JPH07285117A - 模様付軽量気泡コンクリートパネルの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面の凹凸模様が明瞭で気泡の破壊による不
規則な孔の少ない模様付軽量気泡コンクリートパネルを
経済的に得るための製造方法を提供する。 【構成】 型枠１０内に軽量気泡コンクリートスラリー
１１を打設した後、前記打設コンクリートスラリーの保
形硬度が生じる前に前記スラリーの上面にエアノズル１
３から加圧空気１２を吹き付けて前記スラリー上面を凹
凸にすることにより、コンクリート表面に所要の凹凸模
様１４を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は模様付軽量気泡コンク
リートパネルの製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、プレハブ式ユニット住宅の壁パネ
ルとして、模様付軽量気泡コンクリートパネルが用いら
れている。このような模様付軽量気泡コンクリートパネ
ルは、表面に離型剤が塗布された模様シートを成形用型
枠内に敷設し、軽量気泡コンクリートスラリーを前記型
枠内の模様シート上に打設し、養生硬化せしめて前記シ
ートの模様をコンクリートに転写することによって製造
されている。

【０００３】しかしながら、この方法にあっては、用い
られる模様シートが高価であるため、パネル製造のコス
トが高くなるという問題がある。また、軽量気泡コンク
リートスラリーを型枠内に打設するに際し、前記軽量気
泡コンクリートスラリーの自重により、前記模様シート
近傍の気泡の膜が壊れることがある。

【０００４】そのため、かかる気泡の破壊されたコンク
リートスラリーによって形成されたパネルの表面には、
気泡の膜がなくなったことによる細かな孔が不規則に多
数発生するという問題があった。この孔は、パネルの外
観を不良とするばかりか、前記孔の近傍からパネルの欠
けなどを発生させることもあった。さらにパネル表面に
防水塗装などを行なった場合、かかる塗料の均一な塗布
を妨げるおそれもある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な問題を解決するために提案されたものであって、表面
の凹凸模様が明瞭で気泡の破壊の少ない模様付軽量気泡
コンクリートパネルを経済的に得るための製造方法を提
供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
型枠内に軽量気泡コンクリートスラリーを打設した後、
前記打設コンクリートスラリーの保形硬度が生じる前に
前記スラリーの上面にエアノズルから加圧空気を吹き付
けて前記スラリー上面を凹凸にすることにより、コンク
リート表面に所要の凹凸模様を形成することを特徴とす
る模様付軽量気泡コンクリートパネルの製造方法に係
る。

【０００７】

【実施例】以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説
明する。図１はこの発明の模様付軽量気泡コンクリート
パネルの製造方法の一例を示したもので、型枠内にコン
クリートスラリーを打設する工程を示す断面図、図２は
前記コンクリートスラリー上に加圧空気を吹き付ける工
程を示す断面図、図３は型枠からコンクリートパネルを
脱型する工程を示す断面図、図４は加圧空気の吹き付け
工程の他の実施例を示す断面図、図５はノズルの他の例
を示す断面図である。

【０００８】この発明の製造方法は、コンクリートスラ
リーを型枠内に打設する工程と、前記型枠内に打設され
たコンクリートスラリーに加圧空気を吹き付ける工程と
を備える。

【０００９】まず、コンクリートスラリーの打設工程に
ついて説明する。図１に示されるように、板材などによ
って所定のパネル形状に形成された型枠１０内に、コン
クリートスラリー１１が打設される。前記コンクリート
スラリー１１は、ポルトランドセメント、生石灰、珪砂
などの原料に水および起泡剤などを加えてなる公知の軽
量気泡コンクリートスラリーが好適に用いられる。

【００１０】次に、図２に示されるように、前記型枠１
０内に打設されたコンクリートスラリー１１の上面に、
エアノズル１３によって加圧空気１２が吹き付けられ
る。この加圧空気１２は、前記型枠１０内の軽量気泡コ
ンクリートスラリー１１がそれ自体の保形硬度を生じる
前に吹き付けられ、前記軽量気泡コンクリートスラリー
１１の表面を部分的に押圧し凹凸状にし、もってパネル
表面に所要の凹凸模様を形成するためのものである。

【００１１】前記加圧空気１２は、打設される軽量気泡
コンクリートスラリー１１の粘度や形成される模様の形
状などに応じ、図示しないコンピューターあるいは手動
によって、その吹き出し量や圧力、吹き付けならびに停
止などの制御がなされる。

【００１２】前記エアノズル１３は、形成される模様の
位置などに合わせて、一の型枠１０上方に多数個が配置
されている。それによって、前記軽量気泡コンクリート
スラリー１１の表面に所要の模様１４を、従来の模様シ
ートを用いずに速やかにかつ確実に形成することができ
る。

【００１３】また、図４に示されるように、一のエアノ
ズル１３が、前記加圧空気１２と同様に、図示しないコ
ンピューターなどによって、型枠１０上方を前後左右自
在に移動するように制御してもよい。そうすれば、型枠
の大きさに係わらずスラリー表面に様々な模様を形成す
ることができる。

【００１４】続いて、図３に示されるように、前記エア
ノズル１３によって表面に凹凸模様１４が形成された軽
量気泡コンクリートスラリー１１を、所定時間養生させ
硬化させた後、脱型する。得られたパネル体を、図示し
ないオートクレーブなどによって加熱加圧してさらに養
生し、模様付軽量気泡コンクリートパネル１５を得る。
この模様付軽量気泡コンクリートパネル１５には、加圧
空気の押圧による凹凸が明瞭な模様１４となって表れて
いる。

【００１５】この構成によれば、高価な模様シートを用
いることがないので、かかる模様付軽量気泡コンクリー
トパネルを経済的に得ることができる。また、前記加圧
空気１２およびエアノズル１３の作動をコンピューター
などによって制御することによって、多種多様な凹凸模
様を形成することができる。また、成形するコンクリー
トパネルの形状に係わらず確実に模様をつけることがで
きる。さらに、コンクリートスラリーの上面に模様が形
成されるので、前記模様部分の気泡がスラリー自体の重
さによって破壊されることがなく、パネル表面の外観は
良好で、塗装性にも優れている。

【００１６】図５はエアノズルの他の例を示したもので
ある。このエアノズル１６は、高圧ノズル１７と前記高
圧ノズル１７の外側に形成された低圧ノズル１８とから
なり、図のような二重管形状に形成されている。高圧ノ
ズル１７からは、軽量気泡コンクリートスラリー１９に
所期の凹凸模様を付与するために高圧に調整された加圧
空気が吹き出される。また、低圧ノズル１８からは軽量
気泡コンクリートスラリー１９に凹凸模様が形成されな
い程度の低圧に調整された空気が吹き出されるようにな
っている。

【００１７】このノズル構成によれば、エアノズル１６
中心に設けられた高圧ノズル１７から高圧の加圧空気が
吹き出され、前記高圧ノズル１７外周に設けられた低圧
ノズル１８からは低圧の空気が吹き出される。そのた
め、高圧空気によって吹き付けられた軽量気泡コンクリ
ートスラリー１９の周辺が低圧の空気によって抑えら
れ、当該軽量気泡コンクリートスラリー１９の表面が飛
散したり、形成した模様が部分的に欠けたりするのを防
ぐことができる。

【００１８】

【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
製造方法によれば、高価な模様シートを用いることがな
いので、かかる模様付軽量気泡コンクリートパネルを経
済的に製造することができる。また、コンクリートスラ
リー上面に模様が形成されるので、凹凸が明瞭で気泡の
破壊が少なく外観は極めて良好である。

【図面の簡単な説明】

【図１】型枠内にコンクリートスラリーを打設する工程
を示す断面図である。

【図２】前記コンクリートスラリー上に加圧空気を吹き
付ける工程を示す断面図である。

【図３】型枠からコンクリートパネルを脱型する工程を
示す断面図である。

【図４】加圧空気の吹き付け工程の他の実施例を示す断
面図である。

【図５】ノズルの他の例を示す断面図である。

【符号の説明】

１０ 型枠 １１ 軽量気泡コンクリートスラリー １２ 加圧空気 １３ エアノズル １４ 凹凸模様

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 型枠内に軽量気泡コンクリートスラリー
   を打設した後、前記打設コンクリートスラリーの保形硬
   度が生じる前に前記スラリーの上面にエアノズルから加
   圧空気を吹き付けて前記スラリー上面を凹凸にすること
   により、コンクリート表面に所要の凹凸模様を形成する
   ことを特徴とする模様付軽量気泡コンクリートパネルの
   製造方法。