JP4107003B2 - 配線基板の製造方法および同製造方法に使用される基板 - Google Patents

配線基板の製造方法および同製造方法に使用される基板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いから電気的に孤立する複数の回路パターンを有する配線基板を効率よく製造する方法、および同製造方法に使用される基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の配線基板の製造方法においては、まず基板上に金属薄膜が形成され、次いで金属薄膜の所定領域を除去することで基板上に金属薄膜のパターンが形成される。その後、電気めっきを実施して金属薄膜のパターン上に追加金属膜を形成すれば、所望の厚みを有する回路パターンが基板上に得られる。
【0003】
しかし、基板上において金属薄膜の複数のパターンが互いから電気的に孤立している場合は、電気めっき工程が非常に煩雑になる。例えば、図18に示すように、絶縁基板1S上において回路パターン20Sが回路パターン22Sから電気的に絶縁されている場合、これらの回路パターンの各々に関して個別に電気めっきを実施して追加金属被膜を形成する必要がある。結果として、電気めっき工程に要する時間の延長が製造コスト増加を招く。また、配線基板の製造歩留まりを安定に維持するため、めっき液の品質が頻繁にチェックされなければならないという問題がある。
【0004】
一方、電気めっき用の給電回路を孤立回路の各々に設けることにより、それらの回路パターン上に一度に追加金属被膜を形成することは可能である。しかしながら、この方法では、高密度プリント配線基板の製造において限界がある。すなわち、回路パターン密度が高くなるにつれて、電気めっきにより形成した回路パターンの信頼性が低下する。
【0005】
上記した問題点を解消するため、特開平7−066533号公報は、プリント配線基板の改善された製造方法を開示している。この方法によれば、孤立回路パターンに複数の給電回路を介して電流を供給することなく、電気めっきにより孤立回路パターン上に追加金属被膜を同時に形成することができる。
【0006】
すなわち、図19(a)に示すように、基板上に形成した金属薄膜をパターニングすることにより、互いから孤立する回路パタ−ン(30P、32P)とそれらの間に延出する導体層40Pが基板上に形成される。導体層40P上にレジスト被膜90Pを形成した後、導体層40Pによって接続された孤立回路パターン(30P、32P)に給電して電気めっきを実施すると、図19(b)に示すように、それらの回路パターン上に追加金属被膜50Pを同時形成できる。この時、導体層40Pはレジスト被膜90Pで覆われているので、追加金属被膜50Pは導体層40P上には形成されない。電気めっき後、レジスト被膜90Pを除去して導体層40Pを露見させ、導体層40Pをソフトエッチングにより除去すれば、図19(c)に示すように、孤立回路パターン(30P、32P)間に電気絶縁が得られる。
【0007】
しかしながら、導体層40P上にレジスト被膜90Pを形成する工程が必要であるので、結果的に製造コストの増加を招くことになる。特に、MID用基板に3次元回路パターンを形成したり、高密度プリント回路板を製造する場合は、導体層上へのレジスト被膜形成の困難性が問題になる。さらに、電気めっき後の導体層40Pの除去が十分でないと、絶縁不良を招く恐れがある。
【0008】
一方、特開平10−93225号は、電気めっきにより導体パターンを比較的安価に且つ迅速に形成できる配線基板の製造方法について開示している。この方法では、まず、図20(a)に示すように、基板1R上に無電解めっき用接着剤層10Rおよびめっきレジスト層20Rが形成される。次に、めっきレジスト層20Rの一部が除去され、無電解めっき用接着剤層10Rが露出され、この露出面に無電解めっきにより導体パターン8R、パッド7Rおよび電気めっき用リード9Rが形成される(図20(b))。さらに、図20(c)に示すように、このリード9Rを介して電気めっきを行うことで導体パターン8R、パッド7Rおよびリード9R上に金属厚膜50Rが形成される。その後、図20(d)に示すように、金属厚膜50Rとともにパッド7Rを打抜き加工もしくはエッチングすることで導体パターン8Rと電気めっき用リード9Rの間の電気絶縁が得られる。尚、図中、番号40Rは、打抜き加工により基板1Rに形成された開口を示している。
【0009】
さらに、配線基板の別の製造方法が特開昭57−198695号公報に開示されている。この方法では、まず、絶縁基板の所定領域が露出するようにレジスト材料が塗布され、次いで無電解めっきのための触媒処理が実施される。レジスト材料を基板から除去した後、無電解めっきにより前記所定領域に金属薄膜を形成すると、絶縁基板上に電路部および電路連結部が得られる。さらに、この金属薄膜を介して通電することにより電気めっきを実施し、電路部および電路連結部上に追加金属膜を形成する。電気めっき後、追加金属膜を有する電路連結部を型抜き加工や穿孔加工によって除去すれば、互いから電気的に孤立する複数の回路パターン、すなわち、追加金属膜を有する電路部を得ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法にあっては、パンチングや穿孔加工によってパッドや電路連結部を除去する際に、絶縁基板にクラックが発生して製造歩留まりが悪くなるという問題がある。特に、絶縁基板にセラミックやフィラー含有量の多い絶縁樹脂基板を使用する場合や、比較的厚みの厚い基板を使用する場合は、前記問題に加えて、パンチングや穿孔加工にかかる時間が長くなって、製造効率が大幅に低下するという問題もある。このように、従来の配線基板の製造方法には、製造効率および製造歩留まりの観点から依然として改善の余地が残されている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明の目的は、互いから電気的に孤立する複数の回路パターンを有する配線基板の製造において、製造歩留まりを改善できると共に、電気めっきにより金属被膜を効率よく形成できる配線基板の製造方法を提供することにある。
【0012】
すなわち、本発明の製造方法は、薄肉部を有する基板上に第1回路パターンを形成し;前記基板上に第1回路パターンとは孤立する第2回路パターンを形成し;前記薄肉部上に導体層を形成して第1回路パターンと第2回路パターンとの間に一時的な電気接続を提供し;前記導体層によって接続された第1および第2回路パターンへの通電により電気めっきを実施して第1回路パターンおよび第2回路パターン上に金属被膜を同時に形成し;前記電気めっき後、前記導体層を薄肉部とともに除去することにより第1回路パターンを第2回路パターンから電気的に絶縁する配線基板の製造方法であって、薄肉部は、外表面が導体層の形成に使用され、内部に空洞を有するように基板に一体成形される突起によって提供され、第1回路パターンを第2回路パターンから電気的に絶縁するため、前記突起の少なくとも一部を導体層とともに除去することを特徴とするものである。
【0013】
本発明によれば、導体層を薄肉部上に設けるので、電気めっき後に穿孔加工や打抜き加工等の手段により導体層とともに薄肉部を容易にかつ迅速に除去することができる。さらに、薄肉部の除去時の基板への負荷が小さいので、基板内のクラック伝播や欠損の発生を抑制して製造歩留まりを改善することができるのである。
【0014】
本発明において、上記導体層とともに薄肉部を除去する工程は、超音波振動を印加したパンチの使用により実施されることが好ましい。あるいは、上記導体層とともに薄肉部を除去する工程は、レーザー光の使用により実施されてもよい。
【0015】
また、上記導体層とともに薄肉部を除去する工程は、液体、粉体、およびその混合物のいずれかのジェットの使用により実施されることが好ましい。
【0016】
薄肉部の除去し易さを改善するため、薄肉部上に形成された導体層の周囲に少なくとも一つの貫通孔を設けたり、導体層の形成方向における薄肉部の両端付近に一対のノッチを設けることも好ましい。
【0017】
また、製造効率のさらなる改善のため、第1回路パターン、第2回路パターンおよび導体層が基板上に設けた金属薄膜をパターニングすることにより一度に形成することが特に好ましい。
【0019】
本発明の別の目的は、上記した本発明の製造方法に使用される配線基板製造用基板を提供することにある。すなわち、本発明の基板は、互いから電気的に孤立する回路パターン間を一時的に電気接続する導体層の形成に使用される薄肉部を具備してなることを特徴とする。
【0020】
以下、本発明の配線基板の製造方法を好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1参考例)
第1参考例において使用した基板1を図1(a)および図1(b)に示す。この基板1は、基板の平坦上面12と、基板の下面に形成される凹部14の底面13との間に定義される薄肉部10を有する。薄肉部10は、射出成形やトランスファー成形により基板1と一体に形成されることが好ましい。基板1は、セラミック材料や電気絶縁性樹脂材料で作製できる。例えば、セラミック材料は、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、ジルコニア等を含み、樹脂材料は、液晶ポリマー、ポリフタルアミド、ポリフタルサルフォン、エポキシ樹脂、SPS、PBT等を含む。また、樹脂バインダーとセラミック粉末の混合物を射出成形して所定形状の成形体を作製し、次いで、この成形体を脱脂、焼結することにより薄肉部を有する基板を作製しても良い。薄肉部10は、機械加工により基板に設けても良い。
【0022】
また、図1(a)に示すように、互いから孤立する第1および第2回路パターン(20、22)が基板の上面12に形成される。次に、図2(a)および図2(b)に示すように、薄肉部10上に導体層40を形成し、第1回路パターン20と第2回路パターン22との間を一時的に電気接続する。導体層40は、後に実施される電気めっき工程においてのみ使用される。
【0023】
次に、図3(a)および図3(b)に示すように、導体層40によって接続された第1および第2回路パターン(20、22)への通電により電気銅めっきのような電気めっきを実施してこれらの回路パターン上に所望の厚さの追加金属(銅)被膜50を同時に形成する。例えば、第1回路パターン20に電流を供給すれば、電流は薄肉部10上の導電層40を介して第2回路パターン22に流れる。
【0024】
電気めっき終了後、図4(a)および図4(b)に示すように、導体層40および追加金属被膜50を有する薄肉部10を除去して、第1および第2回路パターン(20、22)間の電気絶縁を得る。薄肉部10は、導体層40と追加金属被膜50とともに打抜き加工により基板1から除去されることが好ましい。尚、図中、番号15は、薄肉部10をパンチングすることにより基板1に形成された開口を示している。
【0025】
尚、基板1が樹脂製である場合、薄肉部10の厚み(T)は、2mm以下であることが好ましい。また、基板1がセラミック製である場合、薄肉部10の厚み(T)を1mm以下とすることが好ましい。さらに、薄肉部10の厚み(T)と、薄肉部を打抜くことにより形成される開口15の直径に実質的に等しい打抜き径(D)との比は、2もしくはそれ以下(T/D≦2)であることが好ましい。この場合は、打抜き加工の精度が向上すると共に、基板の割れやクラックの防止に効果的である。
【0026】
上記方法においては、製造効率改善のため、第1および第2回路パターン(20、22)の形成、および導体層40の形成を一度に行うことが特に好ましい。すなわち、まず、薄肉部10を有する基板1の平坦上面12に銅のような金属薄膜を形成する。金属被膜は、真空蒸着、DCスパッタリング法、RFスパッタリング法により形成できる。金属被膜の厚みは1μm以下であることが好ましく、例えば、約0.3μmである。
【0027】
次いで、金属薄膜をパターニングすることにより基板1上に初期回路パターンを形成する。パターニング方法としては、ガルバノミラーを使用して所定のパターンに沿って金属薄膜にレーザー光を照射するレーザーパターニングを採用することが好ましい。この方法によれば、正確に且つ効率よく金属薄膜の高密度パターンを形成することができる。例えば、第2あるいは第3高調波YAGレーザーの使用がレーザーパターニングに好適である。また、レーザー光は、基板1へのレーザー吸収率が金属薄膜へのレーザー吸収率と大きく異なる波長を有することが好ましい。初期回路パターンは、互いから孤立する第1および第2回路パターン(20、22)と、これらの回路パターン間を一時的に電気接続するために薄肉部10上に設けられる導体層40とを含む。
【0028】
その後、初期回路パターンへの通電により電気銅めっきのような電気めっきを実施し、初期回路パターン上に追加金属被膜50を形成する。電気めっき後、導体層40および追加金属被膜50とともに薄肉部10が除去され、それにより第1回路パターン20と第2回路パターン22との間の電気絶縁が開口15の形成によって形成される。必要に応じて、薄肉部10の除去工程に先立って、ニッケルめっき、銀めっき、金めっきを必要に応じて追加金属皮膜50上に実施しても良い。
【0029】
ところで、初期回路パターンは、レーザーパターニングによって基板上に残留する金属薄膜の不使用領域から電気的に分断されているので、電気めっき時に追加金属薄膜50は金属薄膜の不使用領域には形成されない。この金属薄膜の不使用領域は、ソフトエッチングにより容易に除去することができる。
【0030】
本参考例においては、図1(a)に示すように、第1および第2回路パターン(20、22)を基板1上に設けたが、必要に応じて、さらに追加の回路パターンを基板上に設けても良い。例えば、互いから孤立する複数の追加回路パターンが第1および第2回路パターンを有する基板に形成される場合、図5(a)および図5(b)に示すように導体層40を薄肉部10上に形成し、第1回路パターン、第2回路パターン、および追加回路パターンとの間に一時的な電気接続を提供することができる。電気めっき後、図5(a)に示すようなパターンに形成した導体層40および追加金属被膜50を薄肉部10とともに除去すれば、第1回路パターン、第2回路パターンおよび前記の追加回路パターンを容易に互いから電気的に絶縁することができる。尚、図6(a)および図6(b)に示すように、単一の薄肉部10上に複数の導体層(40、41,42)を形成しても良い。
【0031】
これらの場合は、基板1上に形成すべき薄肉部10の総数を減らすことによって回路設計の自由度を向上させることができる。したがって、これらの変更例は、高密度プリント配線板を製造するのに特に効果的である。また、電気めっき後の薄肉部10の除去に要する時間が全体として短くなるという長所もある。
【0032】
薄肉部10の除去時に回路パターンの剥離や基板材料の欠けやバリの発生を防ぐため、導体層40の形成方向における薄肉部の両端付近に一対のノッチ16を設けることが好ましい。例えば、図7(a)および図7(b)に示すように、V溝16を円形状に薄肉部10に形成しても良い。薄肉部10はV溝16で基板1から除去されるので、基板材料の欠けやバリの発生を低減しながら、回路パターン間に信頼性の高い電気絶縁を提供することができる。さらに、後の洗浄工程を簡素化できるという長所もある。
【0033】
また、薄肉部10には、導体層40に隣接して少なくとも一つの貫通孔を設けることが好ましい。例えば、図8(a)および図8(b)に示すように、薄肉部10上の導体層40の両側に一対の半月状の開口を設けても良い。あるいは、図9(a)および図9(b)に示すように、複数の細孔18を薄肉部10の周辺部に設けても良い。これらの場合は、薄肉部10の除去し易さをさらに改善することができる。
【0034】
薄肉部10を基板1から除去する手法としては、薄肉部に衝撃や振動を付加したり、水や空気などの流体を高速高圧で吹き付ければ良い。好ましい例としては、図10に示すように、超音波振動を印加したパンチ60の使用により薄肉部10を除去することができる。図中、番号80および82は、それぞれホーンおよび超音波振動子を示す。この場合は、薄肉部10を打抜くことにより形成される開口15周辺でのバリ発生を防ぐ効果が高い。さらに、図11に示すように、YAGレーザーやCOレーザーのようなレーザー光84を使用して薄肉部10を除去しても良い。この場合、薄肉部10を正確に除去することができるので、互いから絶縁される高密度な回路パターンを基板1上に形成するのに特に有効である。さらに、基板1が樹脂材料で形成される場合は、打抜き加工や穿孔加工によって薄肉部10を機械的に除去する場合に比べ、基板の反りや変形を低減することができる。あるいは、図12に示すように、水のような液体、セラミック粉末のような粉体、およびその混合物から選択される流体ジェット86を使用して薄肉部40を除去しても良い。
【0035】
図1の基板の代りに、図13に示すように、薄肉部10が、導体層40を形成するために基板上面に設けられる凹部14の底面13と、基板1の平坦下面11との間に定義される基板1を用いても良い。この場合は、肉薄部10がパンチ60の使用により凹部底面13上の導体層40および追加金属被膜50とともに打ち抜かれ、回路パタ−ン(20、22)間に電気絶縁が形成される。
【0036】
あるいは、図14に示すように、薄肉部10が、基板上面に設けられる第1凹部14aの底面と、基板下面に形成される第2凹部14bの底面との間に定義される基板1を用いることも好ましい。図14では、導体層40が第1凹部14aの底面に形成されているが、導体層40は第2凹部14bの底面、もしくは必要に応じて第1凹部14aと第2凹部14bの両方の底面に形成されても良い。特に、基板1の上下面の各々に互いから孤立する複数の回路パターンが形成される場合は、薄肉部10を打抜くことで基板の上面および下面の両方における回路パターン間の電気絶縁を一度に得ることができる。したがって、製造効率のさらなる向上を図れる。また、基板の反りやバリ発生の低減と薄肉部10の除去し易さ改善の観点から、パンチ60が出てくる薄肉部10の表面に上記したノッチ(16)を設けることが好ましい。
【0037】
(実施例)
本発明の実施例にかかる配線基板の製造方法においては、図15(a)および図15(b)に示される薄肉部10を有する基板1が使用される。すなわち、薄肉部10は、外表面が導体層40の形成に使用され、内部に空洞(=凹部14)を有するように基板1と一体成形される突起19によって提供される。この場合は、突起19の少なくとも一部がパンチング、穿孔加工、切断、研削あるいはエンドミル加工により導体層40および追加金属被膜50とともに除去され、これにより回路パターン(20、22)間の電気絶縁が高い信頼性で得られる。さらに、突起19が適切な方向からエンドミル88によって除去される場合、エンドミルによって薄肉部10に形成された開口15周囲での回路パターンの剥離やバリ発生を防ぐことができる。
【0038】
基板1が絶縁性樹脂材料で形成される場合、導体層40および追加金属被膜50とともに薄肉部10を除去する工程に先立って、基板1を加熱することが好ましい。この場合は、加熱により基板1が軟化するので、薄肉部10を容易に且つ効率よく打抜くことができる。
【0039】
(第2参考例)
参考例においては、図16(a)および図16(b)に示すように、導体層40および追加金属被膜50とともに薄肉部10を基板1から除去するに際して、少なくとも一つの突起72を有する補助基板70を基板1の下部、すなわち、導体層40を設けた基板上面と対向する側に配置する。補助基板70は、銀、アルミ、銅等の金属材料で形成することが好ましい。次に、図16(a)中の矢印で示されるように、補助基板70を基板1に向かって移動させ、突起72にて追加金属被膜50および導体層40とともに薄肉部10を打抜く。さらに、図16(b)に示すように、突起72が基板1を貫通している状態で補助基板70を基板1に接合する。補助基板70を基板1に接合するために接着剤を使用する場合は、エポキシ樹脂やアクリル樹脂を使用することが好ましい。尚、補助基板70を絶縁性と熱伝導性に優れた樹脂材料で形成する場合は、接着剤を使用することなく基板1に突起72を圧入することで接合しても良い。
【0040】
尚、補助基板70が金属材料で形成される場合は、突起72の側面に窪み76を設けることが好ましい。突起72が薄肉部10を貫通する時、突起72の側面と基板1上の回路パターン(20、22、50)との間には図16Bに示すような隙間Dが形成され、これにより回路パターン間の電気絶縁性が確保される。また、金属材料でなる補助基板70は放熱板としても機能する。もちろん、基板の所望の特性を改善するため、樹脂材料もしくはセラミック材料で補助基板70を作製しても良い。
【0041】
また、補助基板70の突起72の別の応用例として、突起の端面に凹み部(図示せず)を設け、LEDのような電子部品をこの凹み部にマウントし、基板上の所定の回路パターンと電子部品との間をワイヤーボンディングにより電気接続しても良い。
【0042】
(第3参考例)
参考例では、図17(a)に示すように、平坦上面12と基板下面に設けた凹部14との間に定義される薄肉部10を有する基板1を使用する。次に、この平坦上面12に互いから孤立する第1、第2および第3回路パターン(20、22、24)を形成する(図17(b))。さらに、薄肉部10上に導体層40を形成してこれらの回路パターン間に一時的な電気接続を形成する(図17(c))。第1参考例で述べたように、製造効率改善の観点から、第1、第2および第3回路パターン(20、22、24)の形成および導体層40の形成を基板上に設けた金属薄膜をレーザーパターニングすることにより一度に実施することが特に好ましい。
【0043】
その後、図17(d)に示すように、導体層40によって接続された回路パターン(20、22、24)への通電により電気めっきを実施し、これらの回路パターン上に追加金属被膜50を同時に形成する。また、突起72を有する補助基板70を、前記突起が基板の対応する凹部14にフィットするように基板1に接合する。突起72の各々には貫通孔74が設けられている。次いで、パンチ60で上記基板1の平坦上面の上方から薄肉部10を打ち抜いて、突起72の貫通孔74内にパンチ60を進行させる。このように、補助基板70はパンチ受けとして機能するので、図17(e)に示すように、薄肉部10を正確に打抜くことができる。また、基板保持用の専用金型を使用することなく薄肉部10を除去できるので、製造コスト削減に有効である。さらに、金属材料で形成された補助基板70は、放熱板としても機能する。尚、本参考例で説明した補助基板は、図14に示す基板1に使用しても良い。この場合は、パンチ60により上記基板1上に設けた追加金属被膜50の上方から薄肉部10が打ち抜かれる。
【0044】
【発明の効果】
本発明においては、互いから絶縁される回路パタ−ンの間に一時的に電気接続を提供する導体層を基板の薄肉部上に設け、この導体層によって接続された回路パタ−ンを介しての通電により電気めっきを行うことで、これらの回路パタ−ン上に一度に電気めっきにより金属被膜を形成することができる。これは、配線基板の製造方法における電気めっき工程に要する時間の節約をもたらす。さらに、電気めっき後に、打抜き加工やレーザー光等の使用によって導体層とともに薄肉部を基板から除去することにより回路パターン間の電気絶縁を信頼性よく且つ容易に得ることができる。このように、本発明は、高密度配線基板を効率よく製造する場合に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、第1参考例に基づく配線基板の製造方法の第1工程を示す概略斜視図であり、(b)は(a)中のM−M線における切断面を示す図である。
【図2】 (a)は、第1参考例に基づく製造方法の第2工程を示す概略斜視図であり、(b)は(a)中のM−M線における切断面を示す図である。
【図3】 (a)は、第1参考例に基づく製造方法の第3工程を示す概略斜視図であり、(b)は(a)中のM−M線における切断面を示す図である。
【図4】 (a)は、第1参考例に基づく製造方法の第4工程を示す概略斜視図であり、(b)は(a)中のM−M線における切断面を示す図である。
【図5】 (a)は、薄肉部上に形成された導体層の一例を示す拡大平面図であり、(b)は(a)中のM−M線における切断面を示す図である。
【図6】 (a)は、単一の薄肉部上に形成された複数の導体層を示す拡大平面図であり、(b)は(a)中のM−M線における切断面を示す図である。
【図7】 (a)は、V字状溝を有する薄肉部の拡大平面図であり、(b)は(a)中のM−M線における切断面を示す図である。
【図8】 (a)は、両側に一対の開口を有する薄肉部の拡大平面図であり、(b)は(a)中のM−M線における切断面を示す図である。
【図9】 (a)は、周囲に複数の細孔を有する薄肉部の拡大平面図であり、(b)は(a)中のM−M線における切断面を示す図である。
【図10】 超音波印加パンチで薄肉部を除去する工程を示す概略断面図である。
【図11】 レーザー光で薄肉部を除去する工程を示す概略断面図である。
【図12】 流体ジェットで薄肉部を除去する工程を示す概略断面図である。
【図13】 配線基板の製造方法に使用される基板の変更例を示す概略断面図である。
【図14】 配線基板の製造方法に使用される基板のさらなる変更例を示す概略断面図である。
【図15】 (a)および(b)は、本発明の実施例にかかる配線基板の製造方法に使用される基板を示す概略断面図である。
【図16】 (a)および(b)は、第2参考例に基づく配線基板の製造方法を示す概略断面図である。
【図17】 (a)〜(e)は、第3参考例に基づく配線基板の製造方法を示す概略断面図である。
【図18】 互いから電気的に絶縁される回路パターンを有するプリント配線板の概略斜視図である。
【図19】 (a)〜(c)は、特開平7−066533号公報に記載された配線基板の製造方法を示す概略斜視図である。
【図20】 (a)〜(d)は、特開平10−93225号公報に記載された配線基板の製造方法を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 基板
10 薄肉部
12 平坦上面
13 凹部底面
14 凹部
19 突起
20 第1回路パターン
22 第2回路パターン
40 導体層
50 追加金属被膜

Claims (8)

  1. 薄肉部を有する基板上に第1回路パターンを形成し;前記基板上に第1回路パターンとは孤立する第2回路パターンを形成し;前記薄肉部上に導体層を形成して第1回路パターンと第2回路パターンとの間に一時的な電気接続を提供し;前記導体層によって接続された第1および第2回路パターンへの通電により電気めっきを実施して第1回路パターンおよび第2回路パターン上に金属被膜を同時に形成し;前記電気めっき後、前記導体層を薄肉部とともに除去することにより第1回路パターンを第2回路パターンから電気的に絶縁する配線基板の製造方法であって、前記薄肉部は、外表面が導体層の形成に使用され、内部に空洞を有するように基板に一体成形される突起によって提供され、第1回路パターンを第2回路パターンから電気的に絶縁するため、前記突起の少なくとも一部を導体層とともに除去することを特徴とする配線基板の製造方法。
  2. 上記薄肉部は、薄肉部上に形成された導体層の周囲に少なくとも一つの貫通孔を有することを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法
  3. 上記薄肉部は、導体層の形成方向における薄肉部の両端付近に一対のノッチを有し、前記ノッチ間の薄肉部が導体層とともに除去されて、第1回路パターンが第2回路パターンから電気的に絶縁されることを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法
  4. 上記導体層とともに薄肉部を除去する工程は、超音波振動を印加したパンチの使用により実施されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の配線基板の製造方法
  5. 上記導体層とともに薄肉部を除去する工程は、レーザー光の使用により実施されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の配線基板の製造方法
  6. 上記導体層とともに薄肉部を除去する工程は、液体、粉体、およびその混合物のいずれかのジェットの使用により実施されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の配線基板の製造方法
  7. 上記第1回路パターン、第2回路パターンおよび導体層は、基板上に設けた金属薄膜をパターニングすることにより一度に形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の配線基板の製造方法
  8. 請求項1乃至7のいずれかの配線基板の製造方法に使用される基板であって、互いから電気的に孤立する回路パターン間を一時的に電気接続する導体層の形成に使用される薄肉部を具備してなることを特徴とする配線基板製造用基板
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