JP4102958B2 - 合成樹脂発泡体製化粧型枠およびその製造方法 - Google Patents

合成樹脂発泡体製化粧型枠およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁面などに石積み模様などを形成する化粧型枠に関するもので、特に、目地を有する意匠用の合成樹脂発泡体製化粧型枠およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンクリートなどを利用して構築される海岸などの護岸やビルなどの壁面に、自然景観に近い状態や自然石を使用しているような景観にするために、合成樹脂発泡体などの化粧型枠を使用して石積み模様などを形成することが行われている。その通常の構築方法としては、所定の凹凸意匠を有する化粧型枠を現場で組み上げ、次いでコンクリートを打設し、養生、固化後に型枠を解体して化粧型枠をコンクリート面から隔離する方法がとられている。これにより、コンクリート面に、化粧型枠の意匠の凹凸形状とは逆向きの凹凸が転写される。なお、この意匠面は、必要に応じて、塗装により着色される場合もある。
【0003】
化粧型枠の種類としては、例えば、ポリスチレン樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂などの発泡樹脂粒子を型成形したものが挙げられる。そのほか、ウレタン樹脂などのエラストマーを型成形したもの、または熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を射出成形、回転成形したものなども採用することができる。このうち、最も汎用されているものは、施工性や生産コストの観点から、軽量で安価な各種の発泡樹脂粒子を型成形した化粧型枠である。
しかしながら、化粧型枠のコンクリート面からの剥離性は、必ずしも良好であるとはいえない。特に、この発泡樹脂粒子を型成形する場合には、固化後、発泡樹脂粒子間にコンクリートがくい込んだ状態となり、剥離しにくく、かつ剥離時に型枠自体が割れてしまう恐れもある。
このような化粧型枠の剥離性は、その意匠形状によっても差がある。すなわち、例えば彫りの深い石積み模様のような、起伏が激しい意匠面ほど剥離性が低下する傾向にある。
【0004】
発泡樹脂粒子の型成形による化粧型枠の剥離性を改良するため、数々の発明がなされ、現場施工されている。例えば、化粧型枠の意匠面に離型剤などを塗布したり、型成形時に意匠表面部を加熱して発泡樹脂粒子を溶かすことでスキン層を設けたり、化粧型枠の意匠面に、コンクリートとの密着性が悪い熱可塑性樹脂製のシートからなる離型層を一体的に設けたりする対応がなされている。
しかしながら、離型剤を塗布した場合には、発泡樹脂粒子を溶解させない離型剤を選定する必要があり、しかも施工後のコンクリート面が変色する恐れがある。
また、スキン層を設ける場合には、成形条件の管理が難しく、しかも特殊な成形型が必要となるので生産性などが低下して、あまり有用な方法とは言えない。
さらに、コンクリートとの剥離性が良いシートを使用する場合、型成形時に意匠面側にシートをインサートして一体成形する方法が採られている。このときに、熱が伝わりやすく、シートの意匠付形が発泡圧力によって可能なように、できるだけ薄いシートが好まれている。そのため、成形時にシートが破れたり穴が明き易く、その部分にコンクリートが入り込んで、剥離性をより悪化させる恐れがある。
【0005】
以上のような対応により、化粧型枠の剥離性は改良されたが、剥離時に化粧型枠が細かく割れてしまい、廃棄処分が大変になる問題点がある。
しかも、このように剥離時に細かく割れてしまう傾向は、多少の柔軟性を有するポリエチレン樹脂製,ポリプロピレン樹脂製などの場合には少ないが、最も汎用されているポリスチレン製の化粧型枠の場合には、剥離による割れとともに、周囲に小片が飛散する恐れがある。
特に、このような対策が採られた化粧型枠においても、意匠面の形状によっては剥離性が不十分な場合がある。例えば、石積み模様などのように、深い目地が存在し、かつ意匠面の高低の差が大きな意匠面はその傾向が顕著である。このような意匠面の場合には、化粧型枠をコンクリート面から剥がすことができなくなることもある。このような場合には、溶剤や火炎を利用して、コンクリート面に付着した化粧型枠を溶解、焼失させてしまう方法が採られている。しかしながら、コンクリートが汚れてしまって、好ましい方法ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、長期にわたる鋭意研究の結果、化粧型枠表面に剥離層となる熱可塑性樹脂シートを形成することが有効であることに着目し、しかも、化粧型枠意匠面と剥離層であるシートとを接着させたり、一体成形したりして一体化しない方が剥離性が向上することを発見し本発明を完成させた。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術を背景になされたもので、特に、化粧型枠の意匠面に目地付きの意匠を有し、かつ同一意匠内の高低差が大きなもので、コンクリート打設面から容易に化粧型枠を剥離することが可能で、しかも、化粧型枠は、剥離時にほとんど割れが生じないために、例えば、従来、複数回の使用が不可能であったポリスチレン製の化粧型枠であっても、複数回の使用が可能となる合成樹脂発泡体製化粧型枠およびその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、コンクリート表面に目地を含む凹凸意匠を形成する合成樹脂発泡体製化粧型枠において、意匠面に目地意匠を形成する連続した凸部を有する型枠本体と、該型枠本体の目地意匠に対応して凹凸意匠が付形されたカバーシートとを有し、上記型枠本体には、カバーシート被覆時にエアー抜き孔となる、意匠面の目地部の凸部から裏面に貫通した複数の貫通孔を有し、上記カバーシートは、熱可塑性樹脂からなる基材シートを付形したシートであって、上記型枠本体の意匠面および4側面部を非接着状態で被覆し、上記型枠本体の側面部を被覆する部分と、上記意匠面を被覆する部分との間の角度が鈍角であることを特徴とする合成樹脂発泡体製化粧型枠である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、上記カバーシートは、上記型枠本体の凸部を被覆する目地形成部の平均シート厚さが、上記基材シートの厚さの50%以上である請求項1記載の合成樹脂発泡体製化粧型枠である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、コンクリート表面に目地意匠を含む凹凸意匠を形成する型枠本体と、該型枠本体を外方から被覆するカバーシートとを備えた合成樹脂発泡体製化粧型枠の製造方法において、上記型枠本体は、成形型を用いて発泡性合成樹脂により成形され、しかもその意匠面には目地意匠を形成する連続した凸部を有する一方、上記意匠面の目地部の凸部から裏面にかけて複数の貫通孔が設けられ、上記カバーシートは、上記型枠本体用の成形型またはこれと同じ意匠面を有する別の成形型を用いて熱可塑性樹脂製の基材シートを真空成形により仮付形し、該仮付形後のカバーシートを、上記成形型にセットした状態で、上記型枠本体と同形状で少なくとも意匠面に弾力性を有する型を押し型として用い、該押し型に形成された貫通孔よりエアーを抜きながら、カバーシートを上記型枠本体の側面部を被覆する部分と、上記意匠面を被覆する部分との間の角度が鈍角となるように本付形することを特徴とする合成樹脂発泡体製化粧型枠の製造方法である。
【0012】
本発明で使用される合成樹脂発泡体製化粧型枠の本体を形成する合成樹脂発泡体は、特に限定されるものでないが、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など、またはこれらの樹脂とエラストマー樹脂との複合樹脂からなる発泡性異形樹脂粒子を採用することができる。なお、柔軟性の少ないポリスチレン系樹脂製の化粧型枠にあっては、剥離時に割れなどの発生を低減することができるので、特に有用となる。
【0013】
合成樹脂発泡体製化粧型枠の本体を成形する方法としては、通常の合成樹脂発泡体製化粧型枠を成形する方法を採用することができる。本発明に使用される化粧型枠の型枠本体は、カバーシート被覆時にエアー抜けの働きをする複数の小径な貫通孔を意匠面全体に有している。このように型枠本体に貫通孔を設ける方法としては、成形型内に貫通孔用の柱状体を一体的に設けてもよいし、型成形後に2次的加工として設けてもよい。この貫通孔の直径は1.0〜20mm、好ましくは2〜12mm程度であり、貫通孔の形成位置はコンクリート意匠面に支障の少ない位置が好ましい。なお、ここでいう支障がない位置としては、目地部の凸部である。すなわち、この凸部にはシート被覆時にエアが溜まりやすく、この部分に貫通孔を設けておけば効果的となる。なお、型枠本体の意匠面凸部であるこの目地部は、コンクリート意匠面では凹部となる。よって、この部分に小さな貫通孔を穿設しても、打設後のコンクリート面上では目立たない。なお、化粧型枠組み付け時に、セパレータの孔を設ける必要があるが、これもやはり目地部に設けられるので、上記貫通孔をこのセパレータ用の孔と共用することもできる。
【0014】
カバーシートは、熱可塑性樹脂製の基材シートを真空成形(仮付形)、プレス成形(本付形)などの加工方法によって型成形される。このカバーシートは、型枠本体の意匠面と同じ凹凸面を有し、型枠本体の意匠面と4側面を被覆することができるように付形されている。使用される熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂などを採用することができる。この付形によって型枠本体と同じ意匠表現を行うことができればよい。したがって、シートの厚さは、0.2〜1.0mmであり、シートの引っ張り強度が200〜600kgf/cm2 の範囲で、伸び率が2〜50%が好ましい。伸び率において、特に好ましくは15%〜50%である。
【0015】
シート厚さが0.2mm未満では、シートが付形時に破れやすく、さらに型枠本体にカバーシートが密着してしまって、コンクリートからの剥離性が低下しやすい。一方、1.0mmを超えると、シートの付形性が劣り、作業効率を低下させる一方、細やかな意匠の再現性が低下される懸念がある。
シートの引っ張り強度が200kgf/cm2 未満では、コンクリートからの剥離時にカバーシートが破れやすく、かつ付形性が低下しやすい。一方、600kgf/cm2 を超えてしまうと、シートがコスト高になる一方、付形性が低下する恐れがある。
シートの伸び率が2%未満では、付形性が低下し、さらにコンクリートからの剥離時に、カバーシートが破れる可能性がある。一方、50%を超えると、コンクリートからの剥離時にカバーシートが伸びてしまい、剥離がしにくい。
また、基材シートの付形後の収縮率は、型枠本体の収縮率に近い方が好ましく、型枠本体に使用される合成樹脂および発泡倍率によって適宜選択される。
【0016】
カバーシートは、型枠本体の意匠面と同じ凹凸意匠面を上面部に有している。また、カバーシートは型枠本体の4側面部を被覆して、その長さとほぼ同じ長さの側面を有している。カバーシートは、矩形状で、型枠本体に被覆させる。なお、カバーシートは、型枠本体と非接着状態としている。また、カバーシートの側面部も型枠本体の側面に密着しないような形状である。密着するような形状であると、型枠本体にカバーシートが被覆し難くなる場合があり好ましくない。したがって、カバーシートの意匠面と側面部との間の角度を鈍角とするような形状である。
型枠本体とカバーシートを接着して一体とした場合には、化粧型枠の剥離時に細かく割れてしまい、周囲に小片が飛散したりする。また、カバーシートも一枚物で剥がれず、型枠本体も細分化してしまうので、作業性が悪くなる。以上の事柄は、請求項3にも該当する。
【0017】
請求項2において、型枠本体の凸部を被覆するカバーシートの目地形成部とは目地の立ち上がり、および頭頂付近を形成する部分のことである。カバーシートの目地形成部は、付形の際に、ほかの部分に比べて薄くなる傾向がある。したがって、この部分が基材シート厚さの50%未満になると剥離性が低下し、破れ易くなるので、50%以上、好ましくは70%以上とする。
【0019】
請求項3における合成樹脂発泡体製化粧型枠の製造方法においては、カバーシートを仮付形する成形型は化粧型枠の型枠本体を成形する成形型を共有してもよしい、同じ意匠面を有する別の成形型を用いてもよい。ただし、同一の成形型を用いた方場合には、シート付形用の専用型が不用となり、コスト面で有利となる。なお、ここでいう成形型は、通常の金型のほか、合成樹脂製の金型も含み、目地部分には、貫通孔が形成されている。この貫通孔は、融着成形時に蒸気が浸入する蒸気孔であるとともに、カバーシートの真空成形(仮付形)時の吸引孔も兼ねることができる。
また、カバーシートのプレス成形(本付形)に使用される押し型としては、化粧型枠の意匠面を有する通常の金型でもよいし、型枠本体と同形状で発泡性合成樹脂で成形された別の型でもよい。また、押し型は、少なくとも凹凸意匠を有する部分が基材シートを付形可能な硬度を有する弾性体である必要がある。なぜなら、弾性を有しない鋳物などの金属製の場合では、急激に加えられる成形圧によって基材シートが部分的に伸びてしまい、この目地部分などの変形が大きい箇所においてシート厚が薄くなる恐れがある。なお、押し型の圧縮弾性率としては、45〜200kgf/cm2 が好ましい。また、この押し型が、型枠本体と同形の発泡体の場合、発泡密度が、型枠本体よりも高い(30kg/cm2 以上)のものを採用した方が好ましい。
【0020】
以上のことから、本発明は、合成樹脂発泡体製の化粧型枠剥離性を向上させることができる。しかも、この発明は、通常は剥離性が悪いとされる、連続した彫りの深い凹凸を有するコンクリート面(例えば、石垣模様など)を現出させる型枠に対し、特に良好な効果が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の一実施例に係る合成樹脂発泡体製化粧型枠の製造方法における型枠本体の成形工程を示す説明図である。図2は、この発明の一実施例に係る合成樹脂発泡体製化粧型枠製造方法に用いられる成形型の平面図である。図3は、この発明の一実施例に係る合成樹脂発泡体製化粧型枠の製造方法におけるコンクリート成形品の打設工程を示す説明図である。
【0022】
図1において、10は合成樹脂発泡体製化粧型枠A(図2参照)の一部を構成する型枠本体成形用の金型装置であり、この金型装置10は、矩形蓋状の移動金型11と、石積み柄の意匠面を有する金型(成形型)12aが連結された固定金型12とを有している。移動金型11には、多数本の原料充填シリンダ13が突設されている。この原料充填シリンダ13から、原料である予備発泡された合成樹脂発泡粒子が嵌合後の金型11,12の内部空隙に充填されて、型枠本体14が成形される。なお、14aは、型枠本体14の凸部である(図3参照)。
【0023】
固定金型12は、移動金型11側の面が開口された矩形箱状の金型フレーム15と、この金型フレーム15の内部には、金型12aの意匠部分を補強する多数本の補強支持棒16によって支持された金型枠17が設けられている。この金型枠17の外面には補強板18が固着されており、この補強板18に、上記金型12aが取り付けられている。これらの補強板18および補強支持棒16は、着脱自在にボルト締着されている。したがって、移動金型11と固定金型12とを嵌合し、その後、移動金型11,固定金型12の内部空隙に、原料充填シリンダ13より合成樹脂発泡粒子が充填される。このようにして、型枠本体14が中間製造される。この型枠本体14には、カバーシート20の被覆時にエアー抜き孔となり、しかも意匠面の目地部の凸部から裏面に貫通する図示しない貫通孔が形成されている。なお、この貫通孔を形成する方法としては、金型装置10の型枠本体成形用の空隙内に、この貫通孔用の柱状体を配設して型枠本体14を成形する。なお、貫通孔は、型枠本体成形後に、別途、後加工により設けてもよい。
【0024】
なお、図1および図2に示すように、金型12aの凹部の最下部と、これが固定される補強板18の各対向部分には、それぞれ多数個の小孔a(5〜10mm)が穿設されている。これらの小孔aを介して、型枠本体14の融着成形に利用される蒸気が供給される。なお、図2中のb,cは、金型12aの石積み模様の意匠部分であり、これらの意匠部分b,cには、コンクリートへの転写の模様不具合をなくすため、小さなキリ孔(0.5〜1.0mm)である蒸気孔が形成されている。
【0025】
次に、カバーシート20(図3参照)の仮付形を行う真空成形工程を説明する。まず図1において、補強板18が連結された金型12aを移動金型11から取り外し、図示しない真空装置に取り付ける。また、補強板18の外周縁には、木製の矩形枠板が固着される。このカバーシート20が上記型枠本体14の側面部を被覆する部分と、石積み模様の意匠面を被覆する部分とで形成された角度が鈍角になっている。このように鈍角にすれば、カバーシート20を上記型枠本体14を被覆する際に、型枠本体14の外周部に嵌め込みやすい。
【0026】
シート真空成形時には、まず剥離性の高いハイ・インパクトポリスチレン(HIPS)製の基材シートを加熱し、図1の型枠本体成形時に使用した金型12a上に配置する。この基材シートは、引っ張り強度が309kgf/cm2 で、引っ張り伸び率は横方向が15.5%、延伸方向が平均40%である。シート厚は0.3mmである。そして、成形されたカバーシート20の目地形成部のシート厚は、基材シートの厚さ0.3mmの50%以上、すなわち0.15mm以上である。次いで、図示しない負圧発生装置によって各貫通孔a(図2も参照)から基材シートを吸引する。これにより、基材シートが金型12aの意匠面に密着されて、ほぼ同じ形状に仮付形される。その後、基材シートを金型12a上にセットしたまま、移動金型11に装着された型枠本体と同形状の高密度(30kg/m3 )の成形品を押し型として使用し、この基材シートを本付形(プレス成形)する。これにより、基材シートがカバーシート20に成形される。
【0027】
このとき、型枠本体14と同形状であって、かつ発泡密度が30kg/m3と高密度の押し型を使用することによって、適度な弾性を有し、意匠面の凹部の最下部の鋭角部分(目地部分)が良好に現出される。カバーシート20の成形後の外観形状としては、カバーシート20の意匠面と側面部のなす角度が鈍角となっているので、カバーシート20を上記型枠本体14に被せやすい。この実施例では、まず真空成形の金型12aを型枠本体成形用の金型12aと共用したが、同じ意匠面を有する別の金型を用いてもよい。また、同様にプレス成形用の押し型においても、型枠本体と同じ形状で高密度品を使用したが、通常の金型製の押し型であってもよいが、少なくとも凸部押し部の先端が弾性体になっているものが好ましい。
【0028】
次に、図3を参照してコンリート打設時を説明する。21は厚さ12mmの合板である。この合板21の片面には、移動金型11から取り外された型枠本体14が固着されている。この型枠本体14の意匠面には、カバーシート20が意匠面を非接着状態で被覆されている。その後、多数本のセパレータ22およびホームタイ23を用いて、コンリート打設隙間を形成する。なお、図3中の22aは、セパレータ22の袋ナットである。その後、このコンクリート打設隙間にコンクリート24を打設すると、その側圧によりカバーシート20と、型枠本体14とが密着する。コンクリート24の養生、固化後、化粧型枠Aが脱型される。その際、型枠本体14は、コンクリート24ののろなどが付着していないので、セパレータ22の孔は空いているが、同じ孔を使用すれば再利用が可能である。なお、この型枠本体14は、数回使用した後にリサイクルされるが、この際、コンクリートなどの異物が付着していないので、品質の良い再生ペレットができる。
【0029】
カバーシート20が、打設されたコンクリートおよび型枠本体と完全に密着していないので、型枠本体14から剥離されるとともに、打設されたコンクリート24の意匠面からも簡単に剥離される。なお、このカバーシート20の剥離時、セパレータ22の箇所で一部が破けるものの、シート全体は1枚もので簡単に剥がれる。よって、コンクリート24の意匠面の模様は、縦横に目地が通った良好なものとなる。
なお、このカバーシート20は、ほとんど破れずに剥離できる。これは、カバーシート付形時に、部分的に薄い部分ができていないため、コンクリートに密着しないためと考えられる。
よって、コンクリート24の意匠面には、縦横に目地が通った良好な石積み模様が現出される。
しかも、型枠本体14とカバーシート20が非接着状態であるので、化粧型枠Aのコンクリート24からの剥離時に、型枠本体14が砕けて細片化しない。これにより、細片化した発泡スチロールが周辺に飛散せず、周辺環境を悪化させない。
【0030】
【発明の効果】
この発明は、このようにコンクリート表面に目地を含む凹凸意匠を形成する合成樹脂発泡体製化粧型枠において、意匠面に目地意匠を形成する連続した凸部を有する型枠本体と、型枠本体の目地意匠に対応して凹凸意匠が付形されたカバーシートとを有し、型枠本体には、カバーシート被覆時にエアー抜き孔となる、意匠面の目地部の凸部から裏面に貫通した複数の貫通孔を有し、カバーシートは、熱可塑性樹脂からなる基材シートを付形したシートであって、型枠本体の意匠面および4側面部を非接着状態で被覆し、上記型枠本体の側面部を被覆する部分と、上記意匠面を被覆する部分との間の角度が鈍角であるようにしたので、特に、化粧型枠の意匠面に目地付きの意匠を有し、かつ同一意匠内の高低差が大きなもので、コンクリート打設面から容易に化粧型枠を剥離することが可能で、しかも、化粧型枠は、剥離時にほとんど割れが生じないために、例えば、従来、複数回の使用が不可能であったポリスチレン製の化粧型枠であっても、複数回の使用を可能とすることができる。また、カバーシートは型枠本体を完全に被覆することができる。
【0031】
請求項2の発明によれば、型枠本体の凸部を被覆するカバーシートの目地形成部の平均シート厚さを、基材シートの厚さの50%以上としたので、剥離性が良くて破れにくい。
【0033】
請求項3の発明によれば、このように弾性を有する押し型として用いたので、基材シートを破損させずに、基材シートに部分的な伸びによる薄い部分がないので、剥離性に優れた彫り深い意匠面を良好に現出させることができる。
また、型枠本体とカバーシートとを非接着状態でコンクリート打設したので、それぞれの剥離性が良く、型枠本体およびカバーシートは、共に複数回の使用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係る合成樹脂発泡体製化粧型枠の製造方法における型枠本体の成形工程を示す説明図である。
【図2】 この発明の一実施例に係る合成樹脂発泡体製化粧型枠製造方法に用いられる成形型の平面図である。
図3】 この発明の一実施例に係る合成樹脂発泡体製化粧型枠の製造方法におけるコンクリート成形品の打設工程を示す説明図である。
【符号の説明】
化粧型枠
貫通孔
10 型枠本体成形用の金型装置
12a 金型(成形型)
14 型枠本体
15 金型フレーム
20 カバーシート
24 コンクリート

Claims (3)

  1. コンクリート表面に目地を含む凹凸意匠を形成する合成樹脂発泡体製化粧型枠において、意匠面に目地意匠を形成する連続した凸部を有する型枠本体と、該型枠本体の目地意匠に対応して凹凸意匠が付形されたカバーシートとを有し、上記型枠本体には、カバーシート被覆時にエアー抜き孔となる、意匠面の目地部の凸部から裏面に貫通した複数の貫通孔を有し、上記カバーシートは、熱可塑性樹脂からなる基材シートを付形したシートであって、上記型枠本体の意匠面および4側面部を非接着状態で被覆し、上記型枠本体の側面部を被覆する部分と、上記意匠面を被覆する部分との間の角度が鈍角であることを特徴とする合成樹脂発泡体製化粧型枠。
  2. 上記カバーシートは、上記型枠本体の凸部を被覆する目地形成部の平均シート厚さが、上記基材シートの厚さの50%以上である請求項1記載の合成樹脂発泡体製化粧型枠。
  3. コンクリート表面に目地意匠を含む凹凸意匠を形成する型枠本体と、該型枠本体を外方から被覆するカバーシートとを備えた合成樹脂発泡体製化粧型枠の製造方法において、上記型枠本体は、成形型を用いて発泡性合成樹脂により成形され、しかもその意匠面には目地意匠を形成する連続した凸部を有する一方、上記意匠面の目地部の凸部から裏面にかけて複数の貫通孔が設けられ、上記カバーシートは、上記型枠本体用の成形型またはこれと同じ意匠面を有する別の成形型を用いて熱可塑性樹脂製の基材シートを真空成形により仮付形し、該仮付形後のカバーシートを、上記成形型にセットした状態で、上記型枠本体と同形状で少なくとも意匠面に弾力性を有する型を押し型として用い、該押し型に形成された貫通孔よりエアーを抜きながら、カバーシートを上記型枠本体の側面部を被覆する部分と、上記意匠面を被覆する部分との間の角度が鈍角となるように本付形することを特徴とする合成樹脂発泡体製化粧型枠の製造方法。
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