JP3218084B2 - 管接続装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、既設管の外周面を密閉
状態で囲繞する接続用ケースに、管接続用開口部と作業
用開口部とが設けられ、前記既設管には、作業用開口部
から接続用ケース内に挿入された切断具で分岐用開口が
切断形成されているとともに、前記接続用ケースの作業
用開口部には、それを密閉する蓋体が設けられ、更に、
前記管接続用開口部には新設管が接続されている管接続
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】冒記管接続装置は、既設管に新設管を接
続するにあたって、既設管を密閉状態で囲繞している接
続用ケースを介して新設管を接続するから、既設管の所
定長さ部分を撤去してその撤去部分に嵌め込むように連
結した分岐用継手を介して新設管を接続する場合に比べ
て、高い施工精度を要することなく接続することができ
る。

【０００３】そして、既設管内に流体を流通させたま
ま、既設管の分岐用開口と新設管とを接続用ケースを介
して連通させる場合、既設管の外周面を接続用ケースで
囲繞し、既設管に分岐用開口を切断形成した後、接続用
ケースの管接続用開口部に新設管を接続する工法の方
が、既設管の外周面を接続用ケースで囲繞した後、管接
続用開口部に対する新設管の配管作業を行い、その後で
既設管に分岐用開口を切断形成する工法に比べて、既設
管に接続用ケースを取付けてから分岐用開口を形成する
までの作業を途中で中断することなく一連に能率良く行
うことができる利点があるが、既設管に分岐用開口を切
断形成する前から管接続用開口部に新設管を配管し終え
るまで、管接続用開口部からの流体の流出を阻止してお
く必要がある。

【０００４】この為、従来、管接続用開口部に当該管接
続用開口部を開閉可能な仕切弁を別途設けて、分岐用開
口を形成しても管接続用開口部からの流体の流出を仕切
弁で阻止できるよう構成した管接続装置が提案されてお
り（例えば、実公平３−３９６７８号公報参照）、仕切
弁を閉じておいて、その仕切弁を介して新設管を接続用
開口部に接続した後、その仕切弁を開いて、当該新設管
と分岐用開口とを接続用ケースを介して連通させてい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の管接続装置
によれば、既設管内に流体を流通させたままで管接続用
開口部に新設管を接続する場合、接続用ケースの管接続
用開口部と新設管の端部 との間に、仕切弁のケーシング
を連結するためのスペースを確保する必要があり、しか
も、仕切弁のケーシングの取付け作業に多くの手間と労
力を要するため、管接続装置の大型化と施工コストの高
騰化を招来する問題がある。特に、既設管が地中に埋設
されている場合、仕切弁を設ける分だけより大きな作業
用ピットを掘削する必要があり、施工コストが一層増大
する問題がある。

【０００６】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あって、接続用ケースの管接続用開口部に新設管を接続
する場合、既設管内での流体の流れを維持したまま、既
設管に接続ケースを取り付けてから分岐用開口を形成す
るまでの作業を途中で中断することなく一連に能率良く
行うことができるものでありながら、装置の小型化と施
工コストの低廉化を図ることのできる管接続装置を提供
することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為の
本発明の請求項１による特徴構成は、冒記管接続装置に
おいて、前記蓋体に、作業用開口部から接続用ケース内
に挿入自在で、かつ、既設管の分岐用開口と管接続用開
口部との間の分岐流路を開閉する弁体が、接続用ケース
の外側から開閉操作自在に装着されている点にあり、か
かる構成から次の作用効果を奏する。

【０００８】

【作用】上記特徴構成によれば、既設管の外周面を密閉
状態で囲繞する接続用ケースの管接続用開口部に新設管
を接続するにあたって、既設管にケースに分岐用開口が
切断形成された後、接続用ケースの作業用開口部を密閉
する蓋体を取付け、この蓋体に装着された弁体を接続用
ケースの外側から閉じ操作することにより、既設管の分
岐用開口と管接続用開口部との間の分岐流路を遮断し
て、管接続用開口部からの流体の流出を阻止し、この状
態で管接続用開口部に対する新設管の配管作業を行った
後、接続用ケースの外側からの操作で弁体を開き作動さ
せることにより、既設管の分岐用開口と管接続用開口部
との間の分岐流路を開放して、既設管 の分岐用開口と新
設管とを接続用ケースを介して連通させることができ
る。

【０００９】

【発明の効果】従って、接続用ケースの管接続用開口部
に新設管を接続する場合、既設管内での流体の流れを維
持したまま、既設管に接続ケースを取り付けてから分岐
用開口を形成するまでの作業を途中で中断することなく
一連に能率良く行うことができるものでありながら、管
接続用開口部に仕切弁を別途設ける必要がなく、その
分、装置の小型化と施工コストの低廉化を図ることがで
きる。

【００１０】本発明の請求項２による管接続装置の特徴
構成は、前記蓋体に、作業用開口部から接続用ケース内
に挿入自在で、かつ、挿入状態では分岐流路を分岐用開
口側の分岐流路部分と管接続用開口部側の分岐流路部分
とに区画する弁座部が設けられ、この弁座部には、分岐
用開口側の分岐流路部分と管接続用開口部側の分岐流路
部分とを連通する貫通孔が形成されているとともに、前
記弁体が、貫通孔を開閉する状態で蓋体に設けられてい
る点にある。

【００１１】上記特徴構成によれば、既設管の外周面を
密閉状態で囲繞する接続用ケースの管接続用開口部に新
設管を接続するにあたって、既設管にケースに分岐用開
口が切断形成された後、接続用ケースの作業用開口部を
密閉する蓋体を取付けると、この蓋体に設けられた弁座
部が、作業用開口部から接続用ケース内に挿入され、分
岐流路が、分岐用開口側の分岐流路部分と管接続用開口
部側の分岐流路部分とに密封状態で区画される。 そし
て、蓋体に設けられた弁体を接続用ケースの外側から操
作することにより、弁座部の貫通孔を開閉して、分岐用
開口側の分岐流路部分と管接続用開口部側の分岐流路部
分とを連通する状態と遮断する状態とに切換えることが
できる。

【００１２】従って、既設管の分岐用開口から管接続用
開口部に接続される新設管への分流に必要な流路面積を
確保しながらも、弁座部の貫通孔を開閉可能な範囲で弁
体の小型化を図ることができるから、弁体の開閉に要す
る操作力の軽減化と管接続装 置の小型化とを図ることが
できる。

【００１３】

【実施例】〔第１実施例〕 本発明の実施例を、図７に示すように、地中に埋設され
ている既設水道管Ａに新設水道管Ｂを不断水状態（既設
水道管Ａ内に水を流通させたままの状態）で分岐接続す
る分岐管接続装置Ｃについて説明する。前記分岐管接続
装置Ｃは、図１に示すように、既設水道管Ａの外周面を
密閉状態で囲繞する接続用ケース１に、新設水道管Ｂが
連通接続される管接続用開口部２と、既設水道管Ａに分
岐用開口３を切断形成する為の作業用開口部４と、作業
用開口部４を密閉する蓋体５とを設けて構成されてい
る。

【００１４】前記接続用ケース１は、既設水道管Ａの外
周面に対してその径方向からパッキンＰ１を挟んで水密
状態で取り付け固定可能な二つの分割ケース部１ａ，１
ｂに分割され、一方の分割ケース部１ａに、底板６ａを
備えている円筒状ケース６が設けられているとともに、
この円筒状ケース６の開口端が作業用開口部４に構成さ
れ、管接続用開口部２を構成する円筒部材が円筒状ケー
ス６に対して径方向から直交させる状態で連通接続して
ある。

【００１５】図２にも示すように、前記作業用開口部４
を密閉する蓋体５の裏面に、作業用開口部４から接続用
ケース１内に挿入自在で、かつ、挿入状態では円筒状ケ
ース６内を径方向に区画する状態で、つまり、既設管Ａ
の分岐用開口３と管接続用開口部２との間に形成される
分岐流路を、分岐用開口３側の分岐流路部分と管接続用
開口部２側の分岐流路部分とに密封区画する状態で、円
筒状ケース６内面に対してパッキンＰ２を介して圧接さ
れている弁座部としてのプラグ７が連設され、このプラ
グ７には、径方向に区画した円筒状ケース６内の空間ど
うしを連通する、換言すれば、分岐用開口３側の分岐流
路部分と管接続用開口部２側の分岐流路部分とを連通す
る貫通孔８が形成されている。

【００１６】前記プラグ７の貫通孔８に弁体９を取り付
けて、蓋体５の外面側に突出させた弁棒１０の操作で、
弁体９が、貫通孔８を開いて管接続用開口部２と既設水
道管Ａに形成した分岐用開口３との連通を許容する位
置、つまり、分岐流路を開放する開き位置と、貫通孔８
を閉じて管接続用開口部２と分岐用開口３との連通を阻
止する位置、つまり、分岐流路を遮断する閉じ位置とに
亘って昇降される仕切弁が構成されている。

【００１７】次に、前記分岐管接続装置Ｃを使用して既
設水道管Ａに新設水道管Ｂを不断水状態で分岐接続させ
る管接続方法について説明する。 図３に示すよう
に、接続用ケース１を既設水道管Ａ外周に取付け固定す
るとともに、管接続用開口部２を塞ぎ板１１で密閉し、
作業用仕切弁１２と、駆動装置１３に駆動軸１６を介し
て連結した切断具としてのホールソー１４が内装されて
いる作業用密閉ケース１５とを作業用開口部４に順に連
結する。

【００１８】 図４に示すように、作業用仕切弁１２
を開いておいて駆動軸１６を下降させ、ホールソー１４
を作業用開口部４から円筒状ケース６内に挿入し、駆動
軸１６を回転させて既設水道管Ａの管周壁を切削し、切
削屑を水道水とともに円筒状ケース６に設けたドレン孔
１７から排出しながら分岐用開口３を形成する。

【００１９】 図５に示すように、ホールソー１４の
内周面側に切断片１８を保持した状態で当該ホールソー
１４を作業用密閉ケース１５内に上昇移動させ、作業用
仕切弁１２を閉じる。

【００２０】 作業用密閉ケース１５を駆動装置１３
とホールソー１４とともに作業用仕切弁１２から取り外
し、図６に示すように、作業用開口部４を密閉する蓋体
５が上下操作軸１９を介して取り付けられた作業用密閉
ケース１５を作業用仕切弁１２に連結した後、作業用仕
切弁１２を開いて蓋体５を下降させ、図中鎖線で示すよ
うに、蓋体５に連設したプラグ７を円筒状ケース６内面
に圧接させて当該プラグ７に取り付けた弁体９を円筒状
ケース６内に装着した状態で、蓋体５を予め円筒状ケー
ス６のフランジ２０に螺着してあるボルト２１で当該フ
ランジ２０に仮止めする。

【００２１】 操作軸１９と蓋体５との連結を解除し
て、作業用密閉ケース１５と作業用仕切弁１２とを円筒
状ケース６から撤去し、蓋体５とフランジ２０とをナッ
ト２２で本固定して、ドレン孔１７を閉じる。

【００２２】 弁棒１０の操作で、弁体９を管接続用
開口部２と分岐用開口３との連通を阻止する状態に切り
換え、管接続用開口部２を密閉している塞ぎ板１１を撤
去して、図１に示すように、新設水道管Ｂを管接続用開
口部２のフランジ２３にボルト連結する。

【００２３】 新設水道管Ｂ側の配管工事が完了して
から、弁棒１０の操作で、弁体９を管接続用開口部２と
分岐用開口３との連通を許容する状態に切り換え、既設
水道管Ａと新設水道管Ｂとを接続用ケース１を介して連
通させる。尚、新設水道管Ａを既設水道管Ｂに連通接続
した後、蓋体５をプラグ７が設けられていない蓋体（図
外）に取り替えても良いが、取り替えずにそのまま残し
ておく場合、後日、必要に応じて弁棒１０を操作して、
管接続用開口部２と分岐用開口３との連通を許容する状
態と阻止する状態に切り換えることができる。

【００２４】〔第２実施例〕 図８は弁体９を接続用ケース１内に装着する構造の別実
施例を示し、第１実施例における弁体９に代え、蓋体５
の外面側に突出させた弁棒１０の操作で弁棒軸芯回りに
回転する弁体９をプラグ７の貫通孔８に取り付けて、蓋
体５を円筒状ケース６のフランジ２０に固定した状態で
弁棒１０を操作して弁体９を回転させ、管接続用開口部
２と分岐用開口３との連通を許容する状態と、管接続用
開口部２と分岐用開口３との連通を阻止する状態とに切
換可能なバタフライ弁が構成されている。その他の構成
は第１実施例と同様である。

【００２５】〔第３実施例〕 図９は弁体９を接続用ケース１内に装着する構造の別実
施例を示し、円筒状ケース６内を径方向に区画する状
態、つまり、既設管Ａの分岐用開口３と管接続用開口部
２との間に形成される分岐流路を、分岐用開口３側の分
岐流路部分と管接続用開口部２側の分岐流路部分とに区
画する状態で、円筒状ケース６内面にパッキンＰ３を介
して圧接可能な弁体９を、蓋体５の外面側に突出させた
弁棒１０を介して蓋体５の裏面側に支承し、蓋体５を円
筒状ケース６のフランジ２０に固定した状態で弁棒１０
を操作して弁体９を円筒状ケース６の内周面と蓋体５に
形成した凹入部２４の内周面とに沿って昇降させ、管接
続用２と分岐用開口３との連通を許容する状態、つま
り、分岐流路を開放する開き状態と、管接続用開口部２
と分岐用開口３との連通を阻止する状態、つまり、分岐
流路を遮断する閉じ状態とに切換可能な仕切弁が構成さ
れている。その他の構成は第１実施例と同様である。

【００２６】〔その他の実施例〕 本発明による管接続装置は、水道管だけでなく、任
意の液体又は気体が流通する既設管に新設管を接続する
場合に使用するものであっても良い。 本発明による管接続装置は、地中に埋設された既設
管だけでなく、地上に敷設されている既設管に新設管を
接続するものであっても良い。 本発明による管接続装置は、既設管を一定長さに亘
って筒状に切除して分岐用開口を形成して、この分岐用
開口と新設管とを連通接続するものであっても良い。 本発明による管接続装置は、弁体を、切断具の作動
に干渉しない状態で、予め接続用ケース内に装着して使
用するものであっても良い。 本発明による管接続装置は、接続用ケースの管接続
用開口部に新設管を接続したあと、弁体を接続用ケース
内から撤去するものであっても良い。 本発明による管接続装置は、接続用ケース内に弁体
を切換作動させる為のアクチュエーターを設け、接続用
ケースの外側から、無線或いは有線で、弁体を切換操作
できるよう構成しても良い。

【００２７】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】管接続装置の縦断面図

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線断面矢視図

【図３】管接続方法を説明する概略縦断面図

【図４】管接続方法を説明する概略縦断面図

【図５】管接続方法を説明する概略縦断面図

【図６】管接続方法を説明する概略縦断面図

【図７】管接続状態を示す概略平面図

【図８】別実施例を示す要部の縦断面図

【図９】別実施例を示す管接続装置の縦断面図

【符号の説明】

１ 接続用ケース ２ 管接続用開口部 ３ 分岐用開口 ４ 作業用開口部 ５ 蓋体７ 弁座部 ８ 貫通孔 ９ 弁体 １４ 切断具 Ａ 既設管 Ｂ 新設管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F16L 41/00 - 41/06 F16L 55/00

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 既設管（Ａ）の外周面を密閉状態で囲繞
   する接続用ケース（１）に、管接続用開口部（２）と作
   業用開口部（４）とが設けられ、前記既設管（Ａ）に
   は、作業用開口部（４）から接続用ケース（１）内に挿
   入された切断具（１４）で分岐用開口（３）が切断形成
   されているとともに、前記接続用ケース（１）の作業用
   開口部（４）には、それを密閉する蓋体（５）が設けら
   れ、更に、前記管接続用開口部（２）には新設管（Ｂ）
   が接続されている管接続装置において、前記蓋体（５）には、作業用開口部（４）から接続用ケ
   ース（１）内に挿入自在で、かつ、既設管（Ａ）の分岐
   用開口（３）と管接続用開口部（２）との間の分岐流路
   を開閉する弁体（９）が、接続用ケース（１）の外側か
   ら開閉操作自在に装着されている 管接続装置。
2. 【請求項２】 前記蓋体（５）には、作業用開口部
   （４）から接続用ケース（１）内に挿入自在で、かつ、
   挿入状態では分岐流路を分岐用開口（３）側の分岐流路
   部分と管接続用開口部（２）側の分岐流路部分とに区画
   する弁座部（７）が設けられ、この弁座部（７）には、
   分岐用開口（３）側の分岐流路部分と管接続用開口部
   （２）側の分岐流路部分とを連通する貫通孔（８）が形
   成されているとともに、前記弁体（９）が、貫通孔
   （８）を開閉する状態で蓋体（５）に設けられている請
   求項１記載の管接続装置。