JP4103286B2 - 熱現像材料とその製造方法 - Google Patents

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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱現像により画像を形成する熱現像材料に関するもので、さらに詳しくは、水系の塗布液を用いて塗設された画像形成層を有し、かつ高湿度下での保存においてもカブリの発生が少ない熱現像材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、印刷製版や医療の分野では、画像形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題となっており、さらに、環境保全、省スペースの観点からも処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、熱現像により、高解像度で鮮明な黒色画像を形成することができる写真技術用途の光熱写真材料に関する技術が必要とされている。この技術として、例えば、米国特許第3,152,904号、同3,487,075号及びD.モーガン(Morgan)による「ドライシルバー写真材料(Dry Silver Photographic Materials)」(Handbook of Imaging Materials,Marcel Dekker,Inc.48,1991)等に記載の方法が良く知られている。これらの感光材料は通常、80℃以上の温度で現像が行われるので、熱現像材料と呼ばれている。
【0003】
しかし、これらの熱現像材料は、高湿度下の長期保存ではカブリが増大し、好ましくない結果を与えることが知られている。
【0004】
ところで、従来からこのタイプの熱現像材料の多くは、トルエン、メチルエチルケトン、メタノールなどの有機溶剤を溶媒とする塗布液を塗布することにより画像形成層を形成している。これは、バインダーとして用いているポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタールが有機溶媒にのみ溶解する為である。しかし、有機溶媒を溶媒として用いることは、製造工程での人体への悪影響だけでなく、溶剤の回収その他のためコスト上も不利である。
【0005】
そこで、このような心配のない水溶媒の塗布液を用いて画像形成層を形成する方法として、例えば特開昭49−562626号、同50−151138号、同53−116144号、同58−28737号、同60−61747号には水溶性のゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールをバインダーとする例が記載されている。
【0006】
さらに、近年では、特開平10−73899号、同10−73901号には水分散性のアクリル系のポリマー、水分散性のポリビニルアセタールを、バインダーとする画像形成層の例が記載されている。
【0007】
確かにこのようなバインダーを用いると、水溶媒の塗布液を用いて画像形成層を形成することができて環境面、コスト面のメリットは大きい。
【0008】
ところが、これらの水溶媒の塗布液を用いて画像形成層を形成する場合、特に高湿度下での長期保存によるカブリの問題が顕著になる。また、熱現像材料の画像形成層の薄膜化も望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、環境保全やコスト面で有利な水溶媒の塗布液を塗布して画像形成層を形成することができ、かつ高湿度下の保存でもカブリが低い熱現像材料を提供することである。また、画像形成層を薄膜にしても、良好な性能が得られる熱現像材料を得ることを他の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、下記により達成される。
【0011】
1)支持体、及び感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩を含有する画像形成層からなる熱現像材料において、該有機銀塩が下記一般式(1)で表されるポリマーとの銀塩であり、該熱現像材料の10000mm2を100mlの30質量%以上が水である液体分散媒中に、40℃で60分間浸漬させた後、該熱現像材料を取り除いたとき、該液体分散媒の40℃に於ける銀電位が200mV以下であることを特徴とする熱現像材料。
一般式(1)
−(A) a −(B) b
(式中、Aは酸基を含有するモノマーより誘導される繰り返し単位、BはA以外のモノマーより誘導される繰り返し単位を表す。a、bは共重合比を表し、aは5〜95質量%、bは5〜95質量%である。ここでa+b=100質量%である。)
【0012】
2)画像形成層もしくは構成層のいずれかに還元剤もしくは還元剤プレカーサーを含有することを特徴とする前記1)に記載の熱現像材料。
【0013】
3)画像形成層が液体分散媒の30質量%以上が水であり、その銀電位が200mV以下の塗布液を用いて塗布、乾燥して形成されることを特徴とする前記1)に記載の熱現像材料。
【0014】
4)画像形成層が液体分散媒の30質量%以上が有機溶媒である塗布液を用いて塗布、乾燥して形成されることを特徴とする前記1)に記載の熱現像材料。
【0016】
)ポリマーの酸基の95%以上が有機銀塩を形成していることを特徴とする前記〜4)のいずれか1項に記載の熱現像材料。
【0017】
)酸基がカルボキシル基であることを特徴とする前記5)に記載の熱現像材料。
【0018】
支持体、及び感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩を含有する画像形成層からなる熱現像材料において、少なくともカルボキシル基含有ジヒドロキシ化合物とジイソシアネート化合物を含む混合物の重付加より形成されるポリマーとの銀塩であり、該熱現像材料の10000mm 2 を100mlの30質量%以上が水である液体分散媒中に、40℃で60分間浸漬させた後、該熱現像材料を取り除いたとき、該液体分散媒の40℃に於ける銀電位が200mV以下であることを特徴とする熱現像材料。
【0019】
)有機銀塩を画像形成層の50質量%以上を含有し、バインダーを画像形成層の50質量%以下含有することを特徴とする前記)又は)に記載の熱現像材料。
【0020】
)画像形成層の厚さが1〜10μmであることを特徴とする前記)に記載の熱現像材料。
【0021】
10)塗布液が有機銀塩と30質量%以上が水である液体分散媒とからなる塗布液を塗布して画像形成層が形成されることを特徴とする前記1)又は7)に記載の熱現像材料の製造方法。
【0022】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱現像材料は、支持体と、前記一般式(1)で表されるポリマーとの銀塩、又は少なくともカルボキシル基含有ジヒドロキシ化合物とジイソシアネート化合物を含む混合物の重付加より形成されるポリマーとの銀塩である有機銀塩を含有する画像形成層と、支持体の画像形成層と同じ側に設けられた構成層を有するものである。また、画像形成層もしくは構成層が、感光性ハロゲン化銀粒子を含有するものである。さらに、10000mm2の熱現像材料を、40℃、100mlの30質量%以上の水を含有する液体分散媒中に、60分浸漬させた後、熱現像材料を液体分散媒中から取り除き、熱現像材料を取り除いた後の液体分散媒中の40℃における銀電位が、200mV以下であるというものである。銀電位の測定方法に関しては、後述する画像形成層の塗布液の銀電位の測定方法と同様である。
【0023】
なお、構成層とは、画像形成層以外の層をいい、例えば他の構成層や画像形成層を保護するための保護層や、下引層や、帯電防止層などをいう。さらに、熱現像材料には、支持体の画像形成層とは反対側にバッキング層などを設けるようにしてもよい。
【0024】
また、感光性ハロゲン化銀粒子は、画像形成層に有機銀塩と共に含有させてもよく、画像形成層に隣接する構成層に含有させてもよい。画像形成層に含有させることがより好ましい。
【0025】
また、画像形成層もしくは構成層に、還元剤もしくは還元剤の前駆体を含有させることが好ましい。特に、画像形成層か、画像形成層に隣接する層に、還元剤もしくは還元剤の前駆体を含有させることが好ましい。
【0026】
上記条件を満たす熱現像材料を達成する有機銀塩として、下記一般式(1)で表されるポリマーとの銀塩が挙げられる。
【0027】
一般式(1)
−(A)a−(B)b
Aは酸基を含有するモノマーより誘導される繰り返し単位、BはA以外のモノマーより誘導される繰り返し単位を表す。a、bは共重合比を表し、aは5〜95質量%、bは5〜95質量%で、a+b=100質量%である。
【0028】
なお、Aは酸基を含有するモノマーより誘導される繰り返し単位であればよく、複数種のモノマーより誘導される複数種の繰り返し単位の合計であってもよい。Bも同様に、A以外のモノマー(つまり酸基を含有しないモノマー)より誘導される繰り返し単位であればよく、複数種のモノマーより誘導される複数種の繰り返し単位の合計であってもよい。また、aは10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがさらに好ましい。
【0029】
また、画像形成層に含まれる有機銀塩中の50〜100質量%、好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%が上記ポリマーとの有機銀塩であることが好ましい。ポリマーとの有機銀塩と、ベヘン酸銀などの有機銀塩を組み合わせて用いてもよいし、ポリマーとの有機銀塩のみを有機銀塩として熱現像材料中に含有させてもよい。
【0030】
さらに、一般式(1)のポリマーとの銀塩である前記有機銀塩は、ポリマーの全酸基の95%以上が、銀塩を形成していることが好ましい。より好ましくは99%以上である。
【0031】
一般式(1)において、酸基であるAはカルボキシル基を含有するモノマーであることが好ましい。なお、このときAはカルボキシル基を含有するモノマーより誘導される繰り返し単位であればよく、複数種のモノマーより誘導される複数種の繰り返し単位の合計であってもよい。Bも同様に、A以外のモノマー(カルボキシル基を含有しないモノマー)より誘導される繰り返し単位であればよく、複数種のモノマーより誘導される複数種の繰り返し単位の合計であってもよい。
【0032】
また、一般式(1)のポリマーとの銀塩である有機銀塩を用いる場合、その一般式(1)のポリマーとの銀塩が画像形成層のバインダーを兼ねることが好ましい。つまり、画像形成層が一般式(1)のポリマーとの銀塩である有機銀塩を、画像形成層の50質量%以上含有し、さらに、画像形成層における一般式(1)のポリマーとの銀塩ではないバインダーの含有量を、画像形成層の50質量%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、一般式(1)のポリマーとの銀塩である有機銀塩を、画像形成層の70〜100質量%含有することであり、さらに好ましくは90〜100質量%である。
【0033】
また、画像形成層における、一般式(1)のポリマーとの銀塩ではないバインダーの含有量を、画像形成層の30質量%以下とすることがより好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。この構成により、画像形成層の厚さを薄くすることができ好ましい。好ましい画像形成層の厚さは1〜10μmである。より好ましくは、2〜8μmである。
【0034】
なお、本発明の熱現像材料は、以下のように製造することが好ましい。
支持体上に画像形成層用塗布液を塗布した後に、画像形成層用塗布液を塗布した支持体を乾燥させる。勿論、支持体と画像形成層の間に各種構成層を設けてから、画像形成層用塗布液を塗布してもよく、画像形成層を設けた後に、その上に各種構成層を設けてもよい。
【0035】
なお、本発明によって、画像形成層用塗布液の液体分散媒の30質量%以上が水(好ましくは60質量%以上)である場合であっても、画像形成層用塗布液の液体分散媒の30質量%以上(好ましくは60質量%以上)が有機溶媒である場合であっても、熱現像材料の長期保存性を良好にすることができる。特に、画像形成層用塗布液の液体分散媒の30質量%以上が水である場合に、その効果が顕著である。なお、有機溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン、メタノールなどを好ましく用いることができる。
【0036】
さらに、画像形成層用塗布液の液体分散媒の30質量%以上が水である場合、塗布液の銀電位が200mV以下であることが好ましい。なお、画像形成層用塗布液の液体分散媒の50質量%以上が水であることがより好ましく、70質量%以上が水であることがさらに好ましい。また、塗布液の銀電位が0〜200mVであることが好ましく、さらに好ましくは、20〜150mVである。この構成によって、長期保存性においてより問題の大きい、水系の塗布液を用いた場合であっても、長期保存性をより良好にすることができる。
【0037】
もちろん、一般式(1)のポリマーとの銀塩である有機銀塩は、塗布液の液体分散媒が水溶媒である場合であっても、有機溶媒である場合であっても用いることができる。
【0038】
本発明の熱現像材料の画像形成層を形成するための塗布液の溶媒は、水または水に70質量%を上限として水混和性の有機溶媒を混合したものから成っている。好ましくは、水混和性有機溶媒の含有量は5質量%未満である。水混和性の有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸エステル系、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のケトアミド系、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系などを挙げることができる。
【0039】
本発明の画像形成層の塗布液の銀電位は、200mV以下である。ここでいう銀電位とは、銀電極(純度99.99%以上)と10%KNO3塩溶液からなる塩橋を介した3mol/L溶液中のAg/AgCl電極からなる参照電極とを、40℃に保った塗布液に接触させた場合に、発生する両電極間の電位差と定義する。銀電位は0〜200mVであり、より好ましくは20〜150mVである。200mVを越えるとカブリを増大させ、0mV未満であると感度低下を引き起こす。
【0040】
銀電位の調整は、KCl、KBr、NaCl、NaBrなどのハロゲン化合物、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロインダゾールなどの窒素含有有機化合物、1−フェニル−5−メルカプトトリアゾール、1−メルカプトベンズチアゾール−5−スルホン酸ナトリウムのようなメルカプト化合物等を用いることができる。
【0041】
本発明において有機銀塩は還元可能な銀源であり、還元可能な銀イオン源を含有する酸ポリマーの銀塩が用いられる。また、配位子が、4.0〜10.0の銀イオンに対する総安定定数を有する有機又は無機の銀塩錯体も有用である。銀塩の例は、Research Disclosure第17029及び29963に記載されており、次のものがある:有機酸の塩(例えば、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の塩);銀のカルボキシアルキルチオ尿素塩(例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチオ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒドのようなアルデヒド類とサリチル酸、ベンジル酸3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジサリチル酸のようなヒドロキシ置換酸類);チオエン類の銀塩又は錯体(例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チオエン及び3−カルボキシメチル−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオエン);イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体また塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム等の銀塩;メルカプチド類の銀塩等が挙げられる。
【0042】
好ましくは酸基を5〜95質量%の範囲で含むポリマー銀塩を、有機銀塩として用いる。ここでいう、本発明の酸基を5〜95質量%の範囲で含むポリマーとは、高分子鎖の側鎖構造としてカルボン酸、スルホン酸、リン酸などの酸部分の繰り返しユニットを5〜95質量%の範囲で含むポリマーであり、該酸基と銀塩を形成している有機銀塩を用いることが最も好ましい。
【0043】
ポリマーの構造としてはポリエチレン系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系などが挙げられる。
【0044】
上記一般式(1)中、Aがカルボキシル基で表される繰り返し単位を与えるモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、スチレンカルボン酸、2−カルボキシエチルアクリレート、2−カルボキシエチルメタクリレート等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。これらのモノマーは単独で用いられても良いし、2種以上組み合わせて用いられてもよい。このうちアクリル酸およびメタクリル酸が特に好ましい。
【0045】
次に上記一般式(1)中、Bで表される繰り返し単位を与えるモノマーとしては、以下に示すアクリル酸エステル系モノマー、メタクリル酸エステル系モノマー、スチレン類、ハロゲン化ビニル類が好ましい。
【0046】
アクリル酸エステル類としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル等が挙げられる。
【0047】
メタクリル酸エステル類としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル等が挙げられる。
【0048】
スチレン類としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルメチルスチレン、p−クロロスチレン等が挙げられる。
【0049】
ハロゲン化ビニル類としては、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。これらのモノマーは単独で用いられても良いし、2種以上組み合わせて用いられてもよい。このうち好ましいのはメタクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチル、スチレンであり、特に好ましくはメタクリル酸メチルである。
【0050】
また、B成分の一部として、2つ以上のエチレン性不飽和基を有する架橋性モノマーを、C成分として含ませるとより好ましい結果が得られる。この2つ以上のエチレン性不飽和基を有する架橋性モノマーとしては、例えばジビニルベンゼン、4,4′−イソプロピリデンジフェニレンジアクリレート、1,3−ブチレンジアクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、1,4−シクロヘキシレンジメチレンジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジイソプロピリデングリコールジメタクリレート、ジビニルオキシメタン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、エチリデンジアクリレート、エチリデンジメタクリレート、1,6−ジアクリルアミドヘキサン、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、N,N′−(1,2−ジヒドロキシ)メチレンビスアクリルアミド、2,2′−ジメチル−1,3−トリメチレンジメタクリレート、フェニルエチレンジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、テトラメチレンジアクリレート、テトラメチレンジメタクリレート、2,2,2−トリクロロエチリデンジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3,5−トリアクロイルヘキサン−s−トリアジン、ビスアクリルアミド酢酸、エチリジントリメタクリレート、プロピリジントリアクリレート、ビニルアリルオキシアセテート、などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】
これらのモノマーは単独で用いられても良いし、2種以上組み合わせて用いられても良い。このうち好ましいのはエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、N,N′−メチレンビスアクリルアミドであり、特に好ましくはエチレングリコールジメタクリレートである。
【0052】
上記一般式(1)中、aとしては10〜80質量%、特に15〜60質量%であることが好ましい。bとしては20〜90質量%、特に40〜85質量%が好ましい。B成分の一部としてのC成分の含有量は、1〜20質量%、特に3〜15質量%が好ましい。
【0053】
また、少なくともカルボキシル基含有ジヒドロキシ化合物とジイソシアネート化合物を含む混合物の重付加から形成されるポリマーも好ましく用いられる。このポリマーはポリウレタンポリマーの一種であり、その構造中にカルボキシル基を含有することに特徴がある。カルボキシル基含有ジヒドロキシ化合物の具体例としては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)ブタン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)ブタン酸などが挙げられる。ジイソシアネート化合物の具体例としては、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。カルボキシル基含有ジヒドロキシ化合物の含有量は10〜60質量%が好ましく、より好ましくは、20〜50質量%である。上記成分のほかにポリウレタンの物性を調整したり、構造を3次元的にするために、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価ヒドロキシ化合物を成分として加えても良い。その場合、多価ヒドロキシ化合物の添加量は、1〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5〜20質量%である。
【0054】
本発明に好ましく用いられるポリマーの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。(数字は質量%を表す)
P−1 メタクリル酸/スチレン共重合体(30/70)
P−2 メタクリル酸/t−ブチルアクリレート共重合体(60/40)
P−3 メタクリル酸/ヘキシルアクリレート共重合体(50/50)
P−4 メタクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレート共重合体(40/60)
P−5 メタクリル酸/フェニルアクリレート共重合体(40/60)
P−6 メタクリル酸/シクロヘキシルアクリレート共重合体(40/60)
P−7 メタクリル酸/メチルメタクリレート共重合体(20/80)
P−8 メタクリル酸/エチルメタクリレート共重合体(30/70)
P−9 メタクリル酸/n−ブチルメタアクリレート/シクロヘキシルアクリレート共重合体(40/20/40)
P−10 メタクリル酸/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(40/60)
P−11 アクリル酸/スチレン共重合体(20/80)
P−12 アクリル酸/ヘキシルアクリレート共重合体(40/60)
P−13 アクリル酸/イソノニルアクリレート共重合体(60/40)
P−14 アクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレート共重合体(60/40)
P−15 アクリル酸/フェニルアクリレート共重合体(50/50)
P−16 イタコン酸/スチレン共重合体(40/60)
P−17 イタコン酸/2−エチルヘキシルアクリレート共重合体(40/60)
P−18 イタコン酸/ベンジルアクリレート共重合体(40/60)
P−19 マレイン酸/スチレン共重合体(40/60)
P−20 マレイン酸/ヘキシルアクリレート共重合体(20/80)
P−21 マレイン酸/フェニルアクリレート共重合体(40/60)
P−22 メタクリル酸/メチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート(40/50/10)
P−23 メタクリル酸/n−ブチルアクリレート/エチレングリコールジメタクリレート(30/60/10)
P−24 アクリル酸/メチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート(30/60/10)
P−25 アクリル酸/メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/ジビニルベンゼン(40/20/35/5)
P−26 アクリル酸/エチルアクリレート/メチレンビスアクリルアミド(40/55/5)
P−27 2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸/4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート重付加体(50/50)
P−28 2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸/トリレンジイソシアネート重付加体(50/50)
P−29 2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸/4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート/ヘキサメチレンジイソシアネート/トリエチレングリコール重付加体(40/35/10/15)
上記ポリマーにおいて、ポリエチレン系のものは、一般的な乳化重合法により得ることができる。乳化重合法については、室井宗一著「高分子ラテックスの化学」(高分子刊行会:1970年)の中で詳細に記されている。ポリウレタン系のものは、ギュンター・オーテル著「ポリウレタンハンドブック」(Gunter Oertel:Polyurethane Handbook,21,1985)、村橋俊介ら編「合成高分子」V p.309〜359などに記載の方法を参考にして行うことができる。
【0055】
本発明のポリマー銀塩のポリマー分子量は、重量平均分子量Mwが1000〜1000000が好ましく、より好ましくは3000〜500000である。
【0056】
本発明のポリマー銀塩は、上記ポリマーの水溶液または分散液と硝酸銀水溶液を混合することによって得られるが、正混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−127643号に記載されている様なコントロールドダブルジェット法等が好ましく用いられる。また、混合前に、あらかじめハロゲン化銀粒子をポリマーの水溶液または分散液に添加しておくことが好ましい。
【0057】
本発明のポリマー銀塩は好ましくは、銀量として0.5〜3g/m2以下で含有せしめる。更に好ましくは0.8〜2g/m2以下である。
【0058】
本発明におけるハロゲン化銀粒子は、光センサーとして機能するものである。画像形成後の白濁を低く抑えるため、及び良好な画質を得るために平均粒子サイズが小さい方が好ましく、平均粒子サイズが0.20μm以下、より好ましくは0.03〜0.15μm、特には0.03〜0.11μmが好ましい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。又、正常晶でない場合、例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。
【0059】
ハロゲン化銀粒子の形状については、特に制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には70%以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラー指数〔100〕面の比率は、増感色素の吸着における〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.Tani,J.Imaging Sci.,29,165(1985)により求めることができる。
【0060】
ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよい。本発明に用いられる写真乳剤は、P.Glafkides著Chimie et Physique Photographique(Paul Montel社刊、1967年)、G.F.Duffin著 Photographic Emulsion Chemistry(The Focal Press刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著Making and Coating Photographic Emulsion(The Focal Press刊、1964年)等に記載された方法を用いて調製することができる。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれでもよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形成としては、片側混合法、同時混合法、それらの組合せ等のいずれを用いてもよい。このハロゲン化銀は、いかなる方法で画像形成層に添加されてもよく、このときハロゲン化銀は還元可能な銀源に近接するように配置する。又、ハロゲン化銀は、有機酸銀とハロゲンイオンとの反応による有機酸銀中の銀の一部又は全部をハロゲン化銀に変換することによって調製してもよいし、ハロゲン化銀を予め調製しておき、これを有機銀塩を調製するための溶液に添加してもよく、又はこれらの方法の組み合わせも可能であるが、後者が好ましい。一般にハロゲン化銀は有機銀塩に対して0.75〜30質量%の量で含有することが好ましい。
【0061】
本発明に用いられるハロゲン化銀には、元素周期表の6族から11族に属する金属のイオン又は錯体イオンを含有することが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Auが好ましく、中でも印刷製版用感光材料に使用される場合はRh、Re、Ru、Ir、Osから選ばれることが好ましい。
【0062】
これらの金属は錯体の形でハロゲン化銀に導入できる。本発明においては、遷移金属錯体は、下記一般式で表される6配位錯体が好ましい。
【0063】
一般式 〔ML6m
式中、Mは周期表の6〜11族の元素から選ばれる遷移金属、Lは配位子、mは0、−、2−、3−または4−を表す。Lで表される配位子の具体例としては、ハロゲン化物(弗化物、塩化物、臭化物及び沃化物)、シアン化物、シアナート、チオシアナート、セレノシアナート、テルロシアナート、アジド及びアコの各配位子、ニトロシル、チオニトロシル等が挙げられ、好ましくはアコ、ニトロシル及びチオニトロシル等である。アコ配位子が存在する場合には、配位子の一つまたは二つを占めることが好ましい。Lは同一でもよく、また異なっていてもよい。
【0064】
Mとして特に好ましい具体例は、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、イリジウム(Ir)及びオスミウム(Os)である。
【0065】
以下に遷移金属錯体イオンの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0066】
1:〔RhCl63-
2:〔RuCl63-
3:〔ReCl63-
4:〔RuBr63-
5:〔OsCl63-
6:〔IrCl64-
7:〔Ru(NO)Cl52-
8:〔RuBr4(H2O)〕2-
9:〔Ru(NO)(H2O)Cl4-
10:〔RhCl5(H2O)〕2-
11:〔Re(NO)Cl52-
12:〔Re(NO)(CN)52-
13:〔Re(NO)Cl(CN)42-
14:〔Rh(NO)2Cl4-
15:〔Rh(NO)(H2O)Cl4-
16:〔Ru(NO)(CN)52-
17:〔Fe(CN)63-
18:〔Rh(NS)Cl52-
19:〔Os(NO)Cl52-
20:〔Cr(NO)Cl52-
21:〔Re(NO)Cl5-
22:〔Os(NS)Cl4(TeCN)〕2-
23:〔Ru(NS)Cl52-
24:〔Re(NS)Cl4(SeCN)〕2-
25:〔Os(NS)Cl(SCN)42-
26:〔Ir(NO)Cl52-
27:〔Ir(NS)Cl52-
これらの金属イオン、金属錯体または金属錯体イオンは一種類でもよいし、同種の金属及び異種の金属を二種以上併用してもよい。これらの金属イオン、金属錯体または金属錯体イオンの含有量としては、一般的にはハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10-2モルが適当であり、好ましくは1×10-8〜1×10-4モルである。
【0067】
これらの金属を提供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成長、物理熟成、化学増感の前後のどの段階で添加してもよいが、特に核形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが好ましく、更には核形成、成長の段階で添加するのが好ましく、最も好ましくは核形成の段階で添加する。
【0068】
添加に際しては、数回に渡って分割して添加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させることもできるし、特開昭63−29603号、特開平2−306236号、同3−167545号、同4−76534号、同6−110146号、同5−273683号等に記載されている様に粒子内部に分布を持たせて含有させることもできる。好ましくは粒子内部に分布を持たせて含有させたものである。
【0069】
これらの金属化合物は、水或いは適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液または水溶性ハライド溶液中に添加しておく方法、或いは銀塩溶液とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の水溶液として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子を調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入する方法、或いはハロゲン化銀調製時に予め金属のイオンまたは錯体イオンをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等がある。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。
【0070】
粒子表面に添加する時には、粒子形成直後または物理熟成時途中もしくは終了時または化学熟成時に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入することもできる。
【0071】
本発明の熱現像材料には還元剤を内蔵させることが好ましい。好適な還元剤の例は、米国特許第3,770,448号、同3,773,512号、同3,593,863号、及びResearch Disclosure第17029及び29963に記載されており、次のものが挙げられる。
【0072】
アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物(例えば、2−ヒドロキシ−3−ピペリジノ−2−シクロヘキセノン);還元剤の前駆体としてアミノレダクトン類(reductones)エステル(例えば、ピペリジノヘキソースレダクトンモノアセテート);N−ヒドロキシ尿素誘導体(例えば、N−p−メチルフェニル−N−ヒドロキシ尿素);アルデヒド又はケトンのヒドラゾン類(例えば、アントラセンアルデヒドフェニルヒドラゾン);ホスファーアミドフェノール類;ホスファーアミドアニリン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例えば、ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプロピルヒドロキノン及び(2,5−ジヒドロキシ−フェニル)メチルスルホン);スルフヒドロキサム酸類(例えば、ベンゼンスルフヒドロキサム酸);スルホンアミドアニリン類(例えば、4−(N−メタンスルホンアミド)アニリン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類(例えば、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テトラゾリルチオ)ヒドロキノン);テトラヒドロキノキサリン類(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン);アミドオキシム類;アジン類;脂肪族カルボン酸アリールヒドラザイド類とアスコルビン酸の組み合わせ;ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミンの組み合わせ;レダクトン及び/又はヒドラジン;ヒドロキサン酸類;アジン類とスルホンアミドフェノール類の組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導体;ビス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体の組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホンアミドフェノール還元剤;2−フェニルインダン−1,3−ジオン等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン類(例えば、2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジン);ビスフェノール類(例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(6−ヒドロキシ−m−トリ)メシトール(mesitol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノール)、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体);ヒンダードフェノール類;3−ピラゾリドン類。中でも特に好ましい還元剤は、ヒンダードフェノール類である。ヒンダードフェノール類としては、下記一般式(A)で表される化合物が挙げられる。
【0073】
【化1】
Figure 0004103286
【0074】
式中、Rは水素原子、又は炭素原子数1〜10のアルキル基(例えば、−C49、2,4,4−トリメチルペンチル)を表し、R′及びR″は炭素原子数1〜5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、t−ブチル)を表す。
【0075】
一般式(A)で表される化合物の具体例を以下に示す。ただし、本発明は、以下の化合物に限定されるものではない。
【0076】
【化2】
Figure 0004103286
【0077】
【化3】
Figure 0004103286
【0078】
前記一般式(A)で表される化合物を始めとする還元剤の使用量は、好ましくは銀1モル当り1×10-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルである。
【0079】
本発明の熱現像材料のバインダーとしては、前記ポリマー銀のポリマーがその役割をになうことが最も好ましいが、以下に記載のものをさらに添加してもよい。すなわち、透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(メチルメタクリル酸)などのポリ(アクリル酸エステル)類、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。親水性でも非親水性でもよい。
【0080】
特に好ましくは、ポリメチルメタクリル酸等のポリアクリル酸エステル類、コポリスチレン−ブタジエン、ポリビニルアセタール類、セルロースエステル類、ポリウレタン類である。
【0081】
本発明においては、感光性層のバインダー量が1.5〜10g/m2であることが好ましい。さらに好ましくは1.7〜8g/m2である。1.5g/m2未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用に耐えない場合がある。
【0082】
本発明においては、感光性層側にマット剤を含有することが好ましく、本発明熱現像材料の寸法の繰り返し精度を高めるには、ポリマーマット剤又は無機マット剤を乳剤層側の全バインダーに対し、質量比で0.5〜10%含有することが好ましい。
【0083】
本発明において好ましく用いられるマット剤の材質は、有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等をマット剤として用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。
【0084】
マット剤の形状は、定形、不定形どちらでも良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられる。マット剤の大きさは、マット剤の体積を球形に換算したときの直径で表される。本発明においてマット剤の粒径とは、この球形換算した直径のことを示すものとする。
【0085】
本発明に好ましく用いられるマット剤は、平均粒径が0.5〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0〜8.0μmである。又、粒子サイズ分布の変動係数としては、50%以下であることが好ましく、更に好ましくは40%以下であり、特に好ましくは30%以下となるマット剤である。
【0086】
ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下記の式で表される値である。
(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
マット剤は、任意の構成層中に含むことができるが、本発明の目的を達成するためには、好ましくは感光性層以外の構成層であり、更に好ましくは支持体から見て最も外側の層である。
【0087】
マット剤の添加方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。また複数の種類のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。
【0088】
本発明の熱現像材料は、熱現像処理にて写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀塩)、触媒活性量のハロゲン化銀、ヒドラジン誘導体、還元剤、及び必要に応じて銀の色調を抑制する色調剤を通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している熱現像材料であることが好ましい。
【0089】
本発明の熱現像材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80〜140℃)に加熱することで現像される。加熱することで、有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は、露光でハロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は、黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。この反応過程は、外部から水等の処理液を供給することなしで進行する。
【0090】
本発明の熱現像材料は、支持体上に少なくとも一層の感光性層を有している。支持体の上に感光性層のみを形成しても良いが、感光性層の上に少なくとも1層の非感光性層を形成することが好ましい。感光性層に通過する光の量、又は波長分布を制御するために、感光性層と同じ側又は反対側にフィルター層を形成しても良いし、感光性層に染料又は顔料を含ませても良い。染料としては、特願平7−11184号の化合物が好ましい。感光性層は複数層にしても良く、また階調の調節のため感度を高感層/低感層又は低感層/高感層にしても良い。各種の添加剤は感光性層、非感光性層、又はその他の形成層のいずれに添加しても良い。本発明の熱現像感光材料には、例えば界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を用いても良い。
【0091】
本発明の熱現像材料には、色調剤を添加することが好ましい。好適な色調剤の例はResearch Disclosure第17029号に開示されており、次のものがある。
【0092】
イミド類(例えば、フタルイミド)、環状イミド類、ピラゾリン−5−オン類及びキナゾリノン類(例えば、スクシンイミド、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン及び2,4−チアゾリジンジオン)、ナフタルイミド類(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミド)、コバルト錯体(例えば、コバルトのヘキサアンミントリフルオロアセテート)、メルカプタン類(例えば、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール)、N−(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド類(例えば、N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド)、ブロックされたピラゾール類、イソチウロニウム(isothiuronium)誘導体及びある種の光漂白剤の組み合わせ(例えば、N,N′−ヘキサメチレンビス(1−カルバモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−(3,6−ジオキサオクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)及び2−(トリブロモメチルスルホニル)ベンゾチアゾールの組み合わせ)、メロシアニン染料(例えば、3−エチル−5−[(3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン)−1−メチルエチリデン]−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン)、フタラジノン、フタラジノン誘導体又はこれらの誘導体の金属塩(例えば、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノン及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン)、フタラジノンとスルフィン酸誘導体の組み合わせ(例えば、6−クロロフタラジノンとベンゼンスルフィン酸ナトリウム、又は8−メチルフタラジノンとp−トリルスルフィン酸ナトリウム)、フタラジノンとフタル酸の組み合わせ、フタラジン(フタラジンとマレイン酸無水物の付加物を含む)とフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から選択される少なくとも1つの化合物との組み合わせ、キナゾリンジオン類、ベンズオキサジン又はナフトオキサジン誘導体、ベンズオキサジン−2,4−ジオン類(例えば、1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン)、ピリミジン類及び不斉トリアジン類(例えば、2,4−ジヒドロキシピリミジン)、テトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラザペンタレン)。
【0093】
本発明の熱現像材料中には、カブリ防止剤が含まれて良い。最も有効なカブリ防止剤として知られているものは、水銀イオンである。熱現像材料中にカブリ防止剤として水銀化合物を使用することについては、例えば米国特許第3,589,903号に開示されている。しかし、水銀化合物は環境的に好ましくない。非水銀カブリ防止剤としては、例えば米国特許第4,546,075号及び同4,452,885号及び特開昭59−57234号に開示されている様なカブリ防止剤が好ましい。
【0094】
特に好ましい非水銀カブリ防止剤は、米国特許第3,874,946号及び同4,756,999号に開示されているような化合物、−C(X1)(X2)(X3)(ここでX1及びX2はハロゲンで、X3は水素又はハロゲン)で表される1以上の置換基を備えたヘテロ環状化合物である。好適なカブリ防止剤の例としては、特開平9−90550号段落番号〔0062〕〜〔0063〕に記載されている化合物等が好ましく用いられる。
【0095】
更に、より好適なカブリ防止剤は、米国特許第5,028,523号及び欧州特許第600,587号、同631,176号、同605,981号に開示されている。
【0096】
本発明の熱現像材料には、例えば特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号、米国特許第4,639,414号、同4,740,455号、同4,741,966号、同4,751,175号、同4,835,096号に記載された増感色素が使用できる。
【0097】
本発明に使用される有用な増感色素は、例えばResearch Disclosure Item17643IV−A項(1978年12月p.23)、同Item1831X項(1978年8月p.437)に記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。例えば特開平9−34078号、同9−54409号、同9−80679号記載の化合物が好ましく用いられる。
【0098】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0099】
実施例1
〔下引済み写真用支持体の作製〕
厚さ130μmのポリエチレンテレフタレート支持体の両面に、8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−1を、乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し、乾燥させて下引層A−1とし、また反対側の面に下記下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し、乾燥させて下引層B−1とした。
【0100】
《下引塗布液a−1》
ブチルアクリレート(30質量%)
t−ブチルアクリレート(20質量%)
スチレン(25質量%)
2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%)の共重合体ラテックス液
(固形分30%) 270g
(C−1) 0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1Lに仕上げる
《下引塗布液b−1》
ブチルアクリレート(40質量%)
スチレン(20質量%)
グリシジルアクリレート(40質量%)の共重合体ラテックス液
(固形分30%) 270g
(C−1) 0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1Lに仕上げる
引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、8W/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μmになる様に下引層A−2として、下引層B−1の上には下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmになる様に、帯電防止機能をもつ下引上層B−2として塗設した。
【0101】
《下引上層塗布液a−2》
ゼラチン 0.4g/m2になる質量
(C−1) 0.2g
(C−2) 0.2g
(C−3) 0.1g
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g
水で1Lに仕上げる
《下引上層塗布液b−2》
(C−4) 60g
(C−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g
硫酸アンモニウム 0.5g
(C−6) 12g
ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g
水で1Lに仕上げる
【0102】
【化4】
Figure 0004103286
【0103】
【化5】
Figure 0004103286
【0104】
〈ハロゲン化銀粒子乳剤Aの調製〉
水900ml中に、イナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して、温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウムを含む水溶液及び塩化ロジウムを銀1モル当たり1×10-4モルを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。
【0105】
その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加し、NaOHでpHを5に調整して、平均粒子サイズ0.06μm、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀粒子乳剤Aを得た。
【0106】
〈ポリマー銀塩の調製〉
表1に示すポリマーを、それぞれ酸基が25ミリモルに当たる固形分量になるように計りとり、蒸留水を加えて300mlとした。これに1N水酸化ナトリウム水溶液をpH8.7になるまで15分かけて添加した。次に、30℃に保ちながら、1mol/Lリン酸水溶液7mlを添加し、より激しく撹拌しながらN−ブロモサクシンイミド0.02gを添加した後、先に調製したハロゲン化銀粒子乳剤Aをハロゲン化銀量が2.5ミリモルとなるように添加した。この液を、500mlの蒸留水中に10gのオセインゼラチン、1gのポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル(平均エチレンユニット数8個)を溶解したものを添加してホモジナイザーで分散しながら、1mol/L硝酸銀水溶液25mlを、30℃の温度下で30分かけて添加した。添加終了後、さらに30分攪拌し限外濾過により、濾水の伝導度が30μS/cmになるまで水溶性塩類等を除去し、平均粒子径約1μmのハロゲン化銀/ポリマー銀の水分散液(PG−1〜PG−8)得た。
【0107】
〈有機酸銀塩の調製〉
ステアリン酸1.3g、アラキジン酸0.5g、ベヘン酸8.5g、蒸留水300mlを90℃で15分間混合し、激しく撹拌しながら1mol/L水酸化ナトリウム水溶液をpH8.7になるまで15分かけて添加した後、30℃に降温した。次に、1mol/Lリン酸水溶液7mlを添加し、より激しく撹拌しながらN−ブロモサクシンイミド0.02gを添加した後、先に調製したハロゲン化銀粒子乳剤Aを、ハロゲン化銀量が2.5ミリモルとなるように添加した。
【0108】
この液に、500mlの蒸留水中に10gのオセインゼラチン、1gのポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル(平均エチレンユニット数8個)を溶解したものを添加してホモジナイザーで分散しながら、1mol/L硝酸銀水溶液25mlを30℃の温度下で30分かけて添加した。添加終了後、さらに30分攪拌し限外濾過により、濾水の伝導度が30μS/cmになるまで水溶性塩類等を除去し、平均粒子径約1μmのハロゲン化銀/有機銀の水分散液(有機銀塩B)得た。
【0109】
〈画像形成層塗布液の調製〉
上記で下引層を施した支持体上に、以下の各層を順次形成し、試料を作製した。尚、乾燥は各々75℃、5分間で行った。
【0110】
バック面側塗布
バック層:以下の組成物の水溶液または水分散物に、水を加えて調製した塗布液を、以下の付き量になるように塗布乾燥した。
【0111】
ゼラチン 7.0g/m2
染料−B 70mg/m2
染料−C 70mg/m2
【0112】
【化6】
Figure 0004103286
【0113】
画像形成層面側塗布
画像形成層:以下の組成物の水分散体に、水を加えて塗布液を調製した。この塗布液を40℃に保ち、銀電極(純度99.99%以上)と10%KNO3塩溶液からなる塩橋を介した3mol/L溶液中のAg/AgCl電極からなる参照電極から形成される銀電位計を用いて銀電位を測定後、以下の付き量になるように塗布乾燥した。
【0114】
Figure 0004103286
【0115】
【化7】
Figure 0004103286
【0116】
【化8】
Figure 0004103286
【0117】
なお、画像形成層の膜厚は、有機銀塩としてポリマー銀塩を用いたものは、8μmとなり、ベヘン酸銀を用いたものは17μmとなった。
【0118】
表面保護層:以下の組成物の水溶液または水分散体に、水を加えて調製した塗布液を、以下の付き量になるように塗布乾燥した。
【0119】
ゼラチン 2.0g/m2
フタラジン 1.0g/m2
4−メチルフタル酸 0.72g/m2
テトラクロロフタル酸 0.22g/m2
テトラクロロフタル酸無水物 0.5g/m2
シリカマット剤(平均粒径5μm) 0.5g/m2
《写真性能の評価》
上記で作製した熱現像材料を2つに折半し、ひとつは780nmの半導体レーザーを有するレーザー感光計で露光した。その後、ヒートドラムを用いて130℃で25秒熱現像処理した。その際、露光及び現像は25℃、60%RHに調湿した部屋で行った。得られた画像の評価(感度とカブリおよび最高濃度(Dmax))を濃度計により行った(常温写真性)。感度はカブリ(最低)濃度(Dmin)より0.3高い濃度を与える露光量の比の逆数で評価し、塗布試料No.1を基準として相対評価で表わした。なお、熱現像材料の露光面と露光レーザー光の角度は80度とした。上記の測定は熱現像材料を24時間、25℃、60%RHの雰囲気下に置いた後に行った。残りは25℃、80%RHの雰囲気下で3日間保存した後に、上と同様の評価を実施した(高湿写真性)。
【0120】
《熱現像材料の銀電位の評価》
上記で作製した熱現像材料10000mm2を、100mm2サイズに細かく刻んだ後、全量を200mlビーカー内の40℃に保温された水/メタノール(70/30)液100mlに60分間浸漬させた。熱現像材料を取り除いた後に、液温度を40℃に保ちながら、塗布液の測定に使用したのと同じ銀電位計を用いて銀電位を測定した。評価した結果を表2に示す。
【0121】
【表1】
Figure 0004103286
【0122】
【表2】
Figure 0004103286
【0123】
表2の結果から、塗布液の銀電位を本発明の範囲内に調整してやると、高湿雰囲気下でのカブリ上昇が少ないことが分かる。また、水溶媒による塗布が可能となり環境面、コスト面で好ましい。また、有機銀塩としてポリマー銀塩を用いると、良好な保存性を保ったまま、画像形成層の膜厚を薄くでき好ましい。
【0124】
実施例2
〔下引済み写真用支持体の作製〕
厚さ175μmのポリエチレンテレフタレート支持体の両面に、8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液cを、乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し、乾燥させて下引層Cとし、また反対側の面に下記下引塗布液d−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し、乾燥させて下引層D−1とした。
【0125】
《下引塗布液c》
ポリエステル共重合体分散物ペスレジンA−515GB
(30%、高松油脂(株)製) 200ml
ポリスチレン微粒子(平均粒径0.2μm) 50g
界面活性剤A(1質量%) 20ml
水で1Lに仕上げる
界面活性剤A:C919−C64−(CH2CH2nH n=8.5
《下引塗布液d−1》
スチレンーブタジエン共重合体水分散物
(スチレン/ブタジエン/イタコン酸=47/50/3(質量比)、
濃度30質量%) 200ml
ポリスチレン微粒子(平均粒径2.5μm) 0.1g
水で1Lに仕上げる
引き続き、下引層D−1の上表面に、8W/m2・分のコロナ放電を施し、下記下引上層塗布液d−2を乾燥膜厚0.8μmになる様に、帯電防止機能をもつ下引上層D−2として塗設した。
【0126】
《下引上層塗布液d−2》
イナートゼラチン 10g
酸化スズ−酸化アンチモン複合物微粒子の水分散物(40質量%)
(特開昭61−20033号に記載) 40g
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g
水で1Lに仕上げる。
【0127】
〈ハロゲン化銀粒子乳剤Bの調製〉
水900ml中に、イナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して、温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウムを含む水溶液及び塩化イリジウムを銀1モル当たり1×10-4モルを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。
【0128】
その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加し、NaOHでpHを5に調整して、平均粒子サイズ0.06μm、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀粒子乳剤Bを得た。
【0129】
〈ポリマー銀塩の調製〉
表1に示すポリマーを用い、ハロゲン化銀粒子乳剤Aをハロゲン化銀粒子乳剤Bに変えた以外は、実施例1と全く同様にして、平均粒子径約1μmのハロゲン化銀/ポリマー銀の水分散液を得た。
【0130】
〈有機酸銀塩の調製〉
ハロゲン化銀粒子乳剤Aをハロゲン化銀粒子乳剤Bに変えた以外は、実施例1と全く同様にして、平均粒子径約1μmのハロゲン化銀/有機銀の水分散液(有機銀塩B−2)を得た。まず、バック層を実施例1と全く同様にして設けた。
【0131】
画像形成層面側塗布
上記で下引層Cを施した支持体上に、以下の各層を各素材が以下の付き量になるように、この順で同時に塗布乾燥し、試料を作製した。尚、乾燥は75℃、5分間で行った。
【0132】
画像形成層:以下の組成物の水分散体に、水を加えて塗布液を調製した。なお塗布する前に、この塗布液を40℃に保ち、銀電極(純度99.99%以上)と10%KNO3塩溶液からなる塩橋を介した3mol/L溶液中のAg/AgCl電極からなる参照電極から形成される銀電位計を用いて銀電位を測定した。
【0133】
Figure 0004103286
なお、画像形成層の膜厚は、有機銀塩としてポリマー銀塩を用いたものは、7μmとなり、ベヘン酸銀を用いたものは15μmとなった。
【0134】
表面保護層:以下の組成物の水溶液または水分散体に、水を加えて塗布液を調製した。
【0135】
Figure 0004103286
《熱現像材料の銀電位の評価》
上記で作製した熱現像材料10000mm2を、100mm2サイズに細かく刻んだ後、全量を200mlビーカー内の40℃に保温された水/メタノール(70/30)液100mlに60分間浸漬させた。熱現像材料を取り除いた後に、液温度を40℃に保ちながら、塗布液の測定に使用したのと同じ銀電位計を用いて銀電位を測定した。さらに、実施例1と同様に写真性能を評価した。評価結果を表3に示す。
【0136】
【表3】
Figure 0004103286
【0137】
表3より明らかなように、本発明に係る熱現像材料は、高湿保存性において良好な結果を示した。また、有機銀塩としてポリマー銀塩を用いると、良好な保存性を保ったまま、画像形成層の膜厚を薄くでき好ましい。
【0138】
実施例3
〔写真用支持体の作製〕
濃度0.170(コニカ(株)製デンシトメータPDA−65にて測定)に青色着色した、厚み175μmのPETフィルムの両面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施した。
【0139】
(感光性ハロゲン化銀乳剤Cの調製)
A1
フェニルカルバモイル化ゼラチン 88.3g
化合物(A)(10%メタノール水溶液) 10ml
臭化カリウム 0.32g
水で5429mlに仕上げる
B1
0.67N硝酸銀水溶液 2635ml
C1
臭化カリウム 51.55g
沃化カリウム 1.47g
水で660mlに仕上げる
D1
臭化カリウム 154.9g
沃化カリウム 4.41g
塩化イリジウム(1%溶液) 0.93ml
水で1982mlに仕上げる
E1
0.4N臭化カリウム水溶液 pAg8.09に制御するのに必要な量
F1
水酸化カリウム 0.71g
水で20mlに仕上げる
G1
56%酢酸水溶液 18.0ml
H1
無水炭酸ナトリウム 1.72g
水で151mlに仕上げる
化合物(A):
HO(CH2CH2O)n(CH(CH3)CH2O)17(CH2CH2O)m
(m+n=5〜7)
特公昭58−58288号、同58−58289号に示される混合攪拌機を用いて溶液(A1)に溶液(B1)の1/4量及び溶液(C1)全量を温度45℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合法により4分45秒を要して添加し、核形成を行った。1分後、溶液(F1)の全量を添加した。6分間経過後、溶液(B1)の3/4量及び溶液(D1)の全量を、温度45℃、溶液(E1)によってpAg8.09に制御しながら、同時混合法により14分15秒かけて添加した。5分間攪拌した後、40℃に降温し、溶液(G1)を全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分2000mlを残して上澄み液を取り除き、水を10リットル加え、攪拌後、再度ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄み液を取り除き、更に水を10リットル加え、攪拌後、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄み液を取り除いた後、溶液(H1)を加え、60℃に昇温し、更に120分攪拌した。最後にpHが5.8になるように調整し、銀量1モル当たり1161gになるように水を添加し、感光性ハロゲン化銀乳剤Cを得た。
【0140】
この乳剤は平均粒子サイズ0.058μm、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率92%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった。
【0141】
(感光性乳剤分散液Cの調製)
4720mlの純水にベヘン酸217.6g、アラキジン酸28.2g、ステアリン酸6.4gを90℃で溶解した。次に4mol/L−NaOH93.3mlを添加し40℃に冷却して脂肪酸ナトリウム溶液を得た。上記脂肪酸ナトリウム溶液を40℃に保ったまま45.3gの感光性ハロゲン化銀乳剤Cと純水450mlを添加し5分間攪拌した。
【0142】
次に1mol/Lの硝酸銀溶液702.6mlを2分間かけて添加し、10分間攪拌し有機銀塩分散物を得た。その後、得られた有機銀塩分散物を水洗容器に移し、脱イオン水を加えて攪拌後、静置させて有機銀塩分散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去した。その後、排水の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実施した後、40℃にて重量減がなくなるまで温風循環乾燥機にて乾燥を行い、粉末有機銀塩を得た。
【0143】
ポリビニルブチラール粉末(Monsanto社製、Butvar B−79)14.57gをメチルエチルケトン1457gに溶解し、VMA−GETZMANN社製ディゾルバDISPERMAT CA−40M型にて攪拌しながら、前記で得た粉末有機銀塩500gを、徐々に添加して十分に混合することにより予備分散液を調製した。GM−2型圧力式ホモジナイザ(エスエムテー社製)を用いて、前記で得た予備分散液を2パス分散することにより感光性乳剤分散液Cを調製した。
【0144】
(感光性乳剤分散液D−1〜D−4の調製)
表1に示すポリマーを、それぞれ酸基が0.7モルに当たる固形分量になるように計りとり、1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液、濃硝酸及び純水にてpH5.9の液5000mlを調製した。液温度を30℃に保ちながら、45.3gの上記の感光性ハロゲン化銀乳剤Cと純水450mlを添加し5分間攪拌した。
【0145】
次に1mol/Lの硝酸銀溶液702.6mlを2分間かけて添加し、10分間攪拌し有機銀塩分散物を得た。その後、得られた有機銀塩分散物を水洗容器に移し、脱イオン水を加えて攪拌後、静置させて有機銀塩分散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去した。その後、排水の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実施した後、40℃にて重量減がなくなるまで温風循環乾燥機にて乾燥を行い、粉末有機銀塩を得た。
【0146】
ポリビニルブチラール粉末(Monsanto社製、Butvar B−79)14.57gをメチルエチルケトン1457gに溶解し、VMA−GETZMANN社製ディゾルバDISPERMAT CA−40M型にて攪拌しながら前記で得た粉末有機銀塩500gを徐々に添加して十分に混合することにより予備分散液を調製した。
【0147】
GM−2型圧力式ホモジナイザ(エスエムテー社製)を用いて、前記で得た予備分散液を2パス分散することにより感光性乳剤分散液D−1〜D−4を調製した。
【0148】
(画像形成層塗布液の調製)
前記の各感光性乳剤分散液500gおよびメチルエチルケトン100gを、攪拌しながら21℃に保温した。その後、不活性気体雰囲気下で下記の添加剤を加え、画像形成層塗布液を調製した。
【0149】
ピリジニウムヒドロブロミドパーブロミド(PHP、0.45g)を加え、1時間攪拌した。さらに臭化カルシウム(10%メタノール溶液3.25ml)を添加して30分攪拌した。
【0150】
次に赤外増感色素1、4−クロロ−2−ベンゾイル安息香酸、および強色増感剤(5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾール)の混合溶液(混合比率1:250:20、増感色素で0.1%メタノール溶液、7ml)を添加して1時間攪拌した後に、温度を13℃まで降温してさらに30分攪拌する。13℃に保温したまま、ポリビニルブチラール(Monsanto社製Butvar B−79)を添加して充分溶解してから、以下の添加物を順次添加し感光層塗布液とした。
【0151】
Figure 0004103286
(表面保護層塗布液の調製)
メチルエチルケトン865gに攪拌しながら、セルロースアセテートブチレート(EastmanChemical社製CAB171−15)96g、ポリメチルメタクリル酸(ローム&ハース社製パラロイドA−21)4.5gを添加し溶解した。この液に1,3−ビス(ビニルスルホニル)−2−ヒドロキシプロパンを1.5g、ベンゾトリアゾール1.0g、シリカ(富士シリシア サイロイド320)1.6g及びフッ素系活性剤(旭硝子社製サーフロンKH40)1.0gを添加、溶解し、表面保護層塗布液を調製した。
【0152】
(保護下層塗布液の調製)
メチルエチルケトン665gに攪拌しながら、ポリビニルブチラール粉末(Monsanto社製Butvar B−79)65g、ポリメチルメタクリル酸(ローム&ハース社製パラロイドA−21)3.5gを添加し溶解した。この液に1,3−ビス(ビニルスルホニル)−2−ヒドロキシプロパンを4.5g、ベンゾトリアゾール3.0g、シリカ(富士シリシア サイロイド320)1.6gを添加し溶解し、保護下層塗布液を調製した。
【0153】
(画像形成層面側塗布)
以上のようにして調製した画像形成層塗布液及び保護下層塗布液、表面保護層塗布液を用いて、画像形成層乾燥膜厚7μm、保護下層乾燥膜厚1μm、表面保護層乾燥膜厚1μmになる量で支持体上へ、この順で各層同時重層塗布し、乾燥は75℃、5分間で行い熱現像材料を作製した。なお、塗布銀量は1.6g/m2になるように調節したため、画像形成層の有機酸銀塩/(有機酸銀塩+ポリビニルブチラール)質量比率は、すべての試料で70質量%以上であった。
【0154】
(バック面塗布液の調製)
メチルエチルケトン830gに攪拌しながら、セルロースアセテートブチレート(EastmanChemical社製CAB381−20)84.2g、ポリエステル樹脂(Bostic社製VitelPE2200B)4.5gを添加し溶解した。溶解した液に、赤外染料1を0.30g添加し、さらにメタノール43.2gに溶解したフッ素系活性剤(旭硝子社製サーフロンKH40)4.5gとフッ素系活性剤(大日本インク社製メガファッグF120K)2.3gを添加して、溶解するまで十分に攪拌を行った。最後に、メチルエチルケトンに1質量%の濃度でディゾルバ型ホモジナイザーにて分散したシリカ(W.R.Grace社、サイロイド64X6000)を75g添加、攪拌しバック面の塗布液を調製した。
【0155】
(バック面の塗布)
このように調整したバック面塗布液を、乾燥膜厚が3.5μmになるように押し出しコーターにて、上記で作製した試料に塗布乾燥を行った。乾燥温度100℃、露点温度10℃の乾燥風を用いて5分間かけて乾燥した。
【0156】
なお、以上により作製した感光材料中に含まれる残留溶媒の総量は130mg/m2であった。
【0157】
《熱現像材料の銀電位の評価》
上記で作製した熱現像材料10000mm2を、100mm2サイズに細かく刻んだ後、全量を200mlビーカー内の40℃に保温された水/メタノール(70/30)液100mlに60分間浸漬させた。熱現像材料を取り除いた後に、液温度を40℃に保ちながら、塗布液の測定に使用したのと同じ銀電位計を用いて銀電位を測定した。以上のようにして作製した試料について、実施例1と同様に写真性能を評価した。
【0158】
【化9】
Figure 0004103286
【0159】
【表4】
Figure 0004103286
【0160】
表4より明らかなように、本発明に係る試料は、高湿保存性において良好な結果を示した。また、画像形成層が7μmという薄くとも良好な結果を得られている。
【0161】
【発明の効果】
実施例の結果からも明らかなように、本発明により環境、人体に有害でコスト上不利な有機溶媒を使用しないで画像形成層の塗設が可能で、かつ画像形成層が薄くとも高湿度保存でも、高感度でカブリの低い熱現像材料を提供することができた。

Claims (10)

  1. 支持体、及び感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩を含有する画像形成層からなる熱現像材料において、該有機銀塩が下記一般式(1)で表されるポリマーとの銀塩であり、該熱現像材料の10000mm2を100mlの30質量%以上が水である液体分散媒中に、40℃で60分間浸漬させた後、該熱現像材料を取り除いたとき、該液体分散媒の40℃に於ける銀電位が200mV以下であることを特徴とする熱現像材料。
    一般式(1)
    −(A) a −(B) b
    (式中、Aは酸基を含有するモノマーより誘導される繰り返し単位、BはA以外のモノマーより誘導される繰り返し単位を表す。a、bは共重合比を表し、aは5〜95質量%、bは5〜95質量%である。ここでa+b=100質量%である。)
  2. 画像形成層もしくは構成層のいずれかに還元剤もしくは還元剤プレカーサーを含有することを特徴とする請求項1に記載の熱現像材料。
  3. 画像形成層が液体分散媒の30質量%以上が水であり、その銀電位が200mV以下の塗布液を用いて塗布、乾燥して形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱現像材料。
  4. 画像形成層が液体分散媒の30質量%以上が有機溶媒である塗布液を用いて塗布、乾燥して形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱現像材料。
  5. ポリマーの酸基の95%以上が有機銀塩を形成していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱現像材料。
  6. 酸基がカルボキシル基であることを特徴とする請求項5に記載の熱現像材料。
  7. 支持体、及び感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩を含有する画像形成層からなる熱現像材料において、該有機銀塩が少なくともカルボキシル基含有ジヒドロキシ化合物とジイソシアネート化合物を含む混合物の重付加より形成されるポリマーとの銀塩であり、該熱現像材料の10000mm 2 を100mlの30質量%以上が水である液体分散媒中に、40℃で60分間浸漬させた後、該熱現像材料を取り除いたとき、該液体分散媒の40℃に於ける銀電位が200mV以下であることを特徴とする熱現像材料。
  8. 有機銀塩を画像形成層の50質量%以上を含有し、バインダーを画像形成層の50質量%以下含有することを特徴とする請求項1又は7に記載の熱現像材料。
  9. 画像形成層の厚さが1〜10μmであることを特徴とする請求項8に記載の熱現像材料。
  10. 塗布液が有機銀塩と30質量%以上が水である液体分散媒とからなる塗布液を塗布して画像形成層が形成されることを特徴とする請求項1又は7に記載の熱現像材料の製造方法。
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