JP4100300B2 - 信号出力調整回路及び表示ドライバ - Google Patents

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Description

本発明は、信号出力調整回路及び表示ドライバに関する。
液晶表示装置に代表される電気光学装置は、複数のデータ線及び複数の走査線を有する電気光学パネルを含み、該電気光学パネルの走査線が走査ドライバによって走査されると共に、該電気光学パネルのデータ線がデータドライバによって駆動される。この電気光学装置は、電気光学パネル、データドライバ及び走査ドライバに電源を供給する電源回路を含む場合もある。このように、電気光学装置は、複数のデバイスで構成され、これらデバイス同士が配線により電気的に接続される。
ところが、各デバイスが半導体チップ化されている場合、その入力又は出力のインタフェース仕様は、製造メーカの種類によって異なることが多い。そのため、電気光学装置を複数のデバイスで構成する場合、インタフェース仕様が統一される同一の製造メーカのデバイスを選択せざるを得ないことが多い。従って、各デバイスの製造メーカとしては、インタフェース仕様を吸収できるデバイスを提供することが望ましい。
例えば特許文献1には、このようなインタフェース仕様の違いを吸収する技術が開示されている。特許文献1には、タイミング調整値が格納されるレジスタと、カウンタと、比較回路と、ラッチ回路とを含むタイミング調整回路が記載されている。このタイミング調整回路では、比較回路が、カウンタのカウント値と、レジスタに格納されたタイミング調整値とを比較する。そして、その比較結果に基づいて、前段のユニットからの出力データをラッチ回路でラッチして出力する。こうすることで、データのタイミング調整が可能となり、インタフェース仕様が異なる2つのデバイス間で、データを誤りなく伝達できる。
特開2002−185806号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたタイミング調整回路では、両デバイス間で伝達されるデータのタイミングのみが調整される。デバイスのインタフェース仕様には、回路に依存するいわゆるDC特性を除いて、正論理又は負論理、位相、出力タイミングなどが規定され、これらインタフェース仕様の1つでも異なると、データを誤りなく伝達できない。そのため、特許文献1に開示されたタイミング調整回路では、2つのデバイス間で、データを誤りなく伝達できない場合がある。
また、電気光学装置を駆動するためのデータドライバ(広義には表示ドライバ)、走査ドライバ、及び電源回路は、表示コントローラによって制御される。この場合、データドライバが、外部メモリから読み出したコマンドデータや、表示コントローラから設定されたコマンドデータに基づいて、制御データを走査ドライバや電源回路に設定することがある。従って、データドライバは、走査ドライバや電源回路のインタフェース仕様の違いを吸収できることが望ましい。
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、他のデバイスとの間のいわゆるAC特性の違いを吸収して、汎用的なデバイスを提供するための信号出力調整回路及び表示ドライバを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、コマンドデータに対応した制御データの出力を調整する信号出力調整回路であって、メモリから読み出された前記コマンドデータをデコードするデコーダと、前記デコーダにより、前記コマンドデータが制御データを設定するための第1のコマンドデータであると判別されたとき、該第1のコマンドデータに対応した制御データが設定される制御レジスタと、前記デコーダにより、前記コマンドデータが制御データを出力するための第2のコマンドデータであると判別されたとき、該第2のコマンドデータに対応した制御データが格納されるバッファと、前記制御レジスタの設定値に基づいて、前記バッファに格納された制御データを読み出し、該制御データをデータ取込信号に同期して出力する出力調整回路とを含み、前記出力調整回路は、前記データ取込信号の反転出力の可否、及び前記データ取込信号の出力タイミングの少なくとも1つを、前記制御レジスタの設定値に基づいて設定する信号出力調整回路に関係する。
本発明においては、メモリに第1のコマンドデータ及び第2のコマンドデータを記憶させておき、これらコマンドデータがメモリから読み出される。そして、デコーダが、コマンドデータをデコードし、制御レジスタ又はバッファに、デコードしたコマンドデータに対応した制御データを設定する。出力調整回路は、バッファから読み出された制御データを、制御レジスタの設定値に基づき、その反転出力の可否、及びその出力タイミングの少なくとも1つが設定されたデータ取込信号に同期させて出力する。これにより、信号出力調整回路では、制御データの正論理又は負論理の切り換え、出力タイミングを変更できる。そのため、この制御データが供給される回路の入力のインタフェース仕様に合わせて、制御データを供給できるようになる。従って、この信号出力調整路を含むデバイスの出力のインタフェース仕様を変更し、汎用化を図ることができる。
また本発明に係る信号出力調整回路では、前記出力調整回路は、前記制御レジスタの設定値に基づいて、互いに位相の異なる複数の位相クロックのうち1つの位相クロックを選択するデータ位相選択回路と、前記制御レジスタの設定値に基づいて、前記データ位相選択回路によって選択された1つの位相クロック又はその反転信号のいずれかを出力するデータ信号出力論理レベル変換回路と、前記制御レジスタの設定値に対応した期間だけ、前記データ信号出力論理レベル変換回路の出力を遅延させた前記データ取込信号を生成するデータ出力制御回路とを含むことができる。
本発明によれば、簡素な構成で、上記効果を得ることができる。
また本発明に係る信号出力調整回路では、前記データ取込信号は、所与のクロックに同期した信号であり、前記出力調整回路は、前記制御レジスタの設定値に基づいて、周波数、位相、反転出力の可否、及び出力タイミングの少なくとも1つが設定された前記クロックを出力することができる。
本発明においては、制御レジスタの設定値に基づいて、データ取込信号が同期するクロックの周波数、位相、反転出力の可否、及び出力タイミングの少なくとも1つを設定して出力するようにした。これにより、該クロックの供給先に応じて、制御データの出力のインタフェース仕様を変更でき、この信号出力調整路を含むデバイスの出力のインタフェース仕様を変更し、汎用化を図ることができる。
また本発明は、クロックの出力を調整する信号出力調整回路であって、メモリから読み出されたコマンドデータをデコードするデコーダと、前記デコーダのデコード結果に基づいて、前記コマンドデータに対応した制御データが設定される制御レジスタと、前記制御レジスタの設定値に基づいて、クロックを出力する出力調整回路とを含み、前記出力調整回路は、前記制御レジスタの設定値に基づいて、周波数、位相、反転出力の可否、及び出力タイミングの少なくとも1つが設定された前記クロックを出力する信号出力調整回路に関係する。
本発明においては、メモリにコマンドデータを記憶させておき、これらコマンドデータがメモリから読み出される。そして、デコーダが、コマンドデータをデコードし、制御レジスタ又はバッファに、デコードしたコマンドデータに対応した制御データを設定する。そして、出力調整回路が、制御レジスタの設定値に基づいて、クロックの周波数、位相、反転出力の可否、及び出力タイミングの少なくとも1つを設定して出力するようにした。これにより、供給先に応じてクロックのタイミングを変更でき、この信号出力調整路を含み上述のように出力調整されたクロックを供給するデバイスの汎用化を図ることができる。
また本発明に係る信号出力調整回路では、前記出力調整回路は、前記制御レジスタの設定値に基づいて、互いに位相の異なる複数の位相クロックのうち1つの位相クロックを選択するクロック位相選択回路と、前記制御レジスタの設定値に基づいて、前記クロック位相選択回路によって選択された1つの位相クロック又はその反転信号のいずれかを出力するクロック出力論理レベル変換回路と、前記制御レジスタの設定値に対応した期間だけ、前記クロック出力論理レベル変換回路の出力を遅延させて前記クロックとして出力するクロック出力回路とを含むことができる。
本発明によれば、簡素な構成で、上記効果を得ることができる。
また本発明に係る信号出力調整回路では、前記出力調整回路は、前記制御レジスタの設定値に基づいて、互いに異なる周波数を有する複数の基準クロックのうち1つの基準クロックを選択する基準クロック選択回路と、前記基準クロック選択回路によって選択された1つの基準クロックを分周した分周クロックを基準に、互いに位相の異なるN(Nは2以上の整数)相の位相クロックを生成するN相クロック生成回路とを含み、前記N相クロック生成回路によって生成されたN相の前記位相クロックが、前記クロック位相選択回路又は前記データ位相選択回路に供給されてもよい。
本発明によれば、簡素な構成で、N相の位相クロックを生成できる。
また本発明に係る信号出力調整回路では、前記N相クロック生成回路は、前記制御レジスタの設定値に基づいて設定される分周比で、前記基準クロック選択回路によって選択された1つの基準クロックを分周した分周クロックを基準に、互いに位相の異なるN相の位相クロックを生成することができる。
本発明によれば、N相の位相クロックのバリエーションを増加させることができ、インタフェース仕様をより細かく変更できるようになる。
また本発明に係る信号出力調整回路では、前記メモリは、不揮発性メモリであってもよい。
本発明によれば、例えば初期化時などにコマンドデータにより上述の出力調整を行うことで、制御の簡素化を図り、この信号出力調整回路を含むデバイスのより一層の汎用化を図ることができる。
また本発明は、表示データに基づいて電気光学装置のデータ線を駆動する表示ドライバであって、所与のドットクロックに同期して画素単位にシリアルに入力される前記表示データを、前記ドットクロックに基づいて取り込むデータレジスタと、一水平走査期間を指定する水平同期信号に基づいて、前記データレジスタに取り込まれた前記表示データをラッチするラインラッチと、前記ラインラッチにラッチされた前記表示データに基づいて前記データ線を駆動するデータ線駆動回路と、上記記載の前記信号出力調整回路とを含み、前記複数の基準クロックは、前記ドットクロック、前記水平同期信号、及び一垂直走査期間を指定する垂直同期信号のうち少なくとも1つを含む表示ドライバに関係する。
また本発明に係る表示ドライバでは、前記出力調整回路は、前記電気光学装置の電源を供給する電源回路、及び前記電気光学装置の走査線を走査する走査ドライバのうち少なくとも1つに、前記制御データ又は前記クロックを出力することができる。
本発明によれば、電源回路又は走査ドライバの入力のインタフェース仕様に関わらず、これら電源回路又は走査ドライバが実装される電気光学装置に適用可能な表示ドライバを提供できるようになる。これにより、表示ドライバの低コスト化と、該表示ドライバが適用された電気光学装置の低コスト化とを図ることができるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 信号出力調整回路
図1に、本実施形態における信号出力調整回路の接続関係の模式図を示す。
本実施形態における信号出力調整回路100は、メモリ10に記憶されたコマンドデータに基づいて、制御データの出力、又は該コマンドデータに基づいて生成されたクロックの出力を調整する。この制御データもまた、コマンドデータに対応したデータである。調整された制御データ又はクロックは、信号処理回路20に対して供給される。信号処理回路20は、信号出力調整回路100によって供給された制御データ又はクロックに基づいて所与の処理を行う。こうすることで、信号処理回路20の入力のインタフェース仕様に、信号出力調整回路100の出力のインタフェース仕様を合わせ、信号出力調整回路100を含む半導体装置(デバイス、IC)に汎用性を持たせることができる。
図2(A)〜(D)に、信号出力調整回路100を含む半導体装置の構成例の模式図を示す。但し、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図2(A)では、半導体装置30は、信号出力調整回路100を含む。この場合、信号出力調整回路100は、外部に設けられたメモリ10及び信号処理回路20に接続される。図2(B)では、半導体装置32は、信号出力調整回路100及びメモリ10を含む。この場合、信号出力調整回路100は、外部に設けられた信号処理回路20に接続される。図2(C)では、半導体装置34は、信号出力調整回路100及び信号処理回路20を含む。この場合、信号出力調整回路100は、外部に設けられたメモリ10に接続される。図2(D)では、半導体装置36は、信号出力調整回路100、メモリ10及び信号処理回路20を含む。図2(C)、(D)では、信号処理回路20がマクロ化されてインタフェース仕様が固定化されている場合に、信号出力調整回路100を用いることで、インタフェース設計を簡略化できる。
図3に、本実施形態における信号出力調整回路100の構成の概要を示す。
信号出力調整回路100は、デコーダ110、制御レジスタ120、バッファ130、出力調整回路140を含む。信号出力調整回路100に接続されるメモリ10は、予めコマンドデータが記憶されている。コマンドデータは、信号出力調整回路100に制御データを設定するための第1のコマンドデータと、制御データを信号処理回路20に出力するための第2のコマンドデータとを含む。
デコーダ110は、メモリ10から読み出されたコマンドデータをデコードする。制御レジスタ120は、第1のコマンドデータに対応した制御データを記憶する。より具体的には、デコーダ110により、メモリ10から読み出されたコマンドデータが第1のコマンドデータであると判別されたとき、該第1のコマンドデータに対応した制御データが、制御レジスタ120に設定される。
バッファ130には、第2のコマンドデータに対応した制御データが格納される。より具体的には、デコーダ110により、メモリ10から読み出されたコマンドデータが第2のコマンドデータであると判別されたとき、バッファ130には、該第2のコマンドデータに対応して制御データが格納される。
出力調整回路140は、制御レジスタ120の設定値に基づいて、バッファ130に格納された制御データを読み出し、該制御データを信号処理回路20に対して出力する。このとき、制御レジスタ120の設定値に対応したバッファ130の記憶領域に記憶された制御データが読み出される。そして、出力調整回路140は、制御レジスタ120の設定値に基づいて、その出力タイミング及びその反転出力の可否の少なくとも1つが設定されるデータ取込信号に同期して、バッファ130から読み出された制御データを信号処理回路20に対して出力する。
ここで、データ取込信号の出力タイミングとは、基準時点(基準タイミング)からの遅延時間ということができる。この遅延時間は、所与のクロックのクロック数に関連付けることができる。制御レジスタ120の設定値に基づいて、この遅延時間が設定される。また、データ取込信号の反転出力の可否は、データ取込信号の正転出力の許可又は該データ取込信号の反転出力の許可を意味する。出力調整回路140は、制御レジスタ120の設定値に基づいて、データ取込信号又はその反転信号を出力する。これにより、データ取込信号に同期して制御データを出力させる場合、データ取込信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期させることができるようになる。
また出力調整回路140は、制御レジスタ120の設定値に基づいて生成されたクロックを出力することができる。より具体的には、出力調整回路140は、制御レジスタ120の設定値に基づいて、周波数、位相、反転出力の可否、及び出力タイミングの少なくとも1つが設定されたクロックを、信号処理回路20に対して出力する。
ここで、クロックの周波数とは、単位時間あたりの該クロックの周期数ということができる。また、クロックの位相とは、ある点における基準となるクロックとの時間的なずれということができる。更にクロックの反転出力の可否とは、該クロックの正転出力の許可又は該クロックの反転出力の許可を意味する。そして、クロックの出力タイミングとは、基準時点からの遅延時間ということができる。この遅延時間は、該クロックのクロック数に関連付けることができる。制御レジスタ120の設定値に基づいて、この遅延時間が設定される。
このように信号出力調整回路100は、制御レジスタ120の設定値に基づいて、信号処理回路20に対する制御データ又はクロックの出力を調整することができる。このような制御レジスタ120の設定値、及び制御データは、メモリ10に記憶されたコマンドデータに対応したデータである。そのため、信号出力調整回路100は、メモリ10をアクセスするためのメモリ制御回路170を含むことができる。
メモリ10は、不揮発性メモリであることが望ましい。これにより、信号処理回路20に対応したコマンドデータを予めメモリ10に記憶させておき、初期化のたびにメモリ10からコマンドデータを読み出すようにすることで、信号処理回路20のインタフェース仕様に合わせて制御データ又はクロックを出力できる。以下では、メモリ10として、データを電気的に書き換えできるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)を用いた場合について説明する。
図4に、EEPROMの説明図を示す。EEPROMには、アドレス/データ分割バスとクロックラインとが接続される。アドレス/データ分割バス及びクロックラインは、信号出力調整回路100(メモリ制御回路170)に接続される。
図5に、EEPROMの読み出し制御の一例のタイミング図を示す。
メモリ制御回路170は、例えばアドレス/データ分割バスにアドレスデータAを出力すると共に、クロックラインにクロック1パルスを出力することで、EEPROMにアドレスデータAを設定することができる。このアドレスデータAは、メモリ制御回路170が読み出すコマンドデータが格納されるEEPROMのメモリ空間上のアドレスである。
メモリ制御回路170は、その後、クロックラインに順次クロックを供給する。EEPROMでは、取り込まれたアドレスデータAをクロックに同期してインクリメントする。そして、アドレスデータAに対応する記憶データ(コマンドデータ)が、クロックラインのクロックに同期してアドレス/データ分割バスに出力される。
図6に、EEPROMのメモリ空間の一例を示す。
EEPROMのメモリ空間は、複数ブロックに分割される。各ブロックは、先頭アドレスによって特定される。第1のブロックは、先頭アドレスAD1によって特定される。同様に、第2のブロックは、先頭アドレスAD2によってそれぞれ特定される。各ブロックには、1又は複数のコマンドデータが記憶される。
メモリ制御回路170は、このブロック単位にコマンドデータの読み出し制御を行う。例えば図6に示すように、先頭アドレスADn(nは自然数)によって特定される第nのブロックに記憶されるコマンドデータを読み出す場合、メモリ制御回路170は、アドレス/データ分割バスに先頭アドレスADnのアドレスデータを出力すると共に、クロックラインにクロック1パルスを出力することで、EEPROMに先頭アドレスADnを設定することができる。メモリ制御回路170は、その後、クロックラインに順次クロックを供給する。EEPROMでは、取り込まれた先頭アドレスADnのアドレスデータをクロックに同期してインクリメントする。そして、先頭アドレスADnにより特定される第nのブロックに記憶されたコマンドデータが、クロックラインのクロックに同期して順次アドレス/データ分割バスに出力される。
そして、図3に示すデコーダ110は、このようにメモリ制御回路170によってEEPROMから読み出されたコマンドデータを順次デコードする。
図7に、コマンドデータの構成例を示す。ここでは、EEPROMからコマンドデータがS(Sは自然数)ビット単位で読み出されるものとする。
図8に、コマンドデータの一例を示す。ここでは、信号出力調整回路100が表示ドライバに適用される場合のコマンドデータの例を示している。従って、信号処理回路20として、電源回路や走査ドライバが考えられる。
コマンドデータは、信号出力調整回路100に制御データを設定するための出力調整コマンド(第1のコマンドデータ)と、制御データを信号処理回路20に出力するための信号出力コマンド(第2のコマンドデータ)とを含む。出力調整コマンド又は信号出力コマンドに続いて所定ビット単位の1又は複数のパラメータが設定されてもよい。
信号出力コマンドとしては、例えば表示ドライバに接続される電源回路に制御データを出力するための各種コマンドがある。信号出力コマンドを用いることで、電源回路の動作モード等の設定を実現できる。例えば電源回路の電源出力のオン又はオフを指定するための電源出力コマンド、所与の電圧を基準に液晶の印加電圧の極性を変化させるために画素電極に対向する対向電極の電圧の変化タイミングを指定するVCOM設定コマンド、電源回路をスリープ状態に設定するための電源スリープ設定コマンド、或いは電源回路の昇圧クロックの周波数を指定するための昇圧クロック設定コマンドなどがある。
出力調整コマンドとしては、制御レジスタ120に制御データを設定するための各種コマンドがある。出力調整コマンドを用いることで、インタフェース仕様が異なる他の製造メーカの電源回路や走査ドライバに対して、制御データを設定できる。
デコーダ110は、EEPROMから読み出された図7に示す構成のコマンドデータを、図8に示すコマンドデータ表に従って解析し、該コマンドデータが出力調整コマンドであるか、信号出力コマンドであるかを判別する。そして、コマンドデータが出力調整コマンドであると判別されたとき、第1のアドレス領域に、該コマンドデータ(或いは該コマンドデータのパラメータ)に対応した制御データを設定する。また、コマンドデータが信号出力コマンドであると判別されたとき、第2のアドレス領域に、該コマンドデータ(或いは該コマンドデータのパラメータ)に対応した制御データを設定する。
制御レジスタ120及びバッファ130の各記憶領域は、アドレスによって特定される。第1のアドレス領域には、制御レジスタ120の各記憶領域が割り当てられている。第2のアドレス領域には、バッファ130の各記憶領域が割り当てられている。従って、デコーダ110により、コマンドデータが出力調整コマンドであると判別されたとき、制御レジスタ120の記憶領域に、該コマンドデータ(或いは該コマンドデータのパラメータ)に対応した制御データが設定される。また、コマンドデータが信号出力コマンドであると判別されたとき、バッファ130の記憶領域に、該コマンドデータ(或いは該コマンドデータのパラメータ)に対応した制御データが設定される。
図9に、制御レジスタ120の構成の概要を示す。
制御レジスタ120は、基準クロック選択レジスタ120−a、分周クロック選択レジスタ120−b、クロック位相選択レジスタ120−c、クロック出力論理レベル設定レジスタ120−d、クロック出力設定レジスタ120−e、データ位相選択レジスタ120−f、データ取込信号論理レベル設定レジスタ120−g、データ出力設定レジスタ120−hを含む。これら各レジスタには、第1のアドレス領域においてそれぞれ固有のアドレスが割り当てられ、デコーダ110のデコード結果に基づいて、コマンドデータに対応した制御データが設定される。
例えば図8に示す基準クロック設定コマンドに基づいて、当該コマンド又は当該コマンドのパラメータに対応した値が、基準クロック選択レジスタ120−aに設定される。設定コマンド又は当該コマンドのパラメータを、コマンドデータということができる。制御レジスタ120は、基準クロック選択レジスタ120−aの設定値に対応した基準クロック選択信号RCLKSELを出力する。
分周クロック設定コマンドに基づいて、当該コマンド又は当該コマンドのパラメータに対応した値が、分周クロック選択レジスタ120−bに設定される。制御レジスタ120は、分周クロック選択レジスタ120−bの設定値に対応した分周クロック選択信号DIVを出力する。
クロック位相選択コマンドに基づいて、当該コマンド又は当該コマンドのパラメータに対応した値が、クロック位相選択レジスタ120−cに設定される。制御レジスタ120は、クロック位相選択レジスタ120−cの設定値に対応したクロック位相選択信号CPSELを出力する。
クロック出力論理レベル設定コマンドに基づいて、当該コマンド又は当該コマンドのパラメータに対応した値が、クロック出力論理レベル設定レジスタ120−dに設定される。制御レジスタ120は、クロック出力論理レベル設定レジスタ120−dの設定値に対応したクロック出力論理レベル設定信号CLKPNを出力する。
クロック出力設定コマンドに基づいて、当該コマンド又は当該コマンドのパラメータに対応した値が、クロック出力設定レジスタ120−eに設定される。制御レジスタ120は、クロック出力設定レジスタ120−eの設定値に対応したクロック出力設定信号CCONTを出力する。
データ位相選択コマンドに基づいて、当該コマンド又は当該コマンドのパラメータに対応した値が、データ位相選択レジスタ120−fに設定される。制御レジスタ120は、データ位相選択レジスタ120−fの設定値に対応したデータ位相選択信号DPSELを出力する。
データ取込信号論理レベル設定コマンドに基づいて、当該コマンド又は当該コマンドのパラメータに対応した値が、データ取込信号論理レベル設定レジスタ120−gに設定される。制御レジスタ120は、データ取込信号論理レベル設定レジスタ120−gの設定値に対応したデータ取込信号論理レベル設定信号DATAPNを出力する。
データ出力設定コマンドに基づいて、当該コマンド又は当該コマンドのパラメータに対応した値が、データ出力設定レジスタ120−hに設定される。制御レジスタ120は、データ出力設定レジスタ120−hの設定値に対応したデータ出力設定信号DCONTを出力する。
基準クロック選択信号RCLKSEL、分周クロック選択信号DIV、クロック位相選択信号CPSEL、クロック出力論理レベル設定信号CLKPN、クロック出力設定信号CCONT、データ位相選択信号DPSEL、データ取込信号論理レベル設定信号DATAPN、及びデータ出力設定信号DCONTは、出力調整回路140に供給される。
図10に、出力調整回路140の構成の概要を示す。
出力調整回路140は、基準クロック選択回路142、N(Nは2以上の整数)相クロック生成回路144、クロック位相選択回路146、クロック出力論理レベル変換回路148、クロック出力回路150、データ位相選択回路152、データ取込信号論理レベル変換回路154、データ出力制御回路156、データ出力回路158を含む。
基準クロック選択回路142は、基準クロック選択信号RCLKSELに基づいて(広義には制御レジスタ120の設定値に基づいて)、互いに異なる周波数を有する複数の基準クロックのうち1つの基準クロックを選択する。
N相クロック生成回路144は、基準クロック選択回路142によって選択された1つの基準クロックを分周した分周クロックを基準に、互いに位相の異なるN相の位相クロックを生成する。N相クロック生成回路144によって生成されたN相の位相クロックが、クロック位相選択回路146と、データ位相選択回路152とに供給される。
またN相クロック生成回路144は、分周クロック選択信号DIVに基づいて(広義には制御レジスタ120の設定値に基づいて)設定される分周比で、基準クロック選択回路142によって選択された1つの基準クロックを分周した分周クロックを基準に、互いに位相の異なるN相の位相クロックを生成することができる。
クロック位相選択回路146は、クロック位相選択信号CPSELに基づいて(広義には制御レジスタ120の設定値に基づいて)、互いに位相の異なる複数の位相クロックのうち1つの位相クロックを選択する。より具体的には、クロック位相選択回路146は、クロック位相選択信号CPSELに基づいて、N相クロック生成回路144によって生成されたN相の位相クロックのうち1つの位相クロックを選択する。
クロック出力論理レベル変換回路148は、クロック出力論理レベル設定信号CLKPN(広義には制御レジスタ120の設定値に基づいて)、クロック位相選択回路146によって選択された1つの位相クロック又はその反転信号のいずれかを出力する。
クロック出力回路150は、クロック出力設定信号CCONTに対応した期間(広義には制御レジスタ120の設定値に対応した期間)だけ、クロック位相選択回路146によって選択された1つの位相クロック又はその反転信号を遅延させて出力する。クロック出力回路150により出力された信号が、電源回路(信号処理回路20)に供給されるクロックとなる。
また、データ位相選択回路152は、データ位相選択信号DPSELに基づいて(広義には制御レジスタ120の設定値に基づいて)、互いに位相の異なる複数の位相クロックのうち1つの位相クロックを選択する。より具体的には、データ位相選択回路152は、データ位相選択信号DPSELに基づいて、N相クロック生成回路144によって生成されたN相の位相クロックのうち1つの位相クロックを選択する。
データ取込信号論理レベル変換回路154は、データ取込信号論理レベル設定信号DATAPNに基づいて(広義には制御レジスタ120の設定値に基づいて)、データ位相選択回路152によって選択された1つの位相クロック又はその反転信号のいずれかを出力する。
データ出力制御回路156は、データ出力設定信号DCONTに対応した期間(広義には制御レジスタ120の設定値に対応した期間)だけ、データ位相選択回路152によって選択された1つの位相クロック又はその反転信号を遅延させて出力する。データ出力制御回路156により出力された信号が、データ出力回路158に供給されるデータ取込信号となる。
データ出力回路158は、データ取込信号に同期して、バッファ130から読み出された制御データを出力する。データ出力回路158により出力された信号が、電源回路(信号処理回路20)に供給される制御データとなる。
このような出力調整回路140において、基準クロック選択回路142により、制御レジスタ120の設定値に対応した周波数を有するクロックを、信号処理回路20に供給できる。またクロック位相選択回路146により、制御レジスタ120の設定値に対応した位相を有するクロックを、信号処理回路20に供給できる。更にクロック出力論理レベル変換回路148により、制御レジスタ120の設定値に対応して、クロックの正転出力又は反転出力を信号処理回路20に供給できる。更にクロック出力回路150により、基準タイミングから制御レジスタ120の設定値に対応した期間だけ遅延させて出力されるクロックを、信号処理回路20に供給できる。
またデータ位相選択回路152により、制御レジスタ120の設定値に対応した位相を有するデータ取込信号で同期させた制御データを、信号処理回路20に供給できる。更にデータ取込信号論理レベル変換回路154により、制御レジスタ120の設定値に対応して、データ取込信号の正転出力又は反転出力で同期させた制御データを、信号処理回路20に供給できる。更にデータ出力制御回路156により、基準タイミングから制御レジスタ120の設定値に対応した期間だけ遅延させた制御データを、信号処理回路20に供給できる。
従って、他のデバイスとの間のいわゆるAC特性の違いを吸収して、デバイスを汎用化する信号出力調整回路を提供できる。
なお、図10における出力調整回路140は、上記回路の一部を省略する構成でもよい。この場合でも、省略されない各回路により制御データ又はクロックの出力を調整できるという効果を得ることができる。
2. 表示ドライバ
次に、本実施形態における信号出力調整回路100を表示ドライバに適用した場合について説明する。
図11に、本実施形態における信号出力調整回路100が適用された表示ドライバの構成の概要を示す。但し、図3に示す信号出力調整回路100と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
表示ドライバ200は、信号出力調整回路100、表示データバス210、データレジスタ220、ラインラッチ230、DAC(Digital-to-Analog Converter)(広義には電圧選択回路)240、データ線駆動回路250、制御回路260を含む。
表示データバス210には、データ線を駆動するための表示データが供給される。表示データバス210には、所与のドットクロックCPHに同期して画素単位にシリアルに入力される表示データが供給される。この表示データは、表示コントローラによって供給される。
データレジスタ220は、ドットクロックCPHに基づいて表示データバス210上の表示データを取り込む。データレジスタ220は、シフトレジスタにより構成される。そして、データレジスタ220は、シフトレジスタのシフトタイミングを規定するドットクロックCPHに基づき、表示データバス210上の表示データを、1画素単位で取り込んでいく。
ラインラッチ230は、データレジスタ220に取り込まれた表示データを、水平同期信号HSYNCに基づいてラッチする。水平同期信号は、一水平走査期間を指定する信号である。
DAC240は、各基準電圧が表示データに対応した複数の基準電圧の中から、データ線ごとにラインラッチ230からの表示データに対応する駆動電圧(階調電圧)を出力する。より具体的には、DAC240は、ラインラッチ230からの表示データをデコードし、デコード結果に基づいて複数の基準電圧のいずれかを選択する。DAC240において選択された基準電圧は、駆動電圧としてデータ線駆動回路250に出力される。
データ線駆動回路250は、各データ出力部が各データ線出力端子に対応して設けられた複数のデータ出力部を有する。データ線駆動回路250の各データ出力部は、DAC240からの駆動電圧に基づいて、データ線を駆動する。データ出力部は、その出力がデータ線に接続されたボルテージフォロワ接続の演算増幅器を含む。
制御回路260は、メモリ制御回路170の機能を有すると共に、信号出力調整回路100、データレジスタ220、ラインラッチ230、DAC240、及びデータ線駆動回路250の制御を行う。この制御回路260は、制御レジスタ120の設定値に基づいて、これら各回路の制御を行う。
制御回路260は、制御レジスタ120の設定値により、データ線駆動回路250の各データ出力部に対してデータ線の駆動のオン・オフ制御を行うことができる。また制御回路260は、制御レジスタ120の設定値により、データレジスタ220を構成するシフトレジスタのシフト方向を制御し、表示データの取込方向を制御することができる。このような制御レジスタ120の設定値は、上述と同様にEEPROMから読み出されたコマンドデータのデコード結果に基づいて設定される。
図11における信号出力調整回路100の出力調整回路140は、表示系特有のクロックを基準クロックとして用い、該基準クロックを用いて制御データ又はクロックの出力調整を行う。ここで、表示系特有のクロックとしては、ドットクロックCPH、水平同期信号HSYNC、及び一垂直走査期間を指定する垂直同期信号VSYNCがある。
図12に、ドットクロックCPH、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCを模式的に示す。
ドットクロックCPHは、例えば数メガヘルツのクロックである。表示データを表示ドライバ200に供給する表示コントローラは、ドットクロックCPHに同期させて画素単位にシリアルに表示データを出力する。
また、水平同期信号HSYNCの周波数は、駆動するデータ線数に依存して決められるが、例えば数キロヘルツのクロックである。これに対して、垂直同期信号VSYNCは、例えば60ヘルツのクロックである。
次に、表示ドライバ200に適用される信号出力調整回路100の出力調整回路140の具体的な構成例について説明する。以下では、出力調整回路140が、ドットクロックCPH、水平同期信号HSYNC、及び垂直同期信号VSYNCを基準クロックとし、Nが4であるものとして説明する。
図13に、出力調整回路140の構成例を示す。但し、図10に示す出力調整回路140と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図13において、基準クロック選択回路142は、基準クロック選択信号RCLKSELに基づいて、ドットクロックCPH、水平同期信号HSYNC、及び垂直同期信号VSYNCのうちの1つを選択し、選択基準クロックCKとして出力する。
4相クロック生成回路144は、選択基準クロックCKを分周した分周クロックを基準に、互いに位相の異なる4相の位相クロックPH0〜PH3を生成する。このとき、4相クロック生成回路144は、分周クロック選択信号DIVに対応した分周比で分周した分周クロックを用いる。
図14に、4相クロック生成回路144の構成例を示す。
4相クロック生成回路144は、選択基準クロックCKを4分周する分周回路300、分周クロック選択回路310、位相生成回路320を含む。
分周回路300は、4つのT形フリップフロップTFF1〜TFF4を含む。T形フリップフロップTFF1は、選択基準クロックCKを分周した2分周クロック(CK/2)を出力する。T形フリップフロップTFF2は、2分周クロック(CK/2)を分周した4分周クロック(CK/4)を出力する。T形フリップフロップTFF3は、4分周クロック(CK/4)を分周した8分周クロック(CK/8)を出力する。T形フリップフロップTFF4は、8分周クロック(CK/8)を分周した16分周クロック(CK/16)を出力する。選択基準クロックCKとこれら分周クロック(CK/2、CK/4、CK/8、CK/16)とは、分周クロック選択回路310に供給される。
分周クロック選択回路310は、分周クロック選択信号DIVに基づいて、第1及び第2の選択分周クロックCLA、CLBを選択する。
図15に、分周クロック選択回路310の動作例の真理値表を示す。分周クロック選択信号DIVにより分周比が指定される。分周クロック選択信号DIVにより指定される分周比が1のとき、第1及び第2の選択分周クロックCLA、CLBとして、それぞれ選択基準クロックCK及び2分周クロック(CK/2)が選択されることを意味する。分周クロック選択信号DIVにより指定される分周比が2、4のときも、同様にして第1及び第2の選択分周クロックCLA、CLBとして、分周クロックが選択される。
図14において、位相生成回路320は、3つのD形フリップフロップDFF1〜DFF3を含む。第2の選択分周クロックCLBが位相クロックPH0となる。D形フリップフロップDFF1は、第2の選択分周クロックCLBを、第1の選択分周クロックCLAで同期させた位相クロックPH1を生成する。D形フリップフロップDFF2は、位相クロックPH1を、第1の選択分周クロックCLAで同期させた位相クロックPH2を生成する。D形フリップフロップDFF3は、位相クロックPH2を、第1の選択分周クロックCLAで同期させた位相クロックPH3を生成する。
図16に、図14及び図15に示す4相クロック生成回路144の動作例のタイミング図を示す。ここでは、分周クロック選択信号DIVが1、2、4が指定された場合の4相の位相クロックPH0〜PH3のタイミング図を示している。
このような4相の位相クロックPH0〜PH3は、図13に示すように、クロック位相選択回路146と、データ位相選択回路152に供給される。
クロック位相選択信号CPSELに基づいてクロック位相選択回路146によって選択された1つの位相クロックは、クロック出力論理レベル変換回路148に供給される。クロック出力論理レベル変換回路148は、クロック出力論理レベル設定信号CLKPNに応じて、クロック位相選択回路146の出力クロックの正転出力又は反転出力をクロック出力回路150に供給する。
クロック出力回路150は、ラッチ350、352、カウンタ354、コンパレータ356を含むことができる。ラッチ350は、基準タイミング信号RT1に基づいて、クロック位相選択回路146の出力をラッチする。カウンタ354は、基準タイミング信号RT1に基づいてカウント値のカウントを開始し、クロック位相選択回路146の出力CKO1のエッジをカウントする。コンパレータ356は、クロック出力設定信号CCONTによって指定される値と、カウンタ354のカウント値とを比較する。そしてコンパレータ356は、両者の値が一致したとき、パルスを出力する。ラッチ352は、該パルスに基づいてラッチ350の出力をラッチする。ラッチ352の出力が、信号処理回路20に対してクロックとして出力される。
図17にクロック出力回路150の動作例のタイミング図を示す。このようにクロック出力設定信号CCONTによって指定される値と、カウンタ354のカウント値とが一致するまでの期間だけクロック出力論理レベル変換回路148の出力を遅延させる。
一方、図13において、データ位相選択信号DPSELに基づいてデータ位相選択回路152によって選択された1つの位相クロックは、データ取込信号論理レベル変換回路154に供給される。データ取込信号論理レベル変換回路154は、データ取込信号論理レベル設定信号DATAPNに応じて、データ位相選択回路152の出力クロックの正転出力又は反転出力をデータ出力制御回路156に供給する。
データ出力制御回路156は、クロック出力回路150と同様の構成で、基準タイミング信号RT2を基準に、データ出力設定信号DCONTによって指定される値と、カウンタのカウント値とが一致するまでの期間だけデータ取込信号論理レベル変換回路154の出力を遅延させたデータ取込信号を出力する。
データ出力回路158は、D形フリップフロップにより構成される。データ出力回路158は、データ出力制御回路156からのデータ取込信号のエッジに同期して、バッファ130から読み出された制御データを取り込んで、信号処理回路20に対して出力する。
以上説明したような信号出力調整回路の機能を有する表示ドライバを提供することで、コマンドデータに基づいて、該表示ドライバのインタフェース仕様と異なるインタフェース仕様を有する走査ドライバや電源回路などの他のデバイスに制御データを設定することができ、システムの構築の容易化を図ることができる。そして、他のデバイスとの間のいわゆるAC特性の違いを吸収でき、汎用的な表示ドライバを提供でき、低コスト化を図ることができるようになる。
3. 電気光学装置への適用例
次に、図11に示す表示ドライバ200が適用される電気光学装置について説明する。以下では、電気光学装置として液晶装置を例に説明する。
図18に、電気光学装置の構成の概要を示す。ただし、図1及び図11と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
電気光学装置は、携帯電話機、携帯型情報機器(PDA等)、デジタルカメラ、プロジェクタ、携帯型オーディオプレーヤ、マスストレージデバイス、ビデオカメラ、電子手帳、又はGPS(Global Positioning System)などの種々の電子機器に組み込むことがで
きる。
図18において、電気光学装置610は、液晶表示(LCD)パネル(広義には表示パネル又は電気光学パネル)620、表示ドライバ200、走査ドライバ(ゲートドライバ)640、LCDコントローラ(広義には表示コントローラ)650、電源回路660を含む。
なお、電気光学装置610にこれら全ての回路ブロックを含める必要はなく、その一部の回路ブロックを省略する構成にしてもよい。
LCDパネル620は、各走査線(ゲート線)が各行に設けられた複数の走査線(ゲート線)と、複数の走査線と交差し各データ線が各列に設けられた複数のデータ線(ソース線)と、各画素が複数の走査線のいずれかの走査線及び複数のデータ線のいずれかのデータ線により特定される複数の画素とを含む。各画素は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、TFTと略す)と画素電極とを含む。データ線にはTFTが接続され、該TFTに画素電極が接続される。
より具体的には、LCDパネル620は例えばガラス基板からなるパネル基板上に形成される。パネル基板には、図18のY方向に複数配列されそれぞれX方向に伸びる走査線GL1〜GLM(Mは2以上の整数。Mは3以上が望ましい。)と、X方向に複数配列されそれぞれY方向に伸びるデータ線DL1〜DLN(Nは2以上の整数)とが配置されている。走査線GLm(1≦m≦M、mは整数)とデータ線DLn(1≦n≦N、nは整数)との交差点に対応する位置に画素PEmnが設けられている。画素PEmnは、TFTmnと画素電極とを含む。
TFTmnのゲート電極は走査線GLmに接続される。TFTmnのソース電極はデータ線DLnに接続される。TFTmnのドレイン電極は画素電極に接続される。画素電極と、該画素電極と液晶素子(広義には電気光学物質)を介して対向する対向電極COM(コモン電極)との間には、液晶容量CLmnが形成されている。なお液晶容量CLmnと並列に、保持容量を形成するようにしても良い。画素電極と対向電極COMとの間の電圧に応じて、画素の透過率が変化するようになっている。対向電極COMに供給される電圧VCOMは、電源回路660により生成される。
このようなLCDパネル620は、例えば画素電極及びTFTが形成された第1の基板と、対向電極が形成された第2の基板とを貼り合わせ、両基板の間に電気光学材料としての液晶を封入させることで形成される。
表示ドライバ200は、一水平走査期間ごとに供給される一水平走査期間分の表示データに基づいてLCDパネル620のデータ線DL1〜DLNを駆動する。より具体的には、表示ドライバ200は、表示データに基づいてデータ線DL1〜DLNの少なくとも1つを駆動することができる。
走査ドライバ640は、LCDパネル620の走査線GL1〜GLMを走査する。より具体的には、走査ドライバ640は、一垂直期間内に走査線GL1〜GLMを順次選択し、選択した走査線を駆動する。
LCDコントローラ650は、図示しないCPU等のホストにより設定された内容に従って、表示ドライバ200、走査ドライバ640及び電源回路660に対して制御信号を出力する。より具体的には、LCDコントローラ650は、表示ドライバ200及び走査ドライバ640に対しては、例えば動作モードの設定や内部で生成した水平同期信号や垂直同期信号を供給する。水平同期信号は、水平走査期間を規定する。垂直同期信号は、垂直走査期間を規定する。またLCDコントローラ650は、電源回路660に対しては、極性反転信号POLにより、対向電極COMの電圧VCOMの極性反転タイミングの制御を行う。
電源回路660は、外部から供給される基準電圧に基づいて、LCDパネル620の各種電圧や、対向電極COMの電圧VCOMを生成する。
表示ドライバ200は、初期化後に、メモリ10に予め記憶されたコマンドデータを読み出し、上述したように制御データ及びクロックの出力調整を行い、走査ドライバ640や電源回路660に各種クロックの出力や、各種制御データの設定を行う。例えば電源回路660に対し、上述の電源出力コマンド、VCOM設定コマンド、電源スリープ設定コマンド、及び昇圧クロック設定コマンドの少なくとも1つに対応した制御データを出力し、電源回路660の設定を行う。
なお図18では、電気光学装置610がLCDコントローラ650を含む構成になっているが、LCDコントローラ650を電気光学装置610の外部に設けてもよい。或いは、LCDコントローラ650と共にホスト(図示せず)を電気光学装置610に含めるように構成してもよい。
また走査ドライバ640、LCDコントローラ650及び電源回路660のうち少なくとも1つを表示ドライバ200に内蔵させてもよい。
また、表示ドライバ200、走査ドライバ640、LCDコントローラ650及び電源回路660の一部又は全部をLCDパネル620上に形成してもよい。例えば図19では、LCDパネル620上に、表示ドライバ200及び走査ドライバ640が形成されている。このようにLCDパネル620は、複数のデータ線と、複数の走査線と、各画素が複数のデータ線のいずれかと複数の走査線のいずれかとにより特定される複数の画素と、複数のデータ線を駆動する表示ドライバとを含むように構成することができる。LCDパネル620の画素形成領域680に、複数の画素が形成されている。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本発明は上述のLCDパネルの駆動に適用されるものに限らず、エレクトロクミネッセンス、プラズマディスプレイ装置の駆動に適用可能である。
また、本発明のうち従属請求項に係る発明においては、従属先の請求項の構成要件の一部を省略する構成とすることもできる。また、本発明の1の独立請求項に係る発明の要部を、他の独立請求項に従属させることもできる。
本実施形態における信号出力調整回路の接続関係の模式図。 図2(A)〜(D)は信号出力調整回路を含む半導体装置の構成例の模式図。 本実施形態における信号出力調整回路の構成の概要のブロック図。 EEPROMの説明図。 EEPROMの読み出し制御の一例のタイミング図。 EEPROMのメモリ空間の一例を示す図。 コマンドデータの構成例を示す図。 コマンドデータの一例を示す図。 制御レジスタの構成の概要を示す構成図。 出力調整回路の構成の概要を示すブロック図。 本実施形態における信号出力調整回路が適用された表示ドライバの構成の概要を示すブロック図。 ドットクロック、水平同期信号及び垂直同期信号を模式的なタイミング図。 出力調整回路の構成例のブロック図。 4相クロック生成回路の構成例のブロック図。 分周クロック選択回路の動作例の真理値表を示す図。 図14及び図15の4相クロック生成回路の動作例のタイミング図。 クロック出力回路の動作例のタイミング図。 電気光学装置の構成の概要を示す構成図。 電気光学装置の他の構成の概要を示す構成図。
符号の説明
10 メモリ、20 信号処理回路、100 信号出力調整回路、110 デコーダ、
120 制御レジスタ、130 バッファ、140 出力調整回路、
142 基準クロック選択回路、144 N相クロック生成回路、
146 クロック位相選択回路、148 クロック出力論理レベル変換回路、
150 クロック出力回路、152 データ位相選択回路、
154 データ取込信号論理レベル変換回路、156 データ出力制御回路、
158 データ出力回路、170 メモリ制御回路、200 表示ドライバ、
210 表示データバス、220 データレジスタ、230 ラインラッチ、
240 DAC、250 データ線駆動回路

Claims (11)

  1. コマンドデータに対応した制御データの出力を調整する信号出力調整回路であって、
    メモリから読み出された前記コマンドデータをデコードするデコーダと、
    前記デコーダにより、前記コマンドデータが前記制御データを設定するための第1のコマンドデータであると判別されたとき、該第1のコマンドデータに対応した第1の制御データが設定される制御レジスタと、
    前記デコーダにより、前記コマンドデータが制御データを出力するための第2のコマンドデータであると判別されたとき、該第2のコマンドデータに対応した第2の制御データが格納されるバッファと、
    前記制御レジスタの設定値に基づいて、前記バッファに格納された前記第2の制御データを読み出し、該第2の制御データをデータ取込信号に同期して出力する出力調整回路と、
    を含み、
    前記出力調整回路は、
    前記データ取込信号の反転出力の可否、及び前記データ取込信号の出力タイミングの少なくとも1つを、前記制御レジスタの設定値に基づいて設定することを特徴とする信号出力調整回路。
  2. 請求項1において、
    前記出力調整回路は、
    前記制御レジスタの設定値に基づいて、互いに位相の異なる複数の位相クロックのうち1つの位相クロックを選択するデータ位相選択回路と、
    前記制御レジスタの設定値に基づいて、前記データ位相選択回路によって選択された1つの位相クロック又はその反転信号のいずれかを出力するデータ信号出力論理レベル変換回路と、
    前記制御レジスタの設定値に対応した期間だけ、前記データ信号出力論理レベル変換回路の出力を遅延させた前記データ取込信号を生成するデータ出力制御回路と、
    を含むことを特徴とする信号出力調整回路。
  3. 請求項1又は2において、
    前記データ取込信号は、所与のクロックに同期した信号であり、
    前記出力調整回路は、
    前記制御レジスタの設定値に基づいて、周波数、位相、反転出力の可否、及び出力タイミングの少なくとも1つが設定された前記クロックを出力することを特徴とする信号出力調整回路。
  4. クロックの出力を調整する信号出力調整回路であって、
    前記クロックと異なるアクセス制御信号を出力してメモリからコマンドデータ読み出す制御を行うメモリ制御回路と、
    前記メモリから読み出された前記コマンドデータをデコードするデコーダと、
    前記デコーダのデコード結果に基づいて、前記コマンドデータに対応した第2の制御データが設定される制御レジスタと、
    前記制御レジスタの設定値に基づいて、クロックを出力する出力調整回路と、
    を含み、
    前記出力調整回路は、
    前記アクセス制御信号の出力を調整することなく、前記制御レジスタの設定値に基づいて、周波数、位相、反転出力の可否、及び出力タイミングの少なくとも1つが設定された前記クロックを出力することを特徴とする信号出力調整回路。
  5. 請求項3又は4において、
    前記出力調整回路は、
    前記制御レジスタの設定値に基づいて、互いに位相の異なる複数の位相クロックのうち1つの位相クロックを選択するクロック位相選択回路と、
    前記制御レジスタの設定値に基づいて、前記クロック位相選択回路によって選択された1つの位相クロック又はその反転信号のいずれかを出力するクロック出力論理レベル変換回路と、
    前記制御レジスタの設定値に対応した期間だけ、前記クロック出力論理レベル変換回路の出力を遅延させて前記クロックとして出力するクロック出力回路と、
    を含むことを特徴とする信号出力調整回路。
  6. クロックの出力を調整する信号出力調整回路であって、
    メモリから読み出されたコマンドデータをデコードするデコーダと、
    前記デコーダのデコード結果に基づいて、前記コマンドデータに対応した第2の制御データが設定される制御レジスタと、
    前記制御レジスタの設定値に基づいて、クロックを出力する出力調整回路と、
    を含み、
    前記出力調整回路は、
    前記制御レジスタの設定値に基づいて、互いに位相の異なる複数の位相クロックのうち1つの位相クロックを選択するクロック位相選択回路と、
    前記制御レジスタの設定値に基づいて、前記クロック位相選択回路によって選択された1つの位相クロック又はその反転信号のいずれかを出力するクロック出力論理レベル変換回路と、
    前記制御レジスタの設定値に対応した期間だけ、前記クロック出力論理レベル変換回路の出力を遅延させて前記クロックとして出力するクロック出力回路と、
    を含み、
    前記制御レジスタの設定値に基づいて、周波数、位相、反転出力の可否、及び出力タイミングの少なくとも1つが設定された前記クロックを出力することを特徴とする信号出力調整回路。
  7. 請求項2、5又は6において、
    前記出力調整回路は、
    前記制御レジスタの設定値に基づいて、互いに異なる周波数を有する複数の基準クロックのうち1つの基準クロックを選択する基準クロック選択回路と、
    前記基準クロック選択回路によって選択された1つの基準クロックを分周した分周クロックを基準に、互いに位相の異なるN(Nは2以上の整数)相の位相クロックを生成するN相クロック生成回路と、
    を含み、
    前記N相クロック生成回路によって生成されたN相の前記位相クロックが、前記クロック位相選択回路又は前記データ位相選択回路に供給されることを特徴とする信号出力調整回路。
  8. 請求項7において、
    前記N相クロック生成回路は、
    前記制御レジスタの設定値に基づいて設定される分周比で、前記基準クロック選択回路によって選択された1つの基準クロックを分周した分周クロックを基準に、互いに位相の異なるN相の位相クロックを生成することを特徴とする信号出力調整回路。
  9. 請求項1乃至8のいずれかにおいて、
    前記メモリは、不揮発性メモリであることを特徴とする信号出力調整回路。
  10. 表示データに基づいて電気光学装置のデータ線を駆動する表示ドライバであって、
    所与のドットクロックに同期して画素単位にシリアルに入力される前記表示データを、前記ドットクロックに基づいて取り込むデータレジスタと、
    一水平走査期間を指定する水平同期信号に基づいて、前記データレジスタに取り込まれた前記表示データをラッチするラインラッチと、
    前記ラインラッチにラッチされた前記表示データに基づいて前記データ線を駆動するデータ線駆動回路と、
    請求項7又は8記載の前記信号出力調整回路と、
    を含み、
    前記複数の基準クロックは、
    前記ドットクロック、前記水平同期信号、及び一垂直走査期間を指定する垂直同期信号のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする表示ドライバ。
  11. 請求項10において、
    前記出力調整回路は、
    前記電気光学装置の電源を供給する電源回路、及び前記電気光学装置の走査線を走査する走査ドライバのうち少なくとも1つに、前記第2の制御データ又は前記クロックを出力することを特徴とする表示ドライバ。
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