JP4104811B2 - 機械式ドラムブレーキのレバーとケーブルの接続構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は機械式ドラムブレーキの一対のブレーキシュー間にレバーとケーシングからなる拡縮自在なリンク部材とリンク部材を位置決めするスプリングが配置され、ケーシングの空間内にレバーが収容され、レバーに接続されたケーブル引張操作によりスプリング力に抗して拡張可能なリンク部材のレバーとケーブルの接続構造に関し、更に詳しくは、一対のブレーキシュー間にリンク部材が配置された状態でレバーとケーブルを接続するための接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のブレーキシュー間に配置されたリンク部材であるレバーとケーシングは、板状のレバーの一端と、板状のレバーの外周を囲みかつレバーを収容する空間を形成したケーシングの一端が連結ピンを介して連結されている。レバーの他端はケーブルと接続され、ケーブルの引張操作によりレバーとケーシングが互いに反対方向に拡張可能となっている。
こうのような従来のリンク部材であるケーシング、レバーとケーブルの接続構造の斜視図を図9に示す。
レバー100には、ケーブルピン107を挿入するための挿入孔101、ケーシング109と連結するための連結孔102が設けてある。ケーブル103の先端部にはベース104とベース104上に立設された一対の壁部材105,105が設けられ、壁部材105,105の上方にケーブルピン107を係止する係止孔106,106が形成されている。
一方、レバー100の外周には、レバー100を覆い囲むよう空間を有したケーシング109が配置され、レバー100の連結孔102を挟むようにケーシング109の端部には連結孔110,110が設けられ、連結ピン111と抜け止めワッシャー112を介してレバー100とケーシング109が回動自在に連結されいる。ケーシング109の上面は開口部114と閉鎖部113が設けらる一方、下部は開口されてケーシング109とレバー100の拡張動作が可能となっている。
レバー100とケーブル103の接続作業において、ブレーキシュー間にリンク部材が配置された状態ではレバー100のケーブル挿入孔101がケーシング109に覆われているために、ケーブルピン107を挿入孔101に挿入することができず、ブレーキシュー間からリンク部材を取り外し、レバー100を大きく回動させ、収容されているケーシング109の空間から挿入孔101を露出させる必要がある。
そして、ケーシング109から露出されたレバー100の挿入孔101は、ケーブル103に設けられた先端部の一対の壁部材105,105間に挿入され、ケーブル103の係止孔106,106と一致させ、ケーブルピン107によりレバー100とケーブル103の接続が完了する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の機械式ドラムブレーキのレバーとケーブルの接続構造では、レバーとケーシングがピンにより回動自在に連結されたリンク部材、バッキングプレート、アンカ、ブレーキシュー、スプリング、アジャスタ等を予め組み付けてブレーキアッセンブリユニットにしてある。その後、ブレーキアッセンブリユニットを車両に取り付け際にケーブルの接続作業が行われブレーキアッセンブリユニットのブレーキシュー間からリンク部材を取り外して、レバーを大きく回動させて、レバーとケーブルの接続作業を行い、その後、ケーブルが接続されたリンク部材をブレーキアッセンブリユニットへ取り付ける作業を行わなければならず、ブレーキアッセンブリユニットからのリンク部材の取り外し、ケーブル接続後の取り付けと煩雑な作業をおこなわなければならず、ケーブルのレバーへの接続作業は良好には行われていなかった。
【0004】
また、ケーブルとレバーの接続作業において、ブレーキアッセンブリユニットからのリンク部材の取り外し作業を省く目的で、リンク部材を除く部品を予め組み付けてブレーキアッセンブリユニットにしておき、その後、ブレーキアッセンブリユニットを車両に取り付ける際に、ケーブル接続されたレバーとケーシングのリンク部材が、ブレーキアッセンブリユニットに取り付けられていた。しかし、このような場合には、リンク部材をブレーキアッセンブリユニットに予め組み付けられていないため、ブレーキアッセンブリユニットとリンク部材を別々に管理、保管しなければならず、不都合が生じていた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、一対のブレーキシュー間にレバーとケーシングがピンにより回動自在に連結されたリンク部材を配置し、その他必要部品を予め組み付けておいてブレーキアッセンブリユニットとしてあるものを車両に取り付ける際に、リンク部材をブレーキアッセンブリユニットから取り外すことなくケーブルとの接続が容易に行えるリンク部材のレバーとケーブルの接続構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る機械式ドラムブレーキのレバーとケーブルの接続構造は、一対のブレーキシュー間にレバーとケーシングからなるリンク部材がスプリングの内径方向への付勢力により位置決めされて配置され、前記レバーはケーブルが接続可能な板状であり、前記ケーシングは内部に空間を形成して前記レバーを収容しており、前記レバーの端部と前記ケーシングの端部が連結ピンにより回動自在に連結され、前記レバーに接続されたケーブルの引張操作により前記レバーと前記ケーシングが互いに反対方向に拡張して前記ブレーキシューをブレーキドラム内壁面に押圧する機械式ドラムブレーキであって、前記ケーシングの上面には開口部と閉鎖部とを備え、前記開口部の一部を閉止するクリップが前記ケーシングに着脱自在に設けられ、前記ケーブルの先端部にはベース部と前記ベース部から上方に立設されケーブルピンの係止孔を有する一対の壁部材とを備え、一対のブレーキシュー間にリンク部材が配置された状態で、前記ケーシングの下部の開口より前記空間内にケーブルを上昇させて、前記スプリングの付勢力により前記ケーシングの前記閉鎖部に当接しかつ前記開口部から突出している前記レバーのケーブル接続孔と前記ケーブル係止孔とを一致させてケーブルピンを係止し、次いで、前記クリップが前記ケーシングの開口部から突出した前記レバーを下方に押圧しながら前記ケーシングに挟着させて、前記レバーを前記ケーシングの空間内に位置決め可能であって、前記クリップの非装着時に前記ケーブル接続孔が前記開口部から突出することにより、前記レバーと前記ケーブルとを接続及び解除可能であることを特徴とする。
或いは、前記ケーシングの開口部の一部を覆い且つ前記ケーシングに挟着されて、ケーブル接続された前記レバーを前記空間内で位置決めする前記クリップが前記ケーシングに旋回自在に取付けられていることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る機械式ドラムブレーキのレバーとケーブルの接続構造の好適な発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0008】
図1は本発明に係る機械式ドラムブレーキの構造の一実施形態を示す。
本発明に係る機械式ドラムブレーキ1は車両に取り付けられたバッキングプレート2上に一対のブレーキシュー3,4が配置されている。ブレーキシュー3,4の端部はそれぞれ間隔をあけて互いに対向しており、ブレーキシュー3,4一方の端部間にはリンク部材であるレバー5とケーシング6が連結ピン7により連結して配置されている。ケーシング6は板状のレバー5を覆い囲むように内部に空間を有し、その空間内にレバー5が収容されている。ケーシング6の上面には開口部の一部を覆うようにクリップ11がケーシング6に挟着されて取り付けられており、レバー5はブレーキシュー4とクリップ11によりケーシング6の空間内に収容されて位置決めされている。レバー5の他端がケーブルと接続可能であり(図示せず)、ケーブル接続されたレバーとケーシングがケーブルの引張操作により、互いに反対方向に拡張可能である。
【0009】
ケーシング6の近傍にはブレーキシュー3,4をブレーキドラム(図示せず)内壁面から離れる方向に付勢したスプリング8が配置され、リンク部材のレバー5とケーシング6をブレーキシュー3,4間に位置決めしている。ブーレキシュー3,4の他方の端部間にはアジャスタ9が配置され、アジャスタ9に隣接したところにスプリング10がスプリング8と同様にブレーキシュー3,4をブレーキドラム内壁面から離れる方向に付勢している。
【0010】
このような構成の機械式ドラムブレーキ1の作動構造は、レバー5に接続されたケーブルが引張操作により制動動作を行うと、リンク部材であるレバー5とケーシング6が互いに反対方向に拡張され、ブレーキシュー3,4を押し拡げてブレーキドラム内壁面に押し付けられ、制動する。
【0011】
そして、制動動作が解除されると、スプリング10の復帰力により引張したケーブルが引き戻され、リンク部材が収縮し、ケーシング6の空間内にレバー5が収容され、所定位置に戻される。また、この時に、ブレーキシュー3,4が摩耗した場合は、ブレーキシュー3,4とドラムブレーキ内壁面との間隔を常に一定に補償するようにアジャスタ9により調節される。
【0012】
図2は本発明に係るリンク部材、クリップとケーブルの斜視図を示す。
レバー5の一端はケーブルピン12と接続ずるための接続孔51、他端にはケーシング6の連結孔61,61と連結ピン7を介して回動自在に連結するための連結孔52が設けられている。連結孔52の下方にはブレーキシュー4と係合する凹部53、更にその下方にリンク部材の拡張時にアンカ上をスライドするスライド部54がある。
一方、ケーシング6の一端にはレバー5と連結するための連結孔61,61が設けられ、連結孔61,61間にレバー5の連結孔52が一致して連結ピン7と抜け止めワッシャー19によりケーシング6とレバー5が回動自在に連結される。ケーシング6には内部に空間62が形成され、この空間62内にレバー5が収容されている。ケーシング6の上面には開口部63と閉鎖部64が形成されている。ケーシングには切欠部68が形成され、この切欠部68はクリップ11がケーシング6に非装着時にリンク部材が一対のブレーキシュー3,4間に配置した状態でレバー5がスプリング8の付勢力により閉鎖部64に当接しながら接続孔51を空間63から突出させている。更に、ケーシング6の他端側にはブレーキシュー3と係合する凹部66、その下方にリンク部材の拡張時にアンカ上をスライドするスライド部67が設けられ、ケーシング6の開口部63の下方に、クリップ11と係合する突起65が形成されている。
【0013】
クリップ11はケーシング6上面の開口部63の一部を閉鎖するように挟着可能であり、ケーシング6の開口部63の幅方向で収縮する弾性力を有している。そして、クリップ11が開口部63に装着された時は、クリップ11の中央に設けられた窪み部11’がケーシング6に設けられた突起65に係合し固定される。
ケーブル14の先端部にはベース15とベース15上で一対の壁部材17,17が立設されており、壁部材17,17にケーブルピン12を係止する係止孔16,16が設けてある。そして、一対の壁部材17,17はレバー5がその幅方向で挿入可能となるように間隔をもってベース15上に配置されている。一対の壁部材17,17の係止孔16,16は一対の壁部材17,17間にレバー5を挿入してレバー5の接続孔51と一致させてケーブルピン12により接続される。
【0014】
ブレーキアッセンブリユニットとしてドラムブレーキに予めリンク部材を含む種々の部品が組み付けられているが、この時点では、ケーブル14やケーブルピン12はレバー5に接続されておらず、ブレーキアッセンブリユニットが車体に取り付けられる際にレバー5とケーブル14の接続作業が行われる。
【0015】
図3は本発明に係るレバーとケーブルの接続構造の第一実施例を示す。
ブレーキアッセンブリユニットとして、一対のブレーキシュー3,4間にリンク部材であるレバー5とケーシング6が連結ピン7により予め組み付けられてある。この状態では、ブレーキシュー3,4をブレーキドラム内壁面から離れる方向にスプリング8の付勢力が作用しており、この付勢力によりレバー5とケーシング6は互いにアンカ20上で収縮されている。そして、レバー5はケーシング6上面の閉鎖部64に当接しており、かつケーシング6の開口部63からケーブルピン12と接続するためのレバー5の接続孔51がケーシング6の切欠部68から突出した状態となっている。
【0016】
そして、アンカ20に設けられた挿通孔21内にケーブル14が挿入され、ケーシング6の空間62内を通り、一対の壁部材17,17間にレバー5を挿入しながら上昇させていく。レバー5の接続孔51とケーブル12の一対の壁部材17,17に設けられた係止孔16,16が一致したところで、ケーブル14の上昇運動が終了し、ケーブルピン12によりレバー5とケーブル14が接続される。
次いで、ケーブルが接続されてケーシング6の開口部63から突出したレバー5を下方に押圧しながらクリップ11をケーシング6に挟着する。クリップ11がケーシング6の開口部63を閉鎖し、クリップ11の窪み部11’とケーシング6の突起65が係合してクリップ11の挟着作業が終了する。
【0017】
図4は本発明に係るレバーとケーブルの接続が完了し、クリップがケーシングに装着された状態を示している。
クリップ11は、ケーシング6の開口部63を閉止しクリップ11の窪み部11’とケーシング6の突起65とが係合して固定されている。そのため、ケーシング6に収容されているレバー5はクリップ11により当接してスプリング8により空間63内で位置決めされている。
制動動作が開始されると、ケーブル14が引張され(矢印A方向)、アンカ20上に設けられたスライド面22,22上をレバー5のスライド部54とケーシング8のスライド部67が互いに反対方向にスライドながら拡張し、ブレーキシュー3,4を押し拡げ、ブレーキシュー3,4がブレーキドラム内壁面に押圧される。制動動作が解除されると、スプリング8の復帰力によりブレーキドラム内壁面からブレーキシュー3,4が離れ、ケーシング6の空間62内にレバー5が収容されて、レバー5がクリップ11と当接して位置決めされ、リンク部材が所定の位置に戻る。
【0018】
また、ケーブル14やケーブルピン12の点検や交換が必要な場合にも、リンク部材をブレーキシュー3,4間に配置された状態で可能となる。ケーシング6の開口部63を閉鎖しているクリップ11をケーシング6から取り外し、クリップ11に位置決め固定されていたレバー5の接続孔51がスプリング8の付勢力によりケーシング6上面の切欠部68上方に突出する。そして、レバー5の接続孔51とケーブル14の係止孔16,16からケーブルピン12を取り外し、ケーブルをアンカ20の挿通孔21から下方に引くことにより、レバー5とケーブル14の接続が解除される。
すなわち、レバー5にケーブル14を接続する作業順序を逆に行うことで、ブレーキシュー3,4間にリンク部材が配置した状態でケーブル14をレバー5から取り外すことが可能となる。
【0019】
このように、本発明によるレバーとケーブルの接続構造によれば、ブレーキシュー間にリンク部材が配置された状態でリンク部材を拡張させることなくレバーにケーブルを接続することが可能となり、ブレーキアッセンブリユニットからリンク部材を取り外すことなくケーブルがレバーに容易かつ簡単に接続することが可能となる。更に、ケーブルの交換や保守点検に際して、レバーからケーブルを取り外す場合にも、ブレーキシュー間にリンク部材を配置した状態で取り外しが可能となり、作業性の改善が図られる。
【0020】
図5は本発明に係るレバーとケーブルの接続構造の第二実施例を示す。
リンク部材であるレバー5とケーシング6は一対のブレーキシュー3,4間に予めブレーキアッセンブリユニットとして取り付けてある。ケーシング6には、クリップ70が回動軸71でもってケーシング6に回動自在に取り付けてある。クリップ70には、U字状切欠部74、係止片72、窪み部73、および位置決め部75が設けられている。
レバー5にケーブル14を接続するには、クリップ70の回動軸71を軸に係止片72が上方に上がるように回動させ、ケーシング6の切欠部68とクリップ70のU字状切欠部74を一致させる。この時、レバー5はケーシング6の開口部63から突出しており、かつ切欠部68とU字状切欠部74からレバー5のケーブルピンの接続孔51が露出している。そして、アンカ20の挿通孔21からケーブルを上方に向けて通し、ケーブル14の先端部の壁部材17,17のケーブルピンの係止孔16,16をレバー5の接続孔51と一致させ、ケーブルピン21にて接続する。その後、クリップ70を回動軸71を中心に下方向に回動させ、係止片72をケーシング6に設けた係止部69に係止させる。この状態では、ケーブルが接続されたレバー5は位置決め部75に当接してケーシング6の空間内に収容されて、位置決めされる。
【0021】
図6はレバーとケーブルの接続が完了し、クリップがケーシングに装着完了した状態を示す。
レバー5はケーブル14と接続されて、クリップ70の位置決め部75に当接して、位置決めされた状態でケーシング6の空間62内に収容されている。そして、クリップ70の窪み部73はケーシング6の突起部6Aと係合し、かつ、クリップの係止片72はケーシング6の係止部69に係止されている。これにより、クリップ70がケーシング6から外れることなく、レバー5を位置決めした状態でケーシング6に装着される。
また、レバー5からケーブル14を取り外す場合には、クリップ70のケーシング6への装着とレバー5にケーブル14を接続した作業順序を逆に行うことで、ブレーキアッセンブリユニットからリンク部材を取り外すことなく、レバー5からケーブル14の接続が解除される。
【0022】
図7は本発明に係るレバーとケーブルとの接続構造の第三実施例を示す。
ケーシング6にクリップ80が回動軸81でもって回動自在に取り付けられている。クリップ80を上方向に回動させ、ケーシング6の切欠部68とクリップ80のU字状切欠部84を一致させると、スプリング8によりレバー5の接続孔51がケーシング6の開口部63から露出する。ケーブル14の係止孔16,16をアンカ20の挿通孔21から上昇させ、接続孔51と一致させてケーブルピン12により係止させ、接続する。そして、クリップ80を下方向に回動させて、クリップ80の窪み部82がケーシング6に設けた突起部6Aと係合させる。
【0023】
図8はレバーとケーブルの接続が完了し、クリップがケーシングに装着完了した状態を示している。
クリップ80が回動軸81を中心として下方向に回動してクリップ80の窪み部82はケーシング6の突起部6Aと係合してケーシングへの装着が完了する。そして、レバー5がクリップ80の位置決め部83に当接して、ケーシング6の空間62内で位置決めされている。
レバー5からケーブル14を取り外す場合は、第二実施例と同様にクリップ80のケーシング6への装着とレバー5にケーブル14を接続する作業手順を逆に行うことで容易にケーブルの接続の解除が行える。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の機械式ドラムブレーキのレバーとケーブルの接続構造によれば、一対のブレーキシュー間にリンク部材を配置した状態でレバーのケーブル接続孔をケーシングの開口部から突出させ、ケーブルがアンカの挿通孔を上昇して、レバーのケーブル接続孔とケーブルのセンタに設けられた一対の壁部材の係止孔とを一致させてケーブルピンにより接続した後、クリップをケーシングの開口部に挟着させて、レバーがクリップに当接してケーシングの空間内で位置決めが可能なレバーとケーブルとの接続構造であり、ブレーキアッセンブリユニットからリンク部材を取り外すことなくレバーとケーブルが接続可能であり、効率良く、接続作業を行うことができる。さらに、ケーブル接続されたレバーからケーブルを取り外す必要が生じた時にも、ブレーキシュー間にリンク部材が配置された状態で、レバーとケーブルとの接続作業手順を逆に行うことで容易にレバーとケーブルの接続の解除作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る機械式ドラムブレーキの構造の一実施形態を示す。
【図2】図2は本発明に係るリンク部材、クリップとケーブルの斜視図を示す。
【図3】図3は本発明に係るレバーとケーブルの接続構造の第一実施例を示す。
【図4】図4は本発明に係るケーシングにクリップが装着された構造の第一実施例を示す。
【図5】図5は本発明に係るレバーとケーブルの接続構造の第二実施例を示す。
【図6】図6は本発明に係るケーシングにクリップが装着された構造の第二実施例を示す。
【図7】図7は本発明に係るレバーとケーブルの接続構造の第三実施例を示す。
【図8】図8は本発明に係るケーシングにクリップが装着された構造の第三実施例を示す。
【図9】図9は従来のレバーとケーブルの接続構造を示す。
【符号の説明】
1 機械式ドラムブレーキ
3 ブレーキシュー
4 ブレーキシュー
5 レバー
6 ケーシング
7 連結ピン
11 クリップ
12 ケーブルピン
14 ケーブル
16 係止孔
17 壁部材
51 接続孔
62 空間
63 開口部
64 閉鎖部
Claims (2)
- 一対のブレーキシュー間にレバーとケーシングからなるリンク部材がスプリングの内径方向への付勢力により位置決めされて配置され、前記レバーはケーブルが接続可能な板状であり、前記ケーシングは内部に空間を形成して前記レバーを収容しており、前記レバーの端部と前記ケーシングの端部が連結ピンにより回動自在に連結され、前記レバーに接続されたケーブルの引張操作により前記レバーと前記ケーシングが互いに反対方向に拡張して前記ブレーキシューをブレーキドラム内壁面に押圧する機械式ドラムブレーキにおいて、
前記ケーシングの上面には開口部と閉鎖部とを備え、前記開口部の一部を閉止するクリップが前記ケーシングに着脱自在に設けられ、
前記ケーブルの先端部にはベース部と前記ベース部から上方に立設されケーブルピンの係止孔を有する一対の壁部材とを備え、
一対のブレーキシュー間にリンク部材が配置された状態で、前記ケーシングの下部の開口より前記空間内にケーブルを上昇させて、前記スプリングの付勢力により前記ケーシングの前記閉鎖部に当接しかつ前記開口部から突出している前記レバーのケーブル接続孔と前記ケーブル係止孔とを一致させてケーブルピンを係止してレバーとケーブルの接続を行い、次いで、前記クリップが前記ケーシングの開口部から突出した前記レバーを下方に押圧しながら前記ケーシングに挟着させて、前記レバーを前記ケーシングの空間内に位置決め可能であって、
前記クリップの非装着時に前記ケーブル接続孔が前記開口部から突出することにより、前記レバーと前記ケーブルとを接続及び解除可能であることを特徴とする機械式ドラムブレーキのレバーとケーブルの接続構造。 - 前記ケーシングの開口部の一部を覆い且つ前記ケーシングに挟着されて、ケーブル接続された前記レバーを前記空間内で位置決めする前記クリップが前記ケーシングに旋回自在に取付けられていることを特徴とする請求項1記載の機械式ドラムブレーキのレバーとケーブルの接続構造。
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