JP4107984B2 - 多入力cmosゲート回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CMOSLSIの基本要素であるANDゲート回路やORゲート回路等として使用できる多入力CMOSゲート回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の多入力CMOSゲート回路は、図6に示すように、多入力NORゲート回路31とインバータ32を組み合わせてORゲート回路を構成したり、図7に示すように、多入力NANDゲート回路41とインバータ42を組み合わせてANDゲート回路を構成するのが、一般的であった。
【0003】
図8は図6の多入力ORゲート回路の具体的な回路構成を示す図で、NORゲート回路31はx個の並列接続のNMOSトランジスタMN1〜MNxと、x個の直列接続のPMOSトランジスタMP1〜MPxからなり、インバータ32はPMOSトランジスタMPOとNMOSトランジスタMNO1からなる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図9は図7の多入力ANDゲート回路の具体的な回路構成を示す図で、NANDゲート回路41はx個の直列接続のNMOSトランジスタMN1〜MNxと、x個の並列接続のPMOSトランジスタMP1〜MPxからなり、インバータ42はPMOSトランジスタMPO1とNMOSトランジスタMNOからなる(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−266278号公報
【特許文献2】
特開平2−62118号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8の多入力ORゲート回路は、x個のPMOSトランジスタMP1〜MPxが直列に多段接続される構成であるため、結果的にそのオン抵抗が大きくなり、PMOSトランジスタのターンオン時のスイッチング速度が劣化する欠点があった。同様に、図9の多入力ANDゲート回路は、x個のNMOSトランジスタMN1〜MNxが直列に多段接続される構成であるため、結果的にそのオン抵抗が大きくなり、NMOSトランジスタのターンオン時のスイッチング速度が劣化する欠点があった。
【0007】
このため、CMOSLSIを従来のCMOSゲート回路で構成する場合、入力信号数(ファンイン数)を、最大3〜5に制限して、1ゲート回路当たりのゲート遅延量の増大を回避する方法が用いられていた。あるいは、特に、配線容量や駆動ゲート回路数(ファンアウト数)など、CMOSゲート回路に接続される負荷容量が大きい場合、「NORゲート回路+ドライバ」、あるいは「NANDゲート回路+ドライバ」のように、負荷駆動のための後段のCMOSドライバと組み合わせることにより、ゲート回路遅延量の増大を回避する方法が用いられていた。
【0008】
このように、ファンイン数が3〜5と制限された条件で、大規模な論理回路を構成する場合、ゲート回路の論理段数が増加し、結果的にCMOSLSIの構成素子数が増大する欠点があった。すなわち、従来の多入力CMOSゲート回路では、NORゲート回路、NANDゲート回路など、多入力のCMOSゲート回路を使用する場合、ゲート回路遅延が劣化し、CMOSLSI全体の高速化が実現できない問題点があった。
【0009】
本発明の目的は、上記問題点を解消し、高速で、高機能な多入力CMOSゲート回路を実現することである。別の目的は、スタンバイ時のリーク電流を防止し消費電力の低減を図った多入力CMOSゲート回路を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、ゲートが複数の入力端子に個々に接続され、ドレインが第1のドレイン節点に共通接続され、ソースが高電位電源端子に共通接続された複数のPMOSトランジスタからなる並列PMOSトランジスタ群と、ゲートが前記複数の入力端子に個々に接続され、ドレインが第2のドレイン節点に共通接続され、ソースが低電位電源端子に共通接続された複数のNMOSトランジスタからなる並列NMOSトランジスタ群と、前記第1および第2のドレイン節点の「H」レベル、「L」レベル、ハイインピーダンスの組み合わせに応じて出力端子を「H」レベル又は「L」レベルに設定するドライバ部と、を具備することを特徴とする多入力CMOSゲート回路とした。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の多入力CMOSゲート回路において、前記ドライバ部は、ゲートが前記第2のドレイン節点に接続され、ドレインが出力端子に接続された第1のNMOSトランジスタと、ゲートが前記第1のドレイン節点に接続され、ソースが前記低電位電源端子に接続され、ドレインが前記第1のNMOSトランジスタのソースに接続された第2のNMOSトランジスタと、ゲートが前記第2のドレイン節点に接続され、ソースが前記高電位電源端子に接続され、ドレインが前記出力端子に接続されたPMOSトランジスタと、前記第1のドレイン節点と前記第2のドレイン節点の間に接続されたインピーダンス素子と、を具備することを特徴とする多入力CMOSゲート回路とした。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の多入力CMOSゲート回路において、前記ドライバ部は、ゲートが前記第1のドレイン節点に接続され、ドレインが出力端子に接続された第1のPMOSトランジスタと、ゲートが前記第2のドレイン節点に接続され、ソースが前記高電位電源端子に接続され、ドレインが前記第1のPMOSトランジスタのソースに接続された第2のPMOSトランジスタと、ゲートが前記第1のドレイン節点に接続され、ソースが前記低電位電源端子に接続され、ドレインが前記出力端子に接続されたNMOSトランジスタと、前記第1のドレイン節点と前記第2のドレイン節点の間に接続されたインピーダンス素子と、を具備することを特徴とする多入力CMOSゲート回路とした。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の多入力CMOSゲート回路において、前記インピーダンス素子を、前記インピーダンス素子とスタンバイ時に遮断するMOSトランジスタとの直列回路に置き換えたことを特徴とする多入力CMOSゲート回路とした。
【0014】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態の多入力ORゲート回路の構成を示す回路図である。MP1,MP2,・・・,MPxは、高電位電源端子VDDとドレイン節点PDの間に並列に接続されたPMOSトランジスタであり、並列PMOSトランジスタ群11を構成する。また、MN1,MN2,・・・・,MNxは、ドレイン節点NDと低電位電源端子GNDとの間に並列に接続されたNMOSトランジスタであり、並列NMOSトランジスタ群12を構成する。入力端子IN1はトランジスタMP1,MN1のゲートに、入力端子IN2はトランジスタMP2,MN2のゲートに、・・・、入力端子INxはトランジスタMPx、MNxのゲートに、それぞれ接続されている。ドレイン節点PDとNDは互いに分離されている。
【0015】
ドレイン節点NDはPMOSトランジスタMPOとNMOSトランジスタMNO1のゲートに接続され、ドレイン節点PDはNMOSトランジスタMNO2のゲートに接続されている。NMOSトランジスタMND1はMOSダイオードであり、そのゲートとソースがドレイン節点PDに接続され、ドレインがドレイン節点NDに接続されている。さらに、トランジスタMPOのソースは高電位電源端子VDDに接続され、ドレインは出力端子OUTに接続されている。トランジスタMNO1のドレインは出力端子OUTに接続され、ソースはトランジスタMNO2のドレインに接続されている。そのトランジスタMNO2のソースは低電位電源端子GNDに接続されている。以上のトランジスタMPO,MNO1,MNO2、MND1によりドライバ部13が構成されている。
【0016】
次に、このORゲート回路の動作を説明する。いま、入力端子IN1,IN2,・・・,INxのいずれもが「L」レベルである場合(条件1)は、並列に接続されたトランジスタMP1,MP2,・・・,MPxは全てオンとなり、そのドレイン節点PDは高電位電源端子VDDと導通し、「H」レベルとなる。一方、並列に接続されたトランジスタMN1,MN2,・・・,MNxは全てオフとなり、そのドレイン節点NDは、低電位電源端子GNDと遮断される。
【0017】
このとき、2つのドレイン節点PD、NDの間はダイオードMND1で接続されており、ドレイン節点PDが「H」レベルになると同時に、そのダイオードMND1がオンしてドレイン節点NDも「H」レベルに押し上げられる。その結果、トランジスタMPOはオフとなり、トランジスタMNO1、MNO2は、いずれもオンとなり、出力端子OUTが「L」レベルに確定される。
【0018】
また、入力端子IN1,IN2,・・・,INxのいずれもが、「H」レベルである場合(条件2)は、並列に接続されたトランジスタMN1,MN2,・・・,MNxは全てオンとなり、そのドレイン節点NDは低電位電源端子GNDと導通し、「L」レベルとなる。一方、並列に接続されたトランジスタMP1,MP2,・・・,MPxは全てオフとなり、そのドレイン節点PDは、高電位電源端子VDDと遮断される。
【0019】
このとき、2つのドレイン節点PD、NDの間はダイオードMND1で接続されているが、上記ドレイン節点PDがハイインピーダンスとなる。ドレイン節点NDは「L」となるので、トランジスタMPOはオンとなり、NMOSトランジスタMNO1はオフになり、NMOSトランジスタMNO2の状態にかかわらず、出力端子OUTが「H」レベルに確定される。
【0020】
また、入力端子IN1,IN2,・・・,INxの内、一部が「H」レベルで、残りが「L」レベルである場合(条件3)、上記ドレイン節点PDは「H」レベルとなり、上記ドレイン節点NDは「L」レベルとなる。
【0021】
このとき、上記ドレイン節点NDは、低電位電源端子GNDの電位からPMOSトランジスタのしきい値電圧Vtnだけ上がった「GND+Vtn」の電位にとどまり、上記ドレイン節点PDは、電源端子VDDの電圧からPMOSトランジスタのしきい値電圧Vtpだけ下がった「VDD−Vtp」の電位にとどまる。つまり、上記2つのドレイン節点PD,NDの間にはダイオードMND1を通じて電圧降下が発生するが、ドレイン節点PDは「H」レベルを、ドレイン節点NDは「L」レベルを維持する。その結果、トランジスタMPOはオンとなり、NMOSトランジスタMNO1はオフ、NMOSトランジスタMNO2はオンになり、出力端子OUTが「H」レベルに確定される。
【0022】
このようにORゲート回路は条件1,2,3に応じて動作する。従来のNORゲート回路あるいはORゲート回路のような複数のPMOSトランジスタが多段に直列接続された部分がなく、複数のPMOSトランジスタおよび複数のNMOSトランジスタともに並列に接続されているので、このORゲート回路は高速にスイッチングすることができる。
【0023】
なお、上記の実施形態では、2つのドレイン節点PD,NDを分離するため、MOSダイオードMND1を使用しているが、抵抗、インダクタンス素子等のインピーダンス素子のように、電圧降下を生じさせ、2つのドレイン節点に異なる電位を発生させる他の素子を使用してもよい。
【0024】
[第2の実施形態]
図2は、第2の実施形態の多入力ANDゲート回路の構成を示す回路図である。並列PMOSトランジスタ群11と並列NMOSトランジスタ群12は図1の構成と同じである。14はドライバ部である。
【0025】
このドライバ部14において、ドレイン節点PDはNMOSトランジスタMNOとPMOSトランジスタMPO1のゲートに接続され、ドレイン節点NDはPMOSトランジスタMPO2に接続されている。PMOSトランジスタMPD1はMOSダイオードであり、そのゲートとソースがドレイン節点NDに接続され、ドレインがドレイン節点PDに接続されている。さらに、トランジスタMNOのソースは低電位電源端子GNDに接続され、ドレインは出力端子OUTに接続されている。トランジスタMPO1のドレインは出力端子OUTに接続され、ソースはトランジスタMPO2のドレインに接続されている。そのトランジスタMPO2のソースは高電位電源端子VDDに接続されている。
【0026】
次に、このANDゲート回路の動作を説明する。いま、入力端子IN1,IN2,・・・,INxのいずれもが、「L」レベルである場合(条件1)、並列に接続されたトランジスタMP1,MP2,・・・,MPxは全てオンとなり、そのドレイン節点PDは高電位電源端子VDDと導通し、「H」レベルとなる。一方、並列に接続されたトランジスタMN1,MN2,・・・,MNxは全てオフとなり、そのドレイン節点NDは低電位電源端子GNDと遮断される。
【0027】
このとき、2つのドレイン節点PD、NDの間は、ダイオードMPD1で接続されているが、上記ドレイン節点NDがハイインピーダンスとなる。ドレイン節点PDは「H」レベルであるので、ダイオードMPD1はオフである。その結果、トランジスタMNOはオンとなり、PMOSトランジスタMPO1はオフとなり、PMOSトランジスタMPO2の状態にかかわらず、ANDゲート回路の出力である出力端子OUTは「L」レベルに確定される。
【0028】
また、入力端子IN1,IN2,・・・,INxのいずれもが、「H」レベルである場合(条件2)、並列に接続されたトランジスタMN1,MN2,・・・,MNxは全てオンとなり、そのドレイン節点NDは低電位電源端子GNDと導通し、「L」レベルとなる。一方、並列に接続されたトランジスタMP1,MP2,・・・,MPxは全てオフとなり、そのドレイン節点PDは、高電位電源端子VDDと遮断される。
【0029】
このとき、2つのドレイン節点PD、NDの間はダイオードMND1で接続されているので、上記ドレイン節点NDが「L」レベルになるとそのダイオードMND1はオンしてドレイン節点PDも「L」レベルに押し下げられる。その結果、トランジスタMNOはオフとなり、PMOSトランジスタMPO1,MPO2はいずれもオンとなり、出力端子OUTが「H」レベルに確定される。
【0030】
また、入力端子IN1,IN2,・・・,INxの内、一部が「H」レベルで、残りが「L」レベルである場合(条件3)、上記ドレイン節点NDは「L」レベルとなり、上記ドレイン節点PDは「H」レベルとなる。
【0031】
このとき、上記ドレイン節点NDは、低電位電源端子GNDの電位からPMOSトランジスタのしきい値電圧Vtnだけ上がった「GND+Vtn」の電位にとどまり、上記ドレイン節点PDは、電源端子VDDの電圧からPMOSトランジスタのしきい値電圧Vtpだけ下がった「VDD−Vtp」の電位にとどまる。つまり、上記2つのドレイン節点PD,NDの間にはダイオードMPD1を通じて電圧降下が発生するが、ドレイン節点PDは「H」レベルを、ドレイン節点NDは「L」レベルを維持する。その結果、トランジスタMNOはオンとなり、NMOSトランジスタMPO1はオフ、NMOSトランジスタMPO2はオンになり、出力端子OUTが「L」レベルに確定される。
【0032】
以上のようにANDゲート回路は条件1,2,3に応じて動作する。従来のNANDゲート回路あるいはANDゲート回路のような複数のNMOSトランジスタが多段に直列に接続された部分がなく、複数のNMOSトランジスタおよび複数のPMOSトランジスタともに並列に接続されているので、このANDゲート回路は高速にスイッチングすることができる。
【0033】
なお、上記の実施形態では、2つのドレイン節点PD,NDを分離するため、MOSダイオードMPD1を使用しているが、抵抗、インダクタンス素子等のインピーダンス素子のように、電圧降下を生じさせ、2つのドレイン節点に異なる電位を発生させる他の素子を使用してもよい。
【0034】
[第3の実施形態]
図3は、第3の実施形態の多入力ORゲート回路の構成を示す回路図であり、図1と同じ構成の並列PMOSトランジスタ群11、並列NMOSトランジスタ群12を有する。15はドライバ部である。このドライバ部15において、図1のドライバ部13と同じものには同じ符号を付けた。ここでは、図1のMOSダイオードMND1のドレインとドレイン節点NDとの間に、新たにNMOSトランジスタMND2を挿入し、MND1をダイオード用、MND2をスタンバイ時の遮断用としている。
【0035】
図1のORゲート回路では、入力端子IN1,IN2,・・・,INxの内、一部が「H」レベルで、残りが「L」レベルである場合、高電位電源端子VDDから、トランジスタMP1,MP2,・・・,MPxのうちのオンしているトランジスタ→ダイオードMND1→トランジスタMN1,MN2,・・・,MNxのうちのオンしているトランジスタ→低電位電源端子GNDにリーク電流が流れる。このリーク電流はスタンバイ時に流れるため、消費電流が増大する。
【0036】
これに対し、第3の実施形態では、動作時にはトランジスタMND2のゲートのイネーブル信号ENBを「H」レベルに設定し、スタンバイ時には「L」レベルに設定することにより、スタンバイ時にはそのトランジスタMND2が遮断するので、上記したリーク電流を皆無にすることができる。
【0037】
[第4の実施形態]
図4は、第4の実施形態の多入力ANDゲート回路の構成を示す回路図であり、図2と同じ構成の並列PMOSトランジスタ群11、並列NMOSトランジスタ群12を有する。16はドライバ部である。このドライバ部16において、図2のドライバ部14と同じものには同じ符号を付けた。ここでは、図2のMOSダイオードMPD1のドレインとドレイン節点PDとの間に、新たにPMOSトランジスタMPD2を挿入し、MPD1をダイオード用、MPD2をスタンバイ時の遮断用としている。
【0038】
図2のANDゲート回路では、入力端子IN1,IN2,・・・,INxの内、一部が「H」レベルで、残りが「L」レベルである場合、電源端子VDDから、トランジスタMP1,MP2,・・・,MPxのうちのオンしているトランジスタ→ダイオードMPD1→トランジスタMN1,MN2,・・・,MNxのうちのオンしているトランジスタ→低電位電源端子GNDにリーク電流が流れる。このリーク電流はスタンバイ時に流れるため、消費電流が増大する。
【0039】
これに対し、第4の実施形態では、動作時にはトランジスタMPD2のゲートのイネーブル信号ENを「L」レベルに設定し、スタンバイ時には「H」レベルに設定することにより、スタンバイ時にはそのトランジスタMPD2が遮断するので、上記したリーク電流を皆無にすることができる。
【0040】
[第5の実施形態]
図5は前記した図3および図4のイネーブル付きの多入力ORゲート回路および多入力ANDゲート回路を組み合わせ論理回路22内に使用した論理回路のブロックを示す図である。ここでは、前段の第1レジスタ回路21から組み合わせ論理回路22に取り込まれたデータがそこで演算処理されるが、スタンバイ時はイネーブル信号EN,ENBにより前記したトランジスタMND2,MPD2が遮断状態に設定され、リーク電流が流れないので、その部分での消費電流を削減できる。この組み合わせ論理回路22で演算処理されたデータは後段の第2のレジスタ回路23に取り出される。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、請求項1乃至3に係る発明の多入力CMOSゲート回路は、入力信号数(ファンイン数)が大きくなるとゲート回路の動作速度が急激に劣化する、という従来のCMOSゲート回路の欠点を解消して、入力信号数(ファンイン数)が大きくても、高速動作が可能なCMOSゲート回路を実現することができる利点がある。
【0042】
最近のCMOSLSIでは、微細化が一層進み、大規模ゲート回路の搭載が可能になるにつれ、その論理機能が複雑化、大規模化する傾向にあるため、ファンイン数、ファンアウト数が増大しており、一方、チップサイズの増大に伴い、CMOSゲート回路に接続される平均配線長が増大し、その浮遊容量の増大傾向も強まっている。この結果、高負荷の駆動条件で、ファンイン数の大きいCMOSゲート回路を高速動作させる必要性が望まれている。請求項1乃至3に係る発明の多入力CMOSゲート回路は、これらの適用条件を満足し、高速で高機能なCMOSLSIを実現できる利点がある。
【0043】
また、請求項4に係る発明の多入力CMOSゲート回路は、請求項1乃至3に係る発明の多入力CMOSゲート回路の上記した利点に加えて、スタンバイ時のリーク電流を遮断することができ、DC的なスタティック電流を低減させ、CMOS特有の低消費電流の特徴を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の多入力ORゲート回路の回路図である。
【図2】 第2の実施形態の多入力ANDゲート回路の回路図である。
【図3】 第3の実施形態のイネーブル付き多入力ORゲート回路の回路図である。
【図4】 第4の実施形態のイネーブル付き多入力ANDゲート回路の回路図である。
【図5】 第5の実施形態を示す図で、図3及び図4のイネーブル付きの多入力ORゲート回路や多入力ANDゲート回路で構成した組み合わせ論理回路を使用するブロックの説明図である。
【図6】 従来の多入力ORゲート回路のシンボル図である。
【図7】 従来の多入力ANDゲート回路のシンボル図である。
【図8】 従来の多入力ORゲート回路の回路図である。
【図9】 従来の多入力ANDゲート回路の回路図である。
【符号の説明】
11:並列PMOSトランジスタ群
12:並列NMOSトランジスタ群
13〜16:ドライバ部
21,23:レジスタ回路
22:組み合わせ論理回路
31:多入力NORゲート回路
32:インバータ
41:多入力NANDゲート回路
42:インバータ
IN1〜INx:入力端子
MP1〜MPx:PMOSトランジスタ
MN1〜MNx:NMOSトランジスタ
MPD1:PMOSダイオード
MPD2:スタンバイ時遮断用のPMOSトランジスタ
MND1:NMOSダイオード
MND2:スタンバイ時遮断用のNMOSトランジスタ
MPO,MPO1,MPO2:PMOSトランジスタ
MNO,MNO1,MNO2:NMOSトランジスタ
VDD:高電位電源端子
GND:低電位電源端子
OUT:出力端子
PD:第1のドレイン節点
ND:第2のドレイン節点

Claims (4)

  1. ゲートが複数の入力端子に個々に接続され、ドレインが第1のドレイン節点に共通接続され、ソースが高電位電源端子に共通接続された複数のPMOSトランジスタからなる並列PMOSトランジスタ群と、
    ゲートが前記複数の入力端子に個々に接続され、ドレインが第2のドレイン節点に共通接続され、ソースが低電位電源端子に共通接続された複数のNMOSトランジスタからなる並列NMOSトランジスタ群と、
    前記第1および第2のドレイン節点の「H」レベル、「L」レベル、ハイインピーダンスの組み合わせに応じて出力端子を「H」レベル又は「L」レベルに設定するドライバ部と、
    を具備することを特徴とする多入力CMOSゲート回路。
  2. 請求項1に記載の多入力CMOSゲート回路において、前記ドライバ部は、
    ゲートが前記第2のドレイン節点に接続され、ドレインが出力端子に接続された第1のNMOSトランジスタと、
    ゲートが前記第1のドレイン節点に接続され、ソースが前記低電位電源端子に接続され、ドレインが前記第1のNMOSトランジスタのソースに接続された第2のNMOSトランジスタと、
    ゲートが前記第2のドレイン節点に接続され、ソースが前記高電位電源端子に接続され、ドレインが前記出力端子に接続されたPMOSトランジスタと、
    前記第1のドレイン節点と前記第2のドレイン節点の間に接続されたインピーダンス素子と、
    を具備することを特徴とする多入力CMOSゲート回路。
  3. 請求項1に記載の多入力CMOSゲート回路において、前記ドライバ部は、
    ゲートが前記第1のドレイン節点に接続され、ドレインが出力端子に接続された第1のPMOSトランジスタと、
    ゲートが前記第2のドレイン節点に接続され、ソースが前記高電位電源端子に接続され、ドレインが前記第1のPMOSトランジスタのソースに接続された第2のPMOSトランジスタと、
    ゲートが前記第1のドレイン節点に接続され、ソースが前記低電位電源端子に接続され、ドレインが前記出力端子に接続されたNMOSトランジスタと、
    前記第1のドレイン節点と前記第2のドレイン節点の間に接続されたインピーダンス素子と、
    を具備することを特徴とする多入力CMOSゲート回路。
  4. 請求項2又は3に記載の多入力CMOSゲート回路において、
    前記インピーダンス素子を、前記インピーダンス素子とスタンバイ時に遮断するMOSトランジスタとの直列回路に置き換えたことを特徴とする多入力CMOSゲート回路。
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