JP4106502B2 - 油圧緩衡器のバルブ構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、自動車の懸架装置など車体の振動を抑制する油圧緩衝器のバルブ構造に関し、特に、ピストン速度が低速域にあるときの減衰力を発生する減衰力発生構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の油圧緩衝器としては、例えば図5に示すようなものが知られている。まず構造の概要を図面に基づいて説明する。車体と車輪との間に結合部材を介して取付けられる油圧緩衝器は、ピストンロッド1にピストン5とピストンバルブPVを組み付け、それを摺動自在に収容するとともに下端部にベースバルブBVを装着したシリンダ13を外筒17に収容し、外気を遮断するシール15とロッドガイド14とを収容したパッキンケース16を外筒17の上部から嵌挿した後、外筒17の上端部を全周溶接等により密封して形成されている。そして、シリンダ13と外筒17の間にはタンク室Dが形成される。
【0003】
作動油の充満したシリンダ13内をピストンロッド1が上昇する際には、密閉された上部室Aの作動油は、ピストンバルブPVを介して、下部室Bに流出し、この際の通路抵抗が伸長側減衰力となる。ピストンロッド1の上昇によって不足するピストンロッド退出体積分の作動油は、前記シリンダ13の下端部に配設されたベースバルブBVを介してタンク室Dに連なる底部室Cより吸入される。
【0004】
次に、この油圧緩衝器のピストンバルブPVについて説明する。ピストンロッド1の下端部には上部よりも小径のインロー部1Aが設けられ、ここにバルブストッパ2,当該バルブストッパ2に巻挿されるとともに円筒部に内周側の支持脚が案内される還流弁4,当該還流弁4を背面からピストン5の上面側に付勢するつる巻き状のノンリタンスプリング3,シリンダ内に摺接するピストンリング6及びガイドメタル7を外面に装着したピストン5を嵌挿する。
【0005】
次に、内周側が固定される座金状のリーフバルブ8を嵌挿し,当該リーフバルブ8の外周側に当接するスプリングシート10及び当該スプリングシート10を背面から付勢するスプリング11を上下動自在に案内するピストンナット12を螺着し、最後に締付け工具により締結することによりピストンバルブPVが構成される。
【0006】
シリンダ13内を上部室Aと下部室Bに区画するピストン5には、下部室Bに連通する外周ポート5A及び上部室Aに連通する内周ポート5Bが穿設されている。当該外周ポート5Aの上端部には外側シート面5C及び内側シート面5Dにより形成される円環状の開口窓5Eが設けられ、外側シート面5Cに図5(B)に示すようなオリフィス通路5Gが打刻された開口窓5Eに、ノンリタンスプリング3に背面から付勢された還流弁4が着座して、上部室Aと下部室Bとを連通するオリフィス通路5Gが形成されている。
【0007】
ピストン速度が小さく上部室Aと下部室B間の圧力差が小さい所謂微低速〜低速域においては、スプリング11に付勢されているリーフバルブ8の外周は、ピストン下面の開口窓5Fを覆窓している。このため、上部室Aの圧油は、前記オリフィス通路5Gを介して下部室Bに開放され、この際の通路抵抗により微低速〜低速域の減衰力を発生する。
【0008】
ピストン速度が増大するに伴いオリフィス通路5Gを通過する流量も増え、オリフィス通路前後の圧力差も増大する。ピストン速度が中速域に近づくにつれ、上部室Aと下部室Bの圧力差が大きくなるので、スプリング11に付勢されているリーフバルブ8の外周が、スプリング11の付勢力とリーフバルブ8からなる伸側減衰弁の合成された撓み剛性に打ち勝って、ピストン下面の開口窓5Fから押し開かれ、作動油が下部室Bに流出し、この際の通路抵抗により中速域以降の減衰力を発生する。
【0009】
以上の説明は作動油の充満したシリンダ13内をピストンロッド1が上昇する伸長側についてであるが、逆にピストンロッド1が下降する際には、密閉された下部室Bの作動油は、ピストン5の外周ポート5Aを通り、ノンリタンスプリング3によって付勢された還流弁4を押し開き、負圧となる上部室Aに補充される分を除いて、シリンダ13の下端部に装着されたベースバルブBVを介して下部室Bよりタンク室Dに連なる底部室Cに流出し、この際の通路抵抗が圧縮側減衰力となる。
【0010】
油圧緩衝器の液圧室を形成するシリンダ13の下端部には、バルブケース20が装着されている。このバルブケースには、底部室Cに連通する外周ポート20A及び下部室Bに連通する内周ポート20Bが形成されている。当該外周ポート20Aの上端部には外側シート面20C及び内側シート面20Dにより形成される円環状の開口窓20Eが設けられ、外側シート面20Cには図5(B)と同様なオリフィスが打刻され、当該開口窓20Eにノンリタンスプリング19に背面から付勢された吸い込み弁22が着座して、下部室Bと底部室Aとを連通するオリフィス通路20Gが形成されている。
【0011】
つぎにベースバルブBVの構成を説明する。まず、ガイド18の大径部18Aに内周側に形成された支持脚が案内される吸い込み弁22,当該吸い込み弁22を背面からバルブケース上面の開口窓20E側に付勢するつる巻き状のノンリタンスプリング19を嵌挿する。
【0012】
続いて、ガイド18の小径部に、シリンダ13の下端部に外面が圧入されるバルブケース20,当該バルブケースの下面開口窓20Fに対向する座金状のリーフバルブ21,当該リーフバルブ21の下面に重畳され外径部がこれらリーフバルブの撓みの支持径となる環座23,これらリーフバルブの最大撓み量を規制するバルブストッパ24を順次嵌挿する。最後に、ガイド18の小径下端部を工具により加締めることによりベースバルブBVが構成される。
【0013】
ピストンロッド1が下降するピストン速度の低速域においては、前記開口窓20Eに打刻されたオリフィス通路20Gを通り、またピストン速度の増大する中速域以上においては、ベースバルブケース20の内周ポート20Bを通った作動油が、内周側が固定されたリーフバルブ21からなる圧側減衰弁の外周側を押し開いて、ピストンロッド1の進入体積分の作動油を下部室Bからタンク室Dに連なる底部室Cに排出し、その際の通路抵抗により圧縮側減衰力を発生させる。
【0014】
逆に、ピストンロッド1の上昇時には、ベースバルブケース20の外周ポート20Aを通り、ノンリタンスプリング19に付勢されガイド18の大径部18Aに上下動自在に案内される吸い込み弁22を押し開いて、ピストンロッド1の退出体積分の作動油を底部室Cから下部室Bに吸入する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記の様に、オリフィス通路の作用・効果は、ピストンバルブPV側の打刻オリフィス通路5G,ベースバルブBV側の打刻オリフィス通路20Gとも同一であるので、主にピストンバルブPVについて従来技術の問題点を説明する。ピストンロッド1が低速で伸長するピストン速度の低速域において、作動油は、ピストン上面の開口窓5Eに打刻されたオリフィス通路5G(ベースバルブBV側は開口窓20Eに打刻されたオリフィス通路20G)を通る。ここで、オリフィス通路が1個の場合の通路巾をB,打刻深さをHとすると、オリフィス通路面積=BH, オリフィス通路の浸潤長=2(B+H)となる。つぎに、打刻深さをH/nとしてオリフィスをn個に分散した場合には、オリフィス通路面積=n×BH/n=BHで変化しないが,オリフィス通路の浸潤長=2(B+H/n)×n=2Bn+2H=2(B+H)+2B(n−1)となり、通路面積が同じであっても、オリフィス通路の浸潤長が2B(n−1)だけ大きくなる。シート面の変形を少なくするため、打刻オリフィスの通路巾をBは打刻深さをHに比べ大きく設定されるので、浸潤長の増加は著しい。浸潤長は濡れ縁長さとも呼ばれ、作動油が接触して流れる周辺長であるので、これが長い方がオリフィス通路壁から流れの剥離が起きにくい。このため乱流が発生しにくく乱流に起因するスウィッシュ音が小さいこともあって、通常はオリフィス通路の分散が実施される。しかし分散数nが増えると、図5(B)に示すように、外側シート面5Cに占めるオリフィス通路5Gの割合が増え打刻荷重が増大するとともに、打刻深さが浅いこともあって深さが安定しにくくなる一方、還流弁4の着座面積が減少して外側シート面5Cが摩滅し易くなってしまうと言う問題がある。
【0016】
本発明は以上のような実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、オリフィス通路の浸潤長を長くすることによって乱流に起因するスウィッシュ音を小さく抑制するとともに、打刻深さが安定し且つシート面が摩滅しにくい油圧緩衝器のバルブ構造を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、「ピストンロッドの下端インロー部に装着されたピストンにより、シリンダ内を上部室と下部室とに区画する一方、ピストン速度の低速域の減衰力を通路面積により制御するオリフィスを備え且つ前記下部室に連通する外周ポート上面の開口窓に対向させた還流弁と、前記上部室に連通する内周ポート下面の開口窓に対向させた伸側減衰弁とを、ピストンロッドの伸縮に応じて開閉することにより、ピストンロッドが伸長する際の伸側減衰力を制御するとともに、シリンダの下端部に装着されたバルブケースによりシリンダ内の下部室とタンク室に連なる底部室とを区画する一方、ピストン速度の低速域の減衰力を通路面積により制御するオリフィスを備え且つ前記底部室に連通する外周ポート上面の開口窓に対向させた吸い込み弁と、前記下部室に連通する内周ポート下面の開口窓に対向する圧側減衰弁とを、ピストンロッドの伸縮に応じて開閉することにより、ピストンロッドが収縮する際の圧側減衰力を制御する油圧緩衝器」を前提とするものである。
【0018】
上記の目的を達成するために、前提とする前記油圧緩衝器のピストンとバルブケースの少なくともいずれか一方において、本発明の第1の手段は、「外周ポート上面の開口窓を形成する内側シート面あるいは外側シート面又は内周ポート下面の開口窓を形成する外側シート面のうち、いずれか2つ又は3つのシート面に打刻オリフィスを分散して開設したこと」である。
第2の手段は、「外周ポート上面の開口窓に対向する切欠きリーフバルブの外環の内周あるいは外周又は内周ポート下面の開口窓に対向する切欠きリーフバルブの外周のうち、いずれか2つ又は3つの周縁に切欠きオリフィスを分散して開設したこと」である。
上記内側シート面及び外側シート面に形成された内外の打刻オリフィス、又は前記外周ポート上面の開口窓に対向する切欠きリーフバルブの外環に形成された内外の切欠きオリフィスは、オリフィスを通過した作動油の噴流が開口窓の中で衝突し、乱流を生じてスウィッシュ音が発生するのを防止するため、半径方向に一致しないように配設することが望ましい。
第3の手段は、「外周ポート上面の開口窓を形成する内側シート面あるいは外側シート面のいずれか一方に打刻オリフィスを開設するとともに、他方のシート面に切欠きリーフバルブの切欠きオリフィスを対向させ、オリフィス通路を打刻オリフィスと切欠きオリフィスに分散して開設したこと」である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を従来技術と異なる部分にのみ異なる符号を付して説明する。本発明に係わる油圧緩衝器は、図1の先頭の分図の要部断面図に示すように従来技術と同じ基本構造を備え、シリンダ13内にピストン5を介してピストンロッド1が移動自在に挿入され、またシリンダ13の下端部にはベースバルブBVが設けられ、ピストン5はシリンダ13内に上部室Aと下部室Bを区画し、ベースバルブBVを構成するバルブケース20は、同じく下部室Bと底部室Cを区画している。
【0020】
(第1実施態様):第1実施態様は、請求項1に係る実施態様である。まず、本発明の第1実施形態をピストンバルブPV側に適用した場合を説明する。従来技術で説明したピストンバルブPVとの相違点は、従来ピストン背面の開口窓5Eの外側シート面5Cにのみ打刻されていたオリフィス通路を、図1(B)に示すように、外側シート面側の打刻オリフィス5Hと内側シート面側の打刻オリフィス5Jを、2つのシート面に分散して打刻することである。
【0021】
この実施形態においては、外側シート面5Cの打刻オリフィス5Hは従来構造の打刻オリフィス5G(図5(B)参照)に比べて、1つのシート面上での個数が半減し、オリフィス通路を除いたシート面の着座面積が増えるので、シート面の摩滅を減少させることができる。逆に言えば、外側シート面5Cにのみ打刻されていた従来のオリフィスでも着座面積が十分な場合には、内外のシート面の打刻オリフィス5C,5Dの個数を従来の2倍にして分散できることになり、スウィッシュ音を従来よりも抑制できることになる。また、シート面への打刻は、外側シート面5Cと内側シート面5Dに分割して別々に打刻することができるため、打刻荷重が減少する一方シート面の変形が小さいこともあって打刻深さを安定させることができる。
【0022】
本発明をシリンダ下端部に装着されたベースバルブBVに適用する場合は、打刻する部品がピストン5からバルブケース20に替わるだけで、作用・効果ともに同様であるので説明を省略する。
【0023】
外側シート面5Cと内側シート面5Dに分散して打刻する場合に、打刻オリフィスの位置が図1(C)に示すように半径方向に一致すると、オリフィスを通過した作動油の噴流V,Wが開口窓5Eの中で衝突し、乱流を生じてスウィッシュ音が発生するので、図1(B)のように中心からの角度位置をθだけずらして(例えば内外の打刻オリフィスを交互に千鳥状に配置に)打刻するのが望ましい。内外の打刻オリフィスの総数が偶数の場合は、オリフィスを内外シート面へ同数に分散し、角度位置をずらして打刻するのは容易であるが、打刻オリフィスの総数が奇数となって内外シート面への打刻数が同数にならない場合も、打刻位置を工夫して内外の打刻オリフィスが半径方向に一致しないように配置する。この場合の打刻オリフィスはシート面が成す円周上に等分することに拘らなくてもよい。
【0024】
上記第1実施形態は、オリフィス通路を内外シート面へ分散して打刻するのであるが、この考えを(C)に要部断面を示す切欠きオリフィス通路を利用した油圧緩衝器にも適用することができる。従来の切欠きオリフィス通路は、(B)に示す外環114Aの外周側に切欠き114Bを備えた切欠きリーフバルブ114を、ピストン背面の開口窓105Eと(A)に示す穴あきリーフバルブ104との間に挟持することにより形成されている。
【0025】
(第2実施態様):第2実施態様は、請求項3に係る実施態様である。従来の切欠きリーフバルブ114の場合は、外環114Aの周長によって配置する切欠き114Bの数が制限されるが、(D)の第2実施形態に示す切欠きリーフバルブ124のように、切欠きを外周側の124B,内周側の124Cのように外環124Aの内外に分散することにより、分散数を従来のほぼ2倍まで許容できることになる。内外に切欠きを分散した場合の作用・効果については、前述した第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0026】
(第3実施態様):第3実施態様は、請求項7に係る実施態様である。上記第2実施形態は、切欠きオリフィス通路を外環124Aの内外に分散するのであるが、図3の先頭の分図〜分図(C)の第3実施形態に示すように、従来構造の切欠きリーフバルブ114をそのまま使用して分散数を増加させることもできる。この場合のオリフィス通路は、図3(B)に示す外環114Aの外周側に切欠き114Bを開設した切欠きリーフバルブ114を、ピストン背面の内側シート面105Dに所要の打刻オリフィス105Jを開設した開口窓105Eと、図2(A)に示す穴あきリーフバルブ104との間に挟持することにより形成される。
【0027】
即ち、外側シート面105Cに対向する外環114Aの外周側切欠き114Bと、外環114Aの内周側円環部に対向する内側シート面105Dの打刻オリフィス105Jとにより、オリフィス通路が切欠き114Bと打刻オリフィス105Jとを加えた個数になるため、前記第2実施形態の図2(D)に示す切欠きリーフバルブ124と同様に、分散させた個数を従来のほぼ2倍まで許容できることになる。
【0028】
(第4実施態様):第4実施態様も、請求項7に係る実施態様である。オリフィス通路は、切欠きと打刻オリフィスの位置関係を、図3(D)〜(E)の第4実施形態に示すように、上記第3実施形態と逆にしても同様な効果を得ることができる。即ち図3(D)に示す外環134Aの内周側に切欠き134Cを開設した切欠きリーフバルブ134を、図3(E)に示すピストン背面の外側シート面に所要の打刻オリフィス105Hを開設した開口窓105Eと、図2(A)に示す穴あきリーフバルブ104との間に挟持することにより形成されていてもよい。
【0029】
従来構造の切欠きリーフバルブ114の場合は、外環114Aの周長によって配置する切欠き114Bの数が制限されるが、第2実施形態の図2(D)に示した切欠きリーフバルブ124のように、切欠きを外周側の124B,内周側の124Cのように外環124Aの内外に分散するか、又は第3及び第4実施形態の図3(B)〜(E)に示したように、切欠きと打刻オリフィスを組み合わせて分散することにより、分散数を従来のほぼ2倍まで許容できることになる。内外に切欠きと打刻オリフィスを分散した場合の作用・効果については、前述した第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0030】
(第5実施態様):第5実施態様は、請求項1に係る実施態様である。前述した第1実施形態は、打刻オリフィスをピストン背面の開口窓5Eの内外シート面へ分散して開設するのであるが、この第5実施形態は、第1実施形態のピストン背面に加えて、図1(D)に示すようにピストン下面の開口窓5Fの外側シート面5Lにも打刻したものである。この 様に打刻オリフィスを3つのシート面(上面の内側シート、外側シート、下面の外側シート)へ分散して開設することもできる。ピストン下面の外側シート面5Lに打刻する際には、ピストン5を反転させる工程が必要であるが、分散数を従来のほぼ3倍まで許容することができる。
【0031】
図4(A)は、ピストン背面の外側及び内側シート面へ開設した打刻オリフィスをH及びJ、ピストン下面の外側シート面へ開設した打刻オリフィスをK、減衰弁をVとして上部室A及び下部室Bとの関係を整理した等価回路である。これらの打刻オリフィスH,J,Kを3つ全て開設しなくても2つに分散するだけで十分な場合は、H,J,Kのうち任意の2つを組み合わせて打刻すればよい。前述した第1実施形態は、HとJの組み合わせを選択した場合に相当する。
【0032】
(第6実施態様):第6実施態様は、請求項3に係る実施態様である。上記第5実施形態は、打刻オリフィス通路をピストン背面の外側及び内側シート面又はピストン下面の外側シート面の、3つのシート面に分散して打刻するのである。そして第6実施態様はこれと同様に、第2実施形態のピストン背面に加えて、(E)に示すようにピストン下面の開口窓105Fに対向するリーフバルブに切欠き108Aを開設して切欠きリーフバルブ108として、切欠きを各々のシート面に対向させて3つに分散して開設したものである。この場合も従来に比べて分散数をほぼ3倍にすることができる。
【0033】
ピストン背面側の切欠きリーフバルブの外側及び内側に開設した切欠きオリフィスをHn及びJn、ピストン下面側の切欠きリーフバルブに開設した切欠きオリフィスをKn、減衰弁をVとして上部室A及び下部室Bとの関係を整理したのが、図4(B)の等価回路である。これらの切欠きオリフィスHn,Jn,Knを3つ全て開設しなくても2つに分散するだけで十分な場合は、Hn,Jn,Knのうち任意の2つを組み合わせればよい。前記第2実施形態は、HnとJnの組み合わせを選択した場合に相当する。
【0034】
上記第5及び第6実施形態は、打刻オリフィスH,J,K及び切欠きオリフィスHn,Jn,Kn同士を組み合わせる場合を説明したが、例えば図4(C)の等価回路に示すHn,J,Knのように両者を混合して組み合わせてもよい。これらのオリフィスを3つ全て開設しなくても2つに分散するだけで十分な場合は、任意の2つを組み合わせればよい。前記第3実施形態は、これらのオリフィスのうちHnとJの組み合わせを選択した場合に相当し、前記第4実施形態は、HとJnの組み合わせを選択した場合に相当する。
【0035】
【発明の効果】
以上詳述した通り本発明の第1実施形態によれば、打刻オリフィスを内外シート面へ分散して打刻することにより、外側シート面の打刻オリフィスは半減し、打刻オリフィス通路を除いたシート面の着座面積が増えるので、シート面の摩滅を減少させることができる。また、外側シート面と内側シート面とに分割して別々に打刻することができるため、打刻荷重が減少する一方シート面の変形が小さいこともあって打刻深さを安定させることができる。外側シート面にのみ打刻されていた従来のオリフィスで、着座面積が十分な場合には、打刻オリフィスをほぼ2倍にして分散できることになり、スウィッシュ音を従来より抑制することができる。また本発明の第2,第3,第4の各実施形態の場合も、オリフィスの分散数を従来のほぼ2倍まで許容できるため、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。つぎに、本発明の第5(第6)実施形態によれば、打刻(切欠き)オリフィスをピストン背面の外側及び内側シート面又はピストン下面の外側シート面の3つのシート面に分散することにより、オリフィスの分散数を従来のほぼ3倍まで許容できるため、第1実施形態を上まわる打刻深さの安定とスウィッシュ音の抑制効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、請求項1に係る第1および第5実施態様の説明の図である。
先頭の分図は、 打刻オリフィスを利用した油圧緩衝器の要部断面図であり、図1(B)及び図1(D)の実施態様に係るものである。
(B) 本発明の第1実施形態に係る打刻オリフィスを、内側あるいは外側シート面分散させた説明図である。
(C)内側あるいは外側シート面の打刻オリフィスが半径線上に一致した場合の不具合状況の説明図である。
(D) 本発明の第5実施形態に係る打刻オリフィスの説明図であり、図1(B)のピストン背面の態様に加え、ピストン下面にも図1(D)の打刻オリフィスを開設する様子を説明している。
【図2】図2は、請求項3に係る第2および第6実施態様の説明の図である。
(A)は従来技術に係る穴あきリーフバルブの平面図である。
(B) 従来技術に係る切欠きリーフバルブの平面図である。
(C) 切欠きリーフバルブを使用した油圧緩衝器の要部断面図である。
(D) 本発明の第2実施形態に係る切欠きオリフィスの分散説明図である。
(E) 本発明の第6実施形態に係る切欠きリーフバルブの平面図であり、図2(D)のピストン背面のリーフバルブの態様に加え、ピストン下面のリーフバルブにも図2(E)の切欠きリーフバルブを用いる様子を説明している。
【図3】図3は、請求項7に係る第3および第4実施態様の説明の図であり、(B)〜(C)は第3実施態様に係る分図であり、(D)〜(E)は第4実施態様に係る分図であり。
先頭の分図は、切欠きリーフバルブとシール面への打刻オリフィスを併用した油圧緩衝器の要部断面図である。
(B)第3実施態様に係る、切欠きを外環の外周側に開設した切欠きリーフバルブの平面図である。
(C)第3実施態様に係る、打刻オリフィスを内側シート面に開設したピストン背面図である。
(D)第4実施態様に係る、切欠きを外環の内周側に開設した切欠きリーフバルブの平面図である。
(E)第4実施態様に係る、打刻オリフィスを外側シート面に開設したピストン背面図である。
【図4】(A) 第5実施形態に係る打刻オリフィスと減衰弁の等価回路である。
(B) 第6実施形態に係る切欠きオリフィスと減衰弁の等価回路である。
(C) 打刻オリフィスと切欠きオリフィスを混合して減衰弁と組み合わせた等価回路の1例である。
【図5】(A) 従来技術に係る油圧緩衝器の縦断面図である。
(B) 従来技術に係る打刻オリフィスの分散図である。
【符号の説明】
A 上部室
B 下部室
C 底部室
D タンク室
1 ピストンロッド
1A (ピストンロッドの)下端インロー部
4 還流弁
5 ピストン
5A (ピストンの)外周ポート
5B (ピストンの)内周ポート
5C,5D (外周ポート上面の)外側,内側シート面
5E ピストンの外周ポート上面の開口窓
5F ピストンの内周ポート下面の開口窓
5L (内周ポート下面の)外側シート面
8 伸側減衰弁(リーフバルブ)
13 シリンダ
20 バルブケース
20A (バルブケースの)外周ポート
20B (バルブケースの)内周ポート
20C,20D (バルブケースの)内外シート面
20E バルブケースの外周ポート上面の開口窓
20F バルブケースの内周ポート下面の開口窓
21 圧側減衰弁(リーフバルブ)
22 吸い込み弁
124A 切欠きリーフバルブの外環
5H,5J,5K,102H.105J 打刻オリフィス
108A,114A,124B,124C,134C 切欠きオリフィス
Claims (7)
- ピストンロッドの下端インロー部に装着されたピストンにより、シリンダ内を上部室と下部室とに区画する一方、ピストン速度の低速域の減衰力を通路面積により制御するオリフィスを備え且つ前記下部室に連通する外周ポート上面の開口窓に対向させた還流弁と、前記上部室に連通する内周ポート下面の開口窓に対向させた伸側減衰弁とを、ピストンロッドの伸縮に応じて開閉することにより、ピストンロッドが伸長する際の伸側減衰力を制御するとともに、シリンダの下端部に装着されたバルブケースによりシリンダ内の下部室とタンク室に連なる底部室とを区画する一方、ピストン速度の低速域の減衰力を通路面積により制御するオリフィスを備え且つ前記底部室に連通する外周ポート上面の開口窓に対向させた吸い込み弁と、前記下部室に連通する内周ポート下面の開口窓に対向する圧側減衰弁とを、ピストンロッドの伸縮に応じて開閉することにより、ピストンロッドが収縮する際の圧側減衰力を制御する油圧緩衝器、の前記ピストンと前記バルブケースの少なくともいずれか一方において、
外周ポート上面の開口窓を形成する内側シート面あるいは外側シート面又は内周ポート下面の開口窓を形成する外側シート面のうち、いずれか2つ又は3つのシート面に打刻オリフィスを分散して開設したことを特徴とする油圧緩衝器のバルブ構造。 - 前記外周ポート上面の開口窓を形成する内側シート面及び外側シート面に、打刻オリフィスを分散して開設したことを特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝器のバルブ構造。
- ピストンロッドの下端インロー部に装着されたピストンにより、シリンダ内を上部室と下部室とに区画する一方、ピストン速度の低速域の減衰力を通路面積により制御するオリフィスを備え且つ前記下部室に連通する外周ポート上面の開口窓に対向させた還流弁と、前記上部室に連通する内周ポート下面の開口窓に対向させた伸側減衰弁とを、ピストンロッドの伸縮に応じて開閉することにより、ピストンロッドが伸長する際の伸側減衰力を制御するとともに、シリンダの下端部に装着されたバルブケースによりシリンダ内の下部室とタンク室に連なる底部室とを区画する一方、ピストン速度の低速域の減衰力を通路面積により制御するオリフィスを備え且つ前記底部室に連通する外周ポート上面の開口窓に対向させた吸い込み弁と、前記下部室に連通する内周ポート下面の開口窓に対向する圧側減衰弁とを、ピストンロッドの伸縮に応じて開閉することにより、ピストンロッドが収縮する際の圧側減衰力を制御する油圧緩衝器、の前記ピストンと前記バルブケースの少なくともいずれか一方において、
外周ポート上面の開口窓に対向する切欠きリーフバルブの外環の内周あるいは外周又は内周ポート下面の開口窓に対向する切欠きリーフバルブの外周のうち、いずれか2つ又は3つの周縁に切欠きオリフィスを分散して開設したことを特徴とする油圧緩衝器のバルブ構造。 - 前記外周ポート上面の開口窓に対向する切欠きリーフバルブの外環の内周及び外周に、切欠きオリフィスを分散して開設したことを特徴とする請求項3に記載の油圧緩衝器のバルブ構造。
- 前記外周ポート上面の開口窓を形成する内側シート面及び外側シート面に開設された内外の打刻オリフィスを、半径方向に一致しないように配設したことを特徴とする請求項1記載の油圧緩衝器のバルブ構造。
- 前記外周ポート上面の開口窓に対向する切欠きリーフバルブの外環に開設された内外の切欠きオリフィスを、半径方向に一致しないように配設したことを特徴とする請求項3記載の油圧緩衝器のバルブ構造。
- ピストンロッドの下端インロー部に装着されたピストンにより、シリンダ内を上部室と下部室とに区画する一方、ピストン速度の低速域の減衰力を通路面積により制御するオリフィスを備え且つ前記下部室に連通する外周ポート上面の開口窓に対向させた還流弁と、前記上部室に連通する内周ポート下面の開口窓に対向させた伸側減衰弁とを、ピストンロッドの伸縮に応じて開閉することにより、ピストンロッドが伸長する際の伸側減衰力を制御するとともに、シリンダの下端部に装着されたバルブケースによりシリンダ内の下部室とタンク室に連なる底部室とを区画する一方、ピストン速度の低速域の減衰力を通路面積により制御するオリフィスを備え且つ前記底部室に連通する外周ポート上面の開口窓に対向させた吸い込み弁と、前記下部室に連通する内周ポート下面の開口窓に対向する圧側減衰弁とを、ピストンロッドの伸縮に応じて開閉することにより、ピストンロッドが収縮する際の圧側減衰力を制御する油圧緩衝器、の前記ピストンと前記バルブケースの少なくともいずれか一方において、
外周ポート上面の開口窓を形成する内側シート面あるいは外側シート面のいずれか一方に打刻オリフィスを開設するとともに、他方のシート面に切欠きリーフバルブの切欠きオリフィスを対向させ、オリフィス通路を打刻オリフィスと切欠きオリフィスに分散して開設したことを特徴とする油圧緩衝器のバルブ構造。
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