JP4104312B2 - 発光素子 - Google Patents

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    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/11OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers
    • H10K50/135OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers comprising mobile ions

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示ディスプレイとして使用可能な電気化学発光(ECL)素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、半導体回路の高密度集積化が進み、高機能な情報端末が小型化し、携帯が可能となった。このため、薄型、軽量、低消費電力の表示素子の研究が活発化している。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)は小型携帯機器からノート型パソコンのディスプレイまでをカバーし、ブラウン管ディスプレイ(CRT)に置き換わる存在にまで成長している。さらに、動画にも耐え得る次世代型表示素子として、有機エレクトロルミネッセント(EL)素子などが注目されている。
【0003】
電気化学発光(ECL)素子も、上記のような表示素子の1つである。ECL素子は、有機EL素子と同様、自発光型素子であるが、その最大の特徴は溶液から発光が得られる点である。ECL素子は、発光分子を含む溶液を2枚の電極で挟む電極/溶液/電極の非常にシンプルな構造を有している。従って、ECL素子は、固体の有機EL素子のような、薄膜作製装置が不要であり、素子作製が非常に簡単であるという利点を有している。
【0004】
ECLは、発光分子をキャリアの再結合により電気化学的に励起させ、励起子が基底状態に戻るときの放射光である。狭義には溶液中でアニオンラジカルとカチオンラジカルとを生成して、これらの衝突・再結合から励起子を生成する。具体的には、以下のプロセスで発光する。
【0005】
▲1▼溶液に電界(1kV/cm以上)を印加することにより、陰極界面では発光分子に電子が注入され、アニオンラジカルが生成する。陽極界面では発光電子から電子が引き抜かれることにより、カチオンラジカルが生成する。
【0006】
▲2▼これらのイオンが電界により対極に向かって移動する。この移動の際、アニオンラジカルとカチオンラジカルが衝突することにより、電荷の再結合が起こる。
【0007】
▲3▼再結合の際のエネルギーで発光分子が励起され、励起子が発生する。
▲4▼この励起子が基底状態に失活する際に、エネルギーを光として放出する。但し、この場合、発光分子は、一重項励起子(S1)を経由して失活する場合(蛍光)と、三重項励起子(T1)を経由して失活する場合(燐光)とがある。
【0008】
ECLの研究は古くから行われている。1960年代には9,10−ジフェニルアントラセンがアセトニトリル中で発光することが報告されている(文献;A.J.Bard et al.,J.Am.Chem.Soc.,87,139(1965))。その後、より蛍光量子収率の高いルブレンなどの縮合多環芳香族が発光材料として検討された(文献;L.R.Faulkner et al.,J.Am.Chem.Soc.,110,112(1988)、L.R.Faulkner et al.,J.Electroanal.Chem.,242,107,(1988)、A.Kapturkiewicz et al.,J.Electroanal.Cem.,302,131,(1991))。
【0009】
これらは、溶媒として、主にアセトニトリル(CH3CN)などの有機溶媒が使用され、また、溶液にイオン伝導性を与えるためイオン性化合物からなる支持電解質が用いられている。この系では、発光を得ることができるが、支持電解質と発光材料の副反応や電荷の偏りによる消光が見られ、素子としての安定性が得られなかった。
【0010】
次に、発光材料としてRu塩やMo塩なども使用された(文献;A.J.Bard et al.,J.Am.Chem.Soc.,103,512,(1981)、D.G.Nocera et al.,J.Am.Chem.Soc.,110,2764(1988)、A.J.Bard et al.,J.Am.Chem.Soc.,104,2641(1982)、H.Miyama et al.,J.Elecrtochem.Soc.,135,2986(1988)、D.G.Nocera et al.,J.Phys.Chem.,95,6919,(1991))。これらの金属塩は、ルブレンなどの縮合多環芳香族に比べ、アセトニトリルに溶解し易い。また、若干のH2Oが存在することにより、溶解度が上がり、発光強度が増加することが報告されている。
【0011】
この系では、溶液中において発光材料が解離(例えば、RX2→R2++2X)して、イオンとして存在するため、支持電解質を加えなくても、イオン伝導性の高い系を実現し、ECL発光が得られる(R2++e→R+、R2++h+→R3+、R++R3+→R2++R2+*)。しかしながら、陽極での電荷注入(R2++h+→R3+)が困難であり、先にX-が酸化されてしまう問題や、陰極での水素発生(2H++2e→H2↑)の問題が生じる。このため、安定な発光が得られず、高い輝度を得ることができないという問題があった。
【0012】
そこで、1980年代には、支持電解質を用いない系が試された(文献;E.Schnedler et al.,J.Elecrtochem.Soc.,129,1289,(1982))。溶媒としてはアセトニトリルを用い、発光材料としてはルブレン等が用いられており、支持電解質による劣化が起こらないため、素子の安定性を向上させることができている。
【0013】
従って、現在では、上記の系がECL素子として最も適していると考えられる。しかしながら、この系ではイオン伝導性が乏しいため、電流が流れにくく、高い輝度を得ることが困難であるという問題があった。
本発明の目的は、安定して発光させることができ、かつ発光輝度が高い電気化学発光素子を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気化学発光素子は、発光材料と溶媒を含む発光溶液が、一対の電極の間に挟まれた素子構造を有し、発光材料を安定化する非イオン性化合物からなる発光助長性添加物が、発光溶液に含有されていることを特徴としている。
【0015】
本発明においては、発光助長性添加物が発光溶液に含有されているので、電極からのキャリアの注入によりイオン化した発光材料を安定化することができ、高い発光輝度を得ることができる。
【0016】
本発明において用いる発光材料は、ECLの発光材料として用いるこうとができるものであれば特に限定されるものではない。ECLの発光材料としては、以下の性質を備えるものが好ましく用いられる。
【0017】
▲1▼可視光領域の蛍光または燐光を有し、発光分子自体の発光(蛍光または燐光)量子収率が高いこと。
▲2▼溶液中で、電極からキャリアを注入されることにより、発光分子がアニオンラジカルまたはカチオンラジカルを生成し易いこと。
【0018】
▲3▼発光分子が溶媒に溶解し易いこと。
▲4▼溶液中で発光分子及び生成したイオンが安定であること。
上記の性質を有する発光材料としては、可視光領域における蛍光または燐光を有する縮合多環芳香族化合物及び有機金属化合物などが挙げられる。本発明において、発光材料は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0019】
上記の縮合多環芳香族化合物としては、ナフタセン誘導体、アントラセン誘導体、ペンタセン誘導体、及びペリフランテン誘導体などが挙げられる。
ナフタセン誘導体としては、以下の一般式の構造を有する化合物が挙げられる。
【0020】
【化1】
Figure 0004104312
【0021】
(ここで、Rは、互いに同一または異なっていてもよく、水素、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、またはアントリル基を示す。)
フェニル基、ナフチル基、及びアントリル基は、以下の構造を有する置換基である。
【0022】
【化2】
Figure 0004104312
【0023】
アントラセン誘導体としては、以下の一般式の構造を有するものが挙げられる。
【0024】
【化3】
Figure 0004104312
【0025】
(ここで、Rは、互いに同一または異なっていてもよく、水素、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、またはアントリル基を示す。)
ペンタセン誘導体としては、以下の一般式の構造を有するものが挙げられる。
【0026】
【化4】
Figure 0004104312
【0027】
(ここで、Rは、互いに同一または異なっていてもよく、水素、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、またはアントリル基を示す。)
ペリフランテン誘導体としては、以下の一般式の構造を有するものが挙げられる。
【0028】
【化5】
Figure 0004104312
【0029】
(ここで、Rは、互いに同一または異なっていてもよく、水素、または炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
イリジウム含有有機金属化合物としては、以下の一般式の構造を有するものが挙げられる。
【0030】
【化6】
Figure 0004104312
【0031】
(ここで、R及びR′は、互いに同一または異なっていてもよく、水素、または炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
アントラセン誘導体の発光材料の具体例としては、以下の構造を有する9,10−ジフェニルアントラセン(DPA)が挙げられる。
【0032】
【化7】
Figure 0004104312
【0033】
ナフタセン誘導体の発光材料の具体例としては、以下に示す構造を有する5,12−ジフェニルナフタセン(DPN)及びルブレンが挙げられる。
【0034】
【化8】
Figure 0004104312
【0035】
図5は、上記のDPA、DPN、及びルブレンの発光スペクトルを示す図である。図5に示すように、DPAは青色発光を示し、DPNは緑色発光を示し、ルブレンは黄色発光を示す。
ペンタセン誘導体の発光材料の具体例としては、以下の構造を有する6,13−ジフェニルペンタセンが挙げられる。
【0036】
【化9】
Figure 0004104312
【0037】
ペリフランテン誘導体の発光材料の具体例としては、以下に示す構造を有するジベンゾテトラ(メチルフェニル)ペリフランテンが挙げられる。
【0038】
【化10】
Figure 0004104312
【0039】
イリジウム含有有機金属化合物の発光材料の具体例としては、以下に示す構造を有するトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムが挙げられる。
【0040】
【化11】
Figure 0004104312
【0041】
本発明において用いる発光助長性添加物は、発光材料を安定化する非イオン性化合物からなる。このような非イオン性化合物としては、ジエーテル構造、クラウンエーテル構造、またはポリエチレングリコール構造を有するものが挙げられる。本発明において、発光助長性添加物は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
ジエーテル構造を有する非イオン性化合物としては、以下の一般式で示されるものを挙げることかできる。
【0042】
【化12】
Figure 0004104312
【0043】
(ここで、R1及びR3は、互いに同一または異なっていてもよく、水素、炭素数1〜10のアルキル基、または以下に示す構造を有する芳香族基を示す。
【0044】
【化13】
Figure 0004104312
【0045】
ここで、R4、R5、及びR6は、互いに同一もしくは異なっていてもよく、水素、または炭素数1〜5のアルキル基を示す。
また、R2は、炭素数1〜10のアルキレン基、または以下に示す2価の芳香族置換基を示す。)
【0046】
【化14】
Figure 0004104312
【0047】
ポリエチレングリコール構造を有するものとしては、以下の一般式で示されるポリエチレングリコールが挙げられる。
【0048】
【化15】
Figure 0004104312
【0049】
(ここで、R1、R2、R3、及びR4は、互いに同一または異なっていてもよく、水素、または炭素数1〜5のアルキル基、またはフェニル基を示す。mは、2〜250の整数を示す。)
クラウンエーテル構造を有するものとしては、以下の一般式で表されるクラウンエーテルが挙げられる。
【0050】
【化16】
Figure 0004104312
【0051】
(ここで、Ar1及びAr2は、互いに同一または異なっていてもよく、C24、または以下に示すフェニレン基、もしくはナフチレン基を示す。
【0052】
【化17】
Figure 0004104312
【0053】
また、n及びmは、互いに同一または異なっていてもよく、1〜10の整数を示す。)
発光助長性添加物の具体例としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ビス(2−エトキシエチル)エーテル、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ジベンジルオキシエタン、1,2−ビス(トシルオキシ)エタン、エチレングリコールビス〔4−(エトキシカルボニル)フェニル〕エーテル、1,3−ジフェノキシベンゼン、エチレングリコールジベンゾエート、ジフェノキシメタン、1,4−ジフェノキシベンゼン、3,3′−エチレンジオキシジフェノール、ポリエチレングリコール、及びジベンゾ−18−クラウン−6−エーテルなどが挙げられる。
【0054】
以下は、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ビス(2−エトキシエチル)エーテル、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ジベンジルオキシエタン、及び1,2−ビス(トシルオキシ)エタンの構造式である。
【0055】
【化18】
Figure 0004104312
【0056】
以下は、エチレングリコールビス〔4−(エトキシカルボニル)フェニル〕エーテル、エチレングリコールジベンゾエート、1,3−ジフェノキシベンゼン、及び1,4−ジフェノキシベンゼンの構造式である。
【0057】
【化19】
Figure 0004104312
【0058】
以下は、3,3′−エチレンジオキシジフェノール、ジフェノキシメタン、及びジベンゾ−18−クラウン−6−エーテルの構造式である。
【0059】
【化20】
Figure 0004104312
【0060】
本発明においては、発光助長性添加物が発光溶液に含有されており、この発光助長性添加物が、電極からのキャリアの注入によりイオン化した発光材料を安定化することにより、高い発光輝度を得ることができる。このような発光助長性添加物の作用効果について、以下説明する。
【0061】
ECLの発光機構は、上述したように、陰極界面で発生した発光分子のアニオンラジカルと、陽極界面で発生した発光分子のカチオンラジカルが電界により対極に移動する。そして、アニオンラジカルとカチオンラジカルが衝突することにより、発光分子が励起され、励起子を発生する。この励起子が基底状態に失活する際に、エネルギーを光として放出する。
【0062】
従って、高い輝度を得るためには、アニオンラジカルとカチオンラジカルが、イオン伝導により、速やかに対向する電極の方向に移動し、途中でお互いに衝突する確率を向上させることが必要となる。
【0063】
本発明における発光助長性添加物は、イオン化した発光材料、すなわち発光分子のアニオンラジカルまたはカチオンラジカルを安定化させるため、その寿命が長くなり、アニオンラジカルとカチオンラジカルが衝突する確率を向上させることができる。従って、本発明によれば、高い発光輝度を得ることができる。
【0064】
発光材料としてルブレンを用いた系において、ルブレンのカチオンラジカルは、アニオンラジカルに比べて、不安定であり、その寿命が短いと報告されている(文献;A.J.Bard et al.,J.Elecrtoanal.Chem.Soc.,127,104,(1980),D.K.Roe et al.,J.Am.Chem.Soc.,88,4578,(1966))。寿命が短いと、イオン伝導が起こらず、カチオンラジカルは陽極近傍で消滅してしまう。そして、カチオンラジカルの不足を招き、カチオンラジカルとアニオンラジカルが衝突する確率が低下し、これが低い輝度の原因となる。溶媒は、ルブレンのアニオンラジカルを溶媒和し易く、アニオンラジカルを安定化することが知られている。従って、高い輝度を得るためには、カチオンラジカルの安定化が必要となる。
【0065】
本発明における発光助長性添加物は、例えば、このような不安定なルブレンのカチオンラジカルを安定化することができる。発光助長性添加物である1,2−ジフェノキシエタンは、以下の概念図に示すように、ルブレンのカチオンラジカルの周囲に配置することによって、ルブレンのカチオンラジカルを安定化する。
【0066】
【化21】
Figure 0004104312
【0067】
カチオンラジカルを安定化することにより、その寿命を長くし、対向する電極方向へのイオン伝導を起こり易くさせるため、アニオンラジカルとカチオンラジカルが互いに衝突する確率が向上し、発光輝度が向上する。
【0068】
本発明において、発光助長性添加物の発光材料に対するモル比(発光助長性添加物のモル濃度/発光材料のモル濃度)は、0.1〜1000であることが好ましく、さらに好ましくは10〜500である。発光助長性添加物の含有量が少なくなり過ぎたり、多くなり過ぎると、高い発光強度が得られるという本発明の効果が十分に得られない場合がある。
【0069】
ECLにおいて、溶媒は、発光材料を溶解させて発光溶液とするために用いられる。ECLに用いる溶媒としては以下の性質を有することが好ましい。
【0070】
▲1▼発光材料をよく溶解させること。
▲2▼生成した発光分子のカチオンラジカル及びアニオンラジカルが対向電極に移動し易いこと。例えば、粘性が低いことなど。
【0071】
▲3▼電圧を印加しても、分子自体が化学変化せず、安定であること。
▲4▼溶媒の揮発性が小さく、ECL素子を作製した後も、安定に素子構造を維持できること。
▲5▼精製が容易なこと。特に水や酸素の除去が容易なこと。
【0072】
従来よりECLの溶媒としては、イオン伝導性が良好であることから、アセトニトリルが用いられている。しかしながら、アセトニトリルは、ルブレンなどの縮合多環芳香族の溶解性においてあまり良好でばない。本発明においては、発光助長性添加物を用いているので、イオン化した発光材料を安定化することができ、そのイオン伝導性を高めることができる。従って、アセトニトリル以外の溶媒を用いることが可能となる。発光材料である縮合多環芳香族化合物の溶解性においては、ハロゲン含有ベンゼン誘導体が優れている。従って、本発明においては、溶媒としてハロゲン含有ベンゼン誘導体を用いることかできる。
【0073】
また、本発明においては、溶媒として、ハロゲン含有ベンゼン誘導体からなる第1の溶媒と、ハロゲン含有ベンゼン誘導体以外の第2の溶媒を含む混合溶媒を用いることができる。また、第1の溶媒及び第2の溶媒は、それぞれ1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
【0074】
ハロゲン含有ベンゼン誘導体は、化学的に安定であり、揮発性が小さく、精製が容易であるという性質を有している。このようなハロゲン含有ベンゼン誘導体の具体例としては、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、及びクロロナフタレンなどが挙げられる。
【0075】
上記の第2の溶媒としては、イオン伝導性を向上させる観点から、極性を有する溶媒が好ましく用いられる。イオン化した発光材料、すなわち発光分子のアニオンラジカルまたはカチオンラジカルを安定化させるためには、これらのイオンを溶媒和し得る溶媒が好ましい。このような観点からも極性の高い溶媒が好ましく用いられる。溶媒の極性の高さは、比誘電率で表すことができる。イオン伝導性を向上させる溶媒としては、比誘電率が1.9〜90であることが好ましく、さらに好ましくは1.9〜40である。
【0076】
第2の溶媒の具体例としては、以下のものを挙げることかできる。なお、( )内は比誘電率を示している。
テトラヒドロフラン(7.4)
アセトニトリル(38)
2−メチルテトラヒドロフラン(6.2)
トルエン(2.4)
プロピレンカーボネート(65)
エチレンカーボネート(90)
ベンゾニトリル(25.2)
ノルマルヘキサン(1.9)
シクロヘキサン(2.0)
アセトン(20.7)
N,N−ジメチルホルムアミド(37)
ニトロベンゼン(35.7)
1,3−ジオキソラン(7.1)
フラン(2.95)
ベンゾトリフルオリド(9.14)
第1の溶媒と第2の溶媒の混合体積比(第1の溶媒/第2の溶媒)は、99/1〜10/90であることが好ましく、さらに好ましくは80/20〜50/50である。
【0077】
本発明において、発光材料の発光溶液中での濃度は、0.0001〜0.5mol/lであることが好ましく、さらに好ましくは0.005〜0.2mol/lである。
【0078】
本発明において用いる溶媒または溶媒を構成する化合物は、常温における粘性率が0.2〜20mPa・sの範囲であることが好ましい。このような範囲内の粘性率を有する溶媒としては、例えば以下のようなものが挙げられる。なお、()内は粘性率(mPa・s)を示している。
【0079】
エチレングリコール(19.9)
プロピレンカーボネート(2.52)
1−クロロナフタレン(2.94)
o−ジクロロベンゼン(1.30)
トルエン(0.58)
アセトニトリル(0.38)
テトラヒドロフラン(0.48)
ノルマルヘキサン(0.31)
アセトン(0.32)
ニトロベンゼン(2.01)
シクロペンタン(0.23)
本発明のECL素子は、一対の電極に直流電圧を印加して発光溶液を発光させてもよいし、一対の電極に交流電圧を印加して発光溶液を発光させてもよい。印加する交流電圧としては、1サイクルの中においてプラスとマイナスが逆転する波形を描く正弦波または矩形波の交流電圧が挙げられる。
【0080】
ECL素子は、自己発光素子であるので、光を取り出すために、一対の電極の少なくともいずれか一方の光透過性が優れていることが好ましい。従って、一対の電極の少なくともいずれか一方の可視光透過率が30%以上であることが好ましい。
【0081】
また、電極としては透明電極であることが好ましい。従って、一対の電極の少なくともいずれか一方はインジウム錫酸化物(ITO)などから形成されていることが好ましい。また、一対の電極の少なくともいずれか一方は、Sbを添加したSnO2;ZnOを添加したIn23;SnO2を添加したIn23;フッ素をドープした、In23、SnO2、ZnO及びCd2SnO4から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物;Li、Na、Cs、Sr、Ba、Ca、Eu、Mg、In、Mn、Ti、Ta、V、Al、Zn、Mo、Ag、Fe、Cu、Sn、Bi、Ni、Pd、Au、Ir、及びPtから選ばれる単体金属及びこれらの合金金属;または、LaB6、CeB6、PrB6、NdB6、SmB6、EuB6、及びGdB6から選ばれる6ホウ化ランタノイド化合物から形成されていてもよい。
【0082】
また、本発明において、一対の電極は、互いに異なる材料からなる電極であってもよい。この場合、異なる材料の仕事関数の差は、0.1〜3.55eVであることが好ましい。仕事関数の差をこのような範囲に設定することにより、発光効率を高めることができる。
【0083】
また、一対の電極のシート抵抗値は、1000Ω/□以下であることが好ましく、さらに好ましくは20Ω/□以下である。
また、本発明においては、一対の電極の少なくともいずれか一方がガラス基板またはプラスチック基板の上に形成されていることが好ましい。また、発光材料が外部からの光(紫外光)により劣化するのを防止するため、基板の外側には、紫外線吸収フィルムが設けられていることが好ましい。
【0084】
本発明においては、一対の電極の間のギャップが100μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。このようなギャップとすることにより、ギャップ内の発光溶液内でのイオン伝導が有効に行われる。また、このようなギャップを形成する方法としては、一対の電極の間にスペーサを介在させることが好ましい。このようなスペーサとしては、樹脂製またはシリカ製のスペーサなどが挙げられる。また、スペーサの形状としては、球形あるいは円筒形などを挙げることができる。
【0085】
本発明の他の局面は電気化学発光素子の製造方法に関するものである。すなわち本発明の製造方法は、発光材料と溶媒を含む発光溶液が、一対の電極の間に挟まれた素子構造を有する電気化学発光素子の製造方法であり、一対の電極をそれぞれ基板上に形成し、基板の周辺部にシール剤を塗布した後、電極面が対向するようにこれらの基板を貼り合わせ、次に基板間の中空部内を排気した後、基板間に発光溶液を注入することを特徴としている。
【0086】
このような製造方法によれば、電気化学発光素子を効率良く製造することができる。
本発明のさらに他の局面に従う電気化学発光素子は、発光材料として、三重項状態から発光する材料を用いたことを特徴としている。このような発光材料としては、例えばイリジウム含有有機化合物が挙げられる。イリジウム含有有機化合物の具体例としては、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウムが挙げられる。このような発光材料では、発光助長性添加物を含有しない場合にも、高い発光輝度を得ることができる。
【0087】
本発明において三重項状態から発光する発光材料であるイリジウム含有有機化合物としては、以下の(化22)〜(化28)に示すような一般式で表わされるものが挙げられる。
【0088】
【化22】
Figure 0004104312
【0089】
(ここで、Rは同一または異なっていてもよく、Cn2n+1(nは1〜10の整数)、フェニル基、ナフチル基、CN基、N(Cn2n+12(nは1〜10の整数)、COOCn2n+1(nは1〜10の整数)、F、Cl、Br、またはIを表わす。)
【0090】
【化23】
Figure 0004104312
【0091】
【化24】
Figure 0004104312
【0092】
【化25】
Figure 0004104312
【0093】
【化26】
Figure 0004104312
【0094】
(化22)〜(化26)において、Dは、以下に示す構造を有する配位子である。
【0095】
【化27】
Figure 0004104312
【0096】
(ここでR1及びR2は、同一または異なっていてもよく、Cn2n+1(nは1〜10の整数)、フェニル基、ナフチル基、CN基、N(Cn2n+12(nは1〜10の整数)、COOCn2n+1(nは1〜10の整数)、F、Cl、Br、I、CF3、フリル基、またはチェニル基を表わす。)
【0097】
【化28】
Figure 0004104312
【0098】
(ここでRは、同一または異なっていてもよく、Cn2n+1(nは1〜10の整数)、フェニル基、ナフチル基、CN基、N(Cn2n+12(nは1〜10の整数)、COOCn2n+1(nは1〜10の整数)、F、Cl、またはIを表わす。)
また、本発明において発光材料として用いるイリジウム含有有機化合物のその他の例として、(化29)〜(化32)に示す構造を有するものが挙げられる。
【0099】
【化29】
Figure 0004104312
【0100】
【化30】
Figure 0004104312
【0101】
【化31】
Figure 0004104312
【0102】
【化32】
Figure 0004104312
【0103】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に従う一実施例のECL素子の構造を示す断面図である。ガラス基板4の上にはインジウム錫酸化物(ITO)からなる電極2が設けられており、ガラス基板5の上にもITOからなる電極3が設けられている。電極2と電極3の間には発光溶液1が保持されている。電極2と電極3の間には、スペーサ6が介在しており、このスペーサ6により、電極2と電極3の間のギャップが保たれている。
【0104】
以下の実施例においては、図1に示すような構造を有するECL素子を、以下の方法で作製した。
図2に示すように、ガラス基板4及びガラス基板5の上に、それぞれITOからなる電極2及び3を幅2mmとなるように作製し、これを超音波洗浄器を用いて、エタノール中で15分間洗浄した。
【0105】
所定量の発光材料を溶媒に溶解させた後、所定量の発光助長性添加物をこの溶液に加え、さらにギャップを形成するためのスペーサをこの溶液に加え撹拌して、発光溶液とした。
【0106】
以上のようにして調製した発光溶液1を、図2に示すように、ガラス基板5の電極3の上に少量滴下し、電極2と電極3が互いに対向しかつ直交するようにもう一方のガラス基板4をガラス基板5の上に重ね合わせた(図3参照)。2枚の基板4及び5をクリップで挟み固定し、ECL素子とした。
【0107】
図4に示すように、電極2と電極3が重ね合わされる部分が、発光部7となる。電極2にプラスバイアスし、電極3にマイナスバイアスして、電極2と電極3の間で挟んだ発光溶液に直流電圧を印加した。
以下の実施例及び比較例において、特にことわらない限り、電極のシート抵抗値は10Ω/□であり、電極間のギャップは8μmである。
【0108】
(実施例1〜7及び比較例1〜2)
表1に示すように、発光材料としてルブレンを用い、発光助長性添加物として1,2−ジフェノキシエタンを用い、溶媒2としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、溶媒1として種々のハロゲン含有ベンゼン誘導体を用いてECL素子を作製し、発光輝度を測定した。最高輝度を表1に示す。なお、表1の最高輝度における< >は最高輝度が得られたときの電圧を示している。なお、比較例1においては発光助長性添加物を用いなかった。
【0109】
【表1】
Figure 0004104312
【0110】
表1から明らかなように、本発明に従い発光溶液中に発光助長性添加物を添加した実施例1〜7においては、発光助長性添加物を含有していない比較例1に比べ、著しく高い発光輝度が得られている。
【0111】
また、ハロゲン含有ベンゼン誘導体を含有していないTHFのみを溶媒とした比較例2との比較から、ハロゲン含有ベンゼン誘導体を溶媒として含有させることにより、発光輝度が向上することがわかる。
【0112】
(実施例8〜25)
表2に示すように、溶媒1としてo−ジクロロベンゼンを用い、溶媒2として種々の溶媒を用いた。なお、発光材料としてはルブレンを用い、発光助長性添加物としては、1,2−ジフェノキシエタンを用いた。それらの含有濃度は表2に示す通りである。
実施例8及び実施例9においては、溶媒2としてTHFを用い、その濃度をそれぞれ1%及び90%の体積濃度としている。
【0113】
【表2】
Figure 0004104312
【0114】
表2から明らかなように、ハロゲン含有ベンゼン誘導体以外の溶媒として、種々の溶媒を用いた場合にも、高い発光輝度が得られている。また、実施例8及び実施例9から明らかなように、溶媒2の濃度が1%及び90%のいずれの場合においても、十分な発光強度が得られている。
【0115】
(実施例26〜31及び比較例3)
表3に示すように、ここでは、発光助長性添加物としての1,2−ジフェノキシエタンの発光溶液における濃度を変化させ、その影響を検討した。各実施例における発光助長性添加物の発光材料に対するモル比(発光助長性添加物のモル濃度/発光材料のモル濃度)は、以下の通りである。
【0116】
実施例26:0.1
実施例27:10
実施例28:20
実施例29:50
実施例30:100
実施例31:500
実施例46(表6):1000
【0117】
【表3】
Figure 0004104312
【0118】
実施例26〜31及び実施例46は、比較例3よりも高い最高輝度を示している。従って、発光助長性添加物の発光材料に対するモル比が0.1〜1000の範囲で、発光助長性添加物の効果が現れている。特に、このモル比が10〜500の範囲内でより良好な結果が得られている。
【0119】
(実施例32〜41)
ここでは、発光助長性添加物として種々の材料を用い、その影響を検討した。溶媒1としてはo−ジクロロベンゼンを用い、溶媒2としてはTHFを用い、発光材料としてはルブレンを用いた。結果を表4に示す。
【0120】
【表4】
Figure 0004104312
【0121】
表4から明らかなように、実施例32〜41においては、発光助長性添加物を用いていない比較例1に比べ、高い最高輝度が得られている。従って、これらの実施例で用いた発光助長性添加物のいずれについても、発光輝度を向上させる効果が認められた。
【0122】
(実施例42〜45)
ここでは、電極間のギャップの距離を変化させて、その影響を検討した。溶媒1としてはo−ジクロロベンゼンを用い、溶媒2としては2−メチルテトラヒドロフランを用い、発光材料としてはルブレンを用い、発光助長性添加物としては1,2−ジフェノキシエタンを用いた。
【0123】
電極間ギャップは、電極間に介在させるスペーサの大きさ及び形状を変えることにより行った。使用したスペーサは、樹脂製またはシリカ製のものであり、その形状が球形または円筒形のものである。
【0124】
結果を表5に示す。
【0125】
【表5】
Figure 0004104312
【0126】
表5から明らかなように、電極間ギャップが3μm、8μm、20μm、100μmと広くなるにつれて、最高輝度が減少している。従って、電極間ギャップとしては100μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは10μm以下であることがわかる。
【0127】
(実施例46〜48)
ここでは、発光材料であるルブレンの濃度を変化させ、その影響を検討した。溶媒1としてはo−ジクロロベンゼンを用い、溶媒2としてはトルエンを用い、発光助長性添加物としては1,2−ジフェノキシエタンを用いた。結果を表6に示す。
【0128】
【表6】
Figure 0004104312
【0129】
表6から明らかなように、発光材料の濃度が高くなるにつれて高い発光輝度が得られている。
【0130】
(実施例49〜52)
ここでは、種々の発光材料を用いてECL素子を作製した。溶媒1としてはo−ジクロロベンゼンを用い、溶媒2としてはトルエンを用い、発光助長性添加物としては1,2−ジフェノキシエタンを用いた。
表7に結果を示す。
【0131】
【表7】
Figure 0004104312
【0132】
表7に示すように、いずれの発光材料においても高い発光輝度が得られている。発光材料として9,10−ジフェニルアントラセンを用いた場合には、青色発光が得られている。発光材料として5,12−ジフェニルナフタセンを用いた場合には、緑色発光が得られている。発光材料として6,13−ジフェニルペンタセンを用いた場合には、赤色発光が得られている。また、発光材料としてジベンゾテトラ(メチルフェニル)ペリフランテンを用いた場合にも、赤色発光が得られている。
【0133】
(実施例53〜55)
ここでは、電極のシート抵抗値を変化させてその影響を検討した。表8に示すように、電極のシート抵抗値として、10Ω/□、300Ω/□、及び1000Ω/□のものを作製した。結果を表8に示す。
【0134】
【表8】
Figure 0004104312
【0135】
表8から明らかなように、電極のシート抵抗値が高くなるにつれて、発光輝度が低下している。従って、電極のシート抵抗値としては、1000Ω/□以下であることが好ましいことがわかる。
【0136】
(実施例56)
ここでは、有機EL素子において三重項状態から発光する発光材料として知られているトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムを用い、ECL素子を作製した。溶媒としてはベンゾニトリルを用い、発光助長性添加物は用いなかった。結果を表9に示す。
【0137】
【表9】
Figure 0004104312
【0138】
表9に示すように、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウムは、ECL素子に用いた場合にも、良好な発光輝度を示すことがわかった。
【0139】
(実施例57)
実施例2と同じ発光素子に、周波数30Hz、デューティー比50%の矩形波の+16V〜−16Vの範囲で変化する交流電圧を印加し、交流駆動させた。この素子は、180cd/m2の最高発光輝度を示した。この素子は、1時間連続して発光させた後も発光することが確認された。これに対し、実施例2の素子を直流駆動した場合には、1時間後にはほとんど発光が確認されなかった。このことから、本発明の発光素子は交流駆動で発光させることにより、発光を安定にすることができることがわかった。直流駆動の場合、電極の極性が固定してしまうので、長時間発光させると、発光分子の一方のイオンが陰極または陽極のどちらか一方の電極側に偏在してしまい、再結合が生じにくくなると考えられる。これに対し、交流駆動の場合、常に電極の極性が反転するため、上記のような現象が改善すると考えられる。
【0140】
図6は、本発明の製造方法に従う一実施例の製造工程を説明するための斜視図である。図6(a)に示すように、まず基板11と基板12を用意する。基板11及び基板12の内側の面には、ITOなどからなる電極を形成しておく。電極形状としては、例えば、互いに直交するようなストライプ状の電極を形成する。基板11及び基板12の少なくとも一方の周辺に、シール剤13を塗布する。
【0141】
次に、図6(b)に示すように、基板11と基板12を貼り合わせる。シール剤の内側の中空部の内部を真空引きして排気した後、図6(c)に示すように、基板11,12間に、発光溶液14を注入する。シール剤13の内側の中空部内は、真空引きされているので、発光溶液14をシール剤13の内側に容易に注入することができ、シール剤13の内側を発光溶液14で充満することができる。
【0142】
以上のようにして、図6(e)に示すように、一対の基板11,12間に発光溶液14を保持することができる。
上述のように、発光溶液14中にスペーサを添加しておくことにより、電極間の距離をスペーサによって規制されたギャップにすることができる。
【0143】
図7は、本発明に従う実施例のECL素子の構造を示す断面図である。ここでは、ガラス基板4及び5の外側に、それぞれ紫外線吸収フィルム8及び9が取り付けられている。このような紫外線吸収フィルム8及び9を基板の外側に設けることにより、外部光の紫外線を吸収することができるので、発光溶液内の発光材料が紫外線によって劣化するのを防止することができる。
【0144】
上記の実施例では、発光溶液に電圧を印加する電極として、ストライプ形状の電極を直交させて配置させる例を示したが、本発明のECL素子はこれに限定されるものではなく、種々の電極を用いることができる。例えば、従来より液晶表示ディスプレイ(LCD)の電極として用いられているものを採用することができる。
【0145】
(実施例58〜62)
表10に示すように、ここでは3種類以上の溶媒を混合して用いた。表10に示す溶媒B〜Eの含有量は、溶媒A100%に対する体積比%である。発光材料としてはルブレンを用い、発光助長性添加物としては1,2−ジフェノキシエタンを用いた。電極としては、いずれの電極もITOを用いた。
【0146】
【表10】
Figure 0004104312
【0147】
表10に示すように、ハロゲン含有ベンゼン誘導体からなる第1の溶媒、またはハロゲン含有ベンゼン誘電体以外の第2の溶媒として、2種類以上の溶媒を用いることができることがわかる。
【0148】
(実施例63〜65)
表11に示すように、2種類以上の発光材料を用いた。異なる発光色の発光材料を混合して用いることにより、素子の発光色を調整することができる。例えば、赤(R)、緑(G)、及び青 (B)のそれぞれの色を発色する発光材料を混合することにより、発光色を白色に調整することができる。
電極としては、いずれもITOを用いた。
【0149】
【表11】
Figure 0004104312
【0150】
表11から明らかなように、2種以上の発光材料を混合することにより、発光色を調整することができる。
【0151】
(実施例66〜67)
表12に示すように、2種類以上の発光助長性添加物を用いた。溶媒としては、o−ジクロロベンゼンとアセトニトリルを用い、発光材料としては、ルブレンを用いた。なお、電極としてはいずれもITOを用いた。
【0152】
【表12】
Figure 0004104312
【0153】
表12に示すように、本発明においては、2種類以上の発光助長性添加物を混合して用いることができる。
【0154】
(実施例68〜72)
表13に示すように、電極として、異なる材料からなる電極を用いた。この場合、陽極に仕事関数が大きい電極を用い、陰極に仕事関数が小さい電極を用いた。ITOに積層する電極を用いる場合には、ITOの上に電極を積層した。
【0155】
実施例69においては、ITO電極の上にPt金属電極を形成したものを陽極に用い、ITO電極の上にCs金属電極を積層したものを陰極に用いた。陽極のPt金属電極の厚みは10nmであり、陰極のCs金属電極の厚みは30nmである。
【0156】
実施例70においては、ITO電極の上にMg金属電極を形成したものを陰極に用いた。Mg金属電極の厚みは100nmである。
実施例71においては、ITO電極の上にAu金属電極を形成したものを陽極に用いた。Au金属電極の厚みは10nmである。また、ITO電極の上にAlLi合金電極を形成したものを陰極に用いた。AlLi合金の厚みは100nmであり、Al/Liの比率は99/1である。
実施例72においては、ITO電極の上にLaB6電極を形成したものを陰極に用いた。LaB6電極の厚みは10nmである。
【0157】
【表13】
Figure 0004104312
【0158】
表3に示す実施例27においては、電極としていずれもITOを用いているが、この実施例27に比べ、表13に示す実施例68〜72は、良好な発光効率を示している。従って、電極として異なる材料の電極を用い、仕事関数の差が0.1〜3.55eVとすることにより、発光効率を高めることができることがわかる。
【0159】
(実施例73〜78)
表14に示すように、発光材料として種々のイリジウム含有有機化合物を用いた。実施例74では、(化33)に示す構造を有するイリジウム含有化合物を用い、実施例75では、(化34)に示す構造を有するイリジウム含有化合物を発光材料として用い、実施例76では、(化35)に示す構造を有するイリジウム含有化合物を発光材料として用い、実施例77では、(化36)に示す構造を有するイリジウム含有化合物を発光材料として用い、実施例78では、(化37)に示す構造を有するイリジウム含有化合物を発光材料として用いた。
【0160】
【化33】
Figure 0004104312
【0161】
【化34】
Figure 0004104312
【0162】
【化35】
Figure 0004104312
【0163】
【化36】
Figure 0004104312
【0164】
【化37】
Figure 0004104312
【0165】
【表14】
Figure 0004104312
【0166】
表14に示すように、上記イリジウム含有化合物は、ECL素子の発光材料として用いた場合に良好な発光輝度を示すことがわかる。
【0167】
【発明の効果】
本発明によれば、安定して発光させることができ、かつ発光輝度が高いECL素子とすることができる。
また、本発明の製造方法によれば、効率的にECL素子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う一実施例のECL素子の構造を示す断面図。
【図2】本発明に従う一実施例のECL素子の製造工程を示す斜視図。
【図3】本発明に従う一実施例のECL素子の製造工程を示す斜視図。
【図4】本発明に従う一実施例のECL素子を示す平面図。
【図5】発光材料であるDPA、DPN、及びルブレンの発光スペクトルを示す図。
【図6】本発明の製造方法に従う一実施例の製造工程を示す斜視図。
【図7】本発明に従う他の実施例のECL素子の構造を示す断面図。
【符号の説明】
1…発光溶液
2,3…電極
4,5…ガラス基板
6…スペーサ
7…発光部
8,9…紫外線吸収フィルム
11,12…基板
13…シール剤
14…発光溶液

Claims (25)

  1. 発光材料と溶媒を含む発光溶液が、一対の電極の間に挟まれた素子構造を有する発光素子において、
    前記発光材料を安定化する非イオン性化合物からなる発光助長性添加物が、前記発光溶液に含有されていることを特徴とする発光素子。
  2. 前記発光助長性添加物が、ジエーテル構造、クラウンエーテル構造、またはポリエチレングリコール構造を有することを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記発光助長性添加物が、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ビス(2−エトキシエチル)エーテル、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ジベンジルオキシエタン、1,2−ビス(トシルオキシ)エタン、エチレングリコールビス〔4−(エトキシカルボニル)フェニル〕エーテル、1,3−ジフェノキシベンゼン、エチレングリコールジベンゾエート、ジフェノキシメタン、1,4−ジフェノキシベンゼン、3,3′−エチレンジオキシジフェノール、ポリエチレングリコール、及びジベンゾ−18−クラウン−6−エーテルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子。
  4. 前記溶媒として、ハロゲン含有ベンゼン誘導体が少なくとも含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光素子。
  5. 前記溶媒が、ハロゲン含有ベンゼン誘導体からなる第1の溶媒と、ハロゲン含有ベンゼン誘導体以外の第2の溶媒を含む混合溶媒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光素子。
  6. 前記ハロゲン含有ベンゼン誘導体が、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、及びクロロナフタレンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4または5に記載の発光素子。
  7. 前記第2の溶媒の室温における比誘電率が1.9〜90であることを特徴とする請求項5または6に記載の発光素子。
  8. 前記第2の溶媒が、アセトニトリル、2−メチルテトラヒドロフラン、トルエン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、テトラヒドロフラン、ベンゾンニトリル、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ニトロベンゼン、1,3−ジオキソラン、フラン、及びベンゾトリフルオリドから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の発光素子。
  9. 前記第1の溶媒と前記第2の溶媒の混合体積比(第1の溶媒/第2の溶媒)が、99/1〜10/90であることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の発光素子。
  10. 前記発光材料が、可視光領域における蛍光または燐光を有する縮合多環芳香族化合物または有機金属化合物であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の発光素子。
  11. 前記発光材料が、ナフタセン誘導体、アントラセン誘導体、ペンタセン誘導体、ペリフランテン誘導体、及びイリジウム含有有機金属化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の発光素子。
  12. 前記発光材料の発光溶液中での濃度が、0.0001〜0.5mol/lであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の発光素子。
  13. 前記発光助長性添加物の発光材料に対するモル比(発光助長性添加物のモル濃度/発光材料のモル濃度)が0.1〜1000であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の発光素子。
  14. 前記発光助長性添加物の発光材料に対するモル比(発光助長性添加物のモル濃度/発光材料のモル濃度)が10〜500であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の発光素子。
  15. 前記一対の電極の少なくともいずれか一方の可視光透過率が30%以上であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の発光素子。
  16. 前記一対の電極の少なくともいずれか一方がインジウム錫酸化物から形成されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の発光素子。
  17. 前記一対の電極の少なくともいずれか一方が、Sbを添加したSnO2;ZnOを添加したIn23;SnO2を添加したIn23;フッ素をドープした、In23、SnO2、ZnO及びCd2SnO4から選ばれる少なくと1種の金属酸化物;Li、Na、Cs、Sr、Ba、Ca、Eu、Mg、In、Mn、Ti、Ta、V、Al、Zn、Mo、Ag、Fe、Cu、Sn、Bi、Ni、Pd、Au、Ir、及びPtから選ばれる単体金属及びこれらの合金金属;または、LaB6、CeB6、PrB6、NdB6、SmB6、EuB6、及びGdB6から選ばれる6ホウ化ランタノイド化合物から形成されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の発光素子。
  18. 前記一対の電極が、互いに異なる材料からなる電極であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の発光素子。
  19. 前記異なる材料の仕事関数の差が0.1〜3.55eVであることを特徴とする請求項18に記載の発光素子。
  20. 前記一対の電極のシート抵抗値が1000Ω/□以下であることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の発光素子。
  21. 前記一対の電極の少なくともいずれか一方がガラス基板またはプラスチック基板の上に形成されていることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の発光素子。
  22. 前記基板の外側に紫外線吸収フィルムが設けられていることを特徴とする請求項21に記載の発光素子。
  23. 前記一対の電極の間のギャップが100μm以下であることを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の発光素子。
  24. 前記一対の電極の間にスペーサを介在させることにより前記ギャップが保たれていることを特徴とする請求項23に記載の発光素子。
  25. 一対の電極の間に挟まれ電圧が印加されることによって発光する発光溶液であって、
    発光材料と、溶媒と、前記発光材料を安定化する非イオン性化合物からなる発光助長性添加物とが含まれていることを特徴とする発光溶液。
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