JP4100102B2 - 船舶のサイドスラスター装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、客船、コンテナ船及びオイルタンカー等の大型商船の離岸接岸時に操船に用いるサイドスラスター装置、あるいは、オイルリグ、ブイテンダー及びケーブル付設船等の定点保持のサイドスラスターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、船底に取水口を開口する吸込側配管にインペラポンプを配設し、このインペラポンプを両側舷の水噴射口に連通する排出側配管に接続した船泊のサイドスラスター装置は、例えば、特開平10−86895号公報に記載してあるように公知である。また、船底内部に立軸の渦巻ケーシングを設け、その中心部から吸引した水を上方のプロペラで加圧し、加圧旋回流を渦巻ケーシングの船底の吐出口から噴射して船舶を推進させ、渦巻ケーシングを旋回させて船舶を方向転換させる推進装置も、例えば、実開平6−61695号公報に記載してあるように公知である。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】
上記従来のサイドスラスター装置にあっては、狭い湾内の着岸や離岸等のために、右舷側または左舷側の水噴射口から水を噴射して、船舶の横移動や旋回等が可能となるものであるが、船体を貫通した配管の水の容量が船内に占める割合が大きくなり、船体重量が増加して船の速度が低下して、運転しにくい状態となっていた。また、サイドスラスター装置の取付け工事も煩雑となっていた。
【0004】
また、船底内部に立軸の渦巻ケーシングを設けた推進装置にあっては、船底に突起物がなく浅瀬でも走航可能であり、渦巻ケーシングを旋回させることにより、後進走航や離岸、接岸が容易となるものであるが、プロペラで加圧した旋回流をケーシングに充満させた後、吐出口から噴射させるので、運動エネルギーが直接圧力エネルギーに変換されず効率が悪くなる。そして、船舶に重量物を積むと吐出側に背圧がかかり、運転点が小流量側に掛りキャビテーションが発生する恐れがある。この発明は、重量の重いポンプケーシングを回動せることなく、360°どちらの方向にも噴流水の噴射が可能で、補助推進機としても使用できる船舶のサイドスラスター装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の要旨とするところは、インペラポンプ前後端に、吸込ケーシングと吐出しケーシングを連結し、吸込ケーシングの吸込口と、吐出しケーシングの吐出し口を船底に開口して、吐出しケーシングの吐出し口に回転自在に円筒状の噴射ケーシングを突出して対設し、噴射ケーシングの底部に水流案内用の吐出コーンを立設して、噴射ケーシングの側壁に噴射口を開口すると共に、吐出しケーシングの背面に配設したシリンダーに駆動機を支架させ、駆動機から垂下した駆動軸に噴射ケーシングに立設した吐出しコーンを連結して、噴射ケーシングを吐出しケーシングの吐出し口に収納自在としたもので、吐出しケーシングから下方に噴射する噴流水が水平方向に案内されて、推力の下向きの成分が発生せずに水平方向に噴射され、推力の噴射効率がよいものである。また、噴射ケーシングを回動自在としたもので、狭い水域での船舶の離岸接岸や潮流がある水域での定点保持が容易となる。噴射ケーシングの噴射口は任意の方向に向けることが可能であり、補助推進機としても利用できる。さらに、船底から突出した噴射ケーシングが上昇して吐出しケーシングに収納されて、吐出し口を閉止するので、航走時の水流抵抗となることがない。船底から突出しないので、浅瀬での水底に接触することもなく、安全性も確保できる。
【0006】
インペラポンプに連結した吸込ケーシングと吐出しケーシングを円弧状に形成し、サイドスラスターを逆U字状に構成したもので、推進機の重量が軽減され、船体に対し推進機を船底に縦置きでも横置きでも可能となり船内スペースを有効に利用できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明に係る船舶のサイドスラスター装置は上記のように構成してあり、船底の吸込ケーシングの吸込口から吸引した水がインペラポンプで加圧され、吐出しケーシングの吐出し口から下方に吐出される。噴射ケーシングに流入した加圧水は、吐出しコーンの斜面に沿って案内されて垂直流を水平流に変換しながら密閉状の噴射ケーシングの内周壁に沿って旋回し、噴射ケーシングの側壁の噴射口から水平方向の水中に噴射される。吐出しケーシングから下方に噴射される噴流水は、吐出しコーンに案内されて水平方向に噴射され、推力の下向きの成分が発生しないので、推力の噴射効率がよいものである。従来の斜め下方に噴射する推進機と比較して、大きな推力が発生して、船舶の側舷方向に移動させ、あるいは、船舶を旋回させることができる。また、噴射ケーシングの噴射口は、任意の方向に向けることが可能であり、サイドスラスターを補助推進機としても使用できる。
【0008】
【実施例】
この発明を実施例に基づき詳述すると、図1はサイドスラスターを配設した船舶の概念図であって、船舶1の船尾1aにエンジン2を連結した一対のウオータージェット推進機3が配設してあり、船舶1をウオータージェット推進機3から噴射する加圧水の推力により航走させる。船舶1の両側の側舷1bには、駆動機4に連結したプロペラ5を内設した一対のサイドスラスター6が配設してある。図2はサイドスラスターの一部縦断側面図であって、サイドスラスター6は、インペラポンプ7の前後端にそれぞれ円弧状に形成した吸込ケーシング8と吐出しケーシング9が連結してあり、サイドスラスター6を逆U字状に構成して船舶1の船底1cに配設してある。サイドスラスター6の吸込ケーシング8の吸込口8aと、吐出しケーシング9の吐出し口9aを船舶1の船底1cに開口してあり、船底1cの吸込ケーシング8の吸込口8aから吸引した水をインペラポンプ7のプロペラ5で加圧し、吐出しケーシング9の吐出し口9aから船底1cの下方に吐出させる。
【0009】
吐出しケーシング9の吐出し口9aには、底部を閉塞した円筒状の噴射ケーシング10が対設してあり、噴射ケーシング10の上端周壁10bが吐出しケーシング9の吐出し口9aの内周面に設けた軸支部9bに支架してある。この密閉状に形成した噴射ケーシング10の側壁に噴射口10aが開口してある。噴射ケーシング10の底部に水流案内用の吐出しコーン11が立設してあり、吐出しコーン11はコーン状の傾斜面の上端部を垂設し、傾斜面の下端部を水平としてある。吐出しケーシング9から噴射ケーシング10に流入した加圧水が、吐出しコーン11の斜面に沿って垂直流を水平流に変換させながら、噴射ケーシング10の内周壁に沿って旋回して、噴射ケーシング10の側壁の噴射口10aから船底1c下方の水中に、水平方向に加圧水を噴射させる。推力が従来のように下向きの成分を有さないので、大きな推力を発生する。
【0010】
吐出しケーシング9の背面に駆動機12が配設してあり、駆動機12から垂下した駆動軸13を噴射ケーシング10に立設した吐出しコーン11に連結して、噴射ケーシング10を回動自在としてある。船舶1の船尾1aのウオータージェット推進機3を停止して、一方または両方の噴射ケーシング10の噴射口10aを船舶1の一方の側舷1bの方向に開口すれば、横方向に水を噴射して船舶1の横移動ができる。噴射ケーシング10の噴射口10aの向きを切換えることにより、船舶1の旋回も可能であり、狭い湾内の着岸や離岸ができる。噴射ケーシング10の噴射口10aは、任意の方向に向けることが可能であり、ウオータージェット推進機3から加圧水を噴射しながらサイドスラスター6を利用すれば、船舶1の前後方向の推力を得ることも可能であり、船舶1が本来有している推進装置の補助的な使い方も可能である。
【0011】
図2に示すように、吐出しケーシング9の背面に駆動軸13を軸支した軸受14が配設してあり、この軸受14に連結したシリンダー15に駆動機12を支架してある。シリンダー15を作動して、噴射ケーシング10を吐出しケーシング9の吐出し口9aに収納自在としてあり、船舶1の外洋等での航走時には、噴射ケーシング10を吐出しケーシング9に収納すれば、吐出しケーシング9も密閉されて、航走時の水流抵抗となることがない。船底1cから突出するものがなく、浅瀬での水底に接触することもなく、安全性も確保できる。噴射ケーシング10の噴射口10aは360°どちらの方向にも向けることができるので、船内スペースを有効に利用して、図4及び図5に示すように、サイドスラスター6を縦置きとしてもよく、あるいは、図6及び図7に示すように、サイドスラスター6を横置きとしても船舶1の横方向の推力を得ることができる。
【0012】
【発明の効果】
この発明に係る船舶のサイドスラスター装置は上記のように構成してあり、重量の重いポンプケーシングを回動せることなく大きな推力が発生し、船舶の側舷方向に移動させ、あるいは、船舶を旋回させることができる。即ち、従来の船体の両側舷を貫通した配管を設けたサイドスラスターは、船内に占める水の容量が多くなり船の速度が低下していた。また、従来の立軸の渦巻ケーシングを設けた推進装置にあっては、プロペラで加圧した旋回流をケーシングに充満させた後、吐出口から噴射させるので、運動エネルギーが直接圧力エネルギーに変換されず効率が悪くなる欠点があった。この発明にあっては、吐出しケーシングの吐出し口に回転自在な密閉状の噴射ケーシングを対設し、噴射ケーシングの底部に吐出コーンを立設して、噴射ケーシングの側壁に噴射口を開口したので、吐出しケーシングから下方に噴射する噴流水が水平方向に案内されて、推力の下向きの成分が発生せずに水平方向に噴射され、推力の噴射効率がよいものである。
【0013】
ポンプケーシングに連結した吸込ケーシングと吐出しケーシングを円弧状に形成し、サイドスラスターを逆U字状に構成したので、推進機の重量が軽減され、船体に対し推進機を船底に縦置きでも横置きでも可能となり船内スペースを有効に利用できる。また、駆動機で噴射ケーシングを回動自在としたので、狭い水域での船舶の離岸接岸や潮流がある水域での定点保持が容易となる。噴射ケーシングの噴射口は任意の方向に向けることが可能であり、補助推進機としても利用できる。そして、シリンダーで噴射ケーシングを吐出しケーシングの吐出し口に収納自在としたので、噴射ケーシングが吐出しケーシングに収納されて、航走時の水流抵抗となることがない。船底から突出しないので、浅瀬での水底に接触することもなく、安全性も確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るサイドスラスターを配設した船舶の概念図である。
【図2】 この発明に係るサイドスラスターの一部縦断側面図である。
【図3】 同じく、噴射ケーシングの平面図である。
【図4】 同じく、船舶に縦置きしたサイドスラスターの平面概念図である。
【図5】 同じく、船舶に縦置きしたサイドスラスターの側面概念図である。
【図6】 同じく、船舶に横置きしたサイドスラスターの平面概念図である。
【図7】 同じく、船舶に横置きしたサイドスラスターの背面概念図である。
【符号の説明】
1c 船底
6 サイドスラスター
7 インペラポンプ
8 吸込ケーシング
8a 吸込口
9 吐出しケーシング
9a 吐出し口
10 噴射ケーシング
10a 噴射口
11 吐出しコーン
12 駆動機
13 駆動軸
15 シリンダー
Claims (2)
- インペラポンプ(7)の前後端に、吸込ケーシング(8)と吐出しケーシング(9)を連結し、吸込ケーシング(8)の吸込口(8a)と、吐出しケーシング(9)の吐出し口(9a)を船底(1c)に開口して、吐出しケーシング(9)の吐出し口(9a)に回転自在に円筒状の噴射ケーシング(10)を突出して対設し、噴射ケーシング(10)の底部に水流案内用の吐出しコーン(11)を立設して、噴射ケーシング(10)の側壁に噴射口(10a)を開口すると共に、吐出しケーシング(9)の背面に配設したシリンダー(15)に駆動機(12)を支架させ、駆動機(12)から垂下した駆動軸(13)に噴射ケーシング(10)に立設した吐出しコーン(11)を連結して、噴射ケーシング(10)を吐出しケーシング(9)の吐出し口(9a)に収納自在としたことを特徴とする船舶のサイドスラスター装置。
- 上記インペラポンプ(7)に連結した吸込ケーシング(8)と吐出しケーシング(9)を円弧状に形成し、サイドスラスター(6)を逆U字状に構成したことを特徴とする請求項1記載の船舶のサイドスラスター装置。
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