JP2006245172A - 発光素子 - Google Patents

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和真 長尾
Seiichiro Murase
清一郎 村瀬
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Abstract

【課題】発光輝度が高く、かつ色純度に優れた赤色発光素子を提供すること。
【解決手段】陽極と陰極の間に少なくとも発光層が存在し、電気エネルギーにより発光する発光素子であって、発光層が特定の構造を有するアントラセン誘導体と、特定の構造を有するピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体を含有することを特徴とする発光素子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気エネルギーを光に変換できる発光素子であって、表示素子、フラットパネルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標識、看板、電子写真機および光信号発生器などの分野に利用可能な発光素子に関する。
陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する際に発光するという有機薄膜発光素子の研究が活発に行われている。この発光素子は、薄型でかつ低駆動電圧下での高輝度発光と、発光材料を選ぶことによる多色発光が特徴である。
この研究は、コダック社のC.W.Tangらによって有機薄膜素子が高輝度に発光することが示されて以来、多くの研究機関が検討を行っている。コダック社の研究グループが提示した有機薄膜発光素子の代表的な構成は、ITOガラス基板上に正孔輸送性のジアミン化合物、発光層であるトリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)、そして陰極としてMg:Agを順次設けたものであり、10V程度の駆動電圧で1000cd/mの緑色発光が可能であった(非特許文献1参照)。
また、有機薄膜発光素子は、発光層に種々の蛍光材料を用いることにより、多様な発光色を得ることが可能であることから、ディスプレイなどへの実用化研究が盛んである。三原色の発光材料の中では緑色発光材料の研究が最も進んでおり、現在は赤色発光材料と青色発光材料において、特性向上を目指して鋭意研究がなされている。
赤色発光を得る手法として、ホスト材料の中に微量の赤色発光材料をドーパント材料として混入させる方法が広く検討されており、ホスト材料であるAlqに微量の4−(ジシアノメチレン)−2−tert−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(DCJTB)を混入した赤色発光材料(特許文献1参照)が知られている。また、高色純度の赤色発光を得る手段として、540nm以上に蛍光ピークを有するホスト材料にドーパント材料としてピロメテン化合物を組み合わせたもの(特許文献2参照)がある。さらに、アントラセン誘導体を用いた赤色発光材料(特許文献3〜5参照)も知られている。
アプライド フィジックス レターズ(Applied Physics Letters)(米国)1987年,51巻,12号,p.913−915 特開平10−308281号公報(段落0057) 特開2000−208265号公報(請求項1) 特開2001−223083号公報(段落0063〜0065) 特開2002−134276号公報(段落0026) 特開2003−212875号公報(段落0021)
しかしながら従来の赤色発光素子では、発光輝度が高いものはゲストの発光スペクトルの半値幅が100nm程度と広いために高色純度の発光が得られておらず、またスペクトル幅が狭く高色純度の発光が可能なものでは、組み合わせるホスト材料が低輝度発光のため高輝度が得られず、色純度と輝度の両方の特性を高いレベルで満たすことは困難であった。本発明は、従来にない発光輝度が高く、かつ色純度に優れた赤色発光素子を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、陽極と陰極の間に少なくとも発光層が存在し、電気エネルギーにより発光する発光素子であって、発光層が一般式(1)で表されるアントラセン誘導体および一般式(5)に示すピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体を含有することを特徴とする発光素子である。
Figure 2006245172
〜R10のうち少なくとも一つは一般式(2)〜(4)から選ばれる基であり、その他のR〜R10はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、シリル基、ホスフィンオキサイド基の中から選ばれる。
Figure 2006245172
Ar〜Arはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、アリール基もしくはヘテロアリール基である。
Figure 2006245172
11〜R17のうち少なくとも一つは芳香環を含むかあるいは隣接置換基との間に縮合芳香環を形成し、残りは水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、シリル基、ホスフィンオキサイド基、隣接置換基との間に形成される縮合芳香環および脂肪族環の中から選ばれる。Xは炭素または窒素であるが、窒素の場合にはR17は置換基を有しない。金属錯体の金属は、ホウ素、ベリリウム、マグネシウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、白金から選ばれる少なくとも一種である。
本発明によれば、高い発光輝度を有し、色純度に優れた赤色発光素子が得られる。
本発明における発光素子の実施形態について例をあげて詳細に説明する。本発明の発光素子は、少なくとも陽極と陰極、およびそれら陽極と陰極の間に介在する発光層を含む有機層とで構成されている。
本発明で用いられる陽極は、正孔を有機層に効率よく注入できる材料であれば特に限定されないが、比較的仕事関数の大きい材料を用いるのが好ましく、例えば、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロールおよびポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが挙げられる。これらの電極材料は、単独で用いてもよいが、複数の材料を積層または混合して用いてもよい。
電極の抵抗は、発光素子の発光に十分な電流が供給できればよく、発光素子の消費電力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例えば、300Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能になっていることから、100Ω/□以下の低抵抗品を使用することが特に望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常100〜300nmの間で用いられることが多い。
また、発光素子の機械的強度を保つために、発光素子を基板上に形成することが好ましい。基板としては、ソーダガラスや無アルカリガラスなどのガラス基板が好適に用いられる。ガラス基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.5mm以上あれば十分である。ガラスの材質については、ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガラスの方が好ましいが、SiOなどのバリアコートを施したソーダライムガラスも市販されているのでこれを使用することもできる。さらに、陽極が安定に機能するのであれば、基板はガラスである必要はなく、例えば、プラスチック基板上に陽極を形成しても良い。ITO膜形成方法は、電子線ビーム法、スパッタリング法および化学反応法など特に制限を受けるものではない。
本発明で用いられる陰極に用いられる材料としては、電子を有機層に効率良く注入できる物質であれば特に限定されないが、一般に白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、セシウム、マグネシウムおよびこれらの合金などが挙げられる。電子注入効率をあげて素子特性を向上させるためには、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、セシウム、マグネシウムまたはこれら低仕事関数金属を含む合金が有効である。しかしながら、これらの低仕事関数金属は、一般に大気中で不安定であることが多く、例えば、有機層に微量のリチウムやマグネシウム(真空蒸着の膜厚計表示で1nm以下)をドーピングして安定性の高い電極を使用する方法が好ましい例として挙げることができる。また、フッ化リチウム、酸化リチウムのような無機塩の使用も可能である。更に、電極保護のために白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウムおよびインジウムなどの金属、またはこれら金属を用いた合金、そしてシリカ、チタニアおよび窒化ケイ素などの無機物、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、炭化水素系高分子化合物などを積層することが、好ましい例として挙げられる。これらの電極の作製法は、抵抗加熱、電子線ビーム、スパッタリング、イオンプレーティングおよびコーティングなど、導通を取ることができれば特に制限されない。
有機層の一部である発光層とは実際に発光が行われる層であり、本発明の発光層は、一般式(1)で示されるアントラセン誘導体を含む。
Figure 2006245172
ここで、R〜R10はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、シリル基、ホスフィンオキサイド基の中から選ばれる。但し、R〜R10のうち少なくとも一つは一般式(2)〜(4)で表される有機基を示す。
Figure 2006245172
ここで、Ar〜Arはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、アリール基もしくはヘテロアリール基である。
アントラセン骨格に一般式(2)の置換基を導入することで、誘導体全体のπ共役系が拡がることにより溶液中及び固体での蛍光強度を向上させることが可能になり、高輝度発光を得ることが可能となる。また、本発明のアントラセン誘導体をピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体と組み合わせて用いる場合、溶液での蛍光ピーク波長が540nm以上であることが好ましいが、一般式(2)の置換基を導入することで蛍光強度の増大と共に蛍光ピーク波長も長波長化させることが可能になる。一般式(3)の置換基はアントラセン骨格に電子供与性を付与するものであるから、一般式(2)と同様の効果が期待できる。また、一般式(4)の置換基は一般式(2)の置換基と同様π共役系の拡がりによる効果が期待できる。
本発明ではアントラセン骨格に一般式(2)〜(4)に示された置換基から選ばれる基を一つ以上導入すればよいが、蛍光ピーク波長を長波長化させるためには二つ以上導入することが好ましい。また、これらの置換基の導入位置は一般式(1)のRおよびR10が長波長化の効果が顕著に現れるため好ましい。
また、一般式(2)〜(4)に示された置換基は1種類を導入するだけでなく、複数種を同時に導入しても良いが、合成の容易さの観点から1種類の置換基を複数個導入することが好ましい。
一般式(2)〜(4)の置換基の導入方法は、公知の方法を使用することができる。例えば、一般式(2)の場合はパラジウム触媒下でのハロゲン化アントラセン誘導体とアルケニルボロン酸化合物のカップリング反応を用いる方法、一般式(3)の場合はパラジウム触媒下でのハロゲン化アントラセン誘導体とジアリールアミン誘導体のカップリング反応を用いる方法、一般式(4)の場合はパラジウム触媒下でのハロゲン化アントラセン誘導体とアリールアセチレン誘導体のカップリング反応を用いる方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、合成された誘導体の構造については1H−NMR、元素分析等の通常の分析手法を用いて同定できる。
これらの置換基の内、アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。置換されている場合の置換基には特に制限は無く、例えば、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基等を挙げることができ、この点は、特にことわりがない限り、以下に説明する他の置換基についても同様である。また、アルキル基の炭素数は特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、通常、1〜20の範囲である。
また、シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの飽和脂環式炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。アルキル基部分の炭素数は特に限定されないが、通常、3〜20の範囲である。
また、複素環基とは、ピラン環、ピペリジン環、環状アミドなどの炭素以外の原子を環内に有する脂肪族環からなる基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。複素環基の炭素数は特に限定されないが、通常、2〜20の範囲である。
また、アルケニル基とは、ビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。アルケニル基の炭素数は特に限定されないが、通常、2〜20の範囲である。
また、シクロアルケニル基とは、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基などの二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。
また、アルキニル基とは、エチニル基などの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。アルキニル基の炭素数は特に限定されないが、通常、2〜20の範囲である。
また、アルコキシ基とは、メトキシ基などのエーテル結合を介した脂肪族炭化水素基を示し、脂肪族炭化水素基は無置換でも置換されていてもかまわない。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、通常、1〜20の範囲である。
また、アルキルチオ基とは、アルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。
また、アリールエーテル基とは、フェノキシ基などのエーテル結合を介した芳香族炭化水素基を示し、芳香族炭化水素基は無置換でも置換されていてもかまわない。アリールエーテル基の炭素数は特に限定されないが、通常、6〜40の範囲である。
また、アリールチオエーテル基とは、アリールエーテル基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。
また、アリール基とは、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素基を示す。アリール基は、無置換でも置換されていてもかまわない。アリール基の炭素数は特に限定されないが、通常、6〜40の範囲である。
また、ヘテロアリール基とは、フラニル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、ピリジル基、キノリニル基、カルバゾリル基などの炭素以外の原子を環内に有する芳香族基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。ヘテロアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常、2〜30の範囲である。ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を示す。
カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ホスフィンオキサイド基は、無置換でも置換されていてもよく、これら置換基はさらに置換されていてもかまわない。
シリル基とは、例えば、トリメチルシリル基などのケイ素化合物基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。シリル基の炭素数は特に限定されないが、通常、3〜20の範囲である。また、ケイ素数は、通常、1〜6である。
一般式(1)で表される化合物の具体例として、以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2006245172
Figure 2006245172
Figure 2006245172
本発明で用いるアントラセン誘導体は、蛍光強度が強いためドーパント材料として用いても良いが、有機EL素子に用いる際と同様の薄膜状態(膜厚50nm程度)で強い蛍光を示すため、ホスト材料として好適に用いられる。
本発明の発光層はさらに、一般式(5)に示すピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体を含む。
Figure 2006245172
ここで、R11〜R17のうち少なくとも一つは芳香環を含むかあるいは隣接置換基との間に縮合芳香環を形成し、残りは水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、シリル基、ホスフィンオキサイド基、隣接置換基との間に形成される縮合芳香環および脂肪族環の中から選ばれる。Xは炭素または窒素であるが、窒素の場合にはR17は置換基を有しない。金属錯体の金属は、ホウ素、ベリリウム、マグネシウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、白金から選ばれる少なくとも一種である。これらの置換基のうち、芳香環とは芳香族炭化水素あるいは芳香族複素環を示し、これは無置換でも置換されていても構わない。隣接置換基との間に形成される縮合芳香環および脂肪族環とは、例えばR11とR12のような隣接する置換基間で共役または非共役の環を形成するものである。そして、これらの環は環内構造に窒素、酸素、硫黄原子を含んでいても良いし、さらに別の環と縮合していても良い。それ以外の置換基については上述したものと同じである。
一般式(5)で示された化合物は金属錯体を形成してもよく、そのときに用いられる好ましい金属は、ホウ素、ベリリウム、マグネシウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、白金から選ばれる少なくとも一種である。これらの金属は、いずれもピロメテン骨格を有する化合物に対して安定な配位状態を取ることが可能なものであり、配位することにより蛍光ピーク波長の半値幅が狭くなり、高色純度発光が可能となる。またこれら金属錯体の中でさらに好ましいのは、一般式(6)に表される金属錯体である。
高効率発光を得るためには、蛍光量子収率が高いものがより好ましく、ピロメテン骨格を有する化合物の金属錯体として、一般式(6)で表される化合物をより好適に用いることができる。
Figure 2006245172
ここで、R18〜R24のうち少なくとも一つは芳香環を含むかあるいは隣接置換基との間に縮合芳香環を形成し、残りは水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、シリル基、ホスフィンオキサイド基、隣接置換基との間に形成される縮合芳香環および脂肪族環の中から選ばれる。R25およびR26は同じでも異なっていてもよく、ハロゲン、水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基から選ばれる。これらの置換基の説明は上述したものと同じである。
さらなる高効率発光を得るためには、濃度消光が抑制された一般式(7)で表される化合物をより好適に用いることができる。
Figure 2006245172
ここで、R27およびR28は同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、シリル基、ホスフィンオキサイド基の中から選ばれる。R29およびR30は同じでも異なっていてもよく、ハロゲン、水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基から選ばれる。Ar〜Ar10はアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。これらの置換基の説明は上述したものと同じである。
一般式(6)で表される化合物の具体例として、以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2006245172
Figure 2006245172
Figure 2006245172
Figure 2006245172
Figure 2006245172
Figure 2006245172
Figure 2006245172
Figure 2006245172
Figure 2006245172
Figure 2006245172
Figure 2006245172
Figure 2006245172
Figure 2006245172
本発明で用いられるピロメテン化合物は、ホスト材料として用いても良いが、蛍光量子収率が高いことや、発光スペクトルの半値幅が小さく、高色純度発光が可能なことからドーパント材料として好適に用いられる。
また、発光層は単一層でも複数層からなってもどちらでもよく、それぞれ発光材料(ホスト材料、ドーパント材料)により形成される。ホスト材料とドーパント材料は、それぞれ一種類であっても、複数の組み合わせであっても、いずれでもよい。ドーパント材料はホスト材料の全体に含まれていても、部分的に含まれていても、いずれであってもよい。ドーパント材料の導入は積層されていても、分散されていても、いずれであってもよい。ドーパント材料の量は、多すぎると濃度消光現象が起きるため、ホスト材料に対して20重量%以下で用いることが好ましく、さらに好ましくは10重量%以下である。ドーピング方法としては、ホスト材料との共蒸着法によって形成することができるが、ホスト材料と予め混合してから同時に蒸着しても良い。
本発明で用いられる好ましいホスト材料としては、アントラセン化合物一種のみに限る必要はなく、複数のアントラセン化合物を混合して用いたり、既知のホスト材料の一種類以上をアントラセン化合物と混合して用いてもよい。以前から発光体として知られていたフェナンスレン、ピレン、テトラセンなどの縮合環誘導体、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンなどの芳香族アミン誘導体、トリス(8−キノリナート)アルミニウム(III)をはじめとする金属キレート化オキシノイド化合物、ジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、インデン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、オキサジアゾール誘導体、カルバゾール誘導体、ピロロピロール誘導体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体そして、ポリチオフェン誘導体が好適に用いられる。
好ましいドーパント材料としては、ピロメテン化合物一種のみに限る必要はなく、複数のピロメテン化合物を混合して用いたり、既知のドーパント材料の一種類以上をピロメテン化合物と混合して用いても良い。従来から知られているナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、トリフェニレン、ペリレン、フルオレン、インデンなどのアリール環を有する化合物やその誘導体、フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9−シラフルオレン、9,9’−スピロビシラフルオレン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フェナントロリン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、ピロロピリジン、チオキサンテンなどのヘテロアリール環を有する化合物やその誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、アミノスチリル誘導体、芳香族アセチレン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、スチルベン誘導体、アルダジン誘導体、クマリン誘導体、イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体およびN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンに代表される芳香族アミン誘導体などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明の発光素子は陽極と陰極の間に少なくとも発光層が存在するが、発光層のみからなる構成の他に、1)正孔輸送層/発光層/電子輸送層および、2)発光層/電子輸送層、3)正孔輸送層/発光層などの積層構成が挙げられる。また、上記各層は、それぞれ単一層からなってもよいし、複数層からなってもよい。正孔輸送層および電子輸送層が複数層からなる場合、電極に接する側の層をそれぞれ正孔注入層および電子注入層と呼ぶことがあるが、以下の説明では正孔注入層は正孔輸送層に、電子注入層は電子輸送層にそれぞれ含まれる。
正孔輸送層は、正孔輸送材料の一種または二種以上を積層、混合するか、正孔輸送材料と高分子結着剤の混合物により形成される。正孔輸送材料としては、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニル(フェニル)アミノ)トリフェニルアミンなどのトリフェニルアミン誘導体、ビス(N−アリルカルバゾール)またはビス(N−アルキルカルバゾール)などのカルバゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、ベンゾフラン誘導体やチオフェン誘導体、オキサジアゾール誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体などの複素環化合物、ポリマー系ではトリフェニルアミン等の前記誘導体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリビニルカルバゾールおよびポリシランなどが好ましいが、発光素子の作製に必要な薄膜を形成し、陽極から正孔が注入できて、さらに正孔を輸送できる化合物であれば特に限定されるものではない。
本発明において電子輸送層とは、陰極から電子が注入され、さらに電子を輸送する層であり、電子注入効率が高く、注入された電子を効率良く輸送することが望ましい。そのため電子輸送層に用いられる材料は、電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが要求される。ただし、正孔と電子の輸送バランスを考えた場合に、電子輸送層が陽極からの正孔が再結合せずに陰極側へ流れるのを効率よく阻止できる役割を主に果たす場合には、電子輸送能力がそれ程高くなくても、発光効率を向上させる効果は電子輸送能力が高い材料と同等に有する。したがって、本発明における電子輸送層は、正孔の移動を効率よく阻止できる正孔阻止層も同義のものとして含まれる。
電子輸送層に用いられる電子輸送材料としては、ナフタレン、アントラセンなどの縮合環系芳香環誘導体、4,4’−ビス(ジフェニルエテニル)ビフェニルに代表されるスチリル系芳香環誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、クマリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、アントラキノンやジフェノキノンなどのキノン誘導体、リンオキサイド誘導体、カルバゾール誘導体およびインドール誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)などのキノリノール錯体やヒドロキシフェニルオキサゾール錯体などのヒドロキシアゾール錯体、アゾメチン錯体、トロポロン金属錯体およびフラボノール金属錯体、電子受容性窒素を有するヘテロアリール環からなる化合物などが挙げられる。中でも、駆動電圧の低下や、耐久性の向上の観点から、電子受容性窒素を有するヘテロアリール環を有する化合物が、好適に用いられる。さらにヘテロアリール環を有する化合物が炭素、水素、窒素、酸素、ケイ素、リンからなる群の中から選ばれる元素で構成されると、駆動電圧が著しく低下するため好ましい。
電子受容性窒素を有するヘテロアリール環を有し、かつ炭素、水素、窒素、酸素、ケイ素、リンからなる群の中から選ばれる元素で構成される化合物としては、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、キノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジンやターピリジンなどのオリゴピリジン誘導体、キノキサリン誘導体およびナフチリジン誘導体などが好ましい化合物として挙げられる。中でも、トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼンなどのイミダゾール誘導体、1,3−ビス[(4−tert−ブチルフェニル)1,3,4−オキサジアゾリル]フェニレンなどのオキサジアゾール誘導体、N−ナフチル−2,5−ジフェニル−1,3,4−トリアゾールなどのトリアゾール誘導体、バソクプロインや1,3−ビス(2−フェニル−1,10−フェナントロリン−9−イル)ベンゼンなどのフェナントロリン誘導体、2,2’−ビス(ベンゾ[h]キノリン−2−イル)−9,9’−スピロビフルオレンなどのベンゾキノリン誘導体、1,3−ビス(4’−(2,2’:6’2”−ターピリジニル))ベンゼンなどのターピリジン誘導体、ビス(1−ナフチル)−4−(1,8−ナフチリジン−2−イル)フェニルホスフィンオキサイドなどのナフチリジン誘導体が、電子輸送能の観点から好ましく用いられる。
これらの電子輸送材料は単独でも用いられるが、異なる電子輸送材料と混合して使用しても構わない。また、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの金属と混合して用いることも可能である。電子輸送層のイオン化ポテンシャルは、特に限定されるものではないが、好ましくは5.8eV以上、より好ましくは6eV以上である。5.8eV以上であれば、発光層内の正孔を効率よく閉じこめ、電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
発光素子を構成する上記各層の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コーティング法など特に限定されるものではないが、通常は、抵抗加熱蒸着または電子ビーム蒸着が特性面で好ましい。
層の厚みは、発光物質の抵抗値にもよるので限定することはできないが、1〜1000nmの間から選ばれる。発光層、電子輸送層、正孔輸送層の膜厚はそれぞれ、好ましくは1nm以上200nm以下であり、さらに好ましくは5nm以上100nm以下である。
本発明の発光素子は、電気エネルギーを光に変換できる発光素子である。ここに電気エネルギーとは主に直流電流を指すが、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電力や寿命を考慮すると、できるだけ低いエネルギーで最大の輝度が得られるようにするべきである。
本発明の発光素子は、例えば、マトリクスおよび/またはセグメント方式で表示するディスプレイとして好適に用いられる。
本発明におけるマトリクスとは、表示のための画素が格子状やモザイク状など二次元的に配置されたものをいい、画素の集合で文字や画像を表示する。画素の形状やサイズは用途によって決まる。例えば、パソコン、モニター、テレビの画像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の四角形の画素が用いられ、また、表示パネルのような大型ディスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用いることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、緑、青の画素を並べて表示させる。この場合、典型的にはデルタタイプとストライプタイプがある。そして、このマトリクスの駆動方法としては、線順次駆動方法やアクティブマトリクスのどちらでもよい。線順次駆動は構造が簡単であり、動作特性を考慮した場合、アクティブマトリクスの方が用いる材料に負担をかけず、長寿命のディスプレイが得られる点で優れる場合があるので、これも用途によって使い分ければ良い。
本発明におけるセグメント方式(タイプ)とは、予め決められた情報を表示するようにパターンを形成し、決められた領域を発光させることになる。例えば、デジタル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や電磁調理器などの動作状態表示および自動車のパネル表示などが挙げられる。そして、マトリクス表示とセグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよい。
本発明の発光素子は、各種機器等のバックライトとしても好ましく用いられる。バックライトは、主に自発光しない表示装置の視認性を向上させる目的に使用され、液晶表示装置、時計、オーディオ装置、自動車パネル、表示板および標識などに使用される。特に、液晶表示装置、中でも薄型化が課題となっているパソコン用途のバックライトには、薄型、軽量の特性を有する本発明の発光素子を好適に用いることができる。
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、下記の各実施例にある化合物の番号は上記の具体的に列挙した化合物の番号を指すものである。
実施例1
ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板(旭硝子(株)製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を30×40mmに切断、エッチングを行った。得られた基板をアセトン、”セミコクリン(登録商標)56”(フルウチ化学(株)製)で各々15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。続いて、イソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄してから熱メタノールに15分間浸漬させて乾燥させた。この基板を素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−5Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、まず正孔注入材料として、銅フタロシアニンを10nm、正孔輸送材料として、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルを50nm蒸着した。次に、発光材料として、ホスト材料として、化合物〔3〕を、またドーパント材料として化合物〔91〕をドープ濃度が1重量%になるように35nmの厚さに蒸着した。次に、電子輸送材料として、4,4’−ビス(1,10−フェナントロリン−2−イル)テトラフェニルメタンを20nmの厚さに積層した。次に、リチウムを0.5nm有機層にドーピングした後、アルミニウムを1,000nm蒸着して陰極とし、5×5mm角の素子を作製した。ここで言う膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。この発光素子の発光ピーク波長は613nmであり、スペクトル半値幅は42nmの赤色発光が得られた。また、13Vの印加電圧で12000cd/mの発光輝度が得られた。
比較例1
ホスト材料として9,10−ビス(ジフェニルビニルフェニル)アントラセンを用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子の発光ピーク波長は613nm、スペクトル半値幅は42nmであったが、550nm付近にショルダーが観測され、高色純度赤色発光は得られなかった。また、13Vの印加電圧で3500cd/mの発光輝度であった。
比較例2
ホスト材料として9,10−ビス[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]アントラセンを用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子の発光ピーク波長は613nm、スペクトル半値幅は52nmであったが、550nm付近にショルダーが観測され、高色純度赤色発光は得られなかった。また、13Vの印加電圧で4000cd/mの発光輝度であった。
比較例3
ドーパント材料として4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピランを用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子の発光ピーク波長は609nm、スペクトル半値幅88nmであり、橙色発光であった。また、13Vの印加電圧で2800cd/mの発光輝度であった。
実施例2
ドーパント材料として化合物〔97〕をドープ濃度が1重量%となるように用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子の発光ピーク波長は616nmであり、スペクトル半値幅は42nmの赤色発光が得られた。また、13Vの印加電圧で11000cd/mの発光輝度が得られた。
実施例3
ドーパント材料として化合物〔100〕をドープ濃度が1重量%となるように用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子の発光ピーク波長は613nmであり、スペクトル半値幅は43nmの赤色発光が得られた。また、13Vの印加電圧で10000cd/mの発光輝度が得られた。
実施例4
ドーパント材料として化合物〔83〕をドープ濃度が1重量%となるように用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子の発光ピーク波長は629nmであり、スペクトル半値幅は34nmの赤色発光が得られた。また、13Vの印加電圧で6000cd/mの発光輝度が得られた。
実施例5
ドーパント材料として化合物〔153〕をドープ濃度が1重量%となるように用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子の発光ピーク波長は609nmであり、スペクトル半値幅は40nmの赤色発光が得られた。また、13Vの印加電圧で11800cd/mの発光輝度が得られた。
実施例6
ホスト材料として化合物〔16〕を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子の発光ピーク波長は613nmであり、スペクトル半値幅は43nmであった。また、13Vの印加電圧で6000cd/mの発光輝度が得られた。
実施例7
ホスト材料として化合物〔20〕を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子の発光ピーク波長は613nmであり、スペクトル半値幅は43nmであった。また、13Vの印加電圧で10900cd/mの発光輝度が得られた。
実施例8
電子輸送材料としてビス(1−ナフチル)−4−(1,8−ナフチリジン−2−イル)フェニルホスフィンオキサイドを用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子の発光ピーク波長は613nmであり、スペクトル半値幅は43nmであった。また、13Vの印加電圧で10500cd/mの発光輝度が得られた。
実施例9
ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板(旭硝子(株)製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を30×40mmに切断、フォトリソグラフィ法によって300μmピッチ(残り幅270μm)×32本のストライプ状にパターン加工した。ITOストライプの長辺方向片側は外部との電気的接続を容易にするために1.27mmピッチ(開口部幅800μm)まで広げてある。得られた基板をアセトン、”セミコクリン(登録商標)56”(フルウチ化学(株)製)で各々15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。続いて、イソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄してから熱メタノールに15分間浸漬させて乾燥させた。素子を作製する直前にこの基板を1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−4Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、まず正孔輸送材料として4,4’−ビス(N−(m−トリル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルを150nm蒸着した。次に、ホスト材料として化合物〔3〕を、またドーパント材料として化合物〔91〕をドープ濃度が5重量%になるように35nmの厚さに蒸着した。次に、電子輸送材料として、4,4’−ビス(1,10−フェナントロリン−2−イル)テトラフェニルメタンを20nmの厚さに積層した。ここで言う膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。次に、厚さ50μmのコバール板にウエットエッチングによって16本の250μmの開口部(残り幅50μm、300μmピッチに相当)を設けたマスクを、真空中でITOストライプに直交するようにマスク交換し、マスクとITO基板が密着するように裏面から磁石で固定した。そしてリチウムを0.5nm有機層にドーピングした後、アルミニウムを200nm蒸着して32×16ドットマトリクス素子を作製した。本素子をマトリクス駆動させたところ、クロストークなく文字表示できた。

Claims (1)

  1. 陽極と陰極の間に少なくとも発光層が存在し、電気エネルギーにより発光する発光素子であって、発光層が一般式(1)で表されるアントラセン誘導体、および一般式(5)に示すピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体を含有することを特徴とする発光素子。
    Figure 2006245172
    (R〜R10のうち少なくとも一つは一般式(2)〜(4)から選ばれる基であり、その他のR〜R10はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、シリル基、ホスフィンオキサイド基の中から選ばれる。)
    Figure 2006245172
    (Ar〜Arはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、アリール基もしくはヘテロアリール基である。)
    Figure 2006245172
    (R11〜R17のうち少なくとも一つは芳香環を含むかあるいは隣接置換基との間に縮合芳香環を形成し、残りは水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、シリル基、ホスフィンオキサイド基、隣接置換基との間に形成される縮合芳香環および脂肪族環の中から選ばれる。Xは炭素または窒素であるが、窒素の場合にはR17は置換基を有さない。金属錯体の金属は、ホウ素、ベリリウム、マグネシウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、白金から選ばれる少なくとも一種である。)
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