JP3747651B2 - 熱現像感光材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は搬送性及び経時性に優れ、かつ安定した現像性を有する熱現像感光材料に関し、特に白黒熱現像感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から医療の分野では画像形成材料の湿式処理に伴う廃液が作業性の上で問題となっていたが、近年では環境保全、省スペースの観点からも処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメージセッターやレーザー・イメージャーにより効率的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像を形成することができる写真技術用途の光熱写真材料に関する技術が必要とされている。この技術として、例えば、米国特許第3,152,904号、同3,487,075号及びD.モーガン(Morgan)による「ドライシルバー写真材料(Dry Silver Photographic Materials)」(Handbook of Imaging Materials, Marcel Dekker,Inc.第48頁,1991)等に記載されているように、支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子及び還元剤を含有する熱現像感光材料が知られている。又、熱現像感光材料を熱現像する自動現像機は湿式現像のような大きな処理槽を必要としないのでコンパクトに設計できるという利点があることも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、医療の分野ではCT(Computed Tomography)画像やMRI(Magnetic Resonance Imaging)画像のようなデジタル機器で撮影したデータをイメージャでフィルムに出力して現像処理した画像で診断を行うことが行われている。上記の熱現像感光材料をこれらのイメージャの出力に使用することは、機械の設置が少ない面積ですむことや処理操作の簡易さ、又環境保全の観点から優れている。しかしながらこれらの熱現像感光材料は、通常120℃以上の高温で処理されるため、熱現像部を有する自動現像機で搬送不良を引き起こしたり、長期保存した場合に熱現像後の濃度変動が大きかったり、又温度や時間の熱現像条件の変動、特に処理温度が低温の場合の感度やカブリなどの性能が大きく変動するという問題があった。
【0004】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱現像感光材料を処理するに於いて、特に自動現像機で処理する際の搬送不良を防止し、又長期保存した場合、熱現像後の濃度変動を抑制し、更に処理温度に依存することなく感度やカブリの変動をなくすことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下の構成により達成された。
【0006】
1)支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子及び有機銀粒子を有する感光層を少なくとも1層有し、かつ還元剤を感光層を有する側の写真構成層中に含有する熱現像感光材料に於いて、前記感光層を有する側の最表面のスムースター値が40mmHg以下であり、かつ該感光層側の写真構成層中にフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする熱現像感光材料。
【0007】
2)前記感光層を有する側の最表面のスムースター値が0.1mmHg以上35mmHg以下であることを特徴とする1)記載の熱現像感光材料。
【0008】
3)前記支持体を挟んで感光層を有する側とは反対側の最表面のスムースター値が80mmHg以上であり、かつ該感光層側とは反対側の写真構成層中にフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする1)又は2)記載の熱現像感光材料。
【0009】
4)前記支持体を挟んで感光層を有する側とは反対側の最表面のスムースター値が85mmHg以上400mmHg以下であることを特徴とする3)記載の熱現像感光材料。
【0012】
)感光層中の全有機銀の60%以上が平板状粒子であることを特徴とする1)、2)、3)又は4)記載の熱現像感光材料。
【0013】
本発明の要旨は、熱現像感光材料を熱現像処理する際の、高温処理のため搬送不良、長期保存した場合の熱現像後の濃度変動の増大、又処理温度が低温の場合の感度やカブリ性能等の変動という問題を改善するに当たり、感光性ハロゲン化銀粒子及び有機銀粒子を有する感光層の側、及び/又は支持体を挟んで感光層を有する側とは反対側のそれぞれの最表面のスムースター値を特定領域に設定し、かつフッ素系界面活性剤をそれぞれの写真構成層中に含有せしめる構成を採用することで達成し得ることを見出したものである。即ち、支持体の両面間における最表面のスムースター値を特定し、かつフッ素系界面活性剤を用いた場合には、熱現像感光材料を熱現像処理する際の種々問題を改善でき、その結果優れた画像が得られることを見出したものである。
【0014】
尚、熱現像感光材料に於いてフッ素系界面活性剤を用いた点に限ってみれば、塗布性や帯電防止の改良を目的として使用する技術が特開昭60−244945号、特開平7−173225号、又特開平7−233268号などで提案されている。又特開平9−281636号には特定のフッ素系界面活性剤を熱現像感光材料に使用することで経時保存時のカブリの変動を少なくする作用が提案されている。
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
本発明は支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子及び有機銀粒子を有する感光層を少なくとも1層有し、かつ還元剤を感光層を有する側の写真構成層中に含有する熱現像感光材料に於いて、
a)感光層を有する側の最表面のスムースター値が40mmHg以下であり、かつ該感光層側の写真構成層中にフッ素系界面活性剤を含有する、及びb)前記支持体を挟んで感光層を有する側とは反対側の最表面のスムースター値が80mmHg以上であり、かつ該感光層側とは反対側の写真構成層中にフッ素系界面活性剤を含有する、構成によりなされたものである。
【0017】
本発明に於いて、感光材料のスムースター値は、未露光未現像のいわゆる生フイルムの感光層を有する側の最表面について、又は生フイルムの感光層を有する側とは反対側の最表面について、下記の条件で測定された吸引圧の値(mmHg)で定義する。
【0018】
測定は東栄電気工業社製スムースターSM−6Bによって行う。真空型の空気マイクロメーターを利用したこの装置では図1のように測定ヘッドに吸着された被測定面の粗さに応じ流入する空気量を圧力(mmHg)の変化として測定する。高い圧力の値は表面の凹凸が大きいこと及び/又は凹凸の数が多いことに対応する。即ち図1の様に測定すべき試料の表面上に測定ヘッドを置き一定の開口面積を持つ絞りを通してヘッド内の空気を真空ポンプで排気し、ヘッド内の気圧P(mmHg)を読み取りスムースター値として表示する。尚、測定する前に23℃、相対湿度48%で2時間調湿し、同じ環境下で上記装置で測定する。
【0019】
本発明における一つの形態として、a)感光層を有する側の最表面のスムースター値は40mmHg以下であり、好ましくは0.1mmHgから35mmHgの範囲であり、更に好ましくは1mmHgから32mmHgの範囲である。そして、本発明におけるもう一つの形態として、b)支持体を挟み感光層を有する側とは反対側の最表面のスムースター値が80mmHg以上であり、好ましくは85mmHgから400mmHgの範囲であり、更に好ましくは90mmHgから250mmHgの範囲である。
【0020】
スムースター値は、感光材料の構成層中のポリビニルブチラール、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル及びポリマーラテックス等のバインダーの量、マット剤の粒径、形状、添加量等の組合せや、硬膜剤や可塑剤等のバインダー物性を変化させる化合物の種類や量、塗布乾燥条件等によって決まる。本発明に於いてはこれらの技術を組み合わせることでスムースター値を最適の範囲にする。
【0021】
又本発明に於いては、感光層側の写真構成層中及び/又は該感光層側とは反対側の写真構成層中にフッ素系界面活性剤を含有する。
【0022】
用いられるフッ素系界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性いずれでも良いが、その中でもノニオン性のものが好ましい。そしてこれらは低分子化合物であっても、高分子化合物であっても良い。これらの化合物は特開昭60−244945号、特開昭63−306437号、特開平7−233268号、特開平7−173225号などに記載されている。その中でも好ましいフッ素系界面活性剤としては、側鎖にフッ化アルキル基を有する(メタ)アクリレート重合体を挙げることができ、この際好ましくは標準ポリスチレン換算数平均分子量が30,000以下、更に好ましくは2,000〜10,000の範囲にあるものが用いられる。
【0023】
側鎖にフッ化アルキル基を有するアクリレートの構造単位又はメタクリレートの構造単位としては、例えば下記一般式(A−a)又は下記一般式(A−b)で表すことができる。
【0024】
【化1】
Figure 0003747651
【0025】
一般式(A−a)に於いて、Rはメチル基であり、nは0〜20、aは0〜2、bは0〜1の整数を示す。一般式(A−b)に於いて、Rは水素原子又はメチル基であり、nは1〜10、mは0〜2、aは0〜2の整数を示す。具体的に以下のものを挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
【化2】
Figure 0003747651
【0027】
【化3】
Figure 0003747651
【0028】
【化4】
Figure 0003747651
【0029】
【化5】
Figure 0003747651
【0030】
【化6】
Figure 0003747651
【0031】
【化7】
Figure 0003747651
【0032】
【化8】
Figure 0003747651
【0033】
【化9】
Figure 0003747651
【0034】
【化10】
Figure 0003747651
【0035】
【化11】
Figure 0003747651
【0036】
側鎖にフッ化アルキル基を有する(メタ)アクリレート重合体は、更に側鎖にアルキレンオキシド基或いはアルキル基を有するものであることが好ましい。
【0037】
側鎖にアルキレンオキシド基を有する部分の(メタ)アクリレート構造単位としては、例えば下記一般式(B)で表すことができる。
【0038】
【化12】
Figure 0003747651
【0039】
式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、nは1〜6、mは1〜10の整数を示す。具体的に以下のものを挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
【化13】
Figure 0003747651
【0041】
【化14】
Figure 0003747651
【0042】
又側鎖にアルキル基を有する部分の(メタ)アクリレート構造単位としては、例えば下記一般式(C)で表すことができる。
【0043】
【化15】
Figure 0003747651
【0044】
式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、nは1〜22の整数を示す。具体的に以下のものを挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
【化16】
Figure 0003747651
【0046】
【化17】
Figure 0003747651
【0047】
更に側鎖にフッ化アルキル基を有する(メタ)アクリレート重合体は、側鎖にアリール基、アリレン基等を有していても良い。アリール基、アリレン基等を有する部分の(メタ)アクリレート構造単位としては、例えば以下のものを挙げることができる。
【0048】
【化18】
Figure 0003747651
【0049】
更に側鎖にフッ化アルキル基を有する(メタ)アクリレート重合体は、前記以外の構造単位、例えば以下のものを有していても良い。
【0050】
【化19】
Figure 0003747651
【0051】
上記の構造単位により、本発明における好ましいフッ化アルキル基を有する(メタ)アクリレート重合体の一覧を以下の表1に具体例を挙げるが、これらに限定されることはない。
【0052】
【表1】
Figure 0003747651
【0053】
(モノマー組成を百分率で示す)
もう一つの好ましいフッ素系界面活性剤としては、下記一般式(F−1)又は下記一般式(F−2)で表される化合物である。
【0054】
一般式(F−1)
Rf−(A)n
一般式(F−2)
Rf−(A)n−Rf′
式中、Rf、Rf′は少なくとも一つのフッ素含有脂肪族基を有する基、Aは少なくとも一つのアルキレンオキサイド基を有する基、nは1以上の整数を表し、Rf、Rf′は同じでも異なっても良い。
【0055】
一般式(F−1)及び(F−2)を更に詳しく説明する。
【0056】
Rf、Rf′のフッ素含有脂肪族基は、直鎖、分岐鎖及び環式又はこれらの組合せ(例えばアルキルシクロ脂肪族基)である。好ましいフッ素含有脂肪族基は、炭素原子数1〜20のフルオロアルキル基(例えば、−C49、−C817)、炭素原子数1〜20のスルホフルオロアルキル基(例えば、(C715SO3−)−、(C817SO3−)−)及び炭素原子数1〜20のCn2n+1SO2N(R1)R2−基(ここでR1は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルカルボキシル基又はアリール基であり、R2は炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルキレンカルボキシル基を表し、nは1〜20の整数を表す。例えば、C715SO2N(C25)CH2−、C817SO2N(CH2COOH)C36−)で、それぞれこれらは更に置換基を有しても良い。Aは、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、イソプロピレンオキサイド基などのアルキレンオキサイド基を有する基であり、末端にアミノ基などの置換基を有しても良い。以下の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
(F−1) C817SO2N(C25)CH2(CH2CH2O)12
(F−2) C817(CH2CH2O)8817
(F−3) C817(CH2CH2O)12817
(F−4) C715(CH2CH2O)10715
(F−5) C1225(CH2CH2O)101225
(F−6) C817(CH2CH2O)17817
(F−7) C715SO3−+NH3(CH2CH2O)12CH2CH2NH3+−C715
(F−8) C715SO2N(C25)CH2(CH2CH2O)12CH2(CH3)NO2SC715
その他の好ましい化合物としては、特開平2−82247号報(4)頁左上欄〜(8)頁左上欄に記載された化合物(1)〜(81)が挙げられる。
【0058】
熱現像感光材料の詳細は前述のとおり例えば米国特許第3,152,904号、同第3,457,075号、及びD.モーガン(Morgan)による「ドライシルバー写真材料(Dry Silver Photographic Material)」やD.モーガン(Morgan)とB.シェリー(Shely)による「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed SilverSystems)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版、スタージ(Sturge)、V.ウォールワース(Walworth)、A.シェップ(Shepp)編集、第2頁、1969年)等に開示されている。その中でも本発明に於いては、感光材料を80〜140℃で熱現像することで画像を形成させ、定着を行わないことが好ましい。そのため、未露光部に残ったハロゲン化銀や有機銀塩は除去されずにそのまま感光材料中に残ることが好ましい。
【0059】
本発明におけるハロゲン化銀粒子は光センサーとして機能するものである。本発明に於いては、画像形成後の白濁を低く抑えるため、及び良好な画質を得るために平均粒子サイズが小さい方が好ましく、平均粒子サイズが0.1μm以下、より好ましくは0.01μm〜0.1μm、特に0.02μm〜0.08μmが好ましい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。又、正常晶でない場合、例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。又ハロゲン化銀は単分散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%以下をいう。更に好ましくは30%以下であり、特に好ましくは0.1%以上20%以下となる粒子である。
【0060】
単分散度(%)=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
本発明に於いては、ハロゲン化銀粒子が平均粒径0.1μm以下でかつ単分散粒子であることがより好ましく、この範囲にすることで画像の粒状性も向上する。
【0061】
ハロゲン化銀粒子の形状については、特に制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には70%以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラー指数〔100〕面の比率は増感色素の吸着における〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.Tani,J.Imaging Sci.,29,165(1985)により求めることができる。
【0062】
又もう一つの好ましいハロゲン化銀の形状は、平板状粒子である。ここでいう平板状粒子とは、投影面積の平方根を粒径rμmとし、垂直方向の厚みをhμmとした場合のアスペクト比=r/hが3以上のものをいう。その中でも好ましくはアスペクト比が3以上50以下である。又粒径は0.1μm以下であることが好ましく、更に0.01μm〜0.08μmが好ましい。これらは米国特許第5,264,337号、第5,314,798号、第5,320,958号等に記載されており、容易に目的の平板状粒子を得ることができる。本発明に於いてこれらの平板状粒子を用いた場合、更に画像の鮮鋭性も向上する。
【0063】
ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよい。本発明に用いられる写真乳剤は、P.Glafkides著Chimie et Physique Photographique(Paul Montel社刊、1967年)、G.F.Duffin著 Photographic Emulsion Chemistry(The Focal Press刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著Making and Coating Photographic Emulsion(The Focal Press刊、1964年)等に記載された方法を用いて調製することができる。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれでもよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形成としては、片側混合法、同時混合法、それらの組合せ等のいずれを用いてもよい。このハロゲン化銀はいかなる方法で画像形成層に添加されてもよく、このときハロゲン化銀は還元可能な銀源に近接するように配置する。又、ハロゲン化銀は有機酸銀とハロゲンイオンとの反応による有機酸銀中の銀の一部又は全部をハロゲン化銀に変換することによって調製してもよいし、ハロゲン化銀を予め調製しておき、これを有機銀塩を調製するための溶液に添加してもよく、又はこれらの方法の組み合わせも可能であるが、後者が好ましい。一般にハロゲン化銀は有機銀塩に対して0.75〜30重量%の量で含有することが好ましい。
【0064】
本発明に用いられるハロゲン化銀には、照度不軌改良や改良調整のために、元素周期律表の6族から10族に属する金属のイオン又は錯体イオンを含有することが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Auが好ましい。
【0065】
これらの金属は錯体の形でハロゲン化銀に導入できる。本発明に於いては、遷移金属錯体は、下記一般式で表される6配位錯体が好ましい。
【0066】
一般式〔ML6〕m
式中、Mは元素周期表の6〜10族の元素から選ばれる遷移金属、Lは架橋配位子、mは0、−、2−又は3−を表す。Lで表される配位子の具体例としては、ハロゲン化物(弗化物、塩化物、臭化物及び沃化物)、シアン化物、シアナート、チオシアナート、セレノシアナート、テルロシアナート、アジド及びアコの各配位子、ニトロシル、チオニトロシル等が挙げられ、好ましくはアコ、ニトロシル及びチオニトロシル等である。アコ配位子が存在する場合には、配位子の一つ又は二つを占めることが好ましい。Lは同一でもよく、又異なっていてもよい。
【0067】
Mとして特に好ましい具体例は、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、イリジウム(Ir)及びオスミウム(Os)である。
【0068】
以下に遷移金属配位錯体の具体例を示す。
【0069】
1:〔RhCl63-
2:〔RuCl63-
3:〔ReCl63-
4:〔RuBr63-
5:〔OsCl63-
6:〔IrCl62-
7:〔Ru(NO)Cl52-
8:〔RuBr4(H2O)〕2-
9:〔Ru(NO)(H2O)Cl4-
10:〔RhCl5(H2O)〕2-
11:〔Re(NO)Cl52-
12:〔Re(NO)CN52-
13:〔Re(NO)ClCN42-
14:〔Rh(NO)2Cl4-
15:〔Rh(NO)(H2O)Cl4-
16:〔Ru(NO)CN52-
17:〔Fe(CN)63-
18:〔Rh(NS)Cl52-
19:〔Os(NO)Cl52-
20:〔Cr(NO)Cl52-
21:〔Re(NO)Cl5-
22:〔Os(NS)Cl4(TeCN)〕2-
23:〔Ru(NS)Cl52-
24:〔Re(NS)Cl4(SeCN)〕2-
25:〔Os(NS)Cl(SCN)42-
26:〔Ir(NO)Cl52-
27:〔Ir(NS)Cl52-
これらの金属のイオン又は錯体イオンは一種類でもよいし、同種の金属及び異種の金属を二種以上併用してもよい。これらの金属のイオン又は錯体イオンの含有量としては、一般的にはハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10-2モルが適当であり、好ましくは1×10-8〜1×10-4モルである。これらの金属のイオン又は錯体イオンを提供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成長、物理熟成、化学増感の前後のどの段階で添加してもよいが、特に核形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが好ましく、更には核形成、成長の段階で添加するのが好ましく、最も好ましくは核形成の段階で添加する。添加に際しては、数回に渡って分割して添加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させることもできるし、特開昭63−29603号、特開平2−306236号、同3−167545号、同4−76534号、同6−110146号、同5−273683号等に記載されている様に粒子内に分布を持たせて含有させることもできる。好ましくは粒子内部に分布をもたせることができる。これらの金属化合物は、水或いは適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液又は水溶性ハライド溶液中に添加しておく方法、或いは銀塩溶液とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の水溶液として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子を調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入する方法、或いはハロゲン化銀調製時に予め金属のイオン又は錯体イオンをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等がある。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。粒子表面に添加する時には、粒子形成直後又は物理熟成時途中もしくは終了時又は化学熟成時に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入することもできる。
【0070】
感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水洗により脱塩することができるが本発明に於いては脱塩してもしなくてもよい。
【0071】
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は化学増感されていることが好ましい。好ましい化学増感法としては当業界でよく知られているように硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法、金化合物や白金、パラジウム、イリジウム化合物等の貴金属増感法や還元増感法を用いることができる。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物を用いることができるが、特開平7−128768号等に記載の化合物を使用することができる。貴金属増感法に好ましく用いられる化合物としては例えば塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイド、或いは米国特許2,448,060号、英国特許618,061号などに記載されている化合物を好ましく用いることができる。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン酸、二酸化チオ尿素の他に例えば、塩化第一スズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることができる。又、乳剤のpHを7以上又はpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することができる。又、粒子形成中に銀イオンのシングルアディション部分を導入することにより還元増感することができる。
【0072】
本発明に於いて有機銀塩は還元可能な銀源であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、特に長鎖(10〜30、好ましくは15〜25の炭素原子数)の脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環が好ましい。配位子が、4.0〜10.0の銀イオンに対する総安定定数を有する有機又は無機の銀塩錯体も有用である。好適な銀塩の例は、Research Disclosure(以下、RDとする)第17029及び29963に記載されており、次のものがある:有機酸の塩(例えば、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の塩);銀のカルボキシアルキルチオ尿素塩(例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチオ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体(例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等)、ヒドロキシ置換酸類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジサリチル酸)、チオエン類の銀塩又は錯体(例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−4−(チアゾリン−2−チオエン、及び3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2−チオエン)、イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体又塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム等の銀塩;及びメルカプチド類の銀塩。これらの内、好ましい銀源はベヘン酸銀、アラキジン酸及び/又はステアリン酸である。
【0073】
有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−127643号に記載されている様なコントロールドダブルジェット法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカリ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を作製した後に、コントロールドダブルジェットにより、前記ソープと硝酸銀などを添加して有機銀塩の結晶を作製する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよい。
【0074】
本発明に於いて有機銀塩は平均粒径が2μm以下でありかつ単分散であることが好ましい。有機銀塩の平均粒径とは、有機銀塩の粒子が例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、有機銀塩粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。平均粒径は好ましくは0.05μm〜1.5μm、特に0.05μm〜1.0μmが好ましい。又単分散とは、ハロゲン化銀の場合と同義であり、好ましくは単分散度が1〜30である。又、本発明の有機銀塩に於いては、全有機銀塩の60%以上が平板状粒子であることが好ましい。本発明に於いて平板状粒子とは平均粒径と厚さの比、いわゆる下記式で表されるアスペクト比(ARと略す)が3以上のものをいう。
【0075】
AR=平均粒径(μm)/厚さ(μm)
有機銀塩をこれらの形状にするためには、前記有機銀結晶をバインダーや界面活性剤などをボールミルなどで分散粉砕することで得られる。この範囲にすることで濃度が高く、かつ画像保存性に優れた感光材料が得られる。
【0076】
本発明に於いては感光材料の失透を防ぐためには、ハロゲン化銀及び有機銀塩の総量が銀量に換算して1m2当たり0.5g以上2.2g以下であることが好ましい。この範囲にすることで硬調な画像が得られる。又銀総量に対するハロゲン化銀の量は、重量比で50%以下、好ましくは25%以下、更に好ましくは0.1%〜15%の間である。
【0077】
本発明の熱現像感光材料には還元剤を内蔵させることが好ましい。好適な還元剤の例は、米国特許第3,770,448号、同第3,773,512号、同第3,593,863号、及びRD17029及び29963に記載されており、次のものがある。
【0078】
アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物(例えば、2−ヒドロキシピペリジノ−2−シクロヘキセノン);還元剤の前駆体としてアミノリダクトン類(reductones)エステル(例えば、ピペリジノヘキソースリダクトンモノアセテート);N−ヒドロキシ尿素誘導体(例えば、N−p−メチルフェニル−N−ヒドロキシ尿素);アルデヒド又はケトンのヒドラゾン類(例えば、アントラセンアルデヒドフェニルヒドラゾン);ホスファーアミドフェノール類;ホスファーアミドアニリン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例えば、ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプロピルヒドロキノン及び(2,5−ジヒドロキシ−フェニル)メチルスルホン);スルフヒドロキサム酸類(例えば、ベンゼンスルフヒドロキサム酸);スルホンアミドアニリン類(例えば、4−(N−メタンスルホンアミド)アニリン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類(例えば、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テトラゾリルチオ)ヒドロキノン);テトラヒドロキノキサリン類(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン);アミドオキシム類;アジン類(例えば、脂肪族カルボン酸アリールヒドラザイド類とアスコルビン酸の組み合わせ);ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミンの組み合わせ、リダクトン及び/又はヒドラジン;ヒドロキサン酸類;アジン類とスルホンアミドフェノール類の組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導体;ビス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体の組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホンアミドフェノール還元剤;2−フェニルインダン−1,3−ジオン等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン類(例えば、2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジン);ビスフェノール類(例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(6−ヒドロキシ−m−トリ)メシトール(mesitol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,5−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチル)フェノール)、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体及び3−ピラゾリドン類等。中でも特に好ましい還元剤はヒンダードフェノール類である。ヒンダードフェノール類としては下記一般式(A)で表される化合物が挙げられる。
【0079】
【化20】
Figure 0003747651
【0080】
式中、Rは水素原子、又は炭素原子数1〜10のアルキル基(例えば、−C49、2,4,4−トリメチルペンチル)を表し、R′及びR″は炭素原子数1〜5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、t−ブチル)を表す。
【0081】
一般式(A)で表される化合物の具体例を以下に示す。ただし、本発明は、以下の化合物に限定されるものではない。
【0082】
【化21】
Figure 0003747651
【0083】
【化22】
Figure 0003747651
【0084】
前記一般式(A)で表される化合物を始めとする還元剤の使用量は好ましくは銀1モル当り1×10-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルである。
【0085】
本発明の熱現像感光材料に好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。親水性でも疎水性でもよいが、本発明に於いては、熱現像後のカブリを低減させるために、疎水性透明バインダーを使用することが好ましい。好ましいバインダーとしては、ポリ(ビニルブチラール)、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタンなどが挙げられる。その中でもポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステルは特に好ましく用いられる。
【0086】
又感光材料の表面を保護したり擦り傷を防止するために、感光層の外側に非感光層を有することができる。これらの非感光層に用いられるバインダーは感光層に用いられるバインダーと同じ種類でも異なった種類でもよい。
【0087】
本発明に於いては、熱現像の速度を速めるために感光層のバインダー量が1.5〜10g/m2であることが好ましい。更に好ましくは1.7〜8g/m2である。1.5g/m2未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用に耐えない場合がある。
【0088】
本発明に於いては、感光層側にマット剤を含有することが好ましく、熱現像後の画像の傷つき防止のためには、感光材料の表面にマット剤を配することが好ましく、そのマット剤を感光層側の全バインダーに対し、重量比で0.5〜30%含有することが好ましい。又、支持体を挟み感光層とは反対側の面に非感光層を設ける場合は、非感光層側の少なくとも1層中にマット剤を含有することが好ましく、感光材料の滑り性や指紋付着防止のためにも感光材料の表面にマット剤を配することが好ましく、そのマット剤を感光層側の反対側の層の全バインダーに対し、重量比で0.5〜40%含有することが好ましい。
【0089】
本発明に於いて用いられるマット剤の材質は、有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等をマット剤として用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。
【0090】
マット剤の形状は、定形、不定形どちらでも良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられる。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算したときの直径で表される。本発明に於いてマット剤の粒径とはこの球形換算した直径のことを示すものとする。
【0091】
本発明に用いられるマット剤は、平均粒径が0.5μm〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0μm〜8.0μmである。又、粒子サイズ分布の変動係数としては、50%以下であることが好ましく、更に好ましくは40%以下であり、特に好ましくは30%以下となるマット剤である。
【0092】
ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下記の式で表される値である。
【0093】
(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
本発明に係るマット剤は任意の構成層中に含むことができるが、本発明の目的を達成するためには好ましくは感光層以外の構成層であり、更に好ましくは支持体から見て最も外側の層である。
【0094】
本発明に係るマット剤の添加方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。又複数の種類のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。
【0095】
本発明の熱現像感光材料は支持体上に少なくとも一層の感光層を有している。支持体上に感光層のみを形成しても良いが、感光層の上に少なくとも1層の非感光層を形成することが好ましい。感光層に通過する光の量又は波長分布を制御するために感光層と同じ側にフィルター染料層及び/又は反対側にアンチハレーション染料層、いわゆるバッキング層を形成しても良いし、感光層に染料又は顔料を含ませても良い。用いられる染料としては所望の波長範囲で目的の吸収を有するものであればいかなる化合物でも良いが、例えば特開昭59−6481号、特開昭59−182436号、米国特許4,271,263号、米国特許4,594,312号、欧州特許公開533008号、欧州特許公開652473号、特開平2−216140号、特開平4−348339号、特開平7−191432号、特開平7−301890号などの記載の化合物が好ましく用いられる。
【0096】
又これらの非感光層には前記のバインダーやマット剤を含有することが好ましく、更にポリシロキサン化合物やワックスや流動パラフィンのようなスベリ剤を含有してもよい。
【0097】
感光層は複数層にしても良く、又階調の調節のため感光層を高感度層/低感度層又は低感度層/高感度層にしても良い。
【0098】
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理にて写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀塩)、感光性ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて銀の色調を抑制する色調剤を通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している熱現像感光材料であることが好ましい。本発明の熱現像感光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃〜140℃)に加熱することで現像される。加熱することで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光でハロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。この反応過程は、外部から水等の処理液を供給することなしで進行する。
【0099】
本発明に用いられる好適な色調剤の例はRD17029号に開示されており、次のものがある。
【0100】
イミド類(例えば、フタルイミド);環状イミド類、ピラゾリン−5−オン類、及びキナゾリノン(例えば、スクシンイミド、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン及び2,4−チアゾリジンジオン);ナフタールイミド類(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミド);コバルト錯体(例えば、コバルトのヘキサミントリフルオロアセテート)、メルカプタン類(例えば、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);N−(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド類(例えば、N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド);ブロックされたピラゾール類、イソチウロニウム(isothiuronium)誘導体及びある種の光漂白剤の組み合わせ(例えば、N,N′−ヘキサメチレン(1−カルバモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−(3,6−ジオキサオクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)、及び2−(トリブロモメチルスルホニル)ベンゾチアゾールの組み合わせ);メロシアニン染料(例えば、3−エチル−5−((3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン(ベンゾチアゾリニリデン))−1−メチルエチリデン)−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン);フタラジノン、フタラジノン誘導体又はこれらの誘導体の金属塩(例えば、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノンとスルフィン酸誘導体の組み合わせ(例えば、6−クロロフタラジノン+ベンゼンスルフィン酸ナトリウム又は8−メチルフタラジノン+p−トリスルホン酸ナトリウム);フタラジン+フタル酸の組み合わせ;フタラジン(フタラジンの付加物を含む)とマレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から選択される少なくとも1つの化合物との組み合わせ;キナゾリンジオン類、ベンズオキサジン、ナルトキサジン誘導体;ベンズオキサジン−2,4−ジオン類(例えば、1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン);ピリミジン類及び不斉−トリアジン類(例えば、2,4−ジヒドロキシピリミジン)、及びテトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン)。これらの内、好ましい色調剤としてはフタラゾン又はフタラジンである。
【0101】
本発明には現像を抑制或いは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができる。
【0102】
本発明にメルカプト化合物を使用する場合、いかなる構造のものでも良いが、Ar−SM、Ar−S−S−Arで表されるものが好ましい。
【0103】
式中、Mは水素原子又はアルカリ金属原子であり、Arは1個以上の窒素、イオウ、酸素、セレニウム又はテルリウム原子を有する芳香環又は縮合芳香環である。好ましくは、複素芳香環はベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プリン、キノリン又はキナゾリノンである。この複素芳香環は、例えば、ハロゲン(例えば、Br及びCl)、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、アルキル(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)及びアルコキシ(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)からなる置換基群から選択されるものを有してもよい。メルカプト置換複素芳香族化合物としては、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルベンゾチアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリン、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ピリジンチオール、4−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカプト−4−フェニルオキサゾールなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
【0104】
本発明の熱現像感光材料中にはかぶり防止剤が含まれて良い。有効なかぶり防止剤として例えば米国特許第3,589,903号などで知られている水銀化合物は環境的に好ましくない。そのため非水銀かぶり防止剤の検討が古くから行われてきた。非水銀かぶり防止剤としては例えば米国特許第4,546,075号及び同第4,452,885号及び特開昭59−57234号に開示されている様なかぶり防止剤が好ましい。
【0105】
特に好ましい非水銀かぶり防止剤は、米国特許第3,874,946号及び同第4,756,999号に開示されているような化合物、−C(X1)(X2)(X3)(ここでX1及びX2はハロゲンであり、X3は水素又はハロゲン)で表される1以上の置換基を備えたヘテロ環状化合物である。好適なかぶり防止剤の例としては、特開平9−288328号段落番号〔0030〕〜〔0036〕に記載されている化合物等が好ましく用いられる。又もう一つの好ましいかぶり防止剤の例としては特開平9−90550号段落番号〔0062〕〜〔0063〕に記載されている化合物である。更にその他の好適なかぶり防止剤は米国特許第5,028,523号及び英国特許出願第92221383.4号、同第9300147.7号、同第9311790.1号に開示されている。
【0106】
本発明の熱現像感光材料には、例えば特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号、米国特許第4,639,414号、同第4,740,455号、同第4,741,966号、同第4,751,175号、同第4,835,096号に記載された増感色素が使用できる。本発明に使用される有用な増感色素は例えばRD17643IV−A項(1978年12月p.23)、同Item1831X項(1978年8月p.437)に記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。例えば特開平9−34078号、同9−54409号、同9−80679号記載の化合物が好ましく用いられる。
【0107】
各種の添加剤は感光層、非感光層、又はその他の形成層のいずれに添加しても良い。本発明の熱現像感光材料には例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を用いても良い。これらの添加剤及び上述したその他の添加剤はRD17029(1978年6月p.9〜15)に記載されている化合物を好ましく用いることができる。
【0108】
本発明で用いられる支持体は現像処理後の画像の変形を防ぐためにプラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリイミド、ナイロン、セルローストリアセテート、ポリエチレンナフタレート)であることが好ましい。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ましくは70〜180μmである。又熱処理したプラスチック支持体を用いることもできる。採用するプラスチックとしては、前記のプラスチックが挙げられる。支持体の熱処理とはこれらの支持体を製膜後、感光層が塗布されるまでの間に、支持体のガラス転移点より30℃以上高い温度で、好ましくは35℃以上高い温度で、更に好ましくは40℃以上高い温度で加熱することがよい。但し、支持体の融点を超えた温度で加熱しては本発明の効果は得られない。
【0109】
本発明に係る支持体の製膜方法及び下引製造方法は公知の方法を用いることができるが、好ましくは、特開平9−50094号の段落〔0030〕〜〔0070〕に記載された方法を用いることである。
【0110】
本発明に於いては帯電性を改良するために金属酸化物及び/又は導電性ポリマーなどの導電性化合物を構成層中に含ませることができる。これらはいずれの層に含有させてもよいが、好ましくは下引層、バッキング層、感光層と下引の間の層などに含まれる。本発明に於いては米国特許5,244,773号カラム14〜20に記載された導電性化合物が好ましく用いられる。
【0111】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0112】
実施例
熱現像感光材料の作製」
〈PET下引済み写真用支持体の作製〉
市販の2軸延伸熱固定済みの厚さ175μmの青色着色したPETフィルムの両面に8w/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層A−1とし、又反対側の面に下記帯電防止加工下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて帯電防止加工下引層B−1とした。
【0113】
《下引塗布液a−1》
ブチルアクリレート(30重量%)、t−ブチルアクリレート(20重量%)、スチレン(25重量%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート
(25重量%)の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g
(C−1) 0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1リットルに仕上げる。
【0114】
Figure 0003747651
水で1リットルに仕上げる。
【0115】
引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の表面上に8w/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上には下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μmになる様に下引層A−2として塗設し、又下引層B−1の上には下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmになる様に帯電防止機能を持つ下引上層B−2として塗設した。
【0116】
《下引上層塗布液a−2》
ゼラチン 0.4g/m2になる重量
(C−1) 0.2g
(C−2) 0.2g
(C−3) 0.1g
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g
水で1リットルに仕上げる。
【0117】
《下引上層塗布液b−2》
(C−4) 60g
(C−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g
硫酸アンモニウム 0.5g
(C−6) 12g
ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g
水で1リットルに仕上げる。
【0118】
【化23】
Figure 0003747651
【0119】
【化24】
Figure 0003747651
【0120】
(支持体の熱処理)
上記の下引済み支持体の下引乾燥工程に於いて、支持体を140℃で加熱し、その後徐々に冷却した。
【0121】
〈ハロゲン化銀乳剤Aの調製〉
水900ml中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウムを含む水溶液及び〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10-6モル及び塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10-6モルを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で添加した後、pH8.7、pAg6.5にして還元増感を行った。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを添加しNaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ0.06μm、単分散度10%の投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀乳剤Aを得た。
【0122】
〈ベヘン酸Na溶液の調製〉
945mlの純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ステアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次に高速で撹拌しながら1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液98mlを添加した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55℃に冷却して30分撹拌させてベヘン酸Na溶液を得た。
【0123】
〈ベヘン酸銀とハロゲン化銀乳剤Aのプレフォーム乳剤の調製〉
上記のベヘン酸Na溶液に前記ハロゲン化銀乳剤Aを15.1g添加し水酸化ナトリウム溶液でpH8.1に調整した後に1Mの硝酸銀溶液147mlを7分間かけて加え、更に20分撹拌し限外濾過により水溶性塩類を除去した。できたベヘン酸銀は平均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒子であった。分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に6回の水洗と水の除去を行った後乾燥させた。
【0124】
〈感光性乳剤の調製〉
得られたプレフォーム乳剤にポリビニルブチラール(平均分子量3000)のメチルエチルケトン溶液(17wt%)544gとトルエン107gを徐々に添加して混合した後、4000psiで分散させた。分散後、電子顕微鏡写真で有機銀粒子を観察した。300個の有機銀粒子の粒径と厚みを測定した結果、205個がAR3以上の平板状有機銀であった。尚、平均粒径は0.7μmであった。又塗布乾燥後も同様に有機銀粒子を観察したところ、同じ粒子が確認できた。
【0125】
〈塗布工程〉
《バック層面側塗布》
以下の組成のバック層塗布液を、押し出しコーターで上記支持体の下引き層B−2面側にウェット膜厚30μmになるように塗布し、60℃、3分で乾燥した。
【0126】
Figure 0003747651
《感光層面側塗布》
以下の組成の感光層塗布液とその上に保護層塗布液を、押し出しコーターで上記支持体の下引き層A−2面側に毎分20mの速度で重層塗布した。その際、塗布銀量が2.4g/m2になる様に調整して塗布した。その後、55℃、15分乾燥を行った。
【0127】
Figure 0003747651
【0128】
【化25】
Figure 0003747651
【0129】
【化26】
Figure 0003747651
【0130】
Figure 0003747651
尚、マット剤を単分散度10%、平均粒子サイズ3μmの単分散シリカ及び平均粒子サイズ5μmの球形PMMA粒子を表2のスムースター値になるよう比率を変えて添加した。
【0131】
このようにして熱現像感光材料を得た。これを試料101〜111とする。
【0132】
《スムースター値の測定》
試料を未露光のまま23℃、48%RHで2時間調湿し、同じ環境で感光層側の表面のスムースター値を東英電子工業(株)製SM−6Bにより測定した。
【0133】
《露光及び現像処理》
上記で作製した熱現像感光材料を5cm×15cmに切断して23℃、50%RHの条件で12時間調湿した後、10枚づつ重ねて酸素と水分を透過しないバリア袋に入れて、経時代用サーモとして40℃、3日間加温した。その後イメージャの代替として、810nmの半導体レーザーを有する感光計でウェッジを介して露光した。そして半径20cmの円筒径のヒートドラムを有する自動現像機を用いて110℃、15秒で熱現像処理した。その際、露光及び現像は23℃、50%RHに調湿した部屋で行った。
【0134】
《評価》
(搬送性試験)
熱現像処理を連続して100枚行った。その時に搬送不良を起こした枚数をカウントした。
【0135】
(熱現像後の濃度変動)
上記で露光・熱現像した熱現像感光材料を2つに分け、片方を経時代用評価用に50℃・60%のサーモ機に5日間投入した。サーモ機に投入する前に濃度2.5であったものがサーモ投入後にどのくらい濃度変動したかを濃度計で測定した。
【0136】
(熱現像処理条件変化での性能変動)
上記で作製した熱現像感光材料を露光し、自動現像機の温度を105℃に下げて15秒間現像したものの感度を、110℃・15秒の時の感度を基準にした時の変化率を百分率で表した。ここでの感度とは、濃度1.0を与える露光量の逆数の相対値である。
【0137】
評価した結果を表2に示す。
【0138】
【表2】
Figure 0003747651
【0139】
表2から明らかなように、本発明の試料104〜111は搬送性の評価では搬送不良が発生しないこと、又熱現像後の濃度変動及び熱現像処理条件変化での性能変動の評価では何れも非常に微少な変動であることから、優れた性能を有していることが分かる。
【0140】
実施例
バック面側のバック層塗布液をバック層塗布液2にし、感光層側の表面保護層塗布液を表面保護層塗布液2にする以外は実施例1と同様にして試料を作製し、評価を行った。その結果を表3に示す。尚、ここではバック層側の表面のスムースター値を測定した。
【0141】
Figure 0003747651
尚、マット剤を、単分散度15%、平均粒子サイズ8μm、単分散シリカ及び平均粒子サイズ10μmの球形PMMA粒子を表3のスムースター値になるよう比率を変えて添加した。
【0142】
Figure 0003747651
【0143】
【化27】
Figure 0003747651
【0144】
このようにして熱現像感光材料を得た。これを試料201〜211とする。
【0145】
【表3】
Figure 0003747651
【0146】
表3から明らかなように、本発明の試料204〜211は搬送性の評価では搬送不良が発生しないこと、又熱現像処理条件変化での性能変動の評価では何れも非常に微少な変動であることから、優れた性能を有していることが分かる。
【0154】
【発明の効果】
熱現像感光材料を処理する際、自動現像機での搬送不良を防止でき、長期保存した場合、熱現像後の濃度変動を抑制でき、更に処理温度に依存することなく感度やカブリの変動をなくすことができるという顕著に優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】スムースター値を測定する装置の概略断面図。

Claims (5)

  1. 支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子及び有機銀粒子を有する感光層を少なくとも1層有し、かつ還元剤を感光層を有する側の写真構成層中に含有する熱現像感光材料に於いて、前記感光層を有する側の最表面のスムースター値が40mmHg以下であり、かつ該感光層側の写真構成層中にフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする熱現像感光材料。
  2. 前記感光層を有する側の最表面のスムースター値が0.1mmHg以上35mmHg以下であることを特徴とする請求項1記載の熱現像感光材料。
  3. 前記支持体を挟んで感光層を有する側とは反対側の最表面のスムースター値が80mmHg以上であり、かつ該感光層側とは反対側の写真構成層中にフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の熱現像感光材料。
  4. 前記支持体を挟んで感光層を有する側とは反対側の最表面のスムースター値が85mmHg以上400mmHg以下であることを特徴とする請求項3記載の熱現像感光材料。
  5. 感光層中の全有機銀の60%以上が平板状粒子であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の熱現像感光材料。
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