JP2018119277A - 到達止水装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この到達止水装置100は、到達止水装置本体101、エントランスパッキン102およびワイヤー104を備えている。
到達止水装置本体101は、到達立坑の到達壁5の開口となる坑口5aの周囲にコンクリートを打設して設けられる。
到達壁5の坑口5aの開口の内側となる部分は、シールド掘進機2のカッター3で切削可能な材料で形成されている。よって、地盤Gを掘進してきたシールド掘進機2は、坑口5aの内側部分を直接切削して到達が可能となっている。
このような到達止水装置100では、エントランスパッキン102のボルト103によって取付けられた基端側から内周側への形状が、シールド掘進機2の進行方向側に向うに従って傾斜した形状となり、エントランスパッキン102がシールド掘進機2に押される方向と、地下水Wや土砂Dの圧力が作用する方向とが同一方向になるので、エントランスパッキン102とスキンプレート4との密着性が下がり止水性能が低下するおそれがある。特に、大深度などの高水圧下では、止水性能が低下し、出水や土砂流出の危険性も高くなる。
到達止水装置1は、全体がリング形状をしている。そしてリングを形成する部分の中心線が、開口となる坑口5aに沿うように到達壁5に配置される。図1(A)では、坑口5aは点線で示されている。
到達止水装置1は、到達壁5面の内側(地盤Gの反対側)に取付けられている。到達止水装置1は、ケーシング10と、外周シール材20と内周シール材30とで構成されるシール材とを備えている。
到達壁5は、コンクリートなどで形成されている。開口の坑口5aとなる内側部分は、シールド掘進機2のカッター3で切削可能な材料で形成されている。
到達止水装置1は、ケーシング10の内部にシール材である外周シール材20と内周シール材30を収納するように構成されている。外周シール材20および内周シール材30は、リング形状をしており、ケーシング10は、これらのシール材を外周側(坑口5aの外側)、内周側(坑口5aの内側)および到達立坑の内側から覆って収納する。
外周側から覆うものが外周ケーシング11、内周側から覆うものが内周ケーシング12、到達立坑の内側から覆うものがケーシング後壁13である。
外周ケーシング外周壁11aは、外周ケーシング11の最外周を構成する覆いである。
外周ケーシング内周壁11bの外周側には、外周ケーシングリブ11cが設けられている。外周ケーシングリブ11cは、H形鋼材で構成され、シールド掘進機2の進行方向に沿って配置されている。複数の外周ケーシングリブ11cが、外周ケーシング内周壁11bの周方向に間隔を空けて配置されている。図示しないが、外周ケーシングリブ11cは、H形鋼材をリング状として、外周ケーシング内周壁11bの外周側にも配置してもよい。
外周ケーシング後壁11eは、外周ケーシング外周壁11aと外周ケーシング内周壁11bとを到達立坑の内側端部で連結するものである。
内周ケーシング内周壁12bは、内周ケーシング12の最内周を構成する覆いである。
内周ケーシング外周壁12aの外周側であって、内周ケーシング内周壁12bの内周側には、内周ケーシングリブ12cが設けられている。内周ケーシングリブ12cは、H形鋼材で構成され、シールド掘進機2の進行方向に沿って配置されている。複数の内周ケーシングリブ12cが、内周ケーシング外周壁12aの周方向に間隔を空け配置されている。図示しないが、内周ケーシングリブ12cは、H形鋼材をリング状として、内周ケーシング外周壁12aの外周側にも配置してもよい。
内周ケーシング後壁12eは、内周ケーシング外周壁12aと内周ケーシング内周壁12bとを到達立坑の内側端部で連結するものである。
外周ケーシング11と内周ケーシング12とがケーシング後壁13に連結されることで、到達止水装置1のケーシング10には到達壁5面側にケーシング開口部14が形成される。
同様に、内周ケーシング12に設けられるシール材取付リング15および取付リング補強部材16も、シールド掘進機2の進行方向に二列設けられる。
外周ケーシング11のシール材取付リング15および取付リング補強部材16と、内周ケーシング12のシール材取付リング15および取付リング補強部材16とは、外周シール材20と内周シール材30とが干渉しないように、シールド掘進機2の進行方向にずらして設けられる。
外周エントランスパッキン21は、リング板形状の弾性部材である。外周エントランスパッキン21は、外周ケーシング11に設けられたシール材取付リング15の到達壁5側に設けられる。外周エントランスパッキン21は、外周側が基端部側としてシール材取付リング15に取付けられる。取り付けられた外周エントランスパッキン21の内周側がシールド掘進機2の外殻部であるスキンプレート4に密着することで、地下水や土砂が流入することが阻止される。
外周エントランスパッキン21、外周パッキンスペーサ22、外周揺動板23、外周パッキン押さえ部材24は、ボルトなどの外周パッキン固定部材25によって外周ケーシング11に設けられたシール材取付リング15に取付けられる。
内周エントランスパッキン31は、内周側が基端部側としてシール材取付リング15に取付けられる。取り付けられた内周エントランスパッキン31の外周側がシールド掘進機2の外殻部であるスキンプレート4に密着することで、地下水や土砂が流入することが阻止される。
止水充填口11b1は、外周ケーシング内周壁11bの周方向に間隔を設けて複数配置してもよい。
外周ケーシング11の中空部には、注入管40が設けられている。注入管40は、外周ケーシング後壁11eとケーシング後壁13を貫通して止水充填口11b1に開口している。
ケーシング開口部14側に設けれた外周シール材20のシールド掘進機2の進行方向反対側(到達壁5側)に設けられた止水充填口11b1および注入管40によって、坑口5aへの止水充填材Mを充填することができ、追加の裏込め注入が可能となる。
なお、本実施形態では、止水充填口11b1および注入管40は、外周ケーシング11に設けたが、内周ケーシング12にも設けるようにしてもよい。
図4(A)に示すように、到達壁5面の内側であって、坑口5aとなる位置にあわせて到達止水装置1を取付ける。取付には、外周ケーシング前壁11dのフランジ部11d1を図示しないボルトなどで固定する。内周ケーシング内周壁12bの内周側に、型枠取付部材6を取り付ける。型枠取付部材6を内周ケーシング内周壁12bの内周側に沿ってリング状に形成してもよく、この場合には、到達止水装置1の補強部材としても機能する。
図4(B)に示すように、内周ケーシング内周壁12bの内周側であって、型枠取付部材6の到達壁5面側に型枠7を取り付ける。
図4(D)に示すように、型枠7の到達壁5側の空間に充填材9を打設する。充填材9は、シールド掘進機2のカッター3が坑口5aの内側を切削した際に、到達止水装置1がない部分から到達立坑内に地下水や土砂が流入するのを防ぐためのものである。充填材9には、流動化処理土などが採用される。また、シールド掘進機2のカッター3で切削可能な材料としてもよい。
図5は、シールド掘進機2が到達立坑の到達壁5に到達する直前の状態を示したものである。本実施形態では、地盤Gについては、地盤改良が行われていないが、必要に応じて行っておいてもよい。
シールド掘進機2のカッター3のカッター外周部3aは、径方向に縮小するようになっている。そして、カッター3がシールド掘進機2の進行方向反対方向に移動することにより、シールド掘進機2の外殻部であるスキンプレート4を到達止水装置1のケーシング開口部14に進入させることができるようになっている。
そして、カッター3やシールド掘進機2の図示しない推進ジャッキなどを撤去してトンネルを貫通させる。
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば以下のようなものも含まれる。
この場合、外周エントランスパッキンのスキンプレートに密着する面の反対面に周方向に沿ってワイヤーを備えさせておく。そして、ワイヤーは天端付近で交差させて、ワイヤー両端部を外周ケーシングに設けた開口から突出させて露出しておくようにすればよい。このようにすれば、エントランスパッキンがスキンプレートに密着した後に、ワイヤーを締め付けることで、更に密着させることができる。また、ワイヤーを締め付ける作業に際して、出水や土砂流出があったとしても、ケーシングによって覆われているので、安全性が高い。
また、元押しジャッキにより押し込まれる管の先端に回転カッターだけが取付けられた掘削機のような場合にも適用できる。この場合、回転カッターが後退するなどして、押し込まれる管の先端が、本発明の到達止水装置のケーシング開口部から進入して外周シール材と内周シール材とによって挟まれることになるので、押し込み管が、本発明のトンネル掘削機の外殻部に相当することになる。
2 シールド掘進機
3 カッター
3a カッター外周部
4 スキンプレート
5 到達壁
5a 坑口
5b 切削屑
6 型枠取付部材
7 型枠
8 仮支保工
9 充填材
10 ケーシング
11 外周ケーシング
11a 外周ケーシング外周壁
11b 外周ケーシング内周壁
11b1 止水充填口
11c 外周ケーシングリブ
11d 外周ケーシング前壁
11e 外周ケーシング後壁
12 内周ケーシング
12a 内周ケーシング外周壁
12b 内周ケーシング内周壁
12c 内周ケーシングリブ
12d 内周ケーシング前壁
12e 内周ケーシング後壁
13 ケーシング後壁
14 ケーシング開口部
15 シール材取付リング
16 取付リング補強部材
20 外周シール材
21 外周エントランスパッキン
22 外周パッキンスペーサ
23 外周揺動板
23a 外周揺動板基端部
23b 外周揺動板軸部
23c 外周揺動板揺動部
24 外周パッキン押さえ部材
25 外周パッキン固定部材
30 内周シール材
31 内周エントランスパッキン
32 内周パッキンスペーサ
33 内周揺動板
33a 内周揺動板基端部
33b 内周揺動板軸部
33c 内周揺動板揺動部
34 内周パッキン押さえ部材
35 内周パッキン固定部材
40 注入管
50 隙間
51 スペーサ
52 止水充填材流路
G 地盤
S セグメント
W 地下水
D 土砂
Claims (6)
- トンネル掘削機が到達する到達部に設けられる到達止水装置であって、
前記到達止水装置は、ケーシングと、前記ケーシングに設けられたシール材と、を備え、
前記ケーシングは、内部に前記シール材を収納するとともに、トンネル掘削機が到達する方向に開口し前記トンネル掘削機の外殻部が進入可能なケーシング開口部を有しており、
前記シール材は、前記ケーシング開口部から進入した前記外殻部に対して、外周側に設けられた外周シール材と、内周側に設けられた内周シール材と、を有しており、
前記外周シール材と前記内周シール材は、前記ケーシング開口部から進入した前記外殻部を挟み込むように構成されていることを特徴とする到達止水装置。 - 前記内周シール材は、前記ケーシング開口部から進入した前記外殻部が挟み込まれたときには、前記内周シール材の基端部側から前記外殻部側に向かうに従ってトンネル掘削機進行方向側に傾斜した形状となることを特徴とする請求項1に記載の到達止水装置。
- 前記外周シール材および前記内周シール材のうち、少なくとも一つは、前記ケーシング開口部から進入した前記外殻部が挟み込まれたときには、前記外周シール材または前記内周シール材の基端部側から前記外殻部側に向かうに従ってトンネル掘削機進行方向側に傾斜した形状となることを特徴とする請求項1に記載の到達止水装置。
- 前記ケーシングは、前記ケーシングの内部に止水充填材を注入することが可能な止水充填口を備えており、
前記止水充填口は、前記外周シール材または前記内周シール材が設けられる箇所に対してトンネル掘削機進行方向側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の到達止水装置。 - 前記ケーシングは、前記ケーシング開口部に対向した位置にケーシング後壁を有しており、
前記ケーシング後壁は、前記外殻部が前記ケーシング開口部から進入したときに、前記外殻部の先端と前記ケーシング後壁との間隔を確保するスペーサを備えていることを特徴とする請求項4に記載の到達止水装置。 - 前記外周シール材は、前記外殻部に接する面と反対面にワイヤーを備えており、
前記ワイヤーの両端部は、前記ケーシングには収納されず、露出していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の到達止水装置。
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