JP4103873B2 - ヘアカッターのコーム振動防止構造 - Google Patents
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Description
本発明は、ヘアカッターのコーム振動防止構造の改良に関する。
従来、カッター本体の上部に被嵌する刈り高さ調整用コームを上下スライド移動させて、毛髪や髭の刈り高さを調整するヘアカッターがある（特許文献１参照）。
特開平１−２１４３８８号公報
しかしながら、特許文献１の技術は、カッター本体の上部に刈り高さ調整用コームを単に被嵌しているだけであったから、刃ブロックの左右振動で刈り高さ調整用コームががたついて、びびり音が発生するという問題がある。
このがたつきを防止するためには、カッター本体に対する刈り高さ調整用コームの被嵌精度を高めれば良いが、刈り高さ調整用コームのスライド抵抗も高くなって操作性が悪くなるとともに、品質管理も難しくなるという問題がある。
本発明は、前記問題を解消するためになされたもので、刈り高さ調整用コームの振動を防止してびびり音の発生を少なくするとともに、操作性が良好で品質管理も容易になるヘアカッターのコーム振動防止構造を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するために、本発明は、カッター本体の上部に被嵌する刈り高さ調整用コームを上下スライド移動させて、刈り高さを調整するヘアカッターであって、前記刈り高さ調整用コームの両側内部のガイド凸条を前記カッター本体の両側外部のガイド凹条に係合させることで、カッター本体に対して刈り高さ調整用コームを上下スライド移動するようにガイドする一方、前記カッター本体のガイド凹条の上端側に、ガイド凹条の底から上端開口部内に貫通する突出穴を形成するとともに、両端を外向きＵ字状に折り曲げてなる当接部を形成した１本の線バネを設けて、この線バネをカッター本体の上端開口部内に嵌め込んで、当接部を突出穴からガイド凹条内に突出させてガイド凸条に当接させることで、刈り高さ調整用コームの両側内部を、両側外方向に突っ張るように付勢するようにしたことを特徴とするヘアカッターのコーム振動防止構造を提供するものである。
本発明によれば、刈り高さ調整用コームの両側内部を、１本の線バネの両端を外向きＵ字状に折り曲げてなる当接部で両側外方向に突っ張るように付勢したから、カッター本体に対する刈り高さ調整用コームの被嵌精度を高めなくても、刈り高さ調整用コームのがたつきが防止できて、びびり音の発生が少なくなる。特に、刃ブロックの往復動方向と同じ方向で刈り高さ調整用コームの両側内部を線バネで突っ張るから、刈り高さ調整用コームのがたつきを有効に防止できるようになる。また、１本の線バネの両端を外向きＵ字状に折り曲げてなる当接部で刈り高さ調整用コームを両側外方向に突っ張るように付勢するだけであるから、刈り高さ調整用コームのスライド移動がスムーズに行えて、操作性が良好になる。
さらに、刈り高さ調整用コームの両側内部のガイド凸条に、１本の線バネの両端を外向きＵ字状に折り曲げてなる当接部を当接させるようにしたから、突出穴で当接部が保持されるので、線バネの当接部の当接位置が安定であるとともに、線バネの当接部が当接する際の擦り傷が刈り高さ調整用コームの両側内部のガイド凸条だけに付くので、見栄えが悪くならない。
また、線バネの当接部をガイド凹条内に設けたから、見栄えが良好になる。
さらに、１本の線バネの両端に、ガイド凸条に当接する当接部を形成したから、線バネが１本で良くなるので、構造が簡単でコスト安になる。
また、ガイド凹条内に当接部を突出させる突出穴で線バネを保持できるから、別体の保持具が不要になるので、構造が簡単でコスト安になる。
さらに、線バネをカッター本体の上端側に設けたから、刈り高さ調整用コームのスライド移動の全ストロークに亘って、１本の線バネのみで刈り高さ調整用コームのがたつきが防止できるようになる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図１はヘアカッター１の斜視図、図２は、刃ブロック２と刈り高さ調整用コーム３とを取り外した状態のヘアカッター１の分解斜視図、図３は、刈り高さ調整用コーム３を取り外した状態のヘアカッター１の正面図である。
前記ヘアカッター１のカッター本体４は、片手で把持するのに適した外形状に形成されて、このカッター本体４の上端開口部４ａに刃ブロック２を着脱可能に取付けるようになっている。
前記刃ブロック２は、固定刃と可動刃とで構成されて、可動刃がカッター本体４の上端開口部４ａの内部に位置する駆動ピン５（図２参照）に係合するようになる。この駆動ピン５は、カッター本体４に内蔵した電動モータで左右方向Ｗに高速で往復動するようになっており、この駆動ピン５で可動刃が左右方向Ｗに高速で往復動されることにより、固定刃との間で毛髪や髭が刈られるようになる。
前記カッター本体４の正面には、前記駆動ピン５を往復動させる電動モータをオンオフするためのスライドスイッチ６と、刈り高さ調整用コーム３を上下スライド移動させるための手操作ダイアル７とが設けられている。
図４〜図６に詳細に示すように、前記カッター本体４の上部の両側外部４ｂ，４ｃには、上下方向に延在するガイド凹条４ｄ，４ｅがそれぞれ形成されるとともに、前記刈り高さ調整用コーム３の両側内部３ａ，３ｂには、上下方向に延在して前記両側外部４ｂ，４ｃに係合するガイド凸条３ｃ，３ｄがそれぞれ形成されている。
前記刈り高さ調整用コーム３は、カッター本体４の上端の刃ブロック２を覆うように、カッター本体４の上部に適度な隙間を隔てて被嵌されるとともに、カッター本体４のガイド凹条４ｄ，４ｅに刈り高さ調整用コーム３のガイド凸条３ｃ，３ｄが係合することで、カッター本体４に対して刈り高さ調整用コーム３がスムーズに上下スライド移動するようにガイドされるようになる。
前記カッター本体４の正面には、図２および図３に示すように、手操作ダイアル７の回転操作に連動する連動機構（ピニオン、ラック等）を介して、例えば手操作ダイアル７を右回りＲに操作すると下方向Ｄに移動するとともに、手操作ダイアル７を左方向Ｌに操作すると上方向Ｕに移動するフック部材８が設けられて、このフック部材８が前記刈り高さ調整用コーム３のフック用凹部３ｅ〔図４（ａ）（ｂ）参照〕を着脱可能に係止するようになる。
そして、手操作ダイアル７の右回りＲの操作でフック部材８が下方向Ｄに移動すると、フック部材８で刈り高さ調整用コーム３が下方向Ｄにスライド移動されるとともに、手操作ダイアル７の左回りＬの操作でフック部材８が上方向Ｕに移動すると、フック部材８で刈り高さ調整用コーム３が上方向Ｕにスライド移動されるようになる。
前記手操作ダイアル７の表面には、円周上等角度間隔で、指掛かりを兼ねた指針用突起７ａが形成されて、手操作ダイアル７の回転操作で、例えば各指針用突起７ａの間ごとの３等分位置でクリック機構（不図示）によりクリックが効くようになっている。
また、手操作ダイアル７の内方位置には窓９が設けられて、手操作ダイアル７の各指針用突起７ａに対応して付された刈り高さの目安となる数字（例えば１〜１２）を表示するようになっている。
図５および図６に示したように、前記カッター本体４のガイド凹条４ｄ，４ｅの上端側には、ガイド凹条４ｄ，４ｅの底から上端開口部４ａ内に貫通する突出穴４ｆ，４ｇがそれぞれ形成されている。
外向きＵ字状に折り曲げてなる当接部１０ａ，１０ｂを両端に形成した１本の線バネ（弾性部材）１０が設けられ、この線バネ１０は、前記カッター本体４の上端開口部４ａ内に嵌め込まれて、上端側の突出穴４ｆ，４ｇからガイド凹条４ｄ，４ｅ内に当接部１０ａ，１０ｂが突出されている。
この線バネ１０の当接部１０ａ，１０ｂは、カッター本体４のガイド凹条４ｄ，４ｅに係合する刈り高さ調整用コーム３のガイド凸条３ｃ，３ｄに当接して、刈り高さ調整用コーム３の両側内部３ａ，３ｂを両側外方向〔図６（ａ）の矢印Ｐ参照〕に突っ張るように付勢するようになる。
前記のようにヘアカッター１を構成すれば、刈り高さ調整用コーム３の両側内部３ａ，３ｂを、線バネ１０で両側外方向Ｐに突っ張るように付勢したから、カッター本体４に対する刈り高さ調整用コーム３の被嵌精度を高めなくても、刈り高さ調整用コーム３のがたつきが防止できて、びびり音の発生が少なくなる。特に、刃ブロック２の往復動方向と同じ方向で刈り高さ調整用コーム３の両側内部３ａ，３ｂを線バネ１０で突っ張るから、刈り高さ調整用コーム３のがたつきを有効に防止できるようになる。
また、線バネ１０で刈り高さ調整用コーム３を両側外方向Ｐに突っ張るように付勢するだけであるから、刈り高さ調整用コーム３のスライド移動がスムーズに行えて、操作性が良好になる。
さらに、刈り高さ調整用コーム３の両側内部３ａ，３ｂに設けたガイド凸条３ｃ，３ｄに、カッター本体４側に設けた線バネ１０を当接させるようにしたから、線バネ１０の当接位置が安定であるとともに、線バネ１０が当接する際の擦り傷が刈り高さ調整用コーム３の両側内部３ａ，３ｂのガイド凸条３ｃ，３ｄだけに付くので、見栄えが悪くならない。
さらにまた、刈り高さ調整用コーム３の両側内部３ａ，３ｂのガイド凸条３ｃ，３ｄに係合するガイド凹条４ｄ，４ｅをカッター本体４の両側外部４ｂ，４ｃに設けたから、カッター本体４で刈り高さ調整用コーム３がスムーズにスライド移動できるとともに、線バネ１０の当接部１０ａ，１０ｂをガイド凹条４ｄ，４ｅ内に設けたから、見栄えが良好になる。
また、線バネ１０は、１本の線バネで構成して、この線バネ１０の両端にガイド凸条３ｃ，３ｄに当接する当接部１０ａ，１０ｂをそれぞれ形成したから、線バネ１０が１本で良くなるので、構造が簡単でコスト安になる。
さらに、ガイド凹条４ｄ，４ｅ内に当接部１０ａ，１０ｂを突出させる突出穴４ｆ，４ｇで線バネ１０を保持できるから、別体の保持具が不要になるので、構造が簡単でコスト安になる。
さらにまた、線バネ１０をカッター本体４の上端側に設けたから、刈り高さ調整用コーム３のスライド移動の全ストロークに亘って、１本の線バネ１０のみで刈り高さ調整用コーム３のがたつきが防止できるようになる。
図７および図８は、比較例のヘアカッター１５である。このヘアカッター１５は、刈り高さ調整用コーム１６の後下側に、下方に延在する受け部１６ａを設けて、この受け部１６ａの一部をカッター本体１７に設けた収納溝部１７ａに移動自在に嵌め込むとともに、カッター本体１７の内部に設けた板バネ（弾性部材）１８で受け部１６ａを背面方向に押圧付勢することにより、刈り高さ調整用コーム１６のがたつきが防止して、びびり音の発生を少なくする構造である。
この比較例の構造であれば、刈り高さ調整用コーム１６に受け部１６ａが必要で、カッター本体１７に収納溝部１７ａが必要となるので、デザインの制約が多くなるとともに、板ばね１８が当接する際の擦り傷が受け部１６ａに付くので、刈り高さ調整用コーム１６をカッター本体１７から取り外したときの見栄えが悪くなるという問題がある。
これに対して、本実施形態では、刈り高さ調整用コーム３の両側内部３ａ，３ｂを、線バネ１０で両側外方向Ｐに突っ張るように付勢する構造であるから、受け部１６ａや収納溝部１７ａが不要になるので、デザインの制約が少なく無くなるとともに、線バネ１０が当接する際の擦り傷が刈り高さ調整用コーム３の両側内部３ａ，３ｂのガイド凸条３ｃ，３ｄに付くので、刈り高さ調整用コーム３をカッター本体４から取り外したときでも、擦り傷が付いた両側内部３ａ，３ｂのガイド凸条３ｃ，３ｄが見えにくいので、見栄えが良好になる。
１ ヘアカッター
２ 刃ブロック
３ 刈り高さ調整用コーム
３ａ，３ｂ 両側内部
３ｃ，３ｄ ガイド凸条
４ カッター本体
４ｂ，４ｃ 両側外部
４ｄ，４ｅ ガイド凹条
４ｆ，４ｇ 突出穴
１０ 線バネ（弾性部材）
１０ａ，１０ｂ 当接部
Ｐ 両側外方向
２ 刃ブロック
３ 刈り高さ調整用コーム
３ａ，３ｂ 両側内部
３ｃ，３ｄ ガイド凸条
４ カッター本体
４ｂ，４ｃ 両側外部
４ｄ，４ｅ ガイド凹条
４ｆ，４ｇ 突出穴
１０ 線バネ（弾性部材）
１０ａ，１０ｂ 当接部
Ｐ 両側外方向
Claims (1)
- カッター本体の上部に被嵌する刈り高さ調整用コームを上下スライド移動させて、刈り高さを調整するヘアカッターであって、
前記刈り高さ調整用コームの両側内部のガイド凸条を前記カッター本体の両側外部のガイド凹条に係合させることで、カッター本体に対して刈り高さ調整用コームを上下スライド移動するようにガイドする一方、
前記カッター本体のガイド凹条の上端側に、ガイド凹条の底から上端開口部内に貫通する突出穴を形成するとともに、両端を外向きＵ字状に折り曲げてなる当接部を形成した１本の線バネを設けて、この線バネをカッター本体の上端開口部内に嵌め込んで、当接部を突出穴からガイド凹条内に突出させてガイド凸条に当接させることで、刈り高さ調整用コームの両側内部を、両側外方向に突っ張るように付勢するようにしたことを特徴とするヘアカッターのコーム振動防止構造。
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