JP4108197B2 - 遮断管路の再開工法 - Google Patents

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    • F16L1/00Laying or reclaiming pipes; Repairing or joining pipes on or under water

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遮断管路の再開工法に関し、さらに詳しくは、本支管から分岐して民地内に敷設されていた供内管の一部が不使用のために遮断されていたのを再開する際の工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、都市ガス等を搬送するための管路としては鋼管や鋳鉄管が多用されている。しかし、近年では、地震等の災害時に鋼管や鋳鉄管等からなる金属製の既設管路用配管が破損するのを防止することが望まれてきている。
このため、上記の金属管に代えて、地震の際の振動に対してある程度の撓みを許容することで振動吸収が行える材料が配管材料として用いられるようになってきており、特に、ポリエチレン樹脂が多用されている。
【0003】
上記ポリエチレン管は、本支管から分岐されて民地内に引き込まれる供内管にも適用されている。
ところで、供内管は、民地内においてガスメータに連通しているため、例えば、建物の取り壊し時には撤去して本支管側からのガスの流出を停止する必要がある。これは、仮に残置されたままであると、民地内でパワーショベルなどによって地面が掘り起こされた際に供内管が破損される虞があるためであり、仮に破損された場合には、本支管からのガスが不用意に流出してしまう危険がある。
【0004】
従来、供内管の一部でガスの流動を遮断する場合には、道路と民地との境界にて実施されることが多く、その工法としては、境界近傍の地面を開削し、分割位置に相当する供内管の箇所を押し潰し、民地内側に位置する灯外内管と対向する供内管側の開口部にキャップなどを装着して封止する方法がある。
上記供内管の一部を分割する場合には、例えば、上記境界にブロック塀等の障害物があると、障害物よりも民地側を開削し、その開削孔から障害物の下方箇所を分割位置とすることが多い。これは、民地内に残置される供内管を全てなくすことを目的としている。
【0005】
ところで、民地内に再度供内管を引き込み、ガスの導入を行うためには今まで遮断されていた供内管を再開させる必要がある。
従来、供内管を再開するための工法としては、例えば、封止されている開口近傍を開削し、供内管の封止開口端をノーブローバックによって密封し、そのバック内に切断機を配置して開口端近傍を切断することが行われている。
開口端近傍の切断に際してはその開口端に継手部材を装着し、継手部材のチーズ部から切断作業を行い、継手部材に民地内で敷設される新たな供内管を接続する。その後、継手部材のチーズ部をプラグ栓にて封鎖する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の工法では、ノーブローバックを設置するための充分な大きさの開削が必要となり、埋め戻し作業などに手間がかかる虞がある。
また、ノーブロックバック内に継手部材や作業機械を配置し、そのバック内での取付、取り外し作業およびう切除位置決めなどが行われる関係上、作業に熟練が必要となる。このため、作業者の技量によっては作業性が悪くなる虞もある。一方、供内管が分割されている箇所として、上述したように、道路と民地との境界とした場合、この境界に、例えばブロック塀などの障害物が設けられたままであると、その障害物が邪魔に封止開口端の上方を開削することができない。このため、障害物を避けてその近傍を開削することになるが、開削した場合には、その開削孔で上述したノーブローバックを用いた切除作業を行わなければならず、封止開口端上方を開削した場合に比べて開削孔の形態が直下型でないことから作業性が一段と悪くなる。
【0007】
本発明の目的は、上記従来の遮断管路の再開工法における問題に鑑み、特に、遮断位置の上方に障害物が存在している場合の再開工法において、作業性を向上させることが可能な遮断管路の再開工法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1記載の発明は、封止開口上方に障害物が存在している管路の再開工法であって、上記封止開口を有する既存の管路と連通される新設対象の管路開口端が接続された継手部材を上記管路の封止開口近傍に装着し、該継手部材に対して上記障害物を避けた位置から切断装置を挿入して封止開口部を除去して再開し、該切断装置を取り除くと同時に上記継手部材内を気密化して上記切断された側の既存の管路と新設対象の管路とを上記継手部材内で連通させることを特徴としている。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の遮断管路の再開工法において、上記切断装置は、上記障害物の近傍で継手部材に対して斜め上方から挿入されて上記封止開口端の穿孔に用いられることを特徴としている。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の遮断管路の再開工法において、上記継手部材は上記封止開口端に装着され、自身に形成されている開閉装置付の挿通孔に上記切断装置が挿入され、切断作業後、上記開閉装置が閉じられることにより内部を外部に対して気密的に独立させて上記管路同士を連通されることを特徴としている。
【0011】
【作用】
請求項1乃至3記載の発明では、障害物の存在に関係なく、障害物の下方に封止開口端が位置する遮断管路に継手部材を装着するだけで既存の管路および新設管路同士の連通が可能になる。つまり、障害物の下方に位置する遮断管路を露出させるための開削孔を設け、封止開口近傍に継手部材を装着すると、その継手部材に対して障害物を避けた位置から切断装置を操作することにより遮断管路の封止開口を除去して新たな開口と新たな供内管とを継手部材の内部にて連通させることができる。
しかも、遮断管路の封止開口を切除するに際しては、障害物を避けて継手部材に対し斜め上向きに切断装置が取り付けられているので、切断装置を押し動かすだけで障害物のない位置から封止開口端近傍に向けた切断装置の刃物の位置決めができると共に切除作業が行えるので、位置決めのための技量や熟練度を要することなく確実に遮断管路の封止開口を切除することができる。
【0012】
【実施例】
以下、図示実施例により本発明の詳細を説明する。
図1は、本発明の実施例による再開工法に用いられる継手部材を示す模式的な断面図である。
図1において継手部材1は、既設の遮断管路2における周方向で2分割された割型構造とされ、下部割型1Aが遮断管路2の下周面に当接され、上部割型1Bが下部割型1Aに対向当接させた状態で締結されて遮断管路2の外周面に装着される。
【0013】
継手部材1の内部は後述する開閉可能なシャッター部材によって外部と密封可能な空間部を有しており、その一部、つまり下部割型1Aにおける遮断管路2の封止開口端と対向する位置には、民地内での新規敷設対象となる灯外内管3の開口端が連結されている。この場合、灯外内管3の開口端は、遮断管路2の開口端と軸線位置をずらされて封止開口端の切除の際に用いられる切断装置と干渉しないようにされている。
【0014】
上部割型1Bには、遮断管路2の敷設方向に対して斜め上方に向けた軸線を有する中空状の装着ボス部1Cが形成されており、その開口端には開閉可能なシャッター部材4が設けられている。
シャッター部材4の支持部4Aには、遮断管路2の封止開口端近傍を切断する穿孔装置5が取り付けられており、穿孔装置5の回転刃5Aを進退することで封止開口端を切除することができるようになっている。
【0015】
上記装着ボス部1Cは、その軸線方向が斜め上方に向いているので、図2に示すように、封止開口端の上方に障害物(便宜上、符号Pで示す)が存在している場合でも障害物Pを避けて穿孔装置5を取り付けることができる。また、装着ボス部1Cの内径は、回転刃5Aの進退を可能にする必要最小限の隙間が形成される程度とされて切断時でのガスの流出を最小限に止めることができる大きさとされている。また、装着ボス部1Cの斜め上方に向けた突出量は、穿孔装置5の回転刃5A先端が封止開口端と僅かに隙間を生じる程度の長さとされ、回転刃5Aが進行すると同時に切断作業を行える長さとされている。
【0016】
本実施例は上記構成を備えた継手部材1を用いて次の手順により再開工法が実施される。
(1)図2に示すように、遮断管路2の分割位置上方に障害物Pが存在している場合には、その障害物Pに隣接して障害物Pの下方を避けて開削し、開削孔に露出した遮断管路2の封止開口端近傍に継手部材1を装着する。
この場合には、下部割型1Aと上部割型1Bとを締結することにより遮断管路2の封止開口端に一体化する。
(2)継手部材1に対して民地内に敷設される灯外内管3を接続する。この場合、あるいは装着前に継手部材1のシャッター部材4を閉じておく。
(3)シャッター部材4を開放して穿孔装置5を取り付ける。
この場合には、シャッター部材4に対して穿孔装置5を締結などの手段により取り付ける。穿孔装置5の回転軸には、図2に示すように外部から電動モータあるいはエアモータなどの駆動源Mが連結されて回転される。これにより、穿孔装置5は、遮断管路2の封止開口端に対して斜め上方から穿孔できる状態に設置される。従って、封止開口の上方にブロック壁などの障害物Pが存在していても、穿孔装置5は障害物を避けた位置でセットすることができる。
(4)穿孔装置5によって封止開口端近傍を切除する。
この場合には、穿孔装置5の回転刃5Aを封止開口端に向け進行させる。回転刃5Aは、図1中、二点鎖線で示す領域を占め、これにより、封止開口端が切除され、新たな開口が形成される。
(5)封止開口端の切除後、穿孔装置5を取り除き、シャッタ部材4を閉じる。これにより、継手部材1内の空間を介して今まで遮断されていた管路2と新たな灯外内管3とが連通し、ガスの供給が再開できる。
【0017】
本実施例によれば、継手部材1を遮断管路2に装着することにより、封止開口が外部に対して気密維持されるので、従来のように、ノーブローバックを用いないでもノーブロー作業が可能となる。しかも、穿孔装置5が封止開口端の斜め上方から進退するので、障害物Pが封止開口端の上方に位置していても、その障害物Pに関係なく穿孔装置5の取付および封止開口の切除作業が可能となる。
【0018】
上記実施例では、継手部材1を介した遮断管路2と新たな灯外内管3との対向間隔が予め固定され、これに応じて管路の敷設方向に沿った継手部材1の長さも所定長さに設定された一体構造のものを対象としたが、管路への装着部と穿孔装置の取付部とを分割構造とすることも可能である。
以下にこの例を説明する。
図3において、継手部材10は、既設の遮断管路(便宜上、図1に示した符号2を用いる)に装着される装着部材11と、この装着部材11に一体連結可能で新たな灯外内管3が連結されている穿孔部12とで構成されている。
【0019】
装着部材11は、遮断管路2の周方向で2分割された割型部材であり、その接合面を締結されることで遮断管路2に対して一体化されるようになっている。
装着部材11に対しては、上記割型の締結位置と90度位相をずらした位置に配置されるボルト13を介して穿孔部12が連結されており、穿孔部12は、図4に詳細が示されている。
図4において、穿孔部12は、軸方向一方端にリング部材14が嵌合している。
リング部材14の内周面には、装着部材11の内周面との間に配置されたゴム製のシール材15が嵌合させてあり、後述する穿孔部12の内部空間を外部と気密維持できるようになっている。
図4において穿孔部12は、図1に示したと同様な内部空間を有しており、その空間における軸方向他方端には段部12Aが形成され、その段部12A内に新たな灯外内管3が填め込まれて一体的に連結されている。
段部12Aの内周面側には、灯外内管3の開口端に衝止される係止部12Bが形成されている。
【0020】
穿孔部12の空間部に連通する箇所には、斜め上方に向け突出する中空状の装着ボス部12Cが形成されている。装着ボス部12Cは、図1に示した構成と同様に、シャッター部材(便宜上、図1に示した符号4を用いる)が配置されており、その支持部4Aに穿孔装置(便宜上、図1に示した符号5を用いる)が取り付けられている。
【0021】
上記構成においては、図1に示した例と同様に、遮断管路2の封止開口上方に障害物(図1中、符号Pで示す)が存在している場合には、障害物Pに隣接する位置を開削して、遮断管路2の封止開口を露出させる。
遮断管路2の封止開口近傍に装着部材11を設置し、割型同士を図3に示すように締結することで遮断管路2に一体化する。この場合、装着部材11の内周面側にはシール材15(図4参照)を装填しておく。
【0022】
次いで、灯外内管3を連結した穿孔部12を装着部材11に対してボルト13により締結することで連結する。この場合には、穿孔部12の軸方向一方端に嵌合しているリング部材14の内周面をシール材15の外周面に対向当接させてボルト13を締結する。これにより、継手部材10が装着部材11と穿孔部12とを一体化することにより構成される。
【0023】
装着部材11と穿孔部12とが連結されると、それまで閉じられていたシャッター部材4を開放し、穿孔装置5を取り付けた上で回転刃5Aを封止開口端に向け移動させる。これにより、図1に示した回転刃5Aと同様に、封止開口端は障害物Pの上方ではなく、その障害物Pの位置に隣接する位置からの切断作業によって切除される。
【0024】
切除作業が終了すると、回転刃5Aを封止開口端から引き離し、シャッター部材4を閉じることで穿孔部12の内部空間を介して遮断管路2の新たな開口と灯外内管3の開口とが連通する。
【0025】
このような構成によれば、新たに民地内に敷設される供内管の口径などの仕様に応じた穿孔部12を準備することにより対応することができる。
【0026】
【発明の効果】
請求項1乃至3記載の発明によれば、障害物の存在に関係なく、障害物の下方に封止開口端が位置する遮断管路に継手部材を装着するだけで既存の管路および新設管路同士の連通が可能になる。つまり、障害物の下方に位置する遮断管路を露出させるための開削孔を設け、封止開口近傍に継手部材を装着すると、その継手部材に対して障害物を避けた位置から切断装置を操作することにより遮断管路の封止開口を除去して新たな開口と新たな供内管とを継手部材の内部にて連通させることができる。
【0027】
しかも、遮断管路の封止開口を切除するに際しては、障害物を避けて継手部材に対し斜め上向きに切断装置が取り付けられているので、切断装置を押し動かすだけで障害物のない位置から封止開口端近傍に向けた切断装置の刃物の位置決めができると共に切除作業が行えるので、位置決めのための技量や熟練度を要することなく確実に遮断管路の封止開口を切除することができる。
これにより、従来、封止開口上方に障害物が存在している場合には、開削位置が封止開口から外れることにより作業性が悪化していたのを、斜め上方からの切除作業を行えるようにすることで作業性の悪化を防止することが可能になる。しかも、継手部材によって管路同士を外部と気密維持できるようにしたので、従来必要とされていたノーブローバックを用意することなく作業を行うことができ、バック内の狭いスペースでの作業を行う必要がなくなる、これにより、バックを用いた場合に比べてより効果的に作業性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による再開工法に用いられる継手部材の構成を説明するための模式的な断面図である。
【図2】図1に示した継手部材を用いた再開工法を説明するための模式図である。
【図3】図1に示した継手部材の変形例を示す斜視図である。
【図4】図3中、符号(4)で示す方向の矢視断面図である。
【符号の説明】
1、10 継手部材
1A 下部割型
1B 上部割型
1C、12C 装着ボス部
2 既存の管路に相当する遮断管路
3 新設対象の管路に相当する供内管
4 シャッター部材
5 切断装置に相当する穿孔装置
11 装着部材
12 穿孔部
13 ボルト
15 シール材

Claims (3)

  1. 既設管路の途中を封止して、ガス供給を遮断した管路の再開工法であって、
    上記封止開口を有する既存の管路と連通される新設対象の管路開口端が接続された継手部材を上記管路の封止開口近傍に装着し、
    該継手部材に対して切断装置を挿入して封止開口部を除去して再開し、該切断装置を取り除くと同時に上記継手部材内を気密化して上記切断された側の既存の管路と新設対象の管路とを上記継手部材内で連通させることを特徴とする遮断管路の再開工法。
  2. 請求項1記載の遮断管路の再開工法において、
    上記切断装置は、継手部材に対して斜め上方から挿入されて上記封止開口端の穿孔に用いられることを特徴とする遮断管路の再開工法。
  3. 請求項1記載の遮断管路の再開工法において、
    上記継手部材は上記封止開口端に装着され、自身に形成されている開閉装置付の挿通孔に上記切断装置が挿入され、切断作業後、上記開閉装置が閉じられることにより内部を外部に対して気密的に独立させて上記管路同士を連通されることを特徴とする遮断管路の再開工法。
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