JP4104875B2 - テレスコカバー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、工作機械のテーブルの移動に伴って伸縮し、テーブルの摺動面を切粉、塵埃等から保護するテレスコカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレスコカバーとして本願出願人は、特開平11−197986号公報に示すものを提案している。このテレスコカバーは、図8に示すように、工作機械等の例えば加工テーブルを案内するレール等の摺動面を覆う固定カバー13と複数個の可動カバー14,15,16,17をそれぞれ伸縮自在に連結している。前記固定カバー13と可動カバー13及び可動カバー14,15,16,17相互間に対し、可動カバー14〜17が伸長時又は収縮時の最終段階で、固定カバー13と可動カバー14及び可動カバー14〜17相互の間で発生する騒音及び振動を緩和する振動緩和機構31,32,33,34を取着している。
【0003】
前記可動カバー14〜17はカバー本体21,22,23,24と、該カバー本体21〜24の他端に該カバー本体と直交する方向に固定された隔板25,26,27,28とにより構成されている。前記各振動緩和機構31〜34はそれぞれ同様に構成されているので、一つの振動緩和機構31について以下に説明する。
【0004】
前記振動緩和機構31は一端を外側に位置する可動カバー14の隔板25に連結し、中間を内側に位置する固定カバー13の隔板19を貫通して可動カバー14の伸縮方向に延びるバネ支持ロッド35を備えている。又、前記振動緩和機構31は、前記支持ロッド35の内端に取着したストッパ40´と、前記固定カバー13の隔板19との間において該ロッド35に巻装され、かつ可動カバー14の伸長時の最終行程で圧縮される第1コイルバネ411を備えている。さらに、前記振動緩和機構31は前記両隔板19,25の間において前記支持ロッド35に巻装され、可動カバー14の収縮時の最終行程で圧縮される第2コイルバネ42を備えている。第1及び第2コイルバネ411,42は、可動カバー14の伸縮ストローク長の少なくとも1割の長さ分だけ圧縮されるようになっている。そして、第1及び第2コイルバネ411,42により可動カバー14の伸縮時の衝撃を緩和し、接触音の発生及び振動を抑制するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のテレスコカバーにおいては、最外側の可動カバー17から順番に伸張されるので、順次可動カバー16,15,14及び固定カバー13に対し大きな衝撃が作用する。このため、騒音の低減を図ることが難しいという問題があった。又、全ての可動カバー14〜17がパンタグラフ機構を用いた時のように同期して伸張又は縮小されないため、特定の可動カバーに対し大きな衝撃がかかる。従って、第1及び第2コイルバネ411,42や衝突を受ける部材の磨耗が進行し易く、耐久性を向上することができないという問題があった。
【0006】
なお、パンタグラフ機構を用いて可動カバーを同期して伸縮する場合には、部品点数が増大し、製造及び組み付け作業が面倒で、コストの低減を図ることができないばかりか、パンタグラフ機構自身が大重量化するために、可動カバーの伸縮動作を円滑に行うことができないという問題があった。
【0007】
この発明は上記従来技術に存する問題点を解消して、パンタグラフ機構を用いることなく、各可動カバーの伸縮動作を同期して行い、伸縮時における騒音及び振動の抑制、及びコストの低減を図ることができるテレスコカバーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、工作機械の摺動面を覆う少なくともに三個のカバーを伸縮自在に連結したテレスコカバーにおいて、前記カバーのカバー本体の端部に内側方に指向するように形成された少なくとも三つの隔板の相互間に振動減衰機構をそれぞれ装着し、各振動減衰機構を構成する第1弾性体は、各カバーが収縮状態で引っ張り荷重を受けて弾性的に伸張し、各カバーが伸張状態で圧縮荷重を受けて弾性的に収縮するように構成したことを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記振動減衰機構は、前記隔板に基端部を連結された支持ロッドと、該支持ロッドのそれぞれの先端部と、該支持ロッドを連結したカバーよりも一つ内側に位置するカバーの隔板との間に係止された第1弾性体とにより構成されていることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記各カバーの対向する隔板の間には、各カバーの収縮時に圧縮されて衝撃を緩和する第2弾性体が介在されていることを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3において、前記各支持ロッドの中間部は隔板に形成した透孔に係合された緩衝部材のガイド孔に移動可能に貫通支持されていることを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項において、テレスコカバーは工作機械の摺動面を覆う固定カバーと複数個の可動カバーを伸縮自在に連結したものであって、前記固定カバー及び各可動カバーのそれぞれのカバー本体の端部に内側方に折り曲げ形成された隔板のうち前記可動カバーの隔板に対し複数の支持ロッドの基端部をそれぞれ連結し、各支持ロッドを可動カバーの伸縮方向と平行に、かつ可動カバーの収縮方向に延長するように支持し、各支持ロッドのそれぞれの先端部と、該支持ロッドを連結した可動カバーよりも一つ内側に位置する固定カバー又は可動カバーの隔板との間に第1弾性体の両端部を係止したことを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、工作機械の摺動面を覆う少なくともに三個のカバーを伸縮自在に連結したテレスコカバーにおいて、前記カバーのカバー本体の端部に内側方に指向するように形成された少なくとも三つの隔板の相互間に振動減衰機構をそれぞれ装着し、各振動減衰機構を構成する第1弾性体は、各カバーが収縮状態で圧縮荷重を受けて弾性的に収縮し、各カバーが伸張状態で引っ張り荷重を受けて弾性的に伸張するように構成したことを要旨とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6において、前記振動減衰機構は、前記隔板に基端部を連結された支持ロッドと、該支持ロッドに装着され、かつ両端を対向する隔板に連結された第1弾性体とにより構成されていることを要旨とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7において、前記支持ロッドの先端部には、各カバーの伸張時に圧縮されて衝撃を緩和する第2弾性体が装着されていることを要旨とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8において、前記各支持ロッドの中間部は隔板に形成した透孔に係合された緩衝部材のガイド孔に移動可能に貫通支持されていることを要旨とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれか一項において、テレスコカバーは工作機械の摺動面を覆う固定カバーと複数個の可動カバーを伸縮自在に連結したものであって、前記固定カバー及び各可動カバーのそれぞれのカバー本体の端部に内側方に折り曲げ形成された隔板のうち前記可動カバーの隔板に対し複数の支持ロッドの基端部をそれぞれ連結し、各支持ロッドを可動カバーの伸縮方向と平行に、かつ可動カバーの収縮方向に延長するように支持し、各支持ロッドに第1弾性体としての第1コイルバネを巻装し、このバネの両端部を対向する隔板に係止したことを要旨とする。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項7〜10のいずれか一項において、前記第1弾性体は第1コイルバネであることを要旨とする。
請求項12に記載の発明は、請求項8〜11のいずれか一項において、前記第2弾性体は第2コイルバネであることを要旨とする。
【0019】
請求項13に記載の発明は、請求項11又は12において、第1コイルバネ又は第2コイルバネは、前記支持ロッドに巻装されていることを要旨とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1に示すように、工作機械のベッド等の固定体に取り付けられる取付プレート11には、テレスコカバー12が装着されている。このテレスコカバー12は、前記取付プレート11に固定された固定カバー13と、該固定カバー13の外側に装着され、前後方向(図1の右左方向)の往復動可能な第1可動カバー14と、該第1可動カバー14の外側に装着され、前後方向に往復可能な第2可動カバー15とを備えている。同様に、このテレスコカバー12は前記第2可動カバー15の外側に装着され、前後方向に往復動する第3可動カバー16と、さらに該第3可動カバー16の外側に装着され、前後方向に往復動する第4可動カバー17とを備えている。
【0021】
前記固定カバー13は前記取付プレート11に溶接等により固定された固定カバー本体18と、該固定カバー本体18の前端(図1の右端)に溶接等により固定された固定隔板19とにより構成されている。又、前記第1〜第4可動カバー14〜17は、第1〜第4可動カバー本体21〜24と、各カバー本体21〜24の前端部にそれぞれ溶接等により内側に直交するように固定された第1〜第4可動隔板25〜28とにより構成されている。
【0022】
前記第1〜第4可動カバー本体21〜24の後端部内側には、隣接するカバー本体18,21,22,23とのシール性を保つシール部材29がそれぞれ取り付けられている。このシール部材29は図4に示す連結片29aと、該連結片29aに嵌合されたシール片29bとにより構成されている。シール片29bの材料として例えばゴムあるいは樹脂がある。
【0023】
前記固定隔板19及び第1〜第3可動隔板25,26,27の上端縁は、カバー本体18,21,22,23よりも若干上方に突出され、その隔板19,25,26,27の突出部の後側面には、前記シール片29bと対応するように伸長側規制部30が取り付けられている。そして、各可動カバー14〜17が伸長する最終段階で、シール片29bが接触して、その接触時の衝撃音及び振動を緩和するようにしている。伸長側規制部30の材料として例えばゴムあるいは樹脂がある。
【0024】
前記固定カバー13の固定隔板19と第1可動カバー14の第1可動隔板25との間には第1振動減衰機構31が装着されている。又、前記第1可動カバー14と第2可動カバー15の可動隔板25,26には第2振動減衰機構32が装着されている。以下同様に、第2可動カバー15と第3可動カバー16との間及び第3可動カバー16と第4可動カバー17の間にも第3振動減衰機構33及び第4振動減衰機構34が装着されている。
【0025】
前記第1〜第4振動減衰機構31,32,33,34はそれぞれ同様に構成されている。従って、第1振動減衰機構31の構成を図4,5を中心に説明する。
第1可動カバー14の第1可動隔板25の取付孔25aには第1バネ支持ロッド35の基端部に形成した該ロッドよりも小径の雄ねじ部35aが貫通され、該雄ねじ部35aにはナット39が螺合されている。そして、該ロッド35を第1可動隔板25に締め付け固定している。前記第1バネ支持ロッド35は固定カバー13の固定隔板19に形成した取付穴19aを貫通して後方に延び、該支持ロッド35の後端部(先端部)にはバネの係止具40が取り付けられている。前記係止具40と固定隔板19との間には、第1バネ支持ロッド35を取り巻くように第1弾性体としての第1コイルバネ41が装着されている。この第1コイルバネ41の一端は前記係止具40に係止され、他端は固定隔板19に係止されている。図1,4に示す第1可動カバー14の収縮状態においては、前記第1コイルバネ41はそれ自身の弾性力に抗して無負荷状態の全長寸法よりも所定長さだけ伸張されるようにしている。反対に、第1可動カバー14が図2,5に示すように最大伸長状態において、第1コイルバネ41はそれ自身の弾性力に抗して無負荷状態の全長寸法よりも所定長さだけ圧縮されるようにしている。そして、固定カバー13と第1可動カバー14の衝突による振動や騒音を減衰する。
【0026】
前記固定隔板19と第1可動隔板25との間に位置するように、前記支持ロッド35には振動緩和用の第2弾性体としての第2コイルバネ42が巻着されている。この第2コイルバネ42は、図2,5に示す第1可動カバー14の最大伸長状態から図1,4に示す最小収縮状態に移行する最終段階において、第1可動カバー14が固定カバー13に衝突する際の振動や騒音を吸収する。
【0027】
前記固定カバー13の固定隔板19には、緩衝部材43が取り付けられている。この緩衝部材43は例えばゴムあるいは樹脂よりなり、中央部に前記ロッド35を摺動案内するガイド孔43aが形成され、外周には円環状の係合溝43bが形成されている。該係合溝43bにより、固定隔板19の前記穴19aに緩衝部材43が係合されている。緩衝部材43の前後に位置するフランジ状の部分は緩衝部43c,43cとなっていて、第1可動カバー14の伸長時に前記第1コイルバネ41の前端部を後側の緩衝部43cにより支持する。又、第1可動カバー14の収縮時に第2コイルバネ42の後端部を前側の緩衝部43cにより支持する。
【0028】
前記バネ支持ロッド35の前端部には第1可動隔板25の後側面に接触するようにゴム製の緩衝板44が嵌合され、第2コイルバネ42の前端を支持する。この第2コイルバネ42の前端部は図示しないが隔板25に係止されている。
【0029】
前記固定隔板19の前面にはゴムよりなる収縮側規制部45が図示しないボルト及びナットにより取り付け固定されている。そして、この収縮側規制部45により第1可動カバー14の収縮行程の最終段階で第1可動カバー14の可動隔板25の後側面を支持し衝突による振動及び騒音を減衰する。
【0030】
図1に示すように、前記第4可動カバー17にはブラケット46が取り付けられ、このブラケット46により図示しない工作機械のテーブルと可動カバー17とが連結される。
【0031】
次に、前記のように構成したテレスコカバー12の動作を説明する。
図1は第1〜第4可動カバー14〜17が固定カバー13側に収縮されている。この収縮状態では、バネ支持ロッド35〜38に装着された各第1コイルバネ41〜41が自然状態のバネ全長寸法よりもさらに所定長さだけその弾性力に抗して引っ張り荷重を受けて伸張されている。又、各第2コイルバネ42〜42は、それ自身の弾性力に抗して、所定長さだけ圧縮されている。従って、この収縮状態においては、第1〜第4可動カバー14〜17が引き伸ばされた第1コイルバネ41の反力によって伸張方向へ移動しようとする力を受けている。又、圧縮されている第2コイルバネ42の反発力によって第1〜第4可動カバー14〜17がやはり伸張方向へ移動しようとする力を受けている。
【0032】
この各カバー14〜17の収縮状態において、テーブルが摺動面に案内されて前方( 図1,4の右方) に移動すると、各可動カバー14〜17が前記各バネの作用により同期して一斉に前方へ伸長される。この伸張動作の全行程のうちほぼ中央の行程において、第1コイルバネ41〜41に作用していた引っ張り荷重が解消されて、無負荷状態になった後、第1コイルバネ41〜41は、それぞれ圧縮工程に移行する。そして、この各可動カバー14〜17の伸長動作の最終段階に近くなると、第1コイルバネ41〜41が図2,図5に示すように最大限に圧縮されるとともに、各第2コイルバネ42〜42は全て無負荷状態に保持される。この伸張動作の最終段階では、バネ41〜41の圧縮動作により、各カバーの隔板19,25,26,27,28相互の衝突による振動及び騒音が減衰される。さらに、図2に示すようにシール片29bが伸長側規制部30に当たると、第1〜第4可動カバー14〜17の伸長動作が終了する。この際にも振動及び騒音が減衰される。
【0033】
反対に、図2に示す可動カバー14〜17の伸長状態においては、各第1コイルバネ41〜41は、全て圧縮されているので、各可動カバー14〜17を収縮しようとする力をカバー14〜17に作用させている。一方、各第2コイルバネ42〜42は、自然状態に保持されているので、可動カバー14〜17の収縮動作の初期においては、何ら機能することはない。
【0034】
この状態において、可動カバー14〜17の収縮動作が開始されると、初期段階では前記各第1コイルバネ41〜41によって各可動カバー14〜17が一斉に同期して収縮方向に移動される。この収縮行程の中途においては、第1コイルバネ41〜41が一旦無負荷状態となり、その後、バネ自身の弾性力に抗して、引っ張り荷重を受けて引き伸ばされる。このため、各可動カバー14〜17の収縮に要する動力が増大し、第1コイルバネ41〜41が図1,4に示すように縮小されて蓄勢されることになる。図1,4に示す収縮状態に移行する最終段階では、第2コイルバネ42〜42の後端が固定隔板19、可動隔板25,26,27の前側の緩衝部43cに当たり、その後にバネ42〜42は圧縮され、各カバーの隔板19,25,26,27,28相互の衝突による振動や騒音が減衰される。なお、前記バネ42〜42の圧縮動作はその無負荷状態の長さの約3〜6割の長さ分行われる。さらに、図1において隔板25,26,27,28が収縮側規制部45に当たると、第1〜第4可動カバー14〜17の伸長動作が終了する。この際にも騒音及び振動が減衰される。
【0035】
この実施形態では第1コイルバネ41は無負荷状態におけるバネ41の全長をLとすると、第1可動カバー14の伸長時にバネ41がL/2だけ圧縮された状態となる。このため、第1コイルバネ41が可動カバー14を伸長するのに必要とする最低の伸長力の例えば1.5倍の弾性力となって、バネ41により振動と騒音が充分減衰され、この状態でシール片29bが伸長側規制部30に当接するようにしている。又、図4に示すように、第1可動カバー14が収縮された状態においては、バネ41の全長Lの2分の1だけ引き伸ばされた状態となって、バネ41により振動が充分減衰された状態で収縮側規制部45に隔板25が当接するようにしている。
【0036】
同様に第2コイルバネ42は無負荷状態におけるバネの全長をL1とすると、可動カバー14の収縮時にバネ42がL1/2だけ圧縮された状態となる。そして、コイルバネ42が可動カバー14を収縮するのに必要な最低の収縮力の例えば1.5倍の弾性力となって、バネ42により振動が充分減衰された状態で、第1可動隔板25が収縮側規制部45に当接するようにしている。
【0037】
次に、前記のように構成したテレスコカバー12について、その効果を構成とともに列記する。
( 1) 前記実施形態では、固定カバー13と第1〜第4可動カバー14〜17のそれぞれの間に第1〜第4振動減衰機構31〜34を装着している。第1〜第4可動隔板25〜28に対しロッド35〜38の前端部を連結し、各ロッド35〜38の中間部を内側に位置する固定隔板19,隔板25〜27に貫通する。さらに、前記各ロッド35〜38の収縮方向に関して内側に第1コイルバネ41〜41を装着した。第1コイルバネ41〜41の一端をロッド35〜38の先端に係止するとともに、他端を固定隔板19,26〜27に係止した。そして、第1コイルバネ41〜41が可動カバー14〜17の収縮状態では、引き伸ばされ、伸張状態では圧縮されるようにした。このため、各可動カバー14〜17の伸張又は収縮動作を一斉に同期して行うことができるとともに、伸張最終段階及び収縮最終段階において、関連する部材の衝突による振動を低減し、騒音を抑制することが可能となる。
【0038】
( 2) 前記実施形態においては、伸長側規制部30と収縮側規制部45を設けたので、可動カバー14の伸長動作又は収縮動作の最終段階においてさらに振動及び騒音を効果的に減衰することができる。
【0039】
( 3) 前記実施形態においては、固定隔板19及び可動隔板25,26,27に緩衝部材43を設け、この緩衝部材43のガイド孔43aに支持ロッド35を貫通するようにした。このため、バネ支持ロッド35の前後方向への往復動を円滑に行うことができる。
【0040】
次に、この発明の別の実施形態を、図6及び図7に基づいて説明する。
この実施形態では、第1コイルバネ41を第2コイルバネ42側に装着し、第2コイルバネ42を第1コイルバネ41側に装着している。各カバーが収縮状態で図6に示すように圧縮荷重を受けて弾性的に収縮する。又、第1コイルバネ41は、カバーの伸張行程の中間において、一時的に無負荷状態となる。さらに、第1コイルバネ41は各カバーが伸張状態で図7に示すように引っ張り荷重を受けて弾性的に伸張する。一方、第2コイルバネ42は、カバーの伸張行程の最終段階で図7に示すように圧縮されて、振動を低減する。
【0041】
この実施形態のテレスコカバーは、図1〜図5に示すテレスコカバーの効果と同様に、各可動カバー14〜17の伸張又は収縮動作を一斉に同期して行うことができる。又、伸張最終段階及び収縮最終段階において、関連する部材の衝突による振動を低減し、騒音を抑制することが可能となる。
【0042】
なお、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、次のように具体化することもできる。
・ 図6,7に示す別例において、バネ支持ロッド35を省略し、隔板19,25間、隔板25,26間、隔板26,27間及び隔板27,28の間にそれぞれ第1コイルバネ41の両端部を係止するのみの構成としてもよい。この場合には、第1コイルバネ41が引き伸ばされた状態で、下方に撓まないようにするための工夫が必要となる。
【0043】
・ 前記実施形態において、バネ支持ロッド35〜38の形状を適宜に変形してもよい。
・ 前記実施形態の第1及び第2コイルバネ41,42に代えて、弾性収縮率の大きいゴムあるいは樹脂等の弾性体、伸縮ストロークの長いゼンマイバネ等により構成した弾性体を用いてもよい。
【0044】
・ 前記実施形態では、最内側カバー13が固定カバー13となっているが、最外側カバー17を固定カバーとし、最内側カバー13をテーブル等に取り付けてもよい。
【0045】
・ 固定カバーをなくし、全てのカバーを可動カバーとしたテレスコカバー12に具体化してもよい。
・ 前記伸長側規制部30、緩衝部材43、緩衝板44及び収縮側規制部45の少なくとも一つを省略してもよい。
【0046】
・ 前記コイルバネ41,42の無負荷時の全長L,L1に対する圧縮長さ又は伸長長さの割合を、適宜に選択してもよい。
・ 工作機械の摺動面を覆う少なくともに三個のカバーを伸縮自在に連結したテレスコカバーにおいて、以下のように構成してもよい。
【0047】
前記カバーのカバー本体の端部に内側方に指向するように形成された少なくとも三つの隔板の相互間に振動減衰機構をそれぞれ装着する。各振動減衰機構を構成する第1弾性体を、各カバーが収縮状態で引っ張り荷重を受けて弾性的に伸張し、各カバーが伸張状態で圧縮荷重を受けて弾性的に収縮するように構成する。
【0048】
前記カバーのカバー本体の端部に内側方に指向するように形成された少なくとも三つの隔板の相互間に振動減衰機構をそれぞれ装着する。各振動減衰機構を構成する第1弾性体を、各カバーが収縮状態で圧縮荷重を受けて弾性的に収縮し、各カバーが伸張状態で引っ張り荷重を受けて弾性的に伸張するように構成する。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明は、カバーの伸縮動作を同期して一斉に行うことができるとともに、伸長時及び収縮時における振動及び騒音の抑制を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明を具体化した一実施形態を示すテレスコカバーの収縮状態の断面図。
【図2】 テレスコカバーの伸長状態を示す断面図。
【図3】 テレスコカバーの正面図。
【図4】 テレスコカバーの要部である振動減衰機構を示す収縮状態の拡大断面図。
【図5】 テレスコカバーの要部である振動減衰機構を示す伸長状態の拡大断面図。
【図6】 この発明の別の実施形態を示すテレスコカバーの収縮状態の断面図。
【図7】 図6に示す実施形態のテレスコカバーの伸張状態の部分断面図。
【図8】 従来のテレスコカバーの収縮状態の断面図。
【符号の説明】
12…テレスコカバー、13…固定カバー、14〜17…第1〜第4可動カバー、18…固定カバー本体、19…固定隔板、21〜24…第1〜第4可動カバー本体、25〜26…第1〜第4可動隔板、30…伸長側規制部、31〜34…第1〜第4振動減衰機構、35〜38…第1〜第4バネ支持ロッド、40…係止具、41…第1弾性体としての第1コイルバネ、42…第2弾性体としての第2コイルバネ、43…緩衝部材、43a…ガイド孔、44…緩衝板、45…収縮側規制部。
Claims (13)
- 工作機械の摺動面を覆う少なくともに三個のカバーを伸縮自在に連結したテレスコカバーにおいて、
前記カバーのカバー本体の端部に内側方に指向するように形成された少なくとも三つの隔板の相互間に振動減衰機構をそれぞれ装着し、各振動減衰機構を構成する第1弾性体は、各カバーが収縮状態で引っ張り荷重を受けて弾性的に伸張し、各カバーが伸張状態で圧縮荷重を受けて弾性的に収縮するように構成したことを特徴とするテレスコカバー。 - 請求項1において、前記振動減衰機構は、前記隔板に基端部を連結された支持ロッドと、該支持ロッドのそれぞれの先端部と、該支持ロッドを連結したカバーよりも一つ内側に位置するカバーの隔板との間に係止された第1弾性体とにより構成されているテレスコカバー。
- 請求項1又は2において、前記各カバーの対向する隔板の間には、各カバーの収縮時に圧縮されて衝撃を緩和する第2弾性体が介在されているテレスコカバー。
- 請求項2又は3において、前記各支持ロッドの中間部は隔板に形成した透孔に係合された緩衝部材のガイド孔に移動可能に貫通支持されているテレスコカバー。
- 請求項2〜4のいずれか一項において、テレスコカバーは工作機械の摺動面を覆う固定カバーと複数個の可動カバーを伸縮自在に連結したものであって、
前記固定カバー及び各可動カバーのそれぞれのカバー本体の端部に内側方に折り曲げ形成された隔板のうち前記可動カバーの隔板に対し複数の支持ロッドの基端部をそれぞれ連結し、各支持ロッドを可動カバーの伸縮方向と平行に、かつ可動カバーの収縮方向に延長するように支持し、各支持ロッドのそれぞれの先端部と、該支持ロッドを連結した可動カバーよりも一つ内側に位置する固定カバー又は可動カバーの隔板との間に第1弾性体の両端部を係止したテレスコカバー。 - 工作機械の摺動面を覆う少なくともに三個のカバーを伸縮自在に連結したテレスコカバーにおいて、
前記カバーのカバー本体の端部に内側方に指向するように形成された少なくとも三つの隔板の相互間に振動減衰機構をそれぞれ装着し、各振動減衰機構を構成する第1弾性体は、各カバーが収縮状態で圧縮荷重を受けて弾性的に収縮し、各カバーが伸張状態で引っ張り荷重を受けて弾性的に伸張するように構成したテレスコカバー。 - 請求項6において、前記振動減衰機構は、前記隔板に基端部を連結された支持ロッドと、該支持ロッドに装着され、かつ両端を対向する隔板に連結された第1弾性体とにより構成されているテレスコカバー。
- 請求項6又は7において、前記支持ロッドの先端部には、各カバーの伸張時に圧縮されて衝撃を緩和する第2弾性体が装着されているテレスコカバー。
- 請求項7又は8において、前記各支持ロッドの中間部は隔板に形成した透孔に係合された緩衝部材のガイド孔に移動可能に貫通支持されているテレスコカバー。
- 請求項7〜9のいずれか一項において、テレスコカバーは工作機械の摺動面を覆う固定カバーと複数個の可動カバーを伸縮自在に連結したものであって、
前記固定カバー及び各可動カバーのそれぞれのカバー本体の端部に内側方に折り曲げ形成された隔板のうち前記可動カバーの隔板に対し複数の支持ロッドの基端部をそれぞれ連結し、各支持ロッドを可動カバーの伸縮方向と平行に、かつ可動カバーの収縮方向に延長するように支持し、各支持ロッドに第1弾性体としての第1コイルバネを巻装し、このバネの両端部を対向する隔板に係止したテレスコカバー。 - 請求項7〜10のいずれか一項において、前記第1弾性体は第1コイルバネであるテレスコカバー。
- 請求項8〜11のいずれか一項において、前記第2弾性体は第2コイルバネであるテレスコカバー。
- 請求項11又は12において、第1コイルバネ又は第2コイルバネは、前記支持ロッドに巻装されているテレスコカバー。
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