JP2001277227A - 合成樹脂発泡体製化粧型枠およびその製造方法 - Google Patents

合成樹脂発泡体製化粧型枠およびその製造方法

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JP2001277227A JP2000102143A JP2000102143A JP2001277227A JP 2001277227 A JP2001277227 A JP 2001277227A JP 2000102143 A JP2000102143 A JP 2000102143A JP 2000102143 A JP2000102143 A JP 2000102143A JP 2001277227 A JP2001277227 A JP 2001277227A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に、彫りの深いコンクリート打設面から容
易に化粧型枠を剥離でき、化粧型枠を複数回使用でき、
また彫りの深いコンクリート打設面を良好に現出できる
合成樹脂発泡体製化粧型枠およびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 化粧型枠Aが、凸部14aを有する型枠
本体14とカバーシート20とからなり、カバーシート
20は、型枠本体14の意匠面、4側面部を非接着状態
で被覆するようにしたので、特に、彫りの深いコンクリ
ート24の打設面から容易に化粧型枠Aを剥離できる。
これにより、化粧型枠A、具体的には型枠本体14とカ
バーシート20とを複数回使用することができる。ま
た、型枠本体14と同形状で少なくとも意匠面に弾力性
を有する型をカバーシート20の成形用の押し型14′
として使用すれば、彫りの深いコンクリート24の打設
面を良好に現出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁面などに石積み
模様などを形成する化粧型枠に関するもので、特に、目
地を有する意匠用の合成樹脂発泡体製化粧型枠およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンクリートなどを利用して
構築される海岸などの護岸やビルなどの壁面に、自然景
観に近い状態や自然石を使用しているような景観にする
ために、合成樹脂発泡体などの化粧型枠を使用して石積
み模様などを形成することが行われている。その通常の
構築方法としては、所定の凹凸意匠を有する化粧型枠を
現場で組み上げ、次いでコンクリートを打設し、養生、
固化後に型枠を解体して化粧型枠をコンクリート面から
隔離する方法がとられている。これにより、コンクリー
ト面に、化粧型枠の意匠の凹凸形状とは逆向きの凹凸が
転写される。なお、この意匠面は、必要に応じて、塗装
により着色される場合もある。
【0003】化粧型枠の種類としては、例えば、ポリス
チレン樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂な
どの発泡樹脂粒子を型成形したものが挙げられる。その
ほか、ウレタン樹脂などのエラストマーを型成形したも
の、または熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を射出成形、回
転成形したものなども採用することができる。このう
ち、最も汎用されているものは、施工性や生産コストの
観点から、軽量で安価な各種の発泡樹脂粒子を型成形し
た化粧型枠である。しかしながら、化粧型枠のコンクリ
ート面からの剥離性は、必ずしも良好であるとはいえな
い。特に、この発泡樹脂粒子を型成形する場合には、固
化後、発泡樹脂粒子間にコンクリートがくい込んだ状態
となり、剥離しにくく、かつ剥離時に型枠自体が割れて
しまう恐れもある。このような化粧型枠の剥離性は、そ
の意匠形状によっても差がある。すなわち、例えば彫り
の深い石積み模様のような、起伏が激しい意匠面ほど剥
離性が低下する傾向にある。
【0004】発泡樹脂粒子の型成形による化粧型枠の剥
離性を改良するため、数々の発明がなされ、現場施工さ
れている。例えば、化粧型枠の意匠面に離型剤などを塗
布したり、型成形時に意匠表面部を加熱して発泡樹脂粒
子を溶かすことでスキン層を設けたり、化粧型枠の意匠
面に、コンクリートとの密着性が悪い熱可塑性樹脂製の
シートからなる離型層を一体的に設けたりする対応がな
されている。しかしながら、離型剤を塗布した場合に
は、発泡樹脂粒子を溶解させない離型剤を選定する必要
があり、しかも施工後のコンクリート面が変色する恐れ
がある。また、スキン層を設ける場合には、成形条件の
管理が難しく、しかも特殊な成形型が必要となるので生
産性などが低下して、あまり有用な方法とは言えない。
さらに、コンクリートとの剥離性が良いシートを使用す
る場合、型成形時に意匠面側にシートをインサートして
一体成形する方法が採られている。このときに、熱が伝
わりやすく、シートの意匠付形が発泡圧力によって可能
なように、できるだけ薄いシートが好まれている。その
ため、成形時にシートが破れたり穴が明き易く、その部
分にコンクリートが入り込んで、剥離性をより悪化させ
る恐れがある。
【0005】以上のような対応により、化粧型枠の剥離
性は改良されたが、剥離時に化粧型枠が細かく割れてし
まい、廃棄処分が大変になる問題点がある。しかも、こ
のように剥離時に細かく割れてしまう傾向は、多少の柔
軟性を有するポリエチレン樹脂製,ポリプロピレン樹脂
製などの場合には少ないが、最も汎用されているポリス
チレン製の化粧型枠の場合には、剥離による割れととも
に、周囲に小片が飛散する恐れがある。特に、このよう
な対策が採られた化粧型枠においても、意匠面の形状に
よっては剥離性が不十分な場合がある。例えば、石積み
模様などのように、深い目地が存在し、かつ意匠面の高
低の差が大きな意匠面はその傾向が顕著である。このよ
うな意匠面の場合には、化粧型枠をコンクリート面から
剥がすことができなくなることもある。このような場合
には、溶剤や火炎を利用して、コンクリート面に付着し
た化粧型枠を溶解、焼失させてしまう方法が採られてい
る。しかしながら、コンクリートが汚れてしまって、好
ましい方法ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、長期にわたる鋭意研究の結果、化粧型枠表面に剥離
層となる熱可塑性樹脂シートを形成することが有効であ
ることに着目し、しかも、化粧型枠意匠面と剥離層であ
るシートとを接着させたり、一体成形したりして一体化
しない方が剥離性が向上することを発見し本発明を完成
させた。
【0007】本発明は、上記のような従来技術を背景に
なされたもので、特に、化粧型枠の意匠面に目地付きの
意匠を有し、かつ同一意匠内の高低差が大きなもので、
コンクリート打設面から容易に化粧型枠を剥離すること
が可能で、しかも、化粧型枠は、剥離時にほとんど割れ
が生じないために、例えば、従来、複数回の使用が不可
能であったポリスチレン製の化粧型枠であっても、複数
回の使用が可能となる合成樹脂発泡体製化粧型枠および
その製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、コンクリート表面に目地を含む凹凸意匠を形成する
合成樹脂発泡体製化粧型枠において、意匠面に目地意匠
を形成する連続した凸部を有する型枠本体と、該型枠本
体の目地意匠に対応して凹凸意匠が付形されたカバーシ
ートとを有し、上記型枠本体には、カバーシート被覆時
にエアー抜き孔となる、意匠面から裏面に貫通した複数
の貫通孔を有し、上記カバーシートは、熱可塑性樹脂か
らなる基材シートを付形したシートであって、上記型枠
本体の意匠面および4側面部を非接着状態で被覆するこ
とを特徴とする合成樹脂発泡体製化粧型枠である。
【0009】請求項2に記載の発明は、上記カバーシー
トは、上記型枠本体の凸部を被覆する目地形成部の平均
シート厚さが、上記基材シートの厚さの50%以上であ
る請求項1記載の合成樹脂発泡体製化粧型枠である。
【0010】請求項3に記載の発明は、上記カバーシー
トは、上記型枠本体の側面部を被覆する部分と、上記意
匠面を被覆する部分との間の角度が鈍角である請求項1
または2記載の合成樹脂発泡体製化粧型枠である。
【0011】請求項4に記載の発明は、コンクリート表
面に目地意匠を含む凹凸意匠を形成する型枠本体と、該
型枠本体を外方から被覆するカバーシートとを備えた合
成樹脂発泡体製化粧型枠の製造方法において、上記型枠
本体は、成形型を用いて発泡性合成樹脂により成形さ
れ、しかもその意匠面には目地意匠を形成する連続した
凸部を有する一方、上記意匠面から裏面にかけて複数の
貫通孔が設けられ、上記カバーシートは、上記型枠本体
用の成形型またはこれと同じ意匠面を有する別の成形型
を用いて熱可塑性樹脂製の基材シートを真空成形により
仮付形し、該仮付形後のカバーシートを、上記成形型に
セットした状態で、上記型枠本体と同形状で少なくとも
意匠面に弾力性を有する型を押し型として用い、該押し
型に形成された貫通孔よりエアーを抜きながら、カバー
シートを本付形することを特徴とする合成樹脂発泡体製
化粧型枠の製造方法である。
【0012】本発明で使用される合成樹脂発泡体製化粧
型枠の本体を形成する合成樹脂発泡体は、特に限定され
るものでないが、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系
樹脂、ポリプロピレン系樹脂など、またはこれらの樹脂
とエラストマー樹脂との複合樹脂からなる発泡性異形樹
脂粒子を採用することができる。なお、柔軟性の少ない
ポリスチレン系樹脂製の化粧型枠にあっては、剥離時に
割れなどの発生を低減することができるので、特に有用
となる。
【0013】合成樹脂発泡体製化粧型枠の本体を成形す
る方法としては、通常の合成樹脂発泡体製化粧型枠を成
形する方法を採用することができる。本発明に使用され
る化粧型枠の型枠本体は、カバーシート被覆時にエアー
抜けの働きをする複数の小径な貫通孔を意匠面全体に有
している。このように型枠本体に貫通孔を設ける方法と
しては、成形型内に貫通孔用の柱状体を一体的に設けて
もよいし、型成形後に2次的加工として設けてもよい。
この貫通孔の直径は1.0〜20mm、好ましくは2〜
12mm程度であり、貫通孔の形成位置はコンクリート
意匠面に支障の少ない位置が好ましい。なお、ここでい
う支障がない位置としては、目地部の凸部が好ましい。
すなわち、この凸部にはシート被覆時にエアが溜まりや
すく、この部分に貫通孔を設けておけば効果的となる。
なお、型枠本体の意匠面凸部であるこの目地部は、コン
クリート意匠面では凹部となる。よって、この部分に小
さな貫通孔を穿設しても、打設後のコンクリート面上で
は目立たない。なお、化粧型枠組み付け時に、セパレー
タの孔を設ける必要があるが、これもやはり目地部に設
けられるので、上記貫通孔をこのセパレータ用の孔と共
用することもできる。
【0014】カバーシートは、熱可塑性樹脂製の基材シ
ートを真空成形(仮付形)、プレス成形(本付形)など
の加工方法によって型成形される。このカバーシート
は、型枠本体の意匠面と同じ凹凸面を有し、型枠本体の
意匠面と4側面を被覆することができるように付形され
ている。使用される熱可塑性樹脂としては、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹
脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂などを採用す
ることができる。この付形によって型枠本体と同じ意匠
表現を行うことができればよい。したがって、シートの
厚さは、0.2〜1.0mmであり、シートの引っ張り
強度が200〜600kgf/cm2 の範囲で、伸び率
が2〜50%が好ましい。伸び率において、特に好まし
くは15%〜50%である。
【0015】シート厚さが0.2mm未満では、シート
が付形時に破れやすく、さらに型枠本体にカバーシート
が密着してしまって、コンクリートからの剥離性が低下
しやすい。一方、1.0mmを超えると、シートの付形
性が劣り、作業効率を低下させる一方、細やかな意匠の
再現性が低下される懸念がある。シートの引っ張り強度
が200kgf/cm2 未満では、コンクリートからの
剥離時にカバーシートが破れやすく、かつ付形性が低下
しやすい。一方、600kgf/cm2 を超えてしまう
と、シートがコスト高になる一方、付形性が低下する恐
れがある。シートの伸び率が2%未満では、付形性が低
下し、さらにコンクリートからの剥離時に、カバーシー
トが破れる可能性がある。一方、50%を超えると、コ
ンクリートからの剥離時にカバーシートが伸びてしま
い、剥離がしにくい。また、基材シートの付形後の収縮
率は、型枠本体の収縮率に近い方が好ましく、型枠本体
に使用される合成樹脂および発泡倍率によって適宜選択
される。
【0016】カバーシートは、型枠本体の意匠面と同じ
凹凸意匠面を上面部に有している。また、カバーシート
は型枠本体の4側面部を被覆して、その長さとほぼ同じ
長さの側面を有している。カバーシートは、矩形状で、
型枠本体に被覆させる。なお、カバーシートは、型枠本
体と非接着状態としている。型枠本体とカバーシートを
接着して一体とした場合には、化粧型枠の剥離時に細か
く割れてしまい、周囲に小片が飛散したりする。また、
カバーシートも一枚物で剥がれず、型枠本体も細分化し
てしまうので、作業性が悪くなる。以上の事柄は、請求
項4にも該当する。
【0017】請求項2において、型枠本体の凸部を被覆
するカバーシートの目地形成部とは目地の立ち上がり、
および頭頂付近を形成する部分のことである。カバーシ
ートの目地形成部は、付形の際に、ほかの部分に比べて
薄くなる傾向がある。したがって、この部分が基材シー
ト厚さの50%未満になると剥離性が低下し、破れ易く
なるので、50%以上、好ましくは70%以上とする。
【0018】請求項3において、カバーシートの外観形
状として、型枠本体に被覆した状態で、カバーシートの
側面部が型枠本体の側面に密着しないような形状が好ま
しい。密着するような形状であると、型枠本体にカバー
シートが被覆し難くなる場合があり好ましくない。した
がって、カバーシートの意匠面と側面部との間の角度を
鈍角とするような形状であることが好ましい。
【0019】請求項4における合成樹脂発泡体製化粧型
枠の製造方法においては、カバーシートを仮付形する成
形型は化粧型枠の型枠本体を成形する成形型を共有して
もよしい、同じ意匠面を有する別の成形型を用いてもよ
い。ただし、同一の成形型を用いた方場合には、シート
付形用の専用型が不用となり、コスト面で有利となる。
なお、ここでいう成形型は、通常の金型のほか、合成樹
脂製の金型も含み、目地部分には、貫通孔が形成されて
いる。この貫通孔は、融着成形時に蒸気が浸入する蒸気
孔であるとともに、カバーシートの真空成形(仮付形)
時の吸引孔も兼ねることができる。また、カバーシート
のプレス成形(本付形)に使用される押し型としては、
化粧型枠の意匠面を有する通常の金型でもよいし、型枠
本体と同形状で発泡性合成樹脂で成形された別の型でも
よい。また、押し型は、少なくとも凹凸意匠を有する部
分が基材シートを付形可能な硬度を有する弾性体である
必要がある。なぜなら、弾性を有しない鋳物などの金属
製の場合では、急激に加えられる成形圧によって基材シ
ートが部分的に伸びてしまい、この目地部分などの変形
が大きい箇所においてシート厚が薄くなる恐れがある。
なお、押し型の圧縮弾性率としては、45〜200kg
f/cm2 が好ましい。また、この押し型が、型枠本体
と同形の発泡体の場合、発泡密度が、型枠本体よりも高
い(30kg/cm2 以上)のものを採用した方が好ま
しい。
【0020】以上のことから、本発明は、合成樹脂発泡
体製の化粧型枠剥離性を向上させることができる。しか
も、この発明は、通常は剥離性が悪いとされる、連続し
た彫りの深い凹凸を有するコンクリート面(例えば、石
垣模様など)を現出させる型枠に対し、特に良好な効果
が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を説
明する。図1は、この発明の一実施例に係る合成樹脂発
泡体製化粧型枠の製造方法における型枠本体の成形工程
を示す説明図である。図2は、この発明の一実施例に係
る合成樹脂発泡体製化粧型枠の製造方法におけるカバー
シートの成形工程を示す説明図である。図3は、この発
明の一実施例に係る合成樹脂発泡体製化粧型枠製造方法
に用いられる成形型の平面図である。図4は、この発明
の一実施例に係る合成樹脂発泡体製化粧型枠の製造方法
におけるコンクリート成形品の打設工程を示す説明図で
ある。
【0022】図1において、10は合成樹脂発泡体製化
粧型枠A(図3参照)の一部を構成する型枠本体成形用
の金型装置であり、この金型装置10は、矩形蓋状の移
動金型11と、石積み柄の意匠面を有する金型(成形
型)12aが連結された固定金型12とを有している。
移動金型11には、多数本の原料充填シリンダ13が突
設されている。この原料充填シリンダ13から、原料で
ある予備発泡された合成樹脂発泡粒子が嵌合後の金型1
1,12の内部空隙に充填されて、型枠本体14が成形
される。なお、14aは、型枠本体14の凸部である
(図4参照)。
【0023】固定金型12は、移動金型11側の面が開
口された矩形箱状の金型フレーム15と、この金型フレ
ーム15の内部には、金型12aの意匠部分を補強する
多数本の補強支持棒16によって支持された金型枠17
が設けられている。この金型枠17の外面には補強板1
8が固着されており、この補強板18に、上記金型12
aが取り付けられている。これらの補強板18および補
強支持棒16は、着脱自在にボルト締着されている。し
たがって、移動金型11と固定金型12とを嵌合し、そ
の後、移動金型11,固定金型12の内部空隙に、原料
充填シリンダ13より合成樹脂発泡粒子が充填される。
このようにして、型枠本体14が中間製造される。この
型枠本体14には、カバーシート20の被覆時にエアー
抜き孔となり、しかも意匠面から裏面に貫通する図示し
ない貫通孔が形成されている。なお、この貫通孔を形成
する方法としては、金型装置10の型枠本体成形用の空
隙内に、この貫通孔用の柱状体を配設して型枠本体14
を成形する。なお、貫通孔は、型枠本体成形後に、別
途、後加工により設けてもよい。
【0024】なお、図1および図3に示すように、金型
12aの凹部の最下部と、これが固定される補強板18
の各対向部分には、それぞれ多数個の小孔a(5〜10
mm)が穿設されている。これらの小孔aを介して、型
枠本体14の融着成形に利用される蒸気が供給される。
なお、図3中のb,cは、金型12aの石積み模様の意
匠部分であり、これらの意匠部分b,cには、コンクリ
ートへの転写の模様不具合をなくすため、小さなキリ孔
(0.5〜1.0mm)である蒸気孔が形成されてい
る。
【0025】次に、図2を参照して、カバーシート20
(図4参照)の仮付形を行う真空成形工程を説明する。
まず図1において、補強板18が連結された金型12a
を移動金型11から取り外し、図示しない真空装置に取
り付ける。また、補強板18の外周縁には、木製の矩形
枠板19が固着される。このカバーシート20が上記型
枠本体14の側面部を被覆する部分と、石積み模様の意
匠面を被覆する部分とで形成された角度が鈍角になって
いる。このように鈍角にすれば、カバーシート20を上
記型枠本体14を被覆する際に、型枠本体14の外周部
に嵌め込みやすい。
【0026】シート真空成形時には、まず剥離性の高い
ハイ・インパクトポリスチレン(HIPS)製の基材シ
ートSを加熱し、図1の型枠本体成形時に使用した金型
12a上に配置する。この基材シートSは、引っ張り強
度が309kgf/cm2 で、引っ張り伸び率は横方向
が15.5%、延伸方向が平均40%である。シート厚
は0.3mmである。そして、成形されたカバーシート
20の目地形成部のシート厚は、基材シートSの厚さ
0.3mmの50%以上、すなわち0.15mm以上で
ある。次いで、図示しない負圧発生装置によって各貫通
孔a(図3も参照)から基材シートSを吸引する。これ
により、基材シートSが金型12aの意匠面に密着され
て、ほぼ同じ形状に仮付形される。その後、基材シート
Sを金型12a上にセットしたまま、移動金型11′に
装着された型枠本体と同形状の高密度(30kg/
3 )の成形品を押し型14′として使用し、この基材
シートSを本付形(プレス成形)する。これにより、基
材シートSがカバーシート20に成形される。
【0027】このとき、型枠本体14と同形状であっ
て、かつ発泡密度が30kg/m3 と高密度の押し型1
4′を使用することによって、適度な弾性を有し、意匠
面の凹部の最下部の鋭角部分(目地部分)が良好に現出
される。なお、14′aは、押し型の凸部である。カバ
ーシート20の成形後の外観形状としては、カバーシー
ト20の意匠面と側面部のなす角度が鈍角となっている
ので、カバーシート20を上記型枠本体14に被せやす
い。この実施例では、まず真空成形の金型12aを型枠
本体成形用の金型12aと共用したが、同じ意匠面を有
する別の金型を用いてもよい。また、同様にプレス成形
用の押し型においても、型枠本体と同じ形状で高密度品
を使用したが、通常の金型製の押し型であってもよい
が、少なくとも凸部押し部の先端が弾性体になっている
ものが好ましい。
【0028】次に、図4を参照してコンリート打設時を
説明する。21は厚さ12mmの合板である。この合板
21の片面には、移動金型11から取り外された型枠本
体14が固着されている。この型枠本体14の意匠面に
は、カバーシート20が意匠面を非接着状態で被覆され
ている。その後、多数本のセパレータ22およびホーム
タイ23を用いて、コンリート打設隙間を形成する。な
お、図4中の22aは、セパレータ22の袋ナットであ
る。その後、このコンクリート打設隙間にコンクリート
24を打設すると、その側圧によりカバーシート20
と、型枠本体14とが密着する。コンクリート24の養
生、固化後、化粧型枠Aが脱型される。その際、型枠本
体14は、コンクリート24ののろなどが付着していな
いので、セパレータ22の孔は空いているが、同じ孔を
使用すれば再利用が可能である。なお、この型枠本体1
4は、数回使用した後にリサイクルされるが、この際、
コンクリートなどの異物が付着していないので、品質の
良い再生ペレットができる。
【0029】カバーシート20が、打設されたコンクリ
ートおよび型枠本体と完全に密着していないので、型枠
本体14から剥離されるとともに、打設されたコンクリ
ート24の意匠面からも簡単に剥離される。なお、この
カバーシート20の剥離時、セパレータ22の箇所で一
部が破けるものの、シート全体は1枚もので簡単に剥が
れる。よって、コンクリート24の意匠面の模様は、縦
横に目地が通った良好なものとなる。なお、このカバー
シート20は、ほとんど破れずに剥離できる。これは、
カバーシート付形時に、部分的に薄い部分ができていな
いため、コンクリートに密着しないためと考えられる。
よって、コンクリート24の意匠面には、縦横に目地が
通った良好な石積み模様が現出される。しかも、型枠本
体14とカバーシート20が非接着状態であるので、化
粧型枠Aのコンクリート24からの剥離時に、型枠本体
14が砕けて細片化しない。これにより、細片化した発
泡スチロールが周辺に飛散せず、周辺環境を悪化させな
い。
【0030】
【発明の効果】この発明は、このようにコンクリート表
面に目地を含む凹凸意匠を形成する合成樹脂発泡体製化
粧型枠において、意匠面に目地意匠を形成する連続した
凸部を有する型枠本体と、型枠本体の目地意匠に対応し
て凹凸意匠が付形されたカバーシートとを有し、型枠本
体には、カバーシート被覆時にエアー抜き孔となる、意
匠面から裏面に貫通した複数の貫通孔を有し、カバーシ
ートは、熱可塑性樹脂からなる基材シートを付形したシ
ートであって、型枠本体の意匠面および4側面部を非接
着状態で被覆するようにしたので、特に、化粧型枠の意
匠面に目地付きの意匠を有し、かつ同一意匠内の高低差
が大きなもので、コンクリート打設面から容易に化粧型
枠を剥離することが可能で、しかも、化粧型枠は、剥離
時にほとんど割れが生じないために、例えば、従来、複
数回の使用が不可能であったポリスチレン製の化粧型枠
であっても、複数回の使用を可能とすることができる。
【0031】請求項2の発明によれば、型枠本体の凸部
を被覆するカバーシートの目地形成部の平均シート厚さ
を、基材シートの厚さの50%以上としたので、剥離性
が良くて破れにくい。
【0032】請求項3の発明によれば、カバーシートと
して、その型枠本体の側面部を被覆する部分と、型枠本
体の意匠面を被覆する部分との間の角度が鈍角になった
ものを採用したので、型枠本体を完全に被覆することが
できる。
【0033】請求項4の発明によれば、このように弾性
を有する押し型として用いたので、基材シートを破損さ
せずに、基材シートに部分的な伸びによる薄い部分がな
いので、剥離性に優れた彫り深い意匠面を良好に現出さ
せることができる。また、型枠本体とカバーシートとを
非接着状態でコンクリート打設したので、それぞれの剥
離性が良く、型枠本体およびカバーシートは、共に複数
回の使用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る合成樹脂発泡体製化
粧型枠の製造方法における型枠本体の成形工程を示す説
明図である。
【図2】この発明の一実施例に係る合成樹脂発泡体製化
粧型枠の製造方法におけるカバーシートの成形工程を示
す説明図である。
【図3】この発明の一実施例に係る合成樹脂発泡体製化
粧型枠製造方法に用いられる成形型の平面図である。
【図4】この発明の一実施例に係る合成樹脂発泡体製化
粧型枠の製造方法におけるコンクリート成形品の打設工
程を示す説明図である。
【符号の説明】
A 化粧型枠 S 基材シート a 貫通孔 10 型枠本体成形用の金型装置 12a 金型(成形型) 14 型枠本体 14′ 押し型 14a,14′a 凸部 15 金型フレーム 20 カバーシート 24 コンクリート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート表面に目地を含む凹凸意匠
    を形成する合成樹脂発泡体製化粧型枠において、 意匠面に目地意匠を形成する連続した凸部を有する型枠
    本体と、 該型枠本体の目地意匠に対応して凹凸意匠が付形された
    カバーシートとを有し、 上記型枠本体には、カバーシート被覆時にエアー抜き孔
    となる、意匠面から裏面に貫通した複数の貫通孔を有
    し、 上記カバーシートは、熱可塑性樹脂からなる基材シート
    を付形したシートであって、上記型枠本体の意匠面およ
    び4側面部を非接着状態で被覆することを特徴とする合
    成樹脂発泡体製化粧型枠。
  2. 【請求項2】 上記カバーシートは、上記型枠本体の凸
    部を被覆する目地形成部の平均シート厚さが、上記基材
    シートの厚さの50%以上である請求項1記載の合成樹
    脂発泡体製化粧型枠。
  3. 【請求項3】 上記カバーシートは、上記型枠本体の側
    面部を被覆する部分と、上記意匠面を被覆する部分との
    間の角度が鈍角である請求項1または2記載の合成樹脂
    発泡体製化粧型枠。
  4. 【請求項4】 コンクリート表面に目地意匠を含む凹凸
    意匠を形成する型枠本体と、該型枠本体を外方から被覆
    するカバーシートとを備えた合成樹脂発泡体製化粧型枠
    の製造方法において、 上記型枠本体は、成形型を用いて発泡性合成樹脂により
    成形され、しかもその意匠面には目地意匠を形成する連
    続した凸部を有する一方、上記意匠面から裏面にかけて
    複数の貫通孔が設けられ、 上記カバーシートは、上記型枠本体用の成形型またはこ
    れと同じ意匠面を有する別の成形型を用いて熱可塑性樹
    脂製の基材シートを真空成形により仮付形し、 該仮付形後のカバーシートを、上記成形型にセットした
    状態で、上記型枠本体と同形状で少なくとも意匠面に弾
    力性を有する型を押し型として用い、該押し型に形成さ
    れた貫通孔よりエアーを抜きながら、カバーシートを本
    付形することを特徴とする合成樹脂発泡体製化粧型枠の
    製造方法。
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