メインコントローラ21に検知情報を送るものである。なお、プルアウトセンサ16は、原稿の幅方向にわたって複数個設けられており、原稿の幅方向長さを検知することもできる。レジストセンサ17は、分離後の原稿がプルアウトローラ対13、13aによって給紙べル卜11及び分離ローラ12から引抜かれ、さらにプルアウトローラ対13、13bによって挟持、搬送されてきたとき、前記読取位置の直前でその原稿を検知し、メインコントローラ21に検知情報を送るものである。
搬入・搬出部6において、搬送ベルト65は、搬送ベルト駆動ローラ66及び搬送ベルト従動ローラ67に巻き回された無端ベルトであって、搬送ベルト駆動ローラ66の駆動で循環し、コンタクトガラス2上の原稿を搬送するものである。
排紙部7において、第1切換爪85、第2切換爪86は、原稿の搬送方向を切り換えるものである。排紙センサ89aは、搬送ベルト65から搬出された原稿が、反転駆動ローラ81及び排紙従動ローラ82によって反転経路101側に搬送されたとき、前記原稿を検知し、メインコントローラ21に検知情報を送るものである。排紙センサ89bは、反転駆動ローラ81及び排紙従動ローラ82によって反転経路101上を搬送されてきた原稿を検知し、メインコントローラ21に検知情報を送るものである。反転ガイドローラ83は、反転駆動ローラ81に連れ回りして、反転駆動ローラ81及び排紙従動ローラ82によって反転経路101上を搬送されてきた原稿を反転させ、返送経路102へ案内するものである。排紙駆動ローラ87及び排紙従動ローラ88は、読み取り後の原稿を挟持、搬送して第2排紙トレイ9へ排紙するものである。なお、反転駆動ローラ81及び排紙従動ローラ82は、読み取り後の原稿を挟持、搬送して第1排紙トレイ8へ排紙するものである。
図3は、ADF3の駆動機構の概略を示す。
ADF3のメインコントローラ21は、原稿セットセンサ15、プルアウトセンサ16、レジストセンサ17、フィラーセンサ32等のセンサ類からの検知信号(「検知情報」に相当する)、本体1aの本体制御部からの制御信号、等により、ADF3の第1駆動機構18、第2駆動機構19、第3駆動機構68、第4駆動機構90を制御するものである。
第1駆動機構18において、ピックアップモータ20は、ステッピングモータからなり、メインコントローラ21によって駆動されるようになっている。また、ピックアップモータ20の駆動力は、ピックアップモータ20の出力軸に取付けられたタイミングプーリ20aからタイミングべルト27を介してタイミングプーリ22に伝達されるようになっている。このタイミングプーリ22は、一体化されたギヤ23を有しており、ギヤ23を介してピックアップ入力ギヤ26に噛合している。ここで、図4に示すように、ピックアップモータ20が、モータ表側からみて反時計方向であるCCW方向に回転すると、タイミングプーリ20aからタイミングべルト27を介してタイミングプーリ22に駆動力が伝達され、ギヤ23を介してピックアップ駆動ギヤ26が時計方向に回転する。このピックアップ駆動ギヤ26は、駆動軸29(図5に示す)に連結されており、駆動軸29には、ホームポジション検知フィラー28が固定され、さらに給紙ブラケット38内の給紙ベルト11の両側に配置されたカム31、が連結されている。また、駆動軸29は、ADF3の図示していない前後側板に回転自在に支持されている。また、給紙ブラケット38において、カム31の周部が、給紙ベルト11両側の従動ローラ43と接触するようになっている。
なお、給紙ブラケット38の両側には、ストッパ爪揺動レバー42が設けられている。このストッパ爪揺動レバー42は、トルクリミッタ40を介して駆動軸29に接続され、ストッパ爪揺動レバー42のピン42Aがストッパ爪14の接続溝14Aの中を摺動可能に構成されている。トルクリミッタ40は、両回転方向にトルクが作用する型のものであり、駆動軸29に固定されている。例えば、駆動軸29が時計方向に回転すると、トルクリミッタ40とストッパ爪揺動レバー42も時計方向に回転し、ピン42Aが接続溝14Aに沿って摺動し、ストッパ爪14が支点14Bを中心として揺動することとなる。
ここで、図5に示すように、ホームポジション検知フィラー28は、駆動軸29の回転に伴って揺動し、フィラーセンサ32によって検知されるようになっている。このフィラーセンサ32は、発光素子及び受光素子からなる光センサから構成され、ホームポジション検知フィラー28によって発光素子から受光素子に照射される光が遮断されたときに、カム31の回動位置を検知するものである。このカム31の回動位置を検知することによって、後述するようにピックアップローラ10のホームポジション位置を検知するようになっている。
ここで、図5、図6に示すように、給紙ベルト11は、給紙ベルト駆動軸34及び給紙ベルト従動ローラ36に巻回されており、この給紙ベルト駆動軸34及び給紙ベルト従動ローラ36は、給紙べルトllを支持する給紙ブラケット38に係合している。また、給紙ベルト従動ローラ36には、筒状の従動ローラ軸36bが挿通されており、従動ローラ軸36bの両端部と給紙ブラケット38の間には、スプリング46a、46b(ここでは、「コイルばね」を用いている)が取り付けられている。このスプリング46a、46bは、給紙べルトllの幅方向中央に対し、給紙べルト11の幅方向の対称位置に配置されている。また、スプリング46a、46bの縮退によるバネ力が、従動ローラ軸36bを給紙ベルト駆動軸34から離隔する方向に付勢すると共に、給紙ベルト駆動軸34の給紙ベルト11の幅方向両側に設けられた軸受47a、47bを、給紙ブラケット38に押し付ける方向に付勢するようになっている。この双方向への付勢により、給紙べルト11に一定の張力を付与することになる。また、ピックアップローラ10には、中心軸35bが挿通されており、この中心軸35bは揺動部材35に支持されている。この揺動部材35が駆動軸34を中心にして揺動するのに連動して、ピックアップローラ10が原稿束Pに当接する位置と離隔する位置の間を移動するようになっている。
ここで、図5、図7に示すように、二つのカム31は、駆動軸29にネジ99で取り付けられ、給紙ブラケット38内で給紙ベルト11を挟んで幅方向両側に配置されている。また、図7に示すように、それぞれのカム31には、略楕円形で板状の楕円部31Aと、略扇形で板状の扇部31Bとを有し、楕円部31Aと扇部31Bとの間には段差を有している。また、楕円部31Aの外周面には、給紙ブラケット38側の従動ローラ43が接して回転移動する第1の接触面が含まれ、第1の接触面の略中央には凹み31aが形成されている。また、扇部31Bの扇形面における半円周縁の一部には、環状の突条が形成され、給紙ブラケット38側の従動ローラ43がその突条をガイドとして回転移動するようになっている。換言すれば、その突条の内周面(「扇部31Bの内周面」に相当する)が第2の接触面を形成している。さらに、扇部31Bの突条側端には、円形カラー33が、カラー軸33Aを中心として回転可能に取り付けられている。このカラー軸33Aは、カム31に形成された孔(駆動軸29を貫通し、扇部31Bに穿たれた孔)に駆動軸29と略平行に挿通されると共に、カラー軸33Aと直交するように前記孔に挿入されたスプリング49(ここでは、「コイルばね」を用いている)により、所定の加圧力で加圧されている。また、カラー軸33Aは、スプリング49の弾性により上下方向に揺動可能となっている。このスプリング49は、ネジ99によりその一端(駆動軸29側)が押えられている。換言すれば、カム31の形成された孔の駆動軸29側開口部は、ネジ99により塞がれている。また、スプリング49の他端(カラー軸33A側)は、スプリング49が前記孔に挿入された状態で支持され、スプリング49が撓んだときの座屈による倒れを防止するようにしている。
ここで、駆動軸29の中心から扇部31Bの内周までの半径をカムの「外半径」とし、駆動軸29の中心から楕円部31Aの外周までの半径をカムの「内半径」とすると、カムの内半径の最大値(図17のR1に相当する)と、カムの外半径の最小値(図17のR2に相当する)との差が、従動ローラ43の直径(図17のD1に相当する)より大きくなるよう、設定している。これは、従動ローラ43が第2の接触面上を回転しながら移動可能なように、扇部31Bの内周面とこの内周面に対向する楕円部31Aの外周面との間隔を保つためである。
一方、図5、図6に示すように、給紙ブラケット38は、給紙べルト駆動ローラ47の給紙べルト駆動軸34に固定された両端の軸受47a、47bに支持され、給紙べルト駆動軸34を中心に揺動自在に構成されている。給紙ブラケット38の両側板に設けられた軸38aには、二つの従動ローラ43がそれぞれ回転自在に取り付けられている。また、従動ローラ43は、給紙ブラケット38の自重及び給紙べルト11の張力により、常にカム31の周面(「第1の接触面」、「第2の接触面」に相当する)と接触している。従って、カム31が回転すると、カム31の駆動軸29からの半径(「内半径」、「外半径」に相当する)が変化し、カム31と従動ローラ43との接触位置も変化することとなる。この接触位置の変化により、給紙ブラケット38は給紙べルト駆動軸34を中心に上下方向に揺動することとなる。
ここで、図5、図6に示すように、給紙ベルト従動ローラ36の従動ローラ軸36bには、揺動部材35を介してピックアップローラ10が取付けられている。したがって、ピックアップローラ10は、従動ローラ軸36bを中心として揺動可能になっている。また、揺動部材35には、アイドルギヤ37が取付けられており、このアイドルギヤ37は、ピックアップローラ10の端部に形成されたギヤ10aと常時噛合すると共に、給紙ベルト従動ローラ36の端部に取付けられたギヤ36aと常時噛合している。
ここで、図5、図6に示すように、給紙べルト11の幅は、分離ローラ12の幅より狭く設定されている。これは、ピックアップローラ10が上昇して原稿束Pから離隔した待機位置にあるとき、給紙ベルト11の両側(外側)に配置された円形カラー33が、分離ローラ12と圧接して、給紙ベルト11と分離ローラ12を離間するようにしたためである (図14に示す)。
また、図3の第2駆動機構19において、給紙モータ48は、メインコントローラ21からの制御信号に基づいて駆動される。ここで、図中の「太い矢印」は、給紙モータ48がCW方向に回転したときの駆動力の伝達を示し、「細い矢印」は、給紙モータ48がCCW方向に回転したときの駆動力の伝達を示している。給紙モータ48の駆動力は、それぞれギヤ49、べルト50、ギヤ51、52、べルト53およびギヤ54を介して伝達ギヤ55に伝達される。
この伝達ギヤ55は、給紙ベルト駆動軸34に駆動力を伝達するギヤ56と噛合しており、このギヤ56には、ワンクェイクラッチが内蔵されている。また、伝達ギヤ55は、ギヤ57とも噛合しており、このギヤ57には、ワンウェイクラッチが内蔵されている。このギヤ57は、ギヤ58、61を介して分離ローラ12を駆動するようになっている。
また、伝達ギヤ55は、ギヤ58、59、60、61、62、63、64を介してプルアウト駆動ローラ13を駆動するようになっている。また、プルアウト駆動ローラ13とギヤ64の間には、クラッチ64aが介在し、このクラッチ64aは、メインコントローラ21からの制御信号に基づいて、ギヤ64からの駆動力をプルアウト駆動ローラ13に伝達又は遮断するようになっている。なお、ギヤ59には、ワンウェイクラッチが内蔵されている。
また、図3の第3駆動機構68において、搬送べルトモータ69は、メインコントローラ21によって駆動制御され、ギヤ70、べルト71、ギヤ72、73、べルト74、ギヤ75を介して搬送べルト駆動ローラ66に駆動力を伝達する。この搬送ベルト駆動ローラ66は、搬送べルトモータ69の正逆転駆動に伴って搬送ベルト65を正逆転駆動させるようになっている。
なお、図3の第3駆動機構68において、給紙モータ48がCCW方向に逆回転して給紙ベルト11の駆動が停止した時点で、メインコントローラ21からの制御信号により、搬送べルトモータ69は、反時計方向であるCCW方向に正回転する。ここで、搬送ベルト65が正回転し、分離後の原稿はコンタクトガラス2上に搬入される。次いで、レジストセンサ17により、コンタクトガラス2に搬入される原稿の後端が検知されると、メインコントローラ21は、後端検知時点から所定パルスだけ搬送ベルトモータ69を正転駆動させ、原稿はコンタク卜ガラス2の露光位置に停止する。ここで、給紙モータ48及び搬送べルトモータ69の駆動を停止させる。次いで、複写機1の本体1aのスキャナ121による読み取り及び露光動作が終了すると、コントローラ21は、搬送べルトモータ69を再び正転駆動させ、読み取り後の原稿がコンタクトガラス2から排紙部7へ搬出される。
また、図3の第4駆動機構90において、排紙モータ91は、メインコントローラ21からの制御信号によって駆動制御される。この排紙モータ91の出力軸91aには、べルト91bを介してギヤ92が接続されている。このギヤ92は、ギヤ93、94、95にそれぞれべルト96を介して排紙モータ91の駆動力を伝達するようになっている。ギヤ95、94には、それぞれ反転駆動ローラ81、排紙駆動ローラ87が接続されている。また、第1切換爪85は、第1ソレノイド97によって駆動され、第2切換爪86は、第2ソレノイド98によって駆動されるようになっている。これらのソレノイド97、98は、メインコントローラ21からの制御信号によって駆動制御(ON又はOFF)される。
ここで、メインコントローラ21によるソレノイド97の駆動制御により、第1切換爪85は、OFF状態でホームポジション(待機位置)にあり、ON状態で非ホームポジション(移動位置)にあるようにしている。第1切換爪85が待機位置にあるとき、コンタクトガラス2と第1排紙トレイ8が連通し、第1切換爪85の下面が原稿の搬送路の一部を形成するようにしている。また、第1切換爪85が移動位置にあるとき、コンタクトガラス2と反転経路101が連通し、第1切換爪85の上面が原稿の搬送路の一部を形成するようにしている(図2に示す)。一方、第2切換爪86は、OFF状態でホームポジション(待機位置)にあり、ON状態で非ホームポジション(移動位置)にあるようにしている。第2切換爪86が待機位置にあるとき、反転経路101と返送経路102が連通し、第2切換爪86の下面が原稿の搬送路の一部を形成するようにしている(図2に示す)。また、第2切換爪86が移動位置にあるとき、返送経路102と第2排紙トレイ9が連通し、第2切換爪86の上部が原稿の搬送路の一部を形成するようにしている。
次に、ADF3の給紙動作、先出し動作、排紙動作を説明する。
図9、図10は、ADF3の給紙動作の手順を示す。ここでは、原稿トレイ4上に原稿束Pが載置され、複写機1の本体1aの図示しない操作部に設けられた、コピースタートキーが押下されると、複写機1の本体1aからADF3のメインコントローラ21に対して給紙信号を送信する。メインコントローラ21が本体1aからの給紙信号を入力すると、メインコントローラ21に格納されたプログラムは、給紙動作ルーチンに移行する。
まず、メインコントローラ21は、原稿トレイ4から給紙される原稿が、1枚目であるか否かを判断する(図9のステップS0)。この判断が「YES」の場合はステップS2に移り、「NO」の場合にはステップS1に移る。
ステップS1では、メインコントローラ21が給紙モータ48を逆転(CW方向)駆動させると共に、搬送ベル卜モータ69を正転(CCW方向)駆動させ、この後、ステップS14の処理に移る。これは、後述する図17の「先出し動作」で先出し待機している原稿をコンタクトガラス2の露光位置に搬送するためである。
一方、ステップS2では、メインコントローラ21が第2給紙機構19の給紙クラッチ64aをONさせると共に、第1給紙機構18のピックアップモータ20を正転(CCW方向)駆動させる。
ここで、ピックアップモータ20を所定パルスだけCCW方向に駆動させると、このときの駆動力は、タイミングプーリ20aからタイミングべルト27を介し、さらにタイミングプーリ22、ギヤ23を介してピックアップ入力ギヤ26に伝達され、ピックアップ入力ギヤ26が時計方向に回転する。このピックアップ入力ギヤ26の回転で、揺動機構によりストッパ爪14が揺動上昇すると共に、駆動軸29が時計方向に回転する。この駆動軸29の回転に伴い、カム31も時計方向に回転する。また、揺動部材35に設けた弾性体35Aも、弾性変形量を滅少させながら、原稿カバー103の当接部分103Aと離間し始める(図15に示す)。また、カム31の回転に伴い、給紙ブラケット38に設けた従動ローラ43が、カム31の接触面に接して回転しながら移動する。ここで、従動ローラ43が楕円部31Aの第1の接触面から扇部31Bの第2の接触面に移ろうとするとき、給紙べル卜11の張力により、給紙ブラケット38が上方向に付勢されるために、従動ローラ43が第2の接触面に接触して回転移動を続ける。この後、弾性体35Aは、前述したように弾性変形量を滅少させ続け、原稿カバー103の当接部分103Aと完全に離間する(図16に示す)。
また、給紙ブラケット38が、給紙べルト駆動プーリ47の回転軸(「給紙べルト駆動軸34」に相当する)を中心として下方向に揺動すると、ピックアップローラ10は原稿束Pに当接する。この当接状態で、給紙ブラケット38はさらに下方向に揺動し、給紙べルト11と分離ローラ12が所定のニップ角度a1で当接する(図17に示す)。こうして第1駆動機構18の動作が終了すると、メインコントローラ21はピックアップモータ20を停止させる。
次いで、メインコントローラ21は、第2駆動機構19の給紙モータ48を正転(CCW方向)駆動させる(ステップS3)。ここで、給紙モータ48の駆動力は、第2駆動機構19のギヤ49、べルト50、ギヤ51、52、べルト53およびギヤ54を介して伝達ギヤ55に伝達され、伝達ギヤ55は反時計方向に回転する。また、前記駆動力は、伝達ギヤ55と噛合するギヤ56を介して給紙ベルト駆動軸34に伝達され、給紙ベルト駆動軸34が時計方向に回転するのに伴ない、給紙べルト11も時計方向に循環移動する。さらに、前記駆動力は、給紙ベルト駆動軸34から給紙ベルト従動ローラ36を介してピックアップローラ10に伝達される。また、伝達ギヤ55の反時計方向回転により、ギヤ57も時計方向に回転するため、このギヤ57の回転がギヤ58、62を介して分離ローラ12に伝達され、分離ローラ12が反時計方向に回転する。また、伝達ギヤ55からギヤ59、 60、 61、 58、 62、 63、 64を介してプルアウト駆動ローラ13に駆動力が伝達され、プルアウト駆動ローラ13が反時計方向に回転する。
このため、給紙べルト駆動軸34から駆動力が伝達されるピックアップローラ10によって、原稿束Pの給紙が開始された後、給紙べルト11が原稿の給紙方向に循環移動するとともに、分離ローラ12が給紙阻止方向に回転するため、給紙された原稿束Pの最上位に位置する原稿のみが分離される。この分離された原稿が、プルアウト駆動ローラ13及びプルアウト従動ローラ13a、13bによってコンタクトガラス2に向かって搬送される。
次いで、メインコントローラ21は、プルアウトセンサ16によって原稿の先端が検知されたか否かを判断する(ステップS4)。この判断が「YES」の場合はステップS7に移り、「NO」の場合にはステップS5に移る。
ステップS5では、ジャム検知のために所定時間経過したか否かを判断する。この判断が「YES」の場合はステップS6に移り、「NO」の場合にはステップS4に移る。
ステップS6では、プルアウトセンサ16に原稿が未到達であり、搬送ジャム(プルアウト滞留ジャム)が発生したものとして給紙動作を中断する。
また、ステップS7では、搬送ジャムが発生することなく、プルアウトセンサ16に原稿が到達したので、メインコントローラ21は、第2駆動機構19の給紙モータ48を一旦停止した後、第1駆動機構18のピックアップモータ20を正転(CCW方向)駆動させる。このピックアップモータ20の正転駆動により、駆動軸29が時計方向に回転し、これに伴なってカム31も時計方向に回転する。このとき、給紙ブラケッ卜38に設けられた従動ローラ43は、カム31の楕円部31Aにおける第1の接触面に接して回転移動し、同時に給紙ブラケット38は、給紙ベルト駆動34を中心として上方向に揺動し、給紙ブラケット38と共にピックアップローラ10も上昇する。また、ピックアップモータ20の正転駆動により、ストッパ爪14は上昇位置を維持する(図16に示す)。
次いで、メインコントローラ21は、カム31の回転に伴い、従動ローラ43がカム31の接触面と接して回転移動し、カム31の凹み31aに到達したか否かを判断する(ステップS8)。ここでは、フィラーセンサ32が、ホームポジション検知フィラー28を検知したか否かにより、従動ローラ43がカム31の凹み31aに到達したか否かを判断する。この判断が「YES」の場合はステップS9に移り、「NO」の場合にはフィラーセンサ32からの検知信号待ちとなる。
ステップS9では、メインコントローラ21がピックアップモータ20の駆動を停止させる。この停止状態で、分離ローラ12と円形カラー33が当接し、給紙べルト11は分離ローラ12とは接触せず離間し、さらにピックアップローラ10が上昇し、原稿束Pから離隔した待機位置に戻る (図18に示す)。
次いで、メインコントローラ21は、第2駆動機構19の給紙モータ48を逆転(CW方向)駆動させると共に、搬送べルトモータ69を正転(CCW方向)駆動させる(ステップS10) 。このとき、第2駆動機構19では、給紙モータ48の逆転駆動により、伝達ギヤ55が時計方向に回転するために、ギヤ56の内蔵ワンウェイクラッチの作用で給紙ベルト駆動軸34に駆動力が伝達されず、給紙ベルト11は停止する。一方、伝達ギヤ55の時計方向回転は、ギヤ59、60、61、58、62、63、64を介してプルアウト駆動ローラ13を回転駆動させると共に、ギヤ59、60、61、58を介して分離ローラ12を回転駆動させる。これらの回転駆動で、分離ローラ12が後続の原稿の分離を阻止しつつ、プルアウト駆動ローラ13が原稿をコンタクトガラス2に向けて搬送することとなる。
次いで、メインコントローラ21は、レジストセンサ17が原稿の先端を検知したか否かを判断する(ステップS11)。この判断が「YES」の場合はステップS14に移り、「NO」の場合にはステップS12に移る。
ステップS12では、メインコントローラ21がジャム検知のために所定時間経過したか否かを判断する。この判断が「YES」の場合はステップS13に移り、「NO」の場合にはステップS11に移る。
ステップS13では、レジストセンサ17に原稿が未到達であるために、搬送ジャム(レジスト未達ジャム)が発生したものとして給紙動作を中断する。
また、ステップS14では、1枚目の原稿の分離給紙時に搬送ジャムが発生することなく、レジストセンサ17に原稿が到達したので、給紙モータ48を増速駆動し、給紙モータ48の回転数が搬送べルトモータ69の回転数と同等となるようにする。あるいは、「先出し動作」で先出し待機している原稿をコンタクトガラス2の露光位置に搬送するために、ステップS1で、給紙モータ48を逆転駆動し、搬送ベル卜モータ69を正転駆動した後に、ステップS14で、給紙モータ48を増速駆動し、給紙モータ48の回転数が搬送べルトモータ69の回転数と同等となるようにする。
次いで、メインコントローラ21は、プルアウトセンサ16から検知情報に基づいて原稿の幅方向長さを複写機1の本体1aに送信した後(ステップS15) 、プルアウ卜センサ16が原稿通過を検知してOFFしたか否かを判断する(ステップS16)。この判断が「YES」の場合はステップS19に移り、「NO」の場合にはステップS17に移る。
ステップS17では、メインコントローラ21がジャム検知のために所定時間経過したか否かを判断する。この判断が「YES」の場合はステップS18に移り、「NO」の場合にはステップS16に移る。
ステップS18では、プルアウトセンサ16が原稿を検知し続けるために、プルアウトセンサ16周辺に原稿が滞留して搬送ジャム(プルアウト滞留ジャム)が発生したものとして給紙動作を中断する。
また、ステップS19では、搬送ジャムが発生することなく、原稿がプルアウトセンサ16を通過したので、プルアウトセンサ16による原稿の前後端検知情報に基づいて原稿の長さ情報を複写機1の本体1aに送信する。
次いで、メインコントローラ21は、レジストセンサ17が原稿通過を検知してOFFしたか否かを判断する(図10のステップS20)。この判断が「YES」の場合はステップS23に移り、「NO」の場合にはステップS21に移る。
ステップS21では、メインコントローラ21がジャム検知のために所定時間経過したか否かを判断する。この判断が「YES」の場合はステップS22に移り、「NO」の場合にはステップS20に移る。
ステップS22では、レジストセンサ17が原稿を検知し続けるために、レジストセンサ17周辺に原稿が滞留して搬送ジャム(レジスト滞留ジャム)が発生したものとして給紙動作を中断する。
また、ステップS23では、搬送ジャムが発生することなく、原稿がレジストセンサ17を通過したので、レジスト後端割込み処理を実行する。ここでは、レジストセンサ17によって原稿の後端が検知された時点から所定パルスだけ搬送べルトモータ69を正転駆動させ、原稿をコンタクトガラス2の露光位置に停止させる。
次いで、メインコントローラ21は、複写機1の本体1aに原稿の停止信号を送信した後(ステップS24) 、次原稿があるか否かを判断する(ステップS25)。この判断が「YES」の場合は次原稿の「先出し動作(図11に示す)」を行い、「NO」の場合にはステップS26に移る。
ステップS26では、メインコントローラ21が給紙クラッチ64aをOFFさせ、ピックアップモータ20を所定パルスだけ正転(CCW方向)駆動させる。このピックアップモータ20の正転駆動で、カム31は時計方向(図18中、矢印方向)に回転し、カム31の凹み31aに接していた従動ローラ43は、凹み31aから離れてさらにカム31の接触面上を回転移動する。さらに、メインコントローラ21がピックアップモータ20を停止させることにより、従動ローラ43は、凹み31aから離れた位置で、カム31の接触面と接触したまま停止する(図19に示す)。この状態から、メインコントローラ21がピックアップモータ20を所定パルスだけ逆転(CW方向)駆動させることにより、駆動軸29は反時計方向に回転し、カム31も反時計方向(図19中、波線矢印方向)に回転する。このカム31の反時計方向回転で、従動ローラ43は凹み31aに接した状態(図14に示す)に戻る。また、駆動軸29の反時計方向回転で、図示していない揺動機構によりス卜ッパ爪14が下降して、原稿の搬送路を遮断し、ピックアップモータ20が停止可能な状態となる。また、ピックアップモータ20の逆転駆動で、ピックアップローラ10は待機位置に上昇する。さらに、メインコントローラ21がピックアップモータ20を停止させ、ピックアップモータ20ヘの励磁も遮断する。こうして原稿セット可能な状態に戻ることとなる。
図11は、ADF3の先出し動作の手順を示す。ここでは、メインコントローラ21が、図10のステップS25で次原稿があると判断した場合に、図11のステップS27〜S35を実行する。
ステップS27では、メインコントローラ21が給紙クラッチ64aをONさせ、ピックアップモータ20を所定パルスだけ正転(CCW方向)駆動させる。このピックアップモータ20の正転駆動による駆動力は、タイミングプーリ20aからタイミングべルト27を介し、さらにタイミングプーリ22、ギヤ23を介してピックアップ入力ギヤ26に伝達され、駆動軸29が時計方向に回転する。この駆動軸29の時計方向回転で、図示していない駆動機溝によりストッパ爪14は上昇し、上死点位置で停止する(図15に示す)。また、駆動軸29が時計方向に回転することにより、カム31も時計方向に回転し、ここで揺動体35に設けられた弾性体35Aは、弾性変形量を減少させながら、原稿カバー103の当接部分103Aと離間していき (図14→図15)、後述のように従動ローラ43が第2の接触面に接触した後、原稿カバー103と完全に離間する(図16に示す)。また、カム31の時計方向回転で、従動ローラ43が楕円部31Aにおける第1の接触面に接して回転移動し、さらに従動ローラ43が扇部31Bにおける第2の接触面付近に移動してきたとき、給紙べルト11の張力により、給紙ブラケット38は上方向に付勢されるために、従動ローラ43は第1の接触面から第2の接触面に移って移動を続ける。さらに、給紙ブラケット38が給紙べルト駆動軸34を中心として下方向に揺動すると、ピックアップローラ10は原稿束Pに当接し、この状態で給紙ブラケット38がさらに下方向に揺動すると、給紙べルト11と分離ローラ12が所定のニツプ角度a1で当接する(図17に示す)。ここで、メインコントローラ21は、ピックアップモータ20を停止させる。
次いで、メインコントローラ21は、給紙モータ48を正転(CCW方向)駆動させる(ステップS28)。この給紙モータ48の正転駆動で、ピックアップローラ10により原稿束Pの最上位から原稿が給紙され、給紙べルト11及び分離ローラ12によって原稿束Pの最上位に位置する原稿が分離され、この分離された原稿がプルアウ卜駆動ローラ13によってコンタクトガラス2に向かって搬送される。
次いで、メインコントローラ21は、プルアウトセンサ16によって原稿の先端が検知されたか否かを判断する(ステップS29)。この判断が「YES」の場合はステップS30に移り、「NO」の場合には図9のステップS5に移る。
ステップS30では、メインコントローラ21が給紙モータ48を一旦停止させた後、ピックアップモータ20を正転(CCW方向)駆動させる。このピックアップモータ20の正転駆動で、駆動軸29が時計方向に回転し、揺動機構によりストッパ爪14の位置を維持する(図18に示す) 。また、駆動軸29の時計方向回転により、カム31も時計方向に回転する。また、駆動軸29の時計方向回転により、給紙ブラケット38は給紙べルト駆動軸34を中心として上方向に揺動し、ピックアップローラ10も上昇する。
次いで、メインコントローラ21は、カム31の回転に伴い、従動ローラ43がカム31の接触面と接して回転移動し、カム31の凹み31aに到達したか否かを判断する(ステップS8)。ここでは、フィラーセンサ32が、ホームポジション検知フィラー28を検知したか否かにより、従動ローラ43がカム31の凹み31aに到達したか否かを判断する。この判断が「YES」の場合はステップS32に移り、「NO」の場合にはフィラーセンサ32からの検知信号待ちとなる。
ステップS32では、メインコントローラ21がピックアップモータ20の駆動を停止させる。この停止状態で、従動ローラ43がカム31の凹み31aに到達しているために、分離ローラ12と円形カラー33が当接し、さらにピックアップローラ10が上昇して、原稿束Pから離隔した待機位置に至る (図18に示す)。
次いで、メインコントローラ21は、給紙モータ48を逆転(CW方向)駆動させる(ステップS33) 。このとき、第2駆動機構19では、給紙モータ48の駆動力が給紙ベルト11に伝達されず、プルアウト駆動ローラ13及び分離ローラ12のみに伝達される。
次いで、メインコントローラ21は、レジストセンサ17が原稿の先端を検知してONとなったか否かを判断する(ステップS34)。この判断が「YES」の場合はステップS35に移り、「NO」の場合には図9のステップS12に移る。
ステップS35では、メインコントローラ21が給紙モータ48の駆動を停止させる。ここで、原稿の先出し動作は終了し、複写機1の本体1aから給紙信号が入力するまで待機する。
図12、図13は、ADF3の排紙動作の手順を示す。ここでは、前述した給紙動作、先出し動作が終了した後、メインコントローラ21が、図12、図13のステップS36〜S51を実行する。
まず、メインコントローラ21は、コンタクトガラス2に原稿が搬送されたか否かを判断する(図12のステップS36) 。ここでは、コンタクトガラス2に原稿が搬送され、露光が行なわれると、複写機1の本体1aからの制御信号がメインコントローラ21に入力され、メインコントローラ21の図示しないメモリにフラグが立つようにしているため、メインコントローラ21は、そのフラグ情報に基づいて搬送済みか否かを判断する。この判断が「YES」の場合はステップS37に移り、「NO」の場合には前述した給紙動作、先出し動作を繰り返す。
ステップS37では、メインコントローラ21が搬送べルトモータ69及び排紙モータ91を駆動させる。これらのモータの駆動で、搬送べルト65がコンタクトガラス2上の原稿を搬出し、反転駆動ローラ81および排紙従動ローラ82が原稿を挟持して反転経路101に搬送することとなる。
次いで、メインコントローラ21は、排紙センサ89aによって原稿の先端が検知されたか否かを判断する(ステップS38)。この判断が「YES」の場合はステップS43に移り、「NO」の場合にはステップS39に移る。
ステップS39では、メインコントローラ21が搬送ジャムを検知するために、所定時間経過したか否かを判断する。この判断が「YES」の場合はステップS42に移り、「NO」の場合にはステップS40に移る。
ステップS42では、排紙センサ89aに原稿が未到達であるために、搬送ジャム(排紙未達ジャム)が発生したものとして給紙動作を中断する。
また、ステップS40では、メインコントローラ21が、予め設定された小サイズ原稿の搬送で、搬送ベルトモータ69による排紙動作とと並行して実行される給紙動作のために原稿が停止しているか否かを判断する。この判断が「YES」の場合はステップS41に移り、「NO」の場合にはステップS38に移る。
ステップS41では、メインコントローラ21が排紙モータ91の駆動を停止させて、排紙処理は終了する。これは、コンタクトガラス2上に原稿が複数枚並んで搬出されない場合があることによる。
一方、ステップS38の「YES」に続く、ステップS43では、メインコントローラ21が排紙減速カウン夕をクリアする。
次いで、メインコントローラ21は、原稿の先端からその原稿のサイズに応じた長さよりも所定量(本実施形態では「15mm」としている)を差引いた距離を搬送したか否かを判断する(ステップS44)。ここでは、搬送べルトモータ69の駆動パルスと1パルス当りの駆動量に基づいて搬送距離を計算する。前述の判断が「YES」の場合はステップS45に移り、「NO」の場合にはステップS44に移る。
ステップS45では、原稿の後端部が反転駆動ローラ81及び反転従動ローラ82に挟持されているうちに、メインコントローラ21が排紙モータ91の減速を開始させると共に、搬送ベルトモータ69の駆動を停止させる。この駆動制御により、原稿は第1排紙トレイ8上に排紙されることとなる(片面モード時)。
次いで、メインコントローラ21は、排紙センサ89aが原稿後端を検知した後にOFFとなったか否かを判断する(ステップS46)。この判断が「YES」の場合は図13のステップS49に移り、「NO」の場合にはステップS47に移る。
ステップS47では、搬送ジャムを検知するために所定時間経過したか否かを判断する。この判断が「YES」の場合はステップS48に移り、「NO」の場合にはステップS46に移る。
ステップS48では、排紙センサ89aが原稿を検知し続けるために、メインコントローラ21は、排紙センサ89a周辺に原稿が滞留して搬送ジャム(排紙滞留ジャム)が発生したものとして給紙動作を中断させる。
また、ステップS46の「YES」に続く、図13のステップS49では、メインコントローラ21が、排紙モータ91の減速後に所定時間経過したか否かを判断する。この判断が「YES」の場合はステップS50に移り、「NO」の場合には時間計測を続ける。
ステップS50では、メインコントローラ21が、複写機1の本体1aに対して排紙完了信号を送信する。
次いで、メインコントローラ21は、排紙モータ91の駆動を停止させる(ステップS51) 。
本実施形態では、原稿の片面を読み取る「片面モード」を示したが、片面モードでの第1切換爪85、第2切換爪86の動作は以下のとおりである。メインコントローラ21は、片面モードのとき、第4駆動機構90の第1ソレノイド97を駆動させずに第1切換爪85をホームポジションに待機させると共に、原稿の読み取り及び露光の終了後に搬送べルトモータ69を駆動させ、同時に排紙モータ91を駆動させる。ここで、反転駆動ローラ81及び反転従動ローラ82によって挟持された原稿は、第1排紙トレイ8に表裏面を反転されずに排紙される。
また、原稿の両面を読み取る「両面モード」での第1切換爪85、第2切換爪86の動作は以下のとおりである。メインコントローラ21は、両面モードのとき、第4駆動機構90の第1ソレノイド97を駆動して第1切換爪85をホームポジションから、コンタクトガラス2と反転経路101を連通する位置に移動させると共に、両面原稿の片面の読み取りおよび露光の終了後に、搬送べル卜モータ69を駆動させ、同時に排紙モータ91を駆動させる。ここで、原稿は、反転駆動ローラ81及び排紙従動ローラ82によって挟持されて反転経路101に案内され、反転ガイドローラ83によって第2切換爪86に向かって搬送される。第2切換爪86は、片面の読み取りが終了した原稿が、コンタクトガラス2から搬出される際には、第4駆動機構90の第2ソレノイド98によって駆動されずに反転経路101と返送経路102が連通するよう、ホームポジションに切換られるようになっている。このため、コンタクトガラス2から搬出される片面読み取り後の原稿は、第1切換爪85によって反転経路101に搬送された後、第2切換爪86によって返送経路102に案内され、表裏面が反転された状態で反転駆動ローラ81及び反転従動ローラ84bに挟持されてコンタクトガラス2に返送される。この後、反転経路101上に設けられた排紙センサ89bによって原稿の先端が検知されると、メインコントローラ21は、搬送べルトモータ69を逆転駆動して搬送べルト65を逆転駆動し、排紙センサ89aによって原稿の先端が検知された時点からの、搬送ベルトモータ69の回転パルスが、所定値に到達したときに、片面読み取り後の原稿がコンタクトガラス2上の露光位置に搬送されたと判断して、搬送べルトモータ69を停止させる。この露光位置で原稿の読み取り及び露光が終了すると、コントローラ21は、搬送べルトモータ69を正転駆動し、さらに、第1ソレノイド97を駆動すると共に第2ソレノイド98の駆動を停止し、第1切換爪85によってコンタクトガラス2と反転経路101を連通させるとともに、第2切換爪86によって返送経路102と第2排紙トレイ9を連通させる。したがって、コンタクトガラス2から搬出された原稿は、反転駆動ローラ81及び反転従動ローラ82に挟持されて搬送された後、排紙駆動ローラ87及び排紙従動ローラ88によって挟持されて第2排紙トレイ9上に排紙される。
最後に、図14〜図19を用い、分離・給紙部5におけるカム31、円形カラー33、従動ローラ43等の動作をまとめて説明する。
原稿セット後の待機時、図14に示すように、原稿セットセンサ15を遮光していた原稿セット検知フィラーが変位し、これに伴って原稿セットセンサ15の遮光が解除され、原稿のセットが検知される。ここで、ピックアップモータ20は停止しており、ピックアップローラ10は原稿束Pから離隔した上方の待機位置にある。また、ストッパ爪14は、原稿の搬送路を遮断している。このとき、給紙ブラケット38内の従動ローラ43は、カム31の凹み31aの部分に接している。また、カム31の扇部31Bに軸支された円形カラー33は、分離ローラ12に圧接しているので、給紙ベルト11と分離ローラ12とが離間している。また、ピックアップローラ10を支持する揺動部材35に設けられた弾性体35Aは、原稿カバー103に当接し、弾性変形している。なお。103Aは「原稿カバーの当接部分」を示す。
次いで、図14に示す状態から給紙動作が開始されると、第1駆動機構18のピックアップモータ20が正転(CCW方向)駆動する。このモータ駆動に伴い、駆動軸29に取り付けられたカム31が、従動ローラ43と接しながら時計方向(図中、矢印方向)に回転し、楕円部31Aと従動ローラ43の接触位置が変化する。また、ストッパ爪14は、揺動機構(ストッパ爪揺動レバー42、ピン42A等を含む)により、原稿の搬送路を開放する方向(上方向)に移動を開始する。また、揺動部材35に取り付けられた弾性体35Aが、弾性変形量を減少させながら、原稿カバー103と離間する方向に移動を開始する。
次いで、ピックアップモータ20は正転駆動を続け、図15に示すように、カム31の時計方向回転により、扇部31Bのカラー軸33Aに軸支された円形カラー33が、分離ローラ12と離間するので、給紙ベルト11と分離ローラ12とが接触し、給紙ベルト11は、分離ローラ12に対し所定の巻き付き角(「ニップ角度」に相当する)を形成する。ここで、カム31の楕円部31Aと従動ローラ43との接触位置は、図14の状態よりも下方向に変化し、前述した「内半径」が小さくなってくる。この接触位置が低くなるのに伴い、給紙ブラケット38が給紙ベルト駆動軸34を中心として下方向(図中、矢印方向)に揺動する。また、ストッパ爪14は、揺動機構(ストッパ爪揺動レバー42、ピン42A等を含む)により、原稿の搬送路を開放する方向(上方向)に移動する。なお、給紙ブラケット38の揺動に伴い、ピックアップローラ10は待機位置から原稿束Pに向かって下降する。
次いで、ピックアップモータ20は正転駆動を続け、カム31と従動ローラ43との接触位置は、図15の状態よりも下方向に変化して、前述した「内半径」がさらに小さくなり、図16に示すように、カム31と従動ローラ43の接触位置は、楕円部31Aにおける第1の接触面から扇部31Bにおける第2の接触面に移る。これは、従動ローラ43が第2の接触面の直前に移動してきたとき、給紙べルト11の張力によって、給紙ブラケット38が上方向に付勢され、従動ローラ43と第2の接触面が接触するためである。なお、扇部31Bにおける第2の接触面は、駆動軸29の中心との間で前述の「外半径」をなすものである。また、揺動部材35に取り付けられた弾性体35Aが、原稿カバー103と完全に離間する。また、ストッパ爪14は、揺動機構(ストッパ爪揺動レバー42、ピン42A等を含む)により、原稿の搬送路を開放する方向(上方向)に移動する。
次いで、ピックアップモータ20は正転駆動を続け、給紙ブラケット38が、給紙ベルト駆動軸34を中心として下方向に揺動すると共に、揺動部材35に取り付けられたピックアップローラ10が、下降して原稿束Pに当接する。さらに、給紙ブラケット38が下方向に回転駆動すると、図17に示すように、ピックアップローラ10が原稿束Pに当接した状態で、給紙べルト11と分離ローラ12が所定のニップ角度a1で当接して原稿を搬送する位置となる。ここで、ニップ角度とは、分離ローラ12の駆動中心と、分離ローラ12と給紙べルト11の両接点と、を結ぶ両線分のなす角をいう。所定のニップ角度a1は、給紙べルト11が分離ローラ12に対して適正な分離圧を与えるものである。また、前述のように揺動機構により、ストッパ爪14は上昇を続け、原稿の搬送路を開放している。ここで、カム31について、前述した「外半径」を「R2」とし、「内半径」を「R1」とし、従動ローラ43について、その直径を「D1」とすると、「R2−R1>D1」となるように設定している。このように設定するのは、従動ローラ43が扇部31Bにおける第2の接触面上を回転移動するとき、第2の接触面に対向する楕円部31Aの外周面と接触しないようにするためである。
図17に示す状態から、第2駆動機構19の給紙モータ48が正転(CCW方向)駆動し、ピックアップローラ10によって原稿束Pの最上位から原稿が取り出される。さらに、給紙ベルトllが、原稿をプルアウトローラ対へ搬送するように循環移動し、同時に分離ローラ12が、原稿を戻す方向に回転することによって、原稿束Pの最上位の原稿のみが分離される。この分離された原稿は、プルアウト駆動ローラ13及びプルアウト従動ローラ13aのニップへ向かい、プルアウトセンサ16によってその先端が検知される。この検知タイミングで、給紙モータ48が一旦停止し、ピックアップモータ20が正転(CCW方向)駆動する。ここで、駆動軸29は時計方向に回転し、カム31も時計方向に回転する。また、ストッパ爪14は、揺動機構(ストッパ爪揺動レバー42、ピン42A等を含む)により上昇位置を維持する。さらに、給紙ブラケット38は給紙ベルト駆動軸34を中心として上方向に揺動し、ピックアップローラ10も上昇する。
この後、分離された原稿は、プルアウト駆動ローラ13及びプルアウト従動ローラ13aによって、給紙ベルトllと分離ローラ12のニップから引き抜かれ、コンタクトガラス2に向かって搬送されることとなる。また、図18に示すように、従動ローラ43が、カム31の接触面を回転しながら移動して凹み31aに到達したとき、ピックアップモータ20が駆動停止する。この駆動停止状態で、分離ローラ12と円形カラー33が当接し、給紙べルト11は分離ローラ12と離間する。さらに、前述のように上昇したピックアップローラ10は、原稿束Pから離隔した待機位置に戻る。なお、従動ローラ43が凹み31aに到達したか否かは、フィラーセンサ32によってホームポジショ検知フィラー28が検知されたか否かによって判断する。
次いで、カム31は、図18の状態から時計方向(図中、矢印方向)に回転する。ここで、従動ローラ43は、図19に示すように、カム31の第1の接触面における凹み31aから離れた位置に移動し、第1の接触面に接触した状態で停止する。
図19に示す状態から、ピックアップモータ20が所定パルスだけ逆転(CW方向)駆動する。この逆転駆動により、駆動軸29が反時計方向に回転し、カム31も反時計方向(図中、波線矢印方向)に回転する。このとき、従動ローラ43は、カム31の第1の接触面を移動して凹み31aに戻る。また、ス卜ッパ爪14は、揺動機構(ストッパ爪揺動レバー42、ピン42A等を含む)によって下降し、原稿の搬送路を遮断する。また、ピックアップモータ20ヘの励磁も遮断する。こうして図14の状態に戻り、前述した一連の動作を繰り返すこととなる。
以上のように本実施形態では、給紙ブラケット38の自重及び給紙べルト11の張力により、カム31の内外周の接触面が、給紙ブラケット38の両側板に設けた従動ローラ43と常に接触している。特に、給紙べルト11の張力によって給紙ブラケット38が上方向に付勢される状態で、従動ローラ43が第1の接触面から第2の接触面へ途切れなく移動する。よって、給紙ブラケット38の体勢を略水平に保ち、原稿のスキューやジャムが発生するのを防止することができる。また、カム31の回転により、従動ローラ43とカム31が当接し続けるので、カム31の回転で、従動ローラ43とカム31とが離れてバウンドし、駆動音が発生するのを抑え、給紙動作時の静音化を実現できる。
また、本実施形態では、円形カラー33が分離ローラ12と圧接し、給紙べルト11と分離ローラ12を離間している位置では、カラー33が分離ローラ12の外周の不安定な位置で停止している。ここで、駆動軸29の駆動系にバックラッシュ等の遊びがある場合には、カム31に取り付けられたカラー33がバックラッシュ分逃げてしまい、本来の停止位置に停止しないこととなる。これに対し、本実施形態では、ピックアップモータ20の駆動力は、ピックアップモータ20の出力軸に取付けられたタイミングプーリ20aから、タイミングべルト27を介してタイミングプーリ22に伝達されるようになっており、このタイミングプーリ22は、一体化されたギヤ23を有しており、ギヤ23を介してピックアップ入力ギヤ26に噛合して駆動するように構成している。よって、カム31の停止位置のバラツキを押さえ、カラー33が本来の停止位置に停止できるよう、ギヤのバックラッシュを極く僅かとすることができる。このようにカム駆動するためギヤのバックラッシュを抑制することで、安定した位置で円形カラー33を停止でき、給紙ベルト11と分離ローラ12の離間不足で、鉛筆書きの原稿のカーボン粒子等が給紙べルト11に転写され、次の原稿が汚れるのを抑制できる。さらに、ピックアップモータ20を構成しているステッピングモータの励磁時間を減少させ、ステッピングモータのデューティーを下げると共に、ステッピングモータの温度上昇を抑制して、ステッピングモータの破損を防止することができる。なお、タイミングベルト27により駆動するタイミングプーリ22を直接、駆動軸29上に構成して駆動ギヤのバックラッシュを全く無くしてもよい。
また、本実施形態では、カム31の楕円部31Aにおける第1の接触面(上向き状態)を外れた従動ローラ43が、直ちに扇部31Bにおける第2の接触面(下向き状態)と接触するようにしているので、給紙べルト11の張力の反力で給紙ベルト11が下方向に逃げるのを防止でき、給紙べルト11が分離ローラ12に接するときに、給紙べルト11と分離ローラ12が所定のニップ角度a1(図17に示す)を正確に位置出しできる。また、従動ローラ43がカム31に当接するとき、給紙べルト11の張力を利用しているために、カム31の回転負荷トルクの増大を抑制することとなる。よって、ピックアップモータ20の大型化によるコストアップを回避できる。
また、本実施形態では、揺動部材35に設けられた弾性体35Aと原稿カバー103とが当接した状態で、カム31の回転に伴い、駆動軸29からカム31上の当接位置までの距離(駆動軸29からの半径)が漸減するように変化すると(図15に示す)、カム31と従動ローラ43が離間し易くなる。ここでは、弾性体35Aが弾性変形量を減少させながら、原稿カバー103の当接部分103Aと離間し始め、この後、従動ローラ43が、カム31の楕円部31Aにおける第1の接触面から、扇部31Bにおける第2の接触面に移るとき(図16に示す)、弾性体35Aが、原稿カバー103の当接部分103Aと完全に離間するようにしているので、従動ローラ43はカム31に接して移動を続けることができる。なお、ピックアップローラ10が原稿束Pに当接したとき(図17に示す)、弾性体35Aが、原稿カバー103の当接部分103Aと完全に離間するようにしているので、弾性体35Aの変形によってピックアップローラ10の加圧力が変化することはなく、搬送力に影響することはない。よって、ピックアップローラ10の搬送性能を確保して高性能のディジタル複写機を実現できる。さらに、弾性体35Aを発泡材で構成することにより、ジャム除去時にユーザが原稿カバー103を開いて原稿を取り除くとき、弾性体35Aにユーザが接触しても怪我をすることはなく、安全に操作できる。
また、本実施形態では、カラー軸33aは、前述したようにスプリング49によって加圧されながら、カム31の扇部31Bに対して上下方向に揺動可能に取り付けられ、円形カラー33は、カラー軸33aを中心に回転可能となっている。この構成により、円形カラー33が分離ローラ12に当接し、かつ分離ローラ12と給紙ベルト11が離間した状態(図18に示す)で、円形カラー33は分離ローラ12に対して、最適な分離圧を設定し、バラツキ少なく正確に加圧できる。
また、本実施形態では、カラー軸33Aを加圧するスプリング49の一端は、駆動軸29を貫通してカム31の扇部31Bに形成された孔に挿入された状態で支持されているので、スプリング49が撓んだときの座屈による倒れを防止できる。よって、分離ローラ12に対する最適な分離圧を設定し、この分離圧を円形カラー33によって正確に加圧することができる。
さらに、本実施形態では、カム31にカラー軸33Aを取り付けるとき、前記孔にスプリング49を挿入して挿入口をネジ99で塞ぐことにより、組立性を向上させると共に、組立ミスによってスプリング49が外れることを防止している。また、組立後のカム回転時に前記孔からスプリング49が外れることを防止し、ディジタル複写機1の保守性、信頼性を向上させることができる。
なお、前述した実施形態では揺動部材35に設ける弾性体35Aとして「発泡材」を用いた場合について説明したが、本発明は発泡材のほかに、スプリング等を用いても同様の効果が得られるものである。特に、弾性体35Aを「スプリング」で構成した場合、経時的な弾性体の塑性変形を防止することが期待できる。
ここで、給紙ベルト11、給紙ベルト駆動ローラ47、給紙ベルト従動ローラ36等が「給送手段」に相当する。分離ローラ12等が「分離部材」に相当する。給紙ベルト駆動軸34が「給紙ベルトの駆動軸」に相当する。給紙ブラケット38、軸38a等が「支持手段」に相当する。従動ローラ43等が「回転部材」に相当する。駆動軸29等が「カム軸」に相当する。カム31等が「カム部材」に相当する。円形カラー33等が「離間部材」に相当する。タイミングベルト27が「タイミングベルト」に相当する。原稿トレイ4等が「シート載置台」に相当する。ピックアップローラ10等が「シート取出手段」に相当する。中心軸35b、揺動部材35等が「揺動部材」に相当する。原稿カバー103が「カバー」に相当する。スプリング49等が「加圧手段」に相当する。カラー軸33A等が「回転軸」に相当する。分離・給紙部5が「給紙手段」に相当する。ADF3が「自動原稿搬送手段」に相当する。ディジタル複写機1が「画像形成装置」に相当する。